conversations
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337
| speakers
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3
| product_name
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26
|
---|---|---|---|
[
{
"utterance": "動く気力はもうなかった。その場に座りこみながら、ただ茜色の空を見上げる。\n誰も何も言わなかった。みんながみんな、ただその場で自分の無力を噛みしめる。\n終わった……とは思えなかった。何が終わったのかも分からなかった。\n結局、俺は何も守れていない。シャルは死んだ。ついさっきまで、あんなにも元気だった命が、今はもうこの手のひらからこぼれ落ちている。\nあれから、一時間も経っていないのに……たった数十分の時間で……こうも簡単にこぼれ落ちた。\nそして、その最後の剣を、ノートに振るわせてしまった。\nシャルに守られたアミア。シャルを止めたノート。シャル自身。そのすべてを守れなかった。\nそして……。\n俺は気を抜けばすぐにも崩れ落ちてしまいそうな足にどうにか活を入れ立ち上がる。そのまま、その隣に立った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……誰のせいでもないし、ここにいるみんなのせいでもある。誰か一人が背負えるようなものじゃないぞ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ただその場に立ち尽くし、黙って笑う少女の、その隣に立った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ……分かってる……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "分かっているはずがなかった。分かることができるはずがなかった。\n微笑みながらのその言葉には、ただ自嘲の想いだけが込められている。\n助けられるチャンスがあった。アミアが襲われたあの時、自分に力があったなら……。\n今の紅の心には、きっとその言葉しかない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……紅だけじゃない。俺も、ノートも、アミアも、みんなも、ここにいる全員が同じことを思ってる\n紅だけじゃない",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ああ……分かってるよ……\n本当に……分かってるんだ……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "微笑みの中、静かに流れていく涙。\nその涙にかけられる言葉を、俺達の誰も持ってはいなかった……。\n空がただ……赤かった……。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"紅"
] | 05_Tiny Dungeon BfY | 036303_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "誰も元気がないのは、寮に帰ってきてからも同じだった。\nそれは、現場にいた俺達だけでなく、この寮に住むほぼすべての人達が、だった。\n今回の事件がこれから何をもたらすか、なんとなくでも予感しているのかもしれない。皆が部屋へと閉じこもり、寮全体が、まるで幽霊屋敷みたいに静まりかえっている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……紅、大丈夫か?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "椅子に座り、ぼーっと外を眺め続ける紅に声をかけてみる。が、返事はない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "おい、紅?本当に大丈夫か?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "え?",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "今度は呼びかけながら、その肩に手をやる。紅は我に返ったみたいに、慌てて振り返った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……すまない。ちょっと疲れただけだ、問題ない",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "俺の顔を見て、自分が心配されていることに気付いたらしい。無理に笑って元気を見せる紅。空元気なのが分かるだけに、辛いな。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あたしなら、本当に大丈夫だ。むしろその……アミアの方が辛いはずだし、そっちに行ってやってくれないか",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "本来なら、生体コアとして狙われていたのは神界王女である、アミアだった。けれどシャルにかばわれ、あんな形になってしまった……確かに、辛いだろうな。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……分かった",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "けれど、俺には紅の方が今は脆く見えてしまった。本当に、今すぐにでも折れてしまいそうなほどに。それでも、この笑顔の前に、俺は言ってやれる言葉がない。\n俺は、アミアを元気づけるべく。部屋を後にした。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"紅"
] | 05_Tiny Dungeon BfY | 036304_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "へへーん。お兄ちゃん、押し倒しちゃった",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "頬を真っ赤に染めたまま、無理に強がるようにしてアミアが言う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "おいおい、これが、たった今まで泣いてた少女のすることか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺のその言葉をあえて聞き流して、アミアがこちらを見つめてきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だってお兄ちゃん、わたしを元気づけに来てくれたんでしょ?\nだったら、わたしも元気になってみせなくちゃダメじゃん",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "そう言って精一杯に強がった顔を見せるアミア。そんな姿に、アミアの強さを感じた気がした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なんか、凄い理屈だけれど……でも、アミアらしいな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "正直、その勢いにはうなずくしかない。俺は素直に苦笑する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でしょでしょ",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "そんな俺に嬉しそうに笑うと、アミアはスカートへと手をかけた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アミアちゃんの下着姿だよ。どう、興奮する?",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "焦りを隠さないままにスカートを脱ぎ捨てたアミアは、水色のシンプルな下着を、俺に見せつけるように腰を前に出す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もうちょっと大人っぽい下着だったらなあ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "けれども、なんとも必死な姿は、どうしても苦笑の方が勝ってしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そんなのわたしらしくないじゃん。そういうのは、お姉ちゃんにお任せで、わたしは可愛らしさを押し出してくの",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "それは確かに、アミアの言う通りだ。アミアはあくまでもアミアでいてもらわなくちゃ困る。アミアはアミアでいてほしい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それに……これからすることに大事なのは、この下だもんね……",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "アミアは更に言ってから、今まで以上に顔を赤く染めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……見たい……?",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "ともすれば泣きそうに聞こえてしまうアミアの恥ずかしさに震える声。笑顔の裏で、必死に辛い気持ちを押し込んでいるんだろう。\nこんな姿を見せられて、拒絶出来るはずもない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ、見たいな。アミアのそこ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "アミアは、俺の返事に安堵したように頷くと、意を決したように下着に手をかけた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん……そ、それじゃあ、脱ぐね……",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "少しずつ、本当にゆっくりと下ろされていく水色の下着。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "さ、さすがにこれは、恥ずかしいんだよ……本当に……",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "途中で止めそうになりながらも、そのまま気丈に下着を下ろしきったアミア。そこに、女の子にとって一番隠しておきたい場所が晒されている。\nかすかに震える小さな身体。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ、分かるよ。アミア、震えてる",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "今、神界第二王女の秘所が、こうして自分の目の前に晒されている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こんなところ見せるの、初めてで……わたし、変じゃないかな……",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "いつもの悪戯好きのアミアからは想像も出来ないような表情で、そんなことを訊ねてくる。こんな表情、少しずるいんじゃないだろうか。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "変どころか、凄い綺麗だと思うぞ……毛とかも凄く薄くて……綺麗な筋だ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "アミアの身体に似合った、とても小さな女性器。\n申し訳程度に、うっすらと覆う陰毛がかえって淫靡な印象を与えてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "も、もう……それ、褒め方変だよう……",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "それでもおかしくないと言われたことで安堵したのか、その声は少し嬉しそうだった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あんっ……",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "軽く触れただけの指先に、小さな身体が驚いたように反応する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "な、何今の……?いきなりビリッ、ってきた……",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "姉をからかう姿とは裏腹な、無垢な表情を見せるアミア。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アミアは、触るのも初めてか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "う、うん……だってさ、や、破れちゃったりしたら、怖いよね……",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "俺の問いに、素直な返事が返る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "普段の態度と違って、この時のアミアは夢見る乙女になるんだな……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "こんな一面を見せられると、アミアへの愛おしさが急増してしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お、おかしい……?",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "当然、そんなはずはない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まさか。むしろ嬉しいよ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そう頷いてから、もう一度秘所へと手を伸ばした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、や、あうっ",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "俺の指先が這う度に、アミアはその都度身体を震わせる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、んうっ\nな、なんか、凄いね……これ……",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "決して小さくない水音を立て始めた自分の秘所を、どこか不思議そうに見つめるアミア。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "わたしの中から、湧いてきてるんだ……",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "ああ……ほら",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そのアミアの目にわかりやすいように、指の間で糸を引く愛液を見せつける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……お兄ちゃんの指のせい、だよ……絶対",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "自分の身体に起きる初めての経験に、アミア自身がさらに興奮しているのが分かる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いや、俺の指で感じてくれてるアミアのせいだよ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "こんな会話の間にも、俺の指を濡らす愛液の量は増え続けていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "俺の指、こんなに濡れてる……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "これだけ濡れているなら充分だろう、そう思った俺は少しずつ顔を見せ始めていたその場所へと指を伸ばす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、ああんっ!そ、そこつまんじゃダメ!",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "恐らくは触れるのも、触れられるのも初めての場所。その弱点とも言うべき場所に触れられた途端、アミアの身体は大きく震えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ここいじってると、もっと大きくなってくる。ほら……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "その反応が楽しくて、俺はさらなる刺激を送るべく指を這わせる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あ、ああ!び、敏感、すぎて……んあぁ!",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "小さな豆部分を、少しずつ突くように触れる度に、アミアが可愛らしい声をあげて鳴く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "も、もう!今度はわたしの番!!",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "そのままの快楽に身を委ねるのを怖く感じたのか、アミアは俺の手を強引に掴んで止めさせた。\n一度俺から離れたアミアは、上着の前を開いてから俺に向き直る。\nそのまま俺のズボンを強引に脱がせると、自分の胸を押しつけるように上に乗った。そして、今はまじまじと、さらけ出された俺自身を見つめている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "へえ……これがお兄ちゃんのなんだあ……結構可愛いね",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "男からすると、可愛いと言われて嬉しい気はしないんだけどなあ。それ、かなり奇妙な褒め方だ。\nもっとも、臆せず観察しているアミアにしてみれば精一杯の強がりなのかもしれないけれど。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まだ興奮しきってないだけだよ。してる最中にもっと大きくなる",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そう強がってみせるものの、先ほどからのアミアの可愛らしい姿と声に、充分とは言わないまでも、元気にはなっている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "またまたあ。これでも充分おっきいじゃん。わたしの中、入らなそうだよ?",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "俺の言葉を真に受けたのか、アミアは更に目を見開いて胸元にある肉棒を観察する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それで、本当にやるのか……?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "先ほどからのアミアの姿勢。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もちろん。男の人って、挟んでもらうの好きなんでしょ",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "それがアミアの提案による、パイズリの姿勢だった。\nもちろん、アミアの言う通り挟んで貰えるのが嫌いな訳はない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……挟めるのか……?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "嫌いな訳はないけれど、アミアの胸でそれが可能かというと……難しい問題だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "む……いいじゃんっ。それじゃあ本気見せてあげる!",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "無理だろ?という俺の疑問をのを感じ取ったのか、アミアは少しムッとした表情を見せた後で自分のブラに手をかける。\n晒されるアミアの小さな乳房。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ほらね。これでも集めればそれなりに……ギリギリだけど……",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "それを自分の手で無理矢理に集めると、俺のモノを挟むように押しつけてきた。\n綺麗なピンク色の乳首が、アミアの頑張りに合わせるように小さく揺れる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、確かにあったかくて気持ちいいよ……胸の感触とか、凄いいい……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ふわふわとした柔らかい感覚が俺自身を包んでいる。\nその柔らかさと温かさ確かに気持ちいい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ……始めます……",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "俺の答えにひとまず満足したらしいアミアは、そのまま胸元を擦りつけるように動かし始めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……う……んんっ……",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "ぷにぷにとした感触が、俺自身を挟んでゆっくりと移動していく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "な、なんだか凄い、ね……これ……わたしも気持ちいいかも……",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "全力で胸を挟み込んでいるアミアも、どこか興奮したように頬を上気させている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "俺もちょっと驚いてる……アミアの胸で、ちゃんと挟まれてて……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "正直、こんな形でもパイズリをして貰えていることに軽い感動を覚えるくらいだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あぐ……う……す、凄い……気持ち、いい……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "一生懸命なアミアの奉仕が、いつにない刺激になって走り抜ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ほ、ほらみてよ……やっぱり凄い、でしょ……",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "そんな俺の反応に気を良くしたのか、アミアは笑みを見せつつ動きを加速させていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……お兄ちゃんの、先っぽから何か出て……んっ!ぬ、ぬるぬるしてる……",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "刺激を受けて敏感になっていた俺の先端から、先走った汁がアミアの胸元を汚していく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んあ!動き、滑らかで……ぞ、ぞくそくって、来てる……!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ぬるぬるとした滑らかさが加わり、自分自身にどくん、と血が流れ込んでいく感触があった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うわっ……本当にお兄ちゃんの、おっきくなってきた!",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "先ほどよりも力強くなった肉棒を、どこか愛おしそうに見ながらアミアは胸を擦りつけてくる。\n大きく挟めない分、工夫した動きでアミアの乳房が俺のモノを弄ぶ。\n時折ぶつかる堅い感触は、アミアの乳首なんだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、く、うう!ダ、ダメ、だ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "アミアの一生懸命さが、全力で俺の中を駆け抜けていく。\nそんな俺の反応を自分の行為が起こしている事が嬉しいのか、アミアの動きは休むことなく続いていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "も、もう、出る!出るから、アミア!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "制止の言葉をかけても、アミアは聞く様子も見せない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うわあ……な、なんか膨らんできて……",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "限界を迎えた俺はそれでも我慢しようとして……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、あああああぁ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あっけなく、精を放出していた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え、ええ!?これって、こ、こんな勢いよく出るの?それも、こんなにいっぱい……",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "アミアは自分の胸元と顔が白く汚れていく様子を、どこかあっけに取られたようにして見つめていた。\nアミアの乳房の心地良さを存分に味わった俺自身は、満足そうにその樹液を撒き散らしている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そ、それにまだびゅくん、びゅくん、っていって噴き出してる……",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "収まらない様子をどこか楽しそうに見ながら、感想を口にするアミア。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う……くうっ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺的には、アミアの思い通りにされてしまったようで、少しだけ悔しい気がする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それが、男なんだよ……仕方ないだろ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "とはいえ、どうしたって男は、こんな時の女の子に勝てる訳もない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えへへぇ。お兄ちゃんをイかせちゃったもん",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "ようやく放出の収まった肉棒を見ながら、満足そうな微笑みを見せるアミア。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "驚いたか、アミアちゃんのすーぱーてくにっく!",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "ああ、本当に驚いたよ。アミアの胸でもこんな気持ちいいんだ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そこは素直に同意するしかない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うっわー、お姉ちゃんのおっぱいならどれほどだろう、って顔だー",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "いや、さすがにこんな時に、他の子のことを思い浮かべるほど不躾ではないつもりなんですけど……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そ、それじゃあ、さあ……こっちなら、どう?おっぱいじゃあ絶対勝てないけど……でも、こっちなら……",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "それでもアミアは、その仮想敵をも勢いにしてさらに恥ずかしい姿勢をとろうとしていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あんまりみないでね……その……この格好、すっごく恥ずかしい……",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "突き出された真っ白なお尻と、先ほどまでの行為でビショビショになっている秘所。\nそのすべてを俺にさらけ出す姿勢のアミアは本当に恥ずかしいんだろう、頬だけでなく、全身を紅潮させている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こ、こんなに見えちゃうなんて、聞いてないよぉ……",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "今になって、自分の取っている姿勢の凄さを自覚したらしいアミア。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アミアの全部が見られて、俺は凄く嬉しいけどな。アミアの割れ目の中、ほら、凄い綺麗で",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺に向かって突き出されている秘所に、ゆっくりと指を這わせる。\n最初は堅く閉じていたであろうアミアの女性器も、指で押し広げることが出来るくらいには柔らかくなっていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひ、広げて見ないでよぉ!",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "感触で状況を把握したのか、軽い悲鳴が上がる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そ、それで、どう?お姉ちゃんとその……比べて……",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "アミアに取って、そこはどうしても気になってしまう問題らしい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん……凄い小さいな、入り口……本当に大丈夫か……?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "姉妹としての話ではなく、単純にアミアの身体の小ささの方が気にかかる。\n女性としての身体付きのノートと比べれば、ずっと小さい……それでも淫靡に濡れるその入り口。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "平気。うん、大丈夫……だと思う",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "俺の確認に、アミアは気丈に頷いて見せた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、だから……お願い、お兄ちゃん……",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "そこまで聞いてしまったら、俺としてもすべきことは一つだ。\nしっかりといきり立っていたモノをアミアの秘所にあてがう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……あ、う……ううっ!!",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "充分に濡れていたアミアの柔肉は、それほどの抵抗なく先端を飲み込んでいく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、はいって……くるっ",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "ただ、すぐにそれ以上の侵入を拒むように、先に進むのが困難になる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "な、なにこれ!すっごく……うぐぅっ!!",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "下手に長いこと苦しめるよりはと、俺は一気にアミアの膣内を刺し貫いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ほ、本当に狭いな、ここ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "アミアが頑張ってくれたこともあり、充分以上に怒張していた俺自身は、しっかりとアミアの中へと収まっている。\nアミアの秘所からは、愛液に混じって初めての証である赤い雫も流れ落ちていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも……きつくて……貼り付くみたいで……気持ちいい……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "きつく包み込むような感触は、動かなくてもぞわぞわと気持ち良さを伝えてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……はぁ……はぁ……ほ、ほんとだ、ね。わたしの身体、ちゃんとお兄ちゃんが入ってる……",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "苦しそうに呼吸を荒げながらも、飲み込んだ俺のモノの感触を、アミアは感じ取っているようだった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お腹、お兄ちゃんでいっぱい、だよぉ……こ、こんなに奥の方まで……んん!!",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "動かずにいたアミアの中で、微かに柔らかく蠢くような感触。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大丈夫か……?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あ、あんまり大丈夫じゃない、けど……お兄ちゃんのが、すっごい熱い",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "苦痛の方が勝るだろう状況の中で、アミアは別の感触を感じつつあるらしい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お腹の中から……頭のてっぺんまで……なんか、響くの……",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "どこか陶然とした様子で、その感触を受け入れている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "俺も、アミアのがぎゅうって締め付けてきてて……少し動くだけでもゾクッてくる……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "それに伴って、アミアの膣動の柔肉が小さく蠢くようにしながらも、俺の肉棒を締め付けてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "身体が震えて……また、出しちゃいそうだ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "実際、こんな締め付けを続けられていたら、それほど長くは持ちそうもない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "さっきの熱いやつ、だよね……う、うん……いいよ。わ、わたしの中に出しても……",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "そんな風に嬉しいことを言ってくれるアミア。\nその言葉を受けて、俺は抽挿を開始する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……お兄ちゃんが、出てって……ま、また入ってくるっ!",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "少しも楽にならない狭い膣道を、引き抜き押し入れるようにしてかき分けていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ダ、ダメ、だよぉ……身体の内側が、みんなゾクゾクって震えて……びりびりって、で、電気走って……!",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "先ほどまでよりも激しい蠢きに、こちらの感じる気持ち良さも強くなってきている。\nそしていつの間にか、アミアのあげる啼き声からも苦痛の色が薄れていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、あ、だ、だめ!ち、力抜けてきちゃう……",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "言葉の通り少しずつ力は抜け、その感触に身を委ねつつあるアミア。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、やあっ!!",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "その気の弛みか、押し寄せる快感に負けたのか。\nアミアの尿道から、黄金の液体が勢いよく放たれていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え?あ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "み、見るなあ!見るのなし!これやり直し!",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "自分が何をしているのかを気付いたアミアが、今までとは違う羞恥の声をあげる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "生理現象だもん!し、仕方ないんだからね!!",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "見るなと言われても見てしまうものは仕方がない、と思わず言いかけてしまうけれど辛うじて飲み込んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "って、あれ?お、お兄ちゃんの……お、おっきくなってる!へ、変だよお。わたしのこんなの見てっ",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "アミアの放尿という衝撃シーンの影響を、敏感に感じ取ったらしい。\n言われる通り、さっきまで以上に俺の肉棒は怒張を増しているみたいだった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いや、その……この行為っていうよりも、恥ずかしがってるアミアが、なんか可愛くて……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "こんな風に身体を重ねる状態にあってさえ、普通は見れない様子を見て、さらに愛おしさを感じていたのは事実としか言えない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、だって、本当に恥ずかしいんだからあ!",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "それでもアミアにしてみれば、恥ずかしい格好で恥ずかしいところを見られていることでしかないんだろう。\nいくら止めようとしても思うように止まらないその放尿を、顔を真っ赤にしながら耐えている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いっぱい出たみたいだな、アミア……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あ、あははは……",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "ようやく収まったところで、アミアは照れ笑いを浮かべる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ど、どう?アミアちゃんのこんな格好、普通は絶対見られないんだからね\nお兄ちゃんだから……なんだから……",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "そんな風に言われてしまえば、当然悪い気はしない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああ、分かってる……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺も出来る限り優しく頷く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、だから……もう一度、お願い……",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "仰せのままに、とばかりに俺は挿入を開始した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……さっきのおしっこのおかげかな……な、なんだかちょっとスムーズ……",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "終始恥ずかしがっていた為なのか、アミアの中の愛液は比べものにならないほどに溢れていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああ……アミアの中、すっごいぐちゃぐちゃで……熱い……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "これだけ濡れていれば、さっきよりも勢いをつけて動かせる。\nその動きに合わせて、部屋中にくちゅくちゅという音が響いていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やあっ。み、水音立てないでっ!いやらしいよお!",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "自分の秘所から上がる音に驚きながらも、アミアはその動きから与えられる感触を受け入れていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "で、でも……あんっ、あ……あふっ!!",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "気付けば、アミアの方も俺の動きに合わせるようにして腰を動かしている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うく……す、凄い、いい……アミアの恥ずかしい所見ながらとか……本当に興奮、する……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "普段とのギャップもあるんだろう、可愛い声を上げるアミアの姿を見て興奮しない訳がない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お兄ちゃんが……わたしのお腹こすって……ん、ああっ!こ、これ、凄いよぉ……頭の中、真っ白になっちゃう……",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "苦痛の声の消えたアミアに、俺も我慢することなく激しく挿入を繰り返す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お兄ちゃんが動くと……背、背筋がゾクってきて……ん、ああ!!\nダ、ダメ!もう!もう、い、いっちゃうよお!!",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "ビクッと震えたアミアの身体と、その時の激しい膣肉の動きが、限界まで来ていた俺の肉棒を妖しく包み込んで締め上げる。\n瞬間、俺は引き抜くことも出来ずにアミアの中へと精を解き放った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あ、あ、ああ!あああああああ!!",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "熱い精液を身体の奥に受けたアミアは、それと同時に激しく震えながら大きな声をあげた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "い、一番奥、に!!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ドクン、ドクンと撃ち放たれる精液が、アミアの膣内を埋め尽くすように流れこんでいく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、あ、熱いのが奥にあたって……これ、き、気持ちいい、かも……",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "アミアの妖しく蠢く柔肉はまだ足りないとばかりに俺を容赦なく締め付ける。\nお腹の奥に、熱い液体をぶつけられるアミアはどこか惚けたような表情を浮かべつつ、その感触を味わっているみたいだった。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"アミア"
] | 05_Tiny Dungeon BfY | 036307ah_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "あ、あの、姫くん?ここで、ですか……?",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "芝生の上に横たわるノート。\nその顔には、少しの困惑と驚きが見て取れる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ごめん。俺、今、すぐにノートを抱きたい\n他の場所になんて行ってられない。今すぐ欲しい",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "で、でも、あの……だ、ダメです。ボク、帰ってきてからも着替えてなくて……汗くさいですから……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "実に女の子らしい、ノートの拒絶理由。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "平気だよ、ノートの汗の臭い、俺好きだから……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そんなことは気にしないと、俺はそのままノートの鎧を外しにかかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ほら……いい匂い……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "近づいたノートの身体から香る体臭は、汗臭さというよりもノートの香りの方が強い。\nこんな香りを気にする男なんてきっといないだろうと思うほどに。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やんっ。だめです、姫くん……は、恥ずかしい……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "それでもノートは恥ずかしいのか、まだ警戒を解いてはくれない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もっと恥ずかしがってくれていい。そんなノートも、全部俺のだから……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "たまにはこんなノリもいいかと、素直な気持ちを口にしながらノートの服を脱がす作業を続けていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひ、姫くん……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "俺の言葉が嬉しかったのか、強ばっていたノートの身体から力が抜けた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "上着と一緒に下着も一気に下ろすと、解放されたノートの乳房が上下に揺れてその存在を示す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ノートの胸……やっぱり凄い……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "何度見ても、このボリュームには圧倒されてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ボ、ボク……初めてじゃないのに……姫くんにはもう全部見られてるのに……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "俺の視線から恥ずかしそうに目を逸らしつつも、胸元を隠すようなことはしない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "で、でも恥ずかしくって……まるで初めての時みたい……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "羞恥に頬を染めるノートは、それだけで愛おしさを感じさせてくれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それだけ、俺との行為を大事にしてくれてるんだよ……\n俺も、こうやって恥じらってくれるノートが、凄い可愛い……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "我慢出来なくなった俺は、外気に晒されているノートの胸にゆっくりと手を伸ばした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、ああっ!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "プルンとして柔らかな感触が手に返ってくる。\n吸い付くようでいて柔らかいこの感触は、どうしたって癖になってしまうだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、あ、ダメっ……食べたらダメですっ!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "手の平に収まりきらないノートの乳房を、俺はそのまま口へと含む。\n口の中に広がるノートの汗の味を感じながら、すでに堅くなりつつある乳首を歯で軽く噛むようにして舌先で味わう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "コリコリって感触が凄い楽しい……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "口の中で弄ぶノートの桃色の乳首。\n刺激を与える度に少しずつ堅さを増すそれにさらに吸い付き、刺激を与えていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それに、この大きな塊が、俺の手を全部埋めてくれる……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "こうして口でその先端を弄っているのに、ノートの乳房は俺の手の平で様々に形を変えている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、あ、ああっ!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "乳首と乳房、二重に刺激を与えられるノートの身体からは、一気に力が抜けつつあった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だめ……だめ、です姫くん……ボ、ボクにも……\n姫くんにさせてください……\nボクがされてばかりじゃ……いやです……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "そう言ったノートはゆっくりと身体を起こしながら、俺の身体に指を這わせてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……これが、姫くん……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "先ほどまでの行為で、しっかりと大きくなっていた俺の肉棒。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お、思ってたより、ずっとおっきい、です……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "それをノートは、まじまじと小さな驚きも含めて見つめている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ま、まあ……もう大きくなっちゃってるから、だけど……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "こうして、誰かに見つめられることのない部分だけに、感じる気恥ずかしさも普段以上だったりする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こんなに硬くなって……ボクの中に入ってたんですね……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "おそるおそるといった感じで、俺自身に優しく触れたノートが感想を口にする。\nなんとも恥ずかしくなる評価ではあるけれど……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "姫くんの……なんだか、とっても強そうです",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "そう言って、ノートは楽しそうに微笑んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ……姫くん。よろしくお願いしますね……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "ゆっくりとした動きで伸ばされた舌が、そのまま俺のモノへと近づく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んう……………\nぴちゃ",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "ノートの暖かい舌先が軽く触れただけで、小さな快感が背筋を走り抜ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "今、姫くん、ぴくん、ってなりました",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "その反応が嬉しかったのか、ノートが楽しそうに目を細めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああ。気持ちよかったから……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "やっぱり、姫くんも、ボクと同じなんですね\nきもちいいところを刺激されると……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "そうして今度は、さっきよりも躊躇なく舌を這わせてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぴちゃぴちゃ",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "アイスキャンディでも舐めるかのような調子で、ノートの舌が肉棒の先端を舐め取っていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぴちゃぴちゃぴちゃ",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "それだけのことなのに、少しざらついた感触と共に気持ち良さが駆け抜けていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う……あ、あう……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "いつもは気弱なノートに攻められるおかしな感覚に、いつも以上に敏感になってしまっているのかもしれない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……姫くんの……あっつい……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "ノートの舌先が這う度に、反応する肉棒。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んむ……ぴちゃ……あふ……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "その反応と、さらに堅くなる様子に気をよくしたのか、ノートの舌先の動きも激しさを増してきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ボクの、身体、も……な、なんだか切なくて……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "う……あ、ああっ……\nす、凄い勢いで……こみ上げてる……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ノートの舌先に翻弄されているだけで、解き放ちたいという欲求がどんどんと大きくなっていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぴちゃぴちゃ\nん……あむ……ん……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "絡みつくように動くノートの舌。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……姫くんの、匂い、が……して……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "そして、そのままノートは、俺のモノを大きく開いた口で咥えこんだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んむっ",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "温かなノートの口の中に、一気に包み込まれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……んくっ……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "口内に含まれたままに、ぞわりと動く舌先。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ううっ……い、今の、電気、走った……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "軽く当たる歯の先と、舌と、ノートの頬とでそれぞれ違う感触が走り抜けていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……あっ、あむっ……あぅ……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "口元からわずかに溢れるノートの唾液。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……ん、くっ、んん……!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "それを気にした様子もなく、一心不乱に俺の肉棒を含み続けるノート。\nその様子を見ているだけで別種の快感が俺の身を包んでいく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んん……お口、に……はあっ、んっ……い、いっぱい、です……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "舌で包むようにしたり、頬の内側に擦りつけてみたりと色々と試していたノートが、とろんとした表情のままで俺を見上げた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うう……ノートの舌も口も……あ、熱すぎて……溶けそう……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "先ほどから与えられる強い刺激に、耐えていられるのもそろそろ限界だった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うああっ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あ……はむ……ん……ボ、ボク……もう……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "物欲しそうに奥まで飲み込まれた肉棒は、その刺激に耐えることも出来ずに一気に解放感が高まってしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ノ、ノート!は、離してくれ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "咄嗟に引いた腰の動きで、なんとかノートの口からは解放される。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……え……?",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "そけれども、そのまま。\n驚きの表情を浮かべていたノートの顔へと、勢いよく解き放ってしまっていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うあああっ!!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "きゃあっ",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "あっという間に白く汚れていくノートの顔。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふぇ……?ふええ?",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "自分に降り注ぐ白い液体と、未だに収まらずに精を吐き出す俺の肉棒を、少し唖然としたままに見つめている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、熱いのがいっぱい……これ、姫くんですか……?",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "自分を汚す精液に指先を伸ばし、ノートはその感触を確かめる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ご、ごめん……もう限界、だった……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "事前に止められなかった俺は、素直に頭を下げることしか出来ない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これが姫くんの、なんですね……えへ",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "けれどノートは、自分の行為が起こした結果に、満足げに笑ってくれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "たくさん、たくさん、いただいちゃいました",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "自らを汚したその液体すらも、ノートには勲章になるみたいだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こんなにあったかいのを……ボクで感じてくれて、こんなに、なんて",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "そんなノートを見ているだけで、俺自身がまた熱く漲ってくるのを感じる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ノート……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺はそのまま、素直にノートを求める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はいっ",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "ノートもまた、そんな俺を素直に受け入れてくれた。\n俺の上へと跨りつつ、そのスカートをめくり上げて見せるノート。\nいつになく妖しく微笑む姿が、なんだかとてもエロティックに感じる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "姫くんの、全然萎えてくれません",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "肉棒に押しつけられたノートの股間。\n水玉のショーツには、先ほどまでの行為で濡れていたのだろう、小さくない染みが広がっている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "当然だよ。ノートとこういう行為してるんだ。ずっと興奮しっぱなしなんだし……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ノートの美しい裸体を前にして、萎える理由があるわけない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ボクも、姫くんで興奮しっぱなし、です",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "俺の言葉に、同様に頷いてくれるノート。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "姫くん……いい、ですか?",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "股間へと手を伸ばしたノートは、俺の頷きを待ってから肉棒の先端を自分へと導いていった。\n横にずらされたショーツの下から露わになるノートの秘所。\nすでに濡れそぼっていたそこは、怒張していた俺の肉棒を大きな抵抗も無く飲み込んでいく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う……あう……っ",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "ゆっくりと腰を下ろすだけの動作で、ノートの温かな柔肉に包まれていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ノートの、中……凄い……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "すでに充分に出来上がっていたのか、溢れる愛液と柔らかく蠢く膣道が俺のモノを充分に締め上げてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、熱すぎて……灼熱地獄みたいだ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "気を弛めれば、すぐにでもまた解き放ってしまいそうだった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひ、姫くんも、熱くて……う……あぁ……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "ノートの方も少し苦しげにしながらも、その声には喜びの色が滲んでいる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ノート、平気か?痛みとか……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "は、はい……少しだけ、苦しいですけど……で、でも……んぅ!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "そう返事を返しつつ、ノートの腰は少しずつ動き始めている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "姫くんが……ボクの中にいるだけ、で……気持ちいい……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "小さな動きの中でも、妖しく動く膣肉は搾り取るように絡みついてきていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、だから……今度は、ボクが……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "ゆっくりとした動きで大きく腰を浮かせるノート。\nそしてそのまま、腰を下ろす。\n最初のうちこそ恐る恐るだったその動きが、次第にペースを増していく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う……くっ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "急に与えられた、恐ろしいほどの快感が背筋を電気のように走り抜けた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ノート……す、少し速く、て……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "このままでは、すぐにも解き放ってしまいそうだと制止の声をかけるけれど、ノートの方は聞いてくれるつもりはないらしい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、はい……ボクも感じちゃって、ます……!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "自分が好きなように動くことで、自分自身にも俺にも刺激を与えていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "で、でも、遠慮無く……ボクを感じ、て……っ",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "それが嬉しい様子のノートは、容赦なく腰を動かし続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あ、あふ、んっ、はああ、んっ、あっ、あうっ!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "上下に動かすだけではない、時折円を描くように動くその腰使い。\nノートはこんなところでも技巧派らしい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ノートの中……トロトロで……う、ああ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "それほど回数をこなしていない筈なのに、ノートの蜜壺はまるで俺の弱い所を知っているかのように締め上げてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ま、まるで、生きてる、みたい、だ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "このままじゃノートにだけ任せきりになると思い、俺もノートの腰の動きに合わせて自らを突き上げていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……はぁ……ボ、ボクも……真っ白、です……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "俺自身の行為も加わったノートは、全身を悦びに振るわせている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "姫くんが……奥に、当たって……ボ、ボクを、突き上げて……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "コツン、コツンとノートの一番奥に届く肉棒の先端。\nその感触に弱いのか、最奥を突きあげるごとにノートの秘所からは愛液が溢れ出してくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あぐっ、ああっ、んあ、ひ……はぁんっ、んうっ……!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "同時に淫靡に蠢く柔肉が、これ以上ないほどに俺自身を締め付けてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "も、もう!姫くん、しか……か、考えられ、ません!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "その言葉に応えるように、俺も限界を忘れて突き上げる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "姫くんの硬いのが……ボクを……貫いて……あ、ああ!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "蕩けるような表情を浮かべたノートの言葉と共に、搾り取ろうとするかのようにその膣肉が蠢いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お、俺も、もう、ダメ、だ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "もう我慢するのは不可能だった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ノート!出したい!ノートの中に!もう!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "は、はい!はい!きて、きて下さい!姫くん!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "ノートの返事を聞いた直後に、俺は最後の一刺しとばかりにノートを突き上げると、その最奥に解き放った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、あ、あ、ああ!あああああああ!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "ドクドクと吐き出される白い欲望。\nお互いの行為で生まれた熱流が、ノートの最奥で暴れ回る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うああっ!!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "吐き出された熱い液体をさらに搾り取ろうと、激しくうねるノートの柔肉。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "姫くんが、溢れてきます……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "ノートは自分の秘裂から溢れだした白い液体を見て、嬉しそうに微笑む。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ……すっごい幸せ……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "欲望を吐き尽くした筈の肉棒は、ノートの中で未だにその堅さを維持したままだ。\nその事を感じ取ったノートは、妖しく微笑むとゆっくりとまた腰をくねらせる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もっと……もっと……姫くん、ください……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "その言葉を受けて、俺はもう一度自分の腰に力を込めた。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"ノート"
] | 05_Tiny Dungeon BfY | 036307bh_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "はぁ……はぁ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "いくつ振ったのかはもう分からなくなっていた。\nはっきりしているのは、いつもの数の三倍は、相当前に超えたということだけ。\n日課の素振り。少し数を増やそうと思ったのはいいけれど、始めてみればどうにも止まってくれない。\n強くなりたいと思う。強くならなければいけないと思う。\nそれが、何もできなかった俺が背負える、唯一の責任。\n自分がもう少ししっかりしていれば、なんて事を言うつもりはない。自分の力でどうこうできたようなことではなかったから。\nあれを自分の責任だなんていうのは、あまりにもおこがましすぎる。\nだけど、だからこそ悔しい。何も出来なかった自分が、ただ悔しくて、情けない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まだまだ……足りない……よな……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "落ち込んでる暇があるなら、少しでも強くなる。それが、俺の選んだ道だ。\n今は、それ以外何も考えないでいい。ただ強くなるためだけに、振り続けろ……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……姫、頑張ってるな……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "部屋の窓から中庭で剣を振り続ける姫を見下ろし、紅は呟いた。\n最初に降り始めた頃からどれくらい経ったんだろう。一時間できかないことは間違いない。\n強くなるため。ただそのために剣を振る姫を見て、紅は寂しげに微笑む。\nそれは、自分には出来ないことだと分かっているから。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なあ姫……あたしにも教えてくれ\nあれだけ自分の無力さを見せつけられて、なんで正面から立ち向かえるんだ?なんでまだ立てるんだ?\nあたしは……分からない。これから何をすればいいのか……どうやって強くなればいいのか……\nあたしに、何ができるのか……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "自嘲の笑みを浮かべながら、疲れたように呟く紅。窓の外で剣を振り続ける姫とは、まったく正反対の光景がそこにはあった……。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"紅"
] | 05_Tiny Dungeon BfY | 036404_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "それじゃあまあ、トレーニングでも行ってくるかな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "放課後。自分の部屋へと帰ってきた俺は、早速出かける準備をする。\nせっかくだし、ノートかヴェルにでも頼んで実戦形式、というのも悪くないかもしれない。\nそんなことを考えていたところで、不意にノックの音が響いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "すみません。姫先輩、いらっしゃいますか?",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "……フォン?",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うわ、こりゃまた随分とあるなあ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "訪れたヴェルとフォンの部屋。そこに置かれた段ボールの量に驚かされる。\n引っ越しの荷物の片付けをしてしまいたいので手伝ってほしい。そんなフォンの頼みを引き受けたはいいけれど、これは結構驚いた。\nフォンが来てから一月近く経つし、フォンの几帳面な性格なら、結構片付けてそうに思ったんだけどな。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まだこんなに開けてない箱あったのか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "といいますか、ほとんど開けていなかったんです。最低限必要なものだけ取りだして\n正直に言えば、フォン、この世界に長居するつもりはありませんでしたので\nすぐに戻るなら、開けてしまうと面倒じゃないですか",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "まあ確かに。それなら、そのまま送り返した方が早いしなあ\nでも、それじゃあ?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "この箱を開ける気になった。それはつまり、この世界に長期滞在する気になった、ということだ。\n俺の質問の意図を察したフォンは、少し恥ずかしそうに笑って頷いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はい。トリニティを卒業するのもまあ、悪くはないかなと思ってしまいました\nい、一応言ってはおきますが、別に姫先輩とか、皆さんと一緒にいることを楽しいとか思ってしまったわけじゃないですよ",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "まあ、そういうことにしておこうか",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "しておこう、じゃなくて、それが真実なんですっ",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "こういう分かりやすいところが、やっぱりフォンの可愛いところだよなあ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "よしっ。それじゃあ、頑張って片付けていきますか",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "なんかすっごくムカツクいなされ方をしたような気もしますが、まあよろしくお願いします……",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "そんなフォンの態度にクスと笑いつつ、俺は早速目の前の箱を開け始めた。\nそしたら、こんなん出てきました。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "な!ななななな何を広げているんですかあ!!",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "い、いや、わざとじゃないぞ!?目の前の箱を開けたら、こういうのがいっぱいだっただけで……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "フォンのイメージによく合った、可愛らしいデザインの下着がいっぱい入った箱。\nなんていうか、どうやら宝の山を掘り当ててしまったようです。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "じっくり眺めてないで下さい!!",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "フォンは大慌てになりながら、横からぶんっ、と下着を奪い取る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まったくもうっ。このえっち大魔神が",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "いや、今のは本当にわざとじゃないって。目の前の箱にいきなりなんて、回避のしようがないだろ\nそういうのは、箱に書いておいてくれ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "う……姫先輩らしからぬ正しい意見。仕方ありません、ここはフォンの方が引きましょう……\n本当にもう……姫先輩はえっちすぎます",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "おかしいなあ。今の行動に俺が責められるべきところはなかったと思うんだけど……不幸な事故だし。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "むう……お気に入り見られちゃいました……恥ずかしい……",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "……と、とりあえず片付け続けるとしよう。えーと、別の箱……別の箱……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "って、またですか!?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "きゃああああああああああああああ!!",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "しかも今回のはちょっと派手系?いや、似合わなくはないと思うけど、フォンにはさっきくらいの方が……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ほ、本当に、何をしてくれやがってるんですかあ、姫先輩!!",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "いや、違う!これも不幸な事故だ!何が入ってるか分からないんだから、仕方ないだろう!!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "姫先輩、えっち過ぎます!卑猥すぎます!強姦魔です!!",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "そこまでですか、俺!?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "で、ですから、いいかげんジックリ眺めてないで、さっさと返して下さい!!",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "フォンは再び、横から凄まじい勢いでふんだくっていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "姫せ~んぱ~い。姫先輩は、フォンの下着を物色しにきたんですかあ♪",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "まあ、待て、落ち着けフォン\nこれは何者かの罠だ。誰かが俺を罠にはめようとしているんだ\nこの段ボールに下着をしまった誰かが、それをあえて俺に取らせようと……\nあれ?ということはフォンが俺に……?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "んなわけあるかあ!!",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "ですよねえ……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "とにかく……それ以上フォンの下着を物色するようなら、今度こそ変態扱いしますから気をつけて下さいね……",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "ていうか、下着は下着で一つのダンボールにまとめておいてくれ……複数でなく……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "し、仕方ないじゃないですか。フォン、デザインの方向毎に分けてたんですから……",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "……本当に几帳面なんだなあ……。\nでもまあ、女の子の下着を平然と広げてしまったのは確かに俺の落ち度だ。本当に気をつけよう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ、気を取り直して……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は、今までのとは少し離れた所にあるダンボールを選ぶと、慎重に開け始めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……えーと……ピンクのふりふりリボン付きブラ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ひ~~め~~せ~~ん~~ぷぁ~~い~~♪",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "……ほんと、ごめん……",
"speaker": "姫"
}
] | [
"フォン",
"姫"
] | 05_Tiny Dungeon BfY | 036503_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "さすがに時間が時間のせいか、電気の灯っている窓は一つもない。みんな就寝したんだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は、すっかり荒くなった息を整えながら、軽い足踏みを続ける。走った後にいきなり止まるのは身体に悪い。\n丘と寮の間を十往復。さすがに少しきつかった。完全にハーフマラソンクラスの距離だ。もう足踏みをしているだけでも辛い。\n出来るだけゆっくりと水を飲みながら、身体に染み渡らせていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "できれば、もうちょっと動かしたいところだけれど……さすがに限界、か……\n少しずつ……慣らしていかないと、な……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "とりあえず、今日はここまでだ。明日に備えて寝てしまおう……。ふらつく足を懸命に押さえつけ、俺は部屋へと戻っていった。\nさすがに紅も寝てるか。\n電気も消え、室内を照らしている明かりは窓から入る月明かりのみ。\n俺は暗い部屋の中を、何かに躓いたりしないよう慎重に自分のベッドへと向かう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "本当に、もうダメだ……限界……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そしてどうにか辿り着くと、俺は布団へと潜り込む。瞬間、俺は意識を失った。\nお休みなさい……紅に、心の中でそう呟く事も許されず……。\n姫が自分のベッドにこもり、夢の世界へ落ちたことを確認すると、紅はムクリと起き上がった。\nそのまま、姫へと視線を送る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "本当に、姫は真っ直ぐだな……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "自分の無力を感じているのは紅だけじゃない。姫だって同じはずだ。そもそも、魔法が使えないという点で、姫は紅よりも厳しい場所にいるのだから。\nにも関わらず、姫はこうして前を向いている。自分が強くなれると信じている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あたしは……そこまで自分を信じられない……\nなあ姫……あたしは本当に、どうしたらいいんだろうな……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "静まりかえった部屋の中、小さく悲しげな呟きが響く。\nだけど、その言葉に対する答えは、ない。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"紅"
] | 05_Tiny Dungeon BfY | 036504_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "に、にいさまの怪獣さん……こんなになっちゃいました……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "すでに立派と言えるほどに元気になってしまった、俺の肉棒。\nウルルは、それを恐る恐るといった感じながらも、ジッと見つめている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いや、ウルルさんに洗って頂いたり、ジッと眺められたりしてるからでして……\n男というのは、それだけで興奮して、こんな風になれちゃう生き物なのです……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "我ながら、本当に情けない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふわぁ……凄いです……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "いつの間にやら、ウルルの指が俺のモノに絡んでいた。\n意識しているのかしていないのか、その指が動く度に俺の方も元気になってしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "で、でもできれば、あんまりジックリ見ないでほしいなあ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "これ以上元気になってしまうのは、いろいろな意味でも宜しくない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うわぁ……すっごい硬くて……すっごい熱いです……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "そんな俺の願いなど一切聞き入れられるはずもなく、ウルルは肉棒全体の感触をその細い指で確かめ始めてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あの、これ痛かったりしないんですか?な、なんか苦しそう、です……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "くにくにと、強すぎない程度の圧力で肉棒を弄るウルル。\nその好奇心に満ちた瞳と、上気した頬からは気のせいではない色気を感じてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いや、別に痛くは……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "むしろ、気持ちいいくらいだし、とは口にしない。いや、できない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これが、女の子の身体に入っちゃうんですよね……?",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "すでに、そうしたことに使われていることを知るウルルは、なぜか少し力を強めて握りしめた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ま、まあ、そうなります……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺の返事を聞いたウルルは、そのまま握っていた手を上下に動かし始める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う……くっ……ウ、ウルル、ダメ、だって!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "突然与えられたその刺激は、予想以上の快感を伴って背筋を駆け抜けていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、やめっ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "だからといって、このままこの快感を受け入れている訳にもいかない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え、えへへへ……ウルルも、これくらいは知ってます。にいさまの……あの……見てみたいです……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "止めようとする俺の言葉を聞き流すウルルは、どういう訳か的確な強さと締め付けで、俺の肉棒を擦り続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "この先っぽの部分から出ちゃうんですよね……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "いつものウルルとは違い、その声には艶っぽい響きがあった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えい、えい、えい!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "一生懸命なウルルの動きに、早くも陥落しそうになっている俺の肉棒。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、透明なの、出てきましたよ?",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "先走り汁の様子を見て気をよくしたのか、ウルルはさらにペースを上げて擦りあげた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ウ、ウルル……本当に……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "一気に強まる刺激に、抵抗することも出来ずに高まる射精感。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もう……だ、だめ、だ!!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そのまま、俺はウルルを引き離すこともなく、一気に放出してしまった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃあん!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "肉棒の先端から飛び出した精液は、ウルルの顔と両手を白く汚している。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "に、にいさまから……飛び出してきました!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "自分に降り注いだ白濁液を、物珍しそうに見るウルル。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うわ……あったかいです……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "顔に張り付いたそれをぬぐい取りながら、ウルルはどこかうっとりとしているようだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……はぁ……はぁ……だ、だから言ったんだよ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "病み上がりのせいか、自分でも驚くほど早く放出してしまっていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いいから、早く洗って、もう出た方が……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "いつまでも精液に汚れたウルルを見ているのは、精神衛生的にも非常によろしくない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも……にいさまの……まだ硬いです……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "そう思っていたのに、ウルルの瞳は俺の意に反した光をたたえている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……あの、もしかして……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "に、にいさま?あまりじっくりと見るのはいやですよ……?",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "メイド服のままで、胸元をはだけてスカートをたくし上げているウルル。\n今まで見たこともないウルルのあられもない姿。アミアのいたずらによるようなものではない、本当のあられもない姿。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ついさっきまで、俺をジックリ見てたのは誰だっけ?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "その少し怯えたよう頬を染めるウルルに、ちょっと意地悪な問いかけをしたくなる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あうぅ……ウルルです……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "涙目になりながら、ウルルは律儀に答えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "で、でも、その代わり、こうしてウルルの全部も見せちゃうんですから、おあいこです",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "そう、こんなウルルの恥ずかしい姿を見せるのは、彼女自身からの提案だった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "どちらかというと、俺は得した気分だけどな。ウルルの、こんなに可愛いところが見られて……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "こんなところを、オペラさんたちに見られたらそれこそどんな目に遭わされるかわからないけど。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "にいさま、ちょっとえっちです……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "そう言いながらも、ウルルは覚悟を決めたように一度目を閉じてから、俺を見上げた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ウルルの目線に応えるように、俺は下着の上に指を這わせる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、あ、ダメ、ですっ……そこは、きたないところ、で……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "指先の動きに敏感に反応しつつ、ウルルが少し逃げるように腰を動かす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そんなことないよ。汚いどころか、ほら、こんなにウルルを気持ちよくしてくれてる",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そうはさせじと、俺はさらに指を強めに這わせていく。\n次第に、下着の上からでもはっきりと分かるように染みが広がってきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふあ……あ、ああっ",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "下着の上からでも分かる割れ目に沿うよう上下に動かしたり、その頂点を軽く突いたり。そんな俺の指の動きに合わせて、ウルルは可愛らしい声を漏らす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "にいさまの指、が……やんっ!そ、そこ、びくん、って来ちゃいます!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "下着の上からでも分かるぷっくりとした膨らみを軽く突くだけで、ウルルの全身に震えが走った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "胸も、こんなに敏感で……ちゃんと尖ってる……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "どうやらブラはしていないらしく、晒され続けていたウルルの胸。\n先ほどまでの行為と今の状況で、すでに充分と言っていいほどに乳首は堅く尖り、その存在を主張していた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "おっぱいは……ち、ちっちゃいですから……ああんっ。こりこりしないで……んう!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "乳首を摘む行為を恥ずかしがるウルル。\nその姿が可愛くて、俺はさらに強い刺激を乳首に与えてしまう。\n下着の染みがだいぶ大きくなってきたところで、ウルルは下着を脱いでみせた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これでやっとおあいこ、かな……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "今、俺の目の前に晒させるウルルの女の子自身。\n小さいながらもヒクヒクと動く割れ目は、今は愛液を湛えて淫靡に光っている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、はい……ウルルの恥ずかしいところ、見えちゃってます……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "羞恥からか、ウルルの閉じた目蓋はふるふると震えているみたいだった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "に、にいさまの指が……撫で撫でしてきて……ふあ、あ、ああ",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "優しく、強くなりすぎないようにして、ウルルの秘所へと指を這わす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "凄いな……ウルルの熱い蜜が、どんどん溢れてくる……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "下着の上からとは比べものにならない刺激の強さに、ウルルの秘裂からは愛液がどんどんと溢れだしていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "俺の手、もうこんなになってるぞ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "秘所を弄っている指先は、もうグショグショと言っていいくらいになっている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふぁ……あ、あんっ!そ、そっちの穴はだめ、です!お、おしっこの!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "どこを弄っても素直に反応を返すウルル。\nその様子がすごく可愛らしくて、つい色々なところへと指先が伸びてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃうん!そ、そこは、つ、つままないでえ!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "すでに小さく顔を出している豆状の部分に触れると、ウルルは今までにないくらいに身体を震わせた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ん、あ、ああ!はぁん!!に、にいさま!?な、何か、きちゃいます!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "そこを中心にして乳首と交互に弄り続けていると、ウルルの身体にキュッと力が入る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふあ、あ、あああ!や、あ、ダメ!来ないでえ!!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ビクビクッ、と痙攣したウルルの身体。\nすぐに力が抜けると、秘所からは先ほどまで以上の愛液が溢れてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、ああっ!!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "太ももに触れただけでも、強く反応を返すウルル。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……びくん、って痙攣したな。軽くイッちゃたか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺の問いかけに、ボーッとしたままの顔で返事を返す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふぁ……な、何か、ふわふわ、してます……\n頭がぽーっと、して……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "自分の行為がウルルをこんな風にしたんだと思うと、再び俺の肉棒へと力が漲ってくるのが分かった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "にいさま……もっと、下さい……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "俺はウルルのその言葉に、しっかりと頷きを返した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あの、にいさま……?さっきの怪獣さんが……ウルルに入るんですか……?",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ウルルを寝かせ、その正面へと座る俺。\n今もウルルの中へと入ろうとする肉棒は、先ほどまでのウルルの痴態のおかげでしっかりと反り返っている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ、そうなるのかな……\nま、まあ、あそこまで大きくなってるのかは知らないけど……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "自分としては、先ほどと比べて差があるようには感じられないけれど。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ウルル、ちゃんとにいさまを受け入れられるでしょうか……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "不安げに肉棒を見るウルルに、俺は優しく頷いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きっと大丈夫だよ。ウルルだって、女の子なんだから",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "は、はい……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "その言葉を噛みしめるように頷いたウルルは、着ていたメイド服を脱ぎ去った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ウルルの身体……凄い綺麗だ。肌もすべすべしてるし……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "メイド服の下に隠されていたウルルの肢体。\n先ほどまでと違い、まぶしいくらいの白い肌の綺麗さがやけに目に映える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……にいさまの怪獣さん、またおっきくなりました……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ぴくん、と動いた肉棒を目ざとく見抜いたウルル。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "にいさま……ウルルの身体で興奮してくれてるんですか?",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "自信なさげに、そんなとんでもないことを口にする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ごめん。今、凄い興奮してる……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "こんなに綺麗な身体と、小さくとも形のいい胸、薄いピンク色の乳首、そして淫靡に濡れて光る秘所。\nこの姿を見せられて興奮しない男はいないと断言していいはずだ。\nもちろん、そんな役を他の誰に譲るつもりもないけれど。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ウルルもです。にいさまを受け入れるんだって思ったら……胸のドキドキが止まってくれません……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "男なら誰が聞いても嬉しい台詞だった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ウルルの、もらうよ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "逸る気持ちを抑えこみつつ、俺自身をウルルの秘所へと近づけていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、はい……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ウルルも、ほんの少しの怯えを見せたあとに、頷いてくれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、ううっ!!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "肉棒の先端にウルルの愛液を塗りつけてから、ゆっくりとウルルの中へと沈めていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "い、痛く、ないっ。痛く、ない!です!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "最初の方こそ素直に入ったものの、そこから先はゆっくりとしか進んでいけない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "にいさま、が……入って、きて!!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "じわじわと、少しずつウルルの柔肉を押し広げていく感触。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うく……ウルルの入り口……ちっちゃくて……硬くて……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "まだ誰も受け入れていない秘所は、その侵入を拒んでいるみたいだった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "で、でも……凄い、熱い……!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "それでも、先端から伝わるウルルの体温は少しずつでも一つになりつつあることを実感させてくれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "い、一番太いところ……いく、から",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "一番の抵抗を受ける部分を、力を込めて一気に押し広げていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、う……う、あああ!!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "みりっというような感触と共に、ようやく深いところへと辿り着いたみたいだった。\nしばらくして、ウルルの秘所からは初めての証としての赤い雫が流れ出してくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……はぁ……やっぱり半分くらいしか入らない、かな……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "それでも、挿入した部分をウルルの膣道は優しく、そしていやらしく締め上げてきている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも……凄い、気持ちいい……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "動かないままでいても、充分に気持ち良くなってしまいそうだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "に、にいさまが、ウルルを貫いて、ます……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ウルルが痛みを堪えながらも、お腹の中の感触を確かめている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あっついのが、ウルルの中で……い、息づいてます……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "そんなウルルの反応を見て、俺はウルルの感触をもっと味わうために抽挿を開始する。\nゆっくりと出し入れを開始してすぐにあがるウルルの声。それには痛みに混じった悦びの色があった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ!にいさま……すごい……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "まだまだ狭い膣道は、溢れる愛液の中であっても勢いよくは動かせない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ウルルの中……ごりごり、って!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "それでも出来る限りの緩急を付けて肉棒を動かすと、ウルルの柔肉もそれに合わせるように襞を搦め付けてくるようになる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "い、いや……むしろ、ウルルが俺に、吸い付いて……うあ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "とても初めてとは思えない妖しい動きで、俺の肉棒を締め付けてくるウルルの秘所。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "も、もう少し、力、抜いてくれ……ウルル!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "けれどおそらくは、ウルルの意志でどうにか出来ることじゃないだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だめ、だ!も、もう出る!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あっという間に、再び射精感がこみ上げてきていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ヒダが全部、別の生き物みたいで……俺の全部を一斉に責めて……!!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "狭く感じるウルルの膣内は、その襞が意志を持つかのように蠢いて俺自身を絞り上げようとする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あう!に、にいさまから……電気のもとみたいなのが……は、走って!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ウルルの柔肉に翻弄される俺は、最早自分の意志で止めることも忘れて、一心不乱に与えられる快感を享受していた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、あ、ああん!ウルルの身体、勝手に、反っちゃいます!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "気付けば激しく動いている俺の腰の動きに、ウルルの方も合わせて動いていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "びくんびくん、って、ふ、震えて!!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "絞り上げる俺自身を、さらに受け入れるように蠢くウルルの柔肉。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "い、いいよう!にいさま、気持ちいい、よう!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "苦痛混じりな、ウルルの歓喜の声。\nそのさえずりに操られるように、俺はさらに動きを強めていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "痛いのに、気持ちよくって……ウ、ウルル、もう!!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ウルルの両腕が、俺の首にしがみつくように回された。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、だめえええっ!!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "密着感の上がったその瞬間に、ウルルの身体が大きく震える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "も、もう、出る!!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "それと同時に襲ってくる今まで以上の肉襞の蠢きに、抵抗することも出来ずに俺はウルルの中へと解き放っていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……ああ……凄い……にいさまのあっついの……ウルルの中で何度も……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "一度出しているとは思えないくらいの量が、ウルルの最奥へと吐き出されていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "た、たくさん注ぎ込まれてきちゃいますよぉ……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ウルルの小さな膣内では収まらないその量は、すぐに秘裂の入り口から溢れだしてきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ウルルの、中……にいさまでもう、いっぱい、です……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "白濁液を吐き出される度、小さく震えるウルルの身体。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "俺も、止まってくれない……ウルルの中にとにかく出したくて……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "自分でも驚くくらいに、ウルルの中への放出は続いていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ウルルのお腹……にいさまに占領されちゃいました……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "そう言ったウルルは、けれど嬉しそうに微笑んでいた。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"ウルル"
] | 05_Tiny Dungeon BfY | 036604h_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "ふう……ほんと、完全に忘れてた",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "以前、対複数の戦闘を学ぼうと思って、ノートに選んでもらった本。図書室に返しにいくのをすっかり忘れていた。\n返却期間を一月近くも過ぎれば、そりゃあ怒られるというものだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "しかも、図書室の管理人さん、魔族で、人族のこと嫌ってるんだよなあ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "思い切り頭ごなしに怒鳴られまくりました。まあ、忘れてた俺が悪いんだし、何も言い返せないんだけれど。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "にしても、まさかこんな時間になるとはなあ。みんなに先に帰ってもらって正解だった",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は重いため息を吐き出しながら、教室へと戻った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あれ?\n紅?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そこには、先に帰ってもらったはずの、紅の姿があった。他の生徒は誰もいない。オレンジ色に染まった部屋の中、紅が一人、ボーッと外を眺めている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "紅?まだ帰ってなかったのか",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は紅の下まで歩きながら呼びかけた。紅は、びくん、と驚いたように反応すると俺へと振り返る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひ、姫……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "こんな時間まで一人でどうしたんだ?てっきりもう帰ったと思ったのに",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "い、いや、その……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "紅は言うべきか少し逡巡し、やがて覚悟を決めたのか、俺の顔をしっかりと見上げた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なあ、姫。あたしは、そんなに必要ないかな……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "どうかしたのか?いきなりそんな……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "答えてくれ!あたしは、本心が知りたいんだ",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "……そんなの、必要に決まってるだろ。紅がいてくれたから、俺はここまで来れたんだ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "本当、か?",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "ああ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "本当に、本当なんだな……?",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "間違いなく\n本当にどうしたんだ、いきなりそんな質問。紅が最近思い詰めてたのは分かってたけど……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あたしは……あたしは、何をしていいのか分からないんだ……\n二度目の暴走事故……あたしは弱くて、何もできなくて……だけどそれでも、姫もみんなも、誰もあたしを責めてくれない……\nあたしは、こんなにも自分の弱さが憎いのに、誰もあたしの弱さを叱ってくれない……\nそれってさ、まるで、あたしには最初から期待してない……そう言ってるみたいじゃないか!\nあたしなんて、最初から頭数に入ってない。だから、関係無いって!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "紅……違う。俺もみんなも、誰だってそんなことは……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ああ、そうだ!それは本当だ!ヴェルやノートとは比べものにならない!ウルルのような人望もなければ、アミアのような魔法も使えない!\nフォンとも、デイルとも、オペラさんとだって……あたしは比べものにならない……\nなあ……あたしは、どうしたらいいんだ?何をしたらいいんだ?\nこんなにも弱くて頼りないあたしを……どうやって叱りつければ……いいんだ……?",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "その目に大きな涙を浮かべ、俺に答えを求める紅。それはまるで……。\nまるで、俺みたいだった。\n昨日、ウルルに叱られた俺自身。弱い自分が憎いのに、それを責めることを許されない。\n誰かに責めて欲しいのに、誰も自分を叱ってくれない。\nもしウルルがいなかったら……俺もいずれは、この紅みたいになってしまっていたのかもしれない……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……悪い。俺も紅も、同じ想いでいたはずなのに、俺は紅の気持ちを理解できてなかったんだな……\n本当に、ごめん……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "姫……?",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "俺もさ、同じだった。何もできなかった自分が憎いのに、誰も悪くないって俺自身までかばって……それが許せなくて、自分で自分を痛めつけてた\n俺には、ウルルがそれを叱ってくれた。だから紅には、俺が叱ってやらなくちゃだよな\nまったく同じ想いを持ってた、もう一人の俺なんだから\n俺が言われた言葉を、今度は紅に伝えるよ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そう微笑む俺の次の言葉を、紅は期待に満ちた目で待っていた。こんなにも紅は苦しんでいたんだな。本当に、なんで分かってやれなかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "無力な自分が許せないなら強くなれ。強くなって、そんな自分を消してしまえ。それが、弱かった自分に対する一番の復讐だ!\n自分が望む自分になれ!他の誰よりも遙かに強い、そんな自分になってみせろ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "強く……なれ……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "ああ、強くなろう。俺もなるから、紅も一緒に",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "……そうか……あたしは、自分に復讐していいんだな。弱い自分を貶して……消してしまっていいんだな……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "瞳に溜まった涙をこぼしながら、紅は笑顔を作っていく。そして、力一杯俺を抱きしめた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……なら、これが最後だ。これが本当に、最後の弱いあたしだ\n誰かに頼らないとこんなにも弱い、悲しいあたしだ\n姫の力で……姫が、弱いあたしを叱ってくれ……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "耳元で、涙に濡れた声で囁く紅。それが何を意味するかは、すぐに分かった。\n本当にいいのか。そんな疑問が一瞬俺に問いかけてくるが、俺はその声を振り払う。\nその一歩を踏み出すのにそれが必要だって紅がいうなら……それは他の誰でもない、俺だけの権利だ。\n紅の思った以上に華奢な背中を、俺はしっかりと抱きしめた。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"紅"
] | 05_Tiny Dungeon BfY | 036702_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "こ、これでいい、か……?",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "机の上に乗り、足を開く紅。スカートも大きく捲れ上がり、その下着が余すところなく晒されている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……紅の下着……初めて見るわけじゃないのに……なんだか凄く興奮してる、俺……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "実際、着替え中を覗いてしまったことは一度や二度じゃない。同じ部屋での生活を始めた直後は、それこそ毎日のように何かを見てしまっていた。\nなのに、そんな時とは比べものにならないくらい、興奮してるぞ、俺……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あたしだって……恥ずかしくて、顔から火が出そうなんだ……\nこ、こんな風に、自分から見せるだなんて……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "恥ずかしさから目も合わせられないのか、紅は視線をそらしたままだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "紅は強気なようでいて尽くすタイプだからな。こういう事も自分から見せてくれる",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "バ、バカっ。これは、姫がこうしろって言ったんじゃないか……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "そのお願いを聞いてくれるのが、紅の可愛いところなんだよな。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "その、見てるだけだと正直辛い。少し、触るぞ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は言うと、下着の上からそっと指を這わした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "ぴくん、と紅の身体が小さく震える。秘裂の上あたりを軽く撫でただけなんだけど、結構敏感なんだな、紅……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "自分でした時と比べて、どう?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は指を上下に動かしながら紅に聞く。紅は少し気持ちよさげに答えてくれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん……凄く、ぴりぴりきて……お腹の奥の方に、ジンジンきてる……\nあ……姫の指が……す、凄い、気持ちいい……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "紅のここ、もう熱くなってきてる……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "秘裂の奥の方から湧き出す熱い何かを布越しに感じる。同時に、湿り気を帯びてきているのも。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それに、少しずつ湿って……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "い、言わないで……恥ずかしい……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "自分でも分かっているんだろう。俺の言葉に恥じらう紅。その姿が、更に激しく俺を興奮させた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ごめん。恥ずかしがってる紅、可愛いから……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "指を動かす度にジワジワと広がっている下着のシミ。俺は紅の恥じらう姿が見たくて、あえてそれを言葉にする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ほら、もうこんなに染みが……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "み、見ないで……あたし、どんどん感じてきてて……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "でも、どんどん広がってきてる……紅の中から溢れてきてるんだ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "それはシミどころか、下着越しに俺の指にも絡み始めていた。俺が紅を感じさせた結果なんだと思うと、これだけでもドキドキしてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "姫が……あたしに触ってるのが、姫だから……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "そんなことを言ってくれる紅の言葉が可愛すぎて、本当にガマンができなくなる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "紅の、見るよ……もうガマンできないから……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あ……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "俺は、紅が頷くよりも早く、その下着をズリ下ろした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "紅の……綺麗な色だ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "綺麗に処理された茂みと共に、しっかりと閉じた紅の秘裂がある。それを開くと、鮮やかなピンク色の壁が広がった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、やだ……見ないで……は、恥ずかしくて……死んじゃう……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "目に涙をいっぱいにため、羞恥に今にも泣きそうな紅。だけどそれでも隠そうとはしない。俺が見ることを手で止めようとしない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "無理だよ、紅。こんな綺麗な割れ目の中、もう、ずっと見ていたい……\n紅の恥ずかしい穴とか、入り口とか、みんな見える……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "一番敏感な突起や、小さな排泄用の穴。そして、俺を受け入れるための入り口。すべてが見える。\n一番身近にいた少女の、一番恥ずかしい所に、俺は一気に昂ぶっていく。\n柔らかそうな桃色の秘肉に、指で直接触れる。熱い紅の体温と柔らかさとが、指先から伝わってきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふあ、あ、ああっ!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "そのまま上下になぞってやるだけで、紅は身体を仰け反らせる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、あ、だめ!ゆ、指、動かさないで!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "紅の奥から、蜜がどんどん湧いてくる。それは徐々に粘りけを持ち始め、ぴちゃぴちゃと音を立てた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "紅のここ、もう熱く火照ってる。紅の中は、どれくらい熱くなってるんだろう……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "わ、わかんない、よう……姫が触るせいで……あ、頭の中、ぐっちゃぐちゃで……\nき、気持ちいい……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "俺の指が動く度、紅の口から淫靡な喘ぎがこぼれる。\n俺の指を素直に感じて、紅は全身を震わせていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "紅……俺のも、もう……凄いことになってる……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そして、紅のそんな姿に俺ももういっぱいいっぱいになっている。このままだと、いつ暴発するかも分からない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え……あ……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "紅は俺のズボンを見ると、驚いたような顔を浮かべ、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だから……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "う、うん……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "そして、恥ずかしそうに頷いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こ、こんな体勢でするの……?",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "立ちながら壁に手をついている紅の片足を抱えあげる。ズリ下げた制服からはブラに包まれた胸がこぼれ落ち、その存在を示していた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ち、ちゃんと入る……のかな……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "不安そうに呟く紅を安心させようと、俺はその耳元で優しく言った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大丈夫。ちゃんと俺を受け入れられるように、紅の身体はできてるよ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そして、ノートほどではないけれど、その豊かな胸を優しくいじる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ほら、胸もこんなに硬く尖って……\nちゃんと、女の子の身体だ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "う、うん……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "それじゃあ、入れるよ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "紅の入り口に自分をあてがうと、そっと尋ねる。紅は恥ずかしそうに、けれどハッキリと頷いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん……きて、姫。姫のを全部、あたしに埋めて\nあ、あう……んん!!\nひ、姫の硬いの、が……入って……くる!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "狭い紅の秘洞の中に、いきり立った俺を埋めていく。小さく狭まった入り口を少しずつ切り開きながら。俺は腰を前へと押し出していった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああ……少しずつだけど……紅に入ってる!\n紅の中、あ、熱すぎて……凄い……溶けそう!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "まだ先端しか入っていないにもかかわらず、紅の熱い膣壁が俺を締め上げる。\n誰も侵入したことのない固い秘洞を、俺の怒張した肉棒が征服していった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あう……んん!!\nあ、はは……ほ、本当に身体がさけちゃってる、感じだ……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "紅の入り口からは、始めての証が垂れている。紅の純潔を、俺が力尽くで引き裂いた証だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あたしの身体を……姫が引き裂いたんだな……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "ああ、俺が裂いた。俺が、紅の身体を傷つけた",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ハッキリと宣言する俺に、紅は痛みをこらえ、嬉しそうに微笑んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん……姫で、よかった……\nこんなに痛いのが……逆に嬉しく感じる……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "俺もその言葉が嬉しくて、俺はもっと紅を感じさせてあげたくなる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "ブラをズリ上げた瞬間、中から俺の手にも収まらない塊が、ぼよん、と飛び出てきた。\nノートほどではないけれど、それでも充分すぎる大きさの胸。大半の女子からすれば、羨望の眼差しだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "紅の胸、凄いな……その……たまにだけど、目で追ってたことある……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "姫のすけべ……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "紅の胸がいやらしいからだよ……だから、追いたくなる……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "こんなものを目の前で揺らされたら、男なら普通気になるはずだ。けれどその胸が今、俺のものとして俺の手の中にある。\n俺は出来るだけ優しくその胸を揉みしだく。紅が少しでも痛みを忘れて気持ちよくなれるように。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……姫の手、あったかい……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "ツンと尖った尖塔をつまみながら、その土台となっている膨らみの中に手を埋める。そして、下半身は紅の中をゆっくりと前後する。\n下半身から湧き上がってくるゾクゾクとした快感に震えながら、俺もまた必死に耐えていた。\n俺に絡みつくように貼り付く紅の秘洞。その無数のヒダがそれぞれバラバラに俺を締めつけ、刺激してくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くっ……紅の締め付け、凄くて……それに、生き物みたいに……も、もう……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ああ……いつでもいいぞ……あたしの中に、姫のいやらしいもの、たくさん出してくれ……\n姫の全部を受け止めたいんだ……\n姫が、欲しいんだ……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "紅の、そんな切なげな言葉に、もう何も考えられなくなる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お、奥に!一番奥に、出すぞ、紅!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は、自分の肉棒を一気に紅の中へと突き入れると、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う……あああっ!!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "んっ!!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "そのまま、熱いものを解き放った。俺の紅に対する欲望が、一気に溢れて奥へと流れ込んでいく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "す、凄い……熱くてドロドロしたのが……お、奥に向かって噴き出して……\nき、気持ちいい……姫の……気持ちいいよぉ……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "紅の中、よすぎて止まらない……な、なんか、身体の奥からどんどん出てくる感じで……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "びゅくん、びゅくん、と噴き出していく白い欲望。それは、俺の身体のどこにこんなに溜め込んであったんだ、と驚くほどに吐き出されていく。\nきゅっ、と締め付けてくる紅に絞り出されて止まってくれない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あはは……溢れちゃいそうだな……勿体ない……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "紅はそんな俺を苦笑しながら受け止めてくれた。けれど達しなかったこともあってか、一つのお願いを言ってくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "な、なあ、本当に、いいのか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "服を脱ぎ去り、四つん這いになった紅。そのいやらしい部分が全部見えている。\n俺に汚されたばかりの秘裂からは、俺が注いだ白濁が垂れてきていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "た、頼む……あたしのすべてを汚してほしいんだ\nそ、その……姫も抵抗あるとは思うんだけど……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "自らそんな体勢を作りながら、俺に頼み込んでくる紅。その内容にはさすがに驚いたけれど、紅のすべてを、というなら断れるはずがない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いや……その、紅がいいっていうなら、ぜひ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "……もしかして姫……お尻の方が好き、なのか……?",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "あのなあ。正真正銘、こっちに入れるのは初めてだぞ、俺……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ヴェルの時にも言われたけれど、別に特殊な趣味を持っているつもりはないんだけどなあ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そ、そうなのか。それじゃあ、頼む",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "どこか切なげに俺を見つめる紅に、俺は頷き返す。本当に始めての場所だ。俺は紅のアナルの方へと自分をあてがうと、慎重に挿入していった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……う……ん、ああっ!!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "前の抵抗とは全然違う、入り口の締めに俺も思わず悲鳴をあげかける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "い、入り口の締め付けが……前の方の比じゃないっ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あぐ……う、あああ!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "ギュッと閉じた入り口をこじ開け進んでいくが、紅は苦しいのか、必死に耐えていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "紅、苦しいなら……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "へ、平気……っ",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "それでも、今更止めるという考えは紅にはないらしい。その目に涙を浮かべながらも、俺を飲み込んで行く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そ、それよりも……これで姫の……こっちの初めては、あたしの、だよな……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "懸命に笑顔を作りながらのその言葉に、紅への愛しさが増していく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ああ、紅のものだよ\nその代り、紅の初めても俺のものだ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "う、うん。あたしの初めては、全部、姫の、だ……!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "そんな紅に応えるように、俺は半分ほど埋まった自分を、ゆっくりと前後に動かし始めた。\n前の方とは比べものにならない入り口の締まり。それに対して奥の方の壁は、どこかフニフニとして柔らかい。\nその強弱が、かなりの刺激となって俺を感じさせていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……あ、ん……す、少しずつだけど……ビリビリって、来てる……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "それは紅も同じなのか、奥の方から少しずつ蜜らしきものが湧き出してくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ……こっちの方も濡れるんだな……\nちょっとだけ、動きやすくなった",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "前の方の蜜とはちょっと違うみたいだけれど、それでも紅が感じてくれてる証みたいで嬉しくなる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、入り口の締め付けが、すごくて……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ただ、それでもやっぱり入り口は凄い。ゆっくり前後に動かそうとしても、その力で押し戻されかけてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、うん……あたしは平気だから……もっといいよ\nもっと強く……動かして……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "その頬を少し上気させながら紅が言う。俺はその言葉に従うように、力をこめて腰を動かしていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……ふあ、あ、ああ!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "徐々に加速していく俺の肉棒に、紅の嬌声も少しずつ大きくなっていく。\n前の方とは違う快感に身を震わせながら、俺は紅の体内を責め続けた。\n下半身から流れてくる電気のような快感に、俺も次第に堪え切れなってきている。\nそして紅の方も、崩れ落ちそうになる身体を必死にこらえて、感じていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、や、やだ、凄い!こっちも、感じるんだっ\nお尻……じんじんきて……き、気持ちいい",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "背筋を反らし、身体を震わせ、甘い喘ぎを教室中に響かせている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "俺も……凄い昂ぶってきてる……\n入り口はキツイのに……奥の方はフニフニしてて……う……あ、ああ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "下半身の根本の方に、さっきあれだけ出したものがもう集まってきているのが分かる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "な、なんだろう、これ……んあっ……身体の奥、が麻痺、してるみたいで……ん、くふうっ!\nぞ、ゾクゾクって……しびれ……あ、ひ、んあぁっ……!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "紅の声と身体の両方が俺を感じさせていく。ゾクゾクと背中を駆け上る快感と、このまま解き放ってしまいたい欲望とが合わさって、腰の動きは止まってくれそうにない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こ、紅……俺も、ま、また出そう!!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あ、ああ!あたしも、だ!な、何か、きて……き、きそう!!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "さっきは達せられなかった紅が、今度こそ上り詰めようと喘ぎ続ける。いつの間にか、紅自身もその腰を動かし始めていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "く、くる!あ、ん、んんっ、ひぁ、ああっ、ふあぁっ!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "更に激しく俺を求める紅に、俺もただ紅を貫く。意識はすでに快感によって支配されていて、抑えることなんてできそうもない。\nやがて紅の秘洞の方がキュッ、と締まったのが分かった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああっ!あああああぁぁぁぁぁぁっ!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "その直後、紅は大きく背を反らしながら、絶頂の悲鳴を上げた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、うああぁ!!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "それと同時に、俺も紅の中へと解き放つ。今日二回目の報酬。\n前と後ろ。紅のすべてを俺が汚した瞬間だった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "姫……本当に不思議な奴だな、お前は\n強くなれ……もし違う誰かに言われてたら、あたしには届かなかった。だけど姫が言ってくれたから、こんなにも素直にあたしの心に染みこんだ……\n姫の……あなたの心だったから……\nなあ、姫?やっぱりあたしには、お前が必要だ……\nでも、今のあたしじゃノートやヴェルには敵わないから……その隣には立てないから……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "だから、待ってて。あたしは、絶対に強くなる。姫の隣に立てるように。\n姫の力になれるようになる。\nそしてこの日、白川紅は姫の前からその姿を消した……。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"紅"
] | 05_Tiny Dungeon BfY | 036703h_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "ノートとアミアのおかげで元気も出てきたし、朝食も済ませた。せっかくだし、部屋の片付けでもするかな。\n最近はトレーニングとかにかまけてて、あまり掃除もしてなかったし。\nよし。せっかくの休日だ。今日は一日掃除を頑張ろう!俺は、むん、と意気込むと自分の部屋の扉を開けた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ほえ?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "あれ?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "なんだろう。間違いなく俺と紅の部屋であるはずのその場所に、着替え途中の美少女が一人。\nしっかりと実った女性らしい胸の膨らみと、キュッとしまった細いウエスト。そして下半身へと流れていく理想のライン。\nそれらを、申し訳ない程度の可愛らしい下着が、必死に隠そうと頑張っている。\nもしかしてとは思うんだけど、着ようとしてる服は、メイド服か?\nにしても、やっぱりヴェルってスタイルいいよな……それでいて可愛らしいあの顔立ちは、なんていうか男の理想っていう感じで見とれてしまう……。\n俺とヴェルは、しばし唖然としながら、互いに見つめ合っていた。\nそして。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、はわわわ~!!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ヴェ、ヴェル!?なんで俺の部屋で着替えなんか!?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "同時に驚きの声をあげた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ち、違うの!これはあのその、理由があるんだけど決してヒメのベッドでヒメの匂い嗅いでたら陶酔しちゃって時間とられちゃって慌てて着替えてた、とかじゃなくて!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "いやその……大変分かりやすい説明ありがとうございます……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ええ!?ち、違うの!だから、あの、その、えーと……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "そこまで無理して理由を探そうとしなくていいんだけれど、慌てるといっぱいいっぱいになっちゃうあたり、ヴェルだよなあ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そ、それよりもだ。あの……非常に目の毒で、ついずっと見続けたくなっちゃうんで早く隠してもらえると……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "え?あ……きゃあああああああ!!\nあ……でもよく考えたらヒメなのよね、相手は。え、えへへへ……\nヒメにだったら見られても別にいいかな、なんて……ほら、あの……もっと恥ずかしいところも見られちゃってるんだし……\nで、でででもやっぱり恥ずかしいから、そのね?あんまりジックリとは見ないで、チラチラと、くらいにしてくれると嬉しいかな、なんて……\nい、イヤじゃないのよ、本当。相手がヒメなら私、どこ見られたって大丈夫だもん\nた、ただそれでも、ちょっぴり恥ずかしいかな、なんて……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "その……俺個人としては本当に嬉しい一幕だったりするんだけれど……\nとりあえず、収拾つかないから、それを着るのか、脱いで私服になるのか、ハッキリしてもらえると嬉しいかな、って\nはい、着替えスタート!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "は、はいぃっ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "で、そっちの服ですか……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ビックリするくらい似合うな、ほんと……王女様のはずなのに。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ごめんなさい、お騒がせしました……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "その……着替え途中だった理由はさっき聞いたんでいいとして",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あ、あれはその、本当に違うのっ\n全部、姫のマクラが悪いのよ……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "……違くないようですね、ヴェルさん……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、なんでそんな格好を?見たところ、オペラさんに借りてきたみたいだけど",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ううん。これ、フォンとの相部屋を了承した報酬。母様がオペラさんに頼んで作ってもらってくれたのよ\nこれでヒメのお世話をすればバッチリだ!!って♪メイド服の嫌いな男なんていません!とも力説してたわね。母様も、父様に頼まれて何度か着たみたい",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "……本っ当に大丈夫なんだろうか、魔界の将来……。まあ、確かに、嫌いじゃないけれど……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "にしてもオペラさん、やっぱりとんでもないわよね。なんでこんなにもピッタリな私のサイズ知ってるのかしら……最後の、ニヤリ、って笑顔が忘れられないわ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "いや、その理由に関しては凄く怖い気がするのであえてスルーしておこう。触れたらとんでもない猛毒持った蛇が出てきそうな気がする……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "……そうね、同感だわ\nそれで、あの、理由なんだけど……怒らないでね……?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "申し訳なさそうに、上目遣いで俺の様子を伺うヴェル。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "紅がいなくなって、もう三日でしょ?ヒメ、目に見えて落ち込んでたし……何かしてあげたいなって思ってたところに、その、母様の言葉が浮かんで",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "……メイド服の嫌いな男なんていません?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ええ。それでヒメのお世話をすれば、少しくらいは元気づけられないかなって……\n私が紅の代わりだなんて、おこがましいとは分かってるんだけど……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ふう……さすがにこれは怒れないなあ。みんなに心配かけるほど落ち込んでる俺を元気づけるため、なんて理由言われたら。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ごめん、ヴェル。心配かけさせて\nその、本当のことを言わせてもらえると、凄く嬉しい。ヴェルが、そこまで俺のために何かをしようって思ってくれたことが",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ヒメ……それじゃあ、あの……ヒメのために、お世話……していい……?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "メイド姿のヴェルにだなんて貴重な経験、なんか結構照れくさいものはあるけど。ヴェルがいいなら、ぜひ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "きゃっほーう♪ヒメのお世話よ、ヒメのお世話ー♪",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "満面の笑顔で、その場に跳び上がるヴェル。いや、俺のお世話ってそんな嬉しいもの?",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあヒメ、なんでも言いつけて。これでも花嫁修業は頑張ってきたもの、家事全般問題無しよ\nその……床の準備とかでも……ヒメがそれがいいっていうなら……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "いえ……すみませんが部屋の掃除と片付けでお願いします",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "はーい。ヒメのお部屋のお掃除ー♪",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "そして、鼻歌なんて歌いつつ、本当に楽しそうに掃除を始めるヴェル。なんていうか……妙に様になってる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ねえねえ、ヒメ。今のうちに聞いておきたいんだけど",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ん?どうかした?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あの、ね。もし、えっちな本とか見つかっちゃったら、見ないフリした方がいい?\nそれとも、ちゃんと整頓しておいた方がいいかしら。ジャンル別とか……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "一冊も持ってませんから安心して下さいっ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "え?でも……それだと、ねえ?男の子って、そういうオカズがないとダメだって……どうやってるの?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ほんと、どういうところからそういう話を聞いてるんだ、ヴェルは?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "もし苦しかったら言ってね?私だったら、その、ね?ヒメがお願いしてくれるなら……うん、実物のオカズになっても……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "はい、そこまでー。終わらないから次いこうねー",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あ、はい。ごめんなさい",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "そうして再び掃除モードに入るヴェル。まあ、ああいう知識を与えてるのは、まず間違いなく学園長だろう。\n魔王と魔王妃って、ほんと、いったいどういう性生活送ってたんだ……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ねえ、ヒメ。お掃除終わったら、次は洗濯とトイレ掃除とアイロンがけと膝マクラしながらヒメの耳のお掃除、どれがいい?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "……耳の掃除でお願いします……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "こういう時、自分が男であることを実感します。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はーい。でも、どのみち全部やっていくんだけどね",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "全部やってくの!?\nにしても、ほんっと、似合い過ぎてるなあ。ヴェルのメイド服。\nつくづく思いますわ。\nこれでいいのか?王女っ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふふふ~ん♪",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "あ、いいみたいだ。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"ヴェル"
] | 05_Tiny Dungeon BfY | 037002_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "手加減は抜きだ!初めから全力でいかせてもらう!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "そんな宣言と共に踏み込んでくる紅の攻撃に俺はなんとか反応し、受け止める。\n俺はすかさずやり返しながら、笑みと共に紅へと言葉を投げつけた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "当然だ。手加減なんかしたら怒るぞ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺の言葉に紅は一瞬迷ったような顔を見せるものの、すぐに表情を引き締め間合いを外す。\nそして、再び超高速の踏み込みと連撃を放ってきた。\nずっと受け続けてきた紅の攻撃。その連撃になんとか反応するものの、それは俺の知っていたものよりも遙かに速かった。\n真眼は、まだ習得にはとてもじゃないけれど至っていない。けれど、そのための訓練は決してムダじゃなかった。こうして、紅の攻撃を防ぐことができている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くっ、あいかわらず速いな!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "しかし、あくまで防げているだけだ。さすがに反撃をする余裕はない。\nそんな俺を見て、紅は楽しげに笑った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "この程度で根を上げないでくれ?まだまだこれからだ!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "その言葉と共に、紅の連撃の速度が上がり始める。ただでさえ防戦一方だった俺は、更に追い詰められていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "!?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "しかも、そんな紅の周囲に翠の魔力光が漏れる。これは、ノートとの戦いの時と同じだ。魔装陣による無尽蔵の魔力を使っての自己強化。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "神風・5連\n穿て・穿孔\n駆けよ・隼\n抉れ・螺旋",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "限界以上にかけられた強化と付加魔法を絡めての連続攻撃。これをあそこまで受け続けたノートの凄さを改めて思い知る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぐはっ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "とてもじゃないけれど、俺に受けきれるものじゃない。俺は吹き飛ばされると、そのまま壁に身体を打ち付け倒れる。\n紅の得意とする高速戦闘。それに絡めるようにして連続で放たれる魔法攻撃。これは確かに、人を越えている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "けど……!まだだ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "全身に走る激痛を堪え、俺はどうにか立ち上がった。だがそれを予想していたんだろう。紅は更に魔法攻撃を連発してくる。\nそれはことごとく俺の身体を傷つけていくものの、俺はギリギリのところで急所を避け続けた。吹き飛び、叩きつけられるものの、倒れるたびに何度でも立ち上がる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くっ……何故倒れない!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "そんな俺にいらついたように、紅が呟く。俺は確かに、既にいつ倒れてもおかしくないほどの傷を負っている。\nけれど、無理だ。こんな攻撃じゃあ、俺に勝つことなんて出来ない。勝たせてなんてやるわけがない。\n俺は紅をまっすぐ見ながら、ハッキリと伝える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "紅の魔法の使い方が下手になったからだよ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "え……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "その言葉は紅にとって余程意外だったんだろう。まだ戦闘中にも関わらず、その動きを止めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "確かに、一度に使える魔法の数も増えた。連射も可能。威力も段違い\nでもだからって無秩序に乱発したらダメだろう。ギリギリで回避する余地がいくらでもある\n紅の技は、どれも自分の力不足を補うために徹底的に最適化されていたはずだ。こんなのは紅の技じゃない",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そうだ。かつての紅は自分の弱さをまっすぐ見つめ、それを克服するために努力し続けていた。勝つために考え、勝つために使いこなそうと鍛えていた。\nだけど今の紅は違う。これじゃあ、ただ手に入れた力に溺れているだけだ。何も考えず、使いこなそうともせず、ただ撒き散らしているだけだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぐっ……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "俺の言葉に紅が目をそらす。でもダメだ。こんな偽物の紅を俺に見せつけておいて、こんな程度で許してやれるはずがない。\n俺はかつての紅の姿を脳裏に描きながら、たたみかけるように語りかける。今の紅に、本当に紅を思い出させるように。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "紅の技はどれも状況に応じて使い分けるからこそ、その効力を発揮するように最適化されている\nそんなものを連発したって宝の持ち腐れだ。そんなの、紅自身が一番良く分かってるはずだろう!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺には、少なくとも今の紅の姿が、紅が目指していたものだとは思えない。紅なら、もっと上にいけるはずだ。こんな程度のはずがない。\nそんな俺の言葉を否定するように、紅は弱々しく頭を振った。まるで自分に言い聞かせるように、必死で言葉を搾り出す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ちがう……力におぼれていない……あたしはただ、強くなるために……!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "だったらなぜ、俺程度を倒せない!俺程度にここまで粘られる!以前のお前なら、とっくに俺を倒せてるはずだ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "それでも逃げようとする紅に、さすがに俺も頭にくる。俺は誤記を強めると、本気で怒鳴った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "目を覚ませ紅!お前がずっと探してた強さはこんな偽者の力じゃないだろう!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "けれど、それでも紅は頭を振り続ける。俺の言葉を否定して、偽物の力にしがみつこうとする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だったら見せてやる……姫、あたしが望んだ最強の力を!あたしが本当に求めた力を!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "その言葉と同時に、紅はこの戦いで初めて二刀を抜いた。今まで以上に強い魔力光が、薄暗い迷宮を翠色に染め上げる。\nまだ俺の言葉は届かない。届いてくれない。いいだろう。だったらとことんまで付き合ってやるだけだ!",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だから最初から言ってるだろう、見せてみろって。建前なんかどうでもいいんだ。今の紅の本気を俺に見せろ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そんな俺の声に応えるように、紅が二刀を構える。それは俺も良く知っている、紅の切り札の構えだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "高速戦闘特化術式・神速……改!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "『神速』。周囲の魔力を二刀の儀式兵器を共に使うことで限界まで集め、それを全て加速の強化につぎ込む事によって限界を超えた速さを引き出す紅オリジナル術式。\nそれが魔装陣による無尽蔵の魔力によって強化されればどうなるか。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "完全開放!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "俺はそれを、この身体で思い知った。\n紅の身体が消え、それとほぼ同時に俺の背後へと現れる。\n直後、俺は血を噴き出しながら倒れていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なっ……見え、ない……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "姿を追えないとか、視線が追いつかないとか、そんなレベルじゃない。『紅が動いたこと』を認識する事が出来なかった。\nそれは瞬間移動にすら近いもの。完全に人間の限界を超えている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これを解放した以上、もう誰もあたしに追いつけない\nだからすまない姫、ここで倒れてくれ",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "倒れている俺を見下ろしながらそう呟く紅に、少しだけむかついた。\n確かに凄い技だ。俺の贔屓目を除いても、世界に通用するほどのものだろう。だけど違う。これは、紅が自分の力で放っているものじゃない。\n魔装陣の力を借りて、ただ無理やり放っているだけの技。紅の努力が生み出したものじゃない、借り物のの力。\nそんな力を振りかざし、勝った気になっている紅にむかついた。だから俺は立ち上がる。こんな技で誰が倒れていてやるものか。\n血を噴き出しながら立ち上がる俺に、紅の表情が驚愕に固まる。俺はふらつきながらも両の足で立ち上がると、紅に向かって言い切った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "この程度の技を相手に諦める程度の覚悟だったら、最初からこんな所、来たりしないよ\n神速・改か。確かに凄い技だけれど……凄いだけだ。この程度なら簡単に追いつける",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "遠のきかける意識に渇をいれ、俺は再び剣を構える。それを見て紅の顔に一瞬恐怖のようなものが浮かんだ。だがすぐにその表情を吹き飛ばすと、再び構えを取る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "負け惜しみを!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "再びの神速・改。紅の体が消え、俺の身体に傷が増える。それも今度は一つ二つじゃない。全身の至る箇所から同時に血が吹き出る。\nでも、それだけだ。所詮は傷が増えただけ。俺は負けてもいないし死んでもいない。だからまた、当たり前のように立ち上がる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "悪いけど効かないな……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "完全に強がりだ。そんな事誰が見ても明らかだっただろう。けれどそれでも俺は笑う。紅に向かってわっらいかける。そんな俺に、紅は酷く動揺した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やめろ……やめてくれ、姫……これ以上戦ったら本当に……そうしたら、あたしは!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "紅、俺の諦めの悪さ……知ってるだろう?デイル戦を思い出せ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そうだ。あの時、ヴェルに教えられた言葉。それがこの胸にある限り、俺は絶対に自分からは倒れない。立ち上がれるかぎり何度でも立ち上がってやる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "俺は、絶対に自分からは倒れない!!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は振るえる手で再び剣を紅へと向ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぐっ……う、うわあああああああ!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "どこか悲しげな絶叫と共に、紅が俺へと剣を振るう。けれどそれでも、俺は折れない。\n剣を握っている感触なんてとっくにない。いや、痛みすら感じているのかも分からない。震える足を地面に縫い付けるのに必死で、戦える力なんてとっくに。\nけれどそれでも、俺は紅から目を離さない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "何故だ!なんで倒れてくれない!もうとっくに限界のはずだろう!ふらふらで、立っているだけでも怪しいじゃないか!なのに……\nなんで立ち上がる!何で!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "泣くよう叫ぶ紅に、俺は苦笑を浮かべると、あっさりと答えを返す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "決まってるだろう。紅が弱いからだよ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "なっ!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "こんな攻撃じゃ何度攻撃されても俺を倒せない",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あたしは強くなったんだ!なのになんで!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "駄々をこねる子供の様に、紅が必死に俺の言葉を否定する。そして、怯えるように二刀を構える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "違う、紅は紅のままだ。今俺がこうして立っているのが何よりの証拠だよ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ああ、いいさ。言葉で言って分からないなら教えてやる。俺が、白川紅っていう女について教えてやる。\n俺は全ての力を振り絞り、剣を構えた。一撃でいい。一撃あれば充分だ。その一撃だけは、絶対に外さない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "違う!あたしは変わったんだ!だから、だから!だから倒れろ!白鷺姫!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "絶叫と共に再び紅の身体が消えた。そして、俺の背後に現れる。\n俺の動体視力を超え、決して捕らえる事の出来ない攻撃。けれど俺は自分でも驚くぐらい冷静に言葉を紡ぐ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "嫌だね……ここで俺が倒れたら、お前を、白川紅を、いったい誰が救うんだ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そして、その一撃が、紅の身体を確実に捉えていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぐっ……がはっ!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "紅が血を吐いて膝をつく。致命傷ではないものの、戦闘を継続するのは難しい、決して小さくない傷を抑えながら。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あれだけ食らって、やっと見えたよ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "バカ……な、神速状態のあたしに、姫が攻撃を当てられるはずが……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "本気で信じられないという風に呟く紅に、俺は肩を竦めながら向き直る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それはさすがに見くびりすぎだぞ。俺だって日々成長してるんだ。まあ、亀みたいにゆっくりだけどさ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "まさか……真眼……?",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "その言葉にはあえて答えない。すると紅は自分の言葉を否定するように首を振った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そんな、ありえない……姫の真眼はまだ未完成のはずだ!まだ攻撃の完全予想レベルには及ばないはずだ!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "俺はその言葉に苦笑しながら答える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "その通りだよ。俺の真眼はまだ未完成で到底使い物にならないレベルだ。だけど……\nだけど、紅が相手だったら話は別だ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "なに……?",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "忘れたのか?俺がトリニティにいる間ずっと、誰とコンビを組んできたのか。誰と背中を合わせて来たのか",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "……それは……あたし……だ",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "ずっとコンビで戦ってきたんだ。紅の攻撃の癖も得意なところも苦手なところも全部知ってる\nたとえ能力が上がっても、根底にあるものは変わらない。だって白川紅には違いないんだからさ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺の言葉にしばらく呆然とした紅は、自嘲気味に小さく笑った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はは……だからか。だから、なのか……\nだからお前は立っていられたのか……だからあたしに、攻撃を当てられた……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "その姿は紅だった。俺の知っている白川紅だった。だから俺も傷の痛みをこらえながら軽く笑う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まったく、気付くのが遅いんだよ。いつもの紅だったら、とっくに気がついてたぞ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あは……あはははは。俺がこうして立っているのが何よりの証拠……か。そうだな、本当にその通りだ。なんで気がつかなかったんだ、あたしは……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "もし、紅が本当に変わってたなら、俺は多分、最初の一撃で戦闘不能になってるよ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "姫……お前は本当に強くなったな……それに比べて、あたしは……\n強くなったつもりだった……けれど実際には……弱く、なってた……\n認めるよ姫。あたしにはお前の心は折れそうもない……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "再び小さく笑った紅が負けを認める。俺はそんな紅に手を差し伸べるように声をかける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なら、戻ってこい、紅",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "しかし、紅は俺の手を握らず頭を振った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だけどな、あたしにも意地があるんだ……今までのけじめをつけないと",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "そして紅は立ち上がると再び刀を握る。その姿に俺は思わず声を上げる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "紅!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "次の一撃に、あたしはあたしの全てをかける……受け止めて、姫……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ただまっすぐに俺を見つめる紅。その目は間違いなく紅のままで……俺の知っている、俺の求めていた白川紅の目のままで……。\nだから俺は、無言で剣を構えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ありがとう、姫\nさあ、行くぞ!これがあたしの……白川紅の最後の一撃だ!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "なんとなく、予感はしていた。\nもしかしたら、最初から知っていたのかもしれない。分かっていたのかもしれない。\n俺と紅の道が交わることはもうない……そんな風に。\nだから、こんな結末も……予想はしていた。\nしていた、けれど!",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……紅……お前……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "……ごめん、姫……あたしもさ……分かってたんだ、最初から\nこの道に行けば……もう……姫と並べないって……\nだけど、それでも……夢を、見たかった……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "紅の手から、刀が落ちた。カラン、と小さな音を立てて、床で跳ねる。\nそして紅は、その両手を伸ばした。震えるその両腕で、俺の背中を、しっかりと抱きしめる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふざけるなよ……俺だって、お前と並んでいくつもりだった。だからこうして取り戻しに来たんだ\nなのに……なんでこんな道を選ぶんだよ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "はは……分かっちゃったからさ……\n……あたしじゃあ、お前を奪えない。だから、あたしが奪われてやる……\nこれで、あたしはお前のものだ。もう永遠に、誰にも奪えない……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "ただ笑顔で、俺を抱きしめ続ける紅。俺は、そんな紅の華奢な背中を、力一杯に抱きしめた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はは……さすがにちょっと、痛いぞ姫……\nでも……あったかいな……\nこんなにあったかいのに……なんで離れていっちゃたんだろうな、姫は……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "違うだろ、紅……俺じゃない、お前だよ。離れていったのは……\n俺はいつだってお前の隣にいたのに……お前が自分から、離れていったんだ……\nお前が……俺を置いてけぼりにしたんだよ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "涙が溢れてくる。どんなにこらえようとしても、止まってくれない。ただ涙が溢れてくる。\nそれでも俺は、笑った。笑ってやった。笑ってないと、悔しすぎた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ……そうだな。お前が離れていくんじゃない。あたしが、お前から離れていっちゃったんだ\nあたしが、自分から……\nすまないな、姫……だけど、本当に……ありがとう……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "その声が、急激に小さくなっていく。俺に回された腕から、力が抜けていく。\nそして静かに、その腕が落ちた……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "紅……\nおい……紅……!紅!!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "分かってる。もう返答なんてないってこと。もう二度と、あの声は聞けないってこと。\n俺の腕の中にあるこの温もりも、あっという間に冷たくなってしまうってこと。\n白川紅という名の、俺の最高の相棒が、今、いなくなってしまったこと。\n俺は紅を抱きしめながら、けれどしっかりと焼き付ける。\nこいつの笑顔を。こいつが俺に残してくれた、その、最後の顔を。\nそしてその笑顔が……今回の事件の……すべての結末だった。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"紅"
] | 05_Tiny Dungeon BfY | 047712_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "やたらと早く感じた一日。HRが終わると同時、俺はヴェルに腕を掴まれ全速力で学園を離脱した。\nそして、こうして二人きりで街を歩いている。\n当然のように、ヴェルに抱きしめられた右腕が、ヴェルの体温とか柔らかさとかが押しつけられて結構凄い。\nヴェル……細いのにそこそこあるんだな……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ちょっと待ってて",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ヴェルは言うと、不意に俺から離れていった。なんていうか、今まであった温もりがなくなるとちょっと寂しくも感じる。\n右腕に押しつけられていた膨らみの感触は、ヴェルの女らしさを充分感じさせてくれていた。\nその感触を思い出しながら、俺は広場のベンチへと腰を下ろす。同じように笑顔を浮かべている人達を眺めながら、ヴェルの帰ってくるのを待った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ヒ~メッ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "うわぁ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "突然頬に押しつけられた冷たい感触に、俺は思わず飛び上がる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふふ。大成功、ヒメを驚かせちゃった",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ヴェルは、その手に冷たいジュースを二本持ちながら嬉しそうに笑っていた。なるほど、このジュースを押しつけられたのか。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はい、どうぞ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "そのジュースを俺に渡しながら、ヴェルは俺の隣へと腰を下ろす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ねえ、ヒメ。これを買いに行った途中で、丁度欲しかったものを売ってる、いいお店を見つけたのよ。一緒につきあってもらっていい?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ああ、それはもちろん\nなんといっても、今日はヴェルへのお詫びもこめてだもんな。お姫様の望むがままに",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "やった♪前から思ってたの。ヒメだったらどういうの選ぶのかな、って",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "選ぶ?アクセサリーか何かなのか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そうね、そんなものって思ってもらっていいわ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ニッコリと笑うヴェルにつられて、つい頷いてしまう俺。\nだが、この時の俺は知るよしもない。これこそが、ヴェルのしかけた大きな罠だったということを。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あの、ヴェルさん……?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ちょっと待っててねヒメ。う~ん……こっちの可愛らしいストライプと、こっちのちょっと大人向けの奴……うん、このへんかな",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ヴェルは少し考えると、くるりと振り返り、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ヒメ、どっちが見たい?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ストレートに言い放った。\nそう。ここは女性用の下着売り場。ここと比べれば、水着売り場の方がよっぽどましだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ど、どっちと申されましても……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ヴェルのこの姿を見れば、俺がただの付き添いであるっていうのは分かってもらえるとは思うけれど、にしても空気が重い。\n店中の人が、全員俺を睨んでるように思える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こっちの紐のはセクシーだし、ストライプは可愛いと思うのよね\n私はどっちでもいいと思うんだけど、やっぱりヒメが喜んでくれる方にしたいじゃない",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "当り前のように言うヴェル。嬉しいんだけど恥ずかしい。正直、まともに考えられない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えっと……その、どっちも似合うと思うし、ヴェルの好きな方でいいんじゃないかなあ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "私の好きな方?そうね、だったら……\nヒメの、脱がしてみたい方でいいわ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "恥ずかしそうな照れ笑いで言い切るヴェル。なんていうか、ここまで俺のために言ってくれるのは本当に嬉しい。\n嬉しいんだけれど、それと恥ずかしいのは別問題だと思うんです……。\n今のヴェルの発言に、近くにいた女性客の目が一段怖くなったように思える。\n……ここはもう、素直に観念して選んでみるか。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そ、そうだな……確かにまあ、両方ともその悪くはないと思うし、ヴェルには似合うと思う……\nヴェルって結構、素振りとか可愛いイメージあるから、そのストライプのとかでもイメージ合うと思うし\nでも、顔立ちは結構美人系だから、その紐の方も悪くないよな……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "な、なんだか、ヒメに改めてそんな評価されると照れちゃうわね……えへ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "でも、悩むぞこれ。ヴェルって美人なのに可愛い系だからなあ……いっそ、両方合わさったのとか……いや、むしろどっちの方向でもない奴?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "どっちでもない?それって、つまり、もっとその……き、際どいのがいいってことよね……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "え?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "う、うん。あんまり凄いのは流石に恥ずかしいんだけれど……で、でもヒメが喜んでくれるのが一番だから",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "い、いや、そういう意味じゃなくてだな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "が、頑張るっ。がんばって、つけてみる、ね\nえっと……こ、こういうのとか、どう?透けちゃってるけど……それかこっちの、ほとんど全部紐みたいなやつ、とか……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "自分が身につけた時のことを考えているのか、真っ赤になってちょっと泣きそうにまでなってるヴェル。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いや、さすがにそういうのは俺も勘弁してほしい",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "それならこっち……って、これ股間の部分とか空いちゃってるけど、下着の意味あるの!?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "いや、俺に聞かないでくれっ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そ、それとも……これは下の処理をちゃんとしないと……って、そもそも私そんなの必要ない……で、でも……さすがにこれって……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ごめんなさい。本当にごめんなさい。すみません、そういうヤバイのは許して下さい。ちゃんと選び直しますから",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "白鷺姫、完全敗北。\n結局俺は、ヴェルの示した二つの中から、これを選んで事なきを得た。\nほんと、これって男にとって拷問だよなあ……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふふ~ん♪ヒメに選んでもらっちゃったぁ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "なんて思っていても、ヴェルのこんな笑顔を見たら何も言えないわけで……。\n……ていうか、さっきの下着を穿いてるヴェルとか、想像したら危険な気がする。\n今夜、ちゃんと眠れるかなあ、俺……。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"ヴェル"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 011102_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "目が覚めると、部屋の電気は既に消えていた。\n夕飯も、風呂も終わって、軽く一休み、のつもりでベッドで横になったんだが……そのまま眠ってしまったみたいだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "時間は……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "日付が変わったばかり。紅も既に眠ってしまっており、隣のベッドから安らかな寝息が聞こえる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ヴェル、まだ起きてるかな……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "寮に戻って来た時にヴェルに言われた言葉。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あとで見せたいものがあるから私の部屋に来て",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "……もしかしたら、待たせてるかもしれないしな。起きてるかだけでも、確認しにいくか",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は紅を起こさないように、静かに部屋を出た。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ヴェル。俺だけど、まだ起きてるか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ヒメ!?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "もし寝てたら起こすとまずい。そう考えての少し控えめなノック。けれども、ヴェルからの反応は一瞬だった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "良かった、もう来てくれないかと思ってたから",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "扉はすぐに開き、中から嬉しそうな表情でヴェルが迎えてくれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "悪い。風呂上がって少し横になってたら落ちてた",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "昨日の疲れが残ってたのかもしれないわね。かなり無茶してたから",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "かもなあ。まさかあんな簡単に落ちるとは思ってなかったよ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "でも良かった……ヒメがちゃんと私の約束覚えてくれてて……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "さすがに忘れないって。ヴェルには迷惑かけまくってるしな\nそれで、見せたいものって?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "う、うん……とりあえず、座って",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ヴェルに勧められるまま俺はベッドへと腰を下ろし、笑いかける。\nそして、そんな俺の横に、ヴェルは並んで腰掛けた。並んだ、というよりは寄りかかった、と言った方が正しいくらいの距離。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ヒメ……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "熱い想いの込められた視線が、下から俺を見上げる。その赤い瞳に、一瞬心のすべてを封じ込められような気がした。\nそして、その身体を、ヴェルは強く俺へと押しつけてくる。細いんだけれど、ちゃんと女性らしい膨らみや柔らかさが、強く押しつけられる。\n心地よい温もりと甘い香りとが俺の全身を包み、俺の思考を麻痺させていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ヴェ、ヴェル!?その……俺も男だから、こんな風にされるのはもちろん嫌じゃないんだけれど……\nさ、さすがにこれ以上は俺も抑えられなくなるっていうか……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ヴェルみたいな子にこう攻められて、何もしないでいられるような男はまずいないだろう。女性に興味を持てない男であっても無理なんじゃないだろうか。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "私もね、分からないの。自分でもビックリするくらいに積極的になっちゃってて……\nこれ以上進むの、本当は恥ずかしいし、怖い……\nだけど、その……今日、進まないと、誰かにヒメを取られちゃいそうな気がして……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ヴェルの目は、一瞬たりとも俺から離れない。ただ一直線に俺を見上げる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "今ここで私を選んでほしい、なんてことは言わない……\nだけど、お願い。私に、刻んで。ヒメを……ヒメに一瞬だけでも愛されたんだっていう傷を……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "そしてその瞳が、俺を魔法にでもかけたみたいに引き込んでいく。\n魔界の王女で、最強の魔王の血族。けれど、小柄で愛らしい一人の少女。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……本当に、いいのか?俺がその……もらっちゃっても……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "違うもん。ヒメじゃないと、やだ……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "その言葉に抵抗できるような強さは、俺の心に備わっていない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "分かった……ヴェル……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺はヴェルの想いに応えるように、その瞳を見ながら頷いた。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"ヴェル"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 011103_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "な、なんか、ドキドキするね、やっぱり",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "その深紅の瞳で俺を見上げながら、わずかに頬を赤らめるヴェル。その表情の可愛らしさに、俺は思わず言葉を失う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ヒメは……どう……?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "それでも、嬉しそうに笑ってくれるヴェルに、たまらない愛しさを感じた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "俺もだよ。なんか、凄く嬉しい……\nこれからヴェルに、その……触れていいんだなって思うだけで……その、もう凄いことに",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そんな俺の言葉に、ヴェルは本当に嬉しそうに顔を輝かせた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まだ見せてもないのに?ふふ。それじゃあ、どんどん誘惑しちゃおうかな",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "そして、その上着を大きく左右に開く。\n決して大きすぎるということはない、けれど小さいわけでもない。俺にとってはまさに丁度いい大きさのヴェルの膨らみが、下着と共に視界に広がる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ど、どうかな……今日、ヒメに選んでもらった奴。初めての時は、これって決めてたの……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "微笑みながらもその言葉に恥じらいを含ませてヴェルが尋ねてくる。その膨らみは自然と俺の目を惹き付けて、そのまま理性を奪いかねない。\n見続けたらダメだ。そう自分に言い聞かせようとするものの、身体はまったく聞いてくれない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、うん……やっぱり、着てると全然違う……その、もっと見てたい……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ただの布ではなく、ヴェルの一部と化したそれは、店で見た時よりも遥かに魅力的で、いやらしく見える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いいわ……もっと見て、ヒメ。私をもっと",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "俺の視線に気がついたのか、ヴェルは恥じらいながらも決して隠そうとせず、俺に晒し続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "恥ずかしいけど……ヒメにだったらいいの。恥ずかしいのに、それが嬉しいの。イヤじゃないの",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "そんなヴェルの健気さが、俺の興奮を更に高める。この子は本当に、どれだけ可愛いのか。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、でもね、触る前に、欲しいかな",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "そのまま、更に先へと進もうとする俺を諫めるように、ヴェルの甘えるような声が響いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ヴェルは、そっとその目を閉じると、小さく口を突き出した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ヴェル……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ちゃんと、キスから……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "初めての女の子らしい、可愛らしい願い。それはヴェルの可愛らしさを引き立たせ、更に俺を興奮させた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああ……それじゃあ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "間近で見ると、より目立つヴェルの綺麗さ。小さな顔に薄い唇。長いまつげ。今からこの子の唇を奪うんだ。そう考えるだけで自然と緊張してしまう。\n当然ながら、キスだなんて今までしたことはない。これが初めての経験だ。俺は狂ったように鼓動を繰り返す心臓を必死に抑え、そっとその肩に両手を置いた。\nぴくん、とヴェルが小さく震える。それだけで分かった。ヴェルも緊張しているんだと。\n俺はゆっくりと顔を近づけると、静かに唇を重ねた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……んむ……ん……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "甘いヴェルの吐息が唇に重なる。それは本当に重ねただけ。互いの唇を合わせただけのキスだった。\nけれど、それだけで、充分な興奮を互いへと与えてくれた。\nゆっくりと唇を離し、今度は、その膨らみへと手を伸ばす。\n柔らかな固まりが、優しく触れただけなのに容易く形を変える。その柔らかさにまず驚いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……ヒメの手だ……\nふぁ……あ……凄い……こんな優しく触られてるだけなのに……全身が感じちゃってるみたい……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "そして、そんな軽い愛撫に、ヴェルは反応し感じてくれている。\nその感触と反応がたまらなく気持ちよくて、俺は更に腕を動かしていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "身体中が震えちゃって、力が抜けちゃう……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ヴェルの身体、柔らかくて……凄く大切にしたくなる……\nこうやって軽く触れるだけで、凄い興奮してる……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ブラの上からでも分かる、先端部分の硬い感触。ツンと尖ったそこは、早く触ってほしがってるように思えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ほんとだ。ヒメの凄い",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ズボンの上からでもはっきりと分かるほどに膨らんだ俺自身に、ヴェルが嬉しそうに言う。自分の身体で俺がこれだけ興奮していること、それを喜んでくれているんだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ズボンでももう抑えきれないんだな……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "も、もう、いっちゃう……?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "そんな俺に気を遣ってか、ちょっと怖そうにヴェルが言う。俺は小さく頭を振って、それを否定した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いや、もう少しヴェルを楽しみたい……その、どこまでガマンできるか分からないけど",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "こんなに綺麗な身体を、見せつけられて、もう一気に最後までなんて考えられない。もっとヴェルの身体を見たい。触りたい。\nそんな俺の気持ちに、ヴェルは嬉しそうな笑顔を浮かべた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん、嬉しい。もっと私を味わって。たくさんたくさん、ヒメを感じさせて\nみ、見える……?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ベッドの上に横になり、その両足を抱え上げるヴェル。\nズらされたブラの下にある柔らかそうな膨らみと、めくれたスカートから覗く、ショーツに隠された恥ずかしい場所。\nはじらいながらも俺にすべてをさらけ出してくれるその姿は、俺の目を完全に縛り付けていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ、思い切り見えてる。色々なところが凄く興奮する……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "その身体のあらゆる場所が、俺にとっての見たい場所だ。これから、この身体のすべてが俺の知るところになる。興奮が収まってくれそうにない・",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、恥ずかしいとこいっぱいすぎて、私も、あ、あはは……いっぱいです……\nご、ごめんね。こんなにはしたなくなっちゃってて……こ、こんなに感じちゃう子だったのね、私って……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "いや、俺でこうなってくれたんだなって思うと逆に嬉しいよ。俺だけが、ヴェルのはしたないところ知ってるんだから\nその、こんな風に乳首が尖っちゃうんだってところとか",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "きゃんっ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ツンと尖った桃色の可愛らしい先端を軽くつまむ。それだけで、ヴェルは可愛らしい声をあげた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "す、凄い、今の……電気、走っちゃった……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ちょっと強かったかな……?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ううん……もっとしてほしい。もっと、ヒメにメチャクチャにされたい……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "俺も、もっとヴェルに触りたい……いいかな?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "いいかな、じゃないわ……してくれなきゃヤダ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "それじゃあ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "その可愛らしい懇願に、俺も黙ってはいられなかった。乳首を人差し指と中指の股に挟みながら、その膨らみを揉みしだく。\n温かなゴム鞠のような感触の中に俺の手が沈んでいく。そのあまりに心地よい感触に、自然と手の動きが大きくなっていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……や、ああっ……す、凄い……っ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "そんな俺の手に、身体を震わせながらも小さく喘ぐヴェル。その声が可愛らしくて、下半身がさらに昂ぶっていくのを俺は感じていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いっきに濡れちゃったな……ここ、凄い",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "気がつけば、ヴェルのショーツの中心に軽い染みができている。俺に感じてくれたヴェルがこぼした染みだ。そのいやらしさに思わずジッと眺めてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああん……そ、そういうのはあまり見ないで……恥ずかしすぎて……\nヒメが、私をはしたなくするのよ……もう、ひどい……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "そうは言いながらも、顔は俺を非難していない。俺は苦笑しながら、そこを覆い隠す小さな布地にそっと手を伸ばした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ごめん。じゃあ、こうするよ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "初めて見る女性のその場所に、思わず唾を飲み込んだ。\n何もない、生まれたての赤ん坊みたいなその丘に、綺麗な筋が一本走っている。ピッチリ閉じたそれは、俺がヴェルの初めての男である証明に感じられた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……こ、子供っぽくてごめんなさい……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "どうやら、天性のものらしいその場所を見られ、ヴェルは真っ赤になりながら視線を逸らす。\n確かに、大人ならば多少なりとも生えているものなんだろうけれど、だからといって別に不快には感じない。\nむしろ、ヴェルのすべてを余すところなく見ることができて、綺麗だとすら感じた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん……その、何もなくて、綺麗なこと、だよな……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "も、もう、なんでそこだけ……やっぱりヒメも、変だと思う……?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "まさか。むしろその、こことか凄くハッキリ見えるし……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "それを示すように、俺はヴェルの、まだ硬い扉をそっと左右に開いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふぁあんっ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "目の前に広がる、透明感ある桃色の肉壁。思わず見とれてしまうほどに綺麗でいやらしいその場所を、俺はそっと指でなぞった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……そ、そこ、凄い、の……身体が、は、跳ねちゃうっ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "うん……ヴェルの中からも凄いたくさん出てきた……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "元々、少し濡れてはいたものの、更なる蜜がヴェルの奥から滲み出してくる。それは俺の指にまとわりつきながら、ヴェルの秘裂全体に広がっていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、てらてらとピンク色に光って、凄い綺麗だ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ん、あ、はぁ、んっ……すごい……お腹の奥の方が……ムズムズってきて……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "温かい肉壁を少し強めに押しながら、指を上下に動かし続ける。中にある二つの穴の周りは、特に重点的になぞった。その度にヴェルの身体がピクピクと震える。\n俺を受け入れるための入り口は、狭く封じられていた。まだ誰も受け入れたことのない、本当に初めての証。\nその中に自分を埋めたい。ヴェルを奪いたい。そんな欲望が俺を満たしていく。その入り口に指を添え、ゆっくりと埋めようとしたところで、ヴェルが甘く鳴いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ヒメを、ほしがっちゃってる……ヒ、ヒメェ……お願い、も、もうっ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "指ではなく、俺が欲しい。そんなヴェルの言葉に、俺ももう限界だった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "な、なんか凄い体勢だよな、これ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "後ろから、強引に押し倒すような体勢。ヴェルのいやらしくも恥ずかしい場所のすべてが、一切隠されることなく晒されていた。\n高く突き上げられた下半身。その中心部にある入り口に、俺は自分を押し当てる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ええ……でも、私は嬉しいわよ。ヒメに強引に求められてるみたい\nヒメの顔が見えないのはちょっと怖いけど……でも、ヒメの力強さを感じるもの……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "あくまでも俺のすべてを感じてくれながら、ヴェルは笑顔のままで言った。その言葉が、更に俺を昂ぶらせる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お願い、ヒメ。私を……もらって",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "もうガマンできない。俺は頷くと、ヴェルの体内へとゆっくり自分を突き入れていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……う、く……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ぶつぶつと何かを引き剥がしながら、俺がゆっくりとヴェルの中へと埋もれていく。\n驚くほどに硬く怒張したそれがヴェルの身体に食われていく様は、見ているだけで発射してしまいそうになるほどいやらしい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、はぁ……は、入って、くる……ヒメのが……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ヴェルの中……す、凄い……こんなに狭いのに……の、飲み込まれてく、みたいだ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "初めてのヴェルの中は、まるで溶鉱炉みたいに熱くて、入ってきた俺をそのまま溶かそうとする。ヴェルの中で溶けてしまいそうな快感が広がってくる。\n男に慣れていないその中はまだ硬いものの、それでも充分に濡れているせいか、俺を確実に受け入れていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、大丈夫だから……も、もっと奥まで、お願、い……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "痛みを必死に堪えながら、更に俺を求めるヴェル。そんなヴェルに応えるように、俺はゆっくりながらも腰を押し出していく。\nやがて、一際強い抵抗が、俺を引き留める。確認するようにヴェルを見る俺に、ヴェルは涙目で頷いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ヒメのを、ぜ、全部下さい……っ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "そんな健気な言葉に頷き返すと、俺は体重をかけ、一気に腰を押し出す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ぶっつ、と、何か硬いものを引き裂いたような感覚。抵抗が一気に弱まり、俺はそのままヴェルの奥へと入り込んだ。\n圧倒的な快感の中に、自分が包まれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、入った、ぞ、ヴェル……奥まで……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ここに入れているだけで辛い。ガマンしていることが辛い。そんな快感と戦いながら、ヴェルへとできるだけ優しく声をかける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、うん……え、えへ……私の中、ヒメでいっぱい……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ヴェルは痛みに涙を浮かべながら、それでも喜びに満ちた声をくれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ……もう、ぎちぎちで、本当にいっぱいだ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "限界まで広がったヴェルの中。そこいっぱいに俺が収まっている。俺をギチギチに締め付けている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん……あげられた。また、ちゃんとヒメに私を……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ファーストキスに続くヴェルの初めて。俺は、二つもヴェルの初めてを奪った。\nけれどこれだけじゃ足りない。もっともっとたくさん。ヴェルのすべての初めてを、俺のものにしたい。そんな独占欲が俺を満たしていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん、いいわ、ヒメ。今度は、ちゃんと気持ちよくなって……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "そんな俺の気持ちを察してか、更に俺を求めてくれるヴェル。俺は一瞬考えたものの、ヴェルの気持ちに応えようと、本当にゆっくりと自分を動かし始めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……は、あん……ヒメの、熱いのが、動くの分かる……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "熱く濡れたヴェルの中から、ゆっくりと自分を引き抜いていく。俺を締め付けるヒダの一本一本がこすれて気持ちいい。\n俺だって初めてだ。こんな快感にそう耐えられるわけがない。身体の奥から、一気に何かがこみ上げてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お腹の中で、前後、して……んあ、ああんっ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "あ、ああ……奥の方とか、かなり濡れてきて……熱いのがまんべんなく絡んで……と、溶けそうだ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "それでも、この気持ちよさを少しでも長く味わっていたい。そして、ヴェルに気持ちよくなってほしい。そんな男のプライドで必死に耐える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふぁ……は……あうっ、んっ……んっ……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "半分くらい出た自分を、再び埋めていく。ヴェルの身体で擦りあげられ、ゾクゾクとした快感が背筋を駆け上っていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あぁ……あ、頭の奥まで、真っ白になっちゃって……だめ……身体に力、はいんない……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "少しずつ、少しずつ、慣れてきたのか柔らかくなり始めたヴェルの中。大量の蜜を潤滑油代わりに、腰の動きを速めていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あう……ん、んん!も、もっと、きてっ!気持ち、よくって……だめ!な、なんか、きちゃうっ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ぐちゅぐちゅと蜜が泡立ち音を立てる。ヴェルの甘い喘ぎが室内を見たし、俺を耳から興奮させる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ゾ、ゾクゾクって……!!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "全身を震わせながら、俺を受け入れ続けるヴェル。明らかに高く、速くなっていく嬌声に、俺の腰の動きも自然と速くなっていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、あ、あ、ああっ、ひ、ぐ、うあぁっ!!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ヴェルの身体が大きく弓なりに反り、その秘洞が一気に収縮した。その快感に俺のガマンも爆発する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ひ、んああっ、ああああああっ!!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "で、出る!んぐうっ!!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "高く響くヴェルの絶頂。それと同時に、俺もヴェルの中へと吐き出していた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、あ、熱いのがい、いっぱい……な、何度もきて……\nヒメが、注がれて、くる……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "びゅくん、びゅくん、と痙攣しながら、ヴェルの中へと吐き出されていく白い欲望。その快楽は耐えようがなく、俺は言葉すら発せずに浸り続けた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えへへ……まだ出てくる……凄いね、ヒメ……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "力つきたように放心しながらも、嬉しそうに微笑んでくれるヴェル。その中に、俺は自分を注ぎ込み続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "その……俺も初めてでして……溜まっちゃってたのかな、と……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ヴェルの初めてを俺のものにした。ヴェルを俺の手で汚した。その喜びが、胸の中に広がっていくのが分かる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ううん、嬉しい。こうやって、ずっとヒメを感じられるんだもん……\nヒメ……私ね、全然足りないの。もっともっとヒメが欲しい。ヒメを感じたいし感じさせたい\nだからこれからも……もっともっと、私を愛してね……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "これほどまでに俺を好きになってくれた少女。強くて、可愛くて、健気で、甘えん坊で……惚れた弱みか、いいところが多すぎて数え切れない。\n何があっても決して手放したりしない。裏切ったりしない。ヴェルを感じ続けながら、俺はそう誓った。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"ヴェル"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 011104h_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "珍しく、いつもの時間よりも早く目が覚めた。\nベッドの上で身体を起こし、窓へと目をやる。眩しいほどの明るい日差しが、部屋の中へと注がれている。\n俺はベッドから降りると手早く着替え、今度はカレンダーへと視線を移す。間違いない。今日だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いよいよ今日、か",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ああ、今日だ",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "自分を鼓舞するように言ったところで、背後から同じような声がした。当然振り返らなくっても分かる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "紅",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "おはよう、姫。体調の方は問題ないみたいだな",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "ああ、万全だ。あの三人のチームを相手にするんだし、体調不良だなんてもったいない真似できないさ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "人族の二人が魔族のトップと一緒になって",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "神族のトップ二人と、魔族のエースクラス相手に戦うわけだ。一月前は予想すらできなかった",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "勝てる自信は?",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "さてね。はっきり言って、やってみないと分からない",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "てっきり、勝てるわけない、とか言い出すと思ってたんだが、随分と大きく出るじゃないか",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "俺一人ならそうだろう。けれど今日は、ヴェルと紅がいる。俺の力が届かなくても、俺を囮に、二人の一撃をいれてもらえば勝てるかもしれない。\nむしろ、向こうが俺の力を見て油断してくれれば尚更いい。\nアミアとの勝負があったとはいえ、二人からすれば俺との実力差は相当だからな。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "よし、それじゃ準備して行くとするか",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "模擬戦は午後になる。だがそれでも、少しでも早く学園に行きたい。そんな気持ちで俺はいっぱいだった。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"紅"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 011901_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "あれからほどなくして話は終わって、みんなそれぞれの部屋へと戻っていった。\nカミシアは、今夜は俺達の部屋で預かることとなり、今は紅の布団で、紅と一緒にぐっすりと眠っている。\nあの、可能性の世界で出会っていたローブの正体。それはあまりに意外で、けれどその寝顔はあどけなく、シャルの面影が残っていた。\n俺はベッドの中で横になりつつも、どうにも眠れず寝返りを繰り返す。\n昼間の疲れは残っているはずなのに、逆に精神が冴えて休もうとしてくれない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "姫……まだ起きてるか?",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "暗闇の中、不意に聞こえた声に俺は顔を向ける。そこには、まだ眠っていなかったのか紅が静かに立っていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ、起きてるよ。紅の方こそ、寝てなかったのか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は答えながら身体を起こす。そんな俺をさけながら、ベッドの端に腰を下ろした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "その……気になることがあってな……どうにも寝付けなくて……\nなあ、姫……その、ちょっとだけ時間をもらっていいか……?",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "どこか思い詰めたような重さのある声に、俺はベッドから出ると紅の隣に腰を下ろす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……記憶が戻ってから、ずっと頭の中にこびりついてて……本当に、どうにかなってしまいそうだった\nあたしはやっぱり、ここからじゃないと、この扉は始められないらしい\n前の扉で、あたしは本当にバカをやった。お前やみんなを信じないで、一人で突っ走って……ノートに、あんなことまで……\nしかも挙げ句の果てには、お前の手まで汚させた……謝ってすむこととは思っていない。だけど、それでも言わせてくれ……\nごめんなさい……本当に……ごめんなさい……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "その瞳には後悔によるものか大きな滴が浮かんでいた。\n俺達を信じず、自分が置いていかれていると思い込み、触れてはいけない力に手を出した紅。\nノートの心の奥にある一番の闇を人々の前に晒し、その心を苦しめた。\n紅は結局は自分の弱さを理解し、認めて、俺の手によってその命を絶った。\nもちろん、あの時の記憶は俺やノートの中にある。\n紅もそれを取り戻し、自分の犯してしまった罪の重さを苦しんでいたんだろう。\nだから、それを精算しないと先に進めないんだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "別に謝ることなんて何もないだろ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は、そんな紅に微笑みながら言ってやる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いや、でもあたしは……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "前の扉の時はまだしも、この扉の紅は、まだ何もしてないんだぞ\nやってもいないことで謝られたって困るだろ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "三つの扉、三つの未来。そこでは色々なことがあった。何人も死んで、何人も泣いた。\nだけどそれは、この未来のことじゃない。この未来では、まだ誰も死んでいないし泣いていない。\nだから、俺は紅に謝罪なんて求めない。俺がここで紅に求めるものはただ一つ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それに、この扉のお前はさ、俺の最高の相棒でいてくれるんだろう?もちろん、最後まで",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "姫……\nああ……もちろんだ。約束する。絶対だ\nあたしはもう、お前を、白鷺姫とその仲間達を裏切らない",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "涙の溜まった瞳で真っ直ぐに俺を見つめ、紅は言った。力強く頷きながら、涙でかすれさせながらもハッキリと。\nだから俺も、笑顔のままで頷き返す。その頭へとポンと手をのせ、ただ笑う。\n紅はそんな俺の手を嫌がらず、やっぱり、笑ってくれていた。\nそうだ。前の扉で何があっても、そんなのはもう関係ない。\nこの世界は、未来は、そんなすべてを振り切った、本当の幸せな未来に向かうんだから。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"紅"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 021902_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "朝日が瞼ごしに瞳を照らし、俺の意識をゆっくりと浮上させていく。\n無意識に瞳をこすりつつ、久々に紅に声をかけられる前に起きられたかな、などと寝ぼけ頭で考えながら、俺はゆっくりと瞳を開けた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お、おう……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "え?",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "開いた瞳に広がる光景に頭が一瞬真っ白になり、その後嵐のように他の扉の記憶が蘇る。\nそうだった。俺が紅の力を借りずに起きるという事は、それすなわちこういうイベントのフラグだった。\nだが、今更思い出しても何もかも遅い。\nくっ、早急になにかフォローをしなければ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え、えーと……お、おはよう?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あ、うん……おはよう?",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "しかし混乱していた為、何故か疑問系で挨拶をするという意味のわからない事をしてしまった。\nし、しまった完全に対応を間違えた。\nやはり起き抜けに小難しい事を考えるものじゃない。紅も思考が止まっているのか、混乱しつつも挨拶を返してきたが。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あれ?",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "その一言で我に返ってしまったのか、一気に顔が紅潮していく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そ、その……ごめん",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ひぅ……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "そんな紅に、冷や汗をだらだらと流しながら謝罪の言葉を口にするも時既に遅し。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃああああああああ!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "紅の悲鳴が周囲に響き渡り、俺はベッドの中への待避を余儀なくされた。\nそれから俺は、紅の着替えが終わるまでベッドの中で震えながら待ち、声をかけられてようやくベッドから這い出す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "本当にすまない",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "い、いや。あたしも大声出してすまなかった\n昨日の事で色々考えていて、姫の事まで意識が回らなかった",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "開口一番に謝罪した俺に頬を赤くしながらも許してくれる紅に、改めて胸中で感謝する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ、それは俺もわかるよ\n昨日は俺も中々寝付けなかったからな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "全ての記憶が蘇った事と、カミシアの説明。正直今でも全てを理解しているとは言い難いし、にわかには信じられない話ではあった。\nしかし、自分の中にある別の扉の記憶が、否定を許さない。\nそんな事を一晩中考えていた。正直眠りに落ちたのはかなり遅かった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そうか、姫もか",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "ああ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "口ぶりから紅もそうだったのかと思った直後、紅は思いついた様にジト目になる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "考え事で寝不足な割には、今日にかぎって、よくあたしに起こされる前に起きれたな",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "あ、あはは……本当、人体って不思議だな~",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "紅の視線から逃げる様に視線をそらし、冷や汗を流しながらそんな言葉で言い訳する。実際自分でも不思議なのだ。なぜ俺は妙な所でタイミングの神様に愛されているんだろうか。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まあ、いい。今回はあたしの不注意も悪いしな",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "いや、ほんと悪い",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "軽く嘆息して許してくれる紅にもう一度謝る。それ見て、紅は苦笑しながらぽつりと言葉を返した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まあ、どうせお前には着替え以上の事を見られてるしな",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "え?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "え?",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "完全に無意識だったのか、自分で言っておきながら、自分の台詞に驚いた様に紅が固まる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あれ?あたし……今……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "自分が言った言葉を頭の中で反芻し、ようやく意味に気がついたのか、紅の頬がみるみる紅潮していく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えと、あの……紅……?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あ、あう……そ、そうだあたし……別の扉では、ひ、姫と……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "一体何を想像しているのか、否、思い出しているのか俺でもわかる。というよりそんな紅の態度に俺の方も違う扉での紅との行為を明確にイメージしてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "う、うわあ!な、何を思いだしているんだ姫!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "あ!い、いや。これはその違うというか何というか!!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "うわああ!や、やめろ!思い出すな!想像するなあ!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "頬に熱を感じる。恐らく今の俺の顔はゆであがった蛸の様になっているだろう。\nもっとも、それは紅とて同じだが。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こ、紅こそ!な、何を思いだしたんだ!?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あ、あたし!?あ、あたしは!\nあうぅぅ……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "苦し紛れに言い返してしまったが、完全に失敗だ。紅は先ほどよりさらに顔を紅くしてうつむいてしまった。恥ずかしさからか、目に涙すら浮かんでいる。\nというか、俺自身今の発言は自爆もいいところだ。俺も今現在死ぬほど恥ずかしい。\nそうして、しばら互いに真っ赤になって、あうあう言い合っていたが。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "さ、先に食堂にいってくる!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "ついにこの空間に耐えきれなくなったのか、紅は完全に裏返った声でそう宣言すると。俺の返答も聞かずに部屋を飛び出してしまった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お、おう……お、俺もすぐに行くよ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "もはや聞こえないであろうが、勢い良く閉じられた扉に向かって俺は呟いた。\nその後、ベッドに座り込み、顔の赤みが消えるまでに、俺が相当の時間と苦労を要したのは言うまでも無い。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"紅"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 022001_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "はあ、色々な意味で疲れた\nいや、弱気になったら駄目だ。ここは気合いを入れて……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "相変わらずパパは背負い込み過ぎだよ?そんなに背負い込むと、そのうち潰れちゃうよ?",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "そんな事を言ったって、これは性分みたいなものだからなあ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ま、そんなパパだから、みんなついてきたのかもしれないけどね",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "まあ、そう言ってくれると……と?は?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ん?どうしたのパパ?",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "か、カミシア!?どうしてここに!?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "パパ、お約束とはいえ、気がつくの遅すぎ",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "いや、そんな事より、なんで、この時間にカミシアが!?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "何でも何も、私は寮の人間じゃない、いわば部外者だよ?他のみんなと一緒の時間に入れるわけないじゃん",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "あ、いや、確かにそうかもしれないけど!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ふふ、パパったら恥ずかしがっちゃって。パパにだったら別にかまわないのにな~",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "お、女の子が軽々しく、そんな事言っちゃいけません!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あはは~ごめんなさーい\nパパ、背中流すよ",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "どうせ断ってもするんだろ?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "パパってばわかってるね",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "ま、それなら抵抗するだけ無駄だし、お願いするよ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺の言葉にカミシアは嬉しそうな笑顔を見せると。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "らじゃー",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "そう可愛く言って俺の後ろに回り、ゆっくりと背中を洗い始めた。\nしばらく無言でカミシアが背中を洗うのに任せていると。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ねえ、パパ",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "今までと違い、真面目な声色が俺の耳に届いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん?なんだ?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "今は二人きりだから、ちょっとだけ本音をこぼしちゃうね",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "……そうか。聞こえてないフリとかした方がいいか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ふふ。それ、聞いちゃったら意味無いよ",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "それもそっか",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "本当はね、ずっと寂しかった。こうして一緒にいたかった\n可能性の世界で、初めてパパに会ったときから、ずっと、ずっと、ずーっと我慢してたんだよ?",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "声をかけたい、抱きつきたい、パパって呼びたい\nなでて欲しい、褒めて欲しい、ぎゅってして欲しい\nそんな事をずっと我慢して、今ようやく叶ったの。だから、いいよね。二人きりのときぐらい甘えても",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "俺の許可なんていらないさ、カミシアの好きにすればいいよ。俺はそれを絶対に否定したり、ましてや拒絶したりしない",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "パパ……",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "そして、今度は絶対に全部を護って見せる。お前が自由に笑って過ごせる世界をな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ありがとう",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "まあ、俺一人の力なんて微々たるものだけどな。それでも俺には、俺達には仲間がいるんだ。何かあったら相談してくれ、言いたいことがあったらぶちまけてくれ\n俺達はそれを絶対に拒否したりしない、それが仲間ってものだからな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "……うん、ありがとう\n私の命を……ううん、みんなの命を諦めないでいてくれて",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "ああ",
"speaker": "姫"
}
] | [
"カミシア",
"姫"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 022006_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "風はなかった。いつも以上に静かに感じる夜の闇の中、紅はその場に立ち尽くし、人影を求めて周囲を見回す。\n幸い月は出ている。真っ暗闇ということはない。\nそれでも、ここは森が近い。奥から野生の獣が出てくることもたまにだがある。\n気を抜くことなく少しずつ進みながら、紅は探し続けた。\nそして、丁度森との境界の辺りに、黒い人影を見つける。こんな時間に理由もなくこの場所に来る人なんてほとんどいない。まず間違いないだろう。\n紅はまっすぐそこへと進むと声をかけようとして、そして、固まった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……姫……?",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "そこにいた待ち人は、紛れもない白鷺姫その人だ。紅は唖然としながら、改めて周囲を探す。\nノートがどこかに隠れているんじゃないのか、そう考えながら見回すものの、やはり姫以外の人影はない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "紅?なんでお前がここに……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "いや、姫こそなんで……あたしは、ノートに呼ばれて来たんだが……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "ノートに?いや、俺もノートに呼ばれたんだぞ。話があるからって",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "え?それって、どういう……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "そして、気がついた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ノートに、謀られた……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "どうやら、最初からこれを狙っていたらしい。紅は、ただその場に立ち尽くすだけだった……。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"紅"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 022303_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "月が綺麗だった。\n風はなく、雲もそれほど多くない。地面に降り注ぐ銀色の光を放ちながら、月はただ静かに自分達を見下ろしている。\nノートは、何も言わずにその月を見上げていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "今頃どんな顔してるのかしらね",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ヴェルちゃん……気づいてたんですか?",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "ええ。あなたのしそうなことだなーって。それで、本当に良かったの?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ヴェルの質問に、ノートは素直な笑みを浮かべた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "友だちですから\n前のあの扉で、ボクも過ちを犯しました。結局は自分を信じられないで、姫くんの気持ちを踏みにじって……あの力を、制御も出来ずに使ってしまいました\nでも、姫くんは、そんなボクを救ってくれた。ボクは、姫くんに救ってもらえました\nだから、今度は紅ちゃんの番です。紅ちゃんが、ちゃんと救ってもらわないといけないんです",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "……そう。ええ、そうかもね\n私も昔、ヒメに救ってもらった。ヒメは人の心に強引に踏み込んできて……そして、優しく撫でてくれるのよ。気がついたら、その心を満たしてくれてる\n紅も、一度ヒメにしっかりと撫でてもらわないとダメよね。心の中を",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "はい。それに、ボクも紅ちゃんと一緒なんです\nヴェルちゃんは、もう吹っ切れたって言ってくれましたけれど、それでも謝りたかった\n最初の扉の時に、ボクのわがままにみんなを巻き込んで……それに、トリアさんまで……\nだから……本当にごめんなさいっ!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "今まで押し込めてきた気持ちのすべてを凝縮したように、ノートは本心から頭を下げた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まったく……もう吹っ切れたって言ったのに……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ヴェルは、そんなノートに苦笑を浮かべると、先ほどまでのノートと同じように、月を見上げた。そこに、過去の映像が浮かんでると言うかのように。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そもそもあれは、バカな魔族上層部のツケよ。魔剣っていうね。それに、あなたはちゃんと代償を払ったじゃない",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ヴェルの脳裏には、ちゃんと残っている。\n自らすべてを受け止め、すべての怒りと恨みと共に死んでいったノートの姿が。\n死にゆくときの、笑顔が。\nだからこそ、その行為に対する怒りはもうない。ただ一つを除いては。\nヴェルは、キッとノートを睨むと、強い口調で言った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "私が怒ってるとするなら、それはヒメを巻き込んだこと。ヒメに、あんな辛い役割を押しつけたこと、それだけよ\nだから、この扉の私たちはヒメのために戦うの。ヒメを絶対に悲しませない。ヒメが望む通りの未来を作る\nそれこそが、あなたのするべきたった一つの謝罪よ\nもちろん、出来るわよね",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "当然、とばかりに微笑むヴェル。その微笑みに、ノートもまた笑顔を浮かべた。そうだ、出来ないはずがない。出来るに決まっている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はい。それこそ、ボクの望むことですから",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "自らがすべてを賭けて叶えたいこと。それがやれないはずがない。\nあの人族の少年が、みんなのためにやってきたこと。それと比べれば、どんなに簡単なことなのか。\nヴェルとノートは、微笑んだままで月を見上げた。\n暗い夜空の中で銀色に光る月。黒翼と銀月。二つ揃っているからこその美しい夜空。\n二人はそれを、ただ黙って見上げ続けた。\nその少年を、ただ信じながら。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"ノート",
"ヴェル"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 022304_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "なるほどね、お互いノートに呼び出されたってことか。つまりノートは、俺と紅を会わせたかった、ってことだな\nしかしまあ、なんでいきなり……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "……理由は分かってるんだ。すまない……あたしのせいだ……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "俯きながらこぼす紅を見て、俺は理解した。いや、納得した、という方が正しいかもしれない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やっぱりな……まだ、気にしてたか……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ごめん……姫は、謝らなくていいって言ってくれたのに……だけど……それでもあたしは……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "なんとなく、分かってたよ。前の会議した時もだけれど、紅はいつもノートから一歩下がってるように見えたから",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あたしは、ノートの心を傷つけてしまった。ノートが一番触れられたくない、一番辛くて苦しんでるところを、卑劣にも責めてしまった。それは、絶対に許されない\nだから、謝りたかった。だけど……ノートは来てくれなかった\nあたしは、やっぱり許してはもらえないのかもしれないな……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "違うよ。逆だろ、普通",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "……どういうことだ?",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "ノートは怒ってる。自分がまだ怒ってると、そう信じてる紅に怒ってるんだ\nだからまあ……うん。多分……俺の気持ちも読まれてたんだろうなあ\n俺は前に、謝る必要なんてないって、何もお前はしてないって言った。でも、それじゃあダメなんだ\n何もなかった、じゃない。必要なのはきっと、許してやることだったんだ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "姫……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "なんて言ったところで、素直に受け入れてくれる紅じゃないよな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ああ……たとえ許してもらえても、あたしが、あたしを許せないから……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "まずハッキリ言っておくとな、紅。気安くお前の気持ちが分かる、なんて俺には言えない\n紅の気持ちは紅だけのものだし、紅の心を覗けるわけでもない。紅と同じ苦しみを受けたわけでもない\nだけどさ、あの記憶が戻ってから俺の手にも時々蘇るんだ。ノートを切った時の……紅、お前を貫いた時の感触が……\nお前は、それを俺のせいじゃないって言ってくれてる。自分が悪いってさ\nでも、それでもやっぱり忘れられない。お前を、俺自身の手で殺してしまった、あのどうしようもない悔しさは……\nだから、お前の気持ちは分からないけれど……忘れられない辛さだったら、分かるよ\n分かるから、許すよ、紅。辛いもんな。ずっとずっと背負い続けるのって。俺だって、こんな感触をいつまでも引きずっていたくない……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "……姫……本当にいいのか?あたしは……あたしを許しても……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "そうだな。どうしてもタダで許されるのはイヤだっていうなら……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "んん!?",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "俺は、紅の身体を無理やり抱き寄せると、その唇を奪った。\n紅の目が驚きに見開かれる。けれども俺は、その身体を離さない。\n紅の気持ちを俺は知っている。そして、その気持ちを受け入れることが紅を許すことになるなら、俺は、紅をもらい受ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "そして、紅の全身から力が抜けていった。\nそれは、俺にすべてを捧げて、俺のすべてを受け入れるという証。\n白川紅という少女を、もう二度と俺から逃げられないように、そのすべてを抱きしめる。\n俺はそのまま、紅の身体を近くの樹へと押しつけた。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"紅"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 022305_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "あ、あの……どう、だ……?あたしの、その……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "紅自身の手で恥ずかしそうにめくり上げられたスカート。その奥にあるピンク色の下着に、俺の目は吸い寄せられていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ……やっぱり、ドキドキするな。紅のこんな姿見るの……それに、自分から見せてくれてるわけで",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "よかった……今日、お気に入りの穿いてて……\nか、勘違いしないでくれよ……別に、こうなること分かってて選んできたとかそういうんじゃなくて……ほ、ほんとにまったくの偶然で……\nそれに、は、恥ずかしいんだからな!こんな風に見せてるのだって!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "自分の発言の意味に気づき、慌ててごまかそうとする紅。その姿は、いつもの紅と違って女の子そのものだ。\n普段は強気な紅の、女としての可愛らしい姿。そのギャップが、俺をより興奮させてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ、もちろん分かってるよ。俺だから、なんだよな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "う、うん……姫、だから……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "そして、そんな紅の姿が、俺のためだけにあるのだということ。それだけでたまらなくなり、俺は紅の女の子の身体へと、そっと手を伸ばした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "足の中心。紅の中へと続くピッタリと閉じた秘裂。そこに、少しだけ指先を埋めてみる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "紅のここ、柔らかい……こんなに食い込んで……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "んうっ!!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "熱くて柔らかな丘の中心。その割れ目に沿って、そっと指を動かすと、紅の身体が小さく震えた。\nけれども懸命にガマンしてるのか、その声はこぼれてこない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そんな無理しないでいいんだぞ、紅。ここには俺しかいないんだし",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "だ、だってっ、恥ずかしいじゃないかぁ……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "俺は、そんな恥ずかしい紅の声とか、もっと聞きたい……今はなんだか紅の全部を感じたい気分なんだ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "紅の恥ずかしい声が聞きたい。心の底から湧き出る欲望に乗っ取って、俺は紅の秘裂の中を指先でまさぐり続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んあぁっ!ず、ずるいっ……そんな言い方されたら……ひゃんっ",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "身体を小さく震えさせながら感じる紅。俺の指が次第に湿っていくのが分かる。紅の中から滲み出てきてるみたいだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "少しずつ濡れてきてる……紅、感じてくれてるんだな……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "だ、だって……姫の指、なんだ、もん……姫の指が、あたしの身体に触ってきて……\n姫だっていうだけで、身体が震えちゃって……\nや、あ、ああんっ",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "俺はそのまま指を動かし続けると、紅はさすがに押し殺せなくなったのか、大きく喘いだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だめっ、そんな、さわり方が優しすぎて……か、感じちゃうっ",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "シミ、広がってきた……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ば、ばか、いうなぁ",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "余程恥ずかしいのか、紅の頬の赤みが増した。俺は指を離すと、そのショーツの裾にそっとかける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……このままだと汚れちゃうし……いいか……?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "紅は何も言わず、ただこくん、と頷いた。\n淡い黒のヘアの奥に、綺麗な筋が一本走っていた。ピッタリと閉じながらも、わずかに濡れたそこは間違いなく紅の女性の部分だ。\n紅は懸命に羞恥を堪えているのか、視線を逸らしたまま俺と合わせようとしない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……実は、前の記憶の覚えてるんだけどさ……やっぱり、綺麗だな……\nもっと見ていいか……?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "見るな、って言っても見ちゃうんだろ……姫は、すけべだから……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "そう言う紅の口調に、非難はなかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ……紅の、もっと見たい。本当に綺麗だから……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は紅のその場所に顔を近づけると、今度は直接、秘裂の中に指をいれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふあっ!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "柔らかい肉壁が、ぐに、と歪む。それと同時に、紅が気持ちよさげな声で鳴いた。\nそのまま秘裂に沿って撫で続けると、奥から滲み出てきた蜜で、ぴちゃぴちゃと音がし出す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、やあ……お腹の中、むずむずして、きて……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "そして紅は、その快感を堪えるように身体を小さく震わせる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああ……姫の指が……そ、そこは敏感で……きゃうっ!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "そのまま、奥への入り口の周囲を丹念に撫でる。そこは弱いのか、紅は空を仰ぎながら、喘ぎ出す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……どんどん濡れてくる、紅のここ……\nもうこんなにヌルヌルしてきて……凄い熱くなってる……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "や、やあ……そこばっかり……だめ、や、あ、ああん!そ、そこは……や、だめっ",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "紅の蜜をたっぷりと指に絡ませての愛撫。肉壁を激しくこすられて、紅は激しく身震いをする。\nもっともっと感じさせたい。俺はそう考えると、一番敏感な突起を求めて、割れ目の再頂部へと指をやった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こんなにぷっくりしてきて……もう、つまめそうだ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "覆っている皮の中から、少しだけ顔を出していたその秘芯を、俺はそっと指でつまむ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はうんっ!や、あう、んうっ!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "瞬間、一際大きく紅が跳ねた。\nやはりここが一番弱いのか、明らかに反応が変わる。\n俺はその突起を、今度は指先で撫でまわした。感じすぎるのか、紅は苦しげに喘ぎながら、その全身を震わせる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やあっ、そこ、ばっかり……感じすぎて……や、やあ!\nお、お願い、姫……胸の方、も……\nそこばかりは、やぁ……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "切なげなその声に、俺も蜜でビショビショになった指を離す。そして、その願い通りに上の膨らみへと目標を変えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "何度見ても思うけど……凄いよな……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "上着を肩からズリおろすと、ショーツとお揃いのブラに包まれた膨らみが夜気に現れた。\n男なら、まずは目を奪われてしまうだろう、服の上からでも分かるボリュームをもった紅の胸。思わず俺も凝視してしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ば、ばかぁ……\n自然とこうなっちゃったんだから……し、仕方ないじゃないか……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "恥ずかしさのこもった声で言うものの、紅は隠そうとしない。恐らくは懸命に堪えているんだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "紅は、大きいのはイヤなのか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "だって……変な目で見られるし……動くときにも邪魔になるし……\nでも、姫がそんなえっちな目で見るから……イヤって言えない……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "正直言えば、大きい方が好き、というつもりはない。もちろん男として、大きい子に目がいってしまう場合はあるだろうけれど、それで決めるつもりもない。\nあくまでも紅の胸だから。紅の胸だからこそ、その大きさに興味を持ってしまう。\n紅の胸だからこそ、見たいとも思うし、触りたいとも思う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん。紅の胸、凄く立派で、圧倒される……\nいい、よな……?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "う、うん……今は全部姫のものだから……好きにして……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "拒否されない。そう分かっていた上での意地悪な質問。頷いてくれた紅の胸へと、俺は手を伸ばした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ど、どうだ……?変じゃない、よな……?",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "恥ずかしそうに微笑みながら、紅が尋ねてくる。答えはもちろん、頷くしかない。\nズリ上げられたブラの下から、二つの膨らみがこぼれ出る。それは反動で大きく揺れると、その存在感を俺にしめした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "実物だと、更に大きく見える……先端も硬く尖ってて……紅の身体って本当にえっちだ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ずっしりとした重みのありそうな膨らみ。きめ細かな肌は柔らかそうで、触れたら戻れなくなってしまいそうな気もする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ばか……そんなこと言うなら、触らせないぞ……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "褒めたんだって。一度見たら、目が離れてくれないんだよ、この胸……\n触っていいよな……?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "……うん",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "本当に、可愛らしい少女のようになっている今夜の紅。いや、元々紅は、こういう可愛らしい女の子なんだろう。\nそれを普段は上手く出せていないだけ。だからこそ今夜の俺は、そんな本来の紅を思う存分かわいがってあげたいと思う。\nそのピンと立った乳首に、俺は直接口をつけた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んあぁっ!\nや、ば、ばかっ、咥えるなんて言ってないじゃないかあっ",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "すっかり硬く尖ったそれを、軽く甘噛みしていじる。コリっとした感触が伝わり、それが気持ちいい。\nもう片方の胸は片手でしっかりと愛撫をしながら、俺は紅の乳首を存分に味わっていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やん、あ、ああん!コリコリ、しないでっ。し、痺れちゃってっ",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "こんなになるまで感じてくれてるんだ……ピンって尖って……コリコリしてて気持ちいい\nこんなに柔らかい胸の先端が、こんなに硬いなんて……ずるいよな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "愛撫していた手の方で、もう一つの乳首をキュッとつまむ。瞬間、紅の喘ぎが激しくなった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んあっ、あう、ん、んあぁ!や、あ、ああ!つまむのいやぁ……感じ、すぎちゃうっ",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "ああ、知ってる。前もここが弱かったよな、紅",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ふあぁっ!だめだっ、や、ああ!びりびり、来る!\nだめ、や、あ、ああ!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "執拗に胸を責められ、紅はただ感じ続ける。\n快感に身体を震わせ、何も考えられないような状態なんだろう、その目がどこかトロンとしていた。\nそのまま少し下へと目をやれば、紅の股間から、ポタポタと蜜が地面へと垂れていく。\n地面にできている黒いシミが、妙にいやらしく感じた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……凄い……紅の下の方から、トロトロになったのが垂れてきてて……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "やあっ。言うな、言うなぁ!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "真っ赤になって、恥ずかしがる紅。けれど、その下半身から垂れるそれは止まらず、胸の愛撫を続けると、激しく喘ぐ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふあ、あ、ああん!だめ、もうだめ、きてる……きちゃう……くるようっ",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "その足が、ガクガクと揺れている。もう立っているのも辛い位の状態なんだろう。俺はそんな紅を支えるようにしながら、口での愛撫を続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やあ!おねが、い……か、噛むのは……あ、あ、ああっ",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "更に激しい喘ぎが響き、紅は大きく背を反らした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んああああああぁぁぁ!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "そして、びくんっ、と大きく身体を跳ねさせる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うわ……イってる紅……凄い可愛い……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "だ、だめ、見るなぁ……身体が、ぴくぴくいって……や、力、はいんない……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "本当に感じやすいよな、紅……小さい方が感度がいいって聞くのに、こんなに大きくてこれだなんて",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あたしの弱いとこ、みんな知ってるくせに……\nそこばかり責めて……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "ちょっと拗ねたような目で俺を見る紅に、さすがに少し罪悪感が湧く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ごめん。ここじゃあまだ初めてなのに、ちょっといじめすぎた",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ふん。本当に悪いって思ってるなら……次は、その……優しく……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "それでもこう言ってくれるあたり、紅は本当に可愛いと思う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……いいか、紅?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "樹に紅を寄りかからせながら、その足を抱え上げてしっかりと抱き合う。\nこれから、紅の中へと入る。そう考えるだけで昂ぶる自分がさらに大きくなってしまいそうな気がするけれど、必死に抑え込んだ。\nそして紅は、そんな俺に正面から、嬉しそうな笑顔を向けてくれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なんだろう……なんだか、凄く嬉しい……\n多分、身体が知ってるんだ。姫が、あたしを気持ちよくさせてくれるって。あたしを喜ばせてくれるって\nだから、平気だ。どれくらい痛いのかも分かってるから……\nでも、優しくな……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "俺の耳元で囁くように言う紅。こんな風に言われたら、本当に気持ちよくさせてやらないとって思う。とはいえ……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "できるだけ頑張るよ……その、実はさっきから結構パンパンで、痛いくらい……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "まったく、しかたないやつだな。このすけべ",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "紅は呆れたように言うものの、すぐに笑顔になった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いいぞ……あたしを奪って、姫\nあ、く……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "硬く閉じられた紅の中へと、俺自身を入れていく。\n何も通したことのないその入り口を、ぶつぶつと引き剥がしながら、俺はその中へと入っていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "く……だ、大丈夫か、紅……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あ、ああ……痛い、けど……平気、だ",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "その表情からも、かなりの苦痛を堪えているのが分かる。けれど紅は、俺を求め続けていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "姫が、ぎちぎち、って入って、きて……あたしのを貫いてくのが……わかる、ぞ……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "俺は絶対に途中でやめたりはしない。必ず、最後まで紅を奪う。\n熱く滾った紅の中に、少しずつだが確実に俺が挿入されていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "俺も、紅の熱いのに、少しずつ飲み込まれていって……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "それは入ってくる俺を捕まえ、絡みついていくような感覚。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ……まだ先の方だけなのに、凄い、気持ちいい……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "一度憶えてしまったら、本当に離れられなくなりそうな快感が、紅の秘裂からは感じられた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そ、それじゃあ、もう平気だから……お、奥に、きて……っ",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "俺の背中に回された腕に、ギュッと力が入る。それは、覚悟が出来た、ということだろう。\n少しずつ進めて長引かせるよりは、一気にいってしまった方が、確かにいいかもしれない。\n俺は頷くと、腰に思い切り力を込めて押し出した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、ああっ!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "紅の悲鳴にも似た声と、硬い何かを切り裂いたような感覚が、俺が紅を奪ったことを確認させてくれた。\n抵抗のなくなった、その狭い道を、そのまま一番深いところまで一気に進む。\nギッチギチに狭い道ではあったけれど、一度達する程に濡れていた紅の秘洞は、俺を受け入れてくれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、はは……うん、感じる、ぞ……あたしの一番深いところに、姫のが、ある……\nまた、あげちゃった、な。あたしの初めて……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "ああ……紅の初めては俺のものだよ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "好きな男にあげるっていうのは、本当に幸せなものだな……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "痛みは全然引いてないだろうにも関わらず、紅はそれでも笑顔を浮かべる。\nそんな紅を気持ち良くしてやりたい。俺はそう考えると、まずは動くのをやめた。\nただ一つになり、抱き合っているだけ。わずかな間ではあったものの、そんな時間が過ぎる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……あ、ああ……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "そんな中で、不意に紅が小さく声をあげた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大丈夫か?痛いなら……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "抜いた方がいいのかもしれない。そう思った俺の確認を、紅は首を振って否定する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ、平気だ……痛みもあるけれど……今はそれ以上に、気持ちいい……",
"speaker": "紅"
}
] | [
"姫",
"紅"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 022306h_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "……よしっ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "額に浮いた汗を拭い、手元の自作アイテムを見る。作り慣れているとはいえ、今回は数も必要なので、それなりに大変だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "へえ、良くできてるね",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "そう言ってもらえれば、がんばった甲斐があるよ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "後ろからひょいと顔を出したカミシアが完成品を見て、感心した様に声をだす。\n俺から見れば、市販品と比べて拙い部分も多いのだが、それでもやはり、そう言ってもらえれば嬉しいし自信もつく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "日課をこなしながら、アイテムも自作して。大変だねパパ",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "まあな。だけど俺は他のみんなと比べて戦闘力が低いから、こういったことでみんなに貢献しないとな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "もう、またパパはそんな事言って",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "カミシアは、俺の言葉に呆れながら机から離れると、ベッドに腰掛け少しだけ強めの口調で言った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いい、パパ。自分を過小評価しすぎるのは良くないよ",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "え?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "自分を過小評価しすぎるとね、それは諦めに繋がって、最後には逃げに繋がるの。自分はどうせ出来ない、どうせダメだ、ってね。パパだって経験あるでしょ?",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "……ああ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "以前ヴェルに指摘された事だ。どうせ自分じゃ周りの誰にも勝てないと諦めて、無意識のうちに自分の弱さに甘えていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もちろん、自分を過大評価しすぎるのだって良くないよ?うぬぼれや油断に繋がるからね。あのゴミなんかいい例",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "ゴミって……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "一瞬誰のことかと思ったが、恐らくラーロンの事だろう。いや、カミシアがラーロンの事を嫌っているのは知ってるけれど、ここまでだとはなあ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "要はバランスだよパパ。何事も、過ぎたるは及ばざるがごとしってね",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "確かにちょっと卑屈になってたかもな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "パパは充分がんばってるし、良くやってると思うよ。これは私だけじゃ無くてみんな思ってる事だと思う。身内のひいき目を除いてもパパは良くやってる\n私が保証するよ",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "胸を張ってそう言い切るカミシアに、俺も笑顔になる。そこまで信じてくれている言葉を、どうやって否定出来ようか。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だからパパ、自分を信じて。そして、パパの力を信じてる私たちを信じて。今すぐには無理かもしれないけど、それはきっとパパの力に繋がるはずだから",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "カミシア……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "真剣な言葉で語るカミシアに、俺はしっかりと頷いた。\nそうだな。ここまで頑張ってきた努力が無駄な訳が無いし、俺には俺にしか出来ない事がある。\nそれを否定することだけは絶対にやめよう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ありがとうカミシア、なんだか自信がついたよ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "うん、良かった",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "そう言って笑顔を向けてくれるカミシアを見ながら、俺は胸中でカミシアの言葉を反芻すると、様々な決意を固め直した。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"カミシア",
"姫"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 023202_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "え?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "扉を開けた瞬間、そこにいる女性の姿に思わず声をあげてしまった。\n長い紫色の髪。頭から伸びた兎の耳。そして何よりも、優しげな微笑みを浮かべた、その端正な顔立ち。\n夕焼けの中に浮かぶその姿に、思わず見とれてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やっぱり、白鷺さまでしたか",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "その唇からこぼれる声は、やはり俺の知るものだった。けれど、あまりに普段と違うその姿に、つい疑問の声を漏らしてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えーと、その……オペラさん……ですよね?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あらん、こんな絶世の美少女、世にそう何人もいるわけないじゃありませんかあ\nあ、いい年してちょっと無茶しすぎですよぉ……とか思ったりしない方がいいですよお。具体的には原因不明の謎の死とかしたくないなら",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "ああ、間違いなくオペラさんだ。ちょっと色々ビックリしたけどオペラさんだ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "少々気になる言い方ではありますが、そこはまあ目をつむりましょう。はい、制服の謎のウサミミ美少女、オペラ=ハウスでございま~す\nいえ、図書館の方からこちらへ歩いてくる姿が見えたので、これはやるしかあるまい、と張り切って準備させていただきましたっ\n可愛いですよね、わ・た・し♪",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "なんていうか、誰が見ても誰に聞いても、100人中120人がオペラさんと答えるだろう。うん、良かった。間違いなくオペラさんだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "兎狩りとかいかがですか。中々に上物だという自負あるんですよ、この兎",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "いえ、間違いなく綺麗ですけども……ていうか、全然現役で通じちゃいそうなところが怖いですが……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あらん。白鷺さまったら、しょ・う・じ・き",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "正直も何も、事実だとは思う。常日頃の言動が、どうしてもその雰囲気を完膚無きまでに破壊しているけれど、この人、凄い美人なんだよな。\nこうして大人しくしているだけならば、紛れもない美女だ。兎は寂しいと死んでしまう、なんていう話はよく聞くけれど、この姿なら、それにも納得してしまう。\n普段の姿を思い出すと、一瞬で消え去るけど。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ですが、この格好は少々危険ですね。本当に昔を思い出してしまいます",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "オペラさんは言うと、静かに目を閉じた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "昔って、トリニティが出来たのは本当に最近ですよね?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ええ。ですから当然竜界でのお話ですが……竜界にも、一応普通の学園はありましたからね。まだ若いころ……おっとぉいかんいかーん!",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "……うん。ほんとオペラさんだわ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まだ竜界におりました頃、私もそういうところに通っていた時期がある、ということです\n友人たちと語り合ったり、そこらに出現するノラモンスターぼこったり……ああ、楽しくもあり、無茶をやった時期でした",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "この人が言うと、モンスターであっても相手に同情したくなるのはなぜだろうか。その光景を想像し、思わず苦笑してしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ですから、多分この服のせいです。今から起こることは、全部この服のせい",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "が、不意に真剣みを増したその口調に、俺は小さく驚いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "この服が、私の気持ちを色々と感傷的にさせるせいなんです……",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "そして、驚く俺の目の前で、オペラさんは微笑んだまま、そっと上着を左右に開いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "オ、オペラ……さん……?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "その豊かな二つの膨らみが、包みこんだ薄い下着と共にさらけ出される。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だから、言いましたよね。兎狩りとか、いかがですか、と",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "た、確かに……で、でもその……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "見ちゃいけない。そう思いはしても、どうしても目がその場所へと惹き付けられてしまう。\nその深い谷間を、覗き込みたくなってしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "野暮はいいっこ無しです、白鷺さま……",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "そんな俺を、オペラさんは咎めることもなく、微笑んだままで見つめてくる。その頬が赤いのは、決して夕日のせいだけじゃない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "私だって女です……大きな事を成し遂げた殿方に惹かれても、別に不思議ではないでしょう……?\nですからこれは、私からのご褒美です。そして、私へのご褒美でもあります\n愛にも様々な種類があるんですよ。与えられることを喜びとするもの。与える事を喜びとするもの……\n私のそれは、後者です。与えられなくても構いません。ただ私が愛した方々に、私の愛を与えたい。与えさせてほしい\nそれとも、私では満足できませんか?ウルルさまのような若くて貧弱でペッタンコでツルッツルの超ぷにぷにボディでしか反応しません?",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "こんな姿を見させられて、まったく反応しない男はさすがにいないだろう。\nウルルのような身体が好きな男であっても、間違いなく惹かれてしまう、そんな魅力をもった身体だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "さ、さすがにそれはないです。その……目のやりどころに困るレベルで……実際、綺麗すぎて困ってるんです",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ふふ。白鷺さまは、そういう言葉を時々ストレートに出すから怖いですよね\nですが、嬉しかったのでもう一段ご褒美です……",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "そんな言葉と共に、オペラさんはブラをズリ上げた。その膨らみの先端、桃色の突起が、ツンと自己主張するかのように震えている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いかが、ですか?以前、一度白鷺さまには捧げたことがありましたが、その時以外誰にも見せても触らせてもおりません。白鷺さまだけのものです",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "……あの、冗談とかじゃ、ないんですよね……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "普段、周囲をからかいまくっているオペラさんだけれど、自分を女としてさらけ出すことが苦手なのはよく知っている。\n現に今、オペラさんの肩は小さく震えていた。\n一生懸命に羞恥と戦いながら、俺にその身をさらしている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ええ。この服のせいで過去にあてられてしまった、ただそれだけです。今、この一時だけの夢、ですねきっと\nふふ……でも、心を許した殿方の前だからこその、この恥ずかしさと嬉しさ。いいものですね\nさあ、白鷺さま。ここまでした女に恥をかかせるつもりですか?",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "そんなオペラさんの言葉にのって、俺はその双丘にそっと手を伸ばした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……オペラさん……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あ……ん、そう、です……白鷺さまの好きなように……",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "触れると同時、オペラさんは小さく身体を揺らした。柔らかな膨らみがわずかに揺れ、俺の指を沈み込ませる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "白鷺さまの手、大きいですね……やはり男の人、ということなんでしょうか……",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "温かな膨らみに、少しだけ力をいれて指を沈ませる。適度な弾力が指を押し返し、その感触が気持ちよく、俺は更に力を込める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、あ、はぁ……困ってしまいます……触られるという行為がこんなに気持ちいいと、クセになっちゃうじゃないですか……\nふぁ……あ……あん……いかが、ですか。私の胸、は……",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "言葉もありません……吸い付くみたいな弾力で……ただ夢中になっちゃいます……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ゆっくりと、その感触を楽しむように手を動かす。\nわずかな力の機微を敏感に察して、自在に形を変える柔らかな丘。硬く尖ったその先端は、触れられるのを待っているみたいだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふふ……そう言っていただけると、自分にも女としての価値があるんだって嬉しくなります……\nでしたら、私ももう少し女になってみましょうか……",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "そんな言葉と共に、オペラさんはそっと足を開く。薄い布地に隠されてるとはいえ、女性にとって一番恥ずかしいハズの場所が目の前で開かれている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "さあ……こちらの方も、どうぞ……\nさすがの私も、こういう行為には精通していませんので……白鷺さまが望むままに……",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "……ここまできたら、俺も遠慮しません。俺の好きなように、オペラさんを楽しませてもらいます",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "この光景に、俺ももうガマンしようがなかった。女としてのオペラさんを、男として楽しみたい。そんな欲望が全身を支配している。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はい。私もそれを望んでいますから",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "そして、そんな俺を、オペラさんは少しも否定しようとしなかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……ん、なんだか不思議な感じが、びりびりと……",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "オペラさんの女の場所を、下着の上からそっとなぞる。気持ちよさげな声と共に、指へと伝わってくるオペラさんの熱。\nその熱い秘裂を、俺はゆっくりなぞり続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は……あ……ん、ふぁ……あ……",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "熱い吐息をこぼしながら、俺の指に合わせて喘ぐオペラさん。その声を聞いているだけで、俺は自分の昂ぶりを抑えられなくなる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ずるいですよ、その声。もう、直接じゃないとガマンできそうにないじゃないですか……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "で、でしたら……直接どうぞ……",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "そんな俺の欲望を、オペラさんは嫌な顔一つせず受け入れてくれた。\n俺は、言葉を返すのももどかしく、目の前の邪魔な布地へと手を伸ばす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "オペラさんの……入り口……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "さ、さすがにこれは……少しきますねぇ……",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "邪魔な下着を俺に脱がされ、その恥ずかしい割れ目を俺へと惜しみなく見せびらかすオペラさん。\n誰にも触れられたことのないそこは、ピッタリと閉じ、まるで誰かに開かれるのを待っているみたいだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "前の記憶はあくまで別の記憶ですから……ここでは初めてなわけですし……\nへ、変なところとか、ないといいんですけど……",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "……そうですね。それじゃあ少し確かめてみましょうか",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は両手を伸ばすと、オペラさんのピンク色の唇を、そっと左右に開いていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃっ……ほ、本当にもう白鷺さまは……いきなり……",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "それと同時に、オペラさんの体内から透明な蜜がこぼれてきた。\nそれはオペラさんの身体を伝って、そのまま机の上へと垂れていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あまり奥の方は見ないでいただけると……さすがにその……",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "桃色の肉壁。その奥からこぼれてくる大量の蜜。俺を興奮させるには充分な光景だ。しかもそこからは、オペラさんの女の匂いが溢れている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "俺の自由にしていいってことでしたし。オペラさんの恥ずかしがる姿なんて、そんな見られませんから、ここはジックリさせてもらいます",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "も、もう。白鷺さま、時々いじわるになりますよね……",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "でも、オペラさんはそれを求めてるみたいですよ。中の方から、もうこんなに溢れて……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "垂れてくる蜜は止まりそうにない。奥の方から次々と滲み出し、おねだりするかのように垂れていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はしたない女は、その……お嫌い、ですか……?",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "そうですね。でも、これは決してはしたない行為じゃありません",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は、オペラさんをもっと感じさせようと、その包まれた豆へと指を伸ばした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んあぁっ……あ、や、白鷺、さま……い、いきなりっ",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "オペラさんの身体に隠された、小さくも敏感な突起。皮の上から少しいじる度に、オペラさんは小さく喘ぐ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "この敏感なところ、こんなに大きくして……見られるだけで感じてました……?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ぷっくりと充血したそれを、オペラさんの奥から表に晒す。小さく喘ぐオペラさんをそのままに、俺は顔を近づけると、そっとその突起を噛んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、あ、か、噛んじゃっ、だめっ",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "ぴくん、と小さく跳ねるオペラさん。同時に、奥の方から大量の蜜が溢れてきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、は、んんっ……し、白鷺さま、は……どう触って、くれるのか、とか、想像、してたら……ん、ああっ\nだ、だめ……だめです、そこ……あ、や、はあんっ!",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "その感じやすい突起を舌先でいじると、その度にオペラさんは身体を震わせる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そ、そこばっかりいじっちゃ、だ、だめぇっ。ひ、あ、や、んくっ、い、んああぁっ",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "大きく、大きく喘ぎながら、その蜜を溢れさせ続けるオペラさん。刺激的な蜜は、俺の顔までもビショビショに濡らしていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だめ、だめっ、ほんと、に!や、あ、ああんっ",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "オペラさんって濡れやすいんですか?中からどんどん溢れてきて、もう机までこんなにビショビショです",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "意地悪っぽく言いながら、大きく膨らんだ突起を指をつまむと、オペラさんの背が大きく弓なりに反った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "し、白鷺さま、の、い、いじわるっ。あ、はあ……んっ\nも、もう、指じゃっ……お、くが……おくが、切なくて……あ、ん、ああっー!!",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "すみません……乱れるオペラさん見てたら、俺ももう……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "は、はい……構いません……白鷺さまを……",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "一分一秒早く、と俺を求めるオペラさんに応えるように、俺はオペラさんを机から下ろした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふふ……白鷺さまの、ズボンごしでも分かりますよ……もう凄くなっちゃってますね",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "もうパンパンに膨らんだそれを、ズボン越しにこすりつける。それだけで、オペラさんは嬉しそうに身体を震わせた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "白鷺さまの凶暴さを具現化したようなものが、その奥にあるわけですね……",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "否定できません。その……今俺凄い昂ぶってて……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "すっかり濡れきったこの入り口。きつく閉じられたこの奥へとねじ込むと、どれだけの快感が得られるんだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はい。乱暴で構いません。一気に奪って下さい\n女として一番隠すべき場所を、こんな姿で晒しているんです。私も、それを求めてるんですから",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "……はい。それじゃあ、オペラさん……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "もうガマンできない。俺はそれを取り出すと、オペラさんの中に思い切り突き入れていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んうっ!",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "す、すみません……本当に、一気に……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "濡れきったそこは、わずかな抵抗はあったものの、予想以上にスムーズに俺を飲み込んでいった。\nぶつん、と小さな感触と共に、その奥の方へと沈み込む。\n熱く火照ったオペラさんの体温が、粘膜を通じて俺を包み込む。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、大丈夫ですよ。これを望んだのは私ですから\nそれより、いかがですか?私の女の中は……白鷺さまは、今私を女にしたんですよ",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "意識ごともっていかれそうです……熱くて……もうヌルヌルで……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "きゅっ、と俺を包み込むように締め付けるオペラさんの体内。キツクて、けれど吸い付くようなその感触で、すべてを吸い出されそうな感覚に陥りかける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でしたら、動いて下さい。白鷺さまの思うままに……",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "俺は、そんなオペラさんの言葉に言われるがまま、腰をゆっくりと動かし始めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……ん、あ、ああんっ……ふ、ふるえちゃい、ます……背筋をゾクゾクしたものが走って……\n白鷺さまの……大きくて……あ、ふあっ",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "初めて男を受け入れるそこは、まだまだ初々しい固さを持っていた。けれどそれが、少しずつ、本当に少しずつだけれど、解されていく。\n俺に絡みつくように貼り付き、ぎゅうぎゅうと擦りあげる。腰を一往復させるだけで、俺は解き放ってしまいそうになった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、ダメです、オペラさん、の……は、貼り付きながら締め付けて……う、動かす度に……う、あ、あ!\nも、もっと、欲しいです……これ、もっと気持ちよくなりたいっ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "だけど、この快感をもっと味わっていたい。まだ終わりにしたくない。そんな想いで必死にガマンする。\nオペラさんの中を前後に蹂躙していく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ど、どうぞ……もっと、もっと、激しく……私も、全身が痺れて……あ、ああっ\nひっ、あ、あ、はあんっ!す、凄い……白鷺さま、が、ごつごつあたって……",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "奥の更なる入り口へと、わざと強めに叩き付ける。その度にオペラさんの口から喘ぎがこぼれ、蜜が湧き出す。\n俺の腰に合わせて掻き出される蜜は、オペラさんの足を伝って床へとこぼれ、もう水たまりのようになっていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、あ、ああんっ。ふ、震えが、止まらないっ。お、奥の方から……何かが、きちゃうっ",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "ぐっちゅぐっちゅと淫猥な水音が教室中に響く。根本から脳へと伝わってくる刺激に、俺は全身を震わせていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お、俺も、です……オペラさんに絞られて……もう、こらえるの無理!\nだ、だします。だしたい……この中に……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "熱くてヌルヌルとしたオペラさんの体内に、思う存分俺の欲望を注ぎ込みたい。俺の意識は、もうそれ一色に染まっていた。\nただ真っ白い欲望に埋まっていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、はいっ。ど、どうぞきて、ください!わた、わたしも、ほしいっ、白鷺さま、が!",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "その言葉に背中を押されるように、強く、激しく腰を打ち放つ。\nパンパンと、腰と腰とかがぶつかる音が流れ、床にピチャピチャと蜜をこぼした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、あ、ああんっ、い、ふぁ、あ、あ、ああ\nき、きますっ、きちゃうっ、お、大きくて、まっしろなのが……あ、や、ああっ",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "そんな叫びにも似た喘ぎと共に、オペラさんの身体が、ぎゅっ、と締まった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああああああっ!!",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "うああっ!!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そのいきなりの収縮に耐えられず、俺も一気に爆発させる。熱く濃厚な欲望が、オペラさんの最奥へと、何度も、何度も放たれていく。\n俺は腰を思い切り突き入れると、その一番深い部分へと思う存分射精を続けていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……最後の最後まで、白鷺さまは凄いですね……\n私の奥に、たくさん……たくさん、注がれてるの分かります",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "びゅくん、びゅくん、と痙攣を繰り返しながら放たれる俺の欲望。俺自身、どうやったら止まってくれるのか分からない。\nオペラさんの中にあるというだけで、無限に絞り出されている気分だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いったいどれだけ出す気ですか?",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "はぁ……はぁ……すみません、気持ちよすぎて、奥の方から溢れるみたいで……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "それはやがて、結合部から溢れて床へとこぼれ出す。その心地よさに、俺はただ酔っていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふふ。もう、こんな素敵に愛されてしまったら、一時の夢、とか言いたくなくなっちゃうじゃないですか\nまたいつか、この寂しい兎のこと、かわいがっていただけます?",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "は、はい……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "この快感がまた味わえるのか。その期待が更に俺を昂ぶらせたようだった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でしたら、更に磨き上げておかないといけませんね。この身体",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "その変化に気がついたのか、オペラさんは頬を上気させながらも笑っていた。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"オペラ"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 023503h_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "ふう~……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ようやく空いた風呂に肩まで浸かり、今日一日の疲れを洗い流す。\n今日は、色々やられもしたけれど、頑張れたとは思う。あのオペラさんを倒せたのは、間違いなく大金星だ。\n本当に、みんな頑張ってくれたおかげだな。\n明日は恐らく、ラーロン達のチームとやり合うことになるだろう。実際、相当な強敵なのは間違いない。先生を倒したくらいだし。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……俺の指示一つで結果も変わっちゃうんだよな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ミリオさんとの戦いを思い出す。どんなに強い戦士でも、必ず倒す方法はある。一対一ならまだしも、チーム戦ではそこを狙う方法はいくらでもある。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ヴェルやノートでも、俺の指揮が間違えばやられてしまうことだってあるんだ……身を引き締めないとな……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は両手で頬をピシャン、と叩くと身体を洗うために湯から上がった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そうですね。でも、これは忘れないで下さいね、姫くん。ボクもヴェルちゃんも、どんな結果であれ、姫くんの指揮を信じて戦います\n姫くんが一生懸命に考えて出した指示なら、喜んで従いますよ",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "……そうか。うん、俺も頑張るよ。だから、明日も頼むな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "はい♪",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "…………あれ?\nいきなり吹き出した違和感に、俺はぐりん、と全力で振り返った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ノート!?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あ、は、はい……きゃあっ。ひ、姫くん、ぞうさん!ぞうさんダメです!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "うわあっ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は慌てて湯船の中に再び飛び込んだ。そのままタオルを取ると、急いで腰に巻く。\nこれでよし。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "な、なんでノートがここに?み、水着まで着てるってことは間違えてじゃないよなっ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あ、あの、お背中流しに来ました。今日は姫くん、お疲れ様かなって",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "いやいやいやいや、大丈夫です、はい大丈夫。その、気を遣わせて悪いんだが、平気なので戻ってもらえれば……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そう逃げようとする俺の背に、ふと重みがのしかかる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "肩越しに振り返れば、湯船の端に腰掛ける俺の背に、ノートがその背中をもたれさせていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "その……本当のことを言うなら、背中を流すっていうのはただの言い訳なんです。そう言わないと、ボクが動けなくなっちゃいそうで……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "……何かあったのか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "どこか真剣な色のする言葉に、俺は素直に聞くことにした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いえ……あった、というわけじゃないんですが……あの……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "もじもじと身体を揺らしながら、ノートは必死に何かを考えているようだ。\nが、やがて決心がついたのか、その揺れが収まる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あああ、あの、姫、くんっ",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "あ、ああ。なんだ……?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ボクのこと、抱いてください!!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "…………………………………………え?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "だ、だだだだめ、ですか?",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "ダメもなにも、なんでいきなり!?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "……寂しいんです。姫くんとの繋がりが欲しいんです\n前の扉では、どこでもボク……だ、抱いてもらってましたっ。それが、姫くんに愛してもらってるって証みたいで……\nで、でも、この扉では、みんな姫くんのことが大好きで……だけど、その証がもうなくなってて……\nもしかしたら、ボクだけなのかな、って不安になっちゃって……姫くんとの距離が離れていっちゃうみたいに思えちゃって……\nだ、だから……ここでも……\nボクのこと、傷物にして下さい!!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "いや、だからなんでそんなに必死!?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "しっちゃかめっちゃかにして下さい!!\nに、ににに肉奴隷に……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "ストーップ!ストップ!そこまで!それ以上はもういいからっ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あ、あの……それじゃあ?",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "……俺で、いいのか?ある意味、ノートにとってはその……やり直せるって意味でもあるんだぞ。証が無くなったっていうのは",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "……ボクの秘密を知りながら、泣きながら願いを聞いてくれた男の子がいいんです\n……ボクの心の奥に、人としての心を見つけてくれた男の子がいいんです\nだから、ボクは、姫くんがいいです",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "背中越しに感じるノートの微笑み。そこには、俺に対する信頼と好意が感じられた。\n俺を包もうとする、優しい空気があった。\nどうやら負けらしい。こんな風に俺を想ってくれる子を突き放せるほど、俺は人間嫌いにはなれない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ここでいいのか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "はい。充分です",
"speaker": "ノート"
}
] | [
"姫",
"ノート"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 023618_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "壁に手をつかせたノートの水着に脇から手を入れ、その驚くくらい大きなものを両手で掴む。\n他の扉で触れた経験はあるとはいえ、やっぱり大きい。俺の手で掴み切れないボリュームに言葉を失う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……姫くんの、手が……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "そんな俺の手の感触に、ノートは小さく身体を震わせた。その反応がノートらしくて可愛らしい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ごめん。どうしても最初はここに目が……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "い、いえ、望んだのはボクですから……だ、大丈夫です。むしろ、それで姫くんが気持ちよくなってくれるなら……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "そんなノートの言葉に甘えるように、俺は水着の中の手を動かした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ……ノートの胸、凄い柔らかい……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ふかふかの絨毯に埋めた時のように、十本の指が沈んでいく。それを戻そうとする弾力が気持ちよくて、俺はひたすらに胸を揉み続けた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふぁ……あ……そこ、は……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "その口からこぼれる小さな喘ぎと共に、膨らみの先端が硬く屹立していくのが分かる。それを小さくつま弾くだけで、ノートは大きく鳴いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もう硬くなってきてる……やっぱり、敏感なのか……?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そ、それもありますけど……やっぱり、姫くんだからです……\nん、あ、あう……姫くんの手がって思うだけで、ボ、ボク……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "囀りのような喘ぎ声を耳に、ただひたすら胸を揉みしだく。その感触は麻薬のように俺の意識を支配し、浸らせた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "不意に、喘ぎとは違った声がノートからこぼれた。そして、自分の下半身の方へと視線を送ると、恥ずかしそうに顔を赤らめる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "どうかしたか?えっと、少し強いとか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "い、いえ、そうじゃないんですっ。その……ボクの身体が、ちょっといやらしくなってしまって……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "いやらしく……?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "はうぅ……ごめんなさい、これ以上は聞かないで下さいぃ……本当に、恥ずかしくて……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "真っ赤になったまま、チラチラと自分の下半身を気にするノートに、なんとなくその理由を察した。\n俺で感じてくれた証明だと思うのだけれど、それが恥ずかしいというなら仕方ない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……分かった。でもそれなら、そんなの気にしてられないように……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ふえっ",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "濡れてしまったことくらい気にしてられないようにしてあげたい。俺は水着をズリおろした。男の手に余る巨大な膨らみが二つ。ドン、とさらけ出される。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……やっぱり、凄い\nこの水着、ちょっと小さいんじゃないか?なんか、更に大きくなったみたいに見えるぞ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ずっしりと重さを感じる膨らみは、水着越しの時より更に大きさを増したよう感じた。\nそんな俺の感想に、ノートは恥ずかしそうに頷いてみせる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、はい。実はその……最近、また少し……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "……一部の子が発狂しそうだなあ。でも、凄いこれ……\n押さえつけてるものがなくなったら、更に大きくて、柔らかくて……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "重力に引かれて下へと向かう膨らみを手で掴みあげる。密度の濃さを感じられる重さと、自在に形の変わる柔らかさ。\nそして、ツンと尖った先端とを楽しむべく、両手で存分に揉み続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……は、んっ",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "俺に胸を責められ、喘ぎ続けるノート。乳首を指先でつま弾くと、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃんっ",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "可愛らしい声で鳴きながら、背中を反らす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もう、こんなにコリコリだ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "コリコリに屹立したそれを指先でいじれば、ノートは余程感じるのか、身体をモジモジと揺らし始めた。\nそして、量を増した蜜が、その足を伝って垂れていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、や……そこ、敏感で……あ、は、はあんっ",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "こんなに柔らかいのに、その先端が、こんなに硬くて……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ふぁ、あ、あう……はあんっ\nや、あ、あう……ち、力、抜けちゃいま、すっ。ぞくぞく、きちゃって……あ、ああんっ",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "俺達二人しかいない大浴場に、ノートのかわいらしい喘ぎ声が大きく響く。その乱れ具合は俺を興奮させ、自分でも気づかないうちに、下半身をガチガチに硬くしていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "で、でも、あの、ん、ああっ……ひ、姫くんの、か、硬いのあたって……ふあぁん!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "……その、我ながら結構凄い……いい、か?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "気づいてしまえば、もう耐えられそうにない。この怒張し切ってしまったものを、ノートの熱い体内に収めたい。\nノートの初めてを奪い、そのまま蹂躙したい。そんな激しい欲望が俺を支配する。\nそんな俺に、ノートはこくん、と小さく頷いた。\n……おかしいなあ。\n気がつけば、俺はノートにマウントポジションを取られていた。\nあのまま、最後まで俺が先導するつもりだったのだけれど、今日のノートはいつもと違い積極的だった。\nボクがします。そう言い切ったノートに勝てず、御覧の有様である。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふふ。本当に凄くなっちゃってますね……姫くんの",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "我ながら節操のない息子で……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "当然だろう。目の前に惜しげもなくさらけ出された大きな二つの乳房。それがノートの動きに合わせてフルフルと揺れる。これを見させられて反応しないわけがない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それだけ、ボクに興奮してくれてるってことですから\nそれに、この子が今からボクの中に……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "ノートは言いながら俺のものを見ると、恥ずかしそうに、自分の水着の股間部分へと指を持っていく。\nそして、それをそっと横にずらした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あんまり、見ないで下さいね……?",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "横にずらされた水着の部分には、綺麗に閉じられたノートの秘裂がはっきりと見える。\nその周りにうっすらと生えそろった銀色の柔らかそうなヘアーが、その光景をさらに淫靡に見せていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そうは言われましても、男の子なものでどうしても……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "この扉では、まだ誰の目にも触れていないノートの秘所。これに興奮しないでいられるわけがない。自分のものが更に反応してしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……なんか、またちょっとおっきくなりました……\nでも、こうしてあてがってるだけなのに、凄い熱いです……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "ああ、俺もだ。入り口でこれなら、ノートの中入れたら溶けちゃいそうだな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺自身と触れているノートの秘裂を通じて、その体温が伝わってくる。熱くたぎったそれは、入った瞬間俺に火をつけそうだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だったら、ボクはヤケドしちゃいそうですね",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "ノートは微笑みながらそう言うと、俺の上に、そっと跨った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……う、くうっ!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "苦痛に顔を歪めながら、ノートはゆっくりと腰を沈めていく。\n結合部から流れてくる赤い血と、明らかな苦痛の混じった声が、俺を不安にさせた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う……だ、大丈夫、か、ノート……?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "自分を限界以上に広げながら、俺を飲み込んでいくノート。そのキツさに俺も顔を歪めてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、はい……平気………痛……へい、き……っ",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "だがそれでも、ノートはやめることなく俺を受け入れていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あまり無理はするなよ?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "へ、平気、ですっ。こ、ここで出来なくちゃ……も、もう……\nごめんなさいっ、ち、力、いれますっ",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "ガマンすること自体辛いのか、ノートは一気に押し込むことにしたらしい。俺の胸に両腕を当てると、強引に力をいれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んんっ!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "う、ああっ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ぶっつ、と何かが引き裂かれ、俺のものがノートの中へと深く入り込む。熱く滾った火洞の中は、俺を痛いほどの力で包み込んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……はぁ……は、入りました、ね……姫くん……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "まだ残っているはずの痛みを必死に堪え、それでも本当に嬉しそうに笑ってくれるノート。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああ。ノートに、入ってる",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は、そんなノートの気持ちを嬉しく思いながら、ノートの身体をじっくりと味わう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "す、凄い……狭くて、ギチギチなのに……あ、熱くて",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "姫くんに……またあげられました。この扉でも……姫くんに……\n不思議です……それだけで、痛みが薄らいできちゃいました……嬉しい方が強いんですね",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "他の三つの扉でも、俺はノートを抱いた。ノートに捧げてもらった。そして、最後の未来となるはずのこの扉でも。\nそれを、こうして喜んでくれるノートに、今はただいとおしさを感じる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "す、少し動いてみますね……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "そして、まだ痛みが残っているだろうにも関わらず、ノートは俺の上で無理やりに動き始めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、ああっ!締め付けが凄くて……も、もってかれそうっ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "締め付けるようなキツさの中で、ノートがゆっくりと上に動く。それだけで、無理やりに吐き出してしまいそうになるほどの快感が走る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……はぁ……あぁん!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "だ、大丈夫、か?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ダメかも、です……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "ゆっくり、ゆっくりと動き続けるノート。そこに痛みは浮かんでいるものの、こぼれ出す嬌声には甘さが含まれていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、く……は、ああ……ん、んっ!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "俺をギッチギチに締め付けながら、上下運動を繰り返す。ノートの中はいつの間にか大量の蜜で溢れており、グチグチと淫らな水音を立て始めていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ボク、初めてなのに……か、感じちゃうんですっ",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "全身を震わせながら、動き続けるノート。気持ちよさそうなその嬌声に、俺も昂ぶりが抑えられなくなっていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふぁ、あ……や、ああんっ!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "ノ、ノート、す、少し抑えて……っ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "懸命に堪えてはいたものの、ノートの中は気持ちよすぎた。もうどうにも抑えられそうにない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "俺の方がもたないっ。も、もう出そうなんだっ。キツくて!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ごめんなさい!で、でも、止まらないんですっ。身体が、姫くん覚えてるみたいで……や、ふあ、あ、あああっ",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "他の扉で得た快感をそのまま貪るように、ノートはその動きを速めていく。\n繋がった粘膜を通して駆け上ってくる、ゾクゾクとした快感に、俺の視界はもう真っ白になっていた。\n今にも出てしまいそうなそれを、ただ堪えることにすべてを注ぐ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひぐ、ん、くうっ……ボ、ボクの身体、姫くん用に、改造されちゃった、みたいで……あ、や、はあんっ!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "一番深い部分にコンコンと当たる度、ノートは激しく鳴いた。その声に、俺の下半身が更に痺れる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、ぐ、ああ!ごめん、ノート!ほ、本当にもう!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "もう、無理だ。これ以上こらえたら、俺がおかしくなってしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ボクも、です!ボクも、何か一気に来て!!\nん、あ、ああっ",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "一際強く、ノートが動く。その瞬間、俺の中で欲望が爆発した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああああんっ!!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "同時に、ノートは背を弓なりに反らしながら、大きく喘ぐ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、ああっ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "う、あ……熱いの、いっぱい、出てますっ。ま、まだ出てくるっ",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "必死に抑え続けてきた白い欲望が、ノートの最奥へと向けて撃ち放たれる。\n凄まじい勢いで放たれていくその快感に、俺は言葉も出なかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ほぇ……あ、溢れてきちゃってます……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "あまりに大量に出続けるそれが、結合部から溢れ出す。その様子を、ノートはボーッとした表情で眺めていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああ……まだ出てて……ノートに絞り出されてます……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ボ、ボクのせいですか……?",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "ああ、間違いない。締め付け凄くて……気持ちよすぎる",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "姫くんのせいですよぉ……ボクを前の扉でこんな風にしちゃったんです……きっと……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "正直、否定できないところが怖い。今までの経験が一つになったことで、そっちの方まで育てられてしまったという可能性も否定はできない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふぁ……姫くんのいっぱい……幸せ……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "けれどノートは、それすらも嬉しそうに受け止めてくれた。\n自分の中に吐き出され続けるそれを、本当に幸せそうに、ただ受け止め続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えへへ……それじゃあ、綺麗にしますね",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "その、そこまでしなくても……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "いえ。これからもボクを気持ちよくしてくれるんですから",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "ようやく出きった俺のものを、今度はちゃんと綺麗にしたい。そう言って、ノートは俺の足の間に身体をいれていた。\nまだ萎えきってない俺のものにそっと手を添え、恥ずかしそうに微笑む。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "で、でも……やっぱり大きいですね……これ、本当にボクに入ってたんですか……?",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "まあ、さっきよりは落ち着いてるから……もっと大きかったんじゃないか?さっきは",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ふえぇ……やっぱり姫くん、凄いんですね……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "そう言って素直に感心してくれるノートに、本当に俺だけとなんだなあ、と改めて納得した。\n男の独占欲か、今はそれが本当に嬉しい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あむっ",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "そして、ノートの小さな唇が俺の先端を咥える。瞬間、ゾクリ、とした快感が背筋を走った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うわっ……ノートの口、あったかい……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ん、んむ……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "あ……う……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ん、んぐ……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "そのまま目を閉じて、まるで味わうみたいに俺の先端をノートの舌が攻めていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あん、んう……ん、ん……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "自分自身の欲望で汚れたそれを、丁寧に綺麗にしてくれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、く……ノート……そ、そこ、ゾクってきて……う、あぐっ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "鈴口をこじ開けるかのように入って来たノートの舌に、俺は思わず声をあげた。\n少しでも俺を綺麗にしようと、丹念に丹念に舐め取ってくれるノートの舌が、今はただ気持ちいい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あむ……ん……姫くんの……味します……ん……\nんむ……ここ……?ん……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "うあぁっ……ノート、そこ、ダメだ!綺麗にどころか、ま、また……\nくっ……うう!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "敏感な粘膜部分を、ねっとりとしたノートの舌がなめ回す。それは、出し切ったはずの俺の欲望を、再び湧き上がらせていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、んん、んあ……あん……ん……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "あ、あう……も、もう……!!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ノートの舌先でこじ開けられた鈴口に、ノートの熱い吐息が吹きかけられる。俺の限界は、その瞬間に吹き飛んでいた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んん!?",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "ノートの口の中へと、俺は再び放出する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、んんーっ!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "完全に予想外だったのか、ノートは驚くような顔で俺を見上げた。その表情に罪悪感を憶えるものの、欲望は収まってくれそうにない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う……くっ……ううっ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "どくどくと湧き出すそれを、俺はノートの口内に放ち続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……ん、ん……んう……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "が、その大量の精液を、ノートは静かに飲み込み始めた。目を閉じて、まるで味わうように少しずつ飲んでいく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ノート?その、無理は……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "んむ……あむ……ん、んうっ",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "俺の言葉が届いているのかいないのか、けれどノートは、少し辛そうな顔をしながらも、最後まで俺を飲み込んでくれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぷは……い、いっぱい、出てきました……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "思い切り出し尽くし、すっかり大人しくなった俺から口を離し、ノートは苦しそうに息をする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "へ、平気か?その、無理して飲まなくても……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "え、えっと……飲んじゃダメでしたか……?",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "ちょっと不安そうな表情で俺を見上げるノート。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え、いや、そういうわけじゃないけれど……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "それどころか、こっちはとっても嬉しかったわけで。\nそんな俺の言葉に、ノートは恥ずかしそうにしながらも小さく微笑んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え、えへへ……姫くんのでしたから、つい……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "この王女様、本当に可愛いなあ。その顔を見て、俺はそんなことを考えてしまった。\nどうやら、この扉でもこの関係は続けさせてもらえるようだ。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"ノート"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 023619h_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "大世界杯で学園世界全体が盛り上がる中、その喧噪から離れた森の中にミリオは立っていた。\nそこは学園世界全体を使った大世界杯の中で、いくつか存在する立ち入り禁止区域だ。\n表向きの理由は凶暴なモンスター等の縄張りになっているという理由だが、実はこの禁止区域の設定には、本来の目的が隠されていた。\nそれの目的はずばり、学園襲撃犯を誘導し、発見する事。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やはり、誰かが踏み行った形跡がありますね……",
"speaker": "ミリオ"
},
{
"utterance": "ミリオは足下にある、不自然に地面をこすったような後を見ながらそう呟く。それは何者かが足跡を消した後だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "索敵魔法には反応無しですか。もう既に移動した後か……それとも何らかの手段で無効化しているか……\nあとは自分の目で確認するしかありませんね",
"speaker": "ミリオ"
},
{
"utterance": "既に手元のアイテムに魔力を流し、魔力通信で学園には痕跡発見を伝えてある。もしこれで自分に何かあれば救援がくるだろう。\nちなみに魔力通信を使ったと行っても、学園とかなり距離が離れているため音声は送ることは出来ず、せいぜい特定の音を発信器から出させる程度のことしか出来ない。\nしかし、音の種類を変える事は出来るので、音の種類や組み合わせ等である程度状況を伝えることは可能だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "げっ!?お前は",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "見つけましたよ、学園襲撃犯",
"speaker": "ミリオ"
},
{
"utterance": "痕跡を追って森を歩く事を数十分、ミリオは森の奥まった場所で、のんきに昼寝を決め込もうとしていた、襲撃犯を見つけ出した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "マジかよ、どうやって見つけやがった",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "足と目を使って、です。普通のことでしょう?",
"speaker": "ミリオ"
},
{
"utterance": "よほど自分が発見された事が意外だったのか、ゲンは驚いたように訪ねると、ミリオは当たり前のようにしれっと答える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だー、まさか索敵魔法使わず見つけようとか考える馬鹿がいるとはな、そいつは想定外だぜ",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "あなたが何らかの手段によって、索敵魔法や追跡魔法を無効化していたのは、ずいぶん前からわかっていました\nそれ故に、通常の捜査では発見が困難だと言うこともね",
"speaker": "ミリオ"
},
{
"utterance": "魔法が発展している今の時代、基本的に捜索等の調査は索敵魔法に頼っている者は多い。\n実際、索敵魔法を使った方が効率が良く発見率も上がるのだが、少々それに頼りすぎるきらいがあるのも否定出来ない。\nそれ故に、魔法を無力化する事の出来る相手の発見はどうしても難しくなっている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "おい、ちょっと待て、つーことはこの馬鹿騒ぎも……",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "ええ。本当の目的は、貴方の活動範囲を狭めるためです\nただの住人ならばともかく、一般生徒にはあなたが顔を知れ渡っていますからね。学園世界中に生徒達が溢れているこの状況では、活動範囲が限られているでしょう?",
"speaker": "ミリオ"
},
{
"utterance": "そういう事かよ。たくっ、おかしいと思ったぜ。そこら中生徒だらけだってのに、都合良く生徒が来ない区画があんだからよ",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "ええ。その為に拠点の配置や、立ち入り禁止区域の設定など、かなり気をつかいました\nまあ、その結果、あなたは見事に私達の目論見通りに動いてくれたわけですから。苦労が報われたと言ってもいいでしょう",
"speaker": "ミリオ"
},
{
"utterance": "この大世界杯の真の目的に気がつき、ゲンは思わず頭を抱える。まさかこれほどの規模で捕獲作戦が展開されるとは予想も出来なかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はっ、俺はさしずめ、ねずみ取りに掛ったネズミって所か\nこんな馬鹿げた作戦、誰の発案だ?いや、一人しかいねえか。こんな突拍子も無い手を思いつくとなりゃあ、トリアちゃんしか居ねえわな\nそれと、ルアンちゃんも噛んでんな。トリアちゃんだけじゃ、ここまで繊細な設定はできねえだろうし",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "あなた……何者ですか?あのお二方をそのように気安く呼ぶ者は、四界中でも希でしょう",
"speaker": "ミリオ"
},
{
"utterance": "あまりにも自然に飛び出した名前に、ミリオは思わず聞き返してしまう。しかし、それを聞いてゲンは苦笑するように、そして自嘲するかのように軽く笑う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なに、ちょっとした昔なじみさ。もっとも、本人達は俺の事を覚えちゃいねえだろうがな",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "昔なじみ……?",
"speaker": "ミリオ"
},
{
"utterance": "おうよ、お前の事もよく知ってるぜ。サン=ミリオ",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "!\nあなた、本当に何者です?",
"speaker": "ミリオ"
},
{
"utterance": "初対面の相手から飛び出た自分の名前に、思わず動揺してしまう。なぜなら自分はまだ名前を名乗っていないからだ。\nその動揺を表に出さずに、ミリオは再びゲンに問いかけると、ゲンは困ったように頭をかいた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はあ、昔なじみに自己紹介。こればっかりはいつになっても慣れねえな\n俺はゲン、通りすがりの勇者崩れだよ。覚えなくても別にいいぞ",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "ゆう……しゃ……?",
"speaker": "ミリオ"
},
{
"utterance": "あっさりと自分の素性を喋ったゲンに、ミリオは訝しげに顔をしかめる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "馬鹿な、世迷い言で惑わそうとしても、無駄ですよ\n続きは連行した先でじっくり聞かせてもらいます",
"speaker": "ミリオ"
},
{
"utterance": "当然まともな答えが返ってくるとはミリオ自身思っていなかったが、それでもこちらを馬鹿にしたような言葉に、少しだけ怒りを覚える。\nよりにもよってトリニティを襲った人間が、滅界戦争を救った勇者などと名乗るとは、冗談にしても笑えない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あー勘弁してほしいな。娘が家で晩飯のカレーを作って待ってるんでね。任意同行なら拒否させてもらうぞ",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "拒否権があると思いますか。抵抗するようなら力ずくでも連れてこいと言われていますので、手加減出来ませんよ?",
"speaker": "ミリオ"
},
{
"utterance": "あくまでも人を喰った物言いに、ミリオは威嚇するように得物を構える。そこまでしてもゲンは余裕の笑みを崩さない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やっぱ、そうなるよなあ。まあいいか、ちょうど退屈してた所だ\nこういう時はやっぱ、こういうのかい?俺を連れて行きたかったら俺を倒せってな",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "ならば、その望みを叶えて差し上げます!",
"speaker": "ミリオ"
},
{
"utterance": "おう、かかってきな!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "ゲンの言葉にミリオは強化魔法を連続発動、身体を限界まで強化すると、一気にゲンに向かって踏み込んだ。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"ゲン",
"ミリオ"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 023706_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "姫達が戦っていたエリアとそれほど離れていない森の中に、轟音が響き渡る。\nその正体は学園襲撃犯であるゲンとそれを捕縛するために戦うミリオの戦闘だ。既に互いに何度もぶつかり合いを繰り返しているが、戦況はゲンが優勢であった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お前もこりねえな。何度やっても無駄だ!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "限界ぎりぎりまで身体強化魔法をかけた上での雷撃を纏った突撃槍の踏み込みを、ゲンはこともなげに弾く。\nすでに幾度くりかえしたかわからないやりとりだが、ミリオの攻撃は一度としてゲンの体に届いていない。\n高い戦闘力だけでは無い。ミリオとて滅界戦争では英雄と呼ばれて差し支えの無い戦果を上げた者の一人だ、単純な戦闘力では決してゲンには劣っていない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くっ!やはり!!",
"speaker": "ミリオ"
},
{
"utterance": "隙見せんじゃねえ、殺しちまうだろ!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "ぐっ!",
"speaker": "ミリオ"
},
{
"utterance": "それでも展開は一方的であった。ミリオの攻撃は届かず、逆にゲンの攻撃がミリオの傷を増やしていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぜあああ!!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "振り下ろされた根性刀をランスで受け止めるが、その威力に地面を削りながら後退を余儀なくされる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ただの人族がここまでやるとは。あなたは本当に何者ですか!",
"speaker": "ミリオ"
},
{
"utterance": "信じられない重さの一撃に痺れる腕に、舌打ちをこらえる。強化魔法さえ問題無く発動されていれば受け止められたはずの一撃だ。\nしかし、何故か踏み込みと同時に強化魔法はおろか、突撃槍が纏っていた雷すら消滅してしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だから、勇者崩れだって言ってんだろ!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "また、そのような戯れ言を!",
"speaker": "ミリオ"
},
{
"utterance": "再び飛び込んでくるゲンの一撃を、今度は受け止めずに受け流す用にしてこらえる。\nこんな攻撃をまともに受け続ければ、いずれ限界が来てしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ちっ、一緒に肩を並べた奴に言われると、結構ダメージでけえな",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "なにを!",
"speaker": "ミリオ"
},
{
"utterance": "なんでもねえよ!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "そう叫び、大上段から振り下ろされる一撃には、今まで以上の力が込められているのがわかった。\nミリオは内心で冷や汗をかきながら、あれは受け止めきれないと判断する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "おらあ!!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "当然防御魔法で受けられれば問題は無い。むしろ神族にとってはそれこそが本領だ。\nだからミリオはとっさに防御魔法を発動、それも本来必要な量の数倍の魔力をつぎ込み、実体を持つほど高密度圧縮した魔力障壁を生み出すが。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "無駄だって言ってんだろ!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "しかし、その魔力障壁もあっさりと砕けちる。いや、攻撃に耐えられなかったと言うより、攻撃が当たる直前に形を維持できずに消滅するのだ。\n今の障壁はかなりの魔力を篭めていたので消滅こそしなかったが、相当量の魔力が霧散し密度が薄くなったため、簡単に砕かれてしまった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぐあっ!",
"speaker": "ミリオ"
},
{
"utterance": "ミリオはこの結果をある程度予想していたおかげで、ランスでの防御を併用することでなんとか直撃は防ぐことが出来た。\nそれでも、その威力は絶大で後方に大きく吹き飛ばされた。\n受け身を取り素早く立ち上がりながら、もはや間違い無いとミリオは有ることを確信する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やはり……魔力が霧散する……攻撃魔法はおろか、強化魔法まで効力を失う。いったいどんな力を使っているんだ!",
"speaker": "ミリオ"
},
{
"utterance": "信じられない事だった。こんな特殊能力聞いた事も無い。歴戦の勇士であるミリオでさえ、受け入れるのに時間が掛ったほどだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "おらあ!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "ゲンはミリオには理解出来ない事を言うと、軽く笑いなが再び踏み込んでくる。\n恐ろしいまでの踏み込み速度だ。ミリオほどの実力者で無ければ、反応も出来ずに真っ二つにされているだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "っ!",
"speaker": "ミリオ"
},
{
"utterance": "魔法攻撃無しでここまで俺とやり合える辺り、さすがだぜミリオ",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "再びゲンの攻撃を紙一重でかわしたミリオに、ゲンはお世辞無しに賞賛を送る。\n実際魔法を使えたとしても、ゲンの太刀をここまで受けられる者は少ない。それを魔法が使えない状態で行う事が、どれほど困難かは言うまでも無い。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "けどな、そろそろお開きにしようぜ。そろそろ晩飯の時間だしな",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "この期に及んで戯れ言を!",
"speaker": "ミリオ"
},
{
"utterance": "あくまでも余裕を崩さず、人を喰ったようなゲンの言動にミリオが語気を強めるが、ゲンは動じた様子も無い。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "俺としたら大まじめなんだけどな\nまっ、安心しろ、殺しはしねえよ!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "そういって再びゲンが構えを取る。さきほどよりさらに力がこもっているのがはたから見てもわかる。\nしかし、ミリオとてこのままただで終わる気等全くない。槍を構え、はっきりと告げる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あまり嘗めないでいただきたい!",
"speaker": "ミリオ"
},
{
"utterance": "このまま守りに入ったら間違い無く負ける。そう考えミリオは先ほど考えていた策を実行する。\nぶっつけ本番になるが迷っている暇は無い。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ!?",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "魔法名の発声と共に、殆ど即興で作り上げた術式を展開。ミリオの後方に巨大な魔法陣が生まれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あなたの周囲の魔力が消えるのはわかった。だが慣性まで消せない。ならば解は単純!",
"speaker": "ミリオ"
},
{
"utterance": "ミリオの背中が、言葉が終わると共に膨大な風を吹き出した。それによって自身を吹き飛ばすように一気に加速する。\nそれを見てゲンは笑う。さすがミリオだと。\nこの短時間で、少ない情報をつなぎ合わせて、限りなく正解に近い答えを導き出した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "相変わらず厄介な男だぜ!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "膨大な風に押される事で生まれた加速によって押し出されながら、ミリオがゲンに迫る。\nその加速を生み出している魔法陣自体はゲンの特殊能力によって間合いに入った瞬間に消滅するだろう。\nそれでもミリオの言葉通り、一度発生した慣性までは消すことが出来ない。つまり突撃の勢いは殆ど変わらないのだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くらいなさい!",
"speaker": "ミリオ"
},
{
"utterance": "ゲンの間合いに入り魔法陣は消滅するが、それと同時に絶妙なタイミングでミリオは地面を蹴り、加速を維持した。\n一直線な攻撃だが、かわされてもかまわない。その場合は素早く反転し、同じ事を繰り返せばいい。その準備は出来ている。\nここに来て、ミリオは始めて勝機を見いだした。\nしかし",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だがな!勝つのは俺だ!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "ゲンは迫るミリオに根性刀を”向けず”刀身を消した状態で地面へと向けた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なに!?",
"speaker": "ミリオ"
},
{
"utterance": "ゲンの叫び声と同時に、根性刀は地面に向かって勢いよく伸び、ゲンはその勢いを利用して大ジャンプを行った。\nそれによって、ミリオは標的を失い、決死の突進は失敗する。その直後、頭上から威圧感と共に声が振ってきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これが!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "ぐっ!",
"speaker": "ミリオ"
},
{
"utterance": "突撃によって生まれた慣性がここに来て裏目に出た。ミリオは想定された再加速地点まで殆ど回避する行動を取ることが出来ない。\nそして、ゲンの攻撃はミリオが再加速する地点に完璧に狙いを定めている。つまり回避は不可能だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "がああああああ!",
"speaker": "ミリオ"
},
{
"utterance": "落下と共にゲンの全体重が乗った根性刀の一撃を、ミリオはとっさにランスを盾にすることで直撃を防ぐ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "とめられるかよおおお!!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "ぐっ!!ああああああ!!",
"speaker": "ミリオ"
},
{
"utterance": "だが強化魔法がキャンセルされているが故に、衝撃に耐えきれず、後方に大きく吹き飛ばされた。\nそして、そのまま大木にぶち当たり、結構な大きさの大木が軋みを上げた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "さすがミリオだぜ、あの一撃をとっさに防ぐとはな",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "地面に着地したゲンは、木に体重を預けてかろうじて立つミリオを見て、本気で感心した声を上げる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まあ、それならもう追ってはこれないだろ",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "ぐっ、ま、まて……!",
"speaker": "ミリオ"
},
{
"utterance": "ゲンはミリオの静止も無視して、森の奥に消えようとした瞬間。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なに!?",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "突然近くで爆発が起こり、それに意識を向けた。それを見たミリオは最後の好機とばかりに全ての魔力をランスに篭め。\n先ほど自分に発動させた加速魔法をランスに発動させ、弾丸の如く打ち出した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "しまっ!?",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "完全に不意打ちだったため、ゲンはその一撃に対応仕切れずに、根性刀を盾代わりにする事しかできなかった。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"ゲン",
"ミリオ"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 023708_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "さすがに昨日は出来なかったけれど、日課の素振りとトレーニングも今日からは再開。こういう地道な訓練ほど、あとで大きく響くことは思い知らされたばっかりだ。\nあんまり休むことを覚えてしまうと、本当にやらなくなってしまうからな。こういうのはちゃんと続けておかないと。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふう……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そして、予定通りの回数より少しだけ多くした素振りが終わった。\nあまり多くしすぎると身体を壊しかねないが、慣れきってしまえば余り意味がない。適度に負荷はかけないと。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お疲れ様です、どうぞ",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "オペラさん?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "いつからそこにいたのか、俺が一息つくのを待っていたのだろう。タオルを持ったオペラさんがそこには立っていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ありがとうございます。でも、ウルルのところにいなくていいんですか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "白鷺さまに、お話しておきたいことがありまして……",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "……もしかして、昼間の件、ですか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "食堂で、少し歯切れの悪かったウルルの姿を思い出す。みんなの前であえて言わなかったということは、ウルルが秘密にしたがっているということか。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "実は、ここしばらくのことなのですが、寝ている時のウルルさまの様子が少しおかしいんです\nどうやら悪い夢を見ているらしく、ほぼ毎日うなされていまして……",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "うなされて?いったい、どんな夢を?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "それが、何度か尋ねてはみたのですが、覚えてないと笑うばかりで",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "起きた瞬間内容を忘れてしまう夢っていうのは多いけれど、それでも毎晩うなされるような夢だ。完全に忘れてしまえるものか?",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それはいつくらいからなんです?今の話しぶりからすると、世界杯の前からみたいですが",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "私が気づいたのは、カミシア様がいらして少し経ってからです。ただ、迷宮試験の頃には、そんなことはありませんでしたので……",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "つまり、他の扉の記憶を取り戻してから、ということですか……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "オペラさんは暗い顔で頷いた。\n前の扉では、ウルルも辛い思いをしている。特にフォンと戦ったあの扉。それが引き金になって、竜族についての何かを思い出したという可能性もある。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "本当はもっと早くお話したかったのですが、世界杯が控えているのに白鷺さまの心を乱すわけにはいきませんでしたので……",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "オペラさんの気遣いに頭が下がる。確かに、もし世界杯前で聞いていたら、この件が引っかかって、俺は力を出し切れなかったかもしれない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もしかしたら、その夢がウルルが金竜の力を出し切れない理由になるのかもしれませんね……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "はい。少なくとも、私はそう考えています",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "……ウルルの昔のことを考えると、下手に踏み込めば更に苦しめることにもなりかねない……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "竜族の仲間を守るため、あえて自らその手で両親を手にかけたウルル。それがトラウマになっていないはずがない。\nもし見ている夢がそれに関係するのなら、逆効果になってしまうことも……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "分かりました。ですがウルルのことですから、自分から夢の内容を教えてくれるとは思えませんね",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "はい……常に周囲のことを気にかけている方ですから",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "ウルルは、みんなに迷惑かけたくないと、自分の中に押し込んでガマンしてしまう子だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "とりあえずは、もう少し様子を見ましょう。もしかしたら、何か寝言で言うかもしれませんし、そうなった教えて下さい\n俺も気にかけておきますので、チャンスがあれば聞いてみます",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "お願いします。他の誰に言えなくても、白鷺さまにだけは話して下さるかもしれません",
"speaker": "オペラ"
},
{
"utterance": "そうであってほしいと思った。\nあんな過去を持っているからこそ、そこから開放してあげたい。もし、俺の手でそれが叶うなら。\nそっと寮を見上げる。恐らくはウルルの部屋であろう明かりのついた窓を見て、俺は心の底からそう思った。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"オペラ"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 033804_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "ふと気がついてみれば、さっきからアミアの姿を全然見ていない。\n恐らくはどこかで遊んでいるんだろうし、あれでノートよりもサバイバルにむいてたりするので心配する必要はないと思うんだけれど、やっぱり気になる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "嵐の前の静けさって言うもんな……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あのイタズラ娘が長時間姿を見せないとか、一体何を企んでいるのやら。\nそれに、本当に何か困ってる状態にあることも考えられる。あれで神界の王女だったりもするわけで、やっぱり心配でもあるな。\n俺は、アミアの姿を求めて、砂浜を歩き始めていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "およ?お兄ちゃん何やってるの?",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "探し始めること数十分。俺達のいる砂浜から離れた岩場の奥、そこにある小さな砂浜のような場所にアミアはいた。\nこんな奥にいたんじゃ、向こうからはまったく見えないよなあ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それは俺のセリフだ。こんな奥の方で何やってるんだ?心配したぞ\n誰かをイタズラで苦しめてるんじゃないかって",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ズコーッ。そっち?そっちの心配なの!?",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "まあそっちもあるけれど、ちゃんと安否の心配をしてもいた。本当に、こんなところで何やってたんだ?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "えへへ。実はね、お兄ちゃんを待ってた。こうしてたら、心配して探しに来てくれたりしないかなあって。ほんとに来てくれるんだもん。濡れるっ!って感じだよ",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "女の子がそういうこと言うもんじゃありません。でも、俺なんか待ってどうしたんだ?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "もう。ダメだよお兄ちゃん。昨日のことなのに、もう忘れちゃった?\nわたし、お姉ちゃんに敢闘賞でお兄ちゃんへとあげられちゃったんだから",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "いや、あれは冗談みたいなものだろ。いくらなんでも……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "慌てて否定しようとする俺を、けれどアミアは大きな溜息で制止する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ~……ほんと、お兄ちゃんは分かってない。分かってないよ",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "呆れたように言いながら、俺を真っ直ぐに見る。いつものような遊びの顔でなく、真剣な目で。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "わたしだってさ、他のみんなと同じで他の扉の記憶、戻ってるんだよ?忘れてないんだよ?\n最初の扉で、あんなに辛い思いしながらお姉ちゃんの願いを叶えてくれたこと。前の扉で、お姉ちゃんを兵器なんかでなく、人として救ってくれたこと\n忘れて、ないよ",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "そういうアミアの顔は、いつもの強気な笑顔ではなく、拒絶されることを心配しているような、一人の女の子の顔だった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "わたしだってさ、女としての好意をお兄ちゃんに持ったっておかしくないでしょ\nこれでも、随分ガマンしてたんだかんね。お姉ちゃんより先に告白しちゃダメだって\nだけど……もういいよね。お姉ちゃん、叶ったから、今度はわたしの番\nやっぱり、こういうところでの告白って、女の子って感じするでしょ。それから、その後の行為も記憶に残るし",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "……その後の行為って……お前、まさか",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺の疑問に、アミアはニヤリ、と笑った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "言っておくけど、もしここでお兄ちゃん逃げ出したら、わたし一生処女だよ。もう絶対他の誰にもあげないからね\n一人の女の子の未来を壊したくなかったら、ここで素直にもらってあげなさい。これ、男のかいしょー、だよね?",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "いや、そんな脅し聞いたことないぞ、おいっ。それに女の子なら、もうちょっと自分を大事にだなあっ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "大事にしてるから、じゃん。本気で好きな人だけにあげちゃおうってことだもん。他のヤローなんかには見せてもあげないって意思表示。ね、大事にしてるでしょ",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "ニコニコしながら言うアミア。けれど、俺はふと気づいた。その手が、小さく震えていることに。よく見ればその足も。\n一見、強引すぎ、そしてふざけてるようにも思えるアミアの言葉。だけど、もしそれが全部自分を鼓舞するための演技なんだとしたら。\n本当に頑張って、俺に想いを伝えているのだとしたら。\nあー、くそ!どうして俺の周囲の女の子は、こんなにいい子ばかりなんだか。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……俺は男だから、いきなり、やっぱりヤダ、とか言い出されても止められない。それでもいいのか……?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ちょっぴり強引に、って、なんだか燃えない?それだけ惚れられてるんだー、って♪",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "少しも怯む様子を見せないアミア。どうやら、本当に本気らしい。これはやっぱり俺の負けか。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"アミア"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 033902_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "アミアは、岩に両手をつくと、その小さなお尻を俺の方へと向ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、うん……いざってなるとやっぱりちょっと恥ずかしいかな。お兄ちゃんも、目が野獣みたいになってるし……",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "さあどうぞ、という体勢ではあるのだけれど、その顔には恥じらいがあった。当然ながら、こんな行為をすることに相当な羞恥があるのだろう。\nけれど、俺が尻込んでしまわないように、勇気を出して明るく努めてくれている。ここで引いてしまったら、間違いなくアミアに恥をかかせることになるだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まあ、男は狼っていうしなあ、否定はしないよ。実際、これからの行為に興奮もしてるし\nアミアの身体を早く見たい、触りたい、って思ってしまってるし",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は、自分の欲望に素直になることにした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……うわぁ、お兄ちゃんろりこんだったんだ……",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "その定義は発育の悪さを示すものじゃないだろ普通……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "アミアの身体が今一つ発育が悪いのは認めるが、それは決して年齢のせいじゃない。年齢的には、俺が興奮したって充分問題ないはずだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ、どうぞお兄ちゃん。稀少中の稀少種と呼ばれるわたしの素敵ボディに溺れちゃうといいよっ",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "そんなアミアの発言に頷きながら、俺はそっと、その小さな膨らみへと手を回した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あん……っ",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "決して大きくはないものの、ふに、っとした小さな柔らかさが指先に広がる。それと同時にこぼれた声は、俺を充分その気にさせられるくらいに可愛かった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "少し強かったか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "う、ううん……その、ちょっとビリ、ってきたから……不思議だよね。前の扉でも一回経験あるのに、やっぱりドキドキしてるよ、わたし",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "そんなの俺だって同じだぞ。なんていうか、ちゃんと気持ちよくなってもらえるか不安だし",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "逆に言えば、前の記憶があるからこそ怖いところもある。前みたいに気持ちよくなってもらえなかったらどうしようと思ってしまう。\nなので、前の記憶には頼ることなく、この扉のアミアに気持ちよくなってほしいと思う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……や、んん……も、もうお兄ちゃんっ……ち、乳首ばっかだめぇ",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "でも、ちゃんと硬くなってきてる……ほら、コリコリしてきて",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "柔らかな感触を楽しみながらも、その中心の尖った部分を指先でいじる。そのコリコリした感触が気持ちいい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、あ、んあぁっ!",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "そんな喘ぎと共に、じわぁ、と小さなシミが水着に浮き出てくる。どうやら、俺が思う以上に感じているみたいだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アミア……胸弱いんだな……その、染みできてる……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "なっ!?み、見ちゃダメっ。それはさすがに恥ずかしいっ。染みとかはダメっ",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "そ、そうなのか?それじゃあ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "慌てて隠そうとするアミアに驚きながら、だったらと俺は、アミアの水着に手を伸ばした。\nそのまま一気にズリおろすと、アミアの女の子の入り口が目の前に現れた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あはは……そ、そうなっちゃうよね、やっぱり……",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "染みが出来る以上は当然なのだが、そこは既に濡れており、太ももを伝って垂れていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なんていうか、アミアの、その……綺麗だな……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そ、そりゃあ当然、だよ……一度も触ったこともないんだから……あ、で、でも、ちゃんと毎日洗ってるからね!?綺麗だよ!?",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "そ、それは分かってる、うん",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "綺麗に閉じられた割れ目は少しのくすみもない。周囲にはヘアーの跡もなく、自分で処理したとかではない、天性のものだろう。\n何も隠すもののないその場所は、生まれたての赤子のような姿を俺にさらしていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、やっぱり変だよね……生えてきてくれないとか。わたし、本当に成長してくれないなあ",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "どうやら少し気にしているらしい。だが、そんなアミアに、俺は苦笑しながら言った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いや、ここがその……生えてれば大人とか、そういうわけじゃないと思うし……生えて無くても大人な人はたくさん……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そ、そうだよね。ヴェルさんもそうだしっ。わたしだって、ヴェルさんくらいになれるよね!",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "……確かにヴェルはその……まったくないですが……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そこでヴェルの名前が出てきたことに少し驚く。いやまあ、寮にいる以上は一緒に風呂にも入ってるわけだし、知ってて当然か。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん、自信ついた!さあお兄ちゃん、いっちゃおうっ",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "けれども、アミアにとってのヴェルはそれなりに納得のいく発育レベルの女性のようだ。\nそれで納得できるならまあいいやと思いつつ、俺はそっとその秘裂に指を差し入れた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あんっ……あ……ふあぁ……お兄ちゃんの指、す、すごいね……\nや、あ、ああ!じんじんきて……足の力、ぬ、抜けちゃうよ……",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "左右に開いた秘裂の中は、綺麗な桃色一色だった。その柔らかい肉壁を、指で上下になぞっていく。\nそれだけでアミアは身体を震わせ、その中から次々と蜜を垂らしていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アミアも凄いぞ……その、中からこんなに垂れてきてて……\n凄い、熱い……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "熱く上気したその中を上へと向かい、秘裂の頂点へと達する。そこに隠されている小さな突起を、俺は皮の上からつまんだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、はぁ、はぁんっ!お兄、ちゃん……そこは、ああん!",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "アミアの背中が大きく弓なりになると同時、その中から大量の蜜がこぼれてくる。それはポタポタと砂の上に落ちていった。\n余程敏感なんだろう。皮の上からクリクリといじるだけでアミアは大きく喘ぎ、その小さな身体を震わせる。\n俺はアミアのもっと乱れた姿が見たくなって、そこを強く攻める事に決めた。皮の中から、小さな秘芯を剥き出してやる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やあん、剥き出さないでっ、敏感すぎて……や、あ、ああ!",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "今までよりも遥かに大きな喘ぎ。ガクガクと足を震えさせながら、アミアは俺にいじられ続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、だめ、そこばっかは、ほんと、に!あ、や、んあ!",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "限界とばかりに声をあげ、けれども無理やり止めようとはしない。\nこぼれる蜜はどんどんと量を増して、俺の手はヌルヌルに塗れていた。それでも俺は、ぷっくりと充血したその突起を責め続ける。\nアミアは必死に耐えようとしながらも、結局耐えられずにその場に膝から崩れ落ちた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いっひっひぃ。水着の上からでも分かるよ、お兄ちゃん。がっちがちですなあ",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "そりゃあまあ、アミアのあんなとこをあんな風にしてたら誰でもなります……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ニンマリと笑いながら、よつんばいで俺の股の間に入り込んだアミア。\n水着の上から、すっかり硬くなった俺のものを、ツンツンといじっている。\n少しイジメすぎたのか、アミアはお返しさせないと悲鳴あげちゃうぞ、と俺を脅迫し、今のこの状況をゲットした。\n感じてるアミアが可愛すぎるのがいけないんだ、と言ったらちょっと嬉しそうにしたものの、やっぱり許してはもらえませんでした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "その報いを受けてもらいましょう。今度はわたしが、こんなとこをこんな風にしちゃう番なんだから\nさあ、いざ出じ~ん!",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "楽しそうに笑いながら、アミアは俺の水着に手をかける。脱がされるっていうのは結構恥ずかしいものだなと思いつつ、俺はアミアによって水着をはぎ取られた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うわっ!ほんとすっごい!?",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "……うん、ほんとにすごいです、今……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "パンパンに硬く尖った俺のものが、押さえを失い天へと向かって屹立する。\nガチガチになったそれを見て、アミアも驚きの顔を浮かべた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "前、胸で挟んだ時はこんなじゃなかったよぉ……これはずるい!詐欺だっ",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "確かに前の扉のあの時よりも、格段に大きくなっている。それを恐る恐る眺めながら、アミアは声を出した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こ、こんなんわたしに入ってくるの!?",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "いや……今までの経験からすると、もう少しくらいは大きくなるかもなあと……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "男の人って、やっぱすごい……",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "心の底から感心するような声でアミアは言うと、おっかなびっくり手を伸ばしてきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そ、それじゃあその、ちょっと失礼しまして……\nん……",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "うくっ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺をそっと片手で持ちながら、その先端に舌を伸ばすアミア。そのわずかな感触に、俺は思わず声をあげてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やっぱり、熱くて硬いね……えっと、こ、この辺、かな……\nぴちゃ",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "それは、アミアにとって間違いなく初めての体験。\n男のものに口をつけるなんて、詳しい方法を知っているわけもなく、それでも、俺を感じさせようと懸命に舌を動かしていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……あう……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ぴちゃぴちゃ",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "その健気さが、というわけでもないけれど、一生懸命なアミアの舌使いは、俺を確かに感じさせていた。\n下半身から広がってくる電流のような快感が、俺を確実に昂ぶらせていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぴちゃぴちゃぴちゃ\nえ、えへへ……なんか、猫になった気分。どう、お兄ちゃん……",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "あ、ああ……ゾクゾクきて……ちょっと、やばいかも……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "お、出てきたよ……ん……",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "その気持ちよさに、下半身も反応してしまっているらしい。こぼれた先走りをアミアは恥ずかしそうに舐めとりながら、更に舌の範囲を広げていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぴちゃぴちゃ",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "はぁ……な、なんかヤバイかも、これ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ん……変な味……よく分からないけど、苦い感じ?でもそっか、これがお兄ちゃんの味なんだ……\nなら、もう少し味わってみたいかな……",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "アミアは言うと、今度は今までよりも大胆に、俺の先端をその口で咥えてみせた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あむっ\nん……も、もっきぃほ……\nん、んぐ……あむっ……",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "う、あ……ああっ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "その小さな唇が俺の敏感な先端を挟み、そのまま熱い吐息を吹きかけてくる。\nそれだけで腰が浮いてしまうような快感が、俺の全身を走った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ア、アミア……そ、そこっ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そのまま、口腔で舌が蠢き、たっぷりの唾液で俺の粘膜を責め立てる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んん……こ、この辺……?あむ……ん、んむぅ……\nん……ん……あぐっ、む……んぅっ……",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "だ、ダメだっ、腰が、浮いて……う、ああ!も、もう奥から来てるっ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "どこで憶えた知識なのか、小さいながらも頭を前後に動かして、その口内の粘膜で俺をしごいていく。\n舌と吐息とで敏感にされた俺を、さらに激しい快感で責め立てる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あむ……苦いの、ぬるぬるいっぱいでてきた……ん……んうっ……あむっ",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "奥の方からこぼれ始める欲望が、俺の根本の部分へと集まっていた。全身が震え、今にも暴発してしまいかねない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アミア、ストップ!も、もうっl",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "どうにかアミアを止めようとするものの、アミアは夢中になって俺を味わい続けている。その行為がもたらす快感は、もう俺の限界を超えていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うああっ!!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "それは、奔流のような勢いをもって、アミアの口内へと噴き出していった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んんっ!?",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "突然のことに、アミアは驚き目を開ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……んん……ん、くっ",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "そのまま、すぐにでも吐き出すかと思ったのに、アミアは吐き出すどころか、そのすべてを飲み込もうと喉を嚥下し始めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あむ……ん……ん、ん、んうっ",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "さすがにその量はアミアの口に対して多すぎたのか、その端からこぼれて落ちる。\nけれどそれでも、アミアは俺から口を離すことなく、その白濁を飲み込み続けた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぷはぁ……お兄ちゃん、多いよぉ……何日溜めてたの、これ?",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "やがて、ようやくすべてを飲み込んだアミアが俺から口を離した。\nその口元からこぼれる白い液体が、妙にいやらしい。というか拭いてほしい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "別にそこまで溜めてたつもりは……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "その、つい数日前に……なわけですし。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、これがお兄ちゃんの味なんだよね。前はこんな風に味わえなかったし、ちょっと新鮮\nお姉ちゃんはたくさん味わってるの?",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "そういうこと聞かないでください……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "つい先日味わっていただいたばかりです……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ま、お姉ちゃんだもんね。あのご奉仕大好き、がしないわけないかぁ……",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "さすが妹というべきか、完全に読まれてますよ、ノートさん。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "にしても、全然ちっちゃくならないね、これ……",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "あれだけ放ったにも関わらず、最初の頃と変わらない硬度を持つ俺に、アミアが驚きと呆れの混じった声を出す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まあ、クライマックスに期待しちゃってますもので……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は困ったように、そう言った。\n岩に腰掛けた俺の上に、背中を向けた体勢でアミアが座る。\n未だ大きいままの俺を眺めて、アミアは恐る恐る言った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、うん……前の時はなんとかなったけど、今回、平気かな……ほ、ほんとに入るの?これ……",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "ああ、大丈夫だ。でもその、最初はさすがに、な",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "女の子は、好きな相手のものを受け入れられるように出来ている。とはいえ、初めての時、それもアミアくらいに小さな身体の持ち主はどうしても苦しむことになる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あはは……ちょっと怖いかなあ……さすがのアミアちゃんも、ちょっと弱気\nで、でも、逃げたりはしないから、いいよっ。むしろ、欲しいし\nお兄ちゃんを、わたしに教えて欲しい……",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "不安のこもった声で言いながらも、アミアは逃げたりしないで俺を受け入れようとしてくれていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "俺も、その……もう引き返すのとか無理っぽい……\n凄い、興奮しちゃってるから",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "正直、アミアの恥ずかしい場所を間近で見ただけでも充分にやばい。俺はさっきから痛いくらいに反り返ってしまっている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、うん、いいよっ。ど、どうぞ、わたしの初めて、もらっちゃって!",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "恐怖と不安を強引に吹き払うように、アミアは元気よく言い切った。このまま引き延ばしても、更にアミアを不安にさせるだけだ。\n俺は、一気に前へと進むことにした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う……くっ",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "物理的に俺のものより小さいんじゃないか。そう思える秘洞の中に、ゆっくりと俺を埋めていく。\nぶちぶちとアミアを引き裂いていく感触と共に、俺はアミアの中へと確かに入り込んでいった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、大丈夫か?アミア、前よりきつくて……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "お兄ちゃんのが、おっきすぎるんだよ……だ、大丈夫じゃ、ないですっ",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "その目に涙すら浮かべ、必死に痛みに耐えるアミア。秘洞の入り口はすでに限界以上に広げられ、幾本の赤い筋が、俺を伝って下へと垂れていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だけど、分かる、からっ。お兄ちゃんが、少しずつ入ってきて……うぐう!",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "確実に沈み込んでいく俺の肉棒。けれど先端直後の、一番キツイ場所が、その中へと入り込もうとしていた。\nどうやら、ゆっくりじゃあ押し込めそうにない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ごめん、一番太いとこいくっ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "本当の初めてをもらうため、俺は謝りながらも腰を突き上げた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え?あ、ああっ!い、痛っ!や、あうっ!",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "必死にその痛みに耐えようとするアミアだが、その抵抗はかなり強い。このまま一気にいくのは厳しそうだ。\n俺は、少しでもアミアの痛みを紛らわせるために、その胸へと狙いを定めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃうんっ。お兄ちゃん、不意打ちダメだよっ。や、あ、乳首は、わたし……",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "俺はアミアに許可を取ることもなく、いきなりブラをズリ上げると、その胸を直接攻める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "先端のコリコリしてるのもいいけど……膨らみの方もちゃんと柔らかくていいな……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "既に痛そうなほどに尖っている桃色の先端を、キュッとつまむ。それだけでアミアは大きく顔をあげた。\nそのままコリコリとした感触を楽しみながら、小さな膨らみの方も味わわせてもらう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大きくないけど、ふにふにして気持ちいい……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ノートや紅のような強い弾力はないけれど、充分に女の子した気持ちよさがそこにはあった。\n乳首をつまみ、そしていじりながら、その乳房を優しく揉みしだく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふぁ……あ、ああんっ。身体、ふるえちゃうよぉ……背筋のとこ、びくびくって……ああっ!",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "胸が弱いのは最初の愛撫の時に分かっている。アミアは今までにないほどに大きく鳴き、その蜜で下半身を満たす。\nそう甘く喘いでいるうちに、俺は少し無理やりに自分をねじ込んでいった。\nそして、一際強い何かを切り裂く感触と共に、俺の肉棒が、アミアの奥へと一気に潜り込んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "く……アミアの中、ちゃんと入ったぞ。これ、ほんときつい……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "や、あ、ああっ。深いよぉ……そ、そんな、奥までお兄ちゃんが、きて……",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "一番深いところへと挿入できたはいいものの、あまりのキツさに、俺もこれ以上動かせそうにない。\n痛いほどの締め付けと、充分に火照ったアミアの熱とが、俺の思考を白く染め上げている。\n気持ちいい。下半身から痺れのように広がってくる快感に、俺は支配されていた。\n最奥にある、更に奥への入り口。そこを軽く叩きながら、胸をさっきと同様に愛撫する。肉棒から伝わる快感と、指から伝わる胸の感触とが心地いい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、だめぇっ。そこ、赤ちゃんの入り口で……きゃうっ。お、オッパイと同時は、やだぁ!\nわ、わけわかんなく、なっちゃう!",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "そんな俺の同時の攻めに、アミアはただ鳴いていた。痛いはずなのに、それすら忘れるほどの甘い嬌声を響かせて乱れていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "俺も、わけわかんない……アミアの中、熱くて、きつくて、なのにぐちゃぐちゃで……\n胸の方も、この感触、やめられない……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "すべてを絞りとろうとするかのような秘洞の快感は、俺の思考を完全に奪っていた。\nこの身体をとにかく貪りたい。そんな欲望の下に、ガマンすらできない程の狭い膣内を強引に動かしていった。\nビリビリとした電流のような快楽が俺の身体を震わせていく。その快楽が、俺の身体をただ動かし続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "も、もう、頭の中……考えられなくて……で、でそう、だっ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "や、あ、はぁんっ!あ、当たってる、当たってるってばぁ!",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "ゆさゆさと揺するようにしてアミアの中を上下する。溢れる程の蜜でいっぱいになったそこは、少しずつ柔らかさを得、多少スムーズに動くようになっていた。\nアミアの一番深い場所を、俺は何度も何度もコツコツと突き上げる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "電気みたいの、走って……頭の中、ちかちかしてるっ……んあぁ!こ、声が、とまんないよっ\nす、凄い、凄いよっ……へ、へんなの、来てるっ。じんじん、って来て……や、あ、も、もう!",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "アミアは背中を弓なりに反らせながら喘ぎ続ける。結合部からは淫靡な水音が響き、その音が俺達を獣みたいに駆り立てる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひ、あ、あうっ……ん、んあぁ!ひゃ、ひ、ひぐっ!\nんあ!あ、ああんっ!や、やだ、も、もう……む、無理だよ、これぇ!",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "そして、限界は唐突に訪れた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "俺も、もう……う、うああっ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ただただ欲望に従って動き続けていた俺は、もう堪えることすらできずに、いきなりアミアの中へと精を放つ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひ、あ、あう、んんっ!き、くる……あ、ああああああっ!!",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "それと同時に、アミアも一際大きく身体を震わせると、そのまま絶頂へと達してしまった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う……く……凄い、なんか、でまくってる……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "びくんびくんと小刻みの痙攣を繰り返すアミアの秘洞。その動きに合わせるように、俺はアミアの中へと放ち続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、うん……熱いのが奥にびゅー、びゅーって、当たって……噴水みたい……",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "どこか放心したような表情で、俺を受け止め続けるアミア。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、ああんっ。あ、あたると感じちゃう、よぉ",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "力なく、そんなことを言うアミアだが、そんな声が、また俺を刺激した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひっ、で、ですぎだよ、おにいちゃぁん!",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "どうやら、俺もビックリするくらいの量が、俺の中には溜まっていたらしい……。おかしいなあ。この前だってあんなに……だったのに……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いやぁ、いっぱい出たねえ、お兄ちゃん。もうわたし、お腹いっぱいだよ",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "えへへ、といつもの笑顔で言うアミア。ほんと、俺が一番ビックリだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いや、うん、我ながら凄いなあ、と……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "でも、嬉しかったよ。これでわたしも、お兄ちゃんの正式な奴隷だね",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "いや、だからその言い方やめなさい",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "だってぇ、この女は俺のものだ、って傷つけられちゃったんだよ。それは奴隷っていうんじゃないかなぁ",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "お前、フォンと違って完全にからかってるだろう",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "せいか~い。でも、お兄ちゃんに傷つけられて嬉しかったのは本当。お兄ちゃんは?わたし、どだった?",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "……すっごいよかったです",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "よろしい。にひひ",
"speaker": "アミア"
},
{
"utterance": "そう言って、嬉しそうに笑うアミア。そこに、俺と関係をもったことによる後悔は微塵もなかった。\n俺はそれを心の中で喜びながら、同時に、しっかりと心に刻み込んだ。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"アミア"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 033903h_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "しまったな、予想以上に遅くなった",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "図書館で少し調べ物がしたかったので、みんなには先に帰ってもらって色々と見ていたわけだが、気がついたら閉館時間寸前だった。\n進入禁止区域にさえ入らなければ、特に学園から追い出されたりはしないものの、みんなに心配をかけてることだろう。少し急ごう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あれ?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "早足気味の速度で階段を下りていると、前の廊下を見覚えのある小さな生徒が通っていくのが見えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ウルル?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "はい?あ、にいさま",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "声をかけてみれば、ウルルは笑顔で立ち止まってくれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "珍しいな、一人か?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "いえ、ちょっと移動教室に忘れ物を取りに行ってただけですから、教室の方でオペラが待ってくれてます",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "オペラさんか。そういえば、昨日言ってたな。ウルルが最近うなされてるって。\n聞くなら、今がチャンスかもしれない……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なあ、ウルル。ちょっと聞いてもいいか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は階段を降り、ウルルに並ぶと口を開いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、はい。何かあったんですか、にいさま?",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "いや、もし答えにくいなら言わなくても構わない。だけど、ちょっと心配になってさ\n最近、夜にうなされてるらしいな。オペラさんが心配してた",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "え?い、いえ、全然そんなことは……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "慌ててごまかすように手を振るウルルだが、真剣な俺の目に気づいてか、申し訳なさげに俯いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ごめんなさい。ウルルの態度が、にいさまを悩ませてしまっているんですね……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "いや、俺はまだ聞いたばかりだし、ウルルが言いにくいっていうんならそれで構わないさ。ただ、オペラさんはかなり前から心配していたみたいだからな\n俺に言えなくても、オペラさんには相談してあげてもいいんじゃないかと思うぞ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "……心配させてるのは分かってるんです。ただ、これは全部ウルルが受け止めなくちゃいけないことだから……\n……そうですね。にいさまには聞いてもらっても……いえ、にいさまだから聞いてほしいです\nオペラを待たせているので、ゆっくり歩きながらでもいいですか?",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ああ、もちろんだ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "すれ違う人のほとんどいない静かな廊下を歩く俺とウルル。俺はウルルの速度に合わせてゆっくりと進みながら、ウルルの言葉を待った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お昼の時に出ていましたけれど、もし今魔剣の暴走があっても、ヴェルさまやノートさまだったら簡単に対応できちゃいますよね",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "そしてウルルはゆっくりと、少し寂しげに俯きながら話し出す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "トリアさまやルアンさまとすら対等で……魔界と神界の王女としてふさわしい力をもっていて……\nでもウルルは、竜界の王女なのに、なんの力もありません。にいさまのお役に立てません……\n世界杯でも、ウルルはにいさまの盾になることくらいしかできませんでした……フォンさんを押さえることも、できなくて……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ウルルだって、金竜の力を持ってるだろう。あの力は、そこらの戦士じゃ到底太刀打ちできるものじゃないぞ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "前の扉でミヤと戦った時、ウルルは金竜としての力を、まだ完全とはいえないまでも見せてくれた。あの力は相当なものだろう。\nけれどウルルは、そんな俺の言葉に首を左右に振った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……今のウルルには、金竜の力は使えません",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "使えない?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "予想外の答えに、俺は自然と驚きを漏らす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……そういえば、昼にフォンが言ってたな。金竜の力を解放した今のウルルなら、もっと力を出せるはずだって",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "言われてみれば、ミヤと戦った時のウルルの破壊力は、もっと凄かった気もする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、なんで……封印は、前の扉の時に解除したよな……?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "はい……でも、今はダメなんです……どうしても、使えないんです……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "前の時は、ウルルの意思による封印だった。けれど今回のそれは、自分の意思じゃない、そんな口ぶりだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ウルルは、あの力を使ってもいいって思っていました。竜族のみんなのためになら、にいさまのためになら、きっとって\nだけど、ダメだったんです。ウルルは、拒まれていたんです……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "確信めいたその口調に、ようやく俺は思い至った。ウルルに、拒まれているとハッキリ思わせ、言い切らせるもの。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もしかして、それが、夢、か?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺の確認に、ウルルはコクンと頷いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……見ている夢は、あの時の夢です。ウルルがこの手で、父様と母様を手にかけた時の……\n……あの時の光景が、正確に、何度も何度も繰り返される、そんな夢です……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "それを聞いて、俺は息を飲み込む。間違いない、ウルルにとっての最大のトラウマ。\nこれ以上踏み込んでいいのか悩んでしまう。俺なんかの考えで好きに言っていいことじゃない。\n前の扉で、ウルルは悟った。竜族のみんなが支えてくれていると。だからこそ、このトラウマも竜族のみんなの力で吹っ切ったと思っていた。\nけれど、そんなことはなかった。考えてみれば当然なのかもしれない。\n奪ってしまった命そのものに、許されていないのだから。\n既に死んでいる人達に許してもらうなんて、出来るはずがない。だからこそこの問題は、ウルルの中で生き続けるんだろう。\nけれど……だけどそれでも、俺は思う。許されないわけがないって。親が子供を許さないなんて、そんなことあっちゃいけないって。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "実は、ウルルは覚えていないんです。いえ、知らないんです。父様と母様の命を奪った時のことを……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "知らない?どういうことだ?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ウルルは、怖かったんです……大好きだった父様と母様の命を奪う。それが必要なことだと分かっていても、怖かった……\n必要だからっていって、父様と母様を本当に殺せてしまう自分が、怖かった……\nだからあの時、ウルルは怖くて、目を閉じていました\n二人の部屋に入ったウルルを、父様も母様もしっかりと抱きしめてくれて……もっともっと戦争は続くんですか?って尋ねたウルルに、大丈夫だ、って笑ってくれて……\nでも、ウルルは知っていました。それがウソだって。もっともっと沢山の人が死ぬんだって。こんなこと、続けさせちゃいけないんだって\nだからウルルは、怖くても、哀しくても、目をぎゅって閉じて……\nそうして、気がついた時には、終わって、いました……\n一番受け止めなくちゃいけないその瞬間を、ウルルは逃げたんです\nだからウルルは知りません。あの最後の瞬間、父様と母様が、どんな顔で自分を見ていたのか。どんな言葉を、ウルルにぶつけてきたのか……\nだけど、だけどだけどっ、この手にはしっかり残っていたんです!父様と母様の、命の熱さが!真っ赤な血が!むせ返るような血の匂いが!\n二人の身体を貫いた時の……感触が!!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "その両手を持ち上げ、ジッと見下ろすウルル。ウルルの視界の中では、今もその手は赤く濡れているのかもしれない。\nその日から、拭えていないのかもしれない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "父様も、母様も、最後に何かを言っていたはずでした。何かを聞いたような、そんな余韻が残っていました。だけど、その言葉が残っていない\n覚悟していたつもりだったのに……どんな言葉でも受け止めて……それが、どんな呪いの言葉でも、受け止めて……それを抱きしめていくんだって思って……\nなのに、肝心のそこの言葉を、顔を、覚えていないんです。怖くて、辛くて、悲しくて、ウルルはその光景から逃げてしまったんです……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "あまりに衝撃的な光景に出会った時、人はその記憶の一部を失うことがあるらしい。だけどそれを、ウルルを、誰も責めることはできないだろう。\nそれだけの衝撃を受けながらも、竜族のためにと必死に立っていたこの少女を。\nそれに、今だからこそ俺も分かる。ウルルは、これだけ打ちのめされておきながらも、その目の輝きを失っていない。\n自分の心をこれだけ蝕まれておきながら、まだ必死に戦っている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……取り戻せる、そう思ってるんだな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "だから俺は、口元を綻ばせながら、そう言った。そしてウルルは、力強く頷いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "怖かったから目を閉じていました。何も見ていませんでした。見ていなかったものは、思い出せません\nだけど、聞いていたはずの言葉なら、声なら思い出せるはずなんです\nウルルは、それを思い出したい……あの時とはもう違います。にいさまが、みんなが、ウルルを支えてくれているから\n今のウルルは、どんなに怖くても、逃げずに受け止められるはずです\n今日はまだ思い出せません。まるで、拒まれてしまっているみたいに、頭の奥の扉が閉じられてしまっている。そんな感じがするんです\nだけど、絶対開けてみせます。父様と母様の最後を、この胸にやきつけます。それが、どんなに悲しいシーンでも……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "最後の言葉が思い出せない。取り戻せない。それはきっとウルルにとって、拒まれていると感じているんだろう。\n両親から与えられた力だから、拒まれていると感じている間、自然と心がブレーキをかけてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……強くなったよな、ウルルは",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺はできるかぎり優しく語りかけながら、その頭を撫でた。前のウルルなら、間違いなく立ち止まってしまっていたはずだ。\nそれはきっと、自分の行動は正しかったと信じているから。多くの竜族の仲間が信頼してくれていることが、その証明だと分かっているから。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "にいさまのおかげです。にいさまが、その身体をもって、ウルルにみんなの存在を思い知らせてくれましたから\nとうさまとかあさまの最後の言葉。それはきっと、これからのウルルに必要な気がするんです\nだから、にいさま。もうちょっとだけ時間を下さい。ウルル、絶対に、絶対に、追いつきます。ヴェルさまにもノートさまにも追いついて、にいさまの力になります!\nだから、なりましょう。ゲンおじさんにも、ミヤさんにも勝って、勇者さまに",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "眩しい笑顔で、その言葉をくれるウルル。まったくもって困ったものだ。\n元気づけたい。そう思って声をかけたはずなのに、逆に俺が元気をもらってしまった。\n本当は、辛くて泣き出したくてたまらないはずなのに。きっと出来ると信じて、無理やりにでも笑顔を浮かべて。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ、なるさ。当然",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "だったら、次は俺の番だ。ウルルが言葉を取り戻す助けになって、ちゃんと元気を渡してやる。\n俺達は二人とも、笑顔のままで廊下を歩いていった。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"ウルル"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 034004_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "ん?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "学園からの帰り道、ちょっと買い物に行ったみんなを待っている間、そこに一人の見知った顔を見つけた。それは、本来ならばこんなところにいないはずの人物。\n俺は、その人物にゆっくり歩み寄った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こんなところにいていいのか、ラーロン?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "広場から、真っ直ぐトリニティを見つめているラーロン。その背中には、いつもの傲慢な気配は感じられなかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……貴様か",
"speaker": "ラーロン"
},
{
"utterance": "ラーロンは、ゆっくりと振り返ると俺を確認し、またトリニティへと視線を返す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "とっとと帰れ、今は貴様なんぞと遊んでいられる気分ではない",
"speaker": "ラーロン"
},
{
"utterance": "まあ、長居する気はないけどな。ずっと学園休んでる奴が、こんなところで何してるのかは気になるだろ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "体調不良で寮で寝込んでいる。クラスの中ではそう言われているが、それを本気で信じている奴はさすがにいない。\n恐らくは学園長すらも信じていないだろう。にも関わらず、あえて何も言うことなく好きにさせている。それは何を意味しているんだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ただ考えていただけだ",
"speaker": "ラーロン"
},
{
"utterance": "あると思っていなかった返答に、俺は心の中で驚いた。無視されるか罵倒されるかのどちらかだと思っていたんだが。\nそしてラーロンは、視線を動かすことなく言葉を続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "私からは答えてやった。今度は貴様の番だ。私の質問に答えろ",
"speaker": "ラーロン"
},
{
"utterance": "お前から俺に質問だなんて、天変地異の前触れでもなければいいんだけどな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ふん。この『魔王の血族たるラーロン=ハデラ』直々の質問を受けることが出来るのだぞ。その程度ですんでたまるか",
"speaker": "ラーロン"
},
{
"utterance": "……その呼び名は、たしかにみんなが呼んでいる。本当に、今までのラーロンとは違うな。何があったんだ……?",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いいか、簡潔に答えろ\n貴様は、なぜ剣を手にした",
"speaker": "ラーロン"
},
{
"utterance": "また随分と変なことを聞くもんだな。それを聞くと何かあるのか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ふん。貴様は黙って私の質問に答えればよいのだ。さあ、早く言え",
"speaker": "ラーロン"
},
{
"utterance": "その質問の意図が、今一つ分からなかった。けれど、内緒にしておく必要があるわけでもない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……憧れたから、だな。勇者っていう存在に\n誰もが出来なかったことをやってのける存在。みんなを守って、悪を倒す。そんな正義のような存在に、子供ながらに憧れた\nあいにく、昔みたいに純粋な心で、悪だの正義だのは言えなくなったけれど、それでも、世界を救ってみせたその存在に、憧れた\nま、そんな単純な理由だよ。別に特別な何かがあったわけじゃない",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "……そうか……",
"speaker": "ラーロン"
},
{
"utterance": "本当に、貴様らしい下らん理由だな、なんて笑われるかと思ったんだが、やっぱり今日のラーロンはおかしかった。\n笑うこともなく、俺の話を真剣な顔で受け入れているように見える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふん、私はもう戻る。貴様はいつまでもここにとどまっているがいい",
"speaker": "ラーロン"
},
{
"utterance": "そしてラーロンは最後に俺を一瞥すると、そのまま男子寮の方角へと立ち去っていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あいつ、やっぱり何か変わったよな……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "大世界杯での戦い方。その結果を受け入れた態度。そして、今。\n魔剣の時のような、追い詰められてるような危険な変化じゃない。けれど何かが違う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……とりあえず、今日ここでラーロンと会ったことは言わないでおこう……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は、みんなを待つためにベンチへと座り直す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "が、その時になってようやく気づき、振り返った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あいつ、一度も『下郎A』って呼ばなかったぞ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "その視線の先にはもうラーロンの姿はない。\n本当に、何がどうなってるんだ……?",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"ラーロン",
"姫"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 034103_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "ふっ!\nはっ!!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "今日はどうにも落ち着かない日だった。ウルルの夢について、昨日の夜に、風呂でアミアに言い切られたことが頭の中で繰り返されている。\nそこに、俺なりの答えが見えている、そんな気がする。けれど、あくまでもアミア一人の答えでしかない。その答えを押しつけられるはずもない。\n俺なりの答えは出ているのに、その答えが正しいといえるのかが分からず、その不快さに心がずっとざわめいて気持ちが悪い。\nその不快さを少しでも忘れるために、いつもなら夜に行っている日課を、俺は夕方からずっと続けていた。\n素振りを続ける俺を、何人かの寮生が不思議そうな顔で見ていったが、それも特には気にならない。\nただただ、無心で降り続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やあっ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "最後、全力の一撃を振り切り、俺は静かに呼吸を静めていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ヒメ?こんな時間に素振りなんてどうかしたの?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "そこに、丁度戻ってきたらしいヴェルが姿を見せた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ、お帰りヴェル。いや、ちょっと気晴らししたくなってさ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "素振り用の木刀を壁にかけ、タオルで汗を拭きながらヴェルへと笑いかける。\nだが、ヴェルは、それだけで何かを感じたらしい。不服そうに腕を組んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まったくもう。本当にいつまで経っても直らないのよね、その悪いクセ。何かあるなら、一人で抱え込まないで相談してね、っていつも言ってるのに",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "え?あ、いや、別に何かあったというわけでは……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あんまり相談してくれないと、私だって拗ねちゃうんだからね。拗ねて、ヒメの布団に忍び込むわよ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "それはさすがに困るなあ。ちなみに相談したら?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "もちろん、嬉しさのあまりに興奮して、夜、ヒメの布団に忍び込むわ♪",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "答え一緒ですか",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ヴェルらしい、予想通りの回答に思わず苦笑してしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、そうだな……ごめん。ほんと、ヴェルには隠し事できないな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ええ。そもそも一人で悩んで答えの出ないものを、そのまま一人で悩み続けてどうにかなるわけがないわ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "まったくだ。それに、ヴェルにだったらこの質問に重みがある。\n不快にさせるかもしれないけれど、ここは甘えさせてもらおう。\n俺はヴェルを正面から見据えると、その質問を投げかけた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もしもだ、もし俺が、俺の願いのために、いきなりヴェルを殺そうとしたらどうする?\n殺したくなんかないけれど、それは俺にとって本当に大事な願いで、苦しいけれども、ヴェルを殺すしか手がない。そのために、手を下そうとしたら",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "私を……?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "俺をヴェルがどれだけ慕ってくれているかは分かっている。分かっているからこそ、この質問がどれだけ酷いものかも理解している。\nだけどそれでも、昨日のアミアの答えを俺が理解するためには、他の人にも、ウルルにも伝えるためには、必要だと思った。\nそして、その質問が本当に俺にとって必要だと察してくれたんだろう。ヴェルは俺に正面から、笑顔で答えてくれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もちろん、恨むわけないじゃない",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "その答えはあまりに意外で、けれど、予想通りだった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だって、本当に大切にしている人が、その願いを叶えるために苦しみながら襲ってくるんでしょう\nそれってつまり、ヒメが私を大切に想ってくれているからこそ、苦しんでくれるのよね\nだったら、笑うわ。ヒメの願いが叶うことを祈って、最高の笑顔を見せてあげる。その行為が、ヒメのこれからの苦しみにならないように、ね",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ヴェルは、それでいいのか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ええ。もっとも、相手がヒメだから……私が心から愛してる人だから、だけど\nきゃあっ、愛してる、だってっ。はっきり言っちゃったあっ♪\nでもでも、時には素直に言い切っちゃうのも大事よね、うん。今回は言って正解だと思うの。だって私の本心だしっ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "恥ずかしそうに、けれどキャピキャピと首を振るヴェル。そんなヴェルの姿を見ながら、俺は考えていた。\n心の底から愛してる人……だったら、竜王と竜王妃にとってのウルルだって一緒なんじゃないか?\n昨日のアミアの答えだって、つまりは一緒だ。\n本当に大好きな人の決めたことだからこそ、結果でなく、想いを受け止める。\nすべての人にこの考えを当てはめることは難しいと思う。生きているからこそ、そこには感情があるんだから。\nけれどそれでも、信じたいと思った。\n実の娘に向けられた、竜王と竜王妃、二人の想いを。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……殺された方はさ、殺した方のことをどう思うかな。愛してる人に殺されたその人は……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そんなの、嬉しかったに決まってるじゃない。自分を殺すことで、愛した相手が生き残って幸せになってくれるのよ。望まないでどうするのよ\n生きて、幸せになってほしい。これは、本当に愛した相手に対する、誰しもが共通して持つ想いのはずよ\nもちろん、殺す方だってそう思っていたはず。二人の想いがぶつかって、片方が生き残った。それだけよ\nもっとも、私だったら二人一緒に生き残って、ず~っと守り続ける道を選んじゃうけど。ね、ヒメ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "……そうだな。それが俺も一番だと思う",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "本当にその道を選べない人はいる。最初の扉で、俺は選べなかった。選べる力を持ってなかった。\n最善の道を知っていたって、選べない人達は大勢いるから、だから今行ける道の中で懸命に足掻くしかない。\nウルルが選んだ道だって、そういうことだ。\nその道を今更否定することはできないから、一人で歩いているその手を、繋いでやりたいと思う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ありがとうな、ヴェル。おかげで俺自身が納得できた。胸を張って、教えてやれそうだ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そう言う俺に、ヴェルは満足そうに頷いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん、それじゃあせっかくヒメが相談してくれたんだもの。今夜、忍び込みにいくから楽しみにしててね",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "続いてたのか、その話!?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "もちろん♪",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "眩いばかりのその笑顔は、誰がどう見ても間違いなく本気だった。\nその夜、俺が厳重に鍵をかけてから眠りについたのは言うまでもない。\nドアの外から、カリカリとドアを削る悲しげな音と声が聞こえてたのは気づかなかったことにした。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"ヴェル"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 034202_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "放課後。既に誰もいない教室で、俺は窓の外を眺めながら待っていた。\nみんなには、どうしてもの用がある、とだけ言って先に帰ってもらった。だから今日は、なんの問題もなくここで用を済ませることができる。\nそして、オペラさんにも朝のうちに説明はしておいた。その上で、お任せします、という許可をもらっているので心配ない。\nもっとも、失敗したら分かっていますよね、と素敵な笑顔のオマケ付きだったので、その場合については出来るだけ考えないようにしよう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そろそろかな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "約束の時間の五分前。ウルルのことだ、多少早めに着くよう動くだろうから、もう来る頃だ。\nその予想の正しさを証明するかのようなタイミングで、小さく扉が叩かれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あの、にいさま……?",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "静々とドアを開けて、ウルルがぴょこんと顔を見せる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "入っていいよ。ちゃんとドアは閉めてな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あ、はい",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "俺の言葉に素直に従い、ウルルはドアを閉めると奥にいる俺の下へとやってくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あの、ウルルに何かご用ですか……?",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "わざわざ俺の教室にまで呼び出しての用事。ウルル的には、思い当たるものがないので不安なんだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ。ちょっと話したいことがあってさ。でも、他の人がいたらさすがにまずいと思ってな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "話したいこと、ですか?",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "キョトンとした顔で、不思議そうに小首を傾げるウルル。\n本音を言えば、この話をウルルにするのは少し怖い。結局は、ウルルのトラウマを、またほじくり返すということなのだから。\nそれでも、もし俺が思った通りなら、ウルルの苦しみを少しくらいは和らげてやれるんじゃないか、そう思う。\nそして、その通りなんだという確信が、俺にはあった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "覚えてるか、ウルル。最初の扉の時に、俺がノートを殺したこと",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "いきなりの内容に、ウルルの表情が少し固くなった。俺が何を言おうとしているのか、恐らく分からないんだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、はい、もちろんです……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "あの時俺は、アミアの目の前でノートを殺した。恨まれて当然だと思ってた。同じ目に遭わせてやりたい、そう思われても文句は言えないって思ってた\nだけど、アミアの奴は言うんだよな。俺がどんな想いでノートを手にかけたかは分かってるって。ノートを解放してくれたことを、むしろ感謝してるって\nヴェルにも聞いてみた。もし俺が、どうしても必要な願いを叶えるために、お前を殺さなくちゃいけなくなったらどうするかって\nヴェルの奴、苦しんでくれるっていうことは、それだけ自分のことを大事に想ってるってことでしょ、だってさ\nだから、俺をその後で苦しませないために、最高の笑顔で死んであげる、だと",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "にい、さま……それは……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "さすがに気づいたらしい。俺が何を言いたいのか。何を伝えようとしているのか。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ、そうだ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "だから俺も、それを肯定するように頷いてみせる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "悪い。聞きたくない話だと思う。だけど、ハッキリ言うぞ\nウルルの両親は、きっと、自分からお前に殺された",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "その一言と共に、ウルルの顔が凍り付いたのが分かる。ウルルにとっては、その胸を引き裂くような辛い話だろう。だけど、それでも俺は言い続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "竜王と竜王妃。最強の力を持つ王が二人だぞ。それが、金竜の血を引くとはいえ、未熟な王女に簡単にやられるわけがない\n仮に不意をついて一人を倒せたとしても、もう一人は絶対に無理だ\n二人が二人とも、ウルルのためなら死んでもいいって、そう思ってなきゃ絶対に無理なんだよ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そんな……そんなのって……で、でも!だったらなんで、ウルルの中には何も残っていないんですか!\nとうさまが、かあさまが、ウルルを思ってくれたなら、きっと、ウルルに何か残してくれたはずです!\nなのに……なのにウルルの中には……ただ怖くて、辛くて、悲しいって気持ちしか……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "本当に、ないのか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そうだ。この結論に至った時、俺は疑問に思った。ないはずがないんだ。\nこの子のためなら殺されてもいい。そんな気持ちを抱ける親が、その死に際に、何も残さないはずがない。辛い気持ちだけを残すわけがない。ヴェルも言っていただろう。\n笑って死んであげる、って。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "声でなくてもいい。見たものでなくてもいい。思い出してみるんだウルル。きっと何か残ってる。二人が、ウルルのために残した何かがあるはずだ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "とうさまとかあさまが……残して、くれたもの……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "自分の中を懸命にまさぐるウルル。その中にあるもの、与えられたものを必死に思い起こしているんだろう。\nその顔は、今にも泣きそうな子供のようで、捨てられた子猫のようだった。\nすがりつく何かを求めて、必死に鳴いている。まさしく、か弱い子猫そのものだった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ウルル……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そんなウルルの姿が切なくて、俺は強くその身体を抱きしめる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "にい、さま……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "大丈夫だ。ウルルはもう一人じゃないこと、分かってるだろ。だから、そんなに悲しそうに探すな\n焦らずにゆっくりと、お前の中にある温かい何かを辿っていけばいいよ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そんな俺の言葉に安心したのか、ウルルの身体から力が抜けていく。\nウルルはゆっくりと目を閉じると、俺にその身を預けてきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はい。ごめんなさい、にいさま。ウルル、ひとりぼっちだって勘違いしそうになってました\nウルルは、こんなに温かいものを知ってるんです。まるで、ずっと前から知ってたみたいな……\nえ?",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "唐突に、ウルルの目が見開いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ウルル……?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "……あった……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "そしてその双眸から、ツウっと滴がこぼれ落ちていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "にいさま……あった……ありました……\n二人とも、ウルルに、残してくれてました……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "その小さな身体が震え、こぼれる涙はポタポタと地面へ落ちていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "とおさまも、かあさまも、あったかかったです……しっかりと、抱きしめてくれて……\nはい、覚えてますっ。あの時、とうさまは、かあさまは、ウルルをしっかりと抱きしめてくれてました。その身体が冷たくなるまで、二人はずっと、ずっと……\n見えていなくても、聞こえていなくても、その温かさだけは、伝わって、いました……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "多分きっと、二人は笑顔で死んでいった。\n自らの意思で、竜族の仲間達を助けるために決断したウルル。その強い心を持つほどに成長した自分の娘を、きっと心から誇って、笑顔で死んでいったはずだ。\nウルルは、自分を抑える必要なんてない。両親が信じたように、自分自身のままでまっすぐ進んでいけばいい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大丈夫だ。みんな、ウルルのこと大好きだからさ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺の言葉に、コクコクと頷くウルル。\nウルルのやったことが正解だったのかなんて分からない。分かるわけもない。だけど、みんなが認めてくれたのだけは間違いない。\nそう、その被害者であるはずの二人まで。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "にいさま……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "そして俺の腕の中で、ウルルがそっと俺を見上げる。その瞳には強い願いが浮かんでるように見えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "にいさま……お願いです。お願いですから、このまま……\nこのまま、この温かい気持ちをウルルの思い出にさせて下さい",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "自分の気持ちを、今の気持ちで埋め尽くしたい。そんなウルルの願いに、俺は自分でも驚くくらい素直に頷いていた。\nこのウルルの願いは、俺自身の願いでもあったんだろう。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"ウルル"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 034302_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "あ、あの、にいさま……どうぞ……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ウルルが、そのスカートをゆっくりと上に持ち上げていった。その下から可愛らしいピンク色のショーツが姿を見せる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ウルルは、こんな身体ですから、にいさまは満足できないかもしれません……\nで、ですから……見て下さい。見て、ダメなら……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ああ、たくさん見させてもらうよ。でも、絶対にダメってことはない",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ウルルは確かに、ノートや紅のような大人の女性、と言っていいスタイルをしているわけじゃない。けれど、だからこそウルルならではの可愛らしさを持っている。\nそれは決してマイナス要素なんかではなく、充分すぎる魅力だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ウルルの身体も、充分に可愛い。ほら",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "それを伝えるように、俺はウルルの女性としての場所に下着の上からそっと触れた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……んっ!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "小さな秘裂が押し広げられ、指が薄い布地ごと沈み込む。その奥にある肉壁へと触れた瞬間、ウルルは小さく押し殺したような声をあげた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なんだ。ガマンなんてしないでいいのに……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "こ、ここは学園ですから……誰かに聞かれちゃったら……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "この時間だし、各部屋の防音はしっかりしてるよ。鍵もかけた",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "で、でも……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "恥じらいに顔を染めるウルルの可愛らしさに、俺は自然と笑顔になった。それと同時に、少しいじわるをしてみたくもなる。\nオペラさんがウルルを色々といじるのは、やっぱりこういう感情からなんだろうなあ。ウルルが可愛くて大好きだからこそ、つい。\n俺は秘裂に挟まれている指を、少し強めに上の方へ運んだ。その最頂部にある秘められた突起の部分を、少し強めに押す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んんっ!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "いきなり広がる快感に必死に耐えるウルル。そのまま、その場所を少し長目にいじってみるものの、ウルルは頑張って声を押し殺し続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……ん、んく……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "俺はウルルの声が聞きたいんだけどな……それじゃあ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そんなウルルだからこそ、本当の感情が聞きたい。俺は制服の肩の部分へと両手を載せると、そのままズリおろした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "っ!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ブラすらされていない、可愛らしい膨らみが二つ、俺の目の前に現れる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ウルルの胸可愛らしくていいな。でも、ちゃんと膨らんでる……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "服の上から見るよりも、ちょっとだけ大きめな膨らみ。ウルルらしい、ちゃんと女の子した膨らみの中心には、桃色の突起が可愛らしく息づいている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う……く……ん、んっ!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "その膨らみを、両手で優しく包み込んだ。まるで揉みほぐすみたいに、優しく満遍なく手を動かす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふにふにと柔らかくて……先端も、こんな風にツンとしてきて……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あ……う、うぁぁっ!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "柔らかくて温かな物体が、俺の手の中で押しつぶされながら形を変え続ける。その中心の突起が、ツンと上を向き、その硬度を増していく。\n手のひらの中心部でその突起をいじっってみれば、独特のコリコリした感触が伝わってきて気持ちいい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こんなに、コリってしてる……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "その感触をわざと言葉にしながら愛撫を続けると、ウルルの嬌声は次第に甘さを増していった。その身体が小刻みに震え始める。\nやがてハッキリと目に分かるほどのシミがショーツに生まれる。胸と同時にそちらもいじってやると、耐えきれなくなったのか、ついにウルルは大きな声で喘いだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、や、ああっ!\nに、にいさま、ダ、ダメですっ……声、でちゃうからっ",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "少し激しく、リズミカルに胸を揉みしだく。それと同時に、乳首と、下半身の突起とを同時にいじる。\n強めにつまんでやるだけで、ウルルは下着のシミを大きく広げ、そして大きく鳴いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ、いいよ。出しても大丈夫だから\nたくさん、ウルルには感じてほしい……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "は、はい……ウルルも、ちゃんとにいさまを感じたい、ですっ……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "その快感に浸り始めているのか、どこかトロンとした目で言うウルル。そんなウルルに満足しながら、俺はそっとウルルの体勢を変えさせた。\n机の上に突っ伏すように立たせながら、そのスカートを大きく捲る。その体勢に、ウルルは恥ずかしそうに俺に尋ねてきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、後ろから、ですか……?",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ウルルはいやかな?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "い、いえ……にいさまのお顔が見られないっていうのもあるんですけど……後ろからだと、あの……へ、変なところまで見えちゃいそうで……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "この状態で下着を下ろせば、間違いなくウルルのすべてが見える。それを分かっているからこその恥じらいだろう。\nけれど、だからこそ俺もこの体勢を選んだ。ウルルのすべてを余すところなく見たい。そして触れたい。だから俺も素直に言い切る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "俺は、ウルルの全部を見たい。どこを見ても変だとは思わないし",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "……あの、にいさまがいいのなら、ウルルも、全部見て欲しい、です……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ウルルはそんな俺の欲望を察してくれたのか、頬の赤みを更に強めながらも、素直に受け入れてくれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ウルルの身体……その、あんまり発育よくないのでつまらないかもですけど……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "大丈夫だよ。ウルルは可愛いんだから、そんな子の身体を見てつまらないなんてことはないから",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "は、はい。でしたら……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "覚悟を決めての言葉に、俺はウルルのショーツをズリおろす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ど、どうでしょう……ウルルの、一番恥ずかしいところ、です……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "さっきの軽い愛撫でこんなに感じてくれてたのか……凄い、綺麗だ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ピッチリと閉じられた、可愛らしい小さな割れ目。けれどそこからは透明な蜜が滲み、数本の糸が下着と繋がっていた。\nさっきまでの愛撫は、やっぱり充分に感じてくれていたらしい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あの……にいさまに見られるって思ったら、それだけで急に……ご、ごめんなさい……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "いや、俺を相手に感じてくれたってことだから",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "この未来においては、まだ誰にも開かれたことのないウルルの可愛らしい扉。俺はそれを、ゆっくりと左右に広げていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃんっ!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "たくさんの蜜がこぼれると同時。ピンク色の鮮やかな肉壁が割れ目の中に広がっていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、や、やあ……な、中はダメです……恥ずかしすぎて……!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "そんなウルルの声は、俺を更に興奮させていく。ウルルをもっと辱めたい、可愛がりたい。そんな気持ちが、俺を動かす。\n俺は秘裂へと顔を近づけると、その濡れそぼった肉壁に舌を這わせた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……ウルルの味がする……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あ……は、はぁ……や、し、舌は、ダメです。そこは、きたないです、よぉ……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "びくん、と身体を反らせながら、ウルルが可愛らしく喘いでいく。\n決して汚くなんかないその縦の空間を、俺は存分に味わっていく。\n特に尿道の周りと、そして、これから入るだろう入り口の周辺を。\nゆっくりと、こじ開けるようにその奥へ舌を差し入れていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んあぁ!お、奥の方、きて……や、やあ!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ん……ウルルのここ、おいしいよ……あとからどんどん蜜がこぼれてくる……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "その奥から、大量の蜜があふれ出した。舌ですくってもすくってもすくいきれない大量の蜜。\nウルルの味で満ちた甘く感じるそれを、俺は存分に味わった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、や……だって、にいさまの舌が……ひ、あ、あぐ!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "そして、蜜に塗れたその舌先を、奥から抜くと再び動かしていく。\n割れ目の一番先端。ウルルの一番敏感な場所が隠れたその場所に。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひゃあっ!!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "舌先で皮をかき分けるようにして、それに触れる。瞬間、ウルルの身体が跳ねた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、だめですっ。そ、そこの奥には、敏感なところが、か、隠れてて……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ん……ぷっくりしてきてる……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "充血し、大きく膨らんだそれを丹念に舌で愛撫する。\nウルルは身体を震わせながら、ただ喘ぎ続けた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……あ、ああん!びくびくって、身体が……や、やああっ!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "奥からこぼれてくる蜜も更に量を増し、俺の顔をビショビショに濡らしている。\nこれだけの状態になれば、もういけるかもしれない。俺はそっとウルルの下半身を解放した。\n床の上に寝かせたウルルの下着を完全に抜き取ると、俺はその両足を大きく開かせる。\n小さな割れ目がぱっくりと開き、そのすべてを惜しげもなく晒していた。今から俺は、この奥までも俺のものにする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ウルル、大丈夫か?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "は、はい……平気、です。ウルルにも、他の扉での記憶、ありますから……\nど、どれくらいのものか分かってますから……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "そう言うものの、やはり怖いのか、ウルルはギュッと両目を閉じたまま身体を硬くしていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大分濡れてるから、ある程度は平気と思うけど……できるだけゆっくり入れるから",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "い、いえ、大丈夫ですっ。にいさまのやりたいようにしちゃって下さい!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "それでも、それを決して口に出さずに俺を受け入れようとしている姿が健気で愛しい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……それじゃあ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "は、はいっ!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "すっかり昂ぶってしまって、痛いぐらいに怒張したそれを、俺はウルルの小さな入り口にそっとあてがう。\nそして、ゆっくりと押し出していった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひ、ぐ、ううっ!!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "小さな入り口を強引に広げながら、俺がウルルの中へと進んでいく。真っ赤な純血の証が、その結合部から流れてくる。\nあまりのキツさに、前へと進めていくことすら困難なウルルの秘洞。ウルル本人の苦痛は、男の俺じゃあ想像もできない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "い、痛い、です、にいさま……い、いえ、なんでも……あ、あう……うう!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "けれど、それを必死に耐えているウルルを見ると、ここで止めたらいけない。ウルルをもっと苦しめる。そんな思いでいっぱいになる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、大丈夫、です……だ、だいじょう、ぶっ",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "涙を浮かべながら、必死に耐えるウルル。俺は心を鬼にして、その狭い道を突き進んでいく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ごめんな、ウルル。あとすこし、だから……\n本当に……きつくて……俺、も……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "この秘洞にいるだけで、痛いくらいの快感が伝わってきていた。少しでも気を抜けば、挿入が終わる前に達してしまいそうなくらいだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、うう……んっ!んぐっ!!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "あ、あとちょっと……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は必死に耐えながら、それでも少しずつウルルの中を進んでいく。\nそして最後、俺の一番太くなった部分が、ぶづん、という感触と共にウルルの中へと入り込んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んああっ!!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "……通った、よ……ウルル……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あ……は、はい……あ、う……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "小さくても、充分に女の子をしているウルルのそこは、俺を奥の方まで導いてくれた。熱く火照った無数のヒダが、全力で締め上げるように俺に貼り付いている。\nそれだけで、搾り取られているような快感が俺を支配していた。\nウルルはそんな俺を、小さな深呼吸を繰り返しながら、どうにか受け入れている。\nまだ相当だろう苦痛を少しでも紛らわせられたら。俺は、さっき剥き出しにしたばかりの突起に、そっと指を伸ばした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、あ……にい、さま……そこはぁ……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ウルルの蜜をたっぷりと指につけ、その腹で敏感な突起をなで回す。それだけでウルルは再び身体を震わせ、可愛く鳴き始めた。\nゆっくりとゆっくりとなで回し、気持ちよさげな嬌声が響き始めたところで、今度はちょっと強めに指で挟む。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひゃあんっ!か、身体が、跳ね、ちゃうっ!あ、んああっ!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "びくん、と大きく跳ねるように身体を震わせ、ウルルが喘いだ。秘洞の中が、一気に蜜で溢れていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "凄いな……この突起いじったら、中からどんどん溢れてきた……\nほら、もう少し……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "それに合わせて、ゆっくりと腰を動かし始めた。今までの苦痛に満ちた声とは違う、どこか甘い響きが、ウルルからこぼれてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、や、やあんっ!お腹の奥が……や、ぞくぞくって……!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "くっ!き、急に、中が締まって!や、やばい、これ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "と同時に、いきなりウルルの中が小さく締まった。ただでさえ小さい秘洞が、ギチギチに俺と貼り付き、俺をしごきあげる。\nゾクゾクと震えるような快感が下半身から俺を登り、脳髄までも痺れさせる。\nゆっくり、ゆっくりと動かしていたはずの腰が、徐々に速度を増していく。たっぷりの蜜で濡れたその中は、俺の動きをスムーズに流してくれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、あ、に、にいさまっ、にいさまぁ!お腹の中、ごりごりして……!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "一本一本が別の生き物のように、俺を捉え、責めてくるウルルのヒダ。まだ固いものの、それは俺を快感で染めるには充分すぎた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ひゃ、あ、ふぁ……な、なにか、きちゃいますっ、きちゃうっ、あ、やあっ!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "いつしか一切の苦痛を忘れて、ウルルは喘いでいた。ただ甘く響くその声に、俺は自然と興奮を増し、ウルルの中を激しく前後する。\nその快感と引き替えに下半身へと集まってくる射精感は、もう抑えられそうにない。\nそして、心地いい鳴き声を奏でていたウルルが、その背を弓なりに反らす。同時に、ウルルの秘洞がまた強く縮まってきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うああ!ここで、またそんな締められたら!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "に、にゃあ、あ、あああああああっ!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "弾けるように、達するウルル。その秘洞がびくびくと痙攣を始め、俺の限界という堤防を破壊する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "も、もう無理、だ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺はウルルの中へと、その熱い欲望を放出させていた。\n頭の中が真っ白になるほどの快感が、俺の全身を震わせていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……お腹の中……あ、あったかい、です……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "荒い息を吐きながら、ウルルは自分の中に注がれていくものに意識を向ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "にいさまから、たくさん、注がれてきて……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "あ。ああ……ごめん、ちょっと止まらなくて……その……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あとからあとから溢れてくる欲望はそう簡単には止まらず、ウルルの中へどんどん放たれていく。\n小さなウルルの体内はすぐにいっぱいになり、結合部からごぼごぼと溢れていた。その様子が、妙にいやらしくてまた興奮しそうになってしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "にいさま……いっぱい……いっぱい、凄かった、です……\nとっても……あったかくて……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "初めての痛みと懸命に闘いながら、俺を受け入れてくれたウルル。その言葉に喜びが含まれていることが、今の俺には本当に嬉しい。\n俺はウルルの中に注ぎ込みながら、その頭をそっと撫でてやった。\nウルルは気持ちよさげに目を閉じると、小さく笑う。そんなウルルに、俺も自然と笑顔を浮かべていた。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"ウルル"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 034303h_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "日課も終えて、俺はただ何気なく月を見上げていた。\n本当に、ただなんとなく、その月を見上げていたかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ヒメ……?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "そんな俺を窓からでも見かけたのか、ヴェルが心配そうに声をかけてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ヴェル、まだ起きてたのか",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "汗、そのままにしておくと風邪引くわよ?早くお風呂入って戻った方が……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ヴェル……勇者の条件ってなんだと思う?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "え……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ずっと考えてたんだよな。世界杯の最後、ゲンに言われてから\n一人でなるものじゃない……じゃあ、みんなで一緒にどうやってなるのか。そもそも、どれくらい強ければなれるものなのか……\nでも、一つ分かった気がする",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ウルルと両親の件。ノートの憑依兵器、真名の件。魔装陣なんて求めるほどに追い詰められてしまった紅。そして、殺人機械だったヴェル。\nみんな、俺と関わることで、それぞれの過去や未来と向き合うことになった。\nどれも見ないでよかったはずのもの。忘れていられれば、気づかないでいられれば幸せだったもの。なのに、俺と関わり、向き合うことになってしまった。\nそれでも、みんなは立ち向かっている。過去を受け入れ、それをずっと背負う覚悟を持って。\nなら俺も、みんなを変えた覚悟を、みんなの変わった未来を受け止める覚悟がいるんだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "勇者っていうのは、覚悟を持つ必要があるんだなって\n何かを変える覚悟を持って、その上で動くからこそ、その覚悟に人が惹かれるんだと思う",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "勇者が動けば、きっと何かが変わる。それがいいことなのか悪いことなのかは分からない。けれど、変えてしまったことを受け入れる覚悟が、きっと必要なんだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ヒメは勇者になるのよね?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ああ、そうだな。なれるかはまだ分からないけれど、なりたいと思う。そのために、俺はここまで来たんだから",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "迷うこともない即答。そんな俺の答えに、ヴェルは少し俯くと、やがて顔を上げて言った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なら……私の翼を、受け取って。ううん、返させて\n勇者になるのなら、絶対に力がいるわ。なら、儀式兵器は絶対に必要よ。魔法の力を無しに戦うなんて、絶対に限界がある!\n本当は……分かってた。この翼は、ヒメの大切な儀式兵器。それを私が持っていたら、いつかヒメを追い詰めることになるって……\nだから……っ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "そんなヴェルの言葉を、俺はそれ以上言わせなかった。その唇に人差し指を立てる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それはもう、ヴェルのものだよ。俺が望んで捧げたんだから\n俺の強さに関しては、俺の技量不足が原因だ。儀式兵器の有無じゃない\n技量の無い俺が儀式兵器の力に頼ったところで、きっとゲンには勝てないだろうな……それは、兵器に頼っただけの、俺自身のものじゃない力だから\nだからヴェル。ずっと俺の傍にいてくれ。俺の力で、いてくれ\n俺が守った……そして俺を守ってくれる力でさ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "……いい、の?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "それがいい",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "……うん。誓うわ。私は未来永劫、ヒメ、あなたのものよ。あなたを守り、あなたに勝利を与える力",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "そして、大切な俺の仲間、だ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "覚悟しよう。俺の大切な仲間達、その未来を受け止める覚悟を。\nこれからの戦いに巻き込み、傷つけるだろう覚悟を。\n前へと進み、多くの未来を変えてしまう覚悟を。\n少なくとも、これがなければゲンには届きもしないはずだから。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"ヴェル"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 034502_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "少し待って下さいね。今、薬を用意しますから",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "フォンは薬棚へ向かうと、今の俺に必要な薬をいくつか抜き出した。\n色々危険な任務もしているはずだから、薬の知識もきっと必要なんだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "かなりやられたみたいですね、少し染みるかもしれませんがガマンして下さい\n……すみません姫先輩、フォンがもっと速く駆け付けられれば、こんなには……",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "……いや、これは俺のせいだよ。俺がバカだったからだ\nもう少し、やれると思ってた。他の扉での特訓や経験で少し強くなれたし、最近はチーム戦とはいえ、たくさんの強敵にも勝ってきた\nだから、ミヤが相手でも、勝てはしなくても、もっとやれると思ってたんだ\nけれど、違ったよ。ただの自惚れだった……まったく届いてなんていなかった\n俺には、そんな大それた力なんて……なかった。本当に……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "情けなかった。覚悟を決めた、なんて思っていながら、ゲンの覚悟の方が遥かに上だった。\n大勢の人のために、大切な人を失う選択。それと比べれば、俺の覚悟なんてどれだけ小さいものか。\n考えていなかった。その背負った期待に応えられない、なんてこと。\n背負った期待に応えるためには、力がいる。力のない覚悟なんて……ただの自己満足だ。\n力の無い俺には、結局は何も変えられない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "悪い、フォン……一人にしてもらえないか……今は、辛いんだ\nこんな情けない自分を見られてるのが……本当に辛いんだ。情けない……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "気を抜けば今にも泣き出してしまいそうな程に、心が沈んでいる。滲み出てきそうな涙を必死にこらえ、フォンに頼む。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "嫌です。お断ります",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "けれどフォンは、はっきりと断った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "今の姫先輩は、一人になってはダメです。きっと、もっと自分を見失ってしまいます",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "見失いなんてしないよ。元々、何もなかったんだ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そんなこと、ありませんっ",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "力なくこぼす俺を、フォンがいきなり抱きしめる。温かく、そして強い力が俺を懸命に抱き留める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "フォン……!?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "覚えておいて下さい。これが姫先輩のやったことです。この温もりが、姫先輩だからできたことです\n竜にも魔にもなれず、ただ中途半端な存在でしかなかったフォンに、その両方を受け入れさせてくれました。フォン=テルムという存在を作ってくれました\n姫先輩がいなければ、フォン=テルムという存在はありません。この温もりは、温かさは、姫先輩がいてくれたからあるんです\n力が無い?じゃあ、どうやってフォンを救ったんですか?竜王の力なんて関係ありません。心の無い力にだったら、あの時フォンは負けませんでした!\n大丈夫です。持ってます。ちゃんと持ってますよ、姫先輩。それもたくさん。両手で抱き留められないくらいにたくさん\nその力に救われたフォンが言うんですから絶対ですよ",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "フォン……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "姫先輩がくれたものを、今度はフォンが姫先輩に差し上げます\n姫先輩が、白鷺姫という誰よりも強い存在だっていうこと、教えてあげます……\nだから……少しでいいから取り戻して下さい",
"speaker": "フォン"
}
] | [
"フォン",
"姫"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 034603_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "どうぞ、姫先輩……",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "ベッドの上に横になり、恥じらいながらも大きく足を開くフォン。その顔には笑みが浮かんでおり、俺にきてほしい、そんな気持ちが込められていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "フォンは、姫先輩のおかげで、こういう気持ちを知りました。ですから、姫先輩の好きなようにして下さい……",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "フォン……本当に、いいのか?その、俺のために無理してるなら……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "とまどう俺の言葉を遮るように、フォンは小さく首を振る。そして、やはり笑顔のままで言った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "無理じゃありません。姫先輩の好きにされることが、フォンが一番喜ぶことですから",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "前は、されるがままってイヤって言ってなかったか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "奪われるんじゃない、あげるんだ、とも言いましたよね\nですから、あげるんです……",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "真っ直ぐに俺を見上げるフォン。心から俺を想ってくれているその言葉が、本当に嬉しかった。\n今はただ、俺を必要だと言ってくれる人の温もりが欲しい。そんな想いに背中を押され、俺はフォンの小さな身体に覆い被さった。\nフォンにとっての一番恥ずかしいだろうその場所を横へとずらすと、フォンのその場所を覆い隠す、可愛らしい下着が顔を出した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いきなりそこですか。さすが姫先輩ですね。乙女の恥じらう場所を分かっているといいますか",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "フォンは決して嫌がりはしないものの、その顔には当然のように恥じらいが浮かんでいる。俺のためにガマンしてくれているのがよく分かった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でもでも、あまりジックリは見ないで下さいね",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "と言われるものの、さすがにそれは無理というものだろう。\nフォンのような子の、こんな姿、男として視線をそらせるはずがない。しかも、その下着の中心部には、既に小さなシミが生まれていた。\nそんな俺の視線に気づいたのだろう、フォンは恥ずかしそうに視線を逸らしながら言う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "姫先輩とこれから、というだけでその……も、もう、身体が反応してしまって……\nえ、えっとその……決して普段からこういうことを期待しているえっちな女の子、ではないんですよっ\nほ、ほんとですっ",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "必死に弁解しようとするフォンの姿は普通に可愛らしい。初めて会った時の、笑顔だけれども完全にこちらを信用していなかった姿とは雲泥の差だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああ、分かってる",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "心を開いてくれたフォンは、こんなにも可愛いんだと、改めて納得する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でもその……こうなると気になっちゃうよな……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "この、小さな下着の下に隠されている、フォンの姿。こんなシミが出来るほどに濡れてしまっているその場所が見たい。そして触れてみたい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え?あ……はい、でしたらどうぞ。今のフォンは、姫先輩のために存在します……",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "フォンは、俺の言葉の意味を正確に察すると、嫌がりもせずに頷いてくれた。\n服とは別の方向へとずらされた下着の下、フォンの初々しい秘裂と、淡い赤色のヘアーとがあった。\n女の子にとっての一番見せてはいけない場所。フォンも笑みを浮かべてはいるが、必死に羞恥を堪えているのが分かる笑みだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……これが、フォンの……その、やっぱり紅いんだな……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "は、はい。髪と同じ色、なので……",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "柔らかそうな紅い糸は本当に薄く、秘裂をほとんど隠せていない。既に濡れてしまっているのがよく分かる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "で、でも、あまり……い、いえ、大丈夫です。平気ですっ。ど、どうぞお好きに",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "さすがにこの状態で平然とはしていられないらしい。それでも、あまり見ないで欲しい。そんな言葉を飲み込んで俺にすべてをさらけ出してくれる。\n俺は吸い込まれるように、フォンの秘裂へと指を伸ばした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、あぁっ……",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "綺麗な筋を指で左右に開くと、その中から熱い蜜がこぼれ落ちてきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……凄い、中の方から、一気にこぼれてきて……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "姫先輩が、フォンをそうするんです……こんなに恥ずかしいのに……もっと、してほしいって思わせて……",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "そんな切なげなフォンの声にたまらなくなり、俺はそのままフォンの秘裂の中を指でいじり始める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、あ……んうっ!",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "透明がかった、鮮やかなピンク色。フォンの割れ目の中は本当に綺麗で、同時に、熱く柔らかかった。\n上の方にある小さな穴と、下の方にある、キュッと狭められた穴。そして、割れ目の頂点部分にある、まだ小さな豆粒。\nどれも女の子にとって見られたくない、恥ずかしい場所。俺はそのすべてを堪能させてもらいながら、割れ目の中をいじり続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……フォン、どんな感じ……?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そう尋ねる俺に、フォンは小さく震えながら、気持ちよさげに言ってきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぞ、ぞくぞく、して……それが、むずむずってなって……\nあ……き、気持ちいい、です……",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "奥からどんどんと滲み出てくる熱い蜜。それは、フォンの身体を通じて、下の方へと流れ落ちていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……だめ……垂れていっちゃう……",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "うん……シーツまで",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "少しずつ少しずつ、シーツに垂れてきたフォンの蜜がシミを広げていく。どれくらいの量がこぼれているのか分かっているんだろう。\nフォンは真っ赤になりながら、俺に言ってくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……お漏らしじゃないんですよ……?",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "ああ。分かってる。でも、フォンは敏感なのかな……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "割れ目の頂点に隠れた、敏感な豆粒。ぷっくり膨らんできたそれは、その先端を可愛らしく外に覗かせていた。\nそれを、人差し指の腹で撫でてやる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んくっ……あ、そ、そこ、は……っ",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "それだけで、フォンの口からこぼれる鳴き声が甘くなった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "い、ん、ああんっ!だ、だめ、です……そこ、いじられると、力、はいんなく……",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "集中的に、爪弾くようにいじると、フォンは激しく身体を震わせた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "中の方に隠れてるのに、大きくなってきてるの分かる……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "さっきまでと比べると、明らかに大きくなっているのが分かった。フォンは確実に感じてくれている。この突起を、更にいじりたい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これ……出していいかな……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "え?あ、あの、それはさすがに……きゃうんっ!か、感じ、すぎちゃうん、です!",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "剥き出そうと皮の部分を指でつまんだ瞬間、フォンが許しを求めるかのように言ってきた。そんなフォンの態度は珍しい。\nその可愛らしさに、少しだけ意地悪をしたくなってしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、あ、ああんっ!ご、ごめんなさい、姫先輩っ!そこはあっ!",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "……もう、こんなぷっくりしてるんだ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "きゅっ、とつまんで剥き出すと、フォンは思い切り顔を上げた。そして髪を振り乱すようにして喘ぐ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やあんっ!だ、だめ、だめです!ほ、ほんと、に……あ、ああっ、いやぁ!",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "余程感じてしまうんだろう。フォンは大きく身体を反らしながら、激しく喘ぐ。\nぷっくり膨らんだそれは、いじればいじるほどに大きさを増し、やがて小指の先端くらいの大きさになっていく。\nそれを、ちょっと強めにつまんだ瞬間。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "フォンの中から、温かい液体が勢いよく噴き出した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あう……見ないでくださいっ\nダメなんですっ、力はいんなくて……が、がまんできなくてっ",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "泣きそうになりながら、必死に懇願するフォン。けれど俺は、突然のことに今一つ頭が回ってくれない。\n秘裂の中にある小さな穴。そこから噴き出す少し黄色がかったその液体を、俺はただ呆然と眺めていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "い、今だけは、見ないでくださいっ",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "そんなフォンの悲痛な叫びが、養護室の中に響き渡った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うぅ……",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "あれから、かなりの量を噴き出して、フォンのそれはようやく収まった。\nあまりの恥ずかしさのためか、フォンは涙ぐみながら俯いてしまっている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "その、ごめん。そこまで弱いとは",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "まさか小水まで噴き出してしまうほどだなんて、思ってもいなかった。さすがに申し訳ないと謝る俺に、フォンはちょっと落ち込んだように言う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いえ……責めてるわけではないので……\n姫先輩が、それを見たかったというなら……受け入れます……",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "あれだけの光景を見られながらも、俺の希望を優先しようとするフォン。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "よ、喜んでもらえましたか……?",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "そんなフォンの姿は、純粋に俺を興奮させた。この子をもっと感じたい。この子をもっと感じさせたい。そんな思いでいっぱいになる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そ、その……はい\nフォンが頑張ってくれたおかげで、大変に……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "普段ならば決して見ることのない、乙女のあんな姿。別にそっち方面の趣味があるわけではないのだけれど、フォンの姿、というだけで、昂ぶってきてしまう。\n俺は、もっと激しくフォンを求めることにした。\n俺はベッドの端へと座ると、その上に、フォンを座らせる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あの、姫先輩……?フォンから言うのもなんですが、さっきのその、粗相のあとでこの体勢っていうのは……その、汚いのでは……",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "ちゃんと拭かせてもらったから大丈夫",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "……まさかあのあとに、更なる恥じらいが待っているとは夢にも思いませんでした……",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "さすがに申し訳ないと思い、綺麗にするだけでも、とやったわけだが……結果的にはとんでもなく興奮してしまう結果に……。\nそのせいか、俺のそれは、ガチガチに昂ぶってしまっていて、収まってくれそうにない。\nしかも後ろから回した手で、その乳房をそっと包み込む。思ってたよりもちょっとだけ大きな感触が、俺の手のひらから伝わってきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、あの……フォンの胸では、あまり楽しくないんじゃないかと……",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "そんなことないぞ。ちゃんと女の子の胸してるし、気持ちいい。ほら",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "言いながら、俺はその膨らみをそっと揉む。むにゅん、という擬音のよく似合う感触が、俺の手のひらを包み込んだ。\nそのまま、服の上からでも分かるくらいに尖ってしまっているそれを、キュッとつまむ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んんっ!",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "フォンのここは結構敏感らしい。それだけで天井を仰ぎながら、ちょっと大きく喘いでくれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "先の方も、こんな硬くなってるし",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "フォンの胸をそんな風に言ってくれたのは、姫先輩が初めてですね",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "どこか嬉しそうなフォンの声。それは単純に、俺以外の誰もこの胸を見たり触れたりしたことがないからだと思う。\nこうして触れてみれば、本当に気持ちよくて、ずっと触っていたくなるような所なのに。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ……下の方も……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "胸だけでなく、こっちの口も。フォンのすべてを味わいたい。そんな想いで口にする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はい、どうぞ",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "フォンは少しも嫌がることなく、けれどちょっと恥ずかしそうにそう言ってくれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……くっ……",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "狭い入り口から、フォンの中へと自分を埋めていく。\n恐らくは自分で触れたこともないんだろうそこへの進入は、さすがに苦しいのかフォンは少し辛そうな表情を浮かべていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大丈夫か?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "以前の記憶では、それほどでもなかったはずなんですが……今回は少し……",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "固く閉じられたフォンの入り口。体位のせいか、そこは以前のものよりも少し固く感じる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ごめん。もう少し楽な体位での方がよかったかもな……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そう謝る俺に、けれどフォンは無理に笑顔を作りながら首を左右に振った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "で、でも平気です。これくらいの痛み、戦いの傷と比べれば大したことはありませんから",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "そして、自ら強引に腰を沈め始める。\nその固い扉を前に通らない俺を、無理やり自分から貫かせようとする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お、おい、フォン……無茶は……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そんな俺の言葉を聞こうともせず、懸命に痛みを堪えながら力を入れるフォン。\nやがて、ぶぢんっ、と固い何かが引きちぎれ、フォンの中へと肉棒が一気に半分ほど呑み込まれていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う……あ……んんっ!はぁ……は、入りました、よね……",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "結合部から、赤い鮮血を垂らしながら、それでも嬉しそうに笑おうとするフォン。そんなフォンに応えるように、俺は頷くと行為を続けることに決めた」",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああ……フォンの中、やっぱりキツキツで……凄い、よ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "根本どころか全体を締め上げてくるフォンの秘洞。熱い体温が触れた粘膜越しに伝わり、俺を内側から興奮させていく。\nそれと同時、俺とフォンが二人とも、もっと気持ちよくなるために、俺はフォンの服を掴んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "押しこめてるの、ちょっともったいないから……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "内側へと服をずらされ、その中からフォンの程よい膨らみがこぼれ出た。俺の手に充分収まるその膨らみを、俺は二つ同時に揉みしだいていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……や、あんっ!",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "手のひら全体と指を使っての愛撫。人差し指と中指の股に乳首を挟み、キュッと強くつねってやる。\nフォンの身体が大きく跳ねて、更に大きな嬌声がこぼれた。\nそのまま乳首を責めつつ、乳房の方も激しく揉み続ける。その柔らかい感触に、思わず時間を忘れてずっと揉み続けていたくなってしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……む、胸って……こんなに感じるもの、なんですね……\n背筋、伸びちゃいます……",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "痛みよりも快楽が勝り始めているのか、そんな甘い言葉がこぼれてくる。そんなフォンの首筋にキスを降らせながら、俺はフォンを求め続けた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、あ、ああんっ!",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "フォンの胸、ふにふにして、凄くいい……先端の方もピンって尖って……\nコリコリいじるのが楽しいな……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "相当感じてきているのか、フォンの蜜はその量を増し、結合部からこぼれ始めていた。\n俺はそれを頃合いと見ると、秘裂の突起の方へと手を伸ばす。すっかり大きくなったそれと、胸の先端で突き立っている尖塔とを同時に責める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふぁ、あ、ああ……や、あ、下の方まで、同時にいじるのはっ",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "瞬間、フォンの秘洞が収縮した。それと同時に、堪えていた欲望がどくんと溢れそうになる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うわっ。一気にきつくなったっ。それ、まずいからフォン!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あ、頭の中が、わかんなく、なっちゃいますっ",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "胸と秘裂。両方の敏感な部分を責められて、フォンは大きく身体を震わせながら鳴き続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "全身が痺れて……ゾクゾク震えて……あ、あ、ああっ!\nき、きますっ!あ、あの凄いのが、またきて……あ、や、あ、あ、ああっ!",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "大きく天井を仰ぎ見て、フォンは必死に快感を堪えていた。けれどそれももう限界らしい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、あああああああっ!",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "な、なんだ、この締め付け!も、もう無理!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "つんざくような鳴き声と共に達するフォン。それと同時に、フォンの秘洞が思い切り俺を責める。\nその唐突な快感は、俺のガマンをあっさり抜けていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "姫先輩も……イっちゃったんですね……\nあついの……出てます……",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "絶頂の余韻で、どこかぼんやりと話すフォン。そんなフォンの中に思い切り注ぎ込みながら、俺も答える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ……最後にあんな締め付けられたら、もう無理だよ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "でも、残念です。姫先輩を……フォンの中で気持ちよくしてあげられませんでした……",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "ガックリと、寂しげに言うフォン。確かに、フォンの中でイッた、というよりも胸の愛撫でイッてしまったフォンに無理やり搾り取られた、そんな感じだったかもしれない。\nそれでも、俺自身は充分気持ち良かったんだけれど……表情を見る限り、フォン的にはやっぱり悔しいみたいだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……だったら、これでどうだ?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "なら、もう一度、今度はフォンと一緒に気持ち良くならせてもらおう。俺は新たな体位でフォンとさせてもらうことにする。\nなんといっても、俺自身が、いつの間にやら次のラウンドを期待して回復してしまっていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え?あ、あの……",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "俺はベッドの上にフォンを膝立ちにさせると、その後ろからその両腕をガッチリと掴んだ。\nフォンはいきなりの俺の行為に、何をしているのか分からない、といった表情で俺を見ていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "さっきのだと痛くて感じられそうになかったから……\n一度イッってるし、今度は平気なんじゃないかなと",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ま、待ってくださいっ。でも、フォン、イったばかりで身体が……",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "思いきり敏感になっている状態。だけど、そんな時だからこそ、経験の少ないフォンでも、より感じることが出来るかもしれない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いくぞ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺はそう考えると、半ば強引にフォンの中へと自分を埋めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひゃうっ!",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "自分の身体の中に入ってくる俺の感覚に、フォンは背筋を反らせながら声をあげた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うく……さっきよりは入りやすかったけど……でも、キツイ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ずぶずぶと飲み込まれていく俺の肉棒。初めての時と比べれば、濡れているのもあり全然スムーズだけれど、やっぱりまだまだ固い\nそれでも、フォンの熱い体温で包まれたその中は、天国といっていい快楽を俺に送り込んでくる。\nギチギチと締め上げてくるようなキツイ秘洞は、相変わらず俺に痺れるような快感を与えてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大丈夫、か……フォン……?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あ……で、でも、平気、です……あんまり、痛くないです……",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "心配げな俺の質問に、けれどフォンは、どこかトロンとしたような目で答えた。さっきイッた感覚が、まだ残っているのかもしれない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "むしろ……姫先輩の熱いのが……お腹の中を感じさせて……ムズムズって、気持ちいいのが……",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "それじゃあ、少し動くから……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そんな言葉に大丈夫と確信して、俺はフォンの中を動き始めた。さっきと違い、少し強めに動いていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、や、ああっ。こ、これ!あ、ああっ!",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "と同時に、フォンが大きく喘いだ。やはり敏感になりすぎているのか、俺の動きに合わせながらも、想像以上に感じてくれている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お腹の中から、か、身体中にびりびりって……だ、だめ姫先輩っ。フォン、感じすぎ、て!",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "途端にあふれ出す蜜が、無数のヒダと共に俺に絡む。潤滑油代わりの蜜は俺の動きを更にスムーズにし、フォンとの接触をより気持ちよくしてくれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "俺も、だよっ。キツイのに、濡れてるせいでスムーズで……俺に絡みつくフォンが、必死に絞りだそうとしてくるっ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "さっきと同じ、狭くキツイ秘洞は、俺から更に多くの精を搾り取ろうとしているみたいだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、やばいっ。も、もう、出そうっ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "さっきあれだけ出したのにも関わらず、俺はもうその充填を完了していた。この気持ち良すぎるフォンの中に、また思い切り吐き出したい。そんな想いでいっぱいになる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、あ、ああ、んぐっ!ま、また、イッちゃう……き、きてる、す、凄いのが……",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "溢れる蜜と水音の中で、フォンはただただ甘く喘ぎ続けた。\nガクガクと身体は震え。今すぐにでも達してしまいそうな雰囲気。けれどフォンは、それを必死に堪えようとする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や。ダメ、だめ、ですっ。もっと、もっと姫先輩で、気持ちよくなりたい……っ\nま、まだイきたく、ないっ",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "懸命に耐え続けるフォンの中が、少しずつだけれども柔らかくなっていく。ただ締め付けるだけだったフォンのヒダが、今度は俺に吸い付き始めた。\n腰を前後させる度に、下半身から痺れるような快感が登ってくる。\nさっきのがまだ残っているのか、フォンの秘洞はピクピクと小さく痙攣していた。その中を、俺は激しく前後する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "フォンの中、いい、これ!もっと、感じてたいけど……で、出る!も、もうっ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "だ、だったら!い、一緒に!フォンも、一緒、でいいですか!?姫先輩と、い、一緒が!",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "恐らくは、もう限界なんだろう。ただただ高く鳴き続けるフォン。俺はそんなフォンが逃げられないようにガッチリと掴んだまま、ラストスパートとばかりに奥を突いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ!お、俺も一緒に!うぐ!で、出る",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺の精は、すでに根本から先の方へとこぼれ始めている。ダメだ。もう限界だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あああ!だめ……ガマン、できないっ!",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "まるで虚空を彷徨うようなフォンの視線。もう、意識すら満足に残っていないのかもしれない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひ、あ、あああああああああんんっ!!",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "そしてフォンは、思い切り天井を仰ぎながら、再び絶頂へと達した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もう、出、る!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そして俺も、再びフォンの中へと自分を爆発させる。\n今度こそ、フォンの中の気持ちよさによる爆発だ。\nフォンの最奥部へと向かって、俺は次々と自分を注いでいく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ま、またこんなに、出てますよ……姫先輩……",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "さすがに二度も連続で達したためか、フォンの言葉に力はなかった。\n身体の方もダランとし、俺に両腕をもたれたままでボーッとしている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああ……でも今度は、フォンの身体のせいだよな、絶対……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "だったら、嬉しいです……",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "吸い付くようなフォンの体内。あの感覚は異常だった。もしもう一度やれば、フォンの身体は更に激しく進化するのかもしれない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "姫先輩の熱いの……気持ちいいから、好きです。お腹の深いところ……犯されてるみたいで……",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "さすがにさっきほどではないものの、フォンのお腹の中へと放たれ続ける白い欲望。フォンはそれを、どこか嬉しそうに受け止め続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やっと出きった、かな……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "思う存分フォンの中へと注ぎ込み、どうにか萎えたそれを、俺はゆっくりとフォンから引き抜いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "姫先輩の、こぼれてきちゃってます……もったいない……",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "その中へと注がれた大量の欲望が、コポコポと音を立ててフォンの中から垂れてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、やっと姫先輩のものになれました\nこれからも、いっぱいして下さいね。いつでも待ってます",
"speaker": "フォン"
},
{
"utterance": "そう笑顔で言うフォンに、俺は再び反応しそうになってしまった。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"フォン",
"姫"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 034604h_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "ラーロンとの戦いの後、俺達は明日のトリニティへの突入を決めると、それぞれの寮へと戻った。\n街はいつもと変わらず賑やかで、トリニティであんな事件が起こっているなんて夢にも思っていない。\nただ、いつもと違って、トリニティの生徒の姿はまったく見られなかった。\nそれは寮も同じだ。ルアンさんが手を打っていたのか、食堂や、細かな仕事をしてくれている手伝いの人の姿すらない。完全に無人だった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……生徒は全員捕まった、か……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "生徒の命を保証すること。学園長はそう条件を出したと言っていた。それでこの状況となれば、全員が捕まったと考える方が普通だろう。\nトリニティの生徒といえども、完全な奇襲、それも見たこともない古代兵器が何台も相手、じゃあさすがに分が悪い。\nしかも、あの場に姿を見せなかったということは、ミヤも制圧の方にまわっていたのかもしれない。だとすれば余計に厳しかっただろう。\n場合によっては、学園長達も戦いに参加したかもしれない。前もって準備できていれば多少の抵抗は出来たかもしれないが、あの状況ではさすがに……。\nとはいえ、ゲンの目的が俺への試練である以上、向こうからの強襲を気にする必要はないだろう。他の生徒達には悪いが、一日英気を養って、明日、突入して決戦だ。\n俺達は、誰もいない寮の中、仲間達で作った料理を楽しみ、いつも通りに騒いで、そして寝ることにする。\n特別なことなんて何もする必要はなかった。俺達は俺達のまま、ただそれが当然と立ち向かう。\n特別だから勇者なわけじゃない。ここにきて、やっとその言葉を俺は実感することが出来た。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "パパ、パパ",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "部屋へ戻ろうとしたところで後ろからカミシアに呼び止められた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "どうした、カミシア?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "明日ほら、最後の戦いなわけでしょ。一番大切なママと二人きりって時間があってもいいと思うの\nほら、二人で朝まで、ね。朝チュンってやつ?",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "……時々凄いこと言うけど、意味分かってるんだろうな、カミシア……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ちなみに、私は他のママの部屋に行ってるから、気兼ねなくどうぞ♪必要なら、紅ママも連れていっちゃうから",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "そう、ニンマリ笑いながら言うと、カミシアはトタタタと廊下を消えていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……まったくもう、気が利く小悪魔に成長したなあ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "嬉しくもあり可愛くもあり怖くもあり、だ。\nだけど、その気持ちはありがたくいただこう。大切な仲間達の中でも、一番隣にいてほしい彼女と、今夜は過ごしたい……。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"カミシア",
"姫"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 034703_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "ヒメ、お待たせ♪",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ああ、ヴェル。悪いないきなり呼んで、って、ええ!?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "可愛らしいメイド姿で現れたヴェルに思わず叫んでしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うふ。可愛いでしょ。オペラさんに借りちゃった\nなんといっても、偉大なる新たな勇者さまの、最初の伝説前夜。愛する女としては、それなりのご奉仕の気持ちをね\n似合うかしら",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "いや、もちろん似合ってる。ていうか、予想もしてなかったから驚いた……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "なら、大成功ね。どんなことしたらヒメ喜んでくれるかなー、って色々考えてたんだから\nさあ、ご主人さま。この専属メイドが、心から愛してさしあげます……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "そう艶っぽく言いながら、しな垂れるように、俺へと抱きついてくるヴェル。それだけで心臓が一気に速まった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ねえ、ヒメ。私はあなたに誓ったわね。未来永劫あなたのものだって\n私、本当に、あなたを好きになって良かった。あなたのものになれて良かった\nだから。受け止めてね。あなたの覚悟を持って、私の未来を受け止めてね",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ああ。ヴェルこそ俺の隣にいてくれ。俺の覚悟の象徴になってくれ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺達は自然と唇を合わせると、そのままベッドの上へと倒れていった……。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"ヴェル"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 034704a_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "姫くん!大丈夫ですか!無事ですか!夜伽をお命じですか!?",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "思い切り慌てながら入ってきたノートに、思わず目を見張る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "な、なにごと!ていうか最後の危険だから抑えなさい!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "だ、だって、アミちゃんが、お兄ちゃんが苦しそうに、もう暴発しちゃいそう!一分一秒争うから、早く来てくれっ、辛い!って言ってたって!!\nぼ、暴発って聞いたので、あの、その……最近、ご無沙汰しちゃっているのかなって……男の人は、そういうの辛いって聞いたことありますし",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "ああ、うん、確かにそういう時は辛いかなあ。ていうかアミア、後で説教だ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あの、違うんですか……?",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "……違……わないかもしれないなあ。その……出来たらいいなあ、なんて思っちゃってはいるし……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "えへへ。穿き替えて来て良かった……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "だ、だけどな、今更遅いって雰囲気かもだけど、本当の目的としては、突入前の夜に、ノートと色々話して、明日への気持ちを高めたいなあ、っていうことで……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "だったら、アミちゃんの言うこと、正しかったんですね♪",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "笑顔で、ぽん、と手を合わせるノート。うーん、間違ってはないんだけども確かに……でも正解点はあげたくないなあ……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それに、ですね……あの……こ、こういうこと言うのは女の子としてダメなのかも、なんですけど……\nボクも……姫くんに愛されたかったので……\nボクの方が、暴発寸前だったかも、です……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "……恥ずかしそうに爆弾発言をしてくれるノート。そんな姿と言葉の内容のギャップにドキッとしてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……いいですか、姫くん……?",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "否定は到底できそうになかった。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"ノート"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 034704b_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "にいさま、お呼びですか?",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "扉を開けて、ウルルがちょこんと姿を見せる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ。悪いな、わざわざ来てもらって",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "いえ、にいさま直々のお呼び出し、となればどこにでもウルル来ちゃいますっ\nオペラも、ハンカチ振りながら送り出してくれました",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "あの人、絶対に色々分かってやってるよなあ……。\nオペラ=ハウス。前勇者のパーティーでありながら、今俺達の下にいてくれる心強いメイドさん。\n心……強い……メイドさん……。\n心強くはあるけど、不安の種でもあるからなあ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それで、にいさま。どうかしたんですか?お部屋に呼ぶなんて珍しいですけど",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ああ、いや、大した用事ってわけじゃない。ただ、明日の前に、ウルルと普通に色々話して、気持ちを高めておきたいって思っただけだ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そういうことでしたら、はい、ウルルもです。にいさまと、色々お話したいって思ってました\nにいさま",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ウルルは言うと、笑顔で真っ直ぐに俺を見る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ウルルと出会ってくれて……ウルルの手を握ってくれて、ありがとうございました\nにいさまがいてくれなかったら、きっとウルルはずっと昔のウルルのままで、オペラや竜族のみんなに、ただ甘えていただけだったと思います\nにいさまが、ウルルの未来を変えてくれました",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "俺の方こそ。ただの弱い人族でしかなかった俺だけど、あの日の夜、ウルルに出会えたおかげで救われた\nこの世界でも、こんな友人がいてくれるんだって思えた。紅がいて、そしてウルルが出会ってくれて、そのおかげで今の俺がいる",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "えへへ。でも、今はもう、友人じゃイヤですよ……?",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ちょっと恥じらいつつも、上目遣いで俺を見上げるウルル。その表情は可愛らしい少女で、けれど、貪欲に俺を求める大人の女性にようにも見えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ……俺も、もうそんな目じゃウルルを見られそうにないし",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "知らない人が見たら、凄く危ない人間に見えるんだろうなあ、俺は。今のセリフもあるし。\nだけど、そんなのはもういいや、と割り切れる。それくらいに、俺はウルルに隣にいてほしいと思ってる。\n俺とウルルは、そのまま、素直に友人以上の行為を求めていった。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"ウルル"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 034704c_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "俺は、部屋へと戻ると紅が戻ってくるのを待つことにした。\n今、この時間、紅と一緒にいることで、強い何かをもらえる。そんな気がしたから。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "姫、戻ってたのか",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "やがて、髪のリボンを解き、その黒髪を揺らしながら紅が部屋へと入ってくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お帰り、待ってたんだ……って、紅?戦闘服なんか着て、どこか行っていたのか?明日は突入だっていうのに",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ああ、ちょっとアミアに相談があってさ",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "アミアに?また珍しいな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "何か出来ることはないかと思って、少し特訓をしてたんだが、ちょっと思いついたことがあったんでな、相談に乗ってもらったんだ\n思っていた以上に凄いんだな、アミアは。元になる技術があるなら簡単だ、とか言って、数時間でやってくれたよ\n姫の方こそ、どうせ何かやっていたんだろ。いつもの日課とか",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "全部お見通しか",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "休んでろ、って自分で言っておきながらそれだしな。ま、姫らしいよ",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "紅は苦笑しながら、俺の隣、ベッドの上に腰を下ろした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……なあ、姫",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "ん?どうした",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あの、その……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "紅はモジモジと指を絡ませると、恥じらいを浮かべながら尋ねてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "待っていてくれた、っていうのは……やっぱりその……し、したいから……?",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "……えーと……俺としては、ちょっと二人きりでいられたらくらいに思ってたんだが……うん、そういう流れになるかも……最終的には",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そ、そうか……良かった。あたしも、姫に力を分けて欲しいって思ってて……姫と……したかった……\n明日、あの人たちに挑むんだもんな……そう思うと、怖くなる。姫が隣にいないと、泣きそうになる……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "……俺はずっと、紅の隣にいるよ……間違えてないよな?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ああ、もちろんだ。あたしはもう間違えない\nだけど、その未来を掴むために必要な覚悟はある。ここでその覚悟まで捨ててしまったら、それこそ、また間違いの道を進むことになる\nだから、その覚悟を刻んで欲しかったんだ。姫の手で……あたしの身体の中に……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "俺も同じだ。今この時だけは、紅と一緒にいたい……そうすればもう少し強くなれそうなんだ\n大切なみんなの中でも、今だけは、紅の温もりとか匂いとか柔らかさ、とかが欲しかった",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "……結局、したかったんだな。このすけべ……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "えっと……すみません、男なもので。決意の時っていうのはやっぱり……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ふふ。もちろん、いいよ。言っただろ、あたしも欲しかったって。だから、して?姫……",
"speaker": "紅"
}
] | [
"姫",
"紅"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 034704d_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "なあ、本当にこれでするのか……?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ええ。今日の私は、ヒメにご奉仕するためのメイドさんだもん。ヒメは私にたくさんされながら、私にしたいことをすればいいの",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ベッドの上で上下逆さな状態で重なりながら、俺達は、互いに秘所を目の前においていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "で、でも……あんまり近くでは見ないでね。恥ずかしいから……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "そう言われても、こんな近距離にヴェルの……があれば、男なら誰だって見たくなって当然だろう。\nこの下着の下に、ヴェルの一番恥ずかしい場所がある。それを考えるだけで、俺の下半身は大きく怒張していた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そういうヴェルは俺のをたっぷり見てるんだけどなあ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "これはその……お、お世話になるからご挨拶を……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ヴェルの手で、既にさらけ出されている俺のそれを、ヴェルはマジマジと見つめていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……これ、もっと大きくなるのよね?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ま、まあ、ヴェルのを見たりいじったりいじられたりすれば当然……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺の回答に、ヴェルは一瞬引きつるものの、すぐに自分に言い聞かせるように呟きながら立ち直った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、うん。大丈夫。ヒメのだもの、絶対平気\nそれじゃあ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ヴェルは、覚悟を決めるように一回り大きく深呼吸をすると、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あむっ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "そのまま、俺の先端を口に咥えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、わ……ヴェルの口の中……あ、あったかい……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ヴェルの吐息が俺を包み込むと同時に、唾液に濡れた舌が、俺をなめ回し始める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……こ、こんな感じ?あん、ん……\nん……あむ、む……んぅっ……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "どこが一番俺が感じるか、それを探るかのように、様々な場所を、頬を染めながら愛撫していく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああ……舌が、す、凄くいい……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ヴェルの小さな口いっぱいに頬張られた俺を、ヴェルの熱い舌が辿々しくなめ回していく。その快感は凄まじく、一気に射精感が湧き出してきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あむ……ん……もっと、頑張る……ん……わね……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "う……く……っ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺に奉仕しようと、慣れない舌で懸命に頑張るヴェル。それだけでも俺を興奮させるには充分だ。\nしかも、今俺の目の前にはヴェルの恥じらう場所が突き出されている。\nその下着姿だけでも目に焼き付きかねないのに、その下の部分すらもがうっすらと見えるようだ。その興奮は相当だった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "じ、じゃあ、俺も……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "このまま見てるだけで満足できるはずもない。俺は下着の上から、ヴェルの秘所を左右に開いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "それだけで、ヴェルは俺から口を離し、小さく喘ぐ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、あ、だめ、ヒメ。あんまりやられちゃうと、し、集中できなくて……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "俺も好きにしていいんだよな。だから、お互い気持ちよくなろう",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "も、もう……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "真っ赤になりながら、ヴェルは再び俺を咥える。けれど俺も、ただ奉仕されるだけじゃあガマンできない。\n自分の行為で感じてしまっていたのか、それとも、俺が開いたことで中の蜜がこぼれてしまったのか、ヴェルの下着にはヴェルの形にシミが出来ていた。\n俺はその上から、ヴェルの一番敏感な豆粒を、ぐりぐりといじる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あんっ……や、そ、そこ、は……上からぐりぐり、だめぇっ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "やっぱりここは本当に弱いらしい。ヴェルは再び俺を離すと、大きく喘いだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ち、力はいんなく、なっちゃう……っ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "そんなヴェルが可愛らしすぎる。メイド姿のヴェルの、もっと恥ずかしい姿が見たい。俺はそんな欲望に素直になると、ヴェルの下着をズリおろした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃんっ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "さらけ出された自分のものに、ヴェルが可愛らしい恥じらいの声を出す。\n左右に開かれたそこは蜜に濡れ、テラテラと輝いて見えた。そのまま、下ろされた下着との間に、数本のいやらしい糸が引かれている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あれだけでも感じてくれてるんだ……ちょっと糸引いてるのがやらしい……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "や、あ、見ないでっ。そ、そういうのはダメ!汚いからっ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "全然平気だよ。それに、こっちももうこんなに濡れて……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "秘裂の中に舌を這わせる。同時に、ヴェルは大きく天井を仰いだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふあっ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "そのまま、秘裂に沿って舌を動かしながら、一番前の部分へと持って行く。\nそして、奥の方に隠れた突起を、舌でほじくり返すように愛撫した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、や、だめぇ……そ、それは一番敏感……やぁ、出さないでっ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "身体を震わせながら、必死に耐えようとするヴェル。それでも、蜜の量は増え、響く嬌声も更に甘くなっていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "も、もうっ。だったら、わ、わたし、だって……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "さすがに、やられっぱなしではダメだと察したのか、ヴェルは必死に堪えながら、俺への愛撫を復活させた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んむ……あん……んぅっ……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "亀頭の部分をたっぷりの唾液と共になめ回し、そのまま裏の方へと向かう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あむ、む……んんっ!!や、ああんっ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "そして今度は、舌先で鈴口を。先走りを舐め取り、更にその奥にあるものまで残さぬように吸い上げる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……し、舌先、は……くうっ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "目の前にあるヴェルの秘裂と、下半身への強烈な愛撫。俺の興奮は最大限にまで高まっていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んんっ……あ、あむ……んぅっ……んん!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "俺の愛撫を耐えながら、ヴェルは俺を感じさせようと必死に口を動かしていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う……く、あ、も、もう!!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "その拙い動きが、逆に俺を感じさせる。そして何より、ガマンするよりもヴェルの口へと解き放ちたい。そんな欲望が俺を支配していた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "俺はヴェルの中へと、思い切り欲望を放出する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あう……と、止まらない……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "その量は、考えていたよりも遥かに多く、ヴェルの口いっぱいに噴き出されていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、んぐっ、ん!んん……ん、うっ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "そしてヴェルは、少しも迷わずにそれを飲んでいく。\nさすがに量が量なせいか苦しそうではあるものの、ヴェルは一生懸命に、俺を飲み干していった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……凄いたくさん……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "やがて、ようやくすべてを飲み干したヴェルが、俺から離れる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "で、でも、ヒメの……飲んじゃった……え、えへへ……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "恥ずかしそうに、けれど嬉しそうに笑うヴェル。なんていうか、本当に奉仕の似合う子だなあ、と思う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "無理しないでいいのに……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "無理じゃないもの。私がね、飲んでみたかったの。ヒメのことは、全部知っていたいもの",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "相手が俺だから。そんなヴェルの気持ちは本当に嬉しくて、出し切ったはずの俺を、再び興奮させていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それでは、ご主人様……いかがでしょうか",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "まったく目が離せません。凄い光景です",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "相も変わらずご奉仕モードのヴェルは、萎えようとしない俺を、やっぱり自分から満足させようと騎乗位の形に跨った。\n自ら捲ったスカートの中、下着はもう脱ぎ去っており、その濡れた割れ目がハッキリと見える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えっち。あ、あんまり近くでは見ないでね……恥ずかしくて動けなくなっちゃうから……\nでも、さっきあんなに出したのに、もうこんななのね……ヒメ凄い……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "この体勢のせいで、更に興奮してしまっている自分に改めて驚く。さすがのヴェルも、それを見てちょっと驚いていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "目の前でヴェルのこんなの見させられて、ならない方がおかしいだろう。これからの期待もあるし……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そ、そう?それじゃあ……応えないと、よね",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "このヴェルの中にまた入れる。ヴェルの身体を味わうことが出来る。その期待だけでも、俺の昂ぶりは凄かった。\nそんな俺の答えが嬉しかったのか、ヴェルは可愛らしく笑うと、俺を自らの入り口へとあてがう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ、頼む",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "それじゃあ、ご主人様の……寵愛、いただきます……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "そして、しおらしくそう言うと、俺を飲み込み始めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "く……ん、んっ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "前回ほどではないものの、やはりキツイ入り口を、怒張しきった俺がズブズブと入りこんでいく。\nヴェルはそれを、少し苦しそうに受け入れていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まだ痛むのか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ううん、痛みはほとんど……まだ、私の身体が行為に慣れてないだけ。この世界じゃあ、まだ二度目だもん",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "確かに。一度いれただけで慣れるはずがない。つい先日までは、本当に未経験の身体だったわけだし。\nだけどそれでも、ヴェルは腰を止めようとはしなかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でもね……う、くっ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "その一番深いところまで、俺を一気に埋めてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ほら、大丈夫、でしょ。私の身体が、ヒメの身体を受け入れないはずないもの♪",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "俺が入りきった瞬間、まるですべての苦痛が無くなったかのうように笑顔になるヴェル。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お味の方は、どう?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "そんな質問への答えはもちろん決まっていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……すぐにでも出そう……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "まるで俺のためだけにある場所のように、俺の感じる場所、弱い場所をピッタリと締め付けてきている。\nこうしてジッとしているだけでもかなり辛い。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もう、私のご奉仕を何もされてないのに出さないでね。寂しくなっちゃうから",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ヴェルはクスと笑いながら言うと、その胸元へと手を運んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……それじゃあ、こちらの方も、どうぞ……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "そうして開かれたメイド服の中から、ヴェルのバランスのいい膨らみが、ブラに包まれたまま姿を見せる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大きさじゃ、ノートや紅に負けるけど、形とかは結構いいと思うの",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ちょっと恥ずかしそうに言いながら、対抗してか、その胸を突き出すように見せるヴェル。\nそれは大きいとかそれ以前に、ヴェルの胸だという価値を持っている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もちろん。ヴェルの胸、俺は凄い好きだよ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は腕を持ち上げると、下からヴェルの胸を揉む。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、んっ……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "柔らかい膨らみが、俺の手の中で大きく形を変えると同時に、ヴェルの口から甘い鳴き声がこぼれた。\nその可愛らしい声をもっと囀らせたい。そんな気持ちで、俺は円を描くようにヴェルの胸を揉みしだいていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "も、もう……その優しい触り方、ず、ずるい……\nこの触り方されると……わ、私、凄い、感じちゃって……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ああ、分かるよ。触った瞬間、中が凄い濡れた",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "結合部から、蜜が溢れているのが見える。もしこのまま腰を動かせば、驚くくらいの快感が襲ってくるだろう。それを考えると少し怖くもある。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "私の身体は、ヒメっていう存在に感じちゃうんだもん……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "あくまでもそんな可愛らしいことを言ってくれるヴェル。その言葉が、更に俺を興奮させ、腕の動きを大きくさせる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……あ、い、いい……ヒメの指が……私の胸を撫でていくの……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "膨らみの表面を撫でさするように愛撫しながら、中心にある固い突起の部分を爪弾いてやる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふぁ……と、飛んじゃいそう……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "それだけでも、ヴェルは気持ちよさげに身体を震わせた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、されてばかりじゃあ、奉仕の意味ないものね……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ヴェルは笑みと共に言うと、腰を大きく上下に振る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うあ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あまりに激しい快感が走り抜け、思わず放ってしまいそうになるが、どうにかそれを抑えこんだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "い、いきなりそんな激しいのかっ。あ、あやうく出るとこだったぞ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "だがヴェルは、そんな俺の言葉を聞かずに、腰を動かし続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んんっ……こ、これ、凄くてっ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "思い切り濡れているためか、前の扉での経験の蓄積のせいか、ヴェルは感じながら、懸命に腰を動かし続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "私の中で、お、大きくなってく……あ、ああんっ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "な、や、やめっ。ただでさえこんなギチギチに締められてるのに!う、あ、ああ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "容赦のないその責めに、俺は必死に自分を抑えようとするものの、正直どれだけもつか分からない。\n今すぐに放ってしまってもおかしくない、それほどの快感だ。このままじゃあ、ヴェルが達するまでも保ちそうにない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、だったら、こっちの方、も……\nう、わ……失敗したぁ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "直接胸を、と考えブラをズリ上げさせたものの、はっきり言って大失敗だった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ヴェルに合わせて揺れまくって……い、いやらしすぎて興奮する……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ブラの下からこぼれ落ちた膨らみは、ヴェルの上下運動に合わせてブルブルと揺れてしまう。\n俺の位置からのその光景は、あまりにもいやらしすぎた。見ているだけで肉棒が反応しているのが分かる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……あ、ああ……ヒメが奥にあたると、凄いの……ぞくぞくって、背中が震えて……声が、でちゃう……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "だがそれでも、何もしなければもう達してしまう。俺は必死に手を伸ばすと、その揺れる胸を、直接掴んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んん!あ、また!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "動きに合わせて揺れる胸を揉みしだきながら、その尖塔を指先でつねる。ヴェルは激しく天井を仰ぎ見ると、喘いだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、だめっ!つねっちゃ、や!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "それでも動きは決して緩くならない。ぐっちゃぐっちゃと響くいやらしい水音に、俺の理性もいつしか沈み込み、ただ愛撫し、されるだけとなる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……ああん!!や、あ、い、いかがです、か、ご主人さま……わ、わたしのお味、は……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "最高に決まっている。けれど、そんな言葉すら言うことができなかった。\n俺はただ、一秒でも長くこの快感を味わいながら、同時にヴェルを感じさせるために堪え続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "も、もう……あ、あ、ああっ……や、あ、だ、め!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "だが、そんなヴェルの方も、やはり保たなかったらしい。ガクガクと震えながら、その背を大きく反らし、そして、喘いだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、や、あ、ああああああああっ!!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "びくんびくん、と激しく痙攣するヴェルの秘洞。その反応に耐えられるような力はもう残っていない。\n俺は耐えに耐えきった証を、思い切りヴェルの中へと解き放った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……はぁ……ご主人さまの、いっぱい……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "どこかうっとりとしたような表情で、ヴェルが俺を見下ろしている。そんなヴェルの姿に見とれながら、俺も欲望を吐き出し続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もっと……もっと下さい、ご主人さまぁ……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "白いそれは、ヴェルの中では既に入りきらず、結合部からあふれ出している。\nそれでもまだ吐き出し続ける快感。俺とヴェルは、互いの身体がもたらすそれに、染まりきっていた……。\nそれからしばらくたち、少し回復したところで、俺はヴェルをベッドの上に寝かせていた。さっきはヴェルに頑張ってもらったから、今度は俺のターンだ。\nケープとリボンとニーソだけ、というあられもない格好。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あの……本当に、これで……?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "しかも、自分の手で、その恥ずかしい場所を開かせている。こうして見ているだけで、俺の下半身がまた昂ぶっていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ。今のヴェル、凄いいやらしいよ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "だ。だって……こんなところ、じ、自分でだなんて……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "さすがに真っ赤になって恥じらうヴェル。それでも、俺のためだからといって隠そうとしないところが本当に可愛い。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ヒメがたくさんこぼれちゃって……あ、見ないで……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ヴェルと俺、二人の身体から放たれたものが、ヴェルのそこからボタボタとこぼれ落ちていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ、隠そうか……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は、ヴェルのあられもない姿にすっかり回復しきっている俺を、そっとあてがった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んん!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "その最奥まで、抵抗もほとんどなく俺が飲み込まれていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "さすがに今回はスムーズに入ったな。こんなに濡れてるんだし……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "三度目で慣れてきたのか、それともさっきの行為で濡れているためか。\nどっちにしろ、今のヴェルはもう準備が出来ているということだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……だめ……ヒメがお腹にいるだけなのに……わ、私、ぞくってきちゃう……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "特に動いているわけでもないのに、ヴェルは気持ちよさげに身体を震わせる。俺の方も、こうして中にいるだけで震えてしまいそうになる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ……動くぞ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ん……あ、はぁ……ああ……んうっ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "熱く濡れきったヴェルの中を、ひたすらに前後する。絡みつくようなヒダを引き剥がしながら抜くと、今度はそれを捕まえるように押し込んだ。\nその度にさっきの行為の証がぐじゅぐじゅと溢れだし、淫靡な音をまき散らした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、だめっ!イったばかり、だから……も、もう……!やあ!び、敏感すぎてっ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "始めから強めの運動に、ヴェルは大きく喘ぎ、叫ぶ。\nそれだけ感じてくれてることが嬉しくて、俺は更に動きを強める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひゃんっ!や、あ、ああ!くる、もうきちゃうのっ!ダメ!ダメ!!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "俺もだ……ヴェルの中、さっきより熱くて……ドロドロで……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "更に溢れてくる蜜と上昇するヴェルの体温のせいで、そこはもう灼熱の壺だった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "精神ごと溶けそう、だ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺のすべてが溶けて、そのままヴェルと混じってしまう。そんな快感が全身を包む。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "わ、わたし、もう、溶けてる……や、ヒメが、気持ちよくて……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ヴェルはもう限界だった。さっきあれだけ激しく動いたせいもあるのかもしれない。\nそしてそれは、俺も同じだ。俺のためにあると言って間違いないだろうヴェルの秘裂。その中を全力で蹂躙し続ける。\n身体の奥から溢れてくる射精感に、もう意識は支配され、このままヴェルを犯したい。俺の欲望で塗りつぶしてやりたい。そんな考えでいっぱいになる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ヒメ、ヒメ!ごめんなさい!も、もう!や、あ、あ、ああ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ただ熱く、甘く喘ぎ続けるヴェル。その顔は快感に満ちていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、出すぞ、ヴェル!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "は、はいっ!出して!お願い!ああ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ヴェルの秘洞が強く締まる。それと同時に、俺は一番深い部分へあたるようにと、思い切り腰を突き出した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うあああ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そして、今日三度目の爆発が、ヴェルの中へと放たれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああああああああああああぁぁぁぁっ!!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ヴェルも大きく身体を震わせながら、今日二度目の絶頂に達していた。\n俺はそんなヴェルの中に突き立ったまま、びゅくん、びゅくんと痙攣しつつ、更なる欲望を放っていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え……ヴェル……?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "と同時、俺は気づいた。ヴェルの身体から吹き出している、その液体の存在に。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え?あ、や、やあっ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "放心しかけていたヴェルだが、俺の言葉に気がついたらしい。\n秘裂の中、上の小さな穴からちょろちょろとこぼれている、温かな液体。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "な、なんで、や、ダメ!ダメ!止まって!\nご、ごめんなさいっ。やぁ、からだに力、はいんない……だめ、いやあ、見ないでっ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "必死に止めようとしているものの、どうやら身体が完全にイッてしまっているらしい。それは止まらず、俺の身体にこぼれ続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あう……や……いやぁ……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "俺の射精もまだ止まってはいない。俺はヴェルの中へと白い欲望を放ちながら、ヴェルのちょっとだけ黄色い液体を浴び続けていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……え、えへへ……ヒメ、いっぱいでた、ね……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "あ、ああ……三度目なのになあ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺とヴェルの放出は、お互いほぼ同時に終わっていた。\nそしてヴェルは恥じらいから、俺はそんなヴェルに何を言っていいかわからず、微妙な空気が流れている。\nいやまあ、ヴェルのだし、イヤということはないわけで……しかもああいう恥ずかしいシーンを見れるというのは男としては悪くない気もしてしまうわけで。\nとはいえ、ヴェルの方はさすがにそうはいかないようで。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "その……いっぱい、かけちゃった……わよね?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "い、いやその……ま、まあ、大丈夫じゃないかなあ\nヴェルのだし、その、いやじゃないから……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "え、えへへ……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "お互いになんと言っていいのか本当に分からず、俺達はただ苦笑しあっていた。\nとりあえず、シーツ交換しないと。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"ヴェル"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 034705ah_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "え、えへへ……やっぱり、いざとなると恥ずかしいですね……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "ベッドの端に腰掛けながら、ノートは恥ずかしそうに俺を見ていた。\nなんていうか、初めてじゃないとはいえ、まだ二回目だ。慣れてるわけでもないし、女の子であるノートは恥ずかしいに決まっている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "で、でも、決してイヤじゃないので、その……姫くんにお願いしてもいいですか……?",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "それでも、こういうことを言ってくれるということは、本当に俺を想ってくれているということなんだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "服の脱がし方とかよく知らないけど、いいのか……?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "はい……お願いします",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "恥じらいながらのその言葉に、俺は興奮を隠せなかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……こんなアップで見ることになるとは思わなかった……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "苦労しつつもノートに教えてもらいつつ上着を脱がせば、ギュッと中身の詰まったような豊かな乳房と、それを包み込む清楚なブラとが姿を見せた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "下着つけてこれなのか……はは……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "その迫力に思わず呟いてしまう。そんな俺の反応にノートは顔を赤らめた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、はい。なぜか育っちゃいました……もうちょっとアミちゃんにあげられればな、って思ったことも……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "それ言うと、多分アミア凹むから注意な",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "その場でノートのこと押し倒しそうだもんな、アミアなら。\nだけど、本当に凄いな、これ……。\nこれだけのものを見て触れるのが俺だけだということが、改めて嬉しく感じる。本当に、俺のためにあるみたいだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まるで俺のために大きくなってくれたみたいで嬉しいな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あ、だったら、ボクも嬉しいです。姫くんに喜んでもらうためなら……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "何気ない俺の言葉に、小さく笑ってくれるノート。本当に嬉しそうなその笑みは、俺を赤らめさせるのには充分すぎた。\n俺は、その膨らみをそっと包むように揉み上げてみる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "小さな喘ぎと共に、手にずっしりとのしかかる重量感。これなら本当に肩凝るだろうなあ、なんて思ってしまうほどだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ブラの上からでも、こんなに柔らかい……\n本当に、この胸を俺が好きにしていいんだよな……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "これだけのものを持っているノートみたいな美少女、そういないだろう。それを、俺が自由に楽しませてもらえる。それだけで心躍るものがある。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "姫くんだから、ですよ。それに、この前だって、お風呂でもう好きにしてます。クス",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "……そうでした、すみません。あの時はちょっと興奮しすぎまして……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "今日は、いいんですか……?",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "……いいのか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "何かを期待するかのような目で俺に尋ねてくるノート。期待に、思わず聞き返してしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "忘れちゃいました?ボク、お母さんから姫くんにプレゼントされちゃったんです。ボクの身も心も、どこだって全部姫くんのものなんですよ",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "微笑みながら、自分を差し出してくれるノート。その微笑みは、正直ずるすぎた。\nその薄いブラを上へとズリ上げると、魅力の凝縮した膨らみが、まさにポロン、とこぼれ落ちてきた。\nなめらかでいて、そして柔らかそうなその乳房に、思わず見とれてしまう。\nその先端も、この先を期待するかのように硬くなっていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……乳首、もうこんなになってるんだ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "はう……ごめんなさい……はしたない子です",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "俺に指摘され、しょぼんとしてしまうノート。こういうところがノートの魅力だと思う。",
"speaker": "地の文"
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{
"utterance": "いや、むしろ可愛いし\nそれに……やっぱり直接見るのは凄いな……大きさもだけど、柔らかそうだ……",
"speaker": "姫"
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{
"utterance": "俺は吸い寄せられるように、その膨らみへと手を這わせた。そのまま静かに揉みしだいていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……は、んんっ",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "俺の手よりも大きな膨らみが、軽い力で簡単に形を変えていく。\nその弾き返そうとする弾力と、手がそのまま埋まってしまいそうな柔らかさ。相反するその感触に、俺はその胸を楽しみ続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ……姫くんの手は、優しくて、あったかくて……でもちょっと強めなところが好きです……\nもっと……愛してほしくなります……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "そんな俺の愛撫に、ノートは気持ちよさげな声で応えてくれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ、俺もノートのこの胸、大好きだ。もっともっと、ずっと触っていたくなる\n本当に、手が吸い付くみたいで離れてくれない……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "これだけのボリュームにこの柔らかさ。一度触れたら、本当に離したくなくなる。\nこのままずっと揉み続けていたい、そんな欲望の赴くままに、俺はノートの胸をもてあそんだ。\nが、そんな俺を、ノートは甘く喘ぎながらも遮ろうとする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、あ、ああ……で、でも……あふ……そ、そこだけでいいんですか……?\nボ、ボクはもう……んんっ……し、下の方も……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "女の子にとっての一番の神秘とも呼べる場所。ノートのその場所を、男が気にしないでいられるはずもない。\nしかもそれを、本人の口から言われてしまっては、さすがにガマンもしきれなくなる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そう言われちゃうと、ガマンできなくなるよな……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は、ノートのすべてを楽しませてもらうことに決めた。\nベッドの上に、押し倒すようにノートを横にさせる。そのままスカートの部分を取り除いてしまえば、ノートらしい清楚な下着が姿を現した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もう、こんななんだ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "その中心部分は、すでにシミが出来ており、少し広がりつつあった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふえぇ……い、言わないで下さい……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "ああ、そうか。さっきのはしたないって……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "……はい。ごめんなさい……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "さっき胸を晒した時点で、既にこうなっていたってことか。そういえば、穿き替えてきたとか言ってた気がするし……それがもうこんなに。\nそれだけ、俺との行為を期待してくれていたってことか……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いや、全然嫌なことじゃないから。でも、だったらこの下はもっと……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そう考えただけで、俺の下半身が昂ぶっていく。\n予想してしまったら、もうダメだった。この薄い布の下、ノートの一番隠したい場所を、間近で見たい。\nその白い下着へと、俺はそっと手をかけた。\n横にずらせば、ノートの綺麗な秘裂と、銀色の柔らかいヘアが顔を覗かせる。\nけれどもそこは既に染みだした蜜で塗れており、ヘアも貼り付いてしまっていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うわ……もうびしょびしょになってる……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あ、あまり見ないで下さい……\nそこは……あの、は、恥ずかしいです……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "さすがにこことなると、胸のようにはいかないらしい。顔を真っ赤に染めながら、視線を逸らしているノートが可愛らしい。\nそれでも拒否することなく、羞恥に耐えながら見せてくれている。ノートにとっては相当なことだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、凄い綺麗だけどな……ほら……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は、そんなノートに微笑みかけながら、そっとその秘裂に指を押し入れた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んあぁっ!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "ノートの小さな唇から、強い喘ぎが響いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……あ、ああんっ!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "そのままちょっと上下に動かすだけでたくさんの蜜がこぼれ、ノートの声が激しくなっていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ちょっと開くだけでこんなに溢れてくるんだ……凄いぬるぬるになってる……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "はぁ……あ、んんっ!姫くんの指だから、ですっ",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "柔らかい肉壁をさすりながら、俺は指を下降させていった。そこにあるのは、俺によって開かれたノートの入り口。\n俺はその周りを、焦らすようにゆっくりと撫でていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "も、もっと、姫くんに……ふぁ、ああんっ!や、あ……感じさせて……んあぁ!ほしくて……!!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "ああ……なら、これはもういらないよな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あ、う……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "横にずらしていただけのショーツを、俺は完全にはぎ取った。ある、というだけでも安心感は違ったのか、ノートの顔はより真っ赤に染まっていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もう、あんなだったし……それにこれからは……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "は、はい……メチャクチャに、して下さい……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "俺は、その言葉に応えるように、ノートの中へと人差し指を埋めていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ゆ、指、入れちゃ……っ\nは、あ……や、ああんっ!!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "埋もれていく指に合わせるように、ノートが激しく喘いでいく。そして、中から溢れてくる蜜の量も、格段に増えていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まだまだ溢れてくる……それに、ここもこんな膨らんで……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そのまま親指で割れ目の頂点部分、隠れた敏感な突起をいじらせると、ノートは身体を弓なりに反らせた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、う、あ、や、ふぁ、あ、あああっ",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "そしてそのまま、人差し指の抽挿を繰り返す。少し速めに、そしてリズミカルに。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、あ、あぐ!き、きて……ゾクゾクって……き、きてて……あ、や、ああっ!\nダメ、ダメ!も、もう、真っ白で……ん、あ、ああっ",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "びくびくと身体を震わせ、その乳房を揺らしながら、ノートは激しく声をあげた。肌が上気し、こぼれる蜜がシーツを汚していく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こことか、この前、凄く感じてた……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ぷっくりと膨らんだ敏感な突起を、更に強くなぞりあげる。瞬間、ノートの身体が大きく跳ねた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひっ、あ……は、あ、ああっ!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "大きく天井を仰ぎ見ながら、感じ続けるノート。その股間からはピチャピチャと水音が響き、もう感じきっている。\nその身体をすべて俺に任せ、俺の指が動くままを、素直に感じてくれている。\nそして、一際大きく、ノートが鳴いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あああああああっ!!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "え?うわっ。す、凄い……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そして、絶頂と同時に、ノートが吹いた。\n大量の潮が、ノートの奥から吹き、シーツをビショビショにする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "聞いたことあったけど……こんなに吹くんだ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "初めてのその光景に、俺は想わず呟いていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ノート、本当に大丈夫か?凄く辛そうにも見えるけど……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ベッドの上で四つん這いになったノートに、改めて尋ねてみる。ノートは、イッた直後のせいか、まだどこかポーッとしていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……だ、大丈夫です……むしろ、その……あ、あんなところを見せちゃって……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "それでも、さっきのがさすがに恥ずかしかったんだろう。俺と目を合わせようとせず、真っ赤になったままで俯いてしまっている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……でも正直、興奮した。おかげでその……ここはこんななわけで……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "前回以上に、硬く怒張したそれを、ノートの入り口へとそっとあてがう。もう限界と言ってもいいくらいに昂ぶっており、このままじゃ収まってくれそうにない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いいか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "は、はい……でも、その、イってしまったばかりでちょっと敏感みたいで……\n優しく、して下さい……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "俺は頷くと、ノートの中にゆっくりと入っていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……あ……は、入ってくる……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "初めての時とは違い、ノートはキツイながらも抵抗なく俺を受け入れてくれた。\n前回同様狭い秘洞に俺の肉棒が遠慮無く沈み込んでいく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "凄い……姫くんが……ボクの中に……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "熱く火照ったその中は、先ほどまでの行為による蜜で充分に濡れており、俺をしっとりと受け止めてくれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ノートの中……もうドロドロで凄い……\nギチギチにキツイはずなのに……ずぶずぶ入っていっちゃう……濡れたまま、俺を締め付けてきて……\nうぁ……本当に、溶かされてるみたい、だ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "この中にいるだけで、ノートの身体に取り込まれてしまいそうな快感。少しでも動こうとすれば、容赦なく搾り取られてしまいそうな気がする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ボ、ボクも、ですっ……姫くんの、熱い、のが……お腹の中をかき分けて……\nあ……ダメ、です……も、もう感じちゃって……背筋の震えが……止まってくれない……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "一番深い部分へと辿り着くと、それだけでノートの身体が震えた。\n前よりも柔らかさを感じるこの場所は、俺を感じさせるためにあるとしか思えない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "動かすぞ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺はゆっくりと腰を動かし始めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひゃああんっ!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "この濡れ具合なら、と思い、少し強めに動かすと、途端にノートが声をあげる。\nキツイのにスムーズに動ける体内。抜こうとする俺をノートのヒダが貼り付きながら絞り、入ろうとする俺を、キツク締め上げる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、だめです、これ……か、感じすぎ、ちゃうっ",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "二人の粘膜部分が互いを擦りあい、俺達は快感に身体を震わせた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、ああっ……ぶるぶるって、お腹の奥が震えて……や、あ、ああんっ",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "お、俺も……これ、も、もたないっ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ゾクゾクと身体が震えて、勝手に射精感が高まっていってしまう。今すぐにも発射してしまいそうになる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こんなキツイのに……ぬるぬる締め付けてきて……し、搾り取られる……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ひ、あ、ひゃ、ん、んんっ!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "激しく、甘く鳴き続けるノート。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、あ、も、もう、イ、イっちゃう……イっちゃいますっ!\nい、一番深いところが、コツコツって……あ、あ、ああっ",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "その奥に俺の先端がぶつかる度に、大きく仰いだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ダメぇっ。も、もう、ガマン、できな……や、あ、い、いい、ですっ!気持ち、いい!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "そんなノートの声が、俺の方も昂ぶらせていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "俺も、もう、イク!が、ガマンとかしないで、も、もう出す、ぞ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "もうガマンなんてしていられそうにない。すぐそこまで来ている限界に、俺はただ従うことに決めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はいっ、はい!も、もう、下さい!お腹の中に、ひ、姫くんをっ!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "白く狭く染まっていく視界の中で、ノートのいやらし声だけが聞こえてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、ぐ、あ、あひ、きゃうんっ……あ、あう、ん、あ、ああっ!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "そして、一際強く、その最奥へと打ち付けた瞬間、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひ、あ、ああああああああああっ!!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "ノートは達した。激しい嬌声が響き渡る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、くうっ!!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "それと同時、俺も熱いノートの体内へと、同じように熱い欲望を放出させていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふえ……す、凄かった、です……\n力、入りません……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "どくどくと溢れる精をノートの中へと注ぎ込み続ける。\nノートはそれを受け止めたまま、ただ放心していた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お、俺も……その、まだ止まらない、し……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "お腹の中、入り切りません……姫くんの愛情は、いつも満タンです……\nでも、気持ちいい……です",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "その量が多すぎて、結合部から溢れ出す。\nそれでもノートは、俺の放出を気持ちよさげに受け止め続けていた。\nそして、ようやく収まったそれを、ゆっくりと引き抜いていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……はぁ……やっと、か",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "正直、いきなり激しくやり過ぎた気もする。かなりきつかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あう……た、たくさん、溢れてきてる……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "そんなノートの言葉に、え、と見下ろせば、俺が抜き取られ、ぱっくりと開いたままのノートの中から、二人の混ざり合った液体がこぼれ落ちてきていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えっと、何か拭くもの……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "だ、だめです。さすがに、あの、そこまでやられちゃうと。ボク、恥ずかしくて……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "でも、俺の所有物なんだろ?動けないみたいだし……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "……もう。姫くん、ずるい言い方ですよ、それ……\nで、でも……だったら、お願いします……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "真っ赤になって、それでもどこか嬉しそうに言うノート。俺はその願いを承ると、近くにあったティッシュの箱を手に取った。\n終わった時のノートの顔は、羞恥で死んでしまいそうなくらいだったことは付け加えておこう。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"ノート"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 034705bh_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "その……これで、いいですか……?",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "リボンとベストを脱いで、ベッドの上に横になるウルル。恥ずかしそうに俺を見上げるウルルは、いつもよりどこか大人っぽく感じた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なんていうか、このウルルを脱がしていくってだけで、興奮しちゃうな……俺、ロリコンとかじゃないはずなんだけど",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "もう。にいさま、ウルルは充分大人ですよ。160歳なんですから",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "あー、そういえばそうでした",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "正直、ウルルを見てると今一つそんな感じがしない。人族と変わらないように見えちゃうんだよな。\nまあ、そんな可愛いところが、ウルルの一番の魅力なんだろうけれど。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ま、まあ、竜族の中では、かなり若い方ですけど……\nあの、初めての時は、ウルル、痛がってしまって、にいさまもあまり気持ちよくなかったと思うんです\nですから、今日は、存分にウルルを楽しんで下さい。ウルル、どんなアブノーマルな行為でも、にいさまだったら受け入れて見せますっ",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "……そのセリフ、オペラさんに習っただろ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "うにゃっ!?ど、どうして分かったんですか!?内緒にって言われてたのにっ",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "そりゃあねえ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ほんと、相変わらずだなあの人は。お願いだから真っ直ぐ育ってくれよ、ウルル……。\n俺は心の底からそう祈ると、ウルルのブラウスに手をかけた。\n左右に開かれたブラウスの下からは、ウルルの可愛らしい胸が覗く。正直、ブラをつけてないというのがかなりポイントだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えへへ……ちょっと、恥ずかしいです……\nちっちゃいですけど……ちゃんと女の子してますよ",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ああ、もちろん分かってる。それに……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は笑顔で言うと、その膨らみを優しく揉んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "にゃんっ",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ここが、こんな風に感じやすいっていうことも",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は言うと、そのまま胸を愛撫し続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……ん、はぁんっ……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ふにふにとした感触は健在で、片手でも収まるくらいのサイズが本当に丁度いいと思う。\nその先端で息づくピンクの先端。俺はそれを指でつまむと、クリクリとつねった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、さ、さきっぽだけいじるのは、ず、ずるいですよぉ……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "いや、こっちも充分楽しむつもりだよ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "片手で乳首をいじりながら、もう片方の手で、もう一つの胸を揉みしだく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こんなに柔らかくて……気持ちいい……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "出来るだけ優しく、そして楽しむように手を動かす。ウルルの体温が柔らかさと一緒に手のひらを通じて伝わってきて心地いい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……ん、あ……にいさまの手が……き、気持ちよくて……すごいです……\nふぁ……あ、ああん……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "そして、そんな俺の愛撫に、ウルルが可愛らしく鳴く。その声を聞くだけでも、下半身が反応してしまいそうだ。\n……竜族の人達の気持ちが本当に分かるな。\nそんなウルルの、もっと恥ずかしい姿を見たい。俺は不意に湧き上がってきた欲望に素直になると、今度はそのスカートへと手を伸ばす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……も、もう、にいさま。いきなりはずるいです……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ちょっと恥ずかしそうな顔で、けれど決して嫌がらずに俺へと微笑んでくれるウルル。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、もっと大人な下着の方が興奮しますか……?",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "いや、そういうのは絶対にウルルには似合わないんじゃないかなー、と。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "オペラに、部屋を出る前に穿き替えさせられたんですけど……にいさまだったら絶対こっちだって……違うのにすればよかったですか……?",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "いや、こっちでピッタリだとは思うんだけど……俺だったらっていうのは後で戦う必要があるなオペラさん\nむしろオペラさんの方だろ。これが見たかったの",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "でもまあ、こういう可愛いのこそ、やっぱりウルルだよな。凄く似合ってて、可愛い。\n実際、目の前のウルルの姿に興奮してしまっているのは事実だ。\n幼さではなくて可愛さ。これがウルルの最大の武器だと思う。実際、俺もその魅力にハマッてしまっている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ、こっちも少し、な",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "その可愛らしいショーツに隠れた大人の場所を、少し楽しませてもらおう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、はい……どうぞ……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "そんな俺の行為を、ウルルは拒否しなかった。\nショーツの上から、その小さな割れ目をそっとなぞる。と同時に、ウルルの身体が小さく震えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……今、びくん、てきちゃいました……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "恥ずかしそうに言うウルル。俺はそのまま、まだ幼い秘裂の中をゆっくりと味わっていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "にいさまの指で……身体がふるえちゃいます……ん、あ……は……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "淡い嬌声をこぼしつつ、本当にか細く身体を震わせるウルル。その秘裂のあたりのショーツが、少しずつ湿ってくるのが分かった。\nそれはやがて湿り気ではなくシミとなり、くちゅ、っという音を立て始める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん……これなら……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "もう充分に濡れている頃だろう。俺は確信すると、その可愛らしいショーツを少しズリ下ろした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んんっ",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "俺の視界にそこが晒されると同時、ウルルは羞恥からか、目をギュッと閉じて身体を硬くした。\nピッチリと閉じきった秘裂からは透明な蜜が滲み出て、周囲を濡らしている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "少しだけ、もう濡れてるな……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "下ろしたショーツとの間には、既に数本の糸が張っていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、はい……にいさまを受け入れるため、ですから……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "……この中、触ってもいいか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "は、はいっ",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "恥ずかしいのを必死に堪えながらの肯定。俺は、その割れ目の中へと直接指を這わせた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああっ!!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "充分に火照ったそこは、敏感になっていたらしい。ウルルが一際大きな喘ぎ声をあげた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……もうこんなに熱いんだな、ウルルの中……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "熱く濡れそぼったその中を、上下に、上下に指でなぞる。それだけでウルルは身体を震わせ、可愛らしく喘いでいった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、あ……はぁ……はぁ……あ、びりびり、ってきます。す、凄い……\nにいさまの指も、あ、熱くて……きゃうんっ!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "割れ目の中全体を、まるでかき回すみたいに指で責める。尿道の穴や、秘洞の入り口。その周辺もたっぷりといじり、そしてまたかき回す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ウルルの中、かき回されちゃって……や、あ、どんどん、出てきちゃうっ",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ああ、凄い……ウルルの中、もうトロトロだ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "すっかり粘着性の高くなった蜜は、俺とウルルの間にも糸を張った。ウルルの未成熟な体型が見せる女としての身体。その光景に、俺はより昂ぶってしまう。\n女としてのウルルを感じてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "に、にいさまは、どうですか……?\nにいさまのは、もう……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ああ、俺ももうガチガチだよ。ウルルの身体をこれだけ触ってるんだ、ならなきゃおかしい",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ズボンの中で、痛いほどに硬くなっている自分自身。さすがにこのままなのはちょっと辛い。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "で、でしたら、あの、ウ、ウルル、にも……っ",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ウルルは、いつになく強い口調で、俺にそれを求めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あはっ。にいさまの、です",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "熱く滾った俺をズボンから取り出し、ウルルは宝物のように大切に両手で持った。\nなんていうか、既に少し先走ってしまっているのが恥ずかしい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "その……無理はしないでいいんだぞ?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "いえ、ウルルがやりたいんです\nちゃんと、にいさまのすべてを知っておきたいんです",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ウルルはむしろ嬉しそうに言うと、俺のそれを口元へと運んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "で、では、頑張ります。もしおかしかったら言ってください",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "そして、そっと、その可愛らしい舌を伸ばす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぴちゃ",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "その熱く濡れた舌先が、俺の敏感な先端部分を這う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うわ……ぞくって、きた……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ぴちゃ……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "そしてゆっくりと、その範囲を広げていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぴちゃぴちゃ",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ざらざらとした舌の感触が俺の亀頭部分をゆっくりとなめ回し、ゾクゾクと背筋を震わせていく。\n股間の根本部分に、何かが徐々に込み上がっていくのが感じられた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ど、どうでしょう?",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "俺への愛撫を続けながら、チラリと上目遣いで聞いてくるウルル。正直、気持ち良すぎてあまり声を出せそうにない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああ……熱いウルルの舌が……たまらない……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "どうにかそれだけ言うと、ウルルは本当にニッコリ笑い。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えへ。よかった、それじゃあ……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "更に舌の動きを激しくする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぴちゃ\nぴちゃぴちゃ",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "あ……うく……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "敏感な部分だけでなく、裏側の筋の方までじっくりと責めていくウルル。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これ……ほんと、凄いな……ゾクゾクして……たまらない……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ドクドクと集まってくる欲望に、自然と声を漏らしてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぴちゃぴちゃ\nぴちゃぴちゃぴちゃ\nはぁ……ん、んむ……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "本当に丁寧な、丁寧なウルルの舌での愛撫。その舌が動く度に、俺は身体を震わし、喘いでしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぴちゃぴちゃぴちゃ\nにいさまの……凄い、です……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "気がつけば、俺の肉棒はさらに大きくなっていた。それをウルルは、一生懸命に愛撫していく。\nそして、その先端を口に含んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あむっ",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "う、ああっ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "その小さく可愛い唇で俺の亀頭を挟みながら、じっくり舌で舐めていく。唇と舌の感触とが同時で俺を責め、俺は今にも欲望を吐き出してしまいそうになった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んむ……あむ……ん……んん……\nん……ん……あぐっ……この、割れてるところ……気になります……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "そしてついにというか、やっとというか、ウルルの舌先が鈴口へと進入してきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああっ……そこ、は\nう、くっ!や、やばい、から、そこっ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ん……ここ、ですね……ん……あむ……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "まるでそこから精を吸い出そうとでもするかのように、ウルルの舌先がそこをこじ開けようとする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あん……ん……んむ……チロ……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "少しでも残っているものがあるならと、その舌先が奥へと進んでくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ほ、ほじくらないでくれっ!た、耐えられ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "んぐ……ん……んむ……あむ……んん……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "そして、そこから吸い出すような吸引。俺の中で、何かが確実に崩壊した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああ!だ、だめ、だ……ウ、ウルル!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "もうどうにも耐えることもできず、その口の中へと俺はその欲望を放出する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んぐぅっ!!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "あ、あう……と、止まらない……もう……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "いきなり噴き出したそれをウルルは苦しげに受け止める。けれども、俺の放出は終わってくれそうにない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ……んう!あむ……んうぅ!!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "大量に噴き出すそれを、ウルルは、懸命に飲み込んでいった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……ん、んむ、んうっ……あん",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "少しずつ、少しずつ、苦しそうにしながらも、けれど結局最後まで、ウルルは飲み干してくれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "にいさま、たっくさん出ましたね",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "さすがに出し尽くし、少し小さくなった俺を持ちながら言うウルル。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大丈夫か?量もだけど、その、飲まなくても",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "にいさまの愛情です。無駄にはしません♪",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "う……いや、そういう笑顔向けられると……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "本当に可愛いよな、ウルルは……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はえ?",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "あ……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "にいさまの、またまたおっきくなっちゃいましたね♪",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "面目ない……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ウルルの笑顔を向けられた瞬間、俺のそれは、再び大きさを取り戻していた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いえ。それじゃあ、今度こそ、ウルルの身体でスッキリさせてあげちゃいます\nあ、あはは……この格好、いくらにいさまにでも、正面から見られるのは恥ずかしいですね……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ベッドの端に座った俺の上に、ウルルは背中を向けて座っていた。\n大きく開いた足の間には、ウルルの可愛らしい割れ目がある。正面からなら、そのすべてを余すところなく見られたことだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ご要望とあらば鏡でも用意するけど?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "はにゃっ。ダ、ダメです!ダメ、絶対っ!ウルル、恥ずかしさで固まっちゃいますっ",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "冗談だって。でもまあ、そんなウルルの姿も見てみたいけどな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "も、もう、にいさまは……\nど、どうしてもというんでしたら……一度だけなら……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "よし、言質は取った。今度は本当に見させてもらおう。\n俺はその時のウルルを想像すると更に自分を昂ぶらせ、ウルルの身体を抱き上げた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……あ……くぅっ……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ゆっくりと、ゆっくりと、ウルルの小さな身体に、俺の肉棒を挿入していく。\n初めての証はもう無いとはいえ、ウルルの身体の小ささは変わらないし、そもそも、この扉においてはまだ二度目でしかない。\n決して楽な行為じゃないだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "辛いか……?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ちょ、ちょっとだけ、です。この前とくらべれば全然……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "その口調からは、かなり辛そうに感じられたのだが、ウルルはそれを必死に隠す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "慣れてないだけですから、にいさまが動いてくれれば、むしろ早く馴染んでくれると思います\nですから、ウルルを思いっきりむさぼっちゃって下さいっ",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "そんなウルルに応えるには、ウルルの言うとおり、俺に早く馴染ませることだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……分かった。思い切りいただくよ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は少しずつ、ウルルの身体の中を動き始めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……そ、そこ、いい、です……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ゆっくりと上下に動きながら、ウルルの中の感じるところを探っていく。\nもっとも、ウルルの身体は相変わらず狭くて気持ちいい。俺にもそんな余裕があるわけではなく、気を抜けばすぐに達してしまいそうだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "このへん、か?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "少しずつ動かしながらの確認。その中で、ウルルはびくん、と身体を跳ねさせる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、ああっ。は、はい!あ……あんっ",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "どうやら、当たったらしい。俺はその箇所を中心に、ウルルの中を動いていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ウルルの中……確かにまだ硬いけど、ちょっとほぐれてきたかな。俺に吸い付くみたいになってきて……正直、やばいかも……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あ……はぁ……ん……ウルルも、にいさまが動くの……わ、分かってきました……っ\nお腹のなか……ぐにぐに、って動いて……全身が、震えちゃいます……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "俺の動きと共に、甘く喘ぐウルル。同時に、大量の蜜が奥から更に湧き出し、俺の動きをより激しくさせていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、や、やあんっ。い、いっぱい、ウルルの中……出てきて……!\nん、あ、ああっ!!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "結合部から溢れるほどの量の蜜。それは俺が動く度に中からこぼれ、そしてシーツや床の方へ垂れていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "本当に凄いな……中から溢れてきてる……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "や、や、ああんっ!そ、そこは、やっ、ああ!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "で、でも……このきつさなのに、柔らかく吸い付いてくるとか……ず、ズルイだろ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "吸い付き、離れようとしてくれないウルルの体内。動く俺にしっかりと吸い付いて、絞り取ろうと刺激してくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "動かす度に、搾り取られるみたいで……う、うああ!!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "動く程に流れる電流のような刺激に、俺はもう、耐えているだけでいっぱいだった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "に、にいさまぁ……ウ、ウルル、もうっ……!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "これ以上は無理、そう言いたげなウルルの声。それを聞いて、俺は更に動きを速めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "むしろ、俺が限界っ。い、いくぞ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "は、はいっ。も、もう、あ、ああんっ!や、ふ、深いです、よぉ……!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "一番深い部分に、コツコツと当てるような抽挿。当たる度にウルルは背を反らし、可愛らしく鳴き続けた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そ、そんなとこ、ごりごりしちゃ……あ、だめ!も、もう!!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "そんなウルルの声に、どこにそんな余裕があったのか、更に俺は大きくなる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、やあ!にいさま、お、おっきくなっちゃ!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "そして、それがきっかけであったように、ウルルの秘洞が一気に縮小した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、だめです!あああああああああああああっ!!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "そして、思い切り悲鳴のような絶頂へと達する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こっちも、ここで締まったら……うああ!!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺も、その最後の快感に耐えることはできず、そのままウルルの中へと解き放っていた。\n何度も、何度も、ウルルの奥の壁に叩き付けるような勢いで放たれる俺の精。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "にゃあんっ。にいさま、たくさん、たくさん、出てます!あ、す、凄い!\n熱いのが……あ、溢れてぇ!!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "それを受けて、ウルルは更に感じて、喘いでいた。\nそれからしばらくして、ようやく出し尽くした俺は息をついた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "にいさま……またいっぱい出ちゃいましたね",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ウルルも、放心しながら、どこか嬉しそうに言ってくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ウルルに出させられた気もするぞ。なんだ、後半の気持ちよさ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "にいさまだって……あんなに気持ちいいとか、あんなに激しくつついたりとかずるいです",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "罰として、次は鏡用意しておこう",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "うにゃあ!?",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "俺の真剣な発言に、ウルルは悲鳴のような声をあげた。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"ウルル"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 034705ch_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "こ、こうでいいのか……?",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "ベッドの上にペタンと座り、恥ずかしそうにスカートを捲る紅。その下に見える下着に、俺の目は吸い寄せられていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……にしても、姫は変態なんじゃないだろうな……初めての時も、こうやってあたしに捲らせただろう……\nあ、あたしだって、恥ずかしいんだからな……姫がどうしてもっていうから……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "いや、恥ずかしいのはもちろん分かってるんだけども……その、紅の恥じらう姿が可愛いくてつい、な",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "……そういうことを言えばなんでも納得すると思ったら大間違いなんだぞ……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "ちょっと拗ねたように言う紅。けれどそれが本心でないことは分かっている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そ、それで……次は何をしてほしいんだ……?",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "次の瞬間、こんなことを言い出す紅を、俺は心から可愛いと思った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "な、なんか、凄いな……上着脱いだら、いきなりそのボリュームなのか……?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "さすがに今の服では色々と脱がせにくいと思い、上着だけでも、と思ったらこれだった。\nシャツの上からでも分かる大きさに、さすがに驚く。普通は下着や何かでどうしても押さえつけられるもんだけどなあ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "紅、結構着やせするタイプか",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "べ、別にそんなことはない、と思うぞ……その、特に何かしたわけじゃないし……\nもう、そんな目で見ないでくれ……は、恥ずかしいじゃないか……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "ジッと見ている俺の視線が恥ずかしいのか、紅はそわそわと落ち着かない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "上着が一枚なくなっただけなのに、なんでこんなに……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "少しずつ剥がされていくっていうところに、特別な何かがあるんじゃないか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "……姫、お前やっぱり変……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "言っておくけどな、紅。紅ぐらいに可愛い子が一枚でも服を脱げば、俺でなくても視線を送るぞ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "これは間違いなく正論だと思う。恐らくは、男が生まれ持つ本能みたいなものだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それに、その胸だ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "か、可愛い……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "紅は、俺の言った言葉に、少し感動しているようだった。\n恥じらいに頬を染めながら、どうしても視線を逸らしてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あんまりジッと見ないでくれ……恥ずかしい……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "けれど、こんな乙女な紅を見られるのは、恐らく俺くらいだろう。こんな可愛い紅を見逃したくない。\nそうして見ていると、紅の恥ずかしい部分に、ジワッとシミが広がって来ているのが見えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "紅って、見られると興奮したりするのか……?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あたしにそんな趣味はない……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "でも、その、ほら……シミになってる",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "え?あ……あう……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "言われてみて、初めて気がついたらしい。紅は慌ててスカートを下ろし、隠そうとするが、すぐに思い直したのか、再びスカートをあげた。\nそして恥ずかしさに頬を染めつつ、俺を拗ねたように睨む。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こ、これは、その……うう……姫の視線がいやらしいからだ……\n姫がいやらしいから……あたしも、つい反応してしまって……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "さすがにちょっと意地悪をしすぎたかもな、と思う。実際、俺を求めてくれていたのだから、少しくらい敏感になっていてもおかしくないかもしれない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ごめん。ちょっと焦らしすぎたのかな……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そ、そういう意味じゃあ……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "ここは素直に紅の期待に応えよう。そう決めると、俺はショーツの上から紅へと触れた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふぁ……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "シミの上から、紅の秘裂の中へと触れる。それだけで、紅はぴくっと身体を震わせた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、あ、あんっ。ひ、姫っ",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "そのまま円を描くようにかき回すと、紅は甘い喘ぎを響かせ始める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もう大分しっとりしてきちゃってるな……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "その濡れ具合を確かめるかのように、俺はショーツの裾から指をいれると、そのままヘアをかき分け、秘裂へと辿り着かせた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……そ、そこ、は……やぁ……ゆ、指、隙間からいれないでっ",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "……中はもうこんな熱くなってるけど……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "直接触れたそこは熱く火照って、いつでも来て欲しい、といえる状態になっていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……あ、ああっ!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "直接紅の中を愛撫してやると、紅は激しく喘ぎ出した。奥の方からも多くの蜜が湧き出し、ショーツのシミをたちまち広げていく。\nそしてそのまま、女の子にとって一番敏感な突起を上から擦る。感じすぎるのか、即座に苦しげな喘ぎがこぼれ始めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お、おねがい、い……そこ、こ、こすらない、でぇ……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "えっと、どこをやめてほしいって……?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "だ、だから、その……ち、ちっちゃなとこ……\nああんっ、こ、こぼれちゃうっ\nああ、や、ダメ!だから、その……ぷっくり膨らんじゃったところよっ",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "紅……またシミ広がった……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "紅の場合、恥ずかしさが快感に繋がっているのかもしれない。その頬の赤みが強まる度に、下の蜜の量も増えていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あんまり、みないで……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "それがシミのことだと察した俺は、だったらと、紅をベッドに押し倒した。\n正直言えば、俺もいつでも問題ない、という状態だったのを必死に堪えていた。\n紅のスカートとショーツをはぎ取り、自分のを取り出してみせると、紅が驚きの目で俺のそれを見る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……姫の、す、凄すぎない、か?",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "なんだろう。紅の可愛いところを見ていたせいかもしれない。いつの間にやら、自分でも驚くくらいのものに成長してしまっていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そんな大きいのが、あたしの中に……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "あ、ああ。紅は、この前これを受け入れてくれたんだ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "な、なんか、納得した……そんな凄いなら、奥、届くよな……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "よく考えてみれば、他の扉でも、紅はあまりジックリと俺のこれを見たことなかったような気がしたな。\n改めて見て、恥ずかしくなってしまったのか、紅は視線をそれから逸らしてしまっている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そ、それじゃあ……い、入れるのか?",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "正直、すぐに入れろと俺の息子さまは騒いでるんだが、俺としては、もっと紅の身体が見たい\nこれ、いいか……?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "やだ、って言っても脱がせるんだろう……?",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "紅が本気でいやがるなら、しない",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "……ばか",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "やっぱり、紅は可愛いなと思う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やっぱり凄いな、紅の。横になってるのに、こんな……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ボタンを外し、左右に開いたブラウスの下から、その巨大な膨らみを表に出す。\n重力にも負けずに、その形を保っている胸。これは本当に、一種の凶器のような気がした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "凄い、柔らかそうだ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あ、あまり見るな……こ、こんな姿、恥ずかしくて……\n下だけ脱がせるとか……もう、姫はどうしてこうなんだ……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "ごめんな。紅って恥ずかしがってるとこ、本当に可愛いから、つい",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "いつも通りじゃない格好を見てみたかった、というのが正解だ。事実、今の紅の姿に、俺は尋常でないレベルで感じてしまっている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それに、スタイルいいからさ、他じゃあまり見られないような姿見せてくれるんでつい",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "……だったら、ノートのがあたしよりも……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "ノートはノートだよ。俺は今、紅を抱きたい。だから、紅の姿が見たい",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ノートのスタイルも確かに魅力的だけれども、だからといって紅に魅力がない訳じゃない。\n少なくとも今の俺は、紅の恥じらっている姿が見たい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うう……今、すっごく嬉しくなっちゃったじゃないかぁ……\nだめっ、下の方、見ないでっ。い、今ので、あたし……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "だったら、こっちの方かな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "どうやら濡れてしまったらしい。俺は頷くと、まずはブラの方へと手を伸ばした。\nズリ上げたブラの中からこぼれ出る二つの膨らみ。いつも通りの重量感あるそれに、まずは視線を奪われる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "見とれちゃいそう、だよ……\n柔らかそうで……なのに張りがあって……先端も、こんなにツンって",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "……姫は、大きい方が好きなのか……?",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "どうだろう。あまり大きさを気にしたことってないんだよな、実は。でも、紅のこれは、大好きだ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "言いながら、その膨らみをいきなり掴む。それは瞬時に形を変形させた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃあっ。ば、ばか、いきなり触って……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "ほら、大きいだけでなく、こんなに敏感だからさ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そのままゆっくりと揉みしだいていくと、紅は小さく喘ぎ始めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それに、見てるだけでもう限界みたいだ、俺……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ガチガチになった俺自身が、もうどうしようもならなくなってしまっている。\nこれを早く入れたい。そして紅の中を味わい尽くしたい。そんな欲望でいっぱいだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ……あたしも、その……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "そして、紅も同じ気持ちだったんだろう。その秘裂からは、かなりの蜜がこぼれて、シーツにシミを作っていた。\n俺は紅に最後まで言わせることなく、その入り口に俺をあてがう。\nそして、奥へと貫いていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、うぅっ!\nは、入って、きたっ……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "まだ少し硬さの残る紅の中を貫いていく。\n初めての時のような抵抗はなかったものの、それでもギチギチにキツイことには変わりない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大丈夫か……?結構濡れてたから平気だとは思うけれど……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "へ、平気、だ。ちょっとだけ痛かったけど……初めての時より、全然……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "確かに、入れてしまった今、紅の口調に苦痛はほとんどない。俺は安堵すると、ゆっくりと紅の中を動いていく。\nまるで紅の中を探るかのように、ゆっくりと。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、うん……姫の、大きいの、感じる……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "紅の、凄いぞ……まだ二度目なのに、もう、俺のにピッタリと張り付いてくるみたいで……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "こっちの経験も、記憶といっしょに継承されてるのかな……\nま、まだ二回目なのに……だ、だめ……凄いびりびり、きてる……\nあ、はぁ……だ、だめっ。お願い、姫、う、動いて……っ",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "どうやら、大人しい動きではガマンできなくなったらしい。\nそれは俺も同じだ。紅の中をもっとしっかり味わって、そして一緒に気持ち良くなりたい。\n俺は、紅の中を動いている自分を少し激しくする。と同時に、それがかなり効いたのか、紅は俺を力いっぱいに締め付ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うぐっ。こ、紅、締めすぎっ。俺が、すぐいっちゃうって、これっ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "だ、だって……んあぁ!姫の、熱くて……や、あ、へ、変なの来だしたっ",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "充分に濡れた紅の中を、激しく動く。紅の中は熱く、俺を体内から溶かしそうだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……ひゃん、んう、ああっ……お、奥のほう、とんとんってきて!\nだ、ダメ!は、激しいっ。か、身体が、びりびり、きちゃうっ!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "奥をトントン、と打つたびに、紅は大きく背を反らせた。そのまま響く甘い強制に、俺の興奮も止まらなくなっていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、あ……紅の、凄いよ……絡みつくみたいで……腰が止まらない……っ\nし、自然に動いちゃって……うああっ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "紅の中を、ただ激しく、強く、前後に動く。\nたっぷりの蜜で濡れた秘洞の中は、俺の強引な動きでもスムーズにしてくれた。紅の中で激しい水音を立てながら、ただ蹂躙していく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んんっ!や、あ、らめっ!ひゃあんっ。そ、そこはダメ!頭の中が、し、白くなって!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "そして、その激しい動きに、紅は激しく身体を震わせていた。身体の奥から伝わってくる快感に、ただ激しく喘ぐ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、あ、ああんっ!身体、震えちゃう!や、あ、こつこつ当たって……も、もう!\nひ、あ、ああっ、はう、ん、んんーっ。だ、ダメ、指先まで震えて……も、もう!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "悲鳴にも近い大きな喘ぎ。ここぞとばかりに力強く突き入れたそれに、紅は大きく背中をしならせた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くっ、急に、締まって!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ひ、は、あ、ああああああああっ!!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "そして、激しい喘ぎと共に、紅は絶頂へと達し、全身を痙攣させた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……姫の、熱いの……流れてこない、の……?",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "放心しながら、紅は不思議そうに俺を見る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああ……凄い危なかったけど、なんとか……\n本当に、搾り取られるかと思った……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "姫……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "どこか残念そうに呟く紅。どうやら、俺が出さなかったことを、自分の力不足とでも思っている目だな、これは。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ……今度はあたしの番、だな",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "やっぱり。そう思うよりも早く、紅は俺を押し倒した。\nまとっていた服をすべて脱ぎ捨てて、紅は俺の上に跨った。その顔には、恥じらってはいるものの、嬉しそうな笑みが浮かんでいた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大丈夫か、紅?無理しなくても",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "無理なんかじゃないぞ。今度は、あたしが姫を感じさせたいんだ\n初めての時といい、今といい、いつもあたしがしてもらってばかりだし\nだから、その……あたしにも奉仕、させてくれ",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "紅がそう言ってくれるなら……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ああ、任せてくれ。それに、この体勢気持ちいいんだ。姫にぎゅってしてもらえて",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "そう言われてしまうと何も言えない。俺も、紅と思い切り抱き合えて、この体勢、実は幸せだったりする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ……えっと、これ、だな……うわ、硬くて熱い……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "紅は後ろ手に俺のものを探ると、実際に触れて驚いた。が、すぐに立ち直り、自分の入り口にへともっていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "い、いただきます……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "そして、一気に自分の中へと呑み込ませた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う……く……本当に、大きいな姫は……い、いっぱいいっぱい、だ……っ",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "限界にまで大きく広がった紅の秘洞全体に貼り付くように、俺が紅の中へと埋もれている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うあぁ……凄い……紅に飲み込まれて……\nんく……危うく、入れた瞬間出すところ、だった……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "温かい紅の身体が、俺にシットリと貼り付き、締め付けてくる。わずかでも動く度に、ゾクっとした快感が俺の脳髄へと走った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、動くから、な……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "そして紅は、俺の身体に回した両腕でしっかりと抱きつくと、その腰を動かし始める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、あ……よい、しょ……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "ゆっくりと持ち上がる紅の腰。これ、後ろから見たら凄い光景なんだろうなとも思うものの、下半身から伝わる快感が、すぐにその余裕を消した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……ふ、深い、これ……今までと……ぜ、全然違うっ",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "半分ほど抜き出したところで、今度は腰を下ろし始める紅。俺の肉棒は最奥まで届くと共に、その壁を突く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ぐ……根本、まで入って……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "根本まで、俺のすべてを飲み込み、しごいてくる紅の身体。その気持ちよさに、俺は意識を吸い取られそうな感覚に陥るものの、どうにか耐える。\nそれは紅も同じなのか、荒い喘ぎ声をこぼしながら、懸命に腰を動かし続けていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……はぁ……あ、んくうっ……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "その奥からは、すでに多くの蜜が垂れていた。潤滑油代わりとなり、俺達の行為を更に激しくさせている。\n紅が腰を上げ、それが俺の腰とぶつかる度に、ぐちゃ、っという水音を響かせながらあふれ出す。その音だけで、俺は自分をさらに興奮させていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、あ、だめ……い、イヤらしい音が響いて……や、あ、ああんっ",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "紅も、そんな行為に、自分をより興奮させていた。甘く鳴き続けながら、俺をギュッと締め上げる。\n締め付けられながらシゴかれる俺の肉棒は、より大きく、硬くなっていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、あ、ああ……こ、紅、締めすぎっ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "だ、だって、気持ちよく、って……あ、は、んああっ\nす、凄いこれ……あ、や、あ、あたし、こ、これ、好き、かも……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "自分から腰を強く下ろし、俺をその奥の壁へと当てる。その度に紅は天井を仰ぎ、気持ちよさげに鳴いた。\nそれが余程気に入ったのか、何度も何度も繰り返す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "す、凄い深いとこ、トントンってされ、て……や、やあんっ。頭、し、しびれて……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "お、俺も、もう、で、出そうで……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "同時に、無数のヒダによって絡みつかれた俺は、その激しい快感に達してしまいそうになる。\nそれでも、この快感を終わりにしたくない、その一心で、俺は耐えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああ……も、もっと……もっと、いく、ぞ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あ、あ、ああっ!だ、だめ、や、い、いっちゃう!またいっちゃう!!\nで、でも、や、やだっ。今度は、姫と……姫がい、いっしょに!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "その様子から、紅が限界寸前なのは分かった。けれども、さっき俺を達せられなかったせいか、ギュッと目を閉じ必死に耐える。\nそして、更に腰の動きを激しくすると、俺をイカせようと必死になった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああ!お、俺も、一緒に!も、もう!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "その激しさに、俺の堤防が一気に壊れる。根本の方からこみ上げてくる射精感はとっくに限界を過ぎていて、鈴口から勝手に漏れてしまっているんじゃないかとすら思った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、う、ううっ!ま、まだか、姫!?あ、あたし、もう!\nく、狂っちゃいそう、で……お、お願い……はやく……いかせ、て……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "う、あ、あ、で、出る!もう、出る!い、いくぞ紅!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あ、は、や、あう、う、んぐ……ひ、あ、ああっ、はんっ\nあ、あ、ああっ、あああああああああああああっっっっ!!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "うあああああっ!!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺と紅は、同時に達した。俺は紅の中へと、たっぷりと溜まったそれを吐き出し、紅はそれを受け止め、キュッと秘洞を痙攣させる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、熱いのが……姫が、い、いっぱい、溢れて……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "ドクン、ドクン、と何度も放たれる俺の精を、紅は力いっぱいに俺を抱きしめながら受け止めていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、あ、奥に流れ込んで……あ、あ、あああっ",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "その体内へと注がれる俺に、何度も何度も身体を震わせながら。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……はぁ……はぁ……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "平気か、紅……?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あ、ああ……凄い……姫の、まだびゅくんびゅくんって……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "結合部から、ゴボゴボと溢れる俺達の混じり合った液。その量が、今の行為の激しさを物語っているような気がした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あたしの中に、たくさん流れてきて……幸せ……\n姫……明日、全部終わったら……またしよう……?",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "俺に力いっぱい抱きつき、俺の胸にその頭をぽてん、と乗せ、紅は言った。その態度が可愛くて、俺はまた反応しそうになる。\nというか、まだ紅の中で収まってないし。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いっぱい、いっぱい……朝までずっと……姫の腕の中にいたい、な……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "ああ……終わったら、俺も紅を抱きしめたいよ\nこうして、紅をたくさん味わいたい……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "今、俺の腕の中にある温もり。紅とこうしているだけで、本当に幸せな気持ちになる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん……いっぱい、味わって……。あたしを、いっぱい、愛して、ね……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "その時は覚悟してくれよ。俺はそう心の中で呟いて、紅へと微笑みかけた。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"紅"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 034705dh_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "その……念のため、最後に聞いておくけれど、本当にしないとダメ、なんだな……?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ベッドの上に、完全に無防備な状態で横になるカミシアに、俺は改めて尋ねる。\nカミシアは、笑顔のままでダメだよ、と頷いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん。私の魔法はパパのためにしか発動しないから。ちゃんと接触して、その人のあらゆるデータを称号させて、パパだって認識させないとダメなの\nちなみに、キス程度じゃ情報不足だから無理",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "……この行為で情報収集って、どこからそんなの集めたんだ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "えへへ。他の扉では随分お楽しみでしたね、パパ",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "……今後は本当に注意します……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "なんというか、今まで色々な行為を、どこまでかは知らないけれど見られていたのかと思うと、顔から火が出そうになる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でもね、この行為でパパと結ばれることで、私はパパに今日一日だけの魔法をかけてあげられる\nそれは、パパのこれまでの努力を、そして、これからの努力を繋ぐ魔法。パパが今のパパのままでいる限り、きっとゲンに勝てる魔法",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "そう言うカミシアの瞳は本当に真剣で、心から俺のことを想ってくれているのが分かった。\nあのゲンにも通じるという魔法。それがどういうものかは分からないけれど、俺はカミシアを、カミシアだからこそ信じたい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ、パパ。消えゆく娘に最後の思い出のプレゼント、よろしくね♪",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "笑顔で、あっけらかんと言うカミシアに、俺も自然と微笑んでしまっていた。\nスカートをめくり上げ、その細い両足を開かせる。その外見からすると、少し大人っぽくも感じる下着。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あはは……着替えの時とかは平気だったのになあ……こういう時だと、こんなに恥ずかしいんだ、これ。ママたちの気持ち、ちょっと分かっちゃった",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "雰囲気のせいか、いつもなら俺に見られたって笑って終わらせるカミシアなのに、妙に恥ずかしそうにモジモジと身体を動かしている。\nその態度が、逆にこれからの行為を、俺に強く認識させていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "俺の方は、背徳感が凄いぞ……でも、ここだけの話、それで興奮しちゃってもいるんで、相当自己嫌悪だ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ふふ。ダメだよ、パパ。これがきっかけで変な趣味に目覚めないでね",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "さすがにそれはない\nと思う……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "もしカミシアが本当に血の繋がっていた娘だったら、俺は本気でそういう趣味に落ちてしまっていたかもしれない。\nそれぐらい、今の俺はこれからの行為に興奮していた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "服の上から、その胸にそっと触れてみる。わずかながらも、ふにっとした柔らかい感触が手に伝わってきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大丈夫か?嫌な気持ちになったりとか……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ううん、それは全然平気。むしろ嬉しくてドキドキしてるから",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "実際の感覚に嫌がったりはしないか、そんな不安を抱きつつ確認してみるが、カミシアは、少しも拒否しようとはしなかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、そっか……感じるって、こういう感覚なんだな、ってちょっと驚いてる\nなんか、小さな電気みたいなのが、ぞくって走って……うん、気持ちいい……",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "ゆっくりと、優しく、撫でるように胸の愛撫を続けていく。その感覚に、カミシアは心地よさそうにそう言った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なら、もう少しいくぞ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は、このまま続けても問題無い。そう判断すると。少し強めの愛撫に変えていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……あ……パパの手、優しい……気持ちいい、よ……",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "そんな愛撫を素直に受け入れてか、カミシアは小さな喘ぎをこぼし始める。\nその下着には、いつの間にか小さなシミが浮かんでいた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "女の子って、こんな気持ちになれる生き物だったんだね……初めて知っちゃった……\nもっともっと……凄い気持ちになれるのかな……",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "気持ちよさそうなカミシアの言葉に、俺も嬉しくなってしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "俺は男だからなあ……でも、そういう行為の時には、どんどん気持ちよくなっていった\n多分、女の子も同じじゃないかな……そうなるように頑張るし",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "うん……それじゃあ、どんどん気持ちよくなっちゃおうか",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "更に先の行為を求めるカミシアに、俺は素直に従った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あはは……ほんと不思議だぁ。すっごく恥ずかしい",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "まだまだ未成熟の身体を覆い隠す、赤いベビードール。幼さと淫靡さとが一つになったその光景に思わず息を呑んでしまう。\n恥じらいながらも微笑む、カミシアの整った顔立ちと合わさって、心臓の鼓動が自然と高まっていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大好きな人に本気で見せるって、凄いことなんだねえ\nだけど、決して不快じゃない……恥ずかしくて隠したいのに、もっと見せたい、とか思っちゃうって不思議だなあ",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "だったら、もっと恥ずかしいところに行くけど平気か?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "もちろん。この恥ずかしいのがね、きっと好きって意味でもあると思うんだ",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "だから、この恥ずかしさが嬉しい。そう笑い続けるカミシア。俺も、カミシアとこんな関係になれることが普通に嬉しい、そう感じる。\nだからこそ、もっと恥ずかしくさせてあげたい。そんな欲望が俺の奥から生まれ始める。\nその下半身の小さな下着を脱がせると、何も無い場所に、小さな縦の秘裂があるだけだった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んん……",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "そこはわずかながらに濡れており、透明な蜜が、その中から滲み出て光っている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "な、なんていうかその……正直、言葉がない……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "も、もっとその……大人っぽい方がパパはよかった?私だとそこ……何もないし……",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "そういうのは別に気にしないかなあ……色々な人がいるし",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そういうのは個性でもあるし、少なくとも俺は、どういう身体だから、じゃなくて、誰の身体だから、で気になってしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そうだよね。ママの中にもいるし",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "そんなカミシアの言葉に、俺は数人の姿を思い浮かべ、思わず噴き出しそうになってしまう。\nほんと、人それぞれだよなあ。\n俺は改めて納得すると、カミシアの可愛らしい秘裂にそっと指を伸ばした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……ふあぁ……す、凄いこれ……あ、や、やぁ……",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "秘裂を押し開きながら指を入れると、優しくさするように撫でる。\nそれだけでカミシアは頬を上気させ、内側からの蜜の量を増やしていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "な、んか、身体の奥から滲んできちゃう……むずむずして、止まらないよぉ……",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "桃色の可愛らしい皮肉をさすり続けるだけで、カミシアはその鳴き声をどんどんと甘く変え、蜜をトロリとしたものに変えていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、あ、もっと、もっと触って、パパっ。や、あ、もっとムズムズさせてっ",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "……濡れやすいのかな……もう下にまで垂れてきてる……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "お尻の方を伝わって、シーツの上に垂れていくたくさんの蜜。それは、カミシアの身体が充分に女であることを示していた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だめだよ、パパ……もう、ダメ。そこだけじゃ辛いの……もっと色々……",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "少し辛そうな、切なげな声で望んでくるカミシア。その声だけで、俺の下半身も昂ぶっていってしまう。\nその興奮を少しでも静めようと、俺はカミシアの最後の下着を取り去った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "全部、見られちゃってる……パパに全部……\nおっぱい、もうちょっと成長すると思ったんだけど……",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "可愛らしい膨らみの上に、ツンと尖った尖塔が二つ載っていた。\nまだまだ幼い身体つきながらも、女として働いているそれを、俺は指で軽くつまんでみる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、あんっ。乳首、だめっ",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "それだけで、カミシアの小さな身体が跳ねた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "小さいと感度いいって言うけど、カミシアは本当なのかもな\n大丈夫だ。充分気持ちいいよ、この胸も",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そう優しく言いながら、小さな膨らみをそっと揉みしだいていく。\n俺の手のひらに収まりながら、その動きに従って形を変えるそれは、ノートや紅のものほどではないにせよ、心地いい感触を俺に送ってくれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひゃ、あ、んんっ……あ、ああ、震え、ちゃうよぉ……お腹の奥が、あ、熱くて……",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "片方の胸を片手で揉み続けながら、もう片方の乳首をそっと唇でついばむ。それだけでカミシアの嬌声が更に高くなった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、だめっ、これ、奥の方から……な、なにか、きそうっ、来るっ",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "コリコリッとした感触を唇で楽しみながら、カミシアを存分に感じさせていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ひ、ああっ、あああっ。だめ、どうしたら、いいのかわかんない!も、もう!",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "自分の奥から湧き上がる感覚に振り回されているのか、カミシアはただ喘ぎ、感じ続ける。\nその身体が小刻みに震え、やがて大きく突っ張った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、あああっ!!",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "そして、一際高い鳴き声が、その小さな唇から発せられた。\n胸中心の愛撫に、どうやら達してしまったらしい。\n初めての絶頂、カミシアはベッドの上で力なく身を投げ出していた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "へぇ~、ふぅ~ん、うわ~",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "ベッドの上に四つん這いになりながら、カミシアは興味深げに俺のそれを眺め続ける。\nさっきのカミシアの痴態にすっかり固くなってしまっているそれを、カミシアはそっと両手で掴み、その全体を眺めていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "すっごいねえ、こんなになっちゃうんだねえ。お風呂で見たのとは全然違うなあ\n朝勃ち、だっけ?あの時って、やっぱりズボンの下ってこうなってるの?",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "ま、まあな……でも、その……本当にするのか?さすがにこれは無理しない方が……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "私の、あんな瞬間ジックリ見たんだし、今度は、私がパパの同じような瞬間を見る。うん、問題なし、でしょ",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "どうやら、さっきの瞬間を見られたのが本当に恥ずかしかったらしい。カミシアとしては、俺のそれを見ることで平等、としたいようだ。\n俺としては、むしろ嬉しい行為ではあるのだけれど、したい、と言ってくれるのなら、まあ……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ……",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "カミシアは、一度こくん、と唾を嚥下すると、その可愛らしい舌先をちろりと口から出した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "う……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "カミシアの熱い舌先が、俺の敏感な先端を舐める。ぴくり、と走る小さな快感に、俺は思わず声をあげた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん……なんだか不思議な味。でも、凄い熱いね。このさきっぽのとことか\nぴちゃぴちゃ",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "既に昂ぶってしまっている俺の先端をカミシアは舌で舐めると、その周辺へと広げていく。\nビリビリとした電流のような快感が、俺を素直に感じさせていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぴちゃぴちゃぴちゃ",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "たどたどしくも熱心な舌の動き。身体の奥の方から、猛烈な射精感が湧き上がってくるが、俺はそれをどうにか静めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……う……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "なんだかよく分かんないなあ、これ\nぴちゃぴちゃ",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "俺の肉棒を味わうように舐め続けながら、カミシアはチラリと俺に視線を送ってきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……どう……?気持ちいい……みたいだね。顔見たら分かっちゃった",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "それだけで充分分かったのだろう。カミシアの表情が嬉しそうに明るくなる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……ああ……すごくいい……ゾクゾク、きてる",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "背筋を走るその快感に、俺は下半身をこらえるだけで精一杯だ。気を抜けば、たちまち出してしまってもおかしくない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん、それじゃあ……\nあむっ",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "うくっ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "カミシアは、そんな俺の反応に満足したのか、今度は俺の先端をいきなり口へと含んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……あむ……ん……",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "そして口の中で、更に丹念に俺のを味わっていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……む……んぅっ……",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "大量に唾液が俺にまぶされ、熱い吐息と共に熱い舌の感触が俺を包んでいく。\nその舌先が俺の鈴口へと進入してくると、たまらず俺は背を弓なりに反らしていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああ……やばいっ、カミシア、そ、そこはちょっとっ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あむ……ここ……?",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "そこが喜んでもらえる。そう考えたのか、カミシアは重点的にそこを責めてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うあっ!だ、だめだ、カミシア!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "その刺激に耐えきれず、俺の奥からこぼれだしてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……んんっ……ん、なんか、苦いお汁でてきた……んむ……\nあむ、これ……ん……先走り、って……んむ……いうやつ?",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "カミシアはそれを、舐め取ると、更に噴き出させようとするかのように、吸い上げ始めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……む、あぐっ……んぅっ……\nあん……む……ん?おっきくなった……?",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "ゾクゾクとした快感が止まらない。今にも暴発しそうな下半身を必死に抑え続けるものの、さすがにもう限界だった。\nいや、もう抑えていたくない。この快感の中に、すべてを吐き出してしまいたい。そんな感覚が俺の脳髄を支配する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、あ、あ、も、もう……ああっ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そして俺は、その欲望をカミシアの口内へと解き放っていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んんうっ!!",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "いきなり放たれた精液の奔流に、カミシアが苦しげに声をあげる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "カミシア、は、離せ、いいからっ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "さすがに今のはまずかったかと、その口から抜こうとするものの、俺をしっかりと握ったカミシアの手がそれを許してくれなかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……んぐ、ぐ、んうっ",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "カミシアは、自分の口の中へと放たれる大量のそれを、どうにか飲み込んでいく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あう……苦ぁ……あんまりおいしくないね、これ",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "やがて、ようやく射精の収まった俺のそれから、最後まで飲み続けていたカミシアが口を離す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "無茶して飲み込むからだ。まったく",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "その口元に白いものをつけながら苦笑するカミシアに、俺の方も呆れてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だってぇ、パパのだったらおいしいかな、って",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "誰のでも同じだ。っていうか、だからといって他の人の試したりするんじゃないぞっ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "えへへ、パパ、嫉妬?",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "正直言えば、それもある。こんな行為を他の誰かとさせたくない。してほしくない。そんな気持ちが間違いなく俺の中では渦巻いていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大丈夫だよ。私はパパにしか男の人興味ないもん♪",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "だからこそ、そんなカミシアの言葉に、俺はより一層興奮してしまったわけで……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いよいよだね、パパ",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "その小さな身体をしっかりと抱きしめながら、俺はカミシアの入り口へと自分をあてがう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "その……本当にいいのか?まあ、今更無理って言われても俺が辛いけど",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "いいも何も、これやらなきゃ魔法かけられないし。そもそも、ここまでやらなくちゃウソでしょ\n私が、パパとこういう関係になることを望んだんだから",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "俺の最後の確認に、カミシアは、何を今更、と笑顔で返してくる。俺は、その答えに安心している自分の存在に気がつくと、それ以上聞くのをやめた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……分かった",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "うん。それじゃあ、いっきます♪",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "俺の答えをしっかりと聞いて、カミシアはその腰を下ろし始めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……あう……",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "その狭い通路の入り口を、ゆっくりと俺の肉棒が広げていく。\n小指すら入るのか怪しかったその場所を、思い切り滾ってしまった俺の欲望そのものがこじ開けようとしている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こ、これ、思った以上に、痛い、ね……",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "ぶちぶち、と嫌な感触を残しながら埋もれていくそれを、カミシアは思い切り強く俺を抱きしめながら堪えていた。\n熱い鮮血らしきものが、俺を伝っていくのが感じられる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大丈……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そこまで、だよ。私は、絶対、平気。最後までやるんだもん……",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "大丈夫か。そう聞こうとした俺に、カミシアは最後まで言わせてもくれなかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、だから一気に……いくね……",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "むしろ覚悟を決めたようにそう言うと、一気に力を入れて腰を下ろす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……ああっ!!",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "ぷつん、という感触と共に、その抵抗が一気に緩まる。そしてカミシアの身体の中へと、俺のそれがずぶっと飲み込まれていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……う……今度は、俺が辛いな……カミシアの中、きつすぎて……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "想像以上に狭い秘洞の中。カミシアの身体そのものが、俺の肉棒を締め付ける。\nこうして、このまま抱き合っているだけでも、そう保たずに達してしまいそうだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え、えへへ……凄いでしょ……調教しがいがあるよね",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "痛みを堪えながら、そう笑うカミシア。そんなカミシアに、俺も苦笑しながら返す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そういうセリフはもっと成長してからいいなさい",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "可能性の世界で生きた年齢的にはパパより上なんだけどなあ",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "えへへ、と笑うカミシアの可愛らしさに、俺は更に昂ぶってしまったらしい。俺は少しだけ、腰を動かしてみた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……なんか、パパ、動いた",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "身体の中で動くそれに、カミシアが敏感に気づく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ……少しずつ、な",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "カミシアの声に、特に辛そう、という色はなかった。俺はそのままゆっくりと、カミシアの中を上下させていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ん……な、なんか凄いかも、これ……",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "こすれ合う俺とカミシアの粘膜に、互いの身体を小さな電流が駆け上っていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "さっきよりも、びりびりとか、むずむず、強い……あ、こ、これ、きちゃいそう",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "少し動かすだけでも、強烈な快感が俺の神経を支配する。俺は必死に自分を抑えながら、カミシアの中を味わっていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、はぁ……ああっ",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "カミシアの奥の方から、たくさんの蜜があふれ出すのが分かる。それは更に俺達の動きをスムーズにし、互いを感じさせていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "す、凄い、よパパの!あ、熱くて硬いのが……",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "蜜のおかげで比較的動きやすくなったカミシアの秘洞の中。その狭い通路を、俺は懸命に貫いていく。\nそこから伝わる快感に、カミシアの声がどんどんと大きくなっていく。同時に、俺を掴む手の力も増していった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お腹の中、ごりごり、って……!",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "い、いや、むしろされてるの俺……!\nギュウギュウに締め付けられて……で、でも、気持ちよくて……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "カミシアが感じれば感じるほど、俺を締め付ける力も強くなっていく。動かす度に、俺はすべてを吐き出してしまいそうになる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "カミシア!ちょっとストップ!やばい!俺がまずい!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "や、無理!無理だよ、これ!",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "いつしか、カミシア自らが腰を動かすようになっていた。\nまだゆっくりで拙いものの、少しでも気持ち良くなりたい、気持ち良くしたいと動き続ける。\nそれは、俺が抑えられる限界を遥かに超えていて……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "き、気持ちよくて……痛いのに、それが、いいのっ\nや、あ、ああんっ!やだ、ま、また来そう!",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "いつしか激しい水音を伴って、俺達は互いに腰と腰とを叩き付け合っていた。\nもはや快感だけが身体を支配していて、腰を動かす以外は何も考えられない。\nカミシアを味わうことしか考えられない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もう、限界、だ。根本まできてて……う、く!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "これ以上、ガマンもしたくなかった。最後まで放ってしまいたかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふぁ、あ、ああっ!\nあ、ああっ。んあ、ひゃあん!い、いいっ、くる、きちゃう!",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "カミシアも、ただひたすらに喘ぎ続け、気持ち良くなろうと動き続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "も、もうっ!",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "そして、不意に思い切り背を弓なりに反らした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああああああっ!!",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "キュウッ、と秘洞が思い切り狭まり、絶頂の声が響き渡る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "で、出るっ!!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺もその快感に抗うことはできず、そのまま全力で撃ちだしていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え、えへへ。イっちゃった……",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "俺のすべてをその小さな身体で受け止めながら、カミシアが嬉しそうに笑みを浮かべる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああ……凄かった……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "正直、後半気持ち良すぎて、何も考えていなかった。\nこれで成長してしまったら、いったいどんな身体になってしまうんだろうか、この子は。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "パパの凄いねえ。お腹の中でまだ硬いよ",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "出せるだけのものは出したはずなのに、俺はなぜかまだ萎えてくれていない。それほどまでに、カミシアの中が気持ち良すぎる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、これでデータ称号完了。もう大丈夫だよ\n今日一日は、私の加護がパパにあるから",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "その言葉に、俺は気がついた。さっきから自分の中にあった、この不思議な違和感に。\n紛れもない自分なのに、だけど自分じゃない。そんな不思議な違和感。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……そういえば、さっきからまさか、って違和感を感じるんだが、もしかしてこれが、その魔法なのか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "うん、そう。それが私の魔法",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "そして、俺はハッキリと認識した。この違和感が自分のものである、と認識した瞬間に、俺はその力を確かに手に入れていた。\nこれがカミシアの魔法……カミシアが俺にくれた力。\nこれなら、確かに……俺は、ここまで……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ありがとう、カミシア",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は素直に感謝の言葉を述べていた。\nカミシアが俺にくれたのは、力だけでなく、これからの可能性。これからの未来を、俺に信じさせてくれる力だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ううん、それは私のセリフだよ、パパ\nありがとう。私の、シャルのために戦ってくれて。シャルのために、未来に挑んでくれて\n前の三つの扉でも、出来るなら力になりたかった……でも、あえてならなかった。この瞬間の奇跡のために。パパなら、何かの奇跡を起こしてくれるんじゃないかって\nだけど、そのためにたくさん悲しい思いをさせちゃった……\nごめんね、パパ",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "娘のために父親が頑張るってのは当然だろ。ゲンだってそうだ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "パパ……だったら、娘がパパの勝利を願うのも当然だよね\nパパ。勇者っていうのは、きっと、覚悟を持つ者のこと。多くの人達の未来を変えてしまう覚悟\nでもね、それが必ず正しい未来とは限らない。きっと、苦しい未来や悲しい未来になる人もいる\nだけどそれでも、立ち止まらない者。正しい未来へと変える覚悟を持つ者こそが、勇者っていうんだと思う\n少なくとも、私はそう思ってる。だからパパは、パパが思う勇者になって",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "……ああ。必ず勝って、なってみせるよ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は笑うと、カミシアを抱きしめながらその唇に軽いキスをした。\nカミシアは嬉しそうに笑い、そしてもう一度、今度はカミシアの方からのキスをくれた。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"カミシア",
"姫"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 034802h_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "誰もいない、静まりかえった闘技場。ここにはモンスターの姿もなく、古代兵器もおかれていない。\nまるで舞台のように用意されていた特別な空間。間違いない、ここにいる。ヴェルは自分の予想が正しかったことを確信した。\nそして、それを示すかのように、一人の女性が奥から姿を見せる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ウチの相手は、やっぱりお前か、ヴェル",
"speaker": "トリア"
},
{
"utterance": "ええ。歳を弁えない母親のお遊びを諫めるのは、娘の役目でしょ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "余裕めいた、楽しげな笑顔を浮かべるトリアに、ヴェルも笑顔で答える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "母様の力は狭い場所じゃあ発揮しきれない。多分ここだと思ってたわ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ああ、正解だよ。だがまあ、なんだろうなあこれは。さっきから年甲斐もなく胸のトキメキがとまらんのだよ\n幼い頃、少し道を間違えていた可愛い娘が自らの道を得、そして親を越えようとしている",
"speaker": "トリア"
},
{
"utterance": "はあ……何がトキメキよ。本当に歳を考えてほしいわね",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "うむ、確かにそうだな。毎日毎日婿殿に胸ときめかせて、ヒメー♪だっこー♪キスしてー♪抱いてー♪孕ませてー♪などとやってるお前にはかなわん",
"speaker": "トリア"
},
{
"utterance": "そ、そそそそんなこと言ってないわよ!!……たまにしか\nでも、いいわ。母様がヒメの道の邪魔になるというのなら、その壁、粉々に砕いてあげる",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ああ、そうだ。むしろ砕いてくれねば困る。勇者や英雄なんて称号は、さすがに少々重くてなあ。いいかげん肩がこる",
"speaker": "トリア"
},
{
"utterance": "トリアは肩を回すような仕草をしながら言うと、その懐から小さな水晶玉を取り出し、見せる。\n恐らくは、あれがゲンへと続く道を塞ぐもの。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それから、殺す気でこい\nお前が思っている以上に、この壁は厚くて高い。そうでなければ到底届かんぞ。なあに、娘とのじゃれ合い程度で死ぬほどヤワじゃないから安心しろ\nいいか、くれぐれも失望はさせてくれるなよ?",
"speaker": "トリア"
},
{
"utterance": "こっちのセリフだわ。負けても、歳のせいだけにはしないでよ\nだから、安心して負けなさい。老後の面倒は、死ぬまできっちり見てあげるから!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ヴェルは言うと、漆黒の鎌を大きく振るう。そして、魔族の頂点の戦いが始まった。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"トリア",
"ヴェル"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 044802a_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "誰もいない、静まりかえった闘技場。ここにはモンスターの姿もなく、古代兵器もおかれていない。\nまるで舞台のように用意されていた特別な空間。間違いない、ここにいる。紅は自分の予想が正しかったことを確信した。\nそして、それを示すかのように、一人の女性が奥から姿を見せる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ほう。ウチの相手はてっきりヴェルが来るかと思っていたんだがなあ",
"speaker": "トリア"
},
{
"utterance": "ヴェルには、もっと大きな役目がありますから。ここはあたしの役割です",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "ヴェルは、姫と共に地下へと向かった。姫を最後まで護るために。だから、そんな二人の道を作ることこそが自分の役目だ。紅は正面からトリアへと言い切る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……なるほど。婿殿と奥に行ったか。いや、実に感慨深いじゃないか。幼い頃は感情もほとんど見せず、ただ人を傷つけることでしか充足を得られなかった……\nそんな子が、笑顔を覚え、悲しみを知り、想い人と共に親越えをしようとしている。婿殿はもちろん、お前たち友人にも本当に感謝するばかりだ\nそのお礼、というには少々安いかもしれないが、ウチ直々の個別授業だ。受けていけ",
"speaker": "トリア"
},
{
"utterance": "あの、トリア=セインの個別授業です。安い、なんて言ったらバチが当たりますよ\nあたしの実力であなた程のレベルに挑む。正直、足の震えが止まりませんが、今はこれも武者震いだと思うことにします",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "はっきり言えば、紅とトリアでは実力差がまだありすぎる。普通に戦うのならば決して勝てない戦いだ。\nけれどそれでも挑まなくてはいけない。白鷺姫の、次代の勇者の一員として、ここにその力を示さなくてはいけない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うむ。それくらいでなくては困る。恐怖すら楽しんでみせろ",
"speaker": "トリア"
},
{
"utterance": "そしてトリアも、そんな紅の挑戦を正面から受け止めた。\n無論、殺す気はない。これは倒すための戦いではないのだから。けれど、負けてやるつもりもない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だが、やれるか白川。ウチを倒せなくては、ゲンへの道は繋がらんぞ",
"speaker": "トリア"
},
{
"utterance": "トリアは言うと、その懐から小さな水晶玉を取り出した。恐らくは、それこそが姫の道を塞いでいるもの。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あたしは以前、間違いを犯しました。そしてその時、姫の隣で姫を追い続けるって約束しましたから……\nあいつがあたしの遙か前を歩くなら、あたしは走ってでもその隣に並んでみせます!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "あっはっはっは。いいぞ、白川。そうだ。男なんてのは、女から追いかけて捕まえるもんだ。思い出すねえ、まーくんとの乱れに乱れた愛欲の日々をっ\nなら、始めるとしようか!追いついてみせるがいいぞ、白川!ウチではなく、婿殿にな!",
"speaker": "トリア"
},
{
"utterance": "紅の瞳に迷いはない。ならば、試す価値もある。トリアは心から愉快に笑うと、その武器たる鉄扇を取り出した。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"トリア",
"紅"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 044802b_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "神族にとって、トリニティにおいて特に神聖とされる場所。\nモンスターも、古代兵器の姿もない。静けさと清らかさとを保ったままのその場所へと、ノートは足を踏み入れた。\nあの人と戦う場所として、ここ以上にふさわしい場所は他にない。ならばきっと。そんな想いが、ノートの足をここへと運んだ。\nそして、そんな想いを正面から受け止めるように、偉大なる神族の王妃が姿を見せる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いらっしゃい、ノートちゃん",
"speaker": "ルアン"
},
{
"utterance": "お母さん……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "その端正な顔立ちの中に、清らかな笑みを湛えて、ルアンは前へと歩いてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まさかこんな形でノートちゃんと戦う時が来るとは思ってもいなかったけれど……\nでも、今はそれがとっても嬉しい。ノートちゃんが、自分の意思で、自分のために、私を越えようとしてくれてることが\n正直、怖かったわ。ノートちゃんが、あの力に振り回されてしまわないかって。望んでもいないことのために、けれど義務だからって使ってしまわないかって\nだから、嬉しかった。ノートちゃんがあの力を、愛の力だって言ってくれたことが",
"speaker": "ルアン"
},
{
"utterance": "はい。今のボクには、こんなボクでも支えてみせるって言ってくれる人がいますから",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "ノートは、忘れない。自分の願いを受け止めて、自分を殺してくれた少年のこと。自分の心を守り、救ってくれた少年のこと。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だから、もう大丈夫。ありがとうございます、お母さん",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "だからもう、あんな力に負けはしない。湧き出す黒い心に乗っ取られることもない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だけど、大丈夫?こう見えてもね、お母さん、本気を出すとまだまだ頑張れちゃうわよ\n決して手は抜かない。それは逆に失礼だもの。そんな私を、越えられる?",
"speaker": "ルアン"
},
{
"utterance": "越えてみせます、絶対に。それはボクの誓いで、約束ですから\n姫くんがボクの心を支えてくれる。だからボクは、姫くんの進む道を誰にも邪魔させない。それがたとえお母さんでも、壁になるなら、砕いてみせます!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "そう。ならもう言うことは何もないわ\nただ真っ直ぐに、私を越えて行きなさい。みんなと一緒に",
"speaker": "ルアン"
},
{
"utterance": "はい。ノート=ルゥム。白鷺姫の、今、剣として!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "あの夜のヴェルとの誓いを思い出す。姫の望む未来を作るため、自分は全力で戦う。\nノートは、母への感謝と、姫への想いの両方を胸に、その剣を抜いた。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"ルアン",
"ノート"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 044803a_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "神族にとって、トリニティにおいて特に神聖とされる場所。\nモンスターも、古代兵器の姿もない。静けさと清らかさとを保ったままのその場所へと、紅は足を踏み入れた。\n神王妃ルアン=ルゥム。あの人が待つ場所として、ここ以上に相応しい場所はない。紅は確信していた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あら。紅ちゃんが、私のお相手なのかしら?",
"speaker": "ルアン"
},
{
"utterance": "そして、その想いに応えるように、銀色に輝くような女性が立ち上がる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ええ。ノートでなくて申し訳ありませんが、ノートは、姫と行ったので",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "姫を最後まで護るため、地下へと向かっていったノート。紅は、そんなノートに託されてこの場所へと来た。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そう。ちょっと残念ではあるけれど、でも母親として嬉しくもあるわね\n自分の運命や義務なんかのためでなく、自分で選んだ大切な人のために戦ってくれる……\n本当、親の知らないところで勝手に成長していくものね、子供って",
"speaker": "ルアン"
},
{
"utterance": "憑依兵器として生まれたノート。そのノートを本当の娘として愛し、育ててきたルアン。だからこそ、今のノートの姿を心から喜んでいる。\n紅には、その気持ちが痛いほどに分かる気がした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ごめんなさいね、ちょっと耽ってしまったみたい。それじゃあ、始めましょうか",
"speaker": "ルアン"
},
{
"utterance": "ええ。ノートと比べれば物足りないとは思いますが、あたしも姫の隣に並ぶことを選びました\n絶対に、あいつの行く道を開いてみせます",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "ノートの想いは充分に知っている。その重さも、強さも理解している。けれど、だからといって自分も負けているつもりはない。\nノートと同じだけの想いを持って、今ここにいる。紅は偉大なる神王妃を前に、正面から言い切ってみせた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大丈夫よ。こう見えてもね、紅ちゃんのこと、結構高評価してるのよ、私達\nだから、本気でいくわ。神界王妃としてでなく、前勇者の一員として",
"speaker": "ルアン"
},
{
"utterance": "ならあたしは、次代の勇者の一員として\n白川紅、参ります!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "戦乙女ルアン=ルゥム、全力で受けて立ちます!",
"speaker": "ルアン"
},
{
"utterance": "切り開く者と護る者。二人の戦いが、荘厳なる大聖堂の中で今始まった。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"ルアン",
"紅"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 044803b_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "数匹のモンスターを倒しつつもウルルが向かった場所、そこは、ウルルにとって思い出深い場所でもあった。\n最初の扉の時に、アミアと戦った場所。\n自分が本当の意味で、初めて誰かのために戦った場所だった。試されるのなら、ここになるんじゃないか。そんな予感が、ウルルをこの場所へと誘った。\nそして、それを望んでいたかのように、一人の竜族がウルルを出迎える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やはりウルル様なのですね、私の下へいらしたのは……",
"speaker": "バリアリーフ"
},
{
"utterance": "バリアリーフ……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "本当に、世界は酷なことを望まれるものですわね。この私に、ウルル様へその拳を向けろ、などと……",
"speaker": "バリアリーフ"
},
{
"utterance": "複雑な想いをその瞳に浮かべながら言うバリアリーフ。ウルルは、そんなバリアリーフの正面に立つと、ハッキリと言う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大丈夫。分かってるよ、バリアリーフ。あなたが、前勇者としてここに立っていること\nだから、全力でお願い。ウルルは、きっと乗り越えるから",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ウルルさま……大きくなられましたね……本当に……\nウルルさまばんざーい!ウルルさまばんざーい!!ウルルさまばんざーい!!!\nああ、私、大声で称え、叫びたい気持ちでいっぱいです!",
"speaker": "バリアリーフ"
},
{
"utterance": "叫んだよね!?今思いっきり大声で叫んだよね!!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "申し訳ありません。なんといっても、そこに可愛らしいウルルさまがいらっしゃるものですから",
"speaker": "バリアリーフ"
},
{
"utterance": "理由になってないよね!?それ絶対理由になってないよね!?",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ウルルさまの成長、しかとこの目、この耳にて確認致しましたわ\n大世界杯において敵対し、そしてまたここでも……そのお咎めはあとでいくらでも受けましょう\nですが今この場では、竜族のバリアリーフ=クリートとしてではなく、前勇者の一人バリアリーフ=クリートとして……\n次代が勇者、ウルル=カジュタに、この私から挑みましょう!",
"speaker": "バリアリーフ"
},
{
"utterance": "負けないよ、バリアリーフ。ウルルは、守られるためにいるんじゃないから\nウルルは、みんなを守るために、いるんだから!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "それこそが、姫と出会って、ウルルが得た最大のもの。誰かを守るという、ハッキリとした意思。\nそんなウルルに心からの笑顔を浮かべ、バリアリーフは構えをとった。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"バリアリーフ",
"ウルル"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 044804a_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "そこが、ウルルにとって特別な場所であることは聞いていた。\nウルルが、初めて誰かのために戦った場所。第一の扉において、アミアと戦った、特別な場所。\nバリアリーフがウルルを見極めようとするならば、ここしかないと思っていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なるほど……ここに来たのはあなたでしたか、生徒白川",
"speaker": "バリアリーフ"
},
{
"utterance": "その場所へと辿り着いてみれば、思った通り、バリアリーフが待ち受けていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はい。若輩者ではありますが、全身全霊を持って挑みに来ました",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "ウルルは姫と共に地下へと向かった。なら、そのウルルの代わりとなって、この場所を勝ち抜くのが自分の役目だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふふ。自らの意志にて、勇者となりに来た者が自らを若輩などと呼んではいけませんよ、生徒白川\nそれにしましても、ウルルさまにこの拳を向けなくてよくなったこと……喜ぶべきでしょうか。それとも悲しむべきでしょうか……\nいえ、ここは喜びべきとしましょう。生徒白鷺と共に中心へと向かったウルルさまの成長はもちろんのこと……\nこの私に挑む生徒の成長すらも、この身にて感じることができるのですから",
"speaker": "バリアリーフ"
},
{
"utterance": "……先生が、あたしたち人族にも公正でいて下さったのは、ゲンさんを……勇者とは何かを知っていたから、なんですか?",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "ええ。一人の力など、それより大きな力に出会ってしまえばそこでおしまいですもの。すべてを一つに集める勇者の存在。そこに種族の壁など邪魔なだけですわ\nよろしいですわね、生徒白川\n今この場で私の前に立ったからには、その存在は同等。そう私は思っていますわ。無論、全力にてお相手しましょう!",
"speaker": "バリアリーフ"
},
{
"utterance": "はい。あなたのおかげで掴んだ力を、今、限界以上にお見せします!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "どこまでこの人を相手にやれるのか、正直不安だらけだ。だがそれでも、今はそのことを忘れることにした。\n今考えることはただ一つ。必ず勝って、姫達の行く道を開いてみせる。紅は二刀を手に、駆けた。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"バリアリーフ",
"紅"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 044804b_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "もう!次から次へと、ゲテモノ魔法ばっかり!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "トリアの言葉と共に現れた巨大な魔法陣から、巨大な門が出現し轟音を立てながら開く。\nそこから噴出した溶岩の波を見て、ヴェルは思わず声を上げた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ゲテモノとは酷いなあ、せめて個性が強いと言ってくれ",
"speaker": "トリア"
},
{
"utterance": "ヴェルはそんな自分を見ながら、実に楽しそうに話すトリアを睨み返し、魔力を込めた鎌を門に向けて振りぬく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はあああ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "魔力の波が噴出した溶岩を押し返し、巨大な門を吹き飛ばす。それと同時にヴェルはトリアに向かって走り出した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "おお、こいつも砕くか!なら!",
"speaker": "トリア"
},
{
"utterance": "しかし、トリアはあくまでも余裕を崩さずに、鉄扇をヴェルに向ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "その言葉と共に空間から突如現れた無数の腕が、ヴェルの体を拘束した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こ、これがゲテモノじゃ無くてなんだってのよ!!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "そうか?慣れると結構可愛いぞ?",
"speaker": "トリア"
},
{
"utterance": "体をがっちりと拘束される不快感に耐えながらトリアを睨みつけるが、その程度でひるむトリアではない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それに、さっきからそのゲテモノを突破出来ないのは誰かな?",
"speaker": "トリア"
},
{
"utterance": "むしろ、その程度かという視線に、ヴェルは怒りと共に一気に魔力を放出する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぬぐぐ、こんなものおおおおお!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "魔力によって強引に拘束を吹き飛ばすが、そこに狙い済ましたようにトリアの魔法が炸裂した。\n不可視の斧がヴェルに向かって空気を切り裂きながら迫る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まだ、まだ!!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "それをヴェルはとっさに鎌をふるって打ち砕く。魔力と魔力がぶつかりあい、轟音を周囲に響かせた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふん、ウチがゲテモノ魔法なら、お前は相変わらずの馬鹿魔力だな",
"speaker": "トリア"
},
{
"utterance": "バカ魔力って言うな!!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ヴェルは、攻撃を打ち砕いたヴェルに呆れつつも笑顔で話すトリアにようやく肉薄する。あとは攻撃を一撃でも与えれればいい。\nさしものトリアも、ヴェルの魔力の込められた一撃をまともに喰らってしまえば、ひとたまりも無い。\nしかし、迫り来る鎌にトリアは動じる事も無く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひょいっと",
"speaker": "トリア"
},
{
"utterance": "なっ!?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "まるで舞の様に体を軽くひねると、ヴェルの鎌を回避。さらにその勢いのまま、鉄扇がヴェルの体を打ち、ヴェルが悲鳴を上げる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "接近戦なら勝てると思ったか?残念だったな\nウチは接近戦の方が強いぞ?",
"speaker": "トリア"
},
{
"utterance": "仕切りなおしとばかりにヴェルの間合の外に逃れたトリアの言葉に、ヴェルは油断無く鎌を構え直すと。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そんなこと、嫌って程知ってるわよ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "そう叫びながら再びトリアの元へ踏み込んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はは、だろうなあ。子供の頃からウチには接近戦では勝てた事がなかったからな",
"speaker": "トリア"
},
{
"utterance": "魔力が宿った鎌が振るわれ、それと同時に周囲に衝撃波が奔るが、それすらも即座に範囲を見切ったトリアによって避けられる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ちょいさ",
"speaker": "トリア"
},
{
"utterance": "さらにそこから再び踊りのように体を回転させると、その足をヴェルの腹へと叩き込んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あぐっ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "不意に襲った苦痛にヴェルの動きが止まる。それを見逃すほどトリアは甘くなく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ほれ、もう一つ",
"speaker": "トリア"
},
{
"utterance": "きゃ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "鉄扇による打撃が、うつむいたヴェルの額を打った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "相変わらずふらふらと……落ち着かない",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "とっさに思い切り顔を引いたため、そのまま意識を刈り取られる事は無かったが、頭を揺らされ朦朧としかける意識を気合でねじ伏せ、距離をとる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そりゃそうだ、何せウチの本領は舞だ。若い頃は魔族軍の中じゃアイドルだったんだぞ?\nまあ、アズロ姐やルーにゃんにはかなわなかったがな",
"speaker": "トリア"
},
{
"utterance": "そう言って笑った後、今度は自分から踏み込んでくるトリアを、ヴェルは迎え撃つ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "今度こそ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "独特な歩法で、まるで滑るようにこちらの間合に踏み込んで来たトリアに、ヴェルは鎌を下から跳ね上げるようにして魔力を飛ばした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ほい、はずれだ。そしてこれはお返しだ",
"speaker": "トリア"
},
{
"utterance": "だが、今までがそうであったように、再び攻撃は空を切る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そう、何度も!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "しかし、ヴェルも馬鹿では無い。振り上げた攻撃はフェイクであり、ヴェルはそのまま鎌を反転、魔力をまとわせて振り下ろそうとするが。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ほう、そうくるか。ならこれはどうだ?",
"speaker": "トリア"
},
{
"utterance": "!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "トリアは再びの歩法で、滑るようにヴェルの鎌の内側へと、より深く踏み込んできた。\n殆ど密接するような距離だ、この距離ではさすがに鎌を振り下ろせない。その動揺が一瞬の動きの硬直を生んでしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "動きを止めるな馬鹿、そこはそうじゃない",
"speaker": "トリア"
},
{
"utterance": "きゃ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "そんなヴェルを叱るように強い口調で言ったトリアの手が、ヴェルの体を掴む。\nそして自らの舞に巻き込むようにくるりと一回転すると、その勢いでヴェルを地面に転がした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あああ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "続けざまにトリアが生み出した闇魔法がヴェルの身体を包み込んだ。\nヴェルは、その直後の爆発によって吹き飛ばされ地面を転がるが、なんとか立ち上がる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ヴェル、お前は魔力に頼りに過ぎる。それでいてその力を全然使いこなせてない\nまあ、お前ほどの力なら、何も考えずに魔力を振うだけで大抵の奴には勝てるだろ",
"speaker": "トリア"
},
{
"utterance": "そんなヴェルを見て諭すように話すトリアを睨みつけながら、ヴェルは頭を必死に回転させた。\nどうすればトリアに勝つことが出来るのか。勝つために何が必要なのか。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そうよ、今までもそうしてきたもの、これだからだってそうするつもりよ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "それでいい。ウチはお前の生き方を否定してるんじゃない。ただ少しだけ前に進めと言っている!",
"speaker": "トリア"
},
{
"utterance": "言葉と共に踏み込まれ、さらに振るわれた鉄扇を、なんとか鎌を盾にする事で防御する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くっ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "しかも今度はそれで終わらない。舞のように繰り出される連撃が、次々とヴェルの身体を傷つけていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お前は賢い子だ。ウチの子だからな",
"speaker": "トリア"
},
{
"utterance": "余計な自画自賛いらない!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "そんな連撃の一つをぎりぎりで回避すると、大降りの一撃をはずされ、トリアがバランスを崩した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "おっととと!",
"speaker": "トリア"
},
{
"utterance": "もらった!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "それを好機だと思い、ヴェルはすかさず鎌を振るうが。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なんつってな",
"speaker": "トリア"
},
{
"utterance": "バランスを崩したかに見えたトリアの膝が跳ね上がり、攻撃モーション中のヴェルの腹に突き刺さった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃん!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "そこから発生する連撃に、ヴェルは再び防戦一方となる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まあ、とにかく考えるんだな、自分の魔力の使い道をな\n今まで無意識にやってたことを意識するだけで良い。それだけでお前はもっと強くなる",
"speaker": "トリア"
},
{
"utterance": "え?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "いままでと違い、すこし優しい言葉にヴェルが思わず間の抜けた声を上げてしまうと、トリアはにやりと笑った後に大きくヴェルから距離をとった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "さあ、敵に塩を送るのはこの辺にしておくかな。さあヴェル、お前の進化を見せてくれ",
"speaker": "トリア"
},
{
"utterance": "そういって鉄扇を二つ広げて構えるトリアから、強い魔力光が生まれる。それと同時に周囲の温度が確実に上昇する。\nしかし、上がる周囲の温度とは対照的に、それを見た瞬間、ヴェルの背筋に冷たいものが走った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あれは!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "炎舞。\n滅界戦争中、トリアが好んで使い、多大な戦果を上げた必殺魔法。ひとたびトリアが戦場で炎をまとって舞い踊れば、その地には草木一本残らないとまで言われていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お前も知ってるとは思うが、炎舞の威力は他の魔法とは比べものにならない威力だ。まともに喰らったら、いくらお前でも死ぬかもしれんな",
"speaker": "トリア"
},
{
"utterance": "……死",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ストレートな言い回しと、確実に上がっていく周囲の温度に、ヴェルは初めて明確な死のイメージをした。\n自分は今、死の淵に立たされている。もしこの状況を打破できなければ、自分は確実に死ぬと。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ちなみに魔力での相殺もできるような代物じゃないからな。防ぎたければ他の手を考えろ",
"speaker": "トリア"
},
{
"utterance": "……くっ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "確実に近づく死に身体が振るえ、足がすくむ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "さあ、行くぞヴェル。この試練を乗り越えて成長しろ!",
"speaker": "トリア"
},
{
"utterance": "それでもなんとか自分を奮い立たせ、ヴェルは大きく叫んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もう、勝手なことばかり言って!\nいいわ……私だって、なんの覚悟も無しにここに立ったわけじゃ無いのよ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "そうだ、自分は負けてはいけない。姫の為に、全てを乗り越える最強の魔法でなければならない。\nならばここで逃げることは許されない。ヴェルは全身で魔力を意識しながら、まっすぐにトリアを見た。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "さあ、全てを無にする煉獄の舞!耐えられるか!",
"speaker": "トリア"
},
{
"utterance": "その直後、トリアを中心に炎の渦が周囲に放たれる。それは膨大な熱量を持ってヴェルに襲い掛かった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くっ!あああああああ!!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "今まで体験したことの無いほどの熱が肌を焼く。防御のために張った魔力なぞ気休めにもならず、ヴェルは思わず苦痛の声を上げる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "負けない、負けない!絶対に負けない!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "しかし、それを飲み込み叫ぶ。気を失いそうになるのを必死に堪え、自分自身に呼びかける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "私はヒメの最強の魔法なの!それが、それがこんな所で立ち止まってる訳にはいかないのよ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "そう。炎舞がトリアの最強魔法なら、こっちは白鷺姫の最強魔法だ。ならばこそ負けられない。ヒメの最強魔法である自分が、他の魔法には絶対に負けられない。\n必ず勝つ。自分の為に、そして姫の為に。今までの自分で勝てないなら、新しい自分を創造してでも必ず勝つ。それこそがヒメの最強魔法。\n大魔法ヴェル=セインだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あああああああああ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "なに!",
"speaker": "トリア"
},
{
"utterance": "その瞬間、自分の中で何かのピースがカッチリとはまったような気がした。\nそして気がつけば、ヴェルは周囲に展開された膨大な炎を吹き飛ばし、立っていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "自分の力の高まりを感じながら、つぶっていた目をゆっくりと開き、トリアに向き直る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "自分の魔力の波にウチの炎を巻き込んで消滅させたか",
"speaker": "トリア"
},
{
"utterance": "そう。単純に魔力を放出したのでは無く、魔力を意図した形で周囲に流す事で、より効率的に相手の攻撃を消滅させる事が出来た。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "わかったわ、ええ意識しろってそういうことだったのね!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "今までの、ただ単に膨大な魔力に頼りそれを放出するのとは違う。目的を明確にし、それにあった形で魔力を流す。今までのヴェルに足りなかったものだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふふ、一歩前に進んだかヴェル!ならその力をもっとみせてくれ!",
"speaker": "トリア"
},
{
"utterance": "娘の成長を実感し、トリアは嬉しそうに笑うと再び鉄扇を構える。\nそれと同時に、再び現れる炎を、今度は冷静に観察できた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "炎の波……単純な魔力放出じゃ相殺は不可能。あれを突破するためには……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "もはや今のヴェルは立ち止まらない。何をすべきかは分かった。ならば後は実行に移すだけ。そこに恐れも迷いも存在しない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ほう、正面から!",
"speaker": "トリア"
},
{
"utterance": "力をただぶつけるのでは無く、指向性を持たせた魔力で切り裂く……!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "手順を確認するように呟きながら、迫りくる炎の波に向かって鎌を一閃させる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "おお!",
"speaker": "トリア"
},
{
"utterance": "それと同時に鎌から放たれた魔力は刃状になり、炎の波を引き裂き消滅させる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なるほど、今まで無意識にやってたことを意識する。こういう事ね",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ふふ、そうだ。お前はもっともっと強くなる。こんな所で立ち止まっていては勿体ない。だからまずはウチを越えて見せろ",
"speaker": "トリア"
},
{
"utterance": "もはや疑うべくも無い。自分の娘はたった今一つの壁を越えて、新たな境地に足を踏み入れた。嬉しいと感じる反面トリアは思う。\nもっと先を見てみたいと、この娘がどれほどの進化を遂げたのかを確かめたいと。だから遠慮も容赦も無く、掛け値なしの全力の魔力をつぎ込み叫ぶ。\nいままで見た事が無いほどの魔力光が、トリアが全力である事を如実に物語る。周囲を紅い光が照らし、発動もしていないのにトリアの周囲に陽炎ができる。\nそれでも今のヴェルは動じない。いかなる脅威も、今の自分には意味をなさない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "感謝するわ、母様。私の中にある可能性に気がつかせてくれて\nだから、そのお礼に今の私に出来る全力を見せるわ。受け止めてね母様、これが今の私よ!好きな人の為に強くなった、ヴェル=セインの強さよ!!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "鎌を強く握り、全力に対して全力で応える事が感謝の印であると、言葉どおり真正面からトリアの攻撃を受ける構えを見せる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "さあ!こい!!",
"speaker": "トリア"
},
{
"utterance": "トリアの言葉と共に、全力の炎舞が放たれる。それはかつて無いほどの威力をもって、ヴェルに襲い掛かる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はあああああああ!\nせいやああああああああ!!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "トリアから放たれた、巨大な火球。ヴェルはそれから一切目を背けずに思い切り鎌を振りかぶると、一気に振り下ろした。\nその一撃で発生した魔力は、まるで意志をもつかのように収束し火球を貫くと、その先にいるトリアまでをも飲み込んだ。\nそれと同時に彼女が保有していた水晶が、盛大な音をたてて砕け散る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふふ……さすがだヴェル",
"speaker": "トリア"
},
{
"utterance": "魔力の奔流に吹き飛ばされ、地面にたたきつけられて気絶する瞬間も、トリアの表情は、娘の成長を喜ぶ笑顔のままだった。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"トリア",
"ヴェル"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 044805a_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "風の力を使い、ノートはルアンに向かって一直線に突き進む。そんなノートにルアンは動揺も無く手をノートへと向ける。\nそれと同時に手のひらから光の楔が出現、ノートに向かって高速で射出された。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "強化魔法で加速していただけに、避けきれないと判断したノートは、とっさに防御魔法を発動させる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あらダメよ、動きを止めちゃ",
"speaker": "ルアン"
},
{
"utterance": "しかし、光の楔を受け止めた防御結界に、追撃とばかりに雷が突き刺さる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃ!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "それによって防御結界に無数のヒビが入り、その結界を打ち砕いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "続いて",
"speaker": "ルアン"
},
{
"utterance": "それに動揺するノートに向かい、さらにルアンは追い打ちをかける。魔力光が輝くとほぼ同時に魔法名を発する。\nそれと同時にノートの足下に魔法陣が出現、その内側だけを超重力が襲い、ノートの動きを束縛する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "術式解析……術式破壊!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "しかし、ノートもすぐさまその術式を解析、魔力剣を魔法陣に打ち込んで、術式を破壊した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふふ、やるわね",
"speaker": "ルアン"
},
{
"utterance": "お母さんこそ、さすがです。全く近づけない……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "そこで一度仕切り直しとなり、互いに距離を離したまま、互いに言葉を投げる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "私と戦うということは、いかに私の魔法を突破し、防御を抜いて攻撃を届かせるかの勝負になるわ",
"speaker": "ルアン"
},
{
"utterance": "一度護る対象を決め、護る事に専念したルアン=ルゥムの防御は、トリア=セインにも破壊出来なかった……教科書の通りですね",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "かつて滅界戦争時代、ルアンは神族の中でも突出した防御力を持つ事で知られていた。\n特に神王の親衛隊になってからは、それが顕著で、あらゆる攻撃から神王を守り抜いた手腕はもはや伝説になっている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ええ。旦那様を背中に護っていて、誰かに突破された事は一度もないわ\nそして、今の私はその時と同じ気持ちで戦ってるわ……これがどういう事かわかるわよね?",
"speaker": "ルアン"
},
{
"utterance": "そういって微笑むルアンに、ノートはしっかりと頷いた。その理由はノート自身が良くわかっている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なるほど……生半可な攻撃が通用しないわけです",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "私の旦那様に対する思いは、今も少しも衰えていないわ\nさあ、ノートちゃんは私の旦那様への愛を乗り越えられるかしら?",
"speaker": "ルアン"
},
{
"utterance": "自分も同じ理由で負けられないのだ、ルアンの言葉に共感出来ない訳が無い。それでもルアンの言葉に、思わず苦笑してしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まったく、戦いの最中にのろけないで下さい。戦いにくくなっちゃうじゃないですか",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "あら、ノートちゃんに言われたくないわ。普段から姫くんの話題でのろけまくってるじゃない",
"speaker": "ルアン"
},
{
"utterance": "そ、それとこれとはちがいます!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "いきなり姫の事に話題を振られ慌てて否定するが、ルアンは再び小さく微笑んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふふ、同じよ。ノートちゃんの姫くんを思う気持ちが、私が旦那様を思う気持ちを上回れば、きっと私を突破できるもの",
"speaker": "ルアン"
},
{
"utterance": "姫くんを、想う気持ち",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "ルアンの言葉に、もう一度自分の胸の内を振り返り、どこにも否定する要素がない事に軽く赤面する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ねえ、ノートちゃん。お母さんにあなたがどれぐらい、誰かを好きなったか、見せてくれる?",
"speaker": "ルアン"
},
{
"utterance": "そんなノートを見て、再び構えを取りながら、ルアンはノートに問いかける。\nノートは、そんなルアンの瞳を見据えると。しっかりと頷いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はい!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "うん、いい返事ね。お母さん嬉しくなっちゃうわ",
"speaker": "ルアン"
},
{
"utterance": "ノートの言葉に満足して頷くルアンを見て、こちらも笑顔になりつつも気を引き締めて魔法を発動させる。\n身体強化の魔法であり、かなり強力で身体への負荷もばかにならないが、ルアンに勝つために手段を選んでいる暇など無い。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "行きます!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "全身強化を施し、さきほどまでより格段に良くなった動きで。ノートがルアンに迫る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これ以上近づけさせないわ!",
"speaker": "ルアン"
},
{
"utterance": "しかし、そんなノートに、光によって編まれた鎖が迫る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それはもう見ました!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "!",
"speaker": "ルアン"
},
{
"utterance": "ソートはそれに対して一喝すると、その全てを回避して見せた。\n何故そんな事が出来たかと言えば単純で、その拘束魔法を幾度かこの戦闘中に目撃していたからだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "動きを完全に見切ってる!?",
"speaker": "ルアン"
},
{
"utterance": "そう。ノートは攻撃を喰らう度に、その攻撃を覚え、戦いながら分析することで少しずつルアンの攻撃に対応していく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なら、これでどう?",
"speaker": "ルアン"
},
{
"utterance": "そうして、再びルアンの間近まで迫るが、やはりルアンは動じずに今度は手を振り上げた。\nそれと同時に光によって作られた楔が空中に現れる。それも先ほどと同じような一つでは無く、複数が同時に現れた。それを確認するとルアンは手を振り下ろす。\nそれと同時にに、まるでそれぞれが意志をもつかのようにノートを追尾する。\nしかし、今度はノートがルアンを驚かせる番だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "闇よ、惑わして",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "幻術!?",
"speaker": "ルアン"
},
{
"utterance": "周囲が一瞬で闇夜に落ちたように光を失う。ルアンもノートを見失い、楔はでたらめに地に刺さった。\nルアンはすぐさま幻術を打ち破るが。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "居ない!",
"speaker": "ルアン"
},
{
"utterance": "そこにノートの姿は無い。そう思った刹那、背後に気配を感じた。その気配は紛れもなくノートだ。\n背後にいるノートが魔力剣を振りかぶるのがわかる。\nルアンは冷静に魔法を発動させると、直後に降り注いだ光がノートを撃ち貫いた。\nしかし、そこでようやくルアンは気がついた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ダミーシルエット!?",
"speaker": "ルアン"
},
{
"utterance": "ボクたちの師匠はミリオさんですから",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "撃ち抜かれたノートが、かき消えるように消滅する。そして、そのすぐ後ろから本物のノートが現れる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "貰いました!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "完璧なタイミングだとノートは思った。この機会を逃さずに一気に決める。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"ルアン",
"ノート"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 044806a_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "てやあ!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "かけ声と共に踏み込んだ拳をバリアリーフが避ける。それは空を切ったあと壁にぶち当たり、頑強なはずの学園の壁に幾重ものヒビを走らせた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "さすがに金竜の拳、直撃すればただではすみませんわね!",
"speaker": "バリアリーフ"
},
{
"utterance": "そんなウルルの一撃を見て感嘆の声をバリアリーフが上げる。実際ウルルは経験差がかなりあるバリアリーフと良く戦っていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "しかし、やはりまだ大振りですわね!",
"speaker": "バリアリーフ"
},
{
"utterance": "あぐっ!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "いかに金竜の力とはいえそも、経験差というのは簡単には覆すことができない。\nウルルの攻撃は紙一重でかわされ、その攻撃に正確にカウンターがたたき込まれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はっ!",
"speaker": "バリアリーフ"
},
{
"utterance": "さらにカウンターで浮いたウルルの足に、バリアリーフの鞭が絡まる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "しまっ!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "はあ!",
"speaker": "バリアリーフ"
},
{
"utterance": "バリアリーフの意図に気がついた時にはもう遅い。鞭によって振り回され、壁へと叩きつけられた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃん!\nうう、こんな使いかたも出来るなんて",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "それでも気鱗のおかげで、どうにかダメージを最小限にとどめる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "私の鞭は、本来他種族用ですが、ただ打撃するだけが鞭の運用ではありませんわ",
"speaker": "バリアリーフ"
},
{
"utterance": "でも、ウルルは負けない!ううん、絶対に負けられないんだ",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "再び構えをとるバリアリーフに、ウルルもなんとか起き上がり、構えを取る。\nすでに幾度も地面に倒れされているが、ウルルはその度に起き上がった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "さすが金竜と言うべきでしょうか、気鱗の出力も半端じゃありませんわね……先ほどからいくら攻撃を打ち込んでも決定打になりませんわ",
"speaker": "バリアリーフ"
},
{
"utterance": "正直、ウルルの実力じゃバリアリーフにはかないません……\nだからこそ、この金竜の身体体が持つポテンシャルに、頼らざるを得ないんです",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "そう、自分の実力では勝てない事など、百も承知だ。それでも戦えているのは、自身が竜族でも規格外の存在である、金竜であるが故だ。\n高い身体能力に、強固な気鱗。これらがまだまだ竜族としては未熟なウルルと滅界戦争経験者であるバリアリーフとの実力差をかろうじて埋めている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "自らの実力を正しく判断出来るのは、優秀な戦士の証ですわよ",
"speaker": "バリアリーフ"
},
{
"utterance": "そんなウルルにバリアリーフは笑顔でそう語りかける。事実それはお世辞ではなく、バリアリーフはウルルを正当に評価していた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それにウルルさまがもつ不屈の闘志は非常に厄介ですわ。何度地に伏しても立ち上がるというのは誰にでもマネできることでは有りませんから",
"speaker": "バリアリーフ"
},
{
"utterance": "ウルルは竜族のみんなを背負っていく金竜ですから\nそれに、どんな逆境にも負けず、決して膝を屈せず、絶対に折れない心を持っている人がウルルのそばにはいますから",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ふふ、いまさりげなく惚気られましたわね",
"speaker": "バリアリーフ"
},
{
"utterance": "はい!この想いが有る限りウルルは絶対に倒れません",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ここまでははっきりと肯定されると、もはやすがすがしさすら、感じられますね",
"speaker": "バリアリーフ"
},
{
"utterance": "ウルルの言葉に軽く苦笑した後、バリアリーフの眼光が再び鋭くなる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "では、その想いの強さを見せて下さい",
"speaker": "バリアリーフ"
},
{
"utterance": "もちろん!絶対に負けないよ!!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "そうして再び始まる撃ち合いだが、やはりバリアリーフの変幻自在の鞭と竜族の腕力によってウルルは少しずつ追い詰められてゆく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はあ!",
"speaker": "バリアリーフ"
},
{
"utterance": "バリアリーフの振った鞭がウルルの腕に絡みつき、不意打ちだったこともあり対応仕切れなかったウルルの身体が、バリアリーフの間合いに引き込まれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "せい!!",
"speaker": "バリアリーフ"
},
{
"utterance": "あぐっ!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "そして、直後に放たれた足が次々とウルルの身体を捕らえた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぐっ……ああ!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "しかし、ウルルは気鱗を纏い、防御に専念することで、なんとかその攻撃を凌ぎきる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やはり、これだけやっても決定打にはなり得ませんか",
"speaker": "バリアリーフ"
},
{
"utterance": "そうして、攻撃が途切れた直後に、全力の一撃を放つが。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はあ!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "それにやはりあの拳は厄介ですね……",
"speaker": "バリアリーフ"
},
{
"utterance": "その行動を読んでいたバリアリーフ簡単に避けられてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "一撃……全力の一撃が入れば……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "いかに金竜の気鱗に護られているとはいえ、既にウルルの疲労は限界に近づいていた。\nそれでも、それでも必死にウルルは勝機を探し、全力の一撃をいれるタイミング模索する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なら、少々強引ですが、その気鱗、はがさせて貰います!",
"speaker": "バリアリーフ"
},
{
"utterance": "!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "バリアリーフの踏み込みに危険なものを感じ取ったウルルはとっさに防御を固めるが。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はああああああ!",
"speaker": "バリアリーフ"
},
{
"utterance": "そんなウルルにかまわず、バリアリーフの気合いと共に鞭が振われる。\nしかも、その攻撃は一撃に留まらず、次々とウルルの身体を打った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "鞭の連撃……!?",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "一発一発はそれほどの威力は無いが、連続した攻撃は気鱗を弾き、気鱗の密度を下げてゆく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、ああああ!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "これで!どうです!!",
"speaker": "バリアリーフ"
},
{
"utterance": "そして、気鱗の防御力が薄くなった場所に、バリアリーフの蹴りが突き刺さった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃあああああ!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "完全に入りましたね",
"speaker": "バリアリーフ"
},
{
"utterance": "完全なクリーンヒット。この戦いが始まってから、バリアリーフが始めて明確な手応えを得た。\nウルルの身体が吹き飛ばされ、地面をバウンドしながら壁まで飛び、そのまま壁に叩きつけられる。\nその光景に、バリアリーフは勝利を確信した。\nしかし。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "負けない……負けられないんだ!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ウルルは、それでもゆっくりと立ち上がった。\n全身傷だらけで、足が震え、視線すら定まっていない。しかし、それでもしっかりと立ち上がった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くっ、これでもまだ起き上がりますか!まったく生徒白鷺は厄介な事をウルルさまに教えくれたものです!",
"speaker": "バリアリーフ"
},
{
"utterance": "立ち上がったとはいえ、既にウルルの体は疲労と傷でボロボロだ。しかし、ウルルはここに来てようやくある一つの勝機を見いだした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "バリアリーフ……ウルル、覚悟を決めました",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "え?",
"speaker": "バリアリーフ"
},
{
"utterance": "いや、勝機を見いだしたと言うよりは、ある覚悟を固めたのだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "小手先の技術じゃバリアリーフにはかなわない。だから、ウルルは初めからこうするべきでした……それを出来なかったのはウルルの弱さです\n自分自身を信じられなかった、弱さです",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "拳を固め、おぼつかない足取りながら、しっかりと構えを取る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ウルルさま……一体何をするきですか!",
"speaker": "バリアリーフ"
},
{
"utterance": "でも、もう覚悟は決まりました。にいさまの為にカミシアちゃんの為に、ウルルの事を友達って呼んでくれるみんなのために……!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "そう言うとウルルは、全身から力を放出するように気鱗を放出させる。その膨大な出力は、それだけでウルルの周囲の壁にヒビを走らせる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぐっ、なんていう密度の気鱗……けれど、これだけの気鱗を放出すれば肉体への負荷もそうとうですわよ!",
"speaker": "バリアリーフ"
},
{
"utterance": "言ったはずです……ウルルは覚悟を決めたと!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "そう言ってウルルが一歩踏み出す。それを見てバリアリーフは鞭を振うが。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "避けない!?",
"speaker": "バリアリーフ"
},
{
"utterance": "バリアリーフの攻撃を見ても、ウルルは一切アクションを起こさなかった。それにより鞭はウルルに命中したが、高密度の気鱗によって弾かれる。\nそれを見てバリアリーフは気づく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まさか気鱗全開でごり押しをするつもりですか!馬鹿な、いくら金竜といえど、どれほどの負荷がかかるか!",
"speaker": "バリアリーフ"
},
{
"utterance": "行きますよバリアリーフ、そして見ていて下さい……これがウルルの覚悟です!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "そう言ってウルルが大きく踏み込む。もちろんバリアリーフも鞭を振って迎撃するが。やはり気鱗に弾かれて意味をなさない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くっ、気鱗の層が厚すぎますわ!これでは四肢に巻き付けることも!",
"speaker": "バリアリーフ"
},
{
"utterance": "はあああああ!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "さらにウルルが近づく、いまのウルルに接近戦を挑むのは危険だ。そう判断して距離を置くも、鞭が効かない以上、距離を取った場合バリアリーフは攻撃手段が無い。\nしかも、ここは橋の上。スペースは限られていて、逃げ場も無い。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ならば!",
"speaker": "バリアリーフ"
},
{
"utterance": "!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "再びの鞭の連撃、先ほどウルルの気鱗を抉った攻撃だ。ダメージを与えるのではなく、負荷を与えることでウルルが力尽きるのを狙った攻撃だが。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "むだ……です!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "!",
"speaker": "バリアリーフ"
},
{
"utterance": "ウルルの歩みは一切衰えず、やがてウルルは、ついにバリアリーフを間合いに捕らえた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はああああ!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "しまった!",
"speaker": "バリアリーフ"
},
{
"utterance": "回避しようと思えば回避出来た一撃だ。しかし、ウルルから発せられる威圧感に、バリアリーフは一瞬回避すら忘れてしまった。\nそれは致命的なまでの隙。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これが全力全開の!!\nドラゴン!ブレス!!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "くっ!!",
"speaker": "バリアリーフ"
},
{
"utterance": "とっさに防御を固めるバリアリーフだが、金竜の拳はバリアリーフの気鱗をたやすく弾き飛ばし、その防御の上からたたきつける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぐっ、あああああああ!",
"speaker": "バリアリーフ"
},
{
"utterance": "はあああああ!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "そしてその状態のまま、さらにウルルの気鱗が爆発するように弾け、その衝撃によってバリアリーフはなすすべ無く吹き飛んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はあ……はあ……や、やりました……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ぐっ、さすが一族を束ねる金竜の全力……私、一瞬みとれてしまいましたわ……",
"speaker": "バリアリーフ"
},
{
"utterance": "バリアリーフ、大丈夫!?",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "あまり大丈夫とは言えませんが……偉大なる金竜の息吹を見られたと思えば安いものです",
"speaker": "バリアリーフ"
},
{
"utterance": "倒されたというのに、バリアリーフの顔は笑顔だった。そしてその足下には砕け散った水晶のかけらがある。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あなたの勝ちですわ、ウルルさま。私はウルルさまのような金竜に仕える竜族であることを誇りに思います",
"speaker": "バリアリーフ"
},
{
"utterance": "ありがとうございます。バリアリーフ",
"speaker": "ウルル"
}
] | [
"バリアリーフ",
"ウルル"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 044807a_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "たく、数だけは多いねえ、このザコちゃん達は、っと",
"speaker": "デイル"
},
{
"utterance": "ふん。所詮は数頼み。この程度の敵ならば、生徒を解放さえすれば完全に駆逐できる",
"speaker": "ラーロン"
},
{
"utterance": "次々に現れるモンスター達を倒しながら、デイルとラーロンは生徒達の隔離先を探し続けていた。\nある程度のあたりはつけてあるとはいえ、広いトリニティの敷地内。英雄クラスが相手ではないといえ、二人の負担はかなりのものがある。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "しかもこいつら、元々訓練用に学園内で確保されていたやつらばかりだ。確信した。あのゲン達に手駒はもうない",
"speaker": "ラーロン"
},
{
"utterance": "確かにねえ。でも、あの古代兵器は結構やっかいよ。さっき倒した奴\n魔力が少々足りてないのか、前の扉の時よりは少し弱かったけども",
"speaker": "デイル"
},
{
"utterance": "我々二人で倒せた。それがすべてだ。それ以上も以下もない!",
"speaker": "ラーロン"
},
{
"utterance": "こんな状況であっても不遜な態度を変えることのないラーロン。その姿に頼もしさを憶えながら、デイルは苦笑した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それよりも気づいているか?",
"speaker": "ラーロン"
},
{
"utterance": "ん?あー、妙な結界の反応が強まってるってことかい?",
"speaker": "デイル"
},
{
"utterance": "そうだ。こんな意味不明な結界の反応を私は知らん。だとすれば答えは一つだろう",
"speaker": "ラーロン"
},
{
"utterance": "ビンゴってとこだろうな。恐らくはこの先に、生徒達を隔離している結界がある",
"speaker": "デイル"
},
{
"utterance": "どうやらようやく、のようだ。厄介な英雄達は他の仲間が抑えている。だったら、生徒達さえ解放できれば、あとは指揮次第でどうにかなるはずだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "よし、ならば行くぞ。この程度のザコなど敵にもならんが、さすがにこの数が学園中にばらまかれているとなるとやっかいだ",
"speaker": "ラーロン"
},
{
"utterance": "あいよっ。そんじゃあ、ちゃちゃーっと片付けちゃいますかねえ!",
"speaker": "デイル"
},
{
"utterance": "再び現れたモンスターをなんなく倒し、二人は目指す場所へと足を速めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "って、言ってるわけにもいかなくなっちゃったようなんだけどさあ……",
"speaker": "デイル"
},
{
"utterance": "目的の場所はもう寸前。だが、そこに配備されていた一体の古代兵器に、二人はやむなく足を止める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こいつは、さっき入り口で出てきたのと同じタイプか!",
"speaker": "ラーロン"
},
{
"utterance": "……どうするよ。こいつ、間違いなく強いぜ。さっきまでの古代兵器とはレベルが違う……",
"speaker": "デイル"
},
{
"utterance": "向かい合うだけで伝わってくる死の予感。こいつと戦えば、そんな未来が自分達を待っている。そう思わせる圧力がある。\nさすがのデイルですらも、その圧力の前には一歩下がらざるを得ない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "どうするもなにも、決まっているだろうが。あのメイドは一人でこいつを相手にしているのだぞ",
"speaker": "ラーロン"
},
{
"utterance": "あのー、メイドちゃん一応前勇者で英雄クラスだってこと、分かってますかー?",
"speaker": "デイル"
},
{
"utterance": "メイドが前勇者ならば、私達は現勇者だ。以上、何か問題があるか!",
"speaker": "ラーロン"
},
{
"utterance": "……いや、まったく無い。まったくもってその通りだ",
"speaker": "デイル"
},
{
"utterance": "だが、それだけの相手を前にしても、前を向き続けるラーロンに、デイルは笑みを浮かべる。\nただの無謀を口にしているわけじゃない。自分達ならきっと出来るという自信。そして、勇者の一員としての誇りがあるからこその言葉。\nそれは、尊敬、という言葉を与えるに充分なものだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ただでさえ手駒が少ないってのに、何もないところにこんなボスクラスを置くわけないやね",
"speaker": "デイル"
},
{
"utterance": "うむ。ならばこの先に、生徒達の隔離結界があると見て間違いないだろう",
"speaker": "ラーロン"
},
{
"utterance": "なあ、ラーロン",
"speaker": "デイル"
},
{
"utterance": "なんだ。今忙しい。軽口なら後にしろ",
"speaker": "ラーロン"
},
{
"utterance": "あてにしてるぜ。世界杯の時みたいなビシッとした活躍、頼んだからな",
"speaker": "デイル"
},
{
"utterance": "……貴様もなっ",
"speaker": "ラーロン"
},
{
"utterance": "ニヤリと笑い合う二人の戦士。圧倒的な力を持つ兵器に対し、二人はその剣を抜いた。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"ラーロン",
"デイル"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 044808_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "随分と静かなんですね。白鷺くんのフォローにいけず、もっと焦るものだと思っていたんですけど",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "この戦いの最後を決めるのはヒメよ。だったら、その会話に口を挟むなんて無粋以外のなにものでもないじゃない\nそれに、元々私がここに来た理由は一つ。あなたにヒメの邪魔をさせないため",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "白鷺くんが、一人でお父様に勝てる、そう思ってるわけですか?一途な人は好きですけれど、現実は見るべきです。結構無慈悲なものですよ",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "ええ。無慈悲な現実なんていくらでも見てきたわ。あなたのおかげで、母親殺されたり、友人殺したり、もう散々よ\nだけど同時に、それを覆す力も私は見てきたの\nだから黙って見てなさい。あなたのご自慢のお父様が、私のヒメに負けるところを\nそして、思う存分見てもらいなさい!あなた自身が、私に負けるところを!",
"speaker": "ヴェル"
}
] | [
"ヴェル",
"ミヤ"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 044811a_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "むしろ、ミヤちゃんの方こそ、助けに行けるなんて思わないで下さいね",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "それこそ、杞憂以外のなにものでもありません。お父様が負けるはずありません。そして、私も絶対に負けませんから",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "互いに譲れない物がある、信じている人がいる。だがら互いに全力でぶつかり合う。\n会話を終えて、一瞬の静寂の後。ノートとミヤの二人は同時に動き出した。\n自身に強化魔法をかけ、全速で駆け出すノートの前に、魔法陣が展開される。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "結界魔法!?",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "ミヤが結界光と呼ぶ魔力砲だ。魔法陣に収束した魔力が膨大な力を持って放たれる。世にも珍しい設置型の砲撃魔法。\n魔法陣から放たれた結界光に、ノートは防御魔法を発動し、迷わずに飛び込んだ。\n結界光はノートの防御魔法にぶち当たるが、それの破壊には至らない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "さすが神族の最高傑作ですね、この程度じゃびくともしませんか",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "生半可な魔法はボクには効きません",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "そうして、再び駆け出すノートだが、ミヤの余裕は崩れない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そうですね。でも、だったら壊れるまで打ち続けるまでです",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "ミヤがタクトを振うと同時に、周囲に複数の魔法陣が一斉に展開される。\nその数は一つや二つでは効かない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これほどの魔法陣を一気に制御するなんて!?",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "いくら、神界の銀月でも、これだけの数をくらって無事でいられますか!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "そう宣言して、ミヤがタクトを振り下ろす。同時に全ての魔法陣が発光し、一斉に結界光を発射した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "風よ、導いて!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "それに対して、ノートは速度強化を発動。魔法陣の配置を即座に認識すると、降り注ぐ結界光を次々と回避してゆく。\nたしかに結界光は強力な魔法だが、一度設置された魔法陣の位置や角度を変更できないという弱点を持っている。\nそれが分かれば、射線を瞬時に見切り、回避すること自体はそれほど難しく無い。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "さすがに早いですね",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "防ぎきれないのならば、先に本体を狙えばいいだけです!ミヤちゃんを止めれば魔法も止まります!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "攻撃を回避しながら、確実にミヤの元にノートは接近する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "その通りです\nけど、それはちょっと難しいと思うな",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "そうして剣の間合いまで接近するが、相変わらずミヤの余裕は崩れない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "雷よ、剣に宿って!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "ノートは付加魔法を用いて剣に雷を宿すと、回避のそぶりすら見せないミヤに魔力剣を振り下ろした。\nかなりの魔力を圧縮した一撃だ、生半可な結界程度なら切り裂く力を持っている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ほらね?",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "!?",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "しかし、ノートの剣はミヤに届く直前に結界に阻まれて止まっている。\nそれも普通の結界ではない。それはノートには覚えがある防御結界だった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これは……多層結界!?",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "同じ空間に結界を何層にも渡って展開し、どのような強攻撃の勢いも殺してしまう高等技術だ。\n神族の力有る者でもせいぜい十層程度だと聞くが、今目の前にあるものは、優に五十層はあるだろうという分厚さをしている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そういうこと。だから私に直接攻撃するのはちょっと難しいかな",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "くっ、こんな分厚い多層結界をどうやって",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "そんなことより、後ろに注意だよ?",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "多層結界に気をとられた一瞬の隙に、ノートの後ろに新たな魔法陣が生まれる。しかしそれはこちらを砲撃するためではない。\n周囲を飛び交っている結界光の一つがその魔法陣に当たると、その角度を変えて、ノートの方へと迫る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "この砲撃、互いの魔法陣で反射するんですか!?",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "良く避けられました。でも、それもいつまで続くかな?\n全方位、予想不可能な魔力砲の雨あられ",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "単純に直線的に発射されるだけの結界光なら、回避は出来る。しかし互いの魔法陣を当たる事に角度をかえながら乱反射する結界光は、さすがに避けきれない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃあ!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "だから、ノートはしかたなく防御魔法を発動して、直撃を防ぐしか出来なかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やっぱり堅いですね。亀さんになられたら攻撃が通りません\nなら、こんなのはどうですか?",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "そんな!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "一つの力でダメなら二つをまとめてってね",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "周囲からの攻撃に身動きが出来ないノートの目に、信じられない物が映る。二つの結界光が一つに合流、より大きな砲撃となって再射出されたのだ。\nその光景に、ノートは強化魔法等に使っていた魔力すらも防御魔法にあてて、より強固な防御魔法をくみ上げる。\nそれでも、合流した結界光の一撃に、防御魔法が軋みを上げた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "凄いなあ、これも防いじゃうんだ",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "その光景に感心した様に言うミヤだが、小さく微笑むと再びタクトを振う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、だったら",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "そ、そんな!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "ここまでくればもうわかるよね?二つでダメなら三重でいってみよう",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "その言葉通り、三つの結界光が合流し、一つの大出力の魔力砲撃となる。二つで軋みを上げたのだ、あれの直撃は耐えられそうに無い。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うう……きゃあ!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "ノートは防御し切れないと判断すると同時に、すぐさま回避行動に入ったが、周囲はいまだ結界光が降り注いでいる。まともな回避は出来ずに結界光がノートを襲う。\n幸い直撃はさけられたが、それでも先ほどの一撃で大分消耗していた防御魔法は、それだけで砕け、その余波によってノートは吹き飛ばされた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くす、さあ私は何重までヘキサピラーを重ねられるでしょう?",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "そう小さく笑い、再びタクトを振ろうとするミヤに、ノートは決死の覚悟で再び踏み込んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "?",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "強化魔法を使い、一気にミヤに肉薄して剣を振うが。再び多層結界に防がれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "同じ失敗を繰り返すなんて、ノートちゃんらしくないですよ?\nいくら、その魔力剣が優秀でも、この多層結界を破壊しきるには出力がたりません",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "まだ、まだです!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "ノートはミヤの言葉には耳を貸さずに、魔力剣をより強く多層結界に押しつけて、なんとか貫通させようとする。\nしかし、多層結界は破壊されたそばから再生を繰り返し、ノートの剣を押し戻していった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あるいは、ヴェルちゃんレベルの魔力の炸裂だったら危なかったかもしれないですけど、攻撃力に特化していない神族にはこれを突破することは不可能です",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "確かに、力押しでこの多層結界を破壊しようとすれば、ヴェル並の魔力が必要だろう。しかしノートはそれとは別の方法で結界の突破を試みていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やっぱり……このパターン!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "それじゃあ、そろそろ終わりにしましょうか!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "しかし、それを黙ってみてるほどミヤも甘くは無い。複数の魔法陣を召喚し、そこから一斉に結界光が迸る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃあ!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "今度こそ、その堅い防御を撃ち抜きます",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "再び振り出しだ。ノートはなんとか防御して、結界光から身を守るが。\nついに四重にまで重ねられた結界光を前に動揺を隠せない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、ダメ!もう、少し……なの、に!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "?何をたくらんでるのか知りませんが、これで終わりです!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "きゃあ!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "四つに重ねたヘキサピラーの一撃が、ついにノートの防御を撃ち抜く。直撃こそしなかったものの、ノートは吹き飛ばされ壁にたたきつけられた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "とどめ、です!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "!!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "強く打ち付けられた衝撃で身体が言うことを効いてくれない。そんなノートに、ミヤが今まで以上に複雑にタクトを動かす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "四つが最大だと思いましたか?残念でした。これが私の全力です",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "ミヤのタクトに操られ、五つの魔法陣が互いの光りによって繋がり、一つの巨大な魔法陣となる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "防御を……!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "いまだ身体の自由が利かないノートは、再び防御魔法を展開しようとする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "無駄です、今までの戦闘であなたの魔力値の計算は終わりました。この一撃は防げません",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "そんなノートを見て、ミヤは断言した。この一撃は防げないと。\nたしかに、四重の時点で防ぎ切れなかったのだ。五重の結界光を普通の防御で防げないのは分かっていた。\nそれでもかまわず防御魔法を発動しようとするノートにかまわず、ミヤはタクトを動かしながら宣言する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これが私の必殺技です!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "!!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "光が全てを埋め尽くし、その中にノートが飲み込まれた。ミヤは勝利を確信し微笑むが、その笑顔が驚きに変わる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "驚きました……",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "はぁ……はぁ……くっ……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "驚きの理由は単純だ、ノートが無事だったことだ。ノートの魔力を計算し、確実に打ち貫ける力を使ったはずだったのだが。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まさか、あの土壇場で私と同じように防御魔法を多重展開するなんて",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "そう。ノートは結界光の射線上に、複数の防御魔法を複数展開することで威力を減殺させて、ぎりぎりの所で、ミヤの攻撃を耐えきった。\nもっとも、完全には防ぎ切れず、全身ボロボロで足下もおぼつかない様だが。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それでもさすがに無事にとはいかなかったみたいですけどね",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "はい、正直立ってるのも辛いです……でも、それでも、やっとわかりました",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "何がわかったんですか?",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "疑問を投げかけるミヤに、ノートはにっこり笑って返した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "この勝負、ボクの勝ちです",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "直後、ミヤはノートの雰囲気が変わったのを感じ取る。これはかつてノートの扉で発生した現象と同じだ",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "この力の高まり……ノートちゃん、真名に目覚めて",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "はい、カミシアちゃんにシャルちゃんの名前をいただきました\nいただいたというよりは、気づかせてくれたという方が近いかもしれませんけど",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "その言葉にミヤが声を荒らげる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "今までは本気では無かったんですね!?",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "そういうわけじゃ無いですよ。こうして勝てる確信が持てるようになるまでは必死でしたから\nでも、今ならはっきり言えます、ミヤちゃん。あなたの負けです",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "はっきりとそう宣言されて。ミヤは頭を振って否定する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そんな話、信じられると思いますか!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "タクトが振われ、魔法陣がノートへと狙いをつける。しかし、ノートは動揺した様子は無い。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "無駄です!もうボクにヘキサピラーは通用しません!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "そんな戯れ言に耳を貸すほど子供じゃありません",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "ミヤは、そんなノートの言葉にかまわずタクトを振い、結界光を発射しようとするが。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "ノートが突如魔法陣に向かって斬撃を繰り出した。すると魔法陣はその形を失って、結界光を発射する前に消滅する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そ、そんな馬鹿な、空間に直接展開している魔法陣が切れるなんてありえません!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "結界光の魔法陣は、空間に直接展開してはいるが、実体が有るわけではない。一度空間に展開された魔法陣を破壊する手段は殆ど無いはずだ。\nたしかに実体剣では無く、魔力によって生成されている魔力剣ならば多少の干渉は出来るかもしれないが、それでも切り裂かれるなんて事はあり得ない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いくら魔力剣でもそんな事ができるわけが!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "目の前で起こった現象が理解出来ず声を荒らげるミヤに、ノートはあくまでも冷静に解説した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "正確には切ったわけじゃありませんよ。魔力に魔力をぶつけて破壊しただけです",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "それこそあり得ません!一度展開した魔法陣を壊すには、全く同じ魔力を正面からぶつけなけ……れば",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "ノートの説明にあり得ないと答えるミヤの言葉が途中で途切れる。ノートが持っている剣の特性と、神族の最高傑作である完全銀髪の力量に考え至ったからだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ま、まさか……",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "その通り。魔力剣を媒介に、全く同じ魔力を魔法陣に流し込みました\n攻撃を観察しながら、ミヤちゃんの魔力を計算するのは大変でした",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "そう答えるノートを見て、ミヤの表情にこの戦闘中に始めて明確な恐怖が浮かぶ。\nノートの言っている事は口で言うことは簡単だが、千本の針に一度も失敗せずに糸を通すような物だ。\nしかもそれを超高速でかつ正確に行わなければならない。そんな芸当、どのような種族でも不可能だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ありえない!そんな、絶対に!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "理解は出来ても納得はできない。ミヤはノートの行いを否定するようにタクトを振うと、再び魔法陣を多数展開する。\nしかし、それすらもノートは一振りの元に消滅させてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それも既に計算済みです!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "どうしてですか!たとえ同一人物が発動した魔法陣でも、使用する度に僅かに違いがでるはずです。なのに!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "簡単な話です。その度に再計算して微調整を繰り返しているだけですよ。大本のデータさえあれば、その都度計算を行えます",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "ミヤの言葉に当たり前だと言うように答えるノート。その存在に背筋が寒くなる。自分が相手にしている者は一体どれほどの存在なのか、ミヤはようやく理解した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そんな……そんな……\n膨大な魔力に常軌を逸した術式演算能力……これはもう、神族という枠組みすら越えてます、これが真名に覚醒した、完全な神界の銀月の力……",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "真名と生きる目的を得て、愛する者の為に剣を取った神界の銀月が、どれほど恐ろしい存在であるかを、ミヤはここにきてようやく正しく理解した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "と、言うわけで覚悟して下さいねミヤちゃん。もうあなたの攻撃はボクには届きません\nボクの勝ちです",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "改めて宣言してミヤに剣を向ける。その行動には、やはり勝利を確信した故の余裕があった。\nミヤはそんなノートを睨みながら、語気を強めて言葉を返す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふざけないで下さい!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "そして、タクトを高速で振るい、今まで以上の数の魔法陣を展開させる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いくら魔法陣を破壊できると言っても、破壊にはその剣での接触が必要です!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "そうです",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "それに、一度発動してしまった魔法を止める事も出来ない!違いますか!?",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "その通りです",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "しかも、使用するのには毎回膨大な魔力が必要になります!これから導き出される結論はただ一つです",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "多重展開による飽和攻撃",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "ミヤの言葉を先読みして、ノートがあっさり答える。この状況で、大量の魔法陣に囲まれながらも、ノートにはやはり動揺は見られない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いくら魔法陣を破壊できるとしても、これだけの数を一遍には破壊できません!だからまだ私の負けは決まっていません!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "その言葉は、まるで自分に言い聞かせているようにも聞こえる。そんなミヤに、ノートは小さく頭を振った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いえ、ボクの勝ちは揺るぎません",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "その言葉にミヤの表情がこわばる。そして怒りに満ちた視線と共にタクトを振り下ろした。\nすべての魔方陣が一斉に発光した瞬間、ノートは強く地面を蹴る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もうボクには、ミヤちゃん本人を狙うことが出来るんだから!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "加速魔法によって一気に接近してくるノートに、ミヤは慌ててタクトを振う。\nそして、そのタクトによって、今までノートを苦しめていた多層結界が展開される。\nしかも、その多層結界は今までと違い、多層結界を多重召喚することで、より強固な防御を生み出していた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "無駄です、その結界はすでに解析済みです!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "しかし、それを見てもノートに動揺は一切無い。剣を振り上げながら、積み上げた術式を展開する。\nそう言って振り下ろされたノートの魔力剣が、何重にも重なった強力無比な絶対防御を易々と砕く。\nさきほどまで、あれほど強固だった結界も、今ではガラスよりも脆い。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "ボクの、勝ちです!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "そういって向けられたノートの手に魔法の光が宿る。結界を失ったミヤにはその一撃を防ぐ手段は残されていなかった。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"ノート",
"ミヤ"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 044811b_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "にいさま……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "さすがに心配ですか?でも大丈夫です。恐らくは一瞬で終わると思いますから、それほどのケガもしません\n一撃で気を失って、終了です",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "……そうなってほしいと思ってるんですか?",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "……どういう意味です?",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "ウルルには、ミヤさんがにいさまを恐れているように見えます\nにいさまなら、もしかしたら……そう思っているように",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ありえませんよ、ウルルちゃん。お父様と白鷺くん、二人の間にある実力差は絶対です",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "でも、にいさまは言ったんです\n勝つって。だからきっと勝ちます。ミヤさんが、そんなにいさまを怖がっているなら、にいさまを止めたがっているなら、ウルルが止めます。邪魔をさせません!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "……でしたら、私もですね。お父様の邪魔は、絶対にさせません",
"speaker": "ミヤ"
}
] | [
"ウルル",
"ミヤ"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 044811c_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "二対一、を想定していたわけじゃないんですね",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "人数を増やしたところで、ゲンさん相手じゃどうにもならないさ。あの人をどうにかできるとしたら、それこそ本当に姫だけだ",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "だったら絶望的じゃありませんか?お父様と白鷺くん、その実力差は絶望的ですよ",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "実力差、か……そうだな、ゲンさんと姫の間には、あまりに開きすぎた溝がある\nけれど、覚えておくといい。姫はそれを、仲間の力で埋めるんだ\n姫以上にずるい奴はそういない。だからきっと、今回もやらかしてくれるよ",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "……本当に、前の扉の時とは違いますね。焦りがありません\n白鷺くんを信頼し、ただ真っ直ぐにそこを目指す。本当に女の子してるんですね、紅ちゃんは",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "否定したって今更だな。ああ、そうだ。姫の前では、あたしは女になってしまう\nだけど、それが嬉しいんだ。偽りのない、あたしをさらけ出せているみたいで\nそれじゃあ、始めよう。あたしとミヤ、お互いに大切な男を守るための、女同士の戦いだ",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "そうですね。でも気をつけて下さい。私のお父様への想いは、まともに受けると胸やけしますよ",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "はは、白鷺パーティーなめないでくれ。もう、一緒にいるだけで溜息つきたくなるような連中でいっぱいだ",
"speaker": "紅"
}
] | [
"紅",
"ミヤ"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 044811d_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "ヒメ、お願い私に力を貸して",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "負けられない。お父様のためにも",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "互いに譲れないものの為に今ここに立っている。そしてそれを互いに理解しているからこそ、互いに全力の力をぶつけ合う。\nそこに理屈は無く、ただ大事な人を護るために力を振う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "行くわよ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "正面からの踏み込み……くす、ヴェルちゃんらしいですね\nでも、それはちょっと危険ですよ",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "そう言って踏み込んだヴェルの目前に魔法陣が展開される。\nミヤが結界光と呼ぶ魔力砲だ。魔法陣に収束した魔力が、膨大な力を持って放たれる。世にも珍しい設置型の砲撃魔法。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "撃ち抜きます",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "はああああ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "間合いに入る前に放たれた魔力砲がヴェルへと迫る。それに対してヴェルは全力の一撃でもって応えた。\n走りながら下から跳ね上げるように鎌を振う、すると膨大な魔力が地面を刃の様になって奔った。\nそれは結界光に直撃すると、一瞬の均衡の後、魔力砲に食い込み、魔力砲を。\n”縦に引き裂いた”",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "!?",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "うん、行ける!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "より強力で密度の濃い魔力が魔力砲を引き裂き、押し割りながら前進する。その魔力の波の後ろを追走するようにヴェルは駆け抜ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "魔力砲を割るほど高密度な魔力の波動\n一体、どれほどの量の魔力を圧縮すればこれほどの力が!?",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "そうして魔力の波は突き進み、やがて結界光を生み出す魔法陣にたどりつくと、その魔法陣が力を失うのと同時に、ようやく霧散した。\nミヤにこそ届かなかったが、これでミヤを護るものは無くなった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くらいなさい!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "噂以上のバカ魔力ぶりです!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "しかし、ミヤに動揺は無い。冷静にタクトを振うと、自分の前に結界を生み出した。\nヴェルはその結界にたたきつけるように鎌を振り下ろした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "無駄よ!目一杯の魔力を篭めたわ!この程度の結界砕き割る!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ヴェルの宣言通り、ヴェルの一撃で結界はあっさりと砕け散った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でしょうね、一枚では到底防ぎきれません",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "貰ったわ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ヴェルは勝利を確信して鎌をさらに押し込む。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ええ、一枚ならね",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "!?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "しかし、その一撃は何故か途中で勢いを失い、やがて完全に静止した。\nその理由は単純で、展開された結界が一枚ではなかったからだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "一撃で二十枚と言ったところですか、さすがですね",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "多層結界!?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "同じ空間に結界を何層にも渡って展開し、どのような強攻撃の勢いも殺してしまう高等技術だ。\n神族の力有る者でもせいぜい十層程度だと聞くが、今ヴェルの目の前にあるものは、優に五十層はあるだろうという分厚さをしている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "今のでヴェルちゃんの魔力量はわかりました。次は同じようにはいきませんよ",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "くっ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ミヤの言葉と同時、ヴェルを挟み込むように二つの魔法陣が出現する。\nヴェルはそれを見ると同時、すぐさま羽を揺らし、普通ではあり得ない距離のバックステップをする。\nその行動とほぼ同時に、ミヤの砲撃が一瞬前までヴェルのいた位置に放たれる。一瞬でも判断が遅れていたらあの一撃をまともに食らっていただろう。\nしかし、同時にヴェルは訝しげに眉を上げる。あの位置で砲撃が激突すれば大爆発を起こし、術者自身を傷つけかねないのだが。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "へえ、そんな使い方も出来るんですか、やっぱり羽って便利ですね……でも",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "なっ!?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "私の魔法も結構便利なんですよ",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "ヴェルは信じられないものを見て目を見開いた。\n互いにぶつかり本来は爆発して対消滅する筈の魔力砲撃が、交差した位置で新たな魔法陣となって収束している。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そう、こんな風にね",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "しまった!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "一つにまとめられた魔力砲撃はより巨大な一撃となって、ヴェルに放たれる。\n先ほどよりも範囲が広い砲撃にヴェルは回避をあきらめた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もう一度切り裂く!\nはああああああ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ヴェルは瞬時に限界まで鎌に魔力を注ぎ込むと、気合いと共に振り下ろし、再び魔力の刃を作る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "言ったはずですよ、ヴェルちゃんの魔力量は想定済みです",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "放たれた魔力の刃を見てミヤが呟く。そしてその直後に先ほどと同じように魔力の刃と魔力砲撃が激突したが。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "嘘!?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "今度はほんの僅かな拮抗すらなく、魔力砲撃に魔力の刃は飲み込まれ霧散した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うぅ!\nあああ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "それを見て、すぐさま回避行動にはいる。ヴェルは魔力障壁を作りながら羽を動かし、思い切り横に跳んだ。\nなんとか直撃はさけたのもも、しかしかすっただけで魔力障壁は持って行かれ、砲撃の熱が肌を焼く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "良くさけました。なら次はこれです",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "ミヤは楽しそうにタクトを振ると、ヴェルの目の前に再び魔法陣が現れる。今度は一つだが、先ほどの経験から迎撃より回避を優先した。\n結界光は見たかぎり、一度展開した魔法陣の位置や角度の調整は行えないようだ。ならば展開された射線上から離れれば当りはしない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "よしっ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ヴェルの予想通り、一直線に放たれた結界光をヴェルはなんとか回避する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "回避に専念すれば避けられる。後はあの砲撃の合体さえ気をつければ……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "後ろ、危ないですよ",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "え?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "その言葉と同時にヴェルの背後、言い替えれば、放たれた砲撃の射線上に新たな魔法陣が出現する。\nヴェルはそれを確認した瞬間、冷や汗が流れるのを感じる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まさか!?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "はい、そのまさかです",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "砲撃は新たな魔法陣に直撃して”反射”。角度を変えてこちらに迫ってきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もう!次から次へと!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "砲撃が一つなら魔力攻撃で相殺出来る。\nその考えは正しかったようで、最初と同じように、ヴェルの魔力をうけた砲撃は割り砕かれて消滅する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "本当に厄介ね……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ふふ、楽しんでいただいてますか?",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "正直退屈だわ、もうちょっと刺激がほしいかしら",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "殆ど強がりだったが、今のヴェルはとにかく少しでも会話を長引かせて、考える時間が欲しかった。\nミヤは戦闘を開始してから殆ど動いていない。おそらく純粋な魔導師タイプなのだろう。肉弾戦が出来るほどの身体能力は無いはずだ。\nだが、それ故に結界を使う魔法を覚え、自らを何重にも守り、その上で動かずに敵を攻撃出来る手段を確立したのだろう。\nなんとかして接近し、本体に一撃でも入れればそれで終わりなのだが、その一撃が果てしなく遠い。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そうですか、それは大変です。ならもっと楽しみましょう",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ヴェルの言葉を聞き、ミヤは楽しそうに笑うとタクトを振って一度に複数枚の魔法陣を展開して見せた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ちょっと本気をだしちゃいますので、簡単に壊れないでくださいね?",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "冗談じゃないわね!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ミヤの言葉にヴェルは、結界光が放たれる前に全力疾走を始めた。それは回避が目的ではない。\n一点突破によるミヤへの接近だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃ、がんばって下さいね",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "ミヤがタクトを振り下ろすと同時に周囲の魔法陣に一斉に光がともる。ヴェルがそれらに視線を送った瞬間、全ての魔法陣が一斉に光を放った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くっ!\nああ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "それらの光を、時には迎撃し、時には回避しながら走るが、次々と降り注ぐ結界光に、少しずつ追い詰められていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はあ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "さすがのヴェルちゃんでも全ては避けられませんよね。それに",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "連続攻撃に疲弊し、動きが鈍ったところを狙い澄ましたようにミヤがタクトを振う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ちい!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "収束し、より太くなった結界光をなんとか回避するが、回避した砲撃はさらに新たな結界光と合流した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "な!?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "二つを重ねられるんです。当然三つもいけますよ",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "ミヤの言葉通り、三つの結界光が融合し、範囲と出力を増大させる。\nそれはもはや、ヴェルの魔力で防ぐことが不可能なレベルの魔法攻撃だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うう!ああああ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "しかし、初めから迎撃が不可能だと理解できたからこそ、なんとか回避することが出来た。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "おお、凄いです、それを避けるんですね。やっぱり翼の存在って偉大です\nで・も。これは避けられますか?",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "そう笑顔で話すミヤに、ヴェルは背筋が寒くなるのを感じる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お約束よね……二重があって三重があったのなら……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ヴェルがそう呟いた瞬間、ミヤはとても楽しそうにヴェルに答えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はい、リクエストにお答えします♪",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "ミヤのタクトが振られると同時に、四つの結界光は一つに収束。周囲を照らす極光となり、一気にヴェルに向かって発射された。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そのリクエスト、全然ありがたく!ないわ!\nはああああ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "迫り来る結界光に対し、ヴェルは魔力を翼に集め、一気に解放することで加速する。ぎりぎりの所で結界を避け、ミヤへと向かった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "周囲に轟音が響き渡り、完全に回避したにも関わらず、全身が衝撃に揺れる。\nそれでも羽を動かし、地面を全力で蹴った。\nそして、ようやく肉薄したミヤに、全ての魔力をつぎ込む程の勢いで魔力収束させた一撃を叩き付ける。\n全身全霊の一撃に、多層結界がものすごい勢いで砕けていく。\nしかし、それもやがて勢いを失っていき、四分の三を過ぎた辺りで止まってしまった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "一気に四十二枚を叩き割るなんて……さすがの私も今のはちょっとひやっとしました",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "これでも……だめなの!?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "さしものヴェルでも全身全霊を篭めた一撃を防がれ、絶望が顔に浮かぶ。その隙を見逃さずに、ミヤは結界をヴェルにぶち当て、間合いを再び離す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ここまで多層結界を破壊したのはヴェルちゃんが初めてです\nだからそんなヴェルちゃんに敬意をはらって見せちゃいます\n私のとっておきを!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "楽しそうに宣言したミヤがタクトを振う。それによって生み出された光景に、ヴェルは驚愕に固まった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "!?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ミヤの周囲に五つもの魔法陣が生まれ、それらが光によって繋がれながら、より大きな魔法陣となる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これが最大です、魔法陣同士をつなげ一つの巨大な魔法陣となす。これぞ必殺",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "これまでとは比較にならない範囲と出力に、ヴェルは回避も防御も出来ない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃあああああああ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "膨大な光がヴェルを飲み込む。あまりの威力に轟音すらない。ただただ迷宮を振動させ、やがて光が消えた頃には、地面に倒れたヴェルの姿だけがあった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "終わりですね……さすがのヴェルちゃんでもあれの直撃を受ければ立ち上がれないでしょう",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "倒れたヴェルを見ながら、ミヤはあっさりと呟いた。こうなることは最初からわかっていた事だ。\nだから、驚くには値しない。そう考えてミヤはヴェルの事など気にせずに、ゲンと姫の戦いへと視線を向ける。\nその瞬間。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "さて、お父様は……",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "……ない",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "耳に届いたヴェルの声に、ミヤはこの戦闘中始めて動揺した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "……た……な、い",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "一瞬聞き間違いかとも思ったが、視線を送った先で、ヴェルはボロボロになりながらもゆっくりと立ち上がろうとしていた。\nそれを見て、胸中でありえないと呟く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "直撃をくらった筈……意識が残ってるはずが",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "先ほどの一撃は掛け値無しに自分の全力だ。実際手加減が出来るような相手でなかった。だから殺すつもりで放ったはずだ。\nそれの直撃をうけて動けるはずが無い。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……全然、たり、ない!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "しかし、事実としてヴェルは立ち上がる。その光景にミヤはとっさに魔法陣を展開。\nボロボロのヴェルに結界光を打ち込んだ。今度こそとどめをさすために。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まだ!足りない!!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "!?",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "だがその結界光はヴェルに届く直前、なんらかの力にぶつかり、力を失って霧散してしまう。\n目を疑ったが、それでもその行為で、ヴェルがどうして致命傷を受けなかったのか理解は出来た。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そういうことですか、全身から魔力を放出して威力をある程度相殺したんですね……なんて無茶を、加工無しの魔力は体を傷つけるのに",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "これくらい、しないと。あなには、勝てそうにないから……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "かつて、他の扉でミヤが大聖堂に結界を張って、ヴェル達を閉じ込めたとき。そこから強引に抜け出すためにオペラが使ったのと同じ手だ。\nもっとも、敵の魔力砲撃を打ち消すほどの魔力放出など、ヴェルレベルの魔力と八翼の制御力が合ったからこそ可能な芸当だ。\nしかも、ミヤが言ったとおり、加工無しの魔力は放出時に自身を傷つける為、そう何度もつかえる技では無い。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、何度繰り返そうと同じですよ?ヴェルちゃんじゃ私に勝てません",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "そこまで理解して、ミヤは恐るるに足りないと判断した。\n所詮は悪あがき、結果がわかる戦いの決着が先延ばしにされただけだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そうね……多分今までの私じゃ無理だわ。勘違いしてたもの",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "しかし、ヴェルは自嘲気味に笑ったあと、ミヤを見る。\nその視線に、ミヤは思わず首をかしげてしまう。ヴェルの視線には一切の諦めが含まれていなかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "勘違い?",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "何故か今のヴェルは油断してはいけない気がする。ミヤは結界光をいつでも発動できるように身構えると、ヴェルから視線を離さずにそう問いかけた。\nその問いに、ヴェルは、今度は不敵な笑みで答える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ええ、貴方を倒すのに必要なものは魔力の大きさじゃない\nどんな大量の魔力をぶつけようと結界はやぶれないわ。だから違う、私に足りなかったのは魔力じゃない……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "そう。いかに強大な力で有ろうと、ミヤの結界の前には無力だ。多層結界を始め様々な結界に阻まれ、力を分散され、流され、本来の威力を発揮出来ずに霧散する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それは……?",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "だがヴェルは、ミヤの結界光の合体ととっさに行った魔力放出によって、有ることに気がついた。\nそれは、ただ魔力を垂れ流すだけでなく、一つに束ねたり、魔力に指向性を持たせる事でより効率的かつ高威力の魔力を生み出せることに。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "私に足りなかったのは膨大な魔力を制御する力。私の中にある膨大な魔力と、儀式兵器から供給される無尽蔵の魔力を制御して、一つに束ねる能力",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "今まではただその膨大な魔力を相手に叩きつけるだけで勝利できた。しかしこの相手は人生の中で初めてそれが通用しない敵だ。\nだからこの相手を倒すためには、現状から後一歩だけ自身の成長……いや、進化が必要だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そうだとして、一体どうするつもりなんですか?それがわかったところでどうにもなりません",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "確かに、ミヤの言うとおり、魔力制御能力などは、一朝一夕にどうにかなるものでは無い。\n特にヴェルは生まれもっての膨大な魔力と、儀式兵器から常時供給される無尽蔵とも言える魔力を体内にため込んでいる。\n魔力制御は、その大きさに比例して制御が難しくなるのだ、ヴェルが今まで魔法を使わなかったのは使う必要が無かったこともあるが。\nヴェルの場合は、大きすぎる魔力を自身が制御しきれていなかった為、使えなかったと言っても差し支えはない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くす、そうでも無いわよ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "え?",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "しかし、そんなミヤの言葉にヴェルは小さく笑ってみせた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いい事教えてあげるわ。魔族の羽はね、魔力の制御装置にもなってるの。羽の数が多ければ多いほど、より大きな魔力を制御できる",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "それはその通りで、魔族の翼は魔力量の大きさを表す象徴では有るが、その本来の役割は体内に眠る魔力を制御する為のものだ。\nつまり、ヴェルの場合、八翼もの翼を持ちながら、それでも制御出来ないほどの魔力を内側にため込んでいることになる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だからなんだって言うんですか?今この場で羽が成長すると?そんな奇跡が起きるわけが有りません",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "ミヤの言葉は事実で、確かに本人の成長によって翼の数が変わる事はあるが、それはそう簡単に起きる物じゃ無い。\nしかし、それでもヴェルは笑顔を崩そうとしない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "奇跡は起きるものじゃなくて、起こすもの……姫の言葉よ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ヴェルは自分にも言い聞かせる様に呟き、ミヤを見る。\nそしてそれと同時に大量の魔力が周囲に吹き出した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そうね、あなたに勝つのに奇跡が必要なら、起こしてみせるわ!今ここで!!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "な、何を!!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "一体何をする気だと動揺するミヤの前で、ヴェルは自分自身に意識を向け、語りかける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "さあ、目覚めなさい!貴方がヒメの魂の一部であるなら、私の……私とヒメの願いに応えられるはずだわ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "まさか、儀式兵器……くっ!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "その光景を見て、ミヤはある可能性に思い至った。\nヴェルの背中に有る翼は、姫によって与えられた儀式兵器だ。そして儀式兵器はある特性を持っている。\n持ち主の魂の成長によって、自身も成長し、進化するという特性を。\nまさかとは思ったが、ミヤはヴェルの行動に危険なものを感じて再び魔法陣を展開。その全てをヴェルへと向ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "かつて私の命を救ってくれた大切な羽、ヒメの一部であり、私の一部。あれからずっと一緒だった大切な半身……だから、だからお願い",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "しかし、そんなミヤにかまわずに、ヴェルは自身に語りかけ続ける。実際に変化は起こっていないが、ミヤの中の不安は大きくなり続けていた。\nだから、油断も容赦もなく、ほぼ全力の一撃をヴェルに向かって発射する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "私の呼びかけに応えて!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "そうして放たれた一撃は、ヴェルの願いを消し飛ばそうかというように、周囲に光をばらまきながらヴェルの身体を光の中へと飲み込んだ。\nすでにその身体はボロボロだったのだ。この一撃が直撃すれば、いかにヴェルで有ろうとも耐えられない。\nはず、だった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "な!?そんな、ありえません!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "……ありがとう、私たちの願いに応えてくれて",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ミヤの放った結界光は、ヴェルの身体から出た新たな光によってかき消される。さきほどと同じように魔力放出による威力の相殺だが、その威力が桁違いに上がっている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そんな……いまこのタイミングで、儀式兵器が進化するなんて……",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "まるで奇跡。かしら?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "この土壇場で、十翼に覚醒したヴェルを見て動揺するミヤに、ヴェルは笑顔で言葉を返す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だとしても!何度やっても結果は同じです",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "いかにヴェルが十翼に覚醒したとはいえ、ミヤのすることは変わらない。\n今までだってこの力で勝ちをもぎ取ってきたのだ、相手がどんな力を持とうと絶対に勝つ。\nその決意と共に、複数の魔法陣がミヤの周囲に展開される。しかしヴェルはその光景に動揺した気配は無い。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "感じる……力を、自分の中に溢れる魔力を。ちゃんとわかる、制御出来る",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "何かを確認するように呟くヴェルに、ミヤは一切の容赦無く、結界光を撃ち放つ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "魔力を集めて、放つイメージじゃ無くて……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "複数の結界光が迫る中、ヴェルはそう呟きながら鎌を構えると。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "斬るイメージで!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "言葉と共に鎌を振り抜いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そんな……一撃であれだけの数のヘキサピラーを……",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "鎌が振り抜かれたと同時に放たれた魔力は、結界光をことごとく切り裂き、その全てを消滅させてしまった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "わかってきたわ、なるほどね。こうして使ってみると、今まで自分がどれほど無駄に魔力を使ってたか思い知って、へこむわね",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "くっ!ならこれならどうです",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "自嘲気味に笑ったヴェルに、ミヤは複数の魔法陣を展開。さらにそれらを連結させて一つの魔法陣を編み上げる。\nミヤの持つ最強魔法であり切り札。いかに十翼といえどこの一撃をくらえば無事ではすまない。\nしかし。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "無駄よ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ミヤの切り札は、その一言と共に振られた鎌から放たれた魔力によって術式を破壊され、その意味を失い、放たれる事なく霧散した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そんな……ありえない。魔法陣は空間そのものに展開しているのに……それを魔力攻撃で砕けるはずが……",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "そうね、普通は無理ね。でも、わかっちゃったのよ。やり方が",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "その言葉と共にヴェルの身体から大量の魔力が噴き出す。\nいや、噴き出してるのではない。膨大な魔力がヴェルの身体を包むことによって、周囲の空間そのものを、陽炎のようにゆらしている。\nそれを見てミヤはまさかと思う。空間そのものに展開されている魔法陣を破壊するために。\nそれが存在する”空間ごと”切り裂いたのかと。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ごめんなさい、最初に謝っておくわ……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "そう言いながらゆっくりとヴェルは鎌を構える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "制御方法はわかったけど、まだ扱い慣れてないの……勢い余って消し飛ばしちゃったらごめんね",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "!!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "ヴェルの攻撃を防ぐために、ミヤは全力で多層結界を展開する。それも本来なら一つで事足りる筈の多層結界を、多重召喚することで、より強化な結界を作り出す。\nしかしその光景を見ても、ヴェルは余裕の態度を崩さなかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "無駄よ、何十、何百、何千の結界を重ねても、この一撃は防げないわ!\nなぜならこの一撃は!それが存在する空間そのものを割り砕く!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "!!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "くらいなさい!!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "そういって放たれたヴェルの一撃は、文字通り空間を割り砕き、不快な音を周囲にばらまきながら一直線にミヤの所まで届いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃあああああああ!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "展開されていた多層結界を、存在してた空間ごとえぐり取る。\nミヤに直撃こそしなかったものの、砕かれた空間が元に戻ろうとする大量のエネルギーが、巨大な爆発を巻き起こした。\n結界を砕かれ無防備だったミヤに、その爆発をさける術は無かった……。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"ミヤ",
"ヴェル"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 044813a_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "互いに向かい、緊張が高まっていく。\n互いに譲れない想いがあり、助けになりたいに人がいる。その人の為に、これからもその人と歩いて行くために、互いの信念をぶつけ合う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "行きます!金竜の拳!止められるものなら止めてみて下さい!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "そう宣言し、ウルルは地面を蹴ってミヤに向かって一直線に最短距離で接近を試みる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "じゃあ、とめてみましょうか",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "そんなウルルの前に魔法陣が展開される。\nミヤが結界光と呼ぶ魔力砲だ。魔法陣に収束した魔力が、膨大な力を持って放たれる。世にも珍しい設置型の砲撃魔法。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "結界魔法!?",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "魔法に弱い竜族だからって容赦はしませんよ?",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "望む所です!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "小首をかしげて小さく笑いながらのミヤの言葉に、ウルルは声を張り上げて答える。\nもとよりそのつもりだったんだ、いまさら言われるまでも無い。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "避けます!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "もともと竜族と魔導師の戦いは、魔導師側はいかに魔法を当てるか、竜族側はいかに魔法を避けて接近し、一撃を与えるかの勝負になる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "へえ、パワータイプの割りには結構動けるんだね",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "どんな強力な攻撃も!当たらなければ意味がありません!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "たしかに結界光は強力な魔法だが、一度設置された魔法陣の位置や角度を変更できないという弱点を持っている。\nそれが分かれば、射線を瞬時に見切り回避すること自体は、今のウルルならそれほど難しく無い。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そうその通りだね。だから当てに行くよ",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "ウルルの言葉にミヤはあっさりと頷くと、タクトを素早く振う。すると、複数の魔法陣が一斉に周囲に展開された。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なんて数……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "行くよ!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "周囲に展開された魔法陣に、ウルルが一瞬あっけにとられた瞬間、ミヤが手にしたタクトを振う。\nそれと同時に一斉に魔法陣に光が宿り、結界光が発射された。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うわっ!あわわ!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "凄いなあ、全部紙一重で避けてる",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "竜族をなめないで下さい!魔法が苦手なら苦手なりに戦い方は色々有ります!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "しかし、それでもウルルは全ての魔法陣の位置を正確に把握すると、縦横無尽に駆け回りながら、結界光を回避し続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ、これはどうかな",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "ウルルがぎりぎり回避した魔力砲を、別の魔法陣が受け止める。するとそれは反射するように向きを変え、再びウルルに襲いかかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "!?\n魔力砲が反射した!?",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "その挙動は完全に予想外で、ウルルは即座にこの回避をあきらめた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "避けられるか――え?",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "回避出来るタイミングではない筈だった。だからミヤは結界光の直撃を明確にイメージしていたのだが。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はああ!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "突然の砲撃にウルルはとっさに地面に拳を打ち込むと。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "せいやー!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "床の一部をそのまま引きはがし、盾代わりにした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "無茶苦茶です、迷宮の床を盾代わりにするなんて!\nていうか、ここの床はそう簡単には壊れないようになっているはずじゃ!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "あり得ない光景に、ミヤが初めて動揺を見せる。正直に言えばミヤは侮っていたのだ。魔法が苦手な竜族が自分に勝てるわけなど無いと。\nしかし、いまウルルが行った行動が、ミヤの意識を根底からひっくり返した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "本気になった金竜に壊せないものなんてありません!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "くっ",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "そうして、ついにウルルが自らの間合いにミヤを捉える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ようやく拳が届く位置にきました!\nいきますよ!!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ウルルは拳を握りしめ、金竜の力全開で腕を振りかぶった。\nしかし、ミヤもそれを黙って見ている訳では無い。すぐさま防御結界を展開し、ウルルの攻撃に備える。\nだがウルルは防御されてもかまわないと思っていた。なぜなら。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "どんな防御結界だろうと打ち砕きます!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "そう、どんな防御だろうと、金竜の一撃ならば打ち砕けると信じているからだ。\n掛け値無しの全力の一撃。いかなる防御も打ち砕き、その先の敵に致命傷を与える、文字通りの必殺技。\nそれはミヤが展開した防御結界を打ち砕き、その先のミヤに打ち込まれる。\nはずだった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ウルルちゃんの言うとおりですね",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "え!?",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "どんな強力な攻撃だろうと。当たらなければ、関係有りません",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "そんな。ドラゴンブレスでも打ち砕けない結界なんて",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ミヤの言うとおり、ウルルの拳はミヤには届かなかった。何層にも重ねられた結界の半ば以上に食い込んだ所で止まってしまっている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "一撃で三分の二も持って行かれたのは焦りましたが、これならば安心ですね",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "多層結界。\n同じ空間に結界を何層にも渡って展開し、どのような強攻撃の勢いも殺してしまう高等技術だ。\n神族の力有る者でもせいぜい十層程度だと聞くが、今目の前にあるものは、優に五十層はあるだろうという分厚さをしている。\n必殺の一撃を受け止められ、ショックを受けるウルルだが、その隙をミヤは見逃さなかった。\nすぐさま魔法陣を、ウルルを挟み込むように展開する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "それを見て、さすがのウルルも我に返る。いまは落ち込んでいる場合ではないと。\nウルルはすぐさま後方に大きく跳んで、両側からの結界光を回避するが。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そんな!二つの魔力が一つに!?",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ぶつかり合った結界光は、新たに現れた魔法陣によって一つにまとまり、より出力が高く、範囲が広い魔力砲として、再射出される。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くっ!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "今のタイミングの攻撃をかわせるなんて、さすが竜族ですね",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "かなり危ないタイミングだったが、ウルルは全力で地面を蹴り、身体を床に投げ出してぎりぎりの所で回避に成功する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、どんなにがんばってもウルルちゃんに勝ち目はありませんよ。だってウルルちゃんの必殺技でも私の結界は壊せなかった",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "いえ、諦めません!一度でダメなら壊れるまで何度でも叩きます!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "暗に諦めろと言っているミヤに対して、絶対に諦めないと告げてやる。\n実際、一発の竜の息吹で破壊出来なかったからといっても、やりようは幾らでもある。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くす、そんな暇あるかな?",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "あ!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "しかし、ミヤはそんなウルルをあざ笑うかのようにタクトを振うと、今度はウルルを囲む様に三つの魔法陣を出現させる。\n当然避けるためにその場所を移動するが、ウルルは嫌な予感を抑えられなかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "今度は三つ!?",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ウルルが感じた予感通り、三つの結界光が融合し、ウルルに向かって射出される。\n今度も何とか避けるが、その範囲の広さに、避けたにも関わらず結界光の熱がウルルの肌を焼いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これぐらいで驚いてちゃだめですよ。まだままだ増えますから",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "させません!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "さらに魔法陣を展開しようとするミヤに、ウルルは再び地面の床を引っぺがすと。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はあ!\nドラゴンインパクト!!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "それに対して掌低を打ち込み、インパクトの瞬間に気鱗を解放。その結果、ミヤの方へと結界光すら防ぐ硬度の迷宮の床が高速射出される。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なんどやっても無駄です。私の結界は破壊できません!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "しかし、不意をついたその攻撃もミヤの多層結界を破るには至らない。\nそれどころか時間すら稼げずに、再びウルルを囲む様に四つの魔法陣が展開される。\nさすがにここまでくれば、この先の結末も予想できる。ウルルは少しでも離れるために全速力で走り出すが。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、きゃあ!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "発射された結界光はウルルのすぐ近くに着弾。直撃こそしなかったが、そのエネルギーはウルルを吹き飛ばしダメージを与えるには充分な威力が篭められていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ここまでくれば当たらなくても、余波だけでダメージは与えられます\nこのままじゃじり貧ですよ",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "結界光の余波に吹き飛ばされ、地面に倒れるウルルにミヤはそう語りかける。相手に、はもう起き上がる力は無いと思っていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "負けない……ウルルは絶対に負けないんだから!!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "!これだけやってまだ立ち上がるんですか!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "しかし、ウルルは絶対に諦めないとばかりに、ボロボロの身体を引きずりながらも立ち上がった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あたりまえです!ウルルのそばには、どんな逆境でも、絶体絶命のピンチでも、決して諦めない心を持った人がいるんですから\nウルルがこの程度で折れちゃったら、笑われちゃいます",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "そして、まだまだ戦えると構えを取りながら、ミヤに自身の決意を語る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "白鷺くん……",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "そうです!にいさまが一緒に戦ってくれている限り、ウルルの心は絶対に折れません!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "その言葉にミヤは軽く嘆息すると、この相手はどんなに痛めつけようとその命がある限り決して諦めないと理解した。\n生きている限り、諦めさせるこはできないと理解した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そう……なら、仕方ないですね!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "だから、二度と起き上がれないように全力の一撃で勝負を決すると。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そんな……五つの魔法陣が一つに……!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ミヤのタクトに操られ、五つの魔法陣が互いの光によって繋がり、一つの巨大な魔法陣となる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これが私の切札です。威力は今までの比じゃないですよ?\n魔力耐性が低いウルルちゃんに直撃すればひとたまりもないですよ。これでもまだ諦めないんですか?",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "これが最後通告だとばかりに、答えが分かりきっている質問をミヤはウルルに問いかける。\nそのミヤの予想通り、ウルルの瞳に映る闘志は少しも揺るがない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "言ったはずです、ウルルは諦めませんと\nむしろ決心が決まりました……ウルルは次の一撃に全てをかけます!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "いや、むしろミヤの全力を前にして、ウルルの雰囲気が変わる。\nそれはある決意の元に、ウルルが覚悟を決めた瞬間だった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なにをやっても無駄だよ、ウルルちゃんの拳じゃ私の結界はやぶれません",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "ミヤはウルルが何をする気かは分からなかったが、少なくともこちらに多層結界が有る限りはウルルに勝ち目は無いと考えていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……使う前に謝っておきます",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "え?",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "しかし、ウルルは何を思ったのか、ミヤに向かって謝ってきた。\n一体どういう事だと訝しむミヤに、ウルルは拳を強く握りしめながら、語る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もしかしたらウルルはミヤさんを殺してしまうかもしれません",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "な!?",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "そうウルルが言った直後、目に見える程の密度の気鱗がウルルから吹き出す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "最初にウルルがミヤさんに近づけたとき、これを撃てなかったのがウルルの弱さです。もしもこの一撃が誰かの命を奪ってしまったら、そう考えるのが怖かったんです\nでも、ウルルはもう迷いません!にいさまの為に、そしてウルル自身の為に!この一撃はウルルの覚悟の証です!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "その言葉と共に、吹き出す気鱗の密度はどんどん上がっていく。それだけじゃない。今まで戦っていたウルルとはその雰囲気が全く違う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "な、なんですか……この、威圧感。こんな威圧感、以前戦った時は感じなかったのに!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "その目に見られているだけで、ミヤは呼吸が荒くなり冷や汗が吹き出すのを感じる。\nそしてミヤは気がついた。ウルルが今まで纏っていた気鱗の全てが、その拳一点にすべて収束して行くのに。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これが、ウルルちゃんの本当の力……竜族を導く金竜……",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "そんな味わったことの無い、恐怖にも似た感情にミヤが混乱していると、ウルルはゆっくりと構えをとった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いきますよ……この一撃……こころして受けて下さい!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "くっ!言ったはずです。どんな攻撃も当たらなければ意味はないと!そもそもあなたは私の元にたどり着けません!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "その言葉と共にウルルが駆け出す。その姿自体はさっきまでと同じなのに、まるで死が近づいてくるような威圧感が迫ってくる。\nミヤは振るえる心を落ち着かせ、タクトを振った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "この一撃で終わりです!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "この一撃が通れば、いかに金竜といえどひとたまりもない。今度こそ終わりだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はああああああああ!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "そうミヤが思った瞬間、彼女は信じられない光景を目撃することになる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そ、そんな!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "ウルルが気合で地面を蹴ると、地面が一気に隆起する。おそらくありったけの気鱗を地面に流し、その反動で床の一部を持ち上げたのだろう。\nそして、五つを束ねた結界光がその隆起した床に阻まれ、ウルルにまで届かない。\nそれによってウルルを迎撃する手段を失ったミヤの元に、ウルルが一気に走り込む。\nミヤはとっさに多層結界を複数召喚し、自身の守りを鉄壁となす。\nしかし、やはりウルルはそんな結界など一切気にせずに、拳を振り上げ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "受けて下さい!これが、これこそが竜族の最強種たる金竜の秘技!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "全力を篭めた一撃をそのミヤの多層結界へと打ち込んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "竜の咆吼!!!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "竜の咆吼\n己の心を爆発させて放つ、最恐の物理破壊力。使い手である竜を破壊してまで放つ一撃。\nその自身が持つ全ての気鱗を一点に集中、それを全力で叩きつける竜族の秘技。\n全ての気鱗を使った全力攻撃のため、使用後は疲労困憊と気鱗喪失により完全無防備になってしまうかわり、ありとあらゆるものを破壊する最強の物理破壊攻撃。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "受け止め……!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "その竜の咆吼をミヤは多層結界で受止めようとするが、ウルルの拳が触れた瞬間、一瞬にして三分の二もの結界が砕け散る。\nそれだけなら問題無いが、ウルルの拳はそれでも一切の勢いを失わず、さらに結界を破壊しながら食い込んでいく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はああああああああああ!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "切れない!?そ、そんな!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "ああああああああ!!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "再生すら追いつかない威力の一撃に、結界はやがてウルルの気合と共に軋みを上げ始め、ついにはヒビが結界全体に走り始める。\nミヤは何とか結界を維持しようと魔力を注ぎ込み、その修復を試みるが、修復したはしから次々と崩壊が起こり、ウルルの拳の前進を止める事が出来ない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……ああ……もう、む、無理!!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "そして結界の維持が限界に近づいた瞬間、ウルルは目を見開くと最後の押し込みだとばかりに、声を出して叫んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "砕け!ちれえええええええええ!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "きゃああああああ!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "それによりついに多層結界は崩壊。ウルルの拳がミヤを捉えた。\n幸い結界を破壊したことで大分威力が減っていた事もあり、打ち込まれた拳がミヤを殺してしまうことは無かったが。\nそれでも大ダメージで有ることに変わりなく、ウルルの一撃にミヤは迷宮の橋まで吹き飛ばされ、壁に叩きつけられた所でようやくその動きを止めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "言ったはずです。全力の金竜の拳に、打ち砕けないものなんて存在しないと",
"speaker": "ウルル"
}
] | [
"ウルル",
"ミヤ"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 044813c_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "絶対に譲れない想いがある、絶対に護りたい人がいる。だから絶対に負けられない。そんな想いは互いに変わらず、だからこそぶつかり合う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ、お互いに負けられないですね",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "当然だ、負ける気なんて一切無い",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "でも残念ながら、紅ちゃんでは私に勝てないですよ",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "何?",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "突然に、ミヤに勝てないと言われ、訝しむ紅に、ミヤは慌てて言葉を訂正する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、いえ。紅ちゃんが弱いわけじゃ無いですよ。ただ、これは単純に相性の問題です",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "相性だと?",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "はい、だから残念ですけど、紅ちゃんに勝ち目はありません",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "そう笑顔で言われて、さすがに紅はカチンときた。刀を引き抜き、いつでも踏み込めるように身構える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "始まる前からずいぶん余裕だな。そんな事、やってみなければわからないだろう",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "わかってしまうんですよ、これが悲しいことに。それをすぐに証明します",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "そう言ってミヤは、手に持っていたタクトを構え、そして振り下ろす。\nすると、ミヤと紅の間に魔法陣が展開する。\nミヤが結界光と呼ぶ魔力砲だ、魔法陣に収束した魔力が、膨大な力を持って放たれる。世にも珍しい設置型の砲撃魔法。\nそれに対し紅も魔法発動、もはや定番となった加速魔法だ。\n紅は自身を加速させて、一気に自らの間合いに走り込む。それを迎撃するように結界光が放たれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なっ!?",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "紅は自慢の速さを生かし、結界光が放たれる一瞬前に、ミヤに肉薄し刀を振った。本来ならそれで勝っておかしくないすばらしい動きだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "さすがですね。まさかヘキサピラー発動前に肉薄されるとは思いませんでした。さすがのスピードです\nけど、これでわかりましたか?",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "しかし、紅の刀はミヤには当たらず、その直前にミヤが生み出した結界に阻まれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くっ!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "多層結界。結界を幾重にも重ねたこれを、パワーが乏しい紅ちゃんでは突破できません",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "多層結界とは、同じ空間に結界を何層にも渡って展開し、どのような強攻撃の勢いも殺してしまう高等技術だ。\n神族の力有る者でもせいぜい十層程度だと聞くが、今紅の目の前にあるものは、優に五十層はあるだろうという分厚さをしている。\n確かにこれを破ってミヤに攻撃を当てるのは難しそうだと紅が考えた瞬間、ミヤは笑顔でタクトを振った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なに!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "ミヤがタクトを振うと同時に、周囲に複数の魔法陣が一斉に展開される。\nしかも、それらは紅を囲む様に配置されている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そして、自慢の速さも、数の暴力の前には意味をなしません",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "そう言って、ミヤがタクトを振り下ろすと同時に、全ての魔法陣が一斉に発光する。\nそれを見て紅は強化魔法を再発動。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くっ!なめるな!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "紅は素早く周囲を見回し、魔法陣の配置を即座に認識すると、降り注ぐ結界光を次々と回避してゆく。\nたしかに結界光は強力な魔法だが、一度設置された魔法陣の位置や角度を変更できないという弱点を持っている。\nそれが分かれば、斜線を瞬時に見切り、回避すること自体は難しく無い。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "さすがですね、これだけのヘキサピラーの攻撃をかわすなんて",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "この速さはあたしの誇りだ。いままでずっとこの力でピンチをくぐり抜けてきた!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "でも、今回は無理です。紅ちゃんでは私をたおせませんよ",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "言っただろ!そんな事はやってみないとわからない!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "全ての結界光を避けながらの問答に、声を荒らげる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふふ、その不屈の精神は尊敬します\nなら、これならどうです?",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "高速で移動する紅を捉えきれない結界光だが、紅がかわしたうちの一本の射線上に新たな魔法陣が生まれ、結界光を受けとめる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "な、魔力砲が反射した!?",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "すると、結界光はその角度を変え、突如紅へとその方向を変える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "かわせますか?",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "タイミング的に回避は難しいが、紅は高速戦闘を得意とする風使いだ。\n紅は即座に風の力で、身体を反射した結界光の射線からはずす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "おお、あれを避けるとはやりますね",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "本当に感心した声をあげるミヤを見据え、紅は二刀を引き抜くと再びミヤに迫る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "確かに多層結界は厄介だ!けどな、一撃で全てを壊せないなら壊れるまで連撃をたたき込むだけだ!\nはあああああああ!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "そして、その間合いに捕らえると共に一気に飛び込み、加速魔法を利用した連撃をお見舞いする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "!\nすごい、一息で十枚の結界を破壊するなんて……けど",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "くっ、再生速度が速い!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "多層結界は破壊されたそばから修復されます、残念ながらそれを上回る速度でなければ完全破壊はむりです",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "ミヤの言葉どおり、連撃をたたき込んでもすぐに修復されてしまい、攻撃がミヤにまで届かない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ちっ!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "攻撃を終えた紅を挟むように、再び魔法陣が展開される。\nだが、それが発動する前に紅はすでに移動している。向こうに攻撃が届かないように、ミヤの攻撃も紅をとらえることは出来ない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "今度はこんなのはどうでしょう",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "なに!?二つの魔力砲が一つに!?",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "紅を挟んでいた魔法陣から放たれた結界光が、紅が一瞬前まで居た地点で激突すると、そのまま一つの結界光に束ねられる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "確かに広範囲だが!遅い!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "ミヤの言葉と共に射出されたそれは、確かに他の結界光より高威力で広範囲だが、合流というワンテンポを挟む以上紅には十分回避出来る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "わかってます、だからより範囲を広げます",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "な!?",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "しかし、ミヤはそれを予想していた様で、タクトを振うと、結界光をさらに追加した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くっ!一体何本までまとめられるんだ!?",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "三つを束ねた結界光を何とか回避するが、完全には避けきれずに熱が肌を焼く。これ以上範囲が広がるようなら危ないが、ミヤの表情を見る限り、まだ上がありそうだ。\nこれ以上範囲が広がるようなら危ないと紅は冷や汗が吹き出るの感じる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふふ、当ててみます?正解者には豪華景品をプレゼントです\n魔力砲という名前のね",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "紅の危惧をあざ笑う様に、結界光はさらに新たな結界光に合流、その範囲を広げて、紅に襲いかかる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ダメだ!避けきれない!?",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "必死に回避運動を取るが、このままだと避けきれない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "終わりです!\n無駄です、その程度の盾では防ぎきれませんよ!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "悪あがきと分かっていても、紅は防御魔法を発動する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "っ!!\nきゃあああ!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "ミヤの言葉通り、風の盾はたやすく魔力砲によって破壊され、紅はその反動で吹き飛ばされた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だから、言ったでしょ?相性が悪いって",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "必死の回避運動のおかげで直撃こそしなかったが、逆に言えば直撃しなくてもこれだけのダメージを受けるということだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あまり長引かせるのも可哀想なので、これで決めちゃいますね",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "ミヤのタクトに操られ、五つの魔法陣が互いの光りによって繋がり、一つの巨大な魔法陣となる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぐっ、馬鹿な……まだ、集まるだと……?",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "さっきの問題の答えです。これが私の全力です",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "四本の時点でこれほどのダメージが受けたのだ、あんなものを受けたら、間違い無く紅は戦闘不能になる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これで終わりです!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "ダメだ!あたしは……負けられないんだ!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "紅は迫り来る結界光を回避するために、力を解放する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "光が走り、紅がいた場所を焼き尽くすが、その場所にすでに紅の姿は無い。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "驚きました……あの状態からまさか避けた上に反撃までしてくるなんて……\nそれが紅ちゃんの、切札。神速ですか",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "紅は直撃する直前に神速を発動。結界光を回避しミヤに起死回生の攻撃を仕掛けた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……はぁ……くっ、これでも壊しきれないのか……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "だから言ってるじゃないですか、相性が悪いって。まあ、さすがに単純な連撃で半分以上の結界を壊されるとは思いませんでしたけど",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "結果はごらんの通りだ。神速を使ってもミヤの多層結界を破壊しきれなかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "相性が悪い……か、確かにそうだ、あたしはパワーも無ければ他のヴェルやノートのように膨大な魔力だって持っていない",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "神速が通用しないとなると、この後に紅に残されたものは一つだけだ。\n紅は覚悟を決めるとミヤに向き直る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だからこそ、この速さに全てをかけてるんだ。最初に言っただろ?この速さはあたしの誇りだ、それだけは絶対に否定させない!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "その言葉と共に紅から大量の魔力が吹き出す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "!\n何をするつもりですか!?",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "本当の切札を切る",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "え?",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "良く言うだろ。切札は最後まで取っておくべきだって。実際その通りだな、おかげで確信が持てた\nあたしの考えは間違っていない!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "驚くミヤに不敵に笑って答える。そう、先ほどの神速で一つ勝機が見えた。あとはそれを自分が出来るかどうかだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "紅ちゃんの切札の神速は私には効きませんよ、それは何度やってもかわりません",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "神速はこの前までの切札だ。言っただろ?本当の切札を切るって\nこれが、あたしの……あたしが仲間と一緒に作り上げた!新しい切札だ!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "右腕を掲げ、そこに刻み込まれた術式を起動させる。直後、膨大な魔力が紅の身体を満たし、周囲に溢れる。\nミヤはその術式に見覚えがあった。それは一つの前の扉で、ゲンが紅に与えた力に良く似ていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それは……まさか、魔装陣……?",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "魔装陣。人体に直接術式を刻み込み、自分自身の身体を媒介に周囲の魔力を無尽蔵に扱う事ができる術式。\nしかし、欠点として自身の身体を媒介にしているが故に、常時供給される膨大な魔力に肉体と精神が耐えきれずに少しずつ術式に蝕まれていく。\n人界に伝わる禁忌の術式で、前回の扉では紅は自ら望んでその禁忌に触れ、最後は姫によって命を絶たれた。\nまさか、自分に対抗するために再び禁忌に触れたのかと、ミヤは思ったが。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そう見えるか?",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "紅は平然とこちらを見返している。かつて見た魔装陣とはどこか違う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いえ、違いますね。魔装陣独特のまがまがしさを感じません。それは一体……",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "真・魔装陣。あたしはそう呼んでる",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "真・魔装陣……?",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "ミヤの疑問に紅はそう答えた。聞き覚えの無い単語にミヤが首をかしげる。\n当然といえば当然だ、真・魔装陣という名前は、紅が姫と共に考えてつけた名前なのだから。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "外部からでは無く内部から……自身に宿る全ての力を魔力に変換し、一時的に魔装陣並の出力を得ることが出来る",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "なるほど。確かにそれなら魔装陣のように、外部から強制的にもたらされる負荷によって肉体や精神が崩壊するのを防げるかもしれませんね",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "紅の説明にミヤがなるほどと納得する。これは魔装陣を改良し、肉体や精神の負荷を最小限にして発動できるようにしたものである。\nアミアに相談し試行錯誤の末に完成した、紅の新たな切り札だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "しかし、所詮はまがい物です。出力も持続時間も本物には及ばず、体力を魔力に変換するのであれば、使った後使用者は動けなくなるほど疲労する\n正直、本物に及ばない欠陥品です",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "新たな切り札と言っても万能な訳では無い。ノートの扉での悲劇を繰り返さないように細心の注意を払った結果、ミヤの言ったとおりの欠点が残ってしまった。\nしかし、それで良いと紅は思う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "かもしれない。けど、あたしにとってはこれこそが正しい力だ",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "そう。この力は自身の為に使うのでなく、仲間の為に自身を見失わずに振るえる力だ。それだけでかつての魔装陣とは比べものにならない程意味がある。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だから、真・魔装陣ですか……それで?それを使って私を倒せると?",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "ああ、倒せるさ。さっき神速を使ったときに確信した。あたしの考えは間違っていない!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "ミヤの疑問にはっきりと答える。それが気に入らなかったのか、ミヤはタクトを振うと魔法陣を展開した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あなたが何を考えているのかはわかりませんが!どんな手を使おうと紅ちゃんは私に勝てません!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "再び五つの魔法陣が連結し、一つの巨大な魔法陣を生成する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それはどうかな……今度はさっきの様には行かない!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "それを目の前にしながらも紅は落ち着いていた。目を閉じ、自らの内側に刻まれた術式を解放する。\n紅が真・魔装陣が発動するとほぼ同時に、ミヤが生み出した巨大魔法陣から結界光が放たれる。\n極大の光が迫る中、紅は自らの力をすべて解放した。\nやはり、紅にとって切り札となるのは神速だ、この術式で得る速さに何度も救われてきた。\nだから今回勝利を手に入れるのも、この術以外にあり得ない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "馬鹿の一つ覚えですよ!どれほど高速の連撃であろうと多層結界は破れない!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "それは!どうかな!!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "結界光を回避し、再びミヤに斬りかかる紅に、ミヤが無駄と叫ぶ。\n再び多層結界が紅とミヤの間に出現し、その攻撃を防ぐが、紅はかまわず連撃をたたき込み続ける。\n何度も、何度も、何度も。神速・光によって速度を極限まで上げた連撃を結界に叩きつけ続ける。\nすると、ものの数秒でミヤの顔が驚愕に染まった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なっ!そんな馬鹿な!?",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "単純な……話だ!一度の破壊で壊れないのなら、壊れるまで破壊し続ければいい!破壊が再生されるなら、再生を上回るスピードで攻撃すればいい!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "そう。先ほどの神速で、紅は確信した。神速レベルの連撃を叩きこみ続ければ、この結界を破壊し尽くせると。\n問題は持続時間で、通常の神速は持続時間が短い。しかし、真・魔装陣の力を借りた神速・光ならば、持続時間も攻撃速度も通常の神速とは桁違いだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぐっ!この速度……さっきの比じゃない!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "このままでは危険だと判断したのか、ミヤは多層結界を多重召喚。ただでさえ厚い結界がさらに分厚くなるが、それでも紅の連撃は一切止まらない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "むだ……だ!どんなに結界を重ねようと!その全てを破壊し尽くす!!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "そ、そんな再生が追いつかない!?こんな速度人間にだせるわけ……",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "紅は多重展開された多層結界に対して、さらに速度を上げて対抗する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ま、まさか……真・魔装陣の力を使って神速の重ね掛けを!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "ぐっ……ああああああ!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "ただでさえ負荷の大きい魔装陣を使用して、さらに上級クラスの身体強化魔法の重ね掛け……あなたは、死ぬ気なんですか!?",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "全身に痛みが走り、負荷によって意識が飛びそうになる。それでも紅は攻撃をやめない。\nそして紅はミヤの言葉に、にやりと笑う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "冗談じゃ無い……今度こそは!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "だ、だめ!結界を維持できない!!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "今度こそは!!生き延びるつもりだ!!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "そうはっきり宣言し、限界まで速度を上げる。もはや紅の姿は常人には認識できない速度にまでなっている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "そして、ついに紅はその速度のまま全ての結界を破壊し尽くした。これでもはやミヤを護るものは何も無く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃああああああ!!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "紅の一撃は確かにミヤの身体を捉えた。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"紅",
"ミヤ"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 044813d_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "ぜああ!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "っ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "大降りの一撃を何とか受け流す。いくら能力があるといっても純粋な力は向こうが上だ。\nだから、俺は決して正面から受けず、力を受け流す事によって防いでる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ちっ、マジで技術は一級になってやがる。普通の奴だったら今ので剣ごと叩き割ってやったんだがよ",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "だろうな。剣技はもちろん、その馬鹿みたいなパワーと何より、根性刀だったか?その儀式兵器が合わされば怖いものなんて無いだろうな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そう褒めんなよ、褒めたってなんにもでねえぞ!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "そう言いながら振り下ろされる根性刀をバックステップで回避する。\nわかっては居たけど、なんて間合いの広さ。ゲン自身の踏み込み技術も合わせて、こちらの間合いの外から一瞬で剣が迫ってくる様はさすがに恐怖を覚える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "おら!どうした!随分おとなしいじゃねぇか!逃げ回ってるだけじゃ勝てねえぞ!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "純粋な力では向こうが上、打ち合いは分が悪い……なら!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "なに!?",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "振り下ろされた根性刀に俺は剣を当て、軌道をそらす。力はそれほど必要無い、ただ力の流れる方向を少し変えるだけで、後は本人がその方向に振り下ろしてくれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "打ち合わず流せばいい!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "こいつ!!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "大型の剣は間合いと威力に優れ、対峙した相手にそれだけで威圧感を与えるが、その大きさ故の弱点も多い。\nその代表的なものがこれだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "この距離なら剣は振れないな!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "その大きさ故に内側に入り込まれると剣をまともに振るえなくなる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はあ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "なめんな!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "俺は一気に踏み込むと、ゲンに向かって剣を大上段から振り下ろした。しかし、わかりやすいモーションにゲンがバックステップで回避しようとする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "読み!通りだ!!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "なに!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "俺は大上段から振り下ろす途中、実は強く握ってなかった片手を離すと、そのまま突きのモーションへと移行した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ちぃ!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "突然の軌道の変化に動揺するゲンだが、さすがというべきか強引に身体を捻る。俺の突きは腕をかするに留まった。\n反対に、俺の身体は伸びきり隙が出来る。それを好機と感じたのかゲンは体をひねりながらも俺の首を狙って根性刀を振るう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "首貰った!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "しかし、その行動も予想の範囲内だ。俺は突きが外れた時点で身体を沈めていた為、根性刀は俺の髪の毛を数本切るに留まった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なんだと!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "これにより攻防は終了、互いに距離を取り態勢を整える。\nいったん仕切り直しだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "てめえ、俺と打ち合いながら。間合いと剣速を測ってやがったな",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "ああ、もう大体覚えた",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ちっ、真眼か。厄介な能力だぜ!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "そういってゲンが踏み込んでくる。相変わらず化け物じみた踏み込みだ。剣の間合いと合わせてかなりの驚異だが。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ここだ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "上段からの振り下ろしと見せかけた横凪のフェイントを、俺はバックステップで回避する。\nもうゲンの間合いは覚えた、そう簡単には喰らわない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はあ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "はっ!かかりやがった!なっ!!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "がはっ!?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "剣を回避し、再び剣の内側に飛び込もうとした俺の横腹に、ゲンの放った蹴りがめり込んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "な……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "おらああ!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "突然の事態に混乱する暇も無く、続いて再び下から跳ね上がるように根性刀が迫る。\n心臓が高鳴り世界の速度が落ちる。俺は瞬時に太刀筋を読んで、ぎりぎりで回避するが。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふんっ!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "がっ!!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "今度は拳が俺の頭を揺らした。\nなんだ、一体なんで。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "目の良さが仇になってんぞ",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "!!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "せあ!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "顎に一撃を貰い、揺れる視界の頭上から根性刀が迫る。俺はまとまらない思考ながら、危険と判断。\n後ろでは無く、前へ倒れ組むように飛び込んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なに!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "ぐっ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ゲンの横を通り過ぎ、前転するように転がって立ち上がると、そのままゲンから距離を取った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ちっ、惜しかったぜ",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "ぐっ……なんで……!?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "理解を超える事態に、思わず俺はゲンに尋ねてしまう。\n俺はほぼ完全にゲンの動きを読んでいた、にも関わらずその俺の予想を飛び越えてゲンはこちらに攻撃を当ててきた。一体何が起こった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ?なんでもなにもねえ\n真眼で動きが読まれるなら、読まれてるってわかった上で動けばいい。簡単だろ?",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "俺の質問にしれっと答えるゲンに絶句する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それにお前、目が良すぎだ。いちいち根性刀に反応しやがって、根性刀以外からの攻撃がおろそかになってんぞ",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "確かに理論上は可能だ。読まれて避けられるとわかるなら、避けた先に拳を打ち込めば相手は勝手にその場所に飛び込んできて攻撃に当たってくれる。\nしかし、言うほど簡単な事ではないし、なによりそれを行うにはこちらの動きを完全に予想しなければ不可能なはずだ。\n真眼に近い事を、ゲンは経験と勘によってやってのけたということになる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぐっ、めちゃくちゃだ……!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "お互いにな",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "思わず呟いてしまった言葉に、ゲンがにやりと笑いながら言葉を返す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こちとら戦場でガチの命の取り合いしてたんだ。これぐらいの事は出来るって事だよ",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "その言葉にはっとなる。俺は一体何を油断していたんだ。\nいくら二十年後の力を得たところで、経験値は圧倒的にゲンの方が上なんだ。滅界戦争を集結させた勇者がそう簡単に手の内を明かすわけが無い。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……そうだな。剣速と間合いを見切った位で油断してた……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "おうよ",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "だから、もう油断は絶対しない。持てる全ての技術を、今この場でゲンの行動を読み取る事に捧げる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あんたに勝つにはその一挙手一投足、その全てを読み切らないと駄目だ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "はっ!やれるもんならやってみろ。言っておくが、甘くねえぞ?",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "上等!\nはあ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "脳が焼き切れそうな程に集中し、ゲンの一挙手一投足を見逃さないようにしながら踏み込む。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふん、おせえ!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "カミシアの力によって身体能力も上がっているはずなのだが、そんな俺に、ゲンは簡単に反応してみせる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "わかってる!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あ!?",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "しかしそれは読んでいた事だ。踏み込みから、攻撃すると見せかけて大降りの攻撃を誘い、振り下ろされた直後の隙を狙うが。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これで!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "うぜえ!伸びろ!根性刀!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "ゲンは振り下ろす途中で、軌道を強引に切り替え、突きのモーションへと移行する。\nまずい、あの動きは。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "根性刀!星穿ち!!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "よけっ!られる!!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺の読み通り、ゲンは一直線に俺に向かって伸ばした根性刀による突きを慣行するが、俺はそれを紙一重で回避する。\nこんどこそ出来た隙に飛び込むが。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ちっ!消えろ刀身\nせいやあ!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "ゲンは即座に根性刀の刀身を消すと、踏み込んできた俺に向かって、カウンターで拳を当てに来た。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぐっ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "それを回避する為に速度が緩み、その隙にゲンはバックステップで後退すると、その着地と同時に根性刀を地面に向けて叫ぶ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "伸びろ!根性刀!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "上!?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "根性刀が地面に突き去り、そのままの状態で勢いよく伸び、ゲンが大ジャンプ、俺の上へ落下してくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あああ!!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "意識の全てを集中させ、落下してくるゲンの攻撃を避ける事に専念し、何とかその一撃を回避するが。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "からの!星砕きだあああ!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "その回避直後に、流れるようにゲンは星砕きのモーションに移行。回避はとてもじゃないが間に合わない。\n俺は覚悟を決めると、迫り来る刀身に向けて剣を振り上げた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぐっ!まけ……るっ、かあああああああ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "全身の筋肉を連動させ、信じられない力で振り下ろされた根性刀の一撃を、なんとか横に流す。\n結果、根性刀は俺のすぐ横に振り下ろされ、直撃はしなかった。\nしかし、その際の衝撃波が俺を吹き飛ばす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くそっ、またそいつか!\nまさか星砕き流すとはな。たいしたもんだぜ",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "その言葉にはお世辞抜きの賞賛の響きが含まれているが、それに反応を返している余裕は今の俺には無い。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……はぁ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "肩で息をしながら、それでも視線だけは絶対にゲンから外さない。\nようやくだ、ようやく見えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だが、完全には流せなかった上に今までのダメージも蓄積してるだろ?次は決めるぜ!確実にな",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "俺はにやりと笑うと、剣をゲンに向けてはっきりと宣言した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "今の一撃で決められなかったのは残念だったな……もう、読み違えない",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "なに!?",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "自信満々に言い切る俺に、さすがのゲンも驚いた声を上げる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "完全に見えたぞ……!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そう、全て見えた。剣速や太刀筋だけじゃない、筋肉の動きから細かい癖まで。一連の行動をすべて真眼で見据え、その全てを記憶した。\nもう絶対に間違わない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ちっ!ほざけえええ!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "一つ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺の言葉にゲンが得意の踏み込みからの振り下ろしで攻めてくるが、俺はそれをこともなげに回避する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "!\nちょろちょろ、動くな!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "そこにからさらになぎ払いにくるのは見えている。俺は後ろに跳ばずあえて前に飛び込み、先ほどと同じようにゲンの横を転がって背後に回る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "二つ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "!?\nそこか!!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "背後に回った俺に対し、振り向きざまに逆袈裟の振り上げがくるが、俺はそれを弾き軌道を書き換えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "三つ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "こいつ……俺の動きを!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "さらに、逆袈裟の振り上げを囮にした蹴りの一撃を、軽く後ろに跳んでかわす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これで四つ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そして……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "伸びろ!根性刀!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "根性刀を振り上げた状態から、一気に刀身が伸びる。この態勢は。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "五つ目!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "星砕きのものだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "根性刀!星砕き",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "ここだ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "予想通り、俺を叩き潰すために根性が振り下ろされる直前、俺は逃げずにゲンの懐に飛び込んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "!?",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "読みきった!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "馬鹿なっ!!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "根性刀が振り下ろせない間合いの内側で剣を振う。完全に意表をついた形になったので、俺の剣はついにゲンの身体を捕らえた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "があああああ!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "くっ、浅い!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "しかし、さすがと言うべきか、ゲンはとっさに攻撃を中断し、身体を反らし致命傷を避ける。\n結果、俺の剣はゲンの身体を抉ったものの、決定打を与えるには至らなかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、さっきの借りは返したぞ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ぐっ……お前、俺の動きを……",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "ああ、誘導した。六手目で必ず大振りの一撃になるようにな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "信じられないものを見るような目で問いかけてきたゲンに、はっきりと告げる。真眼と技術の集大成だ。\n相手の動きをすべて読み切り、さらにこちらの立ち回りを工夫し、相手の動きを誘導する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……こいつ!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "さあ、もう一度だ……それで、決着だ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺の言葉に、初めてゲンの目に動揺の様なものが映る、そして確認するように尋ねてきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いま、お前の目には何が見えてやがる……",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "その質問に、俺は少しだけ逡巡すると、ゲンを見据え、はっきりと声にだした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……未来、かな?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "……はは\nはははっははははーはっはっはっ!おもしれえ!面白いぜお前!!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "俺の言葉に最初はぽかんとしたものの、すぐさまゲンは楽しそうに笑い出した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いいぜ、てめえが未来を見据えてるってんなら、俺はそれに乗ってやった上で叩き潰してやる!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "そうしてひとしきり笑ったあと、今まで以上の気迫と共に根性刀がこちらに向けられる。\n恐らく次のぶつかり合いが最終決戦になると、ゲンも悟ったのだろう。互いの集中力が高まっていき。\nそれが最高潮に達したとき、俺は一歩を踏み出した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "行くぞ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "こい!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "俺はある決意を固めながら一歩を踏み出した。\nゲンの十手目。それが決着を分ける一瞬だ。俺はそれまでに全ての攻撃を避け続けなければならない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぜああ!!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "っ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "まずは一手目、踏み込みからの振り下ろし、それを剣でぎりぎり流す。\nこの時点で想定より威力が高く、俺は後の手順に修正を加える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふんっ!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "そして、二手目。\n一手目の振り下ろし直後に放たれる蹴り。こいつをバックステップで避ける。\nそしてそのまま流れるように三手目。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "伸びろ、根性刀!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "俺のバックステップに合わせるように、星砕きがくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "星砕き!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "ぐっ!!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "それを地面に身を投げ出し回避。ここでの一撃はゲンに取って隙になりえるが。\n攻撃が当たらないとみるや根性刀の刀身を消し、柄だけになった根性刀をこっちに向ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "伸びろ!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "っ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そして、すかさず根性刀、星穿ちだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "星穿ち!!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "これが四手目。\n俺は身をひねって、まるで矢の様な速度で飛んで来た刀身から飛び退く。そこから五手目。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でああああ!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "ぐあああ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "刀身をのばした状態からのなぎ払いに移行。これは回避出来ないと判断して、剣を盾にするが、盛大に吹き飛ばされる。\n地面を転がりながら、なんとか受け身をとると、次の瞬間。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "っ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "根性刀を地面に向けて大跳躍。当然そこからくる六手目は星堕としだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "根性刀星堕とし!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "あああ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "再び地面を転がってぎりぎり回避する。\n衝撃に全身が悲鳴を上げるが、俺はすぐさま立ち上がる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まだっ、おわらねえぞ!伸びろ根性刀!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "根性刀を壁に突き刺しそれを推進力にした、体当たり。\n七手目だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "がはっ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "剣を使い、なんとか防御したものの、防御の上からでもかなりの衝撃をうけ吹き飛ばされる。\n集中しろ、一瞬でも判断を誤れば俺は死ぬ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これでどうだ!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "気合を入れ直す俺に、大上段から根性刀が振り下ろされる。\n八手目。俺は迫り来る根性刀を流す為に剣を振り上げるが、剣と根性刀が触れ合う直前に根性刀の刀身が消える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くっ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "大丈夫、想定通り。そしてここからの九手目は。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そして、伸びろ!!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "神速の突きだ。\n俺はそれを予想していた為、思い切り体をひねり、回避する。\nそれでも完全には避けきれず、根性刀が俺の胸を浅く裂き、血が噴き出した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なに!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "ぐううう!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "痛みをこらえながら、ゲンへと走り込む。普通の相手ならばこの隙を逃さず切り込めばいい。しかし相手はあのゲンだ。\n運命の十手目がくる!",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なめるなあああああ!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺の横にあった根性刀の刀身が消え、柄だけになった根性刀が振り上げられる。\nきた、これを待っていた。限界ぎりぎり、なりふりかまっていられない、全力の振り下ろし。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぜああああ!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "読み切ったぞ!!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "十手目、全力での振り下ろし。俺はそれにカウンターを合わせる。\nやはり俺が最後に勝利を掴むとしたらこの技以外にあり得ない。\nしかし、全てがスローモーションに見えるほどの集中力の中、俺は考えていた。\nこれで本当に勝てるのか?\n普通の相手ならいざ知らず、相手は勇者ゲンだ。様々な逆境に立ち、その全てを切り飛ばしてきた男が、ここで終わるか?いや、否だ。\nこの男は、俺が全てをかけて読み切った計算を。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "俺の!!勝ちだ",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "易々と飛び越えてくる!",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "!!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺の剣が根性刀に触れ、その軌道を書き換える直前、刀身が消えたのだ。\nゲンは剣と触れ合った一瞬で俺の目的を看破、軌道を書き換えられる前に刀身を消したのだ。\nこれによって俺のカウンターは不発、俺には致命的な隙が出来る。\nはずだった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いや!俺の勝ちだ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "なに!?",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "俺は初めからカウンターを狙っていなかった。ゲンなら俺の目的を看破し、俺の思惑すら飛び越えてくれると信じていたからだ。\nだから、カウンターをするふりだけを見せて誘った。\n故に俺の体は動く。そして逆に根性刀には再展開が必要。これはあまりにも致命的過ぎる差だった。\n俺はカウンターと見せかけた剣を、そのまま振り下ろした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "がああああああ!",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "完璧な手応えが剣を通じて腕に伝わる。俺は今、勇者ゲンに勝利した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "馬鹿……な?",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "勇者ゲン。信じていました。あなたなら、俺の思惑を飛び越えて、逆転の一手を打ってくると",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "もし、俺があそこでカウンターを見破らなかった、どうするつもりだった……お前、死んでるぞ",
"speaker": "ゲン"
},
{
"utterance": "まあ、その時は俺の負けでした",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ははは……なんだい、結局俺の……がんばり、すぎ……かあ……",
"speaker": "ゲン"
}
] | [
"ゲン",
"姫"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 044814_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "すべてが終わり、地上へと出た時にはすっかり陽が傾いていた。\nあれだけいたはずのモンスターや古代兵器は、デイルとラーロンによって指揮された生徒達と、前勇者軍団との戦いが終わり戦線復帰したみんなによって駆逐されていた。\n前勇者として敵対していた学園長達は、ごめんね♪と笑顔のお詫びを一つだけ残し、元気いっぱいで去っていった。\n戦ったみんな曰く、やっぱ化け物だ、あの人達、だそうである。ほんと、よくみんな勝てたな、あんなのに。\nそして、ゲンとミヤとの戦いの顛末を聞いたみんなは、俺達の勝利を喜びつつも、微妙な表情を浮かべていた。\n世界の奴隷となったゲン。けれど大切な人を想い、自らを犠牲に勇者で有り続け、最後には奴隷の鎖すら引き千切ったその生き様を、俺達は決して忘れない。\nゲン自身が死んだことで、記録の相殺は無くなった。過去のツケ分があるだろうけれど、そこまで多くの記憶を奪えるとは思えない。\nこれからはきっと、俺達の記憶の中にその偉大な名前を刻んでいく。\nミヤは何も言わなかった。ただ黙って、学園長の預かりとして連れていかれた。\nまた何かしでかすんじゃないかとみんなは心配していたけれど、ゲンが自らの意思でねじ曲げて作った未来だ。きっと素直に受け止めることだろうと、俺は思う。\nこうして、俺の試練はどうにか終わりを迎えた。\nヴェルとの再会を始めとして、三つの未来を経験し、そして四つ目の扉……。\n長い長い剪定者としての道は、どうにか終わったようだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んーーーーっ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "さすがに、今日はみんなボロボロだ。ご飯だ、お風呂だ、睡眠だー、と騒ぎながら寮へと戻るみんなを一番後ろで眺めながら、俺は大きく伸びをする。\nすると、不意に誰かが俺の裾を引っ張った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お疲れ様、パパ",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "そこには、笑顔のカミシアがいた。てっきり先陣切って帰ってるものと思っていたけれど、最後まで残っていたらしい。\n思えば、この子が始まりだった。あの不思議な世界で、いきなり剪定者だと告げられ、そして戦いの中に投げ込まれた。\nだけどその裏で、いや、ずっとずっと遥か昔から、この少女はずっと俺を見て、信じてくれていた。\nその力が、俺を最後に導いてくれた。俺に力を与えてくれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お疲れさま、カミシア。ありがとうな。お前がいてくれなかったら……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ただ思うがままに礼を言おうとする俺。だがその瞬間、カミシアの身体が、一瞬薄くなったように思えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お前、今……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "その先を続けようとして、俺は唐突に悟った。このゲームは終わった。そして、俺が選ぶべき扉も決まった。\n未来が、定まったんだと。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "行く、のか……?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "うん……これでゲームはおしまい\n未来は、可能性は定まった。だから、私もミヤも、消えていく。本来の世界に生きる、本物のシャルとミヤとが、生きていく。定まった未来に従って\nだから、バイバイ、だね",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "考えても、いなかった。いや、考えないようにしていたのかもしれない。\nそうだ。この未来の中で生きるのは、あくまでもシャルなんだ。カミシアじゃない。カミシア自身が言っていたことだ。\n自分はシャルだけれども、シャルは決して自分じゃないと。\nだったら、こうなることは当然じゃないか……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……そう、だな。お別れ、だな……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "それなら、しかたない。俺は目の前の少女を見つめながら、静かに言った。\n役目を終えて、世界の未来を、自分の未来を勝ち取って消えていく少女。それはカミシアだけでない、ミヤも一緒のはずだ。\nだけど、本当にいいのか。これで終わりで、別れでいいのか。\n確かに、本当なら正しい。未来も定まり、カミシア達の存在は必要なくなった。\n可能性は現実へと代わり、実在の二人が生きていく。\nカミシアでないシャルと、俺の知らないミヤとが生きていく。それは絶対に喜ばしいことで……。\nけれど……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "聞いてるか、世界!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "え?パパ……?",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "気がつけば、俺は空へと向かって叫んでいた。いきなりの俺の行動に、カミシアが目を丸くしている。\nこの声が届いているのか分からない。傍から見ればバカみたいに見えるかもしれない。だけどしょうがないじゃないか。俺にはこれしか思いつかないんだ。\nこの意思を伝える方法が、これ以外に考えられないんだから。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "たった今から俺は、未来を選んだ剪定者としての権利を行使する!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そうだ。俺の願いを、今この世界に伝えるためには。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "可能性の世界の住人、カミシアとミヤ、二人の現世界への別人格としての存在固定だ!\n過去に触れるわけじゃない!できないとは言わせない!あれだけの責任との引き替えだ、必ず叶えてみせろ!!\n二人とも、俺の未来に必要な大切な仲間だ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "出来るだけの大声で、肺の中にある空気をすべて吐き出すように叫んでやる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "な、なにを言って……",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "悪いな、勝手に決めて。色々考えては見たんだけれど、これしか思いつかなかった",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "……分かってるの?自分が望んだこと……",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "もちろん。ま、仕方ないだろ。未来への干渉とか言われても、他にいいのが思いつかないんだ\nゲンみたいに、自分を犠牲にした力なんて特にいらないし……可愛い女の子との出会いを、なんていったら、幸いもうたくさんいてくれる",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "それでも、だめだよ、パパ\nパパは剪定者として、あんなに重い責任を背負った。だったらちゃんと、自分のためにその願いは使わなくちゃ\nもう、次代の勇者なんだよ。そのために必要なことを、考えなくちゃ",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "必要なことだろ。勇者っていうのは一人でなるもんじゃないんだ\nお前だって、もう勇者なんだ。俺のパーティー抜けて、どこに行くつもりだ\n別人なんだろう?お前とシャルは",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そうだ。俺は覚えているんだ。自分はシャルだが、シャルは自分ではない。はっきりと言ったその言葉を。\nだったら、カミシアだって生きていてもいいじゃないか。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……うそつきなんだから。もっといい願いなんていくらだってあるくせに……",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "嘘つきじゃないぞ。本当に浮かばないんだ。これ以上の願いが\nだから、俺にとっては最高の願いだよ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そうだ。俺が今、心の底から願っていること。叶ってほしいと思っていること。\nこれからの未来を本当の意味の大団円にするためには、この少女の笑顔が必要だ。ミヤだってそうだ。なんといっても勇者直々の御願いだったんだから。\nそれを失ってまで叶えたい願いなんて、俺の中には存在しない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "本当に……パパはバカなんだからぁ……",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "そうだな、それは本当に否定できない",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "その眩しい笑顔と正しい言葉に、俺は苦笑を浮かべるしかできない。\nけれどこれで本当に終わり。\n四つ目の扉は、今、可能性なんかじゃなく……。\n現実に、なった。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"カミシア",
"姫"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | 044817_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "むう……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "どうした、ヴェル?そんな膨れて",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "だって、またヒメと一緒の時間が削られちゃいそうなんだもの\nこれが、ヒメの勝ち取った幸せな結果だっていうのは嬉しいんだけど、ちょっと寂しい……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "そんなヴェルの姿は、ヴェルには悪いけれどちょっと可愛い。\n俺は、そんなヴェルの頭に手をやった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え、ヒメ……?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "その、なんだ。これからも色々と面倒をかけることにはなると思うんだけれど、これだけは、覚えていてほしい\n今こうなったキッカケをくれたのはヴェルなんだ。あの事件のことを忘れず、一途に俺だけを追ってきてくれた\n始まりは、ヴェルなんだ。だから、忘れないでくれ\n俺にとってはみんなが大切で、もし許してもらえるのなら、これからもこの仲間達で進んでいきたい\nだけど、その中でも特別なのは……俺の隣にいてほしいのは、ヴェルなんだってこと\nみんなが好きで大切だけれど、その中の一番は……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "……ヒメ……それ、ほんと……?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ああ。ヴェルは、いやか?そういうの……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ううん。全然いやなんかじゃない\nヒメ♪",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "はにかむような笑みをその顔いっぱいに開かせるヴェル。\n始まりは、あの悲しい事件。けれどそれはこの学園での再会へと繋がって、俺の未来そのものを切り開いてくれた。\n勇者の称号を、暫定的にも引き継いだ今、俺はこれからも戦っていくだろうし、今よりもっと強くならないといけない。\nそれでも、この笑顔だけはずっと俺の隣にいてくれて、俺を優しく、けれど厳しく見守ってくれていると信じてる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これからも、よろしくな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "私こそ。いつまでだって、ヒメと一緒よ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "そうだ。俺はあの日、たしかにこの翼を手に入れた。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"ヴェル"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | EP02a_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "そして、いつしか騒ぎ始める女性陣。ある意味いつも通りの光景に俺は苦笑する。\nいや、いつからこれがいつも通りになったんだろう。こんな光景、昔は考えられなかったはずだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "にいさま",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ウルル?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "不意に、俺の手を握った小さな感触。ウルルが、その両手でしっかりと俺の手を握りしめていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えーと、どうかしたか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "いえ。にいさま、なんだか楽しそうだったので",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "楽しそう?ああ、なるほど。そうだな。確かに楽しんでるな、俺は",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ああ、そうだった。この手だったっけ。最初に握ったのは。\nこの世界で、人族として必死にしがみついて……そんな中で出会った、他種族。\n初めて、その手を握ったその少女は小さくて、どこか怯えてて……俺よりずっと強いはずなのに、だけど守ってあげたいな、って思った。\nそうだ。きっとそこが始まり。守ってあげたい。勇者を目指して剣を振り続けてきた俺が、本当の意味でそう思った、初めての女の子。\nこの手と、この笑顔と、この子と出会って、俺は誰かを守るっていう気持ちを知ったんだと思う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なあ、ウルル",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "はい。どうかしましたか、にいさま",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ウルルはさ、これからも俺の隣にいてくれるか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そんな俺の質問に、ウルルは最初意味が分からないとばかりにぽかんとし、やがて、満面の笑顔になった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そんなの、当り前ですよ、にいさま♪",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "俺が守って、俺を守ってくれる少女。俺は、自分の手を包んでくれているその小さな手を、そっと握り替えした。\n多分これからも、俺達がこの手を離すことはないと思うから。\n多くの大切な仲間達と一緒にいながら、それでもこの手を、きっと握っているはずだから。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"ウルル"
] | 06_Tiny Dungeon BoS | EP02c_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "この世は、五つの世界と、四つの種族で出来ていた。\n魔界。魔族と呼ばれる、魔力を破壊の力に使うことに長けた種族が住む世界。\n神界。神族と呼ばれる、魔力にて様々な奇跡を起こす種族が住む世界。\n竜界。竜族と呼ばれる、魔法が使えない代わりに、身体能力に長けた、女性だけの種族が住む世界。\n人界。人族と呼ばれる、魔力を生み出せない代わりに、様々な知恵にて乗り切ることに長けた種族が住む世界。\nそして、五つ目。学園世界、トリニティ。\n魔族、神族、竜族と、三つの種族がその知恵と力を結集し作り上げた世界。\nかつては、世界を守護する勇者を生み出す場所として存在し、魔族、神族、竜族、人族。四つの種族が、その心を持って繋がり続けた世界。\nけれど今は、あと一つ。\nその存在を求め、争い続ける奇跡の少女が、共に住む世界。\nこの世は、五つの世界と、五つの種族で出来ている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いいかげんに諦めたらどうですか、リンセ",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "夕暮れに染まる草原の中、鋭い剣撃の音を響かせながら、二人の少女が刃を振るい合う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "私の辞書に、諦める、という言葉は載ってはいますが黒く塗りつぶされています!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "共に銀髪。獣を思わせる耳を持ち、その背からはそれぞれ十翼、八翼の翼が伸びている。\nウェディングドレスを思わせる服に身を包み、その身の丈に合わない巨大な剣を、自分の腕のように振り回す少女。\n猫のようにしなやかな動きと共に二本のククリナイフを、疾風のような速さで振るう少女。\nどちらも、その技量は尋常なものではない。かなり高位の戦士であることが分かる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……辞書に落書きをしてはいけないと何度も言ったはずなんですが。どうしてこうもイタズラ好きなんですか、あなたは……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "もちろん、お父さまとお母さまたちの教育のたまものですね♪諦めたら全部終わっちゃうんですよ\nニコも、えっちな単語に赤線引いたりしてないで、もっと有意義に使うべきです",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "そ、そんなことはしていません。主さまに対してそんな妄想、失礼です",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "あ、動揺しましたね。しかも、お父さまを相手にとは、なんてチャレンジャー\nお母さまたち全員を相手にしようだなんて、さしもの私も裸足で逃げ出す大偉業ですよ。その無謀な勇気が羨ましいです",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "はあ……リンセこそ、気づいていないとでも思っているんですか。時々主さまの部屋に忍び込んで、ベッドに潜り込んで悦に浸ってニヤケ笑いを浮かべているくせに\n姫さまたちに見つかればどうなるか、ご相談してみるのもいいかもしれません",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "絶対ダメです!あれは私の密かな楽しみ、趣味なんですから。お母さまたちに見つかれば、その場所を取られてしまうじゃないですか!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "まるで学園帰りの友人同士のような会話を繰り広げながら、けれどもその剣撃は決して緩まない。\nむしろ速度を、圧力を増し、更に激しく、重くなっていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なぜです……ニコはまだ存在しない者。リンセの方が生き残るべきなのは考えるまでもないでしょう。自殺願望を隠し持っていたとでもいうんですか",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "それこそ今さらですよ。私はお父さまの娘なんです、二者択一の選択肢なんていりません",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "その考えには称賛します。主さまが行ったことを考えれば、笑い飛ばすわけにもいきません\nですが、リンセにその選択肢は見つけられなかった。違いますか",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "だからって、私は諦めたりはしてあげないんです!私の辞書のその言葉は、とっくに黒塗りモザイク化しちゃってますからね",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "叶える手段もないのに言い続けるのは、ただのワガママです!",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "言葉と共に振り払われる刃から、対の衝撃波が放たれる。が、リンセはそれをまさしく気合いで受け止めた。\nリンセの全身を覆う、薄いオーラ。竜族の持つ気鱗とそっくりなそれが、必殺の威力を持つはずの衝撃を儚く霧散させる。\nと同時、リンセは、次は自分の番とばかりに手にしていた巨大な剣を両手で振りかぶった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お父さまの力強さ!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "言葉には、魔力を導き、安定させ、増幅させる力がある。その技名によって輝きを増した光の刃を、リンセは力の限り振り下ろす。\n地面に叩きつけられた剣が、ドズンッ、という地震のような震動を放ち、巨大な光の刃を放つ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "相変わらずの力が抜けるその魔法名、変更したらどうですか。主さまへの献身!",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "軌道上にあるものすべてを粉々に砕きながら真っ直ぐに襲い掛かる光速の刃を、だがニコはさけようともせず防御力強化の魔法で受け止めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お父さまか主さまかの違いしかないじゃないですかっ",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "尽くすか尽くされるかの違いがあります。ニコは尽くすことこそが想いの証と考える女です",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "私だって尽くす女ですよっ。それはもう、食事時のあ~ん、から、お休みされる時の膝枕うちわまでっ",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "そうして、二人は間合いを詰める。再び接近戦での撃ち合いが始まった。\n放たれる刃は紛れもない命がけのもの。にも関わらず二人の間でかわされる会話には、悲壮感はもちろん緊張感すら感じない。\n友人同士の仲のいい会話。小猫同士のじゃれ合い。もし見ている者がいたのなら、そんな微笑ましさすら感じてしまったことだろう。\nそれでも、その戦いは紛れもなく、互いの命を容易く奪えるレベルのもの。\n速度による手数の多さはニコのが上。だが、破壊力はリンセの方が遥かに上。その一撃をまともに食らえば勝敗は決するレベルだ。\n完全に受けに回りながらも、リンセはその一撃のチャンスを虎視眈々と狙っている。\n襲い来る無数の刃と、食らえば終わる必殺の一撃。どちらも、そのプレッシャーは変わらない。\nいや、相手の攻撃をその手数によって封じ続けなければいけないニコの方が、むしろ重かった。その焦りは徐々に積み重なり、やがて致命的な判断ミスへと繋がる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あっ!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "ニコの放った軽いフェイント。だがその誘いにのせられ、リンセの体勢が大きく揺らぐ。そのスキをつき、放たれる二本の刃。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "この機会、いただきます!",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "千載一遇、恐らくは、この戦いにおける最後のチャンス。\nそう思ってしまった判断ミスが、勝敗を分けた。\nこの体勢ならばここへと打ち込んでくるだろう。仕掛けたリンセの予想通りの場所へと狂い無くニコのナイフが向かっていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "しまっ……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "自らが誘導されたことに途中で気が付きはしたものの、もう遅い。渾身の力で繰り出した一撃は、止めることも、軌道を変えることもできない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あうっ!",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "横に払われたリンセの大剣が、ニコのナイフを弾き飛ばした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これで、おしまい!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "そのまま、勢いよく剣を振り上げるリンセ。背中の十翼が、リンセの持つ莫大な量の魔力を、フル稼働で制御する。\n空間すらも歪んで見えるほどの力が、その光の刃へと集まっていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ヴェル母さま直伝!空間力割り、です!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "その破壊力は知っている。この距離では、かわしたところでその余波によってやられるだけ。武器もない今、モーションを止めることも不可能。\nニコは覚悟を決めると、両腕を前で交差させ、気鱗を全開にし防御態勢に入る。\n世界が、吹き飛んだかのようだった。\nリンセの一撃が、ニコの身体を、空間ごと砕き、破壊する。気鱗なんて関係ない。存在する時空ごと、根底から破壊する最狂の一撃。\n全身が粉々に砕かれるような衝撃に身体を大きく震わせて、ニコはその場へと崩れ落ちた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "私の勝ち、ですね。ぶい",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "……本当に、何から何まで正面からですね、リンセは……技の名前まで\nいつの間に、空間破壊だなんて……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "ふふ。だって、かっこいいじゃないですか。あんなかっこいい技、憶えなくっちゃもったいないです\nせっかく、お父さまとヴェル母さまからいただいた十翼なんですから",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "強大な魔力によって、あらゆるものを破壊する。それは確かに魔族の真骨頂だ。だが、空間そのものを砕くほどの魔力など、本来ならば制御できるはずがない。\nそれがたとえ、純粋たる魔王の血族であったとしても。\nそれは、無限の魔力を生み出し、それを制御しきれる器だからこそ。人族の至宝、儀式兵器としての力を持った、十枚の翼。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "約束、ですよ。勝った方が、扉を選んでいいって",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "……分かってます。でも……\nあなたは、自分が生き残る扉を選ぶべきなんです。ニコのことなんか考えずに……\nだから、最後の抵抗です。もしこれでニコを選ぶのなら……絶交です",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "……むう、そうきましたか。相変わらずずるっこい手を使ってきますね、本当に",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "それであなたを守れるのなら本望です",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "ふう……分かりました",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "え……本当に……?",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "はい、本当です。ニコの一途さはよく分かっていますし、このままじゃあ、ニコを選んでも一生口も利いてくれなくなりそうですからね",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "リンセは、諦めたようにガックリとうなだれると、そう言った。そして、ゆっくりと空を見上げ、声を張り上げる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "剪定者として、世界に決断を申し上げます!\n私、リンセ=ホワイトキャッスルが生き残る扉を、これからの未来に!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "何か、歯車の軋むような音がした。そしてそのまま、今度は何かがガッチリとはまり込む、そんな音が。\nこの瞬間、未来は確かに定まった。\nリンセとニコ。未来を定めるゲームの参加者。剪定者と可能性の世界の住人としての争いは、剪定者、リンセ=ホワイトキャッスルの勝利として、確かに終わった。\nその確かな結末に、ニコは心からの笑みを浮かべる。これでいい。自分は直に消滅するだろう。けれどその代わりに、リンセには確かな未来が約束された。\nこの、真面目で一直線で無鉄砲でイタズラ好きで小悪魔めいて子供っぽくてお馬鹿でどこか抜けていて……。\nだけど、親友。このわずか数日間の出会いの中で、こんな自分の手を、強く温かく包み込んでくれた、大切な親友。\nその、未来を、自分なんかが奪わずにすんだ。彼女を守ることができた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これでいいんですよね、ニコ",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "はい……ありがとう、リンセ。ニコの最後の願いを、叶えてくれて……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "涙混じりの言葉に、リンセは優しく微笑むと、気にするなと、そっと首を左右に振る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "さて、扉を選んだ今、私は剪定者としてのご褒美をいただけるはず、でしたよね",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "はい。過去、そして今定めた未来の扉内を改ざんするものでなければ、どんなものでも、世界が認める限り……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "そう改めて教えたところで、ニコは背中に冷たいものを感じた。\n目の前の少女が、笑っている。それもいつもの礼儀正しい、お嬢様のような笑みじゃない。ニヤリと、イタズラをする子供のような、何かを企んでいる笑顔。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……リンセ、何を企んで……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "うっふっふ~♪何も企んでなんかいませんよ。ただただ、私が今、とってもとーってもとーーーっても叶えてほしいお願いが一つありまして\nその瞬間がきたのだと、乙女な私の心臓が、どきどきわくわく高鳴っているだけです",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "未来を確定した剪定者には、その責任の重さに対する褒美が与えられる。\nそれは、ルールに則ったものならば、絶対だ。視界を埋め尽くす財宝であっても、世界中の人々からの尊敬であっても、想い人の心であっても。\nリンセは再び空を見上げた。そうして、その願いを、求めるものを、高らかに宣言する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "私は、たった今、私自身が選んだ扉の剪定に対し、一からのやり直しを求めます!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "な、何を!?",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "それは、存在の可能性があるかぎり悠久の時を生きる、可能性の世界の住人であるニコにとっても初めて聞く願いだった。もちろん、予想すらしたことがない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "私、怒ってます。他でもない自分自身に\n私もニコもどちらも生き残って幸せになれる……そんな、第三の扉を生み出せなかった自分に。お父さまの娘でありながら、こんなにも不甲斐ない自分に\nでも仕方ありません。これは、私がまだまだ未熟であるということ\nそして、お父さまがそれほどまでに素晴らしい、男性の中の男性である証明。私なんかよりも遥かに素晴らしい人だという証明ですから\nですから、私は考えました。私が未熟であるからニコを救うことができないというなら……",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "ま、待って下さい!リンセ、あなたはまさか!",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "大丈夫♪この時のために、カミシアちゃんとミヤちゃんに頼んで、時空移動の魔法は準備万端です",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "そんなこと……過去を変えるなんて、世界が許すはず……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "私の剪定をやり直す許可は、剪定者の褒美としてルールの範囲内です。そして、これから変えるのは私たちの過去じゃありません\nお父さまたちにとっての、未来です",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "凜とした、強い決意の込められた瞳と共に言い切るリンセ。その意思の光の前に、ニコはもう何も言うことができなくなった。\nそうだ。この強さこそが、自分がリンセ=ホワイトキャッスルという少女に惹かれた理由。\n本来ならば争い、蹴落とすべき相手でありながら、自分の存在なんかよりもその未来を守りたい、そう思ってしまった。この強さに、見惚れてしまった。\nこの強さを作り上げた方々に、四種族の姫たちに、そして何より、父親である勇者に、憧れてしまった。信じてしまった。\n確かに、あの方なら。過去に一度、ルールそのものを作り替えてしまったイレギュラーな剪定者。\n白鷺姫。主さまならば、できるかもしれない。リンセの、この無茶苦茶な願いを、本当に叶えてくれるかもしれない。\nニコ自身が心の中で思っていた本当の願いを、叶えてくれるかもしれない。\nいつしかニコは、差し出されていたリンセの手を握っていた。\nリンセが叶えてしまったありえない願いに対し、世界はきっと何かの強制力を動かすだろう。歴史を狂わすことなく、あるべき流れに戻そうとするだろう。\nだから、行こう。そんな世界を相手にしても、決して引くことのないあの方のもとへ。\nリンセは、真っ直ぐにニコを見つめていた。そしてニコも、その視線に応えるように頷いた。\nリンセもニコも助かるハッピーエンド。リンセが諦めることなくそれを目指すというのなら、自分もそれを最善とする。\nそして同時に、誓いを立てる。\n自分の目指す未来、それは、リンセ=ホワイトキャッスルが笑顔で暮らす、そんな未来なのだということを。\n小さな黒点が、瞬時にその大きさを増した。それはまるで膨張し続ける宇宙のように、二人のいる空間を飲み込んでしまう。\nこの世界、この時代から、二人の姿は消失した。\nけれど、二人は確かに繋がっている。\n何も見えない漆黒の世界の中、リンセの指から伸びる、遥か彼方へと続く一本の光の糸。\nその先にいる、自分達の可能性と。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"ニコ",
"リンセ"
] | 07_Endless Dungeon | 010100_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "姫の姿が見えた。まだ幼い兄の姿が。そしてその隣に自分がいる。やはり幼い自分が。\nそんな二人を見て、皇女は理解する。ああ、あの時の夢を見ているんだ、と。\nあの時のことはよく憶えている。今から十年近く昔の話だ。まだ幼く、周囲へ挑む力なんて持っていなかった頃。だけど、大人ぶってみたかった、そんな頃。\n家族が家にいなくなるという日、両親が皇女に一緒に行こう、と説得するが、皇女は頑なに拒んだ。\n子供扱いされたくなかったから。一人で留守番くらいできると、そう自慢をしたかったから。\nだけど、現実はそうならなかった。\n一人きりの家は、幼い自分にとってはお城みたいに広く感じて。静まり返った家で響く音は、まるで怪物のうなり声のようだった。\n当然、誰を呼んでも返答はない。懸命に家の中を探しても誰もいない。皇女は本当に一人ぼっちだった……。\n夜になって陽が沈むと、その怖さはさらに増した。風の音が幽霊の声に聞こえた。だから、押し入れの奥に毛布にくるまって隠れてしまった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だれか、きてよぉ……こわいよぉ……おにいちゃん……おにいちゃあん!",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "ずっと泣いていた。押し入れの襖を開けば、そこに幽霊がいそうで怖くて出られなかった。\nトイレにもいけず、おもらしまでして、だけどただ泣いていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "みこ、もう平気だよ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "襖の向こうから、そんな声が聞こえた。優しい声だった。ゆっくりと襖が開いて、そこにはお兄ちゃんがいた。\nホッとして、皇女はまた泣いてしまった。今までよりも、もっともっと大きな声で。\n兄は、そんな皇女を優しく抱きしめた。自分の服が汚れてしまうことも厭わずに、ただ優しく、力強く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大丈夫だよ……もう本当に、大丈夫だから……怖くても、また見つけ出すから……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そんな兄の声が嬉しくて、心強くて、皇女もまた、姫をギュっと抱きしめ続けていた……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……いけない、寝ちゃってたみたいっ",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "目を覚ました皇女は、慌てて時計を確認する。が、それはこの世界に入った時より、一秒たりとも進んではいなかった。\nあれから、どれだけの時間が経っただろう。時の止まってしまったこの世界では、それすらも分からない。時間という感覚が完全に狂ってしまっている。\n自分がどれだけ寝てしまっていたのかも分からない。ただ、こうしてまだ生きていることは確からしい。皇女はほっと胸を撫で下ろす。\nどれだけ待ったのか、どれだけ待てばいいのか。もう何も分からない。そもそも、なぜ自分がこんな目に遭っているのかが不明だ。\nこの学園に来てまだ三日。特別な何かをした憶えもない。なのになんでこんな……それも、たった一人で……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……姫にぃ、来てくれるよね……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "その場にうずくまりながら、幼い頃のことを思い出す。たった一人での初めての留守番。あの時のことを。\nあの時の、あの言葉があるからまだ頑張れる。寂しいけれど、怖いけれど、なんとかしがみついていられる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……さすがに、ちょっと寒いな……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "服は囮として使ってしまった。闘技場の更衣室にまで行ければ、まだ制服が残っているかもしれない。けれど、次にあの甲冑騎士と出会ってしまえば逃げられる保証はない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "どう、しよう……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "ただ小さく呟いた、その瞬間だった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "な、なに!?まさか……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "外部からの攻撃によるものだろう。大聖堂の厚く頑丈な大扉が、爆発と共に粉々に吹き飛んだ。その爆音に、皇女は思わず立ち上がってしまう。\nそしてそこには、思った通りに奴が立っていた。\n巨躯なる殺意の存在が。\n慌てて周囲を見回し、逃げ道を探る。けれども唯一の出入り口に、あの騎士が立っている以上ここからの脱出は出来そうにない。\n隠れることだけを考え、いざという時の対応に関してを忘れていた。これは皇女にとって致命的なミスだった。実戦での経験の無さが出てしまったと言うべきか。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やるしかない……必撃!",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "瞬時に儀式兵器を展開させ、唯一効果があるだろう攻撃を繰り出す。だがその一矢を、甲冑騎士は手にした剣でいとも簡単に打ち払った。\n鎧のパーツをガチャガチャと打ち鳴らしながら、一歩ずつ確実に迫ってくる甲冑騎士。皇女は壁伝いに逃げようとするものの、すぐに追い詰められる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や……こない、で……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "恐怖からか、足に力が入らない。ずるずるとその場に崩れ落ちてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……う……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "ただ恐怖に怯えるだけの声をこぼしながら、目の前の騎士を見上げる。\n頭の中が真っ白になり、何も考えられない。そもそも身体が震えて動いてくれない。\n怖い。胸の奥からただその言葉だけが湧き上がってくる。恐らく自分は殺される。この目の前の騎士によって、いとも簡単に。\n何故死ななければいけないのか。何故自分なのか。もう何も分からない。\n自分に確実にのしかかろうとしている、死という名の不条理が、今はただ恐ろしい。\nいつしかその股間は濡れ、床に小さな水たまりをつくっていた。けれどそんなことすら今の皇女は分からない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やだ……死にたく、ない……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "震えが止まらない。ただ怖くてたまらない。騎士が持つその長剣が振るわれれば、それで自分の命はあっけなく終わりを告げる。\n冗談でも、夢でもなんでもなく、本当に終わるのだ。白鷺皇女、という一人の人間の生が、あっけなく終わりを遂げる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "たす、けて……\nたすけて……姫にぃ……お兄ちゃん!!",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "ああ、任せろ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "え……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "その声は、確かに本物だった。自分の心の中でだけ響いた幻聴なんかじゃない。\n確かに今、この耳に届いた。この身体全体を震わせた。\nそうしてもう一度。今度のその声は、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "皇女!!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "紛れもなく、白鷺皇女、その少女の名を呼んだ。\n皇女の視線が、その声の先へと向かう。そこには確かに、今一番待ち望んだ人の姿があった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お兄……ちゃん……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "その顔が、瞬く間に笑みへと変わる。絶望が希望へと一瞬で裏返る。\n同時に、甲冑騎士も反応していた。その注意を皇女から姫へと移動させるがもう遅い。自らの危険を顧みず、ただ全力で走る姫は、瞬く間に甲冑騎士との間合いを詰めていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "俺の妹に何をしてる!!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "その勢いを乗せた全力の振り下ろしが、甲冑騎士の身体を弾き飛ばした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "良かった、間に合った……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は泣きながら怯えていた皇女と甲冑騎士の間へと素早く身体をいれる。幸い、こちらの先制攻撃は上手く決まってくれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お兄ちゃん気をつけてっ。そいつ、強い上に、固い!",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "大丈夫、任せろ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ここの扉の壊れ方からして、こいつの攻撃力の凄さは想像できる。そういう奴を調子に乗せていいことはない。ここは、俺のペースで押し切るのみ!\n俺は、体勢を立て直したばかりの甲冑騎士へと肉薄すると、その肩の関節へと鋭い突きを放つ。\nいくら全身を強固な甲冑で覆われていようと、関節部まで覆っては動けない。しかも肩をやられれば攻撃すらできなくなる。\n甲冑騎士は、当然のごとく、わずかに身体を動かして鎧で受け止めようとした。最小の動きでの回避となれば、そう動くに決まっている。\nそして、決まっているなら当然それは読んでいる。俺は、最初からそのつもりだった突きを途中で止めると、素早く引き戻し、二段突き。首を狙った。\nさすがに驚異を感じたのか、甲冑騎士は後ろに跳んでどうにか防ぐ。が、その動きに合わせて俺も跳んでいた。間合いは変わらない!\nそんな俺を振り払いたいのか、その長剣を薙ぎ払う甲冑騎士。だがそれも読めている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "悪いが、妹の前でかっこ悪いところは見せられないんだよ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は身体を低く沈めると、下からその長剣を切り上げ軌道を大きく逸らす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うおおおおおおお!!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そうして出来た懐の空間。すかさずそこへと踏み込むと、視界確保のために防御の薄くなるフェイスガードへと全力の突きを叩き込んだ。\n硬質な物体がひしゃげる確かな感触。甲冑騎士の巨体が、そのまま背中から床へと叩き付けられた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "姫にぃ……すごい……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "とりあえず、正体を晒してもらうぞ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そのヘルムを奪い取るため、俺は巨体へと一歩近づき、\nその刹那、甲冑騎士の発した激しい光に慌てて跳び退る。\nその光が消えた後に、巨体の姿は何も残っていなかった……。\n念のため周囲の気配や魔力を探るものの、やはりなんの痕跡も感じられない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "逃げた、かな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "姫にぃ……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "無事か、皇女",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "剣を収めながら、俺は皇女へと振り返る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なんか、凄い格好だなあ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "し、しかたない、じゃない……本当に、死んじゃうかもって、思って……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "必死に泣くのを堪えているのが分かる震え声。そこからも、皇女がどれだけ怖い思いをしていたのかが伝わってくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ごめんな、待たせた。でも、もう大丈夫だ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は笑顔で言い切ると、皇女へと手を差し伸べる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん♪",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "そして皇女も、笑顔で俺の手を取った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、さっきの騎士、なんだったの……?",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "ハッキリとは言えないけれど、多分可能性の世界の関係者、だろうな……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "可能性の……世界……?",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "後で、みんな揃った所で説明するよ。そろそろ戻されるだろうし",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そう言ったのとほぼ同時、まるで狙っていたようなタイミングで世界が歪む感触がくる。\nそしてそれが過ぎ去った時、空気が変わっていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え?あ、あれ?時計が動いてる……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "とりあえず、元に戻れた、か……\nミヤとカミシアには、後でお礼言っとかないとな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あ、あの、姫にぃ?",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "ん?どうかしたか",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "その……改めて、本当にありがとうね。来てくれた時、すっごく嬉しかった……あの時の言葉、守ってくれて……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "どういたしまして",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "はにかむような笑みと一緒に送られてくる皇女の感謝の言葉に、俺は当たり前だと笑顔を返す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あー……でもなんだ……制服、闘技場の方にあって良かったな\nその、やっぱりまあ間に合わなかったみたいだし……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "が、落ち着いたところで気がついてしまった。その、シミに。\n皇女の顔が、凄まじい勢いで赤く染まっていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……お、お兄ちゃんの……\nばかああああああああああああああああああ!!",
"speaker": "皇女"
}
] | [
"皇女",
"姫"
] | 07_Endless Dungeon | 010307_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "俺は扉の前で少しだけ迷っていた。このまま、声をかけるべきか、それともあえてそっとしておくべきか。\n混乱している可能性もある。もしそうなら、そんな時に声をかけることで、より不安を強めてしまう場合も……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いや、ここは力づけてやるべき時だよな。むしろ放置の方が不安になるはずだ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺はそう決めると、そっとドアをノックした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "皇女、いるか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "姫にぃ、いきなりどうかしたの?",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "俺を部屋の中へと通しながら、皇女が小首を傾げる。その様子は、俺が思っていたよりも普通そうだ。\nとはいえ、皇女は昔から強がりなところがあるからなあ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いや、ちょっとな。カミシアはいないのか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "うん、ちょっと用があるって出て行った\n二人の試験の方はもういいの?",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "ああ、軽く見せて貰ったけど、結構とんでもないぞ二人とも。皇女にとってはかなり厳しいライバルの登場だな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あ、あはは……ライバルも何も、第五の種族とかもう何がなんだか……\nそもそもほら、あたし、あの甲冑騎士にも全然歯が立たなかったでしょ",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "あの時の戦闘は、皇女にとって精神的にもかなりの傷を残してしまったらしい。\nそもそも、皇女の武器である弓は前衛職が他にいてこそだ。皇女一人じゃ厳しくて当然だろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……大丈夫だ。必ず強くなれる。いや、この学園が強くしてくれる\n守ってやるから、頑張れ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "えっと……ひょっとして心配してくれてる?",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "ひょっとしなくても心配してる。入学早々、こうもいろんなことが起きてるわけだしな……\n色々不安になって当然だ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "頭の上にそっと手を乗せ、優しく言ってやる。皇女は何かを確かめるように俺を見上げ、そして力なく笑った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……正直言うとね、ちょっと怖い。ううん、すっごく怖い\nもしまた、あの甲冑騎士に襲われたらどうなっちゃうんだろうとか、このまま全然強くなれなかったらどうしようとか……\nなにがなんだか分からないことだらけで、どうすればいいのかも見えなくて……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "いつものお前らしくさ、前だけ見てればいいよ。どんなに怖くても分からなくても、いいからちゃんと強がって前を見てろ\nあとは、俺達が守ってやる。皇女は、皇女がやらなきゃいけないことだけをしっかりやればいい\n大丈夫だ、って言ったろ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "まだ幼かった頃の約束。それに期限なんてない。約束したからには、守り続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お兄ちゃん……\nうん、ありがとう",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "俺は、そんな皇女の言葉を確かに受け取り、心の中でもう一度誓う。\n絶対に、守ってみせる。\nみんなが幸せでいられる未来へと、導いてやる。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"皇女",
"姫"
] | 07_Endless Dungeon | 020403_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "はあ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺はベッドの上に横になると、思い切り深く溜息をついた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まったく……俺の意思は一切関係無しで進むんだからなあ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "昼間の突発バトルロイヤル。まあ、戦ってみたい、という気持ちや行為の否定はしないが、なぜそこで、俺とのデートなんて景品が出てくるのか。\nまあ、オペラさんだから、と言ってしまえば本当にそこで終わってしまうんだが。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なんだ、明日のニコとのデートがそんなに楽しみなのか?",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "どうやら風呂に行っていた紅が戻ってきたらしい。石けんのいい香りが、わずかに鼻に届いた。\nそのまま、向かいのベッドがギシっと揺れる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いや、デートそのものには文句を言うつもりはないよ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "決まった以上、それはさすがに失礼だしな。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ただ、そうなった理由が問題だろ\nそもそも、紅だってあのバトルに参加してたよな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "それは仕方ないだろう。最近の姫は、忙しいからって全然デートも何もしてくれなかったし\nみんなそれなりに思ってはいたってことだ",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "う……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "それを言われると、確かに弱い。入学式の準備や、寮の移動どうする、といった話し合いなんかで、ここのところ全然自由な時間がなかったからな。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だけどな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺はベッドの上で起き上がると紅へと向き直り、\nそして固まった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "どうかしたか?",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "いや、えーと……その格好はいったい……?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "いや、恥ずかしながら、替えの下着を忘れていってしまって",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "……ひょっとして、その格好で風呂から戻ってきたのか!?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ああ。元々のは洗濯にいれてしまってたし、まあ女子寮だから、急いで戻れば\nさすがに、ちょっと恥ずかしかったけどな",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "バスタオル一枚を巻いただけの姿で、紅ははにかみながら笑う。\n元々、人族離れした紅のスタイルだ。その胸の膨らみ部分が実になまめかしい。ちょっと身体を反らせば、その先端部分がはみ出してしまいそうな。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なあ、姫。さっきから、その……視線を感じるんだけど",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "う……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "もしかして……見たいのか?",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "ちょっと楽しげな、意地の悪い笑みを浮かべて尋ねてくる紅。この顔は、間違いなく分かってて言っている。\n男として、紅を目の前にしてだ、当然だろう。\nまあ、それをどれだけ抑制できるかが大事なわけだけど……と考えた所で、俺の脳裏に逆の考えが浮かぶ。\n妙に余裕めいた紅の笑み。これはむしろ、ただの照れ隠しとみた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "当然だろう。男で、紅の身体を見たくない、なんて言う奴はどこかおかしい\nそれくらい、紅の身体が綺麗だからな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あ、う……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "予想通り、こっちの素直な返答に真っ赤になってしまう紅。\n元々、こういう方向の話に対してはそんなに免疫の無い子だ。必死に堪えていたようだけれど、一度崩れてしまえばこの通り。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そ、そうか……あ、ありがとう……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "羞恥に染まった顔が、本当に可愛らしく、もうちょっと意地悪をしたくなる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それで、見せてくれないのか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "え?あ、う……べ、別に姫になら……構わないんだけど……\nだけどその、改まって言われると……あう……や、やっぱり恥ずかしくてだな……\nだ、だめっ。そんなにジッと見られちゃうと……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "自分から本当に見せることも出来ず、紅は完全に固まってしまう。普段の凛々しさとは逆のこうした部分が、紅の女らしさを感じさせてくれる。\nまあ、あんまりいじめても、だしな。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ少し出てるから、その間に着ちゃってくれ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "は、はい……すみません……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "顔から湯気を出している紅の姿に苦笑しながら、俺はベッドから立ち上がった。\nでもまあ、おかげでなんとなく気も楽になったし、明日のデートの行動、ちょっと本気で考えてみるかな。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"紅"
] | 07_Endless Dungeon | 020505_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "ふう……今日はこれくらい、かな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は日課の鍛錬を切り上げると、荒い呼吸を落ちつかせていく。\n今日は思った以上に身体が動いてくれた。この感覚を忘れないようにしていけば、もう一手分踏み込めるようになるかもしれない。\n真眼は、相手の動きを読んで、その読みに合わせて瞬時に身体を動かす必要がある。動けなければまったく無意味だしな。\n逆に言えば、動くことができるなら、多少は無茶な手でも打てるということ。\n相手の攻撃を受けるを、かわすに。かわすをカウンターに、と対応の手を引き上げられる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "破壊力っていう切り札がないからなあ、俺は",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "細かな攻撃の積み重ねが、俺の戦い方。それほど多くはやってこないチャンスを確実に掴むために、やっぱり鍛錬は必要だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "とりあえず、汗を流していくかな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "時間的にはもう問題ないはずだ。俺は真っ直ぐに風呂へと向かっていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふう……少しのんびりしすぎたかな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "いつもよりかなり長湯をしてしまった。紅の奴も、もしかしたらもう寝てしまってるかもしれない。\n部屋へと急ぐ中、不意に食堂の電気がまだついているのが目に入る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あれ?こんな時間に電気ってついてたか?\n……誰かまだいたりするのか……あ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "何気なく立ち寄ってみたそこに、俺は彼女の姿を見つけていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まあ、頑張ってるもんな、色々と……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "……すぅ……すぅ……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "俺の手の中で静かな寝息を立てるノート。\n起こしてしまわないようにできるだけ注意をしながら、俺は彼女を部屋へと運んでいく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やっぱり大変なんだろうな、管理人なんて……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ルアンさんの代理として、寮のことをノートは今取り仕切ってる。トリニティの学生として頑張りながらの仕事だ。俺達が知らないだけで、実際相当な負荷だろう。\nノートはただでさえ頑張りすぎるところがあるからなあ。まあ、その結果が食堂で寝こけている、っていうのはいいことじゃないけど。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んう……お掃除、しないと……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "夢の中でも働いてるのか、このお姫さまは",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ノートらしい寝言に苦笑しながら、俺はノートの部屋へと歩いていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……むにゃ……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "できるだけ起こさないように気をつけてはいたんだが、やっぱり歩きながらは無理だったか。ノートは小さく身を震わせると、その目をぼんやりと開いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あれ……えっと……ここはぁ……\n……姫くん、ですか……?",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "ああ。今部屋に向かってるところだから、眠ってていいぞ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "部屋、ですか……?\nはわぁ……ボク、姫くんにだっこ、されてますよぉ……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "まだ寝ぼけているんだろう。そのぼんやりとした物言いが妙に可愛らしい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ボク、たしか食堂で……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "そう。食堂で寝ちゃってたんだよ。だから今、こうして部屋に強制連行されてるところだ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "はぁ、そうでしたか……それで、おひめさまだっこ……\nえへぇ……姫くんにおひめさまだっこ……\nはわっ!?\nあ、あの、これって……?",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "どうやら理由はともかく現状は把握したらしい。ノートが、その意識を覚醒させた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "言った通りだ。ノートの部屋まで運んでるんだよ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "で、でででも、あの、ボク、だっこされてて……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "頑張ってた女の子は、お姫さまとして扱われる権利があるからな。気にせず休んでなさい",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "はい……\nあの……重く、ないですか……?",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "全然。ノートはスタイルいいから、正直もっと重いと思ってたよ\nだからまあ、安心して運ばれろ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "はい……お願いしますね……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "赤らんだ笑顔を浮かべ、言われた通り俺の腕に収まるノート。\n戦闘の時の凛々しさを感じる姿とはあまりに違う表情だけれど、こっちがノートの本当の姿だっていうことを俺は知っている。\n王女、ではなく、あくまでも女の子。そういうところに俺も惹かれているわけで。\n……でも、意識してみると本当にスタイルいいな……ていうか、柔らかい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "姫くん……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "ん?どうかしたか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "いえ……ありがとうございます",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "どういたしまして",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺はノートの感謝を素直に受け取り、そのまま部屋へと運んでいった。\n管理人の仕事は手伝えないからな。こういうことで少しでも喜んでくれるなら、また運んでやろう。\n腕の中にある笑顔に、俺は素直にそう思った。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"ノート"
] | 07_Endless Dungeon | 020804_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "砂浜には、小さな波と戦うニコの姿があった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うう……そーっと……そーっ\nはにゃあっ!!",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "そっと海の中に入ろうとしては。押し寄せる小さな波を怖がり引き返す、の繰り返し。\nなるほど。海の中に入るタイミングが掴めないのか。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ニコは、ひょっとして海初めてなのか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あ、主さま!?す、すすすすみませんっ。変なところをっ",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "いや、変どころかかなり可愛かったけど",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "か、かわっ!?\nあうぅ……主さまは、すぐにそうやってニコを辱めます……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "辱めた覚えはないんだけどなあ。それで、やっぱり初めて?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "は、はい。実は……\n波が、こんなに怖いものだなんて知りませんでした。自然の力はあなどれませんっ",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "まあ、慣れないとタイミング掴むの難しいかもなあ。俺も経験あるから分かるよ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "主さまもですか?",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "ああ、子供の頃にね。何度もアタックしては、波の直撃をくらって跳ね返されたりね\nでも、意外に海に入っちゃえば平気だったりするんだよな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そういうものですか……なるほど\nな、なら、ニコ、頑張って突撃しますっ",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "ニコは言うと、海を思い切り睨み付けて、タイミングも計らず突撃した。というか、丁度やってきた高波へと、ただ真っ直ぐに突っ込んでいく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お、おいニコ!それはちょっと!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ふみゃああっ!!",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "そして当然ながら、思い切りのまれてこちらへと返ってくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はにゃぁ……と、とんでもない目に遭いました……やっぱり海はイジワルです……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "浅瀬でひっくり返ったままで、目を回しながら言うニコに、俺は思わず笑ってしまった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うう……ですがせっかくの主さまの教え……このまま負けたままでは……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "再び起き上がったニコは、浅瀬にペタンと座り込んだまま、やはり海を睨み付け、不意に首を傾げた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えっと……これはもしかして……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "そして、いきなり水着の上半身を脱ぎ始める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "って、おい、ニコ!?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "はい?",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "俺の呼びかけに、ニコはきょとんとした顔で振り向いた。\n両肩を抜いた水着はおへそのあたりまでずり落ち、その豊かな二つの膨らみを、惜しげもなく晒している。\nうわ、やっぱりニコ大きいな。\n身体が小柄なだけに、そのギャップが凄い……。\nそれに、凄い柔らかそうで、その先端も綺麗な薄桃色……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あの、主さま……?",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "って、じっくり見てる場合じゃなかったな。ニコ、思い切り見えてる!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "見えてる、ですか?あの、何が……\nはにゃああああああっ!!",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "自分がどんな姿でいるのかようやく思い出したのか、ニコが悲鳴をあげる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああああの、ここここれ、は!!",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "いいから、早く隠す!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "は、ははははいっ!!\n……主さまに、バッチリ見られてしまいました……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "その胸を両腕で必死に隠しながら、ニコは涙目で俺を見上げる。\nその真っ赤な顔が可愛い、と思ってしまうのはやっぱりまずいだろうか。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そもそも、なんでこんな所でいきなり脱ぎだしたんだ?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "その、水着の中に貝殻が入ってしまっていて……それを取りたいと……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "あー、さっきの高波くらった時か。そういうのは取らないと気持ち悪いもんなあ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "すみません……お見苦しいものをお見せしました……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "いやいや、お見苦しいどころか、俺としては本当に結構なものを……\nって、悪い。ニコは見られたんだし、喜べるはずないよな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あの……主さまは、ニコのを見て喜んだんですか?",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "悪いけども、まあ、俺も男なので……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "で、でしたらっ",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "ニコは、顔を真っ赤に染めたまま言うと、その手を再び解放した。\n豊かな双丘が、ふるん、と揺れる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ど、どうぞ、存分に……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "いや、存分にって……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺はもちろん嬉しいけれど、恥ずかしそうなニコの顔を見ると、どうしても罪悪感が……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "い、いかがでしょうか……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "えっと……す、素晴らしい、です",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "大きく柔らかそうで、それでいて張りのある膨らみ。こうして見ていると、自然と手が吸い込まれてしまいそうになる。\nだめだ俺。さすがに触ったりまでは許されない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あうう……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "そんな俺の視線を、ニコはギュッと目を閉じて耐え続ける。\nさ、さすがにこれ以上は……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、うん。もう充分。凄い堪能させてもらったから、本当に隠してくれっ\n凄い楽しませてもらったから!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そんな俺の訴えに、ニコは再び胸を隠した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ご満足いただけましたか……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "恥ずかしそうに俯くその表情が、俺の罪悪感をより深める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "その……ありがとうな。ニコの胸、凄い綺麗だった……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "は、はい……お見苦しいものをお見せしました……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "恥ずかしさで、完全にいっぱいいっぱいになってしまっている。これは、俺はいない方がよさそうだ……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ、俺は他のみんなも探すからこれで……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "それだけ言って、そっとその場を後にする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん……凄い眼福ではあったんだけど……落ち着いたところでちゃんと謝っておこう",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "とりあえず、他の誰かを探してみるか。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"ニコ"
] | 07_Endless Dungeon | 021003_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "砂浜から少し奥に行った岩場の中にウルルはいた。そこでぴょこぴょことなにかをやっているウルルに、俺は声をかける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ウルル、何してるんだ?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あ、にいさま。はい、カニさんを捕まえてました",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ああ、カニか。このあたりだと結構いるのか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "はい。結構いるんです。意外にすばしっこいので、中々捕まえられないんですけど",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ウルルは言って、持ってきていた小さなバケツを見せてくれた。その中では、三匹ほどの小さなカニがジッとしている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "にいさまは、どうかしたんですか?こんな所にまで\nこっちは、ウルル以外誰もいませんよ",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "いや、ウルルの姿が見えなかったから探してたんだけど……まあ、そのウルルがいる場所が、たまたまここだった",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ウルルをわざわざ、ですか?ありがとうございます、にいさま\nでしたら、みんなの所にもどりましょうか",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ニッコリと笑い、ウルルは立ち上がる。\nが、わずかに凹んでいた砂へと足を取られ、その身体を大きく傾かせた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃあっ",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ここは、砂浜とはいえ岩に囲まれている。このまま転べば、どこかを打ち付けることも……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "危ないっ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は咄嗟に腕を伸ばすと、その小さな身体を思い切り引き寄せていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……に、にいさま……?",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "大丈夫だったみたいだな……よかった",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺の腕の中にすっぽりと収まっているウルル見下ろしながら、俺はホッと胸を撫で下ろした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "にいさま……ありがとうございます……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "甘えるように、その頭を俺の胸へと寄り添わせながら、ウルルは俺を見上げていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いや、間に合って本当によかったよ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "にいさまの腕の中は、やっぱりあたたかいですね\n本音を言っちゃいますと、少し寂しかったです",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "……そう、かもな。最近は皇女のこととか、色々変わった環境のことで手一杯で、みんなのことをちょっとおざなりにしてたかもしれない……ごめん",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "いえ。にいさまが色々大変だったのは、みんな分かってますから\nで、でもですね?その、こういう場所で、ウルルだけが、っていうのもちょっと、えへへ、ではあるんですが……\nち、ちょっとだけ……にいさまを独り占めしてもいい、ですか?",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "恥ずかしそうに俺を見上げるウルル。その言葉が、ただ一緒にいたい、という意味でないのはよく分かる。\n周囲には誰もいないし、みんなとはかなり離れている。少しくらいなら……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ、分かった",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "頷く俺に、ウルルは笑顔になった。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"ウルル"
] | 07_Endless Dungeon | 021004a_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "砂浜の方に、紅の姿は見当たらなかった。俺は奥の方にある、岩場に囲まれた方へと向かってみる。\n岩場に囲まれているから行きにくいけれど、こっちの方にも小さな砂浜はあった。\nそこで休みながら泳ぐこともできなくはない。\nそして、予想通りそこに紅はいた。妙に艶めかしい格好で。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うーん……確かにこっちに飛んだはずなんだけどなあ……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "なんていうか、スタイルいいだけに突き出されたおしりとかやばいんですが、紅さん。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えっと……紅?何やってるんだ?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "え?ああ、姫か。誰かと思ったぞ",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "俺の呼びかけに気がついた紅は、その場で立ち上がった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こんな方までどうかしたのか?岩が多いし、遊ぶにはあまり適してないぞ",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "いや、紅の姿が見えないんで、ちょっと探してたんだが……\nそうしたら、妙に男を誘ってるかのようなポーズの紅がいたんでさ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "なっ……\nば、ばか……誘ってなんかいない。その……あたしにはお前がいるんだし……\nさっき、髪を直そうとしたところで風にリボンを飛ばされてしまってな、こっちに流されたんで探しに……\nま、まあ……姫が誘ってくれるというのなら、コホン……別に、ここでも……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "いやいや、いくらここなら見えないと言っても、ちょっと向こうにいけばみんながいるわけで",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あ、そ、そうだったな……ちぇっ……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "うん、本気で残念そうな顔されても困ります。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、リボンってあれだろ、いつもの白い",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ああ。まあ、無くなったら仕方ないんだが、この世界に来た時に買ったものなんでな、ちょっと愛着もあるんだ",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "だったら、俺も手伝うよ。そんな遠くには飛ばされてないんだろ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "いいのか?すまない、助かる",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "紅は再び、さっきの危険なポーズで周囲を探し始める。\nまったく……もう少し自分の魅力を自覚するべきだよな、紅は。そんな格好でお尻をふったりとかされると……。\nって、まずいな。思わず見惚れてしまいそうになる……いや、むしろ反応しそうになる……。\n俺も真面目に探すとしよう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "な、なあ姫……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "反対側へと行こうとした俺を、紅の声が引き止める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "さっきの話、なんだが……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "さっきの?どれだ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "その……も、もし本当にだ、あたしが誘ったりしたら……姫はのってくれるのか?",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "それは、つまり……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あたしは、その、このままこっち向いてるから……姫が何をしようとしても分からないから……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "紅の言葉に、俺はその場で固まってしまう。紅がそれを求めている。だったら俺はどうするべきか……。\n紅が見せるその切なげな表情に、俺の天秤は一瞬で答えを出した。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"紅"
] | 07_Endless Dungeon | 021004b_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "砂の上にぺたんと座り込みながら、ウルルは真っ直ぐ俺を見上げてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "にいさまと……久しぶりですね",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "そうだな。まあ、ウルルだけでなく、みんなとあまり、だったんだけども……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そうですね。みんな言ってましたよ。ちょっと寂しい、って",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "う……や、やっぱりちゃんとご機嫌伺いした方がよさそうだなあ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺としては、みんなを大事にしたいと思っている以上、だれか一人を優先はしたくない。かといって、みんなと、となると身体がもたない。\nそれに、身体が目的、みたいに思われたくない、というのもあって控えてたというのはあるんだけれど。でも彼女達からすれば放置されてるようなものだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はい、ぜひしてあげてください。みんな、にいさまのこと信じてますけど、形で示してほしがってます",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "うん。みんなには感謝の気持ちをこめて、何かお礼をしていくとしよう。もちろん、その最初に行うべきは。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そうだな。それじゃあ、まずはウルルから……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "目の前のこの少女にだ。\n俺はウルルの水着の肩紐をそっと下ろした。その下から、ウルルの慎ましやかな、けれど確かな膨らみがこぼれ出る。\nウルルはその頬を赤らめながらも、微笑んだまま俺を見上げていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "恥ずかしいのに……なんだか嬉しいです\nにいさまが、こうしてまたウルルの身体に興味をもってくれてる……\nあの、ウルルのおっぱい、まだちっちゃいですけど……どうぞ",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "そう言って、自分の身体を差し出してくれるウルル。大きさでいうなら確かに小さいけれど、ウルルの胸、ということが何よりも重要だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そうだな。確かに小さいけど……でも俺は好きだよ。ウルルの胸だし",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺はそう微笑みかけると、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それに……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "その膨らみへと手を伸ばす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "例え小さくても、確かな柔らかさと温もりとが俺の手の中に広がった。\nふにふにとした感触を楽しみながら手を動かせば、ウルルの口から可愛らしい喘ぎがこぼれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ほら、こんなに敏感で。声で俺を楽しませてくれる",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "も、もう、にいさま、その言い方はイジワルですよ……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ごめん。感触の方も、ちゃんと気持ちいいよ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺の手のひらにあっさり収まる大きさ。けれど、それでもやっぱり女の子の胸で、こうしていじれば心地よい感触を返してくれる。\n紅やノートみたいな、大きい胸ともまた違った感触。俺はその感触を存分に楽しみながら手を動かし続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふあぁ……にいさまの手……ウルル、大好きです……\nあ……ん、ふぁ……ああ……\nはぁ……からだ、ぴりぴりって、きてます……んんっ",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "やがて、その中心にある突起が、固く尖って俺の手のひらを刺激し始める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん……先端も、ツンて尖ってきてるよ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "柔らかな感触の中心にそびえる固い突起の感触。コリコリとしたその感触が気持ち良く、俺はそれを手の平で転がすようにして愛撫する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふあぁっ……あ、ああっ……!\nあ、はぁ……ふぁ、ああ……お、おっぱいの先端から、電気、はしっちゃってます、よぉ……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "乳房と乳首とを同時に攻められ、ウルルはその快感にただ喘ぐ\nその反応が可愛らしくて、俺は手のひらを離すと、ちょっと強めに乳首をつまみ直した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひ、あ……ん、んあぁっ……や、やあ……そんなつまんじゃ、や、です……っ",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "びくっ、とウルルの身体が震え、それこそ心地よさげな声を出す。それを聞いてしまったら、このまま終了なんて勿体なくてできない。\n俺は乳首をつまんだまま、左右に捻る。コリコリした感触が指先から伝わってきて心地いい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、こんなに固くなって……コリコリってしてる\n声も出て……凄く感じてるんじゃないか",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "だ、だって、にいさまが……は、ああんっ……え、えっちないじり方……んきゅっ……んあ、はうっ\nに、にいさま……お、お願い、します……も、もっと他も……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ずっと乳首をいじられ続け、ウルルが切なげな瞳で俺を見た。太ももをもじもじとさせながら、真っ直ぐに俺を見上げている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んうっ……あ、んんっ……おっぱいだけ、は……切ないです……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "うん……もじもじさせてたから、もう少しかなとは思ってた",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そんなウルルの願いを聞き入れて、俺はそっと手を離す。もちろん、これで終わりじゃない。もっと違う場所を攻めるためだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ、もっといやらしいところを……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "は、はい……ウルルのえっちなとこ……お、お願い、します……\nえ、えへへ……や、やっぱり、いざってなると恥ずかしい、ですね……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "俺に言われるがまま、岩に手をつくようにして四つんばいになるウルル。うん、後ろから見るとかなりの絶景だと思う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これだと、その……全部見えちゃいます……ウルルの、一番見せちゃダメなとこ……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "恥ずかしさをごまかすように、えへへと笑うウルル。ウルルの言う通り、一番恥ずかしい場所が、完全に丸見えになる体勢だ。\n事実、胸を弄られたことでシミになった場所が、目の前にハッキリと見えていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん。全部見える体勢だな。だから、凄い楽しみだ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "も、もぉ……にいさま、どんどんえっちになってますよぉ……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "そうは言われても、ウルルの恥ずかしい場所を見られるとなって、喜ばない男っていうのはそういないだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ウルルは俺に見られるの嫌か?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "い、イヤじゃなくて……は、恥ずかしいんです……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "当然、俺に見られるのは初めてじゃない。それほど多くないとはいえ、俺とウルルは既に関係を持っている。\nだからといって、完全に平気、というわけでもないらしい。いや、女の子ならそれは当然だろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そうだな。だったら、変に焦らすよりも……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "このまま少しずつ脱がせていくよりは、一気の方がよさそうだ。俺はウルルの水着に手をかけると、そのままズリ下ろす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あうぅ……い、いきなりすぎます……\nぜ、全部見えちゃって……うう……ウルル、必死なんですよ",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "しっかりと濡れそぼった秘所と、その上のお尻の穴。俺の場所からは、そのどちらもがハッキリと見えていた。\nいきなりさらけ出されたためか、ウルルは恥ずかしさで視線をそらせてしまっている。決して俺と目を合わせようとしない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ごめん、でもそのおかげで、凄い眺めになってるよ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ピンク色の可愛らしい秘所が目の前にある。秘裂の間からは既にかなりの量の蜜が溢れ、下へと垂れていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もう、こんなに濡れてるし",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そして、そのすぐ上にあるもう一つの穴。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お尻の方も……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そ、そっちは絶対ダメですっ。えっちなところじゃなくて、きたないところなんですっ",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "さすがに、そこは本当にイヤらしい。見られることすらも拒否するウルルに苦笑しながら、俺は秘裂の方へと視線を動かす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "分かった。それじゃあ、こっちの方を……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そして、そのスジに沿って、ゆっくりと指を動かした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んあぁっ!な、なぞっちゃだめ……です……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "指先からウルルの熱さが伝わると共に、その蜜が絡んでくる。可愛らしいウルルの鳴き声を聞きながら、俺は指先を秘裂の中に埋めていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "にいさまの指、あ、あついです……ふぁ……ああ……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "そして、そのワレメの中を上下に動かす。ぐにぐにとした秘肉の感触が心地いい。\nそのまま上の方へと指を運べば、ウルルの中へと向かう秘洞の入り口に辿り着く。俺はわざと焦らすみたいに、その周辺をいじくった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……ん、んああっ!そ、そんな焦らすみたい、な……せ、背中がぞくぞくして……あ、ああっ",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "甘い声で喘ぎながら、背中を弓なりに反らすウルル。俺は、その入り口まで指先を運びながらも決して入れない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ウルルのここ、凄い熱くなってる……指入れたら、溶けちゃいそうだ……\nそんなとこから、いやらしい蜜がどんどん垂れてきて……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "焦らされることで感じているのか、どんどんと湧き出す蜜。指を伝って、そのまま垂れてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふ、あ、あふう……っ。にい、さまが……そうさせて……んああっ!\n頭の奥、まで……しびれちゃって……ひ、んぐ……ああああっ",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "秘裂の中をかき回され、ただ感じるウルル。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なら、もう少し……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は両手の親指を秘裂にあてがうと、そのまま左右に思い切り開いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うわぁ……中からトロって溢れてきた……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "内部に溜まっていた蜜が、一気にこぼれ出す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、ひ、広げちゃだめ、ですうっ……そ、そんな奥まで見るの、いやぁっ",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "蜜に濡れ、テラテラと光って見える桃色の秘肉。その奥には、俺によって広げられた秘洞が見える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ウルルの、綺麗なピンク色だよ……ジッと見てたくなるくらいに綺麗だ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "や、だめ、だめですっ。そんなじっくり……は、恥ずかしくて……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "俺はジックリとウルルの中を鑑賞させてもらうと、その先端部分に指を伸ばした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃううっ!そ、それは本当に、つ、つまんじゃ……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "包皮の中に隠れた可愛らしい突起を、その上から軽くつまむ。それだけでウルルは高く喘いだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひぃっ、あ、あぐ……んああっ!び、びんかん、すぎて……ひぎっ",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "そのままクリクリと軽くこねくり回すと、ウルルは全身を震わせて激しく喘ぐ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あ、ああ、やあ……き、きもちよすぎて……んあ、ああっ……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "やがて、快感から少し大きくなったそれが、包皮の中から少しだけ顔を見せた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん、綺麗に出てきたよ、充血して\nぷっくりしてて、本当に可愛いな、これ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "その先端を、俺はチロリと嘗める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やあんっ……な、なめないでくださいっ……それは、や、あ、それダメ、ですっ!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "びくん、とウルルの身体が激しく跳ねた。それでも嘗め続けると、ウルルは更に激しく鳴き続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、あ、あ、ああっ……あ、頭、真っ白に、なって……きもちいい、です……\nも、もう、やあっ……な、なにも分からないですっ……ん、あ、ああんっ!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "秘肉がひくひくと痙攣するように動き、もうイキかけてるのを教えてくれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひくひくして……凄い気持ちよさそうだ。いいよ。イっちゃっても",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ただ気持ちよさげに喘ぐウルルの姿に、俺は秘洞の中へと指先を突き入れた。熱いウルルのヒダが、俺の指を締め付けてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ひぐ……ん、ああっ……はぁ、ああ……ん、んぐっ。あああっ!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "そのまま入り口付近で前後に動かすだけで、ウルルは震え、快感を味わい続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "に、にいさ……ま……も、もうきちゃ……っ",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "やがて、ウルルは唐突に大きく空を仰いだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んうううううっ!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "そして、達してしまう。周囲に聞こえるのを恐れてか、必死に声を呑み込んで。\n開かれた秘裂の中、その生々しい秘洞の入り口が、びくびくと震えるのが分かる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "凄い……びくんびくん痙攣してるのが見える……\nそんな無理して声を抑えなくてもいいぞ、ウルル。離れてるからみんなには聞こえないよ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ん……ううっ!!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "そう言っても、ウルルはただ必死に自分の身体を支配する快感に耐え続けた。その秘洞の奥からポタポタと蜜を垂らし、どうにか声を押し殺す……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "今度は、ウルルの番、ですね",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "水着を完全に脱ぎ捨てたウルルは、上機嫌で俺の上にまたがっていた。\n大きくその足を開き、自らの女性としての口で俺を呑み込もうとしている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "にいさまの、すっごいおっきくなってます。それにかっちかちです",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ウルルの手で取り出されたそれは、もう限界レベルで怒張していた。\n固く、大きくそそり立ち、ウルルの中へ入りたいと必死に主張している。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ウルルが頑張って、楽にしてあげちゃいますね",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "正直、俺今、凄い興奮してるよ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ウルルが声を押し殺しながらイってしまう光景。あれは少し衝撃的だった。だからこそ、このままウルルの中へと入って、その熱さの中で果ててしまいたい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ、ウルルの中にどうぞっ",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ウルルはそっと身体を持ち上げると、俺の肉棒に上から自分を押し当て、そして一気に呑み込んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、あぁ……ん……にいさま、入ってきます……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "経験があるからといっても、ウルルの中は充分に狭い。熱く濡れそぼった無数のヒダが、柔らかく、まるで吸い付くように俺を締め上げる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ、ウルルの奥に、こんな熱いものが……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "自分の身体を奥へと貫く肉棒に、ウルルは確かに感じながら腰をゆっくり動かしていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うぐ……ウルル、相変わらず凄い締め付け、だ……それも、中もうこんなトロトロで……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "存分に濡れているそこは、俺の動くのを少しも阻害することなく、むしろ心地よくしごいていく。\nこみ上げてくる射精感を、俺は必死に堪えながら、ウルルの中を味わっていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……はぁ……はぁ……ん、く……すごい……にいさまが、ウルルの中、出たり入ったりするのも……丸見えです……\nああ……ウルルが呑み込んで……またずずず、って出て来て……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "目一杯まで開かれたウルルの小さな入り口。それが、俺の肉棒を気持ちよさげに呑み込んでいく。その光景は、ウルル相手だからこそより淫靡に見えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも……これだと、ちょっと足りないかも……んああ!で、です……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "更に激しく腰を動かし始めるウルル。その快感を存分に味わいながら、一生懸命に俺を咥えていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、はぁ、ああ……ん、んんっ!\nえへへ……ど、どうです、か……にいさまっ\nにいさまが、う、うるるを、出たり入ったり、出たり入ったり……ふぁ……あ、ああ!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ウルルの身体に全力でしごかれ、凄まじい勢いで欲望がこみ上げてくる。このまま一気に放ってしまいそうなのをどうにか堪え、俺は全身を震わせる。\n結合部から上ってくる痺れるような快感。それは俺の頭の中を、ただ白く染め上げていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "す、少し弱めてくれ、ウルル!う、ウルルの身体の中でしごかれて……す、凄い気持ち良すぎる……\nウルルのヒダ、が……俺に絡みついて……う、あ、ああっ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "無数のヒダが俺へと絡みつき、同時に俺のすべてを刺激する。それは気持ち良すぎて、ある意味拷問にすら感じられた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "にいさまの、か、固いままで……ウルルのお腹の中、こしこし、して……ああんっ\nあ、あ、あ、ああ……にいさまが、い、いいですっ……き、気持ちいい……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "そしてウルルも、そんな自分の動きに身体を震わせる。ウルルの身体が上下に一回動く度、その中から大量の蜜が、じゅぷ、と音を立てて溢れ出した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ウルルのい、一番奥……はぁんっ……ひ、あ、んうっ!奥、に、こつん、こつんって当たって……う、ウルル、背中が反っちゃい、ますっ\nウルルの中から……じゅぷじゅぷって、きゅうっ……あ、熱い蜜がこぼ、れて……ふあぁ!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "自らの最奥に俺を打ち付けるようにしながら、ウルルはその行為に夢中になっているようだった。あまりの刺激に、俺ももうどうしようもない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……う、ぐう……も、もう、無理、だっ……ウルル……お、俺、もう……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "えへ……えへへ……い、いつでも……にいさま……\nあぐ、ん、ふあぁ……ウルルの、中に……にいさまがウルルのお腹の中、を……ひゃあんっ!こ、こすって……\nあ、あ、はぁ……んんっ……く、あ、ああ……っ!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ウルルの喘ぎが熱く苦しげに変わる。ウルルももう限界なんだろう。ただ達するために、必死に腰を動かし続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ウルルも……ああ……ま、またきちゃっ……あ、ああっ",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "全身を震わせ、ぐちゃぐちゃと水音を立てながら、陶酔しきったような顔でウルルは俺を求め続けた。\nその刺激に、俺ももう何も考えられない。ただウルルの身体の気持ちよさだけを感じながら、その一番深い部分へと放つために必死に堪える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "す、すごい、です……もう、まっしろ、で……や、ああ……も、もうわかんないっ\nい、いっちゃう……!ウルルも、いま、あああんっ……んくうっ!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "きゅうっ、とその秘洞が俺を締め付ける。その衝撃に俺は耐えることを完全に放棄した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "い、いく、ぞウルル……一番深い、と、ところで……あ、うぐ……っ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そのまま一気に最奥へと突き入れると、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、あ、ああああああっ!!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺はすべてを放出した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、や、あ、ああああああああああっ!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "びくん、と身体を震わせながら、ウルルが絶頂の衝撃に大きく喘ぐ。同時に、秘洞の上の小さな穴から、熱い液体が噴きだした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うわぁ、なんだ、今の……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ふあぁ……う、ウルル……今、飛んじゃいました……あ……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ウルルは気づいていないのか、ただ放心したような表情で俺を受け止め続けている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "にいさまの……あっついの、ウルルの中にたっくさん出てます……\nああ……も、もっとぉ……",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "う、く……ウルルが、ギュウって最後に締まって……う、ああっ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "痙攣しながら、もっと、もっと、と俺を求めるウルルの身体。俺はその中へと、すべてを注ぎ込んでいった。\nそして、俺の射精がようやく収まった頃、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "って、あ、ああああの!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ウルルはさっきの自分の行為に気づき、その顔を真っ赤に染めていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "い、今のはその、おもらしじゃないですから!ほ、ほんとですから!",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "あ、ああ、分かってる……たまたま噴いちゃっただけ、だよな?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "分かってはいるのだけれど、必死に弁解する姿が可愛らしくて、俺はただ苦笑していた。\nそもそも、それだけ俺で感じてくれた、ってことなわけだし。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そ、そそ、そうっ。そうなのです!\nウルルはもう、大人ですからっ。あ、あのあのっ、も、もっちゃったり、しませんよ!?",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "いや、そういうことは言わない方がいいんじゃないかなあ……。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"ウルル"
] | 07_Endless Dungeon | 021005ah_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "俺は、紅にこっちを向いててほしいな\n紅の恥ずかしがる顔とか、見たいしさ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は恥ずかしそうに向こうを向いてしまおうとする紅を、そう言って振り返らせる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ば、ばか……それじゃあ、今からイタズラするぞって言ってるようなもんじゃないか……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "ああ、俺はこれから紅にいやらしいことをする。いいか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "……そ、そんなの、あたしの口から……言えない……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "そう言って恥ずかしがる紅が、普段の毅然な姿と違って本当に可愛い。\nこういった女の子らしさが、紅の本当の魅力だと思う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そっか。それじゃ仕方ないな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は紅の期待通りの反応に満足すると、その柔らかそうなお尻を両手で掴んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああっ……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "肉付きのいいお尻の感触を、両手でたっぷりと堪能する。\n胸とも違った感じの柔らかさ。それを両手で撫で回すように楽しむと、紅は恥ずかしそうに小さく喘ぐ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……紅のおしり、柔らかくて気持ちいいな……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "こ、こら……そういうこと、言うなぁ……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "紅にそんなことを言われてしまうと、ついもっといじめてしまいたくなる。俺はそのまま、お尻全体を揉みしだくように手を動かし続けた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふぁ……あ、んんっ!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "それに、ここもこんな食い込んで……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そして、当然気になってしまう股間の部分。それほど大きくない紅のビキニはしっかり食い込み、そのスジをハッキリと俺に示していた。\n俺は、そのスジの中へと水着ごと指を埋める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んあぁっ……あ、は……そ、そこ、指埋めちゃ……ああ……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "薄い水着の生地越しに伝わってくる紅の熱。感じ始めてくれている証拠だろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "水着の上からでも充分に分かるくらい熱くなってきてる……紅、本当に感じてるんだ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "だ、だって、気持ちいい、から……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "スジに沿って指を動かし、その中の柔らかさを堪能する。紅の吐息が荒くなり、それと一緒に甘い響きがこぼれ落ちる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "姫の手……あ、あふ……あたしの身体、しりすぎ、だ……んはぁ!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "紅が特に感じるいくつかの場所。俺は秘裂の中にあるその一つを、執拗に指で責めていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ほら、もうシミになってきた……水着の中はもう濡れちゃってるんだ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "水着越しに浮かび上がる大きなシミ。紅の中から湧き出た蜜が、感じている証を目で見せてくれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "指でコシコシこするだけで、ぬるぬるしたのが絡んでくる",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そのまま強く刺激を続けているだけで、シミが広がり、俺の指を濡らしていった。同時に紅が身体を震わせ、快感を声にする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、は、はぁ……ん、く、ううっ……ぞ、ぞくぞくきちゃって……ああ……\nも、もっとして……姫ぇ……あ、あたしでもっと、楽しんで……ふあぁ……い、いい、よ、そこ……あ、ああんっ",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "その甘い声に、俺の欲望も刺激される。目の前にある魅力的な身体に興奮し、この身体のすべてを見て、いじりたい。そんな思いが押さえられない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん……俺も、紅でもっと楽しみたい。だから、もっと",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は紅の返答も待たずに、その水着を強引に取り去った。\nしとどに濡れたワレメが、俺の視界にバッチリ映る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……み、見られちゃってる、よね……?",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "濡れた黒いヘアーが周囲に貼り付き、ワレメから滲み出た蜜が、太ももを伝って垂れていく。その光景だけでも興奮が収まらない。\n一番恥ずかしいその場所を見られ、紅は真っ赤になりながら視線を逸らす。その表情がまたたまらない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ……紅の濡れそぼってて、凄いやらしい……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ひ、姫のせい、だもん……\nみ、見てもいいから……き、気持ち良く、して……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "可愛らしいその物言いに、俺はつい笑ってしまう。そして、興奮してしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "分かった。ちゃんと気持ち良くするから",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "言いながら、秘裂をそっと左右に開いた。ピンク色の肉が蜜に濡れ、怪しく輝き俺の目を惹き付ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ほんと、凄いな、ここ。こんなに濡れて、いやらしく光ってて……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そのままジックリと観察すれば、ぷっくりと膨らみ顔を覗かせた小さな突起と、排出用の小さな穴。\nいやらしい秘肉と、一番深い所へ続く、俺を受け入れるための秘洞の入り口とが存分に楽しめる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ピンク色の肉壁が、柔らかそうに覗いてる……奥への穴も開いてて……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そ、そこ開いたの、姫じゃないかぁ……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "羞恥にまみれた紅の声。それがまた俺を刺激し、俺は紅が恥ずかしがるその場所を直接愛撫し始めた",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふあぁ!あ、んぐ……はあぁん!あ、や、開いちゃだめっ……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "秘洞の入り口をぐにっと広げ、そのまま指を埋めていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひいっ!あ、ゆ、指入ってきてる、よぉ……んく、う、あ、ああっ!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "濡れそぼったそこは、特に引っかかることもなく俺の指を受け入れ、そのままきゅうっと締め付けてきた。\nその締め付けを心地よく感じながら、ちょっと強めに指を出し入れする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んぐ……ん、あ……頭の中、が、しびれ、ちゃう……あ、んうっ……ん、んん!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "ぐちゃぐちゃと、中からこぼれ出す蜜の音と、更に甘さを増す紅の声。ズボンの中の俺が、痛いくらいに自己主張をしているのが自分で分かる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "紅、ひくひくしてる。もうイキそう?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ひくひくと、痙攣してるかのように蠢く桃色の肉。その光景はただいやらしく、俺を興奮させた。同時に、紅がイキそうなのも教えてくれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、だめ……も、もう、あたし……き、気持ち良くって……はぁ……はぁ……\nおねがい……ゆ、指じゃやだっ……ひ、姫が、いい……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "快感に溺れながら、それでも切なげに俺を求め出す紅。その卑怯さに、俺の興奮も限界に達していた。\nこのまま、紅の中へと自分をねじ込みたい。そして激しく喘がせながら、その中で達したい。湧き上がる欲望が、俺を突き動かす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そうだな……こんな熱くて、トロトロで……俺も入れたいよ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "けれどそれでも、俺は自分を抑え込んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、その前に一つ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "紅にどうしてもやってみてほしかったことが一つ。それを思い出し、ねだってみることにする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こ、これでいいのか……?",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "固く、大きく怒張しきった俺の肉棒を、紅が恥じらいながら、その大きな胸で挟み込む。\nこれだけのものを持っているのに、実は紅にはやってもらったことのない行為。その胸の柔らかさに、俺は感動に似た快感を覚えていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ……紅の胸、ふかふかで、すごくいい……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "昂ぶりきった俺を包み込む、温かな乳房。紅くらいの大きさがなければ味わえない快感だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひ、姫のもその……た、大変ご立派で……あの……\nそれで、このまま動けばいい、のか……?",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "紅も、今までの行為の中ですら見慣れない大きさになった俺に驚きながら、不安そうに見上げてくる。\n今まで行ったことのない行為。それにとまどっているんだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ。そのまま紅の胸で頼む",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "がんばるけど……あの、なるだけ早く頼む、な?\nその……途中で止められちゃって……せ、切ないんだ……お腹のあたりがずっとうずいて……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "視線を少し下にずらせば、その股間の辺りが凄いことになっているのがよく分かった。こぼれた蜜が砂浜に染み込み、色が変わってしまっている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ……こんな凄い胸でやられたら、俺もその、もたないと思うから",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺の言葉に頷いて、紅はゆっくりと俺をしごき始めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……しょ……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "あ、く……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あ……そんなに気持ち良かったか?まだちょっと動いただけなんだが……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "俺の見せた反応に、紅は嬉しそうに笑顔を見せる。\n肉棒全体を、吸い付くような感触で包み込む紅の胸。秘洞の中とは違った、深い柔らかさと張りのある弾力とが合わさって、驚くくらいの刺激をくれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああ……凄くいいぞ、こ、これ……\n紅の、あったかくて柔らかい固まりが、俺に完全に密着して……ああっ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "紅の胸が動く度、俺のすべてが同時に震える。電気のような痺れる快感が背筋を走り、声をあげてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あますところなく、刺激して……うあ……気持ちいい……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そうか……それなら……ん、く……こ、こんな感じ、で……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "そんな俺の反応を素直に喜び、紅はより強く胸を動かし始めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……姫の、ちょっと出て来た……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "その気持ちよさに震えていると、自然と先走りがこぼれだす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああ……さっきから、ぞくぞくしっぱなし、だからさ……\n奥の方から、何かがせり上がってくるみたいな、感じ、だっ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は湧き起こる射精感に耐えながら、ただ紅の胸が与えてくれる快感を堪能し続けていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん、分かるよ……姫のさっきよりも大きく、固くなってる……\nそれに……すっごい熱い……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "一生懸命に俺をしごきながら、嬉しそうに言う紅。目の前で上下に動くその膨らみに、けれど俺の欲望は増していく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こ、紅……もう少し激しく……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "こ、こんな感じ、かな……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "そんな俺の願いに応えるように、紅は更に激しく胸を動かす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ん……あ、あたしも、なんだか……はぁ……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "同時に、俺の肉棒に擦られてか、紅の顔が上気していく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "姫のとこすれて……ん、くうっ\nあ……はぁ……や、やだ……あたし……興奮してきちゃってる……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "激しく動く胸と俺との間で走る刺激に、紅は吐息を熱くした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああ……紅も熱くなってる……んくっ……あ、ああっ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "その動きと熱に俺の先走りは量を増し、紅の胸で広げられ滑りをよくしていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、だめだ……も、もう、イキそうに……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "更に速さを増していく紅の動き。俺は自分を堪えるのでいっぱいいっぱいになる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……はぁ……ひ、姫のヌルヌルで、ぐ、ぐっちゃぐちゃになってきてる……\nう、く……す、すべりよすぎて……んああっ!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "いつしか、紅の座っている砂浜のシミも広がっていた。自分の動きに快感を増し、甘い嬌声を響かせていく。\n既に根元に集まっている欲望を、俺は必死に堪える。この快感をもっと味わっていたい、そんな思いでガマンするものの、もう限界だった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、はぁ……ん、くぅ……ひ、姫のなんだか膨らんで……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "このまま出したい。紅の胸に包まれたまま、紅の顔へと放ってしまいたい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んぐ、く、あ……も、もう、出る……\nうあ…………ん、くうっ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は、堪え続けてきたその欲望を、一気に紅へと撃ち放った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふえ!?",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "どぴゅ、っといきなり噴き出した熱いものに、紅が驚きを浮かべる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、わ、わわ!?ひ、姫の、す、すごい……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "ドクドクと放たれるそれは、思った以上の量となって紅の顔や身体を汚していった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……はぁ……悪い、思ったよりその、多かった……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "予想以上のそれにまみれながらも、紅ははにかむような笑顔を見せる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふふ。まったくもう、仕方ないな、姫は\nでも、こんなにたくさん、あたしの胸で感じてくれたんだ……嬉しい……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "その胸の中で、いまだに熱く火照っている俺を見つめながら、紅はただ嬉しそうに言う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あたしが、あたしの胸で、姫を喜ばせられたんだな……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "その健気さが、また俺を興奮させる。この可愛い少女をもっと征服したい。そんな想いが膨れあがる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ……紅の胸、こんな気持ちよかったんだな……\nもっと早くやってもらえばよかった",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ば、ばか……こんな恥ずかしいこと……姫から頼んでくれなきゃ絶対やだ……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "それは、頼めばやってくれる、ということだろう。本当に母性に溢れるというか、尽くすタイプだよなあ、紅は。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "で、でもその……まだこんなおっきいままだし……次はあたし、でいい……?",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "そして、もう限界なんだとばかりに、俺を上目遣いで見上げてくる紅。広がった砂浜のシミが、どれだけ感じているかを教えてくれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ。俺も、紅に挿れたい",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺自身、もうガマンは出来そうにない。濡れてしまったその場所から、俺達は少しだけ場所を移した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "紅の、さっきより凄いな。もうビショビショだ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺の精液を洗い流し、砂浜の上に寝転がる紅。その腰を持ち上げながら、まんぐり返しの体勢で大きく足を開かせる。\nワレメは、中から溢れた蜜でグショグショに濡れ、まだかまだかと俺を待っている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だって、姫があんな風に焦らしたから……\n結構辛いんだぞ……ばか",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "可愛らしく、けれどちょっと拗ねたような紅のお叱り。俺は、さっきから昂ぶったままのそれを、濡れた秘裂へと押し付ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ごめん。それじゃあ、もういいか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "うん……いつでも平気……早く、きて……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "そんな紅の声に、俺は一気に自分を突き入れた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、うぅん……っ",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "充分以上に濡れたそこは、抵抗すらなく俺のすべてを呑み込んでいった。\n中から蜜が、ぶじゅ、っと溢れ、奥の壁へと一気に到達する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "い、一気に……奥、に……ん、あぁ……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "奥にコツン、と当たった瞬間、紅は身体を震わせ、甘く喘ぐ。熱く滾った紅の中。柔らかな無数のヒダが俺に吸い付き、逃がさないとばかりに締め上げてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……あ……あは……姫の、おっきい……あたしの一番奥まで、きちゃってる、よぉ……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "俺は、まずは緩く腰を揺さぶる。奥をこんこんと軽くつつきながら、久しぶりの紅の中を味わっていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああ……奥のところにこんこん、って当たってるぞ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あ、きゃんっ……そ、それ、だめっ。ぞく、ってきちゃうっ",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "奥へと当たる度に、仰け反るように喘ぐ紅。緩い振動に揺さぶられたヒダは俺を刺激し、その快感を俺は楽しむ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "紅の中……こんなに熱くて……もうトロトロだ……挿れてるだけで気持ちいい……\n俺にピッタリ馴染んで……ギュウギュウ締め付けてる……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "熱い紅の体内が、俺を搾るかのように締め付ける。動きを決して阻害せず、だけど激しい快感を送って来る。まるで、俺に合わせたオーダーメイドみたいだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……う、うん……もう、身体が姫の、憶えちゃったのかも……その、形、とか……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "それはつまり、完全に俺だけに征服されたということ。この身体が、俺に屈服しているということ。それが嬉しくて、俺は腰の動きをどんどんと速めていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "凄い……中からどんどん溢れて……はぁ……はぁ……腰が、止まらない……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "柔らかな締め付けがくれる快感に、俺は腰を止めることも緩めることもできなくなっていた。\n紅の中を前後に、時に円を描くようにして動き、ただ存分に味わいつくす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、うんっ……あ、あたしも、気持ちよくって……あ、も、もっと激しく……っ",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "中からはとめどなく蜜が溢れ、淫靡な音を振りまいていく。紅は快感に酔いしれるように、甘い声で鳴き続けた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふあ、あ、ああんっ……やぁ……お、音が、やらしい……はぁんっ",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "うく……あ、あぐ……お、奥から……また、きてるっ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そして、再びの強い快感が、奥から噴き出した。\nあれほどの量を吐き出したばかりにもかかわらず、さっきと変わらないくらいの強い射精感が根元へと集まっていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "も、もう、出そう、だ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺はそれを必死に耐えながら、更に紅を味わうために動き続けた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あぐっ……や、やあ……ま、まだ、だめっ!\n姫、をもっと……もっと、ほしい……ん、んああっ……あふっ!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "そして紅も、そんな俺をただ感じながら、感じ続けるために俺を求める。\n俺も紅を求めてただただ腰を動かし、この身体を味わい続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あたし……もう、姫しかわかんな、い……んあっ……はぁ……\nも、もう、きてる……きてる、のっ……ん、ああっ!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "全身を震わせ、激しく喘ぐ紅。もっと俺を求めようとでもいうのか、更に締め付けが強まり、俺を締め上げる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、うう……ま、また締め付け、が……悪い、も、もう無理……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "全身を支配する快楽のことしか、もう考えられない。このまま紅を汚し続け、その中までも染め上げる。ただそのために腰を動かす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くうっ……あ、ああ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ふ、あ、ああ……はぁ……はぁ……んぐ……んん!だ、め……もうのぼって、きちゃ、う……\nひぐ、あふ……んく……あ、あ、ああ……も、もうっ!!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "びくん、と大きく紅の身体が跳ねた。同時に、俺も腰を奥へと突き立てると、一気に自分を解き放つ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う……ああああっ!!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "やあああああああああっ!!",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "周囲に響く、紅の絶頂。俺はそんな紅の中に、何度も何度も精液を放ち続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああ……姫の、ふ、噴き出して……あっつい……\nんん……あ、ああ……た、たくさん、出てるよ……すごい……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "二度目ともは思えない量に、紅の中から精液がこぼれ出す。それでもまだ俺から搾り取ろうと痙攣を続ける穴の感触を、俺はただ感じ続けていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……うぐ……ま、まだ、出る……\nはは……こんなにたくさん、溜まってたかぁ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あ……うん、姫……気持ちいい……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "体内を打ち付ける俺の欲望の勢いに、紅も、ただ気持ちよさげに声をもらしていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……あはは……すごい、姫……たくさん出し過ぎて、垂れてきちゃってる……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "その中から肉棒を引き抜けば、同時に大量の精液が中からこぼれてきた。\n本当、よくこれだけ出せたもんだ……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "たっぷり紅に吸い取られたからな……俺、当分勃たないかも……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "へぇ……どうせ今晩にはもう反応するくせに……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "そう皮肉げに返してくる紅に、俺はただ苦笑した。はい、まったく否定できません。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なんだったら、構わないんだぞ……夜、もう一回……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "とはいえ、これをもう一回やったら、本当に倒れかねません、俺。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "さすがに、体力持たないので勘弁して下さい……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "まったく……\nでも、また……してよ……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "ちょっと拗ねたように、だけど最大限の期待をこめての紅の言葉に、俺は笑顔で頷いていた。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"紅"
] | 07_Endless Dungeon | 021005bh_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "ウルルとの情事を終え、まだしばらくカニと戯れるというウルルを残して、俺は荷物置場に戻ってきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふう……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "シートの上に腰を下ろして一息つく。泳ぎまくった後に、ウルルとのあれだ。さすがに疲れるな、という方が無理だろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "にしても、みんなは元気だよなあ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "浅瀬で騒ぎまくってる姿は微笑ましくもあり、恐ろしくもあった。\nヴェルとフォン、絶対にやりあってるだろあれ……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なんとなく嫌な予感がするな……向こうが俺に気づく前に、一旦離れた方がいいかもしれん……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺はそっと立ち上がると、その場から静かに姿を消した。\n浜辺の奥の方にある草むら。あそこならまず人が来ることはないだろうし、そこで少しみんなの様子を窺おう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はい?",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "あれ?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そこには既に、先客がいた。\nそれも、驚くような姿の先客が。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "白鷺くん?え?あの、なんでこんな所に……",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "その予想外の遭遇に、ミヤはポカンとした顔で俺を眺めていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いや、ミヤの方こそこんな草むらで何を……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "私はその、泳いでたらちょっと冷えてしまったので……",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "言われて見れば、ああなるほど。ミヤの立っている場所に、小さな水たまりができている。\nそして、水着のパンツを引き上げている途中のその姿。そこから推測できる結末は一つ!",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……えーと……あの、その……\nもしかして……小用でしたでしょうか……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "その俺の一言で、ミヤの時間が動き出す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "な、なななななななななななんで白鷺くんがいるんですかあ!\nえ?あれ?わ、私もしかして、一番見られちゃいけないシーンを見られちゃいました!?\nし、してるところ見られちゃいました!?",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "あ、あわわわわわわわわ!見てない!そこは本当に見てない!\n俺が見たのは、今目の前のこの光景だけだ!\nパンツ履きかけのミヤだけだから!!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "履きかけ!?私、今途中ですよね!?一番大事なところ、丸見え!?",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "ごめんなさい。それはバッチリ見えてます",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "って、否定して下さいっ!\n白鷺くん今、女の子にとって、その尊厳に関わる危険なシーンの目撃者なんですよ!\n私は、他のみなさんと違って、まだ白鷺くんに抱かれてもないんですよ!見られてもないんですよ!\nいわばこれが、初めて見られたシーンなんですよ!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "す、すみません、ごめんなさい!全くの偶然なんです!まさかこんなところでおし……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "その先の言葉はダメです!!私は美少女なんですから、そういう行為はしないんです!!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "い、いや、しないといっても現に……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "悲鳴あげますよ……白鷺くんに無理やり覗かれたって証言しますよ\nきっと他のみなさん、ヴェルちゃんとかノートちゃんとか、私も、って言い出して大騒ぎですよ",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "本当にごめんなさい。そうなると俺の身体が保ちそうにないのでなんとかお許しを",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "平身低頭。俺はその場で土下座していた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まったくもう……デリカシーがないといいますか、女の子の恥ずかしいシーンに慣れすぎといいますか……\nこれだからラッキースケベが普通になってる男の子というのは……",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "いや、本当に反省してますので、なんとかご機嫌をお直し下さい……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "だったら、早いところ私とも関係を持って下さい。一人未経験のままとか、結構肩身が狭いんですから",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "そ、それはまた別の話というか……女の子との行為を、そうポンポンすませるっていうのはなあ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "はあ……まったくもうこの人は。理性的というべきか、優しいというべきか、それともただのヘタレというべきか……\nまあ、これが白鷺くんという人ですから、仕方ないですね",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "ご理解いただけてなによりです。あ、そういえば",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "はい?なんですか?",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "その……えーと……大変言いにくいことながら……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "今さら怒りませんからどうぞ?",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "ティッシュとかなかったんだけど、ちゃんと拭いた……?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ちゃんとハンカチ持ってきました!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "……しっかり怒られました。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"ミヤ"
] | 07_Endless Dungeon | 021006a_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "それで慌てて帰ってきたのか",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "いや、あれ以上いるのは男としてさすがにどうかと……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "今の姫なら、むしろそういうのは慣れてそうなんだけどなあ",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "まあ、比較的そういうのを見させてもらってることは否定しないけどもな\nだからといって、慣れるかといえばそんなことはないぞ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ふ~ん。最近は、あたしの着替えシーンに当たっても、結構平然としてるイメージなんだけどなあ\nむしろ、じっくりと見られてる感じかな?",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "……その、俺も男なわけでして、女の子のそういう姿を見たくない、なんていうことはまったくなく……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "だったら、リンセのも見てくればよかったんじゃないか?",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "あくまでも分かった上で、そう攻撃してくる紅。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なんか、今日は随分と厳しいですね、紅さん……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "さあ、どうだろう。あたしは別に厳しくしてるつもりはないんだけどなあ\nでもまあ、厳しくしたくなる自分たちの気持ちは理解できるぞ",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "紅は、一目でわざとやってます、と分かる笑みを浮かべながら言うと、そのままベッドの上に寝転がった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "どうだ、姫",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "いや、どうだと言われても……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "なんて返しつつも、それが意味することを俺は正確に理解していた。\nその表情が、その瞳が、女として俺を求めている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まったく……こちらから求めてもすぐそれだ\nまあ、妹が来たり、娘が来たり、挙げ句の果てに超美少女から腹上死を求められ、そっちに目が行くのは分かるんだが\nはっきり言って、最近の姫は、ちょっとあたしたちへの優しさが足りないっ、と思うぞ",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "……いや、冷たくしてるつもりはないんだけども……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ないんだけれど、言われてみれば確かに、最近はあまりみんなと二人きりになったりしていない気がする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "優しくもしてなかった、かもなあ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そうだろう。そうなると、あたしたちとしても、ちょっとくらいはイジワルをしたくなる",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "クスクスと笑いながら、からかうように言う紅。だが、その笑みもすぐに止まり、潤んだ瞳が俺を見上げる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だけど、出来ることなら、あたしのことももう少し見てほしい\nこれでもその……女の子のつもりなんだ。かっこいい男の子には甘えたくもなるんだぞ",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "いや、悪い。ただその、あまりベタベタするのも苦手でさ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そんな俺の言葉に、紅は拗ねたように頬を膨らませた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "む~。あんまり放置するとな、あたしにだって考えあるんだぞ",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "普段見られない紅の顔。女の子らしいそれに、純粋に可愛いと思ってしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "毎日、姫の布団占領してやる\nそれで、毎日毎晩顔を埋めて、姫の匂いを堪能しちゃうぞ。それはもう、胸いっぱいに",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "う……それはさすがに恥ずかしい、な……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "それが嫌なら、あたしとしてはこれくらい求めてもいいと思う\nん",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "そっと目を閉じ、その薄い唇をわずかに突き出す紅。それが何を求めてるかは一目瞭然で。\nそれをしてしまっていいのか一瞬とまどうものの、俺は覚悟を決めると、その顔へと覆い被さった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……む……んん……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "その唇へと自分の唇を重ね合せ、柔らかな感触を存分に味わう。\n舌でわずかに唇を開かせ、そのまま中へと舌を差し入れると、紅の舌と絡み合わせた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あむ……ん、あ、はむ……",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "その柔らかい感触をむさぼり、熱い吐息を楽しみ、紅という存在を味わう。\nわずか数十秒の濃密な時間。俺達は互いを存分に混ぜ合うと、静かに唇を離していった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふふーん",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "……その、これだけでいいのか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "うん、満足だ\nというのは嘘で、本当ならもっと……その、欲しいなって思ってる\nだけどまあ、充分に優しくしてくれたから、ガマンする",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "悪いな。これ以上やると……俺も歯止めが……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "……望んでくれるなら、別にいいんだぞ……?\nなんて、あんまり姫を独り占めするのは、ヴェルたちに悪いしな\n姫が落ち着いて、みんなと頑張れるようになったら、だ",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "他の男性陣からしたら嫉妬の嵐だっていうのは分かってるんだけどな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "クス。まあ、あたしたち全員を平等に愛さないといけないっていうのも、それはそれで大変だろうしな\n普通の男じゃ、絶対もたないだろう",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "魅力的だけれど、あまりに個性的な面々。だけどその全員が俺を求めてくれて、そんな全員を俺も求めている。\nだれか一人を切ることも、誰か一人だけを見ることも、もうできそうにない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まあ、せいぜい頑張ってくれよ、姫",
"speaker": "紅"
},
{
"utterance": "そう言って、可愛らしい笑みを浮かべる紅。\nどれだけ大変だと分かっていても、こういう顔を見せられたら頑張るしかないよなあ、ほんと……。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"紅"
] | 07_Endless Dungeon | 021104_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "んふふふふ~ん♪",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "なんか、随分ご機嫌だな、ヴェル。さっきまではあんなに疲れ切ってたのに",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "当たり前じゃない。だって、ヒメと二人っきりでデートなのよ。疲れなんてどっかの別の世界に吹っ飛んでいっちゃったわ\n今頃はきっと、母さまにくっついて、ひいひい言わせてる頃ね",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "全部終わったとは言わないが、どうにかある程度先が見えてきたところで、今日の準備は終わりにした。\nまあ、かなりいいところまではいったから、あとはどうにかなるだろう。\nとはいえ、ここのところの業務もあってか、ヴェルは精神的にもかなり参っていたようなので、クラインズポットへの寄り道を持ちかけたら、もうこの通り。\n俺の腕を抱き、ピッタリと寄り添って歩くヴェル。まあ、俺もその、ヴェルの感触とか凄い嬉しいわけだけれども、やっぱり少し恥ずかしい。\n特に今は、まだ俺達のことをよく知らない新入生達が、興味本位の視線を向けてきてるからなあ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大丈夫よ。もし新しい子たちが何か言ってきたら、その場で静かにさせてあげるから",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "物理的に、は勘弁してくれよ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ヒメがそう言うなら、直接は当てないようにするわね",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "今のヴェルなら、余波だけで大抵の相手は倒せるからなあ……意識を失う、でなくて、命的な意味で。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "フォンは置いてけぼりで可愛そうだけど、今日は二人きり、を譲れないから仕方ないわよね",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "まあ、その辺は、また今度フォンと二人でデートするってことで納得してもらったよ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "それはそれでちょっと妬けちゃうけど、その分私も二人きりを楽しめるってことだもん。仕方ないわよね\nその分、今日はたっくさんヒメの愛を感じさせてもらっちゃうから、よろしくね",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "満面の笑顔で、更に強く俺の腕を抱きしめるヴェル。うん、こういう顔をされたらまあ、応えるしかないよな、男として。\n俺はヴェルに笑顔を返すと、一緒にクラインズポットへの道を歩いていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふふーん。今日はケーキセット、って決めてたのよね。ヒメとの甘い一時に、あま~いケーキ。至福よねえ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ヴェルは甘いものを食べる時、本当に幸せそうな顔で食べるよな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あら、甘いものに限らないわよ。私にとっての最大の調味料は、ヒメだもの。ヒメと一緒に食べる時は、なんだっておいしいの\nまあ、その中でも特に、甘いものが素敵なのは否定しないけど\nああ、でも今日のケーキどっちもおいしそう。こんなの迷っちゃうじゃない、ずるいっ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "本気で困るヴェルの姿に、自然と笑みが浮かんでくる。\n魔族の王女といっても、やっぱり普通の女の子だ。見ていて本当に可愛らしい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ、俺の注文もヴェルが決めてくれ。それで交換すれば、二種類食べられるだろ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "いいの!?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "もちろん。ヴェルがおいしそうに食べてる姿が見られるわけだろ。俺だけの特典だ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "も、もう、ヒメったら。際限なく私にヒメを好きにさせる気よね",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "それからしばらくして運ばれてきたケーキを、俺達は分け合って食べた。\n予想通りというか、予定通りというか、食べさせて、ときたのはまあ仕方ないだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふふーん♪",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "えっと、俺の顔に何か付いてるとか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ヒメの顔が、私の目の前にあるのよ。それはもう、見つめるしかないじゃない\nもう、ヒメったら。顔立ちまで私好みなんだもん。本当にずるいんだから",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ヴェルの好意は、いつも真っ直ぐで、俺に防御する暇を与えてくれないから困る。\nヴェルの方こそ、こんな美少女だとかずるいよな。ずっと見ていたくなる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ねえ、ヒメ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ん?なんだ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "好きよ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ニッコリとした笑顔から放たれた必殺の言葉。\n正面からのその攻撃に、俺は何も言えない。ただ、頬が明らかに熱を持っていくのが分かる。\nさっきの言葉ですら直撃だったわけだが、これはもう即死レベルだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えっと、その……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "どう返していいか分からなくなり、俺は必死に考える。が、やっぱりまあ返せる言葉はこれしかなさそうだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……うん、俺もだ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "えへへ~♪",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "俺の返答に、ヴェルは更に機嫌良く笑う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ちなみになんだけど、ヒメがさっき言ったこと正解よ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "さっき言ったこと?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "動かないでね",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "え……ヴェル?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ヒメったら、口元にクリームついてるのよ。お茶目さん",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "小さく笑いながら、スッと伸ばされたヴェルの右手の指が、俺の口元のクリームを拭っていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そして、それをちょっと恥ずかしそうに嘗め取った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えへへ、食べちゃった\nヒメの口元についてたやつなのよね。これも、間接キスの仲間入りできるかしら",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "別にその……間接でなくても、直接してるし",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "さすがにこれを言うのは少し恥ずかしいと思ったけれど、それでも言っておきたくなった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そうよね、やっぱり直接の方がいいわよね\nねえ、ヒメ……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ヴェルは、俺をはにかむような笑みで見ると、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んー……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "そっと目を閉じ、その桜色の唇をわずかに突き出した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えっと、こんな所で?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "人目もそれなりにあるし、そもそもヴェルはかなり目立つ存在だ。こんな所でキスなんかしたら、間違いなく広められる。\nそれを恐らく分かっていながら、ヴェルはその体勢を変えようとしない。\nそして何より、その小さな唇を、俺自身が欲しいと思ってしまっている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……軽くだぞ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "んむ……\nえへへ。ヒメにもらっちゃった♪",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ほんの数秒、軽く重ねる程度のキスだった。それでもヴェルは、嬉しそうに笑っている。\n間違いなく、店内の結構な人達に見られたとは思うけれども、まあ、この笑顔がもらえたならいいか。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ヴェルは、時々凄い甘えん坊になるからな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そうなの。私、ヒメに関しては思いっきり甘えん坊なのよ。だから、ちゃんと甘やかしてね\nなんだったら、もう一回、する?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "あー……これ以上はその、キスで済まなくなりそうな気がするから却下",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そうね。するにしても、ヒメ以外の人には見せたくないもの、私。他の場所で、がいいかな",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "いや、それかなり爆弾発言だからな……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "それから俺達は、陽が暮れるまでこの場所でイチャイチャを繰り返し、周囲に甚大な迷惑を与えてから寮へと帰った。\n……反省はしているけれど、後悔はしてません。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"ヴェル"
] | 07_Endless Dungeon | 021202_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "……なんだろう。弱いけど、なんだか涼しい風が吹いてる……。\nそういえば、頭の下に、なんか柔らかいものが……。ああ、うん。こういう時のパターンだと、誰かに膝枕とかしてもらえてるんだよな。\n本当にそうだったら、いいなあ……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お目覚めですか、主さま",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "……え……ニコ?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ぼんやりとした意識の中、視界に写るのはニコの姿。安心したような微笑みを浮かべ、うちわで俺を優しく扇いでくれている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "よかった。意識が戻られたなら、もう大丈夫そうですね",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "俺、どうしたんだ……?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "お風呂の中でぐったりされてて……多分のぼせたんだと思いますが",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "……ああ、そうか。俺はあのまま湯船の中で……前のルルウの時と同じになっちゃったんだな。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "悪い、すぐ起きるから……\nあ、れ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "慌てて起き上がろうとするものの、視界が揺れる。頭が重い。俺は、再びニコの膝の上に戻ってしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "無理はダメです。しばらくはこのままで休んで下さい",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "どうやら、ニコの言う通りみたいだ。\n優しげなニコの声に、俺はもう少しだけ甘えることにした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "悪いけど、そうさせてもらうよ。重くて申し訳無いけど",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "好きなだけ休んで下さい。むしろ、主さまの寝顔を堪能できる特等席です",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "それは俺にとっても同じだろう。頭の下のこの感触を楽しめる上に、ここから見上げると分かるニコの予想外の膨らみ。着やせするタイプみたいだな。\n……って、あれ?着やせ?",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ひょっとしてニコ、今下着姿、とか……?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "すみません、はしたない姿で……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "俺の指摘に、ニコがその頬を赤らめる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "浴場に入ったところで、ぐったりしている主さまを見つけまして……慌ててしまって……\nさ、さすがに下着だけは身に着けましたが",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "い、いや……俺の方こそ申し訳無い……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "この状態だと、どうしても視界に入ってしまう。\nこんな大きさなのに、スポーツブラとか、大丈夫なんだろうか……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あれ?風呂でっていうことは、俺は……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "まさか、と思い視線をどうにか下へと送る。そこには、ちゃんと服を着ている俺がいた。\n……どうやって……?",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あの……主さまは……たたたたた大変ご立派なものをお持ちで!\nそれはもう、天に向かってそびえ立つバベルの塔みたいで、さ、さすがにそのままでは、お運びできなくて……\n失礼だとは思ったんですが、ニコが……すみませんっ、すみませんっ",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "真っ赤になって謝ってくるニコ。つまり、この服を着せてくれたのはニコで、ニコには全部見られたっていうことで……。\nしかも、運んだっていうことはもしかして。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ここ、ニコの部屋か?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "は、はい。状況的に、主さまの部屋へ運ぶと不必要な問題が発生しそうでしたので\nリンセも、カミシアさんのところに遊びに行きましたし",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "さすがの判断、というべきか。竜族の血も継いでるニコなら、俺一人くらい運ぶのは楽だろうしな。\nまあ、今回の件に関しては完全に俺の不注意だ。むしろ、こんないい思いをさせてもらってるんだもんな。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ニコのおかげで助かった。ありがとうな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "え……あ、はい……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "お礼を言われたのが意外だったのか、ニコは一瞬驚きの顔を浮かべたものの、すぐに恥じらうような笑みで頷いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、あんな時間でまだ風呂入ってなかったんだな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "はい。それでリンセが戻ってきたので、てっきり主さまも、と……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "まあ、本当はすぐに出ればよかったんだけども……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "お、お察しします",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "できれば察しないでほしいなあ、と思いつつも、思い切り昂ぶってる状態を見られてしまってるわけだし、仕方ない。\nとりあえずは、もう少しこの天国を味わわせてもらおう。急ぐ必要も無いしな。\n俺は身体の力を抜くと、再びニコに身体を預ける。\nニコはそんな俺に微笑みかけたまま、心地よい風を送り続けてくれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……このまま朝まで寝てたくなるな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ニコは構いませんよ",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "そうも躊躇無く言われてしまうと、本当にしたくなってしまう。本当に危険だぞ、この枕は。\n結局、俺がこの魔力から逃れられたのは、一時間ほどが過ぎてからだった。\n当然、俺の理性を限界まで振り絞ってどうにか、だったわけで……。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"ニコ"
] | 07_Endless Dungeon | 021303_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "静か、だった。\n元々この世界の夜、とりわけ寮の周辺は静かだ。\n街の方までいけば、酒に酔い騒いでいる者もいなくはない。けれど、この周辺では騒ぐ者はまずいない。\nそんな一人きりの場所で、ルルウは静かに夜空を、月を見上げていた。\nまるで、そこに誰かがいるかのように、会話でもしているかのようにただ見上げる。\nさっきのみんなとの会話のせいだろうか、少し……本当に少しだけれど、センチメンタルになってしまった。\n家族のことを……あの人のことを思い出してしまった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ゲンくん……",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "暗闇の中に浮かぶ、銀色の光。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ルルの行動は、正しいですか?それとも、間違っていますか?\nゲンくんは今、ルルに何を望んでくれていますか?",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "答えを求めて問いかける。その輝きのどんな変化も逃さぬように、真っ直ぐに見上げ続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふふ……",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "答えは、ない。\n自然と、ただ寂しさだけの微笑みが浮かんでいた。\n返答がないことは分かっていた。彼はもういないのだから。例え夜空の星になっていようが、月になっていようが、自分の前に現れてくれることはもうない。\nそのどうしようもない現実が、固まりのようにルルウの胸を圧迫する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お話、してたの?",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "ウルルお姉さま?",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "背後からの呼びかけに振り返れば、そこにはウルルが笑顔で立っていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はい……といっても、向こうからは全然答えてくれないんですけれど\n殿方なんて、勝手なものですね。散々ルルにお世話をさせておきながら、あっさりいなくなってしまいました",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "ルルウは、困ったように笑うと再び月へと顔を向けた。ウルルも、そんなルルウの隣へと並ぶと、同じように月を見上げる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ルルウちゃん、聞いていいかな",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "笑みを浮かべながらのウルルの問い。ルルウは再びウルルへと視線を送った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ルルウちゃんは、今何を求めているの?",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "何を、ですか?あの、それはどういう意味で……",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "うん。こんな、世界の果てみたいな場所に来てまで、何が欲しいのかな、って\nにいさまへの復讐って言ってたけど、あれって多分、目的じゃないよね\n何か欲しいものが他にあって、どうすればもらえるのかが分からないからとりあえず色々やってみる……ウルルには、そんな風に見えたんだけど",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "それは、ルルウにとっては驚きの質問だった。\n自分の感情はできるだけ見せないようにしていたはずだ。にも関わらず、はっきりと言い当てられてしまった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……なぜ、そう思われるんです?",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "簡単だよ。だって、ウルルもそうだったから",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "お姉さまも、ですか?",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "うん。ウルルも、父さまと母さまが何を思ってくれていたのか、ウルルに何を求めてくれていたのか、分かってなかった……\n分かってなかったから、迷って、自分を責めて、気がついたら二人がウルルに求めていないことをやろうとしてた\nさっきの家族の話をしてる時のルルウちゃんの顔、その時のウルルとおんなじだったから",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "まるで心臓を杭か何かで貫かれたような気がした。自分の心の奥底を、あっさりと覗き込まれた。\nそして何よりも、ウルル自身が自分と同じ思いを味わっていた。それはルルウにとっても衝撃だった。\nだから、だろうか。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "分からないんです、ルルには",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "気がつけば、ルルウは本心をこぼしていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え?",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "自嘲気味な笑みを浮かべるルルウに、ウルルは不思議そうに小首を傾げた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ルルにとって、ゲンくんはもう一人のお父さまでした\n竜界を出て、ゲンくんの元で二十年近くもの間一緒に暮らして……奥さまを失い、お嬢さまとも一緒に暮らせない。そんなあの人を一生懸命に支えて……\nゲンくんがどう思って下さっていたのかは分かりませんが、ルルにとっては紛れもない家族だったんです\nそれがいきなり娘を助けてくる、なんていう言葉だけ残して旅だってしまって……\n俺のことは忘れるはずだ、なんて言っていたはずなのに一向に忘れてくれなくて……ただ一人になった寂しさだけを残していって……\n分からないんです。ゲンくんが、いったいどんな思いで逝ってしまったのか。何を見ながら亡くなったのか……\nゲンくんは、本当に満足して逝けたんでしょうか。何を思って逝ったんでしょうか……\nそれが、分からなくて……だから、何をしていいか分からないんです。ルルが何をすれば、ゲンくんは喜んでくれるんでしょう\n姫くんに復讐をすればいいんでしょうか。それとも、本当に全部忘れたことにして、普通の少女として生きるべきなんでしょうか。彼は、ルルに何を望んでくれたんでしょう\n全然、分からなくて……だからルルは、それが知りたいんです。教えてほしいんです",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "そっか……それが、ルルウちゃんの本心だったんだね",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "すみません、ウルルお姉さま。ルルウは、一人では何も見つけ出せないんです",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "にいさまだったら、教えてもらえるかもって思ったの?",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "……それも、分かりません。何も分からないから、ただ動いてみただけ。思慮が浅すぎますね、ルルは",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "どこまでも自分に呆れている。そんな口調で答え続けるルルウ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大丈夫。きっと分かるよ",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "だからウルルは、ルルウにハッキリとした答えを出した。\n少しの疑問もない、月の寂しい輝きを打ち消す太陽のような笑みを浮かべて、言い切った。\nウルルは、知っていたから。ルルウが、その答えを手に入れられると、そう分かっていたから。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……お姉さま……?",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "そんなウルルの顔を、ルルウはポカンと見下ろしていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大丈夫。ルルウちゃんは、きっと分かるから",
"speaker": "ウルル"
},
{
"utterance": "もう一度、笑顔のままで繰り返す。なんの根拠もないはずの笑顔と答え。だけど、なぜだろう。ルルウも不思議と納得していた。\n自分のしたことは間違っていなかった。自分はきっと、欲しかったものに手が届く。\n自分でも意味の分からない不思議な確信が、胸の奥に生まれていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……これが、ウルルお姉さま……",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "ルルウは、小さく微笑んでいた。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"ウルル",
"ルルウ"
] | 07_Endless Dungeon | 021502_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "お父さま!何も言わずにこのリンセにさらわれて下さい!",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "って、本当に何も言わないうちに関節決めて引っ張るんじゃない!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あー……でも、いざこうして手を握ったら少しばかり欲望出てきちゃいました……ちょっと寄り道いいですか?",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "いやこれ、手を握ってる、じゃないから。腕を固めてるから\nそれに、いいも何も、理由も目的すらも分からないのに何を答えろと?そもそもどこに寄り道する気だ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "体育用具室ってどこでしょう",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "絶対却下だ、寄り道禁止。いいから今すぐ目的地に行って説明しなさい",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "リンセは、いかにも残念そうにはーいと答えると、そのまま俺を引っ張って廊下を走り抜けていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……それで、こんな所まで引っ張ってきて、なんなんだ?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そうして連れてこられたのは、塔へと続く渡り廊下の上だった。\nただでさえ人通りが少なく、しかも通常の休み時間。周囲には誰の姿も見当たらない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えへ。ちょっとその、他の人とかに聞かれたくなかったので",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "それはつまり、真面目な相談がある、ということ。未来に関することなのか、それとも……。\n素直に話を聞こうと口を紡いだ俺を真っ直ぐに見て、リンセは尋ねてきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お父さま、昨日ニコと何かありましたか?",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "ニコ?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "その名前を聞いて、俺はすぐに昨夜のことを思い出した。あの、唐突な提案。\n何かあったと言っていいのかは分からないが、部屋で会話をしたのは間違いない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まあ、少し話をしたくらいなら……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "なるほど……ということはやっぱりそれですね",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "腕を組み、真面目な顔でうんうんと頷くリンセ。さっぱり話は見えないが、ニコに何かあったらしいということか?\nやがてリンセは、真剣な顔のまま俺を見上げ、そして言った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お父さま、もう一人娘が欲しいと思いませんか。それも可愛くて、おっぱいおっきい子",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "念のために言っておくけど、この時代の俺は、一人も娘いないんだけど……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "どうせすぐできます♪二十年ちょいも経てば、むしろいっぱい。あ、ギリギリ片手で数えられますよ",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "そのもう一人がニコのことだっていうのは分かるんだが、いきなりどうかしたのか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "いえ、昨晩、部屋に戻ってきたニコがどうにも落ち込んでる風味なので、これはお父さまと何かあったのかな?と推測しました\nニコは、本当にもう頭の中身の120%がお父さまへの愛で埋め尽くされちゃってる、可愛いけれどちょっぴり痛い子なので……",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "それをリンセが言っちゃうんだ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そもそも落ち込むって……昨日のあの会話だぞ?",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ニコは、前も少し話しましたけどちょっと特別な立ち場の子なので。両親と呼べる存在も今はいないんですよね\n隠してはいますけど、それを凄い寂しがってます。お父さまへの献身も、ひっくり返せば、お父さまの家族になりたい、みたいなもので\n娘も妻も愛人も、家族であることに変わりはないじゃないですか",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "すっごい暴論だなそれ……とくに最後のはちょっと違うだろ\nでもまあ、今ので分かった。ニコにとって、甘えさせてくれる存在になれないか、ということだよな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "さっすがお父さま、パーフェクト!です。あ、私にとっての甘えさせてくれる存在も大歓迎ですよ",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "リンセは充分甘えてるだろ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "海でのことなんかも思いだし、俺は小さく笑う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぜんっぜん足りませんっ。もっともーっと、それはもう蜂蜜練乳ガムシロップの砂糖漬け、くらいの甘さを求めてます",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "本当に、未来の俺とみんなは、どれだけ甘えさせてるんだろうなあリンセのこと。\nまあ、こんな子にこれだけ思われれば、悪い気しないのは当然だけど……でも娘だろ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ま、まあ、ニコも甘える、と言ったら変かもしれないけれど、もう少しくらいワガママ言ってきてもいいんじゃないかとは思うな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "多分、そういう経験がないから分からないんだと思います。なので、ここは一発これ以上ないくらいに甘やかしていただければっ",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "なるほど、経験がない、か。そう考えてみれば、昨日のあれもニコなりの愛情表現なんだろうな。ただ、その加減が少し分からない……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そうだな。一度俺の方から甘えてもらえるよう動いてみるか",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "さすが、お父さまの愛はまさに全方位無限大、ですね",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "なんだろう、あまり褒められてる気がしない、というか、男としてどうなんだろうそれ……。\nでも、そんなことをわざわざ頼みに来るくらい、ニコのことを思ってるんだな、リンセは……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お、お父さま……そんなに熱い視線を送られたら……こんなところでなんてそんなダメ……じゃないですよ。お望みでしたらぜひ……",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "いや、そこでモジモジしないように。二人は本当に仲がいいんだって思っただけだ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "もちろんです。私にとって、なくてはならないお友だちですから。胸には時々殺意憶えますけど……",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "女の子の胸に対する業は本当に深いなあ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "リンセだって、決して小さくはないだろうに……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "とりあえず、今夜にでも部屋に行くよ。それでいいよな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "はい。肌を磨いてお待ちしてます♪",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "……リンセが磨いてどうするつもりだ、と思ったことはあえて言わなかった。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"リンセ"
] | 07_Endless Dungeon | 021701_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "はふう……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "ベッドの上に横になりながら、ニコは小さく声をあげた。\n姫が部屋へと戻ってから、わずか十分程度。にも関わらず、それはもう二桁以上の回数に及ぶ。\n姫に抱かれていた感触が、姫の体温が、姫の手の優しさが、まだ全身に残っているようで消えてくれない。むしろ、全身が火照っている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "充分、お父さまを満喫できたようですね",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "満喫、といいますか……その……知ってしまったら物足りないといいますか……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "うんうん、それでいいんですよ。それが、甘えたい、とか、もっと傍にいたい、とかいう感情ですから\nまあ、思ってた以上にお父さまが優しかったのが、個人的にはちょっぴり不満ですが。私にもあれくらいしてくれていいと思います\nでも、その服にして正解だったでしょう?",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "……そう、ですね。こういう女の子らしいものは似合わないと思っていましたが……\nあ、すみません。このままだとシワになっちゃいますね",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "ニコは慌てて起き上がると、着ていた服を脱ぎ始めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "が、何かに気づいたように、その顔が真っ赤に染まる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん?どうかしました?",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "い、いえ、その……な、なんでもない、です……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "ごまかすように視線を逸らしながら、太ももをモジモジと擦り合わせるニコ。その様子に、リンセは、得心いった、とばかりに頷いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あー……まあ仕方ないです。なんといっても、あのお父さまに抱かれていたわけですから、女であれば生理的にそうなってしまうものかと",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "ち、ちちち違いますっ。な、なんでもありませんっ\nあの……お、お風呂に行ってきますっ",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "ニコは真っ赤になってリンセの言葉に首を振ると、慌てて服を着て部屋を出ていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "下着、新しいの持っていかないでいいの?",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "もちろん持っていきます……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "ニコもやっぱり女の子でしたか。それを自覚したとなると……うーん、サービスしすぎたかなあ\nでも、こうしないと、ニコってすぐ自己犠牲しちゃうしなー\nまあ、一人増えるくらいお父さまにとっては今さらですしね、問題ありません。となると……",
"speaker": "リンセ"
},
{
"utterance": "リンセは独りごちると、小悪魔めいた笑みを浮かべた。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"ニコ",
"リンセ"
] | 07_Endless Dungeon | 021703_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "ふう……いいお風呂でした……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "お風呂上がりのその肌を上気させながら、ニコは部屋へと戻っていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……まさか、ニコの身体があんな風になってしまうだなんて、予想外でした……\nリンセには気づかれてしまったみたいですけど……ち、ちゃんと履き替えましたし、大丈夫ですよね……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "汚れてしまった下着に関しては、あとで見つからないように洗っておきます。そう心の中で確認しながら、階段を昇っていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……でも、リンセのことですから絶対にからかってきますね……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "どうやって追求を逃れるか、頭の中で色々考えるが、さっさと布団に潜ってしまうのが一番。そういう結論へと落ち着いた。\n周囲に言いふらしたりするような子ではないと、そこには安心する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だけど、主さまの手のひら……気持ち良かったです……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "思い返すだけで、自然と頬が緩んでしまう。が、慌てて首を振って吹き飛ばした。また風呂に行くことになっては困る。\nニコは表情を引き締めると、自分の部屋へと向かっていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "リンセの奴、遅いなあ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "再びリンセに呼ばれた俺は、リンセとニコの部屋でただ待っていた。\n俺を室内に入れるだけ入れて、すぐ戻るのでちょっとだけ待ってて下さい。そう言って出ていってしまってから、もう十五分ほどが経っている。\n誰もいない女の子の部屋で、こうして男一人待っているというのは、正直落ち着かない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "戻りました。今夜はもう……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "そして、ようやく扉が開いたかと思うと、リンセではなくニコの方が部屋へと入ってきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ、ニコのが早かったか。風呂かな?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あ、主さま!?なんで!?",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "驚きに、その手から、持っていた袋が床へと落ちる。まあ着替え類でも入っているんだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いや、リンセに呼ばれたんだけれど、ちょっと待っててくれって出ていったきり戻ってこなくてさ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "リンセ……よりにもよって主さまを待ちぼうけさせるなんて……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "まあ、適当にタンスの中を漁ってて構いませんよー、とは言われたけど",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "はうっ。あの、漁っていたんですかっ?",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "さすがにしません、そういうことは",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そ、そうですよねっ。失礼しましたっ",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "真っ赤になって、緊張したように奥へと入ってくるニコ。いや、ここ自分の部屋なんだし、もっと普通でいいだろうになあ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、ニコも知らないってことは、リンセの奴どこ行ったんだか……\nニコも色々あるだろうし、俺も一度部屋に戻った方がよさそうだな。リンセが戻ったら伝えておいてくれるか",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "は、はい……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "立ち上がり、扉へと向かう俺を、けれど少しだけ何か考えていたニコが呼び止める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あの、主さま?\nお、恐らくはなのですが……ニコのためにやったことなのではないかと……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "ニコのため?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "言われて、昼間の学園での話を思い出す。甘え方を教えてあげてほしい。それでさっきも一度ここへ来た。\nつまりリンセは、まだ足りないって考えてるのか?今度は、俺とニコの二人きりで何かしろと。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うう……確かにその、思っていなかったとは言わないですが……でも……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "リンセに、何か言ったりしたのか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "い、いえ……そのですね、ニコが望んでいながらも、抑え込んでいた願いがあるにはありまして……それを叶えられるようにと、気を遣ったんじゃないかと……\nも、もう少し甘えさせてほしいって……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "ああ、なるほど。さっきのでリンセの奴、それに気がついたのかな\n別に構わないけれど、どんな風に甘えたいんだ?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "聞き返す俺に、けれどニコは顔を赤く染めたまま俯いてしまう。\nそのまま指をモジモジと絡めながら、自分に問うように何かを呟いていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "い、いえ……でもそんなことが許されるはず……だ、だけどそれは……\n確かにその、最後のチャンス……なんですけど……うう……はしたないです……\nですが、リンセが気を遣ってくれて……それに、ニコの気持ちも……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "えっと、ニコ?どうかした?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "い、いいいえ!どうもしていません!!\nひ、一つ質問なんですが、友人がくれたチャンスに対し、それを使えば友人に迷惑がかかるかもしれません。これは、使うべきなのでしょうか……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "随分と唐突だなあ……まあ、俺なら使う。それを期待して、友人はくれたはずだからな。応えなかったら、ガッカリさせることになるだろ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "少なくとも、仲間を信じるっていうことはそういうことのはずだ。俺は、そう思ってる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もっとも、期待に応えた上で、その迷惑っていうのを覆せる方法っていうのがあるなら、当然そっちをやるけどな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "迷うことなく言い切った俺の顔を、ニコはしばしポーッと見つめた。そして、諦めたように溜息をつく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はあ……ダメですね。ニコの完全な敗北です……\n本当にもう、ずるいです……あんなことを人に教えて……ニコが、どういう想いを抱いていたかを知っているくせに……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "そうして、大きく深呼吸。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、主さまっ",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "ニコは、赤らんだ頬を俺に向け、勢いよく俺を呼んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "今夜だけ、あと一つだけ、甘えてもいい、でしょうか……っ",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "あ、ああ、それはもちろん。それで、どんな風に?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "で、でしたら……\n女に、してください……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "言葉の意味を追いかけ損ね、俺は思わず固まっていた。\n女にしてください。その言葉が持つ意味には、どういったものがあったか。実はニコは男だった、なんていうふざけた答えがここで出るわけもない。\nそれはすなわち、身体の繋がりのことであり、抱いてほしい、ということ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……冗談で言ってる、なんてことは当然ない……んだよな?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "は、はいっ",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "い、いや、でもそれはさすがにいきなりすぎないか?ほら、甘えるってことすら、さっきやっとだったわけで……\nああ、うん。デートだって、あの一回しかやってない。身体を捧げるには、さすがに急すぎるだろう\n吊り橋効果……というには状況違うけれど、何か違う感情をさ、そっちと勘違いしちゃってるんじゃあ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "いえ。勘違い、なんていうことだけは絶対にありません",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "はっきりと、俺の目を見ながら言い切るニコ。その視線に、俺は何も言えなくなってしまう。\nニコの想いが本気だということが伝わってしまったから。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ただ……ニコはそんなに長くないので……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "長くない?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "それがどういう意味なのか分からず問い返す。けれどニコは、何かを悟ったような笑顔を浮かべるだけで、答えてはくれなかった。\nそしてニコは、明らかに緊張した動きでベッドの上に上がると、俺に背を向けて座り込んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お願い、します……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "恥ずかしさに声を震わせ、俺を見るニコ。\nそんなニコの願いを断ることは、俺には出来なかった。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"ニコ"
] | 07_Endless Dungeon | 021704_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "はうう……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "ベッドの上に座り込んだまま、ガッチガチに緊張しきっているニコ。その顔は、恥ずかしそうに俯いたままだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大丈夫かニコ?そんな無理にしようとしないでも……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ここまで固まってしまっているとさすがに厳しいんじゃないかと思って声をかけてみるが、ニコは全力で首を左右に振った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "い、いえ……これは決してイヤというわけではなく……た、ただただ恥ずかしいだけでして……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "あくまでも、このまま進めてほしいと願うニコ。そんなニコの姿に、俺は苦笑してしまう。なんていうか、やっぱり可愛いな、この子は。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "す、すみません。どうにも自分から脱ぐのは無理、そうなので……ぬ、脱がしていってもらえますか……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "本当に、いいんだな?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "念には念を入れて、本当に最後の確認。ニコは固まったまま、それでも頷いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ど、どうぞ、好きなように……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "その言葉を受け入れて、俺はそっとニコの両肩に手を置いた。\n動けそうにないニコの願い通りに、俺の手で脱がしていく。まずは上着の前を開き、そっと下ろした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あう……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "細い肩が、その下から晒される。強く抱きしめれば折れてしまいそうな、本当に華奢な身体。\nそして、男女関係とは無縁だったと分かるその初心な反応に、俺の胸が自然と鼓動を早めていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "本当に細いな、ニコの身体……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "お、お粗末ですみません……もっと見て楽しい身体なら……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "い、いや、胸とかその……普通に大きいと思うし……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "正直、この小柄な身体にこの胸は、他のみんなからしてもズルイと思うんじゃなかろうか。ギャップという意味では、ノート以上の迫力を感じる。\nしかも、その胸を覆う下着は、シンプルなスポーツブラ。その質素さに、逆に抱きしめたくなってしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そのサイズでスポーツブラとか、大丈夫なのか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "この方が動きやすいので",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "色気的なものよりも、そういう所を重視しているのがニコらしい。だからこそ、やっぱり可愛い。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あの、やっぱりこれだと触りにくかったりとかしますか?",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "それでも、俺を気遣うように尋ねてくるニコ。まあ、これからの行為のことを考えれば特に支障はないはずだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えーと、いや、その際には脱がさせてもらうし……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あ……そ、そうですよね、その時には脱ぐ、んですよね……はう……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "本当に、こういうことにまったく免疫がないんだなあ。だけど、そんな子に俺はこれから触れるわけで……。\nできるだけ優しく、ゆっくりと慣れてもらいながら進めていこう。俺は、残っていた上着を、そっと脱がせた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あの……ニコの身体、こ、興奮してもらえそうですか……?",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "そんなゆっくりとした俺に逆に不安になったのか、ニコが恐る恐る視線を向けてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あまり魅力的な身体ではないと思うので……ひ、必要でしたらもっと強引にでも……\n主さまのされたい、どんなことでも、う、受け入れますので……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "なんていうか、ああもう……この子は本当に分かっているのかいないのか。こういう態度が、逆に俺を興奮させるから困る。\n本音を言えば、今いきなり押し倒して、そのまま一気に剥ぎ取ってすらしまいたい。けれど、初めての行為を、そんな記憶にさせたくない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いや、こうやって一枚ずつ脱がせてるだけで、俺、結構興奮してるんですが",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "それに、こういう子が少しずつ脱いでいく姿っていうのは、本当にくるものがある。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "女の子を脱がせていくとか……普段はないし……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "面倒、じゃありませんか……?",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "むしろ、清楚さを感じて嬉しいけどな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "男として、こんな恥じらう姿を面倒と感じる奴はそういないだろう。むしろこの初々しい反応がいい。\n俺は笑顔で言うと、今度は下半身の方へと手を伸ばした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はうぅ……も、もう少し大人っぽいの、買っておくべきでした……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "ブラとお揃いの白いショーツ。これといった飾り気はないけれど、だからこそニコらしくて似合っている。\n黒いニーソックスとの対比に、凄くそそるものがある。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なんでニコ、こんな子供っぽいもので……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "別に、派手ならいいっていうものでもないぞ。ニコらしくていいと思うけど",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あ、ありがとうございます……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "ちょっと落ち込みかけるニコだが、本心からの俺の言葉に、恥ずかしそうにお礼をこぼした。うん、ちょっとやばい。\n本気で、この子のすべてを抱きしめたいって思う。そのすべてを見て、俺のものにしたくなる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "その、俺もかなり興奮してきちゃってるから、見せてもらっても大丈夫か?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "は、ははははいっ。見苦しいとは思いますが、す、好きなところを開いたり広げたり覗き込んじゃったりどうぞっ",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "真っ赤になったままで、大慌てで返してくるニコ。そんな姿に笑いながら、俺はその小さな身体を、そっとベッドの上に横たわらせた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "い、いかがでしょう、か……ニコは……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "見えるように、という気遣いなのか、それともさっきの状態からやっぱり動けないのか、その足も少し開いて、ニコがすべてを俺にさらけ出そうとしている。\n飾り気のない、心許ない薄布に隠された女の子としての肢体。柔らかそうな、けれど戦士として鍛えられ、ほどよく締まった身体が、目の前にあった。\n恥ずかしさのためだろう。俺をまっすぐ見上げるその瞳には小さく雫が浮かんでいた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やっぱり綺麗だな、ニコの身体。白くて、滑らかで……\n凄い、触りたくなる……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "誰にも汚されたことのない白い肌。その感触を味わいたい。触れたらどんな声を出すのか聞いてみたい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "構いませんので、思う存分にど、どうぞっ",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "そんな俺の欲望に、ニコは自分を抑え込むかのように強い言葉で言った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "本当に大丈夫か?その、涙まで浮かべてるから……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "す、すすすすみませんっ……これは、イヤだからではなく、は、恥ずかしくてどうしても……\nでも、本当にイヤじゃないんです……ニコは、主さまだけの、と決めてましたから、むしろ嬉しいです……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "こんな子にここまで言われて嬉しくないはずがない。この子のすべてを、今から俺のものにできる。そんな歓喜が、俺の心を奮わせ興奮させる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そうか……じゃあ、もう聞かないな。お言葉に甘えさせてもらう",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は、ブラの裾へと指を入れると、そのまま上にズリ上げた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あっ……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "小柄な身体に似つかわしくない、大きな双丘。それが桃色の先端とともに姿を見せ、小さく揺れる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "正直、ちょっと驚いてる。大きさもだけど、横になってるのにこんなに形保って……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "これだけの大きさなのに、重力に逆らうようにして、まだ充分に形を保っていた。ニコの呼吸に合わせて揺れるそれに目が離せない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "凄い張りがありそうだ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "触りたい。思い切り強く揉みしだいてみたい。そんな気持ちが一瞬で俺の心を支配する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "き、鍛えていたので、もしかしたら胸にも筋肉ができたのかも……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "いや、それはさすがにないだろ。ニコの女の子としての身体だよ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は苦笑すると、今度はそのまま下の方へと視線を移動した。ニコにとって、女の子にとって一番恥ずかしいその場所。\n一番いやらしいその場所を見たい。ニコの奥まで見てしまいたい。そんな気持ちと共に、ショーツの脇へと指を入れた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "その、それじゃあこっちの女の子の方も……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そ、そっちもいくんですねっ",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "自分にとっても一番恥ずかしいその場所を見られる。そのことにニコの身体が更に緊張する。けれど、それでも足を閉じたりはしなかった。\n俺が脱がせるのを邪魔しようとはせず、枕を力いっぱいに握りしめて、その恥ずかしさをガマンしている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "か、覚悟は完了、です……どうぞ、い、一気、に……っ",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "その言葉に俺は頷き、言われた通り、一気にショーツを脱がせてみせた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゅう……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "その頬を真っ赤に染めながら、ニコは目をぎゅうっと閉じて、必死に羞恥と闘っていた。\n綺麗に閉じ合わさった、明らかに誰にも触られたことのない秘裂。その周りには産毛一本生えてはいない。完全に肌のみだ。\nその綺麗な光景に、俺は思わず唾を飲込む。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ニコのここは、手入れしてるから……?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "こ、子供みたいで、すみませんっ。か、完全にそれが素の状態です!",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "恥ずかしさに震える身体を、それでも一切隠そうとせず、ただ俺へとさらし続けるニコ。\n男として一番気になるその場所を、俺はどうしてもジックリと見てしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ですが、中の方は大丈夫なので……う、受け入れられますので!!\n多分……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "あ、いや、別に変なことじゃないから。他にもこういう子いるし……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "むしろニコらしい、と思ってしまった。この秘裂の奥には桃色の秘肉と、ニコの体内へと続く狭い入り口とが存在している。\nそれを確認するように、少しだけ、そっと秘裂を開く。ニコの身体が小さく震え、その奥に綺麗な薄桃色の壁が見えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それに、薄いピンク色で、凄い綺麗だ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "は、はいっ。ニコのを見るのは、主さまが初めてなので、感想を聞くのも初めて、です……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "ニコの言葉に、この子のすべてを征服したい、そんな独占欲が湧き上がってくる。同時に、これからこの子のすべてを貪るんだという期待が膨れあがる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これがニコの身体です……あとは存分に……っ",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "俺はその言葉を待っていたかのように、豊かな双丘へと手を伸ばした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふぁ……な、なにか今、小さくピリって……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "その膨らみを軽く握っただけで、ニコの口から甘い声がこぼれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "軽く揉んだだけなのに、ニコは敏感なんだな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "吸い付くような感触の中、俺の指が膨らみの中へと沈み込む。同時に、強い弾力がそれを押し返す。\nその心地よい感触に、俺はただ揉みしだき続けた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……は、ん、んう……せ、背中の方を、電気みたいなものが走って……\nふぁ、あ、こ、これが主さまがくれてる快感、なんでしょうか……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "桃色の先端がツンと尖り、屹立していく。その光景と手の平を包み込む柔らかな弾力がただただ気持ちいい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くすぐったいような……でも、このまま身を委ねたくなるような……ん、ああっ・……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "まあ俺は女じゃないからハッキリとは分からないけど、恐らく",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "この手から伝わるニコの身体の気持ちよさ。なら、ニコが感じているというのもきっと同じだろう。\n俺の手の動きに合わせて、自在に形を変える丘。本当に病みつきになってしまいそうだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "わ、分かります……気持ち、いい……かもしれません……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "本当だ……ニコ、少しだけど濡れてきてるよ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "今まで綺麗に閉じられていただけだったその場所から、わずかに蜜が滲み出しているのが見える。ニコが確かに感じてくれてる証拠だろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、はしたないところを……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "いや、もっと濡れてくれないと困るかな。もっと衝撃的なことを、これからするわけだし……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そうでないと、きっとニコが辛いだろう。俺は、更に感じてもらうためにも、手の動きを激しくする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ニコにはもっと感じてもらわないと……素直に感じてくれていいからな……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あ……は、はい……ん、あふっ!",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "そんな俺の言葉を素直に受け入れ、ニコはより甘い嬌声をあげた。\nその声の可愛さに、俺はもっともっと感じてもらおうと、片方の手を股間の方へと下ろしていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゅうっ!",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "秘裂の中へと指を埋めた瞬間、ニコはびくん、と身体を反らせて鳴いた。\nその中は確かに濡れ始め、そして熱く昂ぶってきている。俺は秘裂に沿って、指を上下に動かしていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そ、そこ、は……は、あ、ああっ……\nそ、そんなに感じる場所、なんですかっ……んく、あ、ああんっ",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "柔らかい秘肉の感触と、続々と湧き出す熱い蜜。それを指先で感じながら、ニコの恥ずかしいその場所を存分にいじり続けた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "自分でも触ったこと、ないんだ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そ、そんなはしたないこと、は……ひぐ、ん、んあぁっ……きゃう!",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "喘ぎ声が甘さを増し、ニコの足が自然と開いていく。それはもっと強い快感を求めているように感じられて、俺は指を秘裂の上へと移動させた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、だめ、です……身体が、反応、しちゃう……あ、あう……\nぞくぞくって、震えて……はぁ……はぁ、ん……んくぅ……あ、あああっ!",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "そして、包皮に隠されたその突起を指で押す。同時に、ニコの身体が大きく跳ねた。\nその奥から、蜜が吹き出すように湧いてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "も、もう無理、ですっ。これ以上はっ……や、やあっ!",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "そのまま秘裂の奥、初めての証で守られたその周辺を焦らすように撫で回すと、ニコは更に激しく嬌声を上げた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "指は、いや、です……・主さまで、お願、い……主さまのもの、でっ!!",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "そんなニコの声に、俺ももうガマンできなくなってくる。充分に怒張したそれでニコと繋がるべく、俺はズボンを脱いでいく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふあぁ……そ、それが主さまの、なんですね……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "ガチガチに怒張したそれを見て、ニコが不安げに声を漏らす。\n以前に風呂で見られてしまっているが、さすがにここまでの状態ではなかったはずだ。怯えるのも仕方がない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あうぅ……お、おっきい……そ、それになんだか凶暴そうで……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "その、ニコのこんなの見させられたら、俺も興奮するわけで……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "目の前にある、ニコの綺麗な秘所。こぼれる蜜が光って、本当に艶めかしい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "も、もしニコで受け止められなかったら……主さまは気持ち良くなれずに、自分の右手で……\nそ、そんなのはダメですっ、イヤですっ\nど、どうぞ……き、きて下さい……主さまは、ニコの中で……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "俺は、ニコの妄想に苦笑しながらも、その入り口へとそっと自分を宛がった。くちゅ、と小さな水音がもれ、熱い体温が伝わってくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "その、ニコの身体小さいし、結構痛いかもしれないけれど……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "だ、大丈夫です。ニコは、痛みよりも主さまがほしい……どうぞ、ニコの中へ……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "その不安と恐怖を押し殺して、ただ真っ直ぐに俺を見つめるニコ。その潤んだ瞳に興奮しながら、俺はゆっくりと腰を押し出していった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……くっ……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "唇をきゅっと引き締め、俺の侵入に必死に耐えるニコ。狭い扉をみちみちと無理やり押し開きながら、少しずつ肉棒が入っていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やっぱり、キツイ、な……みちみちっていってて……ガマンできるか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "はぁ……はぁ……こ、これくらいの痛み……ん……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "まだ幼い入り口は固く、俺を懸命に押し返そうとしている。それでも俺を拒むことはできなかった。俺はニコを味わう興奮を抑えながら、前へと進んでいく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "い、一気にどうぞ……今は、ニコで気持ち良くなることだけ……か、考えて……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "苦しげな、だけど本心からと分かるその言葉に、覚悟を決める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ごめん。ちょっとだけ、食いしばってくれ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ニコの細い腰をガッチリと押さえると、俺は力いっぱい腰を突き出した。ぶちっ、という感触と共に、ニコの体内へと一気に半分ほど俺が呑み込まれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ……くう!!",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "純血を引き裂かれた痛みを必死に堪えながら、それでも苦しげに声をあげるニコ。その体内の熱さと締め付けが、俺を一瞬で快感に包み込む。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うぐ……は、入った……ぞ……\n凄い……ニコ、熱くて……ギュウッて、握りしめるみたいに締め付けてきて……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "少しも動いていない、それも半分くらいが入っただけの状態なのにもかかわらず、凄まじい射精感が俺を襲う。\nニコのヒダに包まれているだけで、気持ちよさに達してしまいそうな気がする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ニ、ニコも……主さまが感じられて……これだけでゾクゾクきてしまって……\nい、いかがです、か……ニコは気持ちいい、ですか……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "痛みを堪えながらのニコの言葉。出来るだけ気を遣ってあげたいと思うもののできそうにない。全力で堪えていないと、直ぐにでも発射してしまいそうだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ……こうしてるだけで、もう出そうになる……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "でしたら、どうぞ……動いて、もっとニコを楽しんで、下さい……んぐっ……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "自分を省みず、あくまで俺を気持ち良くしようとするニコ。動かない俺に、自分から動こうとするものの、痛みからかその眉間に皺が寄った。\nだったら、ニコにももっと気持ち良くなってもらわないとダメだ。俺は、秘裂に隠れる突起を、再び包皮の上から指で撫でた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃうっ!",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "それだけで、ニコは一際高い嬌声を上げながら、その奥から蜜を湧き上がらせる。\n俺はそのまま包皮を捲りあげると、ぷっくりと充血した豆を直接つまむ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひ、あぐ……そ、そこはダメで……あ、つ、摘まむのは……や、あ、ああっ",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "摘まんだまま捻ってやると、ニコは甘く激しく喘ぎ始める。大きく天井を仰ぎながら、小さな突起からの快感に、ただ身体を震わせた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あう……だめ……ち、力はいらな……あ、ああ、ひぎっ!",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "凄い……中の方、一気に濡れてきた。これならもっと……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "秘洞の奥から熱い蜜が溢れてくるのが分かる。蜜でぬめったそこは、今なら奥まで突き入れられそうだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、う……こ、こんなトロトロになってきて……やばい、腰が勝手に……\nニコの中、ぬるぬるで……奥まで……ふぅ……んっ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺はそのまま、再び一気に腰を突き出す。狭くキツイ秘洞が、けれども蜜によって俺を受け入れ、そのまま俺のすべてを呑み込んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふぁ、んきゅっ……あ、主さまが、に、ニコの身体の中を、ごしごししごい、て……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "その刺激に、ニコがびくん、と身体を跳ねさせる。そのままゆっくりとピストン運動を開始すれば、無数のヒダが俺に引っかかり、電気のような刺激に腰が震える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああっ!お、おく、届いて……っ!ひ、響いて、きちゃいます!こつん、こつんって……!",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "その快感に、ニコも更に喘ぐ。その体内を前後に蹂躙されながら、痛みも忘れただ感じていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、だ、だめ……ガマン、できない……気持ちいい、です……も、もっと……もっとごしごしして……!",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "熱いニコの身体にしごかれながら、俺は徐々に動きを速めていく。一突きごとに広がる快感の波が忘れられず、ただそれを求めて俺は腰を動かし続けた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お、お腹の中から、気持ちいいの、ひ、広がって……ふぁ、あ、ああ……な、なにか、キテ……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "ニコも、そんな動きに合わせるように、どこまでも甘く可愛らしい声で鳴き続ける。蕩けた瞳が俺を見上げ、その視線がまた俺を興奮させる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ニコが、俺を包んで……全方位からしごかれてるみたいだ……\nうぁ、ああ……も、もう、出したい……ニコの中に、このまま……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ぐちゅぐちゅと響き渡る淫靡な音に脳髄が灼かれ、俺はただ快楽を求めて腰を動かす。\n白い大量の欲望が既に根元に集まり、今にも暴発しそうだ。けれど俺は、この快感を少しでも長く味わいたくて、懸命に堪え続けた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こんなきっついのに……あたたかいのに、呑み込まれてるみたい、だ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ニコの身体に呑み込まれているような感覚。頭の中は既に真っ白に染まって、ただニコを見つめてその奥へと突き入れ続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、はひ……どうぞ、な、中……ニコに、下さい……\nふぁ、ああ……だ、だめです……も、もう……あ、や、まだイっちゃいたく、ない……・",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "ニコも、その身体をビリビリと震わせて、その体内から広がる快感にただ身を任せていた。\n肉棒がその最奥へと突き当たる度大きく喘ぎ、ただ心地よさげに鳴き声をあげる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お願い、です……もっと、もっとこのままで……あ、んぐ、んんっ……ひ、ひぐ……や、やら……っ\nあ、あ、あ、ああああっ!だめ、やだ、き、きちゃ、う!",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "嬌声と共に、秘洞が一際強く締まった。その快感が、俺の限界を一気に突き破る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "俺も……も、もうクル!\nニ、ニコ!い、いく、ぞ!!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "もう無理だ。俺はそのすべてを、ニコの中へと解き放った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んう!ふわあぁ!!",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "同時に、ニコがその背を弓なりに反らせて大きく鳴く。絶頂へと達して、その膣を痙攣させた。\nそんなニコの最奥へと、俺は溜まった精液を放ち続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、どくどくってきてます……お腹の中に、あったかいのがシャワーみたいにかけられて……\nや、あ、これ……す、すごい……だめ……だめぇ……クセになっちゃう……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "びゅくん、びゅくんと痙攣を繰り返しながら放たれる精液。その度にニコは、快感に満ちた声を漏らす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あ、あ、あ、お腹の中、気持ち、いい……っ",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "うぐ……ニコが、きゅうって締め付けてきて……だ、だめだ、どんどん搾られてく……!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そんなニコの声に更に刺激され、俺はそのすべてを、一滴残らずニコの中へと発射した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あぁ……お腹の中が、あったかくて幸せ、です……\n主さまの……全部が素敵でした……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "すべてを放出しながらも、俺はまだニコの中へと留まっていた。その温かさと気持ちよさが、俺とニコから解き放ってくれない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ニコも、すごかった……ていうか、こうしてるだけでもまたその、大きくなってて……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そうこうしているうちに、俺は再びその大きさを取り戻していた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふふ……主さま、元気なんですね……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "力なく、だけど嬉しそうに俺を感じて、そして見つめてくるニコ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "どうぞ……動けなくなるまで、注いで下さい……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "そんな優しい声に、俺は再び興奮していた。\nこの快感を、また味わえる。その喜びからニコへと微笑みかけると、ニコも笑顔で頷いてくれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "動けなくなったら……このままお休みになっていいですから",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "その言葉に背中を押され、俺は再び目の前の身体へと手を伸ばしていた……。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"ニコ"
] | 07_Endless Dungeon | 021705h_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "あ、あの、こうでいい、ですか?",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "その……ここでいいのか?部屋とか移動した方が……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "寮の壁へとその手を付き、俺に後ろからその身を任せようとするルルウ。そのいきなりの行為に驚く俺に、けれどルルウは小さく首を振った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、大丈夫です……ここでお願いします……\n今してほしいんです……少しでも時間を空けたら、全部煙みたいに消えちゃいそうで……",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "ここがどこなのか、ルルウは分かってる。それでも、俺を見つめながら、必死に求めてくる。\nそんなルルウの姿に、俺も覚悟を決めた。\n白鷺姫として、ルルウの心の穴を埋める。その想いを受け止めると答えたからには、その必死な願いだって受け止められなくちゃいけない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……分かった。ただ、まだそんなに遅くないし、あまり大きい声を出すと……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "が、がまんしますっ。姫くんに、それはもう口では言えないようなすっごい卑猥なことをされたとしてもがんばります!\nですから、どうぞ思う存分お好きなように!",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "ルルウは、まるで気合いでも入れ直すみたいにそう言って、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも……少しだけでも優しくしていただけると嬉しい、です……",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "けれどもすぐに、恥じらうように俯いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "分かった。思いっきり優しくする",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そんなルルウの本当の気持ちに俺は苦笑を浮かべつつ、ハッキリと言い切った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……な、なんででしょう……姫くんの視線が、凄く恥ずかしいです……",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "まずは、その目の前にあったスカートをズリおろした。\n黒いストッキングの下にすける清楚な薄青の下着。それだけで俺の欲望に火が入る。そして、そんな姿を見られ、ルルウの白い頬が朱に染まった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こちらから迫った時は、まだガマンできたのに……今はもう最初から……",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "義務とかじゃなくて、ちゃんと自分の本心の行為だから、じゃないかな\nルルウ自身が、自分のためにやってる行為だから……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "自分を押し殺すことなく、ありのままでの行為。だからこそ、ルルウの本心が前に出ている。\n恥ずかしがり屋の、男にその身体を見せることすら大変な、ルルウ=カジュタという少女の本心が。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "かもしれません……ゲンくんのためとかではなく、ただルルを抱いてほしい……そう思っての行為なので……\nうう……み、見ても構いませんので、あまりじっくりはご勘弁を……",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "そんな自分の気持ちを素直に受け入れ、真っ赤になりながら懇願してくるルルウ。\nそれでも必死にガマンして、決して隠そうとしたりはしない。そんなところが健気で可愛いと思う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "残念だな。俺は凄いじっくり堪能したいのに。でもまあ、その代わりに",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺はわざと意地悪くそう言うと、その肉付きのいいお尻と、股間の食い込んだ部分へと手を伸ばした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……ああ……っ!",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "張りのあるお尻の柔らかさと、まだ固い秘裂へと指が埋まる感触とが伝わってくる。同時に、ルルウの口から、小さな喘ぎがこぼれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "すごい、姫くんの指に合わせて、ル、ルルの背中を痺れるような感覚が……\nああっ……身体が震えてしまって……な、何かすごい、です",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "お尻をゆっくり撫でさすり、その張りを堪能しながら、股間の指をそっと前後に動かす。それだけでルルウの身体が小さく震えた。\nわずかな、けれど確かな喘ぎを漏らして、ルルウが顔を上気させていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "感じてくれてるんだな。なら、もっと",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そのまま、股間の指の動きを速めていくと、そこの熱が徐々に高まっていくのがよく分かった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……はぁ……はぁ……へ、変な感じです……その、股間の部分がなんだか熱くて……むずむずと……",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "そして、俺の指先が間違いない湿り気を感知し始める。それはルルウの身体が感じ始めている証明だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "少しずつ濡れてきてる……シミになってきた……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "す、すみませんっ。ルル、はしたなくて……",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "まさか、はしたないはずがないだろ。俺との行為に感じてくれてる証明なんだから",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は苦笑しながら、更に強く指を押し込んだ。下着ごと、ルルウの秘裂の中へと指がめりこんでいく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それに、ルルウのいやらしいところの様子がよく分かるようになったし",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "さっきまでとは全然違う、熱を持ったその中で、俺は更に強く指を動かす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ……や、ああっ、そんな、だめ、です……下着、汚れてしまいます……っ",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "奥の方から染み出す蜜が量を増し、俺の指へと下着ごしに絡み始める。このままだと、確かにビショビショになっちゃいそうだな。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なら……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は、ルルウの腰に手を伸ばすと、ストッキングとショーツとを一気に引き下ろした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これなら、問題ないかな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ルルウの一番恥ずかしいその場所が、思い切り俺の視界に晒される。\nピッタリと閉じられた秘裂の合間から、透明な蜜の糸が垂れていた。その上には、きゅっと締まったお尻の穴までもがハッキリと見える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "問題は、ないのですが……でもその……\n全部、見られてしまってます……よね……?",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "うん。ルルウの一番見せたらいけない場所が、前も、後ろも全部\nピッタリ閉じ合わさって、どれだけ大事にしてたかよく分かるかな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "最初の頃からずっと言っていた。ルルウは初めてだ、と。今まで決して晒されることのなかった、女の子の一番大切な場所。それが今、完全にさらけ出されていた。\n見たいと思っても見られるはずのないそれが、すべて見えている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、はい……仮にも竜王家の血を引く娘です……貞操は守ってきました……\nでも、姫くんになら……勇者さまになら……\n恥ずかしいですけれど、き、拒否は絶対にしません……どうぞ、お楽しみ下さい",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "首筋まで真っ赤になりながら、それでも懸命に絞り出されたルルウの懇願。俺は、そんなルルウの気持ちを受け止めて、その下半身をガッシリと掴んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はあんっ!",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "女の香りの漂うその場所へと顔を近づけると、俺はそっと舌をねじ入れた。瞬間、ルルウが背中を反らせ、一際高い声をあげる。\nそのまま、ワレメに沿って舌を前後に動かすと、ルルウは身体を震わせながら喘ぎ始める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああ……熱いのが、し、舌が入って……ひ、あ……ふああっ!",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "甘いルルウの蜜が、その奥からどんどんと湧き出し、俺の口と、そして顔とを汚していった。俺はまだ足りないとばかりに、秘裂の中を攻め続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お、お腹の中が、痺れて……や、あうっ……んん!",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "ポタポタと垂れ始める蜜を存分に味わい、そのままルルウの初めての入り口をなめ回す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "中からどんどん蜜が溢れてくる……。ワレメの中、もうびちゃびちゃだ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そしてそのまま、ぷっくりと尖り始めた豆を、その皮をこじ開けるようにしてなめてやる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "き、気持ちいいんですっ……姫くんの……舌と指、が……\n何かが、奥から溢れて……あ、ああっ!!",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "湧き出す蜜は更にその量を増し、同時に、ルルウが更に大きく身体を反らす。その足が、かくかくと震えていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やあ……ご、ごめんなさいっ……も、もう立ってられなっ\nんうぅっ!!",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "びくんっ、とその身体が小さく跳ねた。どうやら軽くイッてしまったらしい。そして、そのままずるずると壁に沿って地面にへたれ込んでいく。\nうん、この体勢ならむしろ……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ、俺の方をお願いできるかな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺の願いに、ルルウは少し放心しながら、けれどしっかりと頷いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こ、これがその……殿方の、なんですね……け、結構グロテスクな感じが……",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "風呂なんかで軽く見られたりはしているはずだけれども、ここまで間近で見たのは初めてだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……すごい、熱くて……固いです……\nこれがルルの中に……思ってたより大きいんですね……",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "しかも以前見られた時より、遥かに興奮し怒張している肉棒に、ルルウは驚いていた。\nが、残念ながら、俺のこれはまだマックスに達してはいない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "その、さっき見せてもらったルルウのおかげでそうなってるんだけども……ごめん。これ、間違いなくもっと大きくなる",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "はい?これよりも?",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "風呂の一件で、それなりに大きくなることを想像はしていたんだろうけれども、どうやらかなり甘かったようだ。\nルルウは、ぽかんとした表情で、俺のそれを再び凝視する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ここから見える胸とか、その細い指の感触とか、結構やばくて……\n実は凄いガマンしてる",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "こんな半裸状態で俺のものを真摯に見つめる美少女。これで興奮しない男なんているわけがない。俺の中で、肉体的な欲望が渦巻いている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "できたら、手で……いいかな?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "その細い指で俺をしごいてほしい。気持ち良くしてほしい。そんな俺の希望にルルウは一瞬驚いた顔をして、けれどすぐに頷いてくれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、はいっ。姫くんのでしたら大丈夫です\nそれでは僭越ながら……えっと……",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "たどたどしい手つきで、そっと俺を握りしめる。ルルウのあの指が俺を握りしめている。それだけでも更に興奮するには充分すぎた。\nその上で、ルルウはそっと手を動かす。ゆっくりと、前後に、弱々しく。どうすればいいか分かっておらず、だけど一生懸命に。\nピリピリとした快感が、そこから俺の脳天へと走り始めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う……い、いい……っ\nそ、そう……もう少し強めでも……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "わ……不思議な感触、です……で、でも確かに、なんだかムクムクと……",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "温かくて柔らかなルルウの手。それが俺を擦り続ける。その快感に、俺の肉棒は、瞬く間にその大きさを増していった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あう……本当に、大きい……",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "目の前で、より固く大きくなった肉棒に、ルルウの頬が赤く染まる。それでも、ルルウは手を止めようとはせず、一生懸命に俺をしごき続けていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "その、恥ずかしいんですけれど、見ているだけでドキドキしてしまうくらいなんですが……",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "ああ……ルルウの手が気持ち良くて、俺も今、メチャクチャに興奮してるから……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "最初の頃よりも強めに握られているそれは、俺の腰をゾクゾクと震わせていく。正直、このままずっと続けていてほしいくらいだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "さっきよりも全然固くて……こ、これがルルに入るんですよ……ね?\nそれで、前後に激しく……あう……そ、想像ができません……",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "そもそも、本当にこんなものが入るのか。ルルウの顔にはそんな疑問が浮かんでいた。さっきまでの大きさならなんとか、そう考えていたんだろう。\nけれど、そんな疑問の中でも、ルルウは俺の顔を見て嬉しそうに微笑む。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、姫くんが気持ち良くなってることだけは、よく分かりました……",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "いや……俺としては、もっと気持ち良くしてほしいんだけど……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "確かに、これだけでも充分に気持ちいい。だけど、これはまだ手でしごいているだけだ。ルルウには、もっともっと俺を気持ち良くしてほしい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もっと、ですか…………あっ",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "そんな俺の言葉の意味に、ルルウは気づいてくれたらしい。経験はなくとも、知識だけは充分のようだ。本当に、どこで勉強してきたのやら。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……こ、こう、ですよね……",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "そして、その小さな唇の中からこぼれた赤い舌が、俺の先端をチロリと嘗める。その快感に、俺の下半身が小さく震えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "殿方が喜ぶ行為として、昔本で見た覚えが……",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "ま、まあ確かに、最近の本は結構過激なのが増えてきたから、知識だけならそういうのでも……なのか?",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、むぅ、んぁ……本当ですね。姫くんの顔が、さっきよりも気持ちよさげです\nそれに、腰がどんどん浮かんできて",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "案外、本の知識もあなどれないらしい。チロチロと蠢く舌先が、俺の亀頭を懸命に刺激し、その裏側にまで舌をはわす。\nそれだけでも、充分に気持ちいい。その先端に、欲望が集まっていくのが分かる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、ぁ……ルルウの舌、やばい……俺もゾクゾクってきて……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あ……姫くんの中から、何か出て来て……",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "ゾクゾクとした快感と一緒に、先走りがこぼれ出す。ルルウはそれを、嫌な顔一つせず嘗め取ってくれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、ちょっと変な味、ですね",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "そうして、その供給口である先端のワレメをこじ開けようとする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……そ、そこ、は……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "この、割れてるところ、ですか……?ん……",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "細く尖らせた舌先をその入り口へと差し入れ、その内側から俺を刺激する。その快感に、今にも射精してしまいそうになる自分をかろうじて堪えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大丈夫、ですよ……姫くんのなら……んん……あ……\nま、また大きく……凄い……こんなに逞しい……",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "そうして、その刺激と興奮に、俺は更に自分を固くしていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あむ……",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "その小さな唇を開き、俺の先端をそっと咥えるルルウ。口内の熱さが、俺の粘膜を通じて刺激してきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うぐっ……ル、ルルウ!そ、それちょっとヤバイっ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "んむ……あむ……んちゅ……姫くんの……んむ……大きくて、お口にいっぱい……",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "頑張って咥えようとしてくれるルルウだが、さすがにその口には入りきらない。可能な限り咥えて、その口と舌とで俺を愛撫する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あむ……んん………でも、この味……ぷは……あん……ルル、好き、です……ちゅぷ……",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "たっぷりの唾液で濡れた舌が、俺の先端を存分に味わっていく。電流のような刺激が俺の背筋を走り、射精感を高めていく。\n先端だけでなく、その側面から裏側まで、懸命に舌を這わし、咥えるルルウ。その快感に、俺の欲望はもう根元にまで達していた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……し、舌先が……も、もう……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そして、それを吐き出させようとするかのように、再び舌先をねじ込んでくる。瞬間、どくん、と俺の身体が跳ねた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ルルウ!く、口から出してっ……もう!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "んん……ちゃぷ……あ……んむ……どう、ぞ……お口でちゃんと……あむ……んん……",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "もう限界へと達していた俺を察してか、ルルウは離すことなくすべてを受け入れようと更に大きく俺を咥えた。\nその熱い吐息と舌の感触が、俺の堤防を容易く破壊する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、あ、あああっ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "んぐっ!",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "次の瞬間、俺はルルウの口内へと一気にそれを解き放っていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……んうっ……うく……",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "その大量の精液を、ルルウは必死に口に含む。収まり切れないそれをこぼしながら、だけど必死に、飲み込もうとしてくれていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くっ……と、止まら、ない……!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "んむ……ん、んん……",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "そして、ようやく苦しげな声と共に、ルルウは俺の欲望を、その喉の奥へと流し込んでいく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んちゅ……ん……",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "そのまま、尿道に溜まっていたものまで綺麗に吸い出すと、ちょっと苦しそうにしながらも、俺を口内から解放した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぷはぁ……すみません、予想より全然多くて、こんなにこぼしちゃいました",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "その赤い唇からこぼれる白い糸。それは何よりも淫靡な光景だった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ、いや、そんな無理に飲もうとしないでも……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "でも、殿方は飲まれたいのでは?大丈夫です。姫くんのですから、とっても美味しくいただけました♪",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "そう言って、嬉しそうに笑ってくれるルルウ。その笑顔に、復活していく自分のそれを俺は自覚していた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はあ……こんなに熱くて濃いものだったんですねえ……\nそれでは……今度はこれを、ルルの中に……",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "少しだけ愛おしそうに俺を撫で、ルルウは切なげに俺を見上げた。\n大きく足を開いて俺の上に座るルルウ。この身体の中に俺が入るというだけで、俺は興奮しきっていた。放ったばかりの肉棒も、すっかりさっきの大きさに回復している。\nそして、この体勢ならやらないといけない、とばかりに、ブラの上からその双丘を揉みしだいていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……姫くん、胸を揉むの上手、ですね……やっぱりノートさんや紅さんで……?",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "ま、まあ、どれくらいの力なら喜んでくれるか、とかはね……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ブラの上からとはいえ、その柔らかさと弾力には少しのかげりもない。ツンと固くなった先端の感触と共に、俺はその感触を存分に楽しむ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、あ……ん、ふあぁ……気持ち、いいです……あんっ……身体が痺れる感じで、姫くんの手、勝手に求めてしまう……",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "俺もだよ。ルルウの胸、凄い揉み心地良くて、手が止まらない",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "柔らかな乳房の感触と、その中心にある固い尖塔。それだけでたまらない。ルルウも、心地よさげに声を出す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んあ……あふ……そ、そうみたいですね……姫くんの、またさっきみたいにカチカチです……\nこんなに大きくて固いのが、本当にルルの中に……\nあの……ルルの入り口、こんなに大きくないですよね……?",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "ちょっと不安げに尋ねてくるルルウ。確かに、もう少しほぐしてからでないと、ちょっと辛いかもしれない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だから、ちょっと辛いかもしれない。平気か?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そんな俺の質問に、ルルウは笑顔を浮かべて言った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はい。ちょっと怖いですけど、平気です。ルルを、姫くんで傷つけて下さい。それがきっと、永遠の証になりますから……\nう……ぐ……\nあ……はぁ……ひ、姫くんの先端が、入ってこようとして、ますっ",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "固く閉じたその入り口に、俺は自分をねじ込んでいく。固い入り口を強引にこじ開けながら、それはルルウの中へと少しずつ埋もれていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大丈夫じゃないと思うけど……ごめん、ガマンしてくれ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "は、はい。予想ほどじゃないです、から……安心して下さい……っ",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "身体を引き裂く痛みを懸命に堪え、苦しげに答えるルルウ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、く……る、ルルの……思い切り広げられようと、しちゃってます、ね……",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "あ、ああ……凄い、狭くて……でも、もう少し……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "少しずつルルウの中へと俺が入っていく。やがて、ブツッ、といった感覚と共に、一気に奥へと潜り込んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んんっ!\nは、はいってきまし、た……っ!",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "ルルウの初めての証を破り、その中へと入った俺。それを、狭い秘洞が思い切り締め上げてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やっぱり、やばいな、ここ……熱くて、ギチギチに締め付けてくる……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "はぁ……はぁ……う、動いて平気、ですよ……ルルは、全然……は、激しく……お願いします……",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "その声は本当に苦しげで、このまま動かすのは正直難しそうだ。もう少し、俺を身体に慣らさせないと無理だろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え?あ、きゃっ……ち、直接っ?",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "俺は、そのブラをズリ上げると、柔らかな乳房を直接揉みしだいた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん、ルルウの乳首、カチカチだ。つまむとこんなにコリコリ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "きゃうっ!あ、はう、あんっ……や、それは感じすぎ……てっ",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "ツンと尖ったその先端を、乳房と共につまみあげる。コリコリに固くなったそれを捻るだけで、ルルウの口から一際高い声がこぼれた。\nそのまま、乳房を揉みしだき、その柔らかさを堪能する。柔らかさと固さ、それがこんな風に同居しているというだけで、奇跡の物体といえるだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひ、あ、はあんっ……だ、ダメですっ。つ、摘ままないでぇっ",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "感じすぎるのか、切なげに喘ぐルルウ。けれどそれに反して、身体は俺を受け入れ始めていた。秘洞の中を、熱い蜜が覆っていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、ルルウの中、凄い濡れてきたぞ……ほら、ぐちゅぐちゅいってる",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "小さく、軽く揺り動かすだけで、そこは淫靡な水音を響かせ始める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、だ、ダメですっ。音は立てない、で……んあ、ああっ……はぁんっ!",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "この調子なら、少し動いても大丈夫かもしれない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "少し強く動くから……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺はそう言うと、ゆっくりと下からルルウを突き上げていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひ!あ、んぐ……はぁ……あ、あん……っ",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "さっきまでギチギチだったそこは、どうにか動ける程度に潤っていた。\n熱い無数のヒダが蜜と共に俺を包んで、ゆっくり動く俺を刺激する。が、同時にルルウも、自分の体内から広がる快感に甘く喘いでいた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あ、んんっ!す、すごいです、これ……お、お腹の中からビリビリって、ひ、広がって……\nんああっ!あ、あ、ああっ……だめ……頭の中、が、まっしろ、に……ふぁ、ああん!",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "ゆっくり、少しずつ動きを大きくしていく。その度に、激しい快感が俺の身体を震わせた。\n固かったその中が、わずかながらにほぐれ、柔らかさを持ち始める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ……ルルウの中、最高だよ……!たくさんのヒダが少しずつほぐれて……俺に、からみついて……っ\n本当に、搾り出されるみたいだ……も、もう、爆発しそうで……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "こんなにも狭くて熱い中、入ってるだけでも出そうになってしまってやばい。その快感に懸命に耐えながら、俺は腰を突き上げ続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はい……はいっ……そ、その時は中に……んあん!んきゅっ、ひ、ああっ!るる、の中に……!",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "痛みはもうほとんどないのか、俺の腰に合わせるように、ルルウも腰を反らせ、大きく喘いでいた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、や、やあっ……き、きちゃいますっ!こんな、なにかのぼって……!",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "が、ただでさえ狭いその秘洞が、まるで何かを堪えるような声と共にきゅっと締まった。その刺激に、思わず出そうになるが、どうにか堪える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んんう!!や、あ、ダメ!い、いまは……あああっ!",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "懸命にこらえながら、身体を震わせるルルウ。未だ強く締まったままのそこは、俺の刺激をより強める。\n一突きする度に背筋が震え、先端から欲望がこぼれそうになった。そして、力が抜けそうになる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひ、姫、くん……!ごめんなさい、る、るる……!う……く……んん!!\nあう……ん……う……うう……も、もう、無理、です……!",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "苦しげな、だけど甘い喘ぎと共に、更に身体を震わせるルルウ。俺ももう無理だ。もう、力がほとんど入らない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああ、俺も無理、だ……。このまま、ルルウの中に……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "だ、だめぇ!も、もぉ!!",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "そんな小さな悲鳴と共に、ルルウの身体が更に強く締まる。そして、その衝撃に耐えられず、俺は一気にルルウの中へと放出していた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うくぅっ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "やあああああああああああああっ!!",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "大きく身体を反らし、絶頂に達するルルウ。その秘洞が痙攣し、そして同時に温かな液体がその上の部分から噴き出していた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え?ルルウ……これ……?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ふあぁ……姫くんが、中でドクドクって……気持ち、いいです……",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "びゅくん、びゅくん、と痙攣しながら、ルルウの中へと吐き出し続ける俺。\nルルウはそれを放心したようにただ受け止め続ける。そして、ルルウの身体から噴き出し続けるそれも止まってくれそうにない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……ルルも、でちゃって……ああ……力、はいりません……",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "すべての力を使い果たしたように、ルルウはただ呆然と、そんな自分の様子を眺めていた。\nそれは地面に、小さな水たまりをつくっていく……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お腹の奥まで、姫くんでいっぱい……はぁ……動けません……\nあー……えーと……その、ですねえ……",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "それから少しして、俺の放出とほぼ同時にルルウのそれも出きったらしく止まった。\nルルウは、ただ恥ずかしそうに笑っている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……姫くんになら見られてもっていうこと、でしょうか……",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "確かにまあ、女の子のこういうシーンは、余程特別なことでもなければまず見られませんが……それだけ心を許された、と思うべきでしょうか……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え、えへっ♪",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "俺の腕の中でごまかすように笑うルルウに、俺もただ苦笑するしかなかった。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"ルルウ"
] | 07_Endless Dungeon | 021905h_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "迷宮内は、静かだった。\n学園の行事や授業で使われているタイミングでもないので、誰の姿も見当たらない。物音すらしない。\n試験中というわけでもないから、モンスター達も放されてはいない。\nたまにいる、迷い込む生徒のことを考え、トラップなども、特別な倉庫に向かうような道でもなければ解除されているはずだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ただまあ、広さに関してはどうにもならないんだよなあ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "言わば、今の地下迷宮は、広くて複雑なただの迷路でしかない。幸い、中の配置は半年前から変更されてはいない。\n俺は目的地へと向かって、真っ直ぐに走っていく。\nミヤがどの辺まで潜ってしまったかにもよるけれど……ここに入ったってことは、やっぱり目的地はあそこしかないはずだ。\n俺とゲンさんが戦った、あの広間。勇者ゲンが亡くなった、あの……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ルルウだけじゃないんだよな……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そう。ルルウはゲンさんの仇として、俺を狙った。まあ、方法があれだったが。\nけれどルルウがそうなら、ミヤだって俺を恨んでてもおかしくないんだ。\nゲンさんの意思もあって流してくれていたけれど、あの時の光景を思い出して、また、っていうことだって……。\nけれど、それでも俺は行かないといけない。あの時、あの場所で、あの結末へと導いた俺が、ミヤの押しとどめている本心を受け止めるために。\nそうしないと、ミヤは本当の意味で、ゲンさんの、父親の願いを受け止められないはずだから。\n奥とはいえ、そこまで深い場所だったわけじゃない。モンスターの邪魔さえなければ、地図も頭に入ってる今、走ればそれほど時間はかからない。\n思った通り、そこにミヤはいた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "白鷺くん?どうしてここに……",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "ミヤは、俺がいきなり現れたことに驚き、目を見張る。そんなミヤの元へと、俺はゆっくりと足を進めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "姿が見えなくなったからさ……その、気にしてたんじゃないかって思って",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "……ルルちゃんのこと、ですか",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "まあ……ルルウをキッカケにした、ゲンさんのこと、かな……\nもし、ルルウと同じで俺のことを恨んでるなら……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "恨んで?白鷺くんを、私が、ですか?",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "ミヤはキョトンとした表情で俺をしばし眺め……やがてその意味を理解したのか、ぽん、と手を叩き、思いっきり深く溜息をついた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はあ……心配してくれたことは嬉しいんですけど、そういう風に思われていたというのは、さすがにちょっとショックですね\n多分、ルルちゃんと私とを重ねてしまった……いえ、こういう場合、気にしてくれたわけですから、重ねてくれた、と言うべきですね、結果だと思うんですけど\nこの半年、私は白鷺くんを、ずっと自分の目で見続けてきたつもりですよ。その上で、傍にいることを選んだつもりです\n怒りだとか恨みだとか、そんなくだらない感情でいたわけじゃありません",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "ミヤは、俺を叱りつけるような口調で、そう言った。その上で、小さく笑う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ですから、私とここで戦って、わざと攻撃を受けよう、とかは無しですよ?",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "う……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ミヤの想いを受け止める方法として、それを考えていたのは事実だ。それで、ミヤの気持ちが多少なりとも晴れるなら、と。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "白鷺くんは、すぐに自分を犠牲にしようとする悪いクセがありますから。それは直してもらわないと困りますよ\nそもそも、お父さまが死んだのは私のせいです。あの時、状況も考えず、制御すらできないような力を使おうとして、そして失敗……",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "その瞬間を思い出すように、目を伏せるミヤ。けれどすぐに、俺へと向けて笑顔を浮かべる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "むしろ白鷺くんは、お父さまは奴隷なんかではなく勇者なんだと、お父さま本人に自覚をさせてくれました\nあの人にそんなことを出来るの、白鷺くんだけです。お父さまの意志を継ぐ者として、ちゃんと胸を張って下さいね",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "その……ごめん。そうだよな。ミヤはもう、俺の仲間でパーティーの一員なんだから、もっと信じないと\nいや、頼りにはしてるんだぞ、これは本当に",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ええ、それは分かってます。白鷺くんに頼られるというのは、これ以上ないくらいにドキドキしますから\nでも、そうですね。せっかく王子様が追ってきてくれたんです。お姫さまになるのも悪くありません\n白鷺くんの優しさを、利用してもいいですか?",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "それが、ミヤの救いになるなら",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "迷うことなく即答、ですか。ふふ、やっぱり優しいですね、白鷺くんは\nそれじゃあ遠慮無く。白鷺くんの、私に対する負い目を思いっきり利用させてもらいますね",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "利用……?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "はい。白鷺くんの意思でなくて構いません。ただ私に脅迫されてしまったからだと思って下さい。カウントにも入れなくて構いません\n実は、白鷺くんのおかげで大切な人を失った私は、ちょっと思い出してしまって困ってるんですよ",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "ミヤはニッコリと楽しげに笑い、全然困ってない声でそう言った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "一緒にいた時間は短かったです。だけどその分、あの人は私を大切にしてくれた。思うがままに笑って、全力で剣を振り私を守って、自由気ままに道を歩いた\nあの人の隣にいた自分を、一緒に食事をしていた自分を、大きくて愉快な笑い声を、頼りがいのある逞しい身体を……すべてを、思い出してしまって\nだけどそのどれも、もう手に入らないのに",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "涙を堪えるように虚空を見上げ、そこに浮かぶあの人の姿を懐かしみ、けれどただの思い出だと思い知らされる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "この胸の中に、確かにいたんです。ゲン、というあの人は。でもそこはポッカリと空いてしまって……風が吹く度すっごく寂しくて……\nだから……だから、今この場所で、その穴を埋めて下さい\nお父さまのいなくなってしまったこの穴を、白鷺姫、という男の子の存在で埋めて下さい",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "ミヤはそう笑いながら……けれども確かに涙を浮かべて、言った。\n俺は、力尽くでミヤを抑え込む。ミヤは予想外のその行為に、小さく驚きの声をあげる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これから、ここで行われる行為は、全部俺の意思だ。俺が欲しいと思ったから、こうしてる",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "驚きに染まったミヤの瞳を真っ直ぐ見つめ、俺はハッキリと言い切った。\nミヤは涙の浮かんだその瞳を、笑みへと変えて尋ねてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もらって、くれますか?",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "目の前の細い身体をしっかりと抱きしめ、俺は言葉の代わりに行為でもってミヤへと答えた。\nミヤにとって初めての場所とするにはあまりに色気がないけれど、薄暗い地下迷宮で、俺達は肌を重ね合わせる。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"ミヤ"
] | 07_Endless Dungeon | 022202_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "あ、あんまりじっくりとは……見ないで下さい……",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "大きく足を開き、そのスカートの中を晒すミヤ。紫色のそれは、ミヤの雰囲気にも合っていて、俺の欲望を大きくそそる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "悪いけど、それは聞けないかな。俺は、ミヤをよく見たい",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "恥ずかしそうに、もじもじと足を動かすミヤ。けれどその奥にある下着から目を離すことなく、俺はじっくりと堪能させてもらう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "し、白鷺くん、本当にえっちです……\n視線、ずっと下着にいってます、よね……?",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "こういう状況で目がいかなかったら男じゃないよ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ミヤの一番恥ずかしいその場所。それが薄いたった一枚の布地で覆われている。それをこんな形で見せられて、目がいかないわけがない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そもそも、これからいやらしいことをするんだから",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そ、それはそうなんですが……か、覚悟もできてたつもり、なんですけど……",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "男女のそういう経験が一切ないミヤ。その初々しい反応が可愛らしく、俺は興奮している自分を抑えられそうにない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃうっ",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "その下着の上から、恥ずかしいワレメをそっとなぞる。それだけで、ミヤは悲鳴にも似た可愛らしい声で鳴いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え?あ、あの、今の、は……",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "どんな感じがした?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "よ、よく分かりません……その、ちょっと痺れたような……\nあ、でも、くすぐったかったような気も……",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "自分でも触れたことがないらしい。その初めての感覚にとまどうミヤに、ちょっと意外さを憶える。\n比較的大人びてるミヤなら、もう少し知っていても、と思っていただけに、これは嬉しい誤算なのかもしれない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ、もう少し……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は言うと、できるだけ優しく指を動かす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふぁっ……や、あ、なんですか、これ……",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "その秘裂の上をまさぐるように指を動かし、ワレメの中に押し入るように指に力をこめた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……く、へ、変な感じです、これ……っ。や、やぁ……頭の方まで、何かチリチリって……っ",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "そこから感じられる感覚に驚きを浮かべながら、ミヤは全身を強ばらせる。下着越しに感じるミヤの感触を味わいながら、俺はできるだけ優しく諭す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "触られて、感じてるんだよ。その、力抜いて、受け入れてみて",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "は、はい……んうっ……や、あ、む、無理です……ち、力抜けませ……んあぁっ",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "それでも、未知の感覚に怯えるように返すミヤ。俺はそんなミヤに教えるように、更に指を動かしていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、身体の方は反応してくれてる……ほら、下着、濡れてきてる",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "徐々に湿り気を帯びてくるミヤの秘所。そこにはいつしか、小さなシミができていた。\nミヤの恥ずかしいその場所を、下着越しに教えてくれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え……そ、あ、み、見ないで下さいっ。き、汚い、です……",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "ミヤが感じてくれてる証拠なんだけどな……それに、濡れるのは女の子として当然だし",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "で、でも、あの……汚れちゃいます……",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "濡れる、という感覚に実感が持てないのか、そうとしか答えられないミヤ。だったら、直接分かってもらうしかないだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ、もっと恥ずかしくなるけど……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺はいきなりミヤのスカートの中へと手をいれると、その下着をズリ下ろした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あの……これは……凄く恥ずかしい、です……",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "そこを完全にさらけ出され、ミヤは羞恥から視線を逸らす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "見られちゃってます、よね……?その、私の、あ、あそこ……",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "それでも隠そうとだけはしないのは、覚悟のためか、緊張で分かっていないのか。\n綺麗に整えられたヘアと、ピッタリ閉じた縦筋。その中からは蜜が染み出し、床へと垂れていっている。\nそこは本当に綺麗で、思わずこのまま見ていたくなってしまうほどだ……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ、思い切り見てる。少し濡れてて、でもピッチリ閉じてて……中、見るよ?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "は、はい……見ないと、その、できないですもんね……",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "羞恥に固まりながらも、どうにか頷いてくれるミヤ。俺は秘裂の両側にそっと指を添えると、静かに開いていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ……あ、あんまり開かないで下さいっ。で、できれば見るのも最小限でっ",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "誰にも汚されたことのない場所が、確かに開かれる。透明がかった薄いピンクの肉と、その中に見える小さな穴。\n一番感じるだろう突起は、まだ包皮の中に隠れて出てこない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やっぱり、ミヤの凄い綺麗だ……鮮やかな、サーモンピンクっていうのかな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "し、白鷺くんっ、わざと言ってますよねっ。そ、そんな恥ずかしい言い方!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "まあね。でもミヤ、その方が感じるみたいだからさ……ほら、濡れてきてる……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "比較的冷静なイメージのあるミヤの慌てる姿は、実は結構可愛いと思う。だからこそ、こういう時にはついいじめてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そ、それって、私が変態みたいな……",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "そんなことないぞ。見られた方がドキドキするって人は少なくないし",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "事実、広げて見られることでミヤの蜜は増しているように思えた。\n奥の方からたらりと湧き出し、お尻の方へと垂れていき、床に落ちていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だからミヤも、ほら……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は、ミヤに更に気持ち良くなってもらうため、その秘肉へと直接触れた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、あ……ん、んくっ……な、なんですかこれ、さっきよりも……",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "濡れた桃色の肉を、撫で回すようにして優しく愛撫する。\nくにくにとした柔らかな肉の感触と、そこから伝わるミヤの体温。俺はそれに満足しながら、秘所全体をいじっていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……はぁ……う、んあぁ……ぞ、ぞくぞくきて……あふ……い、いやな感じがしません……",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "明らかに気持ちよさげな嬌声を上げながら、ミヤが身体を震わせる。\n赤く上気したその表情は、ただでさえ端正なミヤの顔立ちを、より綺麗で可愛らしく見せていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふぁ、ああ……し、白鷺くんの触ってるところ、が……んっ!気持ちいい……",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "ミヤのここも、どんどん熱くなって、中から凄い勢いで溢れてくる……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "秘所の下の方、純血の証で狭められた穴の中から、とろりと透明な蜜がこぼれ出ている。それは、俺を求めてヨダレをこぼしているようにも見えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ほら、もうこんなにぐっしょりだ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "だからこそ、更に強く、俺はミヤを愛撫する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んあぁっ!は、はい……分かります……私、か、感じちゃってる……身体が、ふ、震えて……はぁんっ……",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "熱くなった秘肉は蜜で濡れそぼり、俺が撫でさする度に、ぴちゃぴちゃと小さな水音を立てる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "も、もっと、触ってほしい……ん、あふ……",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "ミヤの声は熱さを増し、その吐息もただ艶めかしくなっていく。\nそれが耳に心地よくて、もっともっと聞くために、俺は秘裂の上の包皮を押した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……はぁ……んんっ!!そ、そこ、は……きゃうっ!!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "一番敏感なその突起をいじられ、ミヤの嬌声が一気に激しくなる。わざと強めにいじってみれば、ミヤの身体が自然と弓なりになっていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、あ、だめ、そこもっとや、優しく……んあぁっ!か、感じすぎて……ひ、あ、ああんっ!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "こんなにぷっくり大きくなって……包皮の中から顔が見えてる……ほら……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "充血し、そこからはみ出すくらいに大きくなったクリトリス。その一部を直接摘まむ。\nそれだけで、ミヤは大きくのけぞった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んあっ!す、すごい……こ、こんな痺れて、あ、ひぐ……ん、あ、ひんっ",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "全身を包む刺激に快感を覚え、ミヤはただ下半身を濡らし続けた。そして、そんなミヤの姿に、俺も興奮を隠せない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "し、白鷺、くん……お、奥の方が……きゅん、ってきて、て……はぁ……んん!\nあ、あの、も、もっと……ください……ん、ああっ……し、芯の方、まで……ひゃあっ",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "そんなミヤの言葉に、今の俺が抑えられるはずもなかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "分かった。それじゃあ……本番の方を……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "その身体を蹂躙するために、ミヤの服へと手を伸ばす。\n上着を脱がされ、ブラだけになったミヤの姿。思っていたより豊かな膨らみを、その上から感じながら、俺は片足を抱き上げる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あの……な、なんだか凄いものが当たってるんですけど……",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "壁に手をついた姿のミヤに、俺は怒張した自分をこすりつけていた。中から溢れる熱い蜜を、自分へと塗りたくっていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こ、これが白鷺くんの、なんですか?その、予想よりすごいと言いますか……お、おおきくて……",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "初めて見るらしい男のそれに、ミヤは不安げな声をもらす。これが自分の中に入る姿を想像できない、そういうことだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ、それが俺のだよ。これから、ミヤの中に入る",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "だから俺は、それをハッキリと告げた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "本当に、こんなになっちゃうんですね……は、初めて見ました……\n……み、見てるだけで、なんだかドキドキします……",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "女にとって、生涯に一つだけのもの、それを今から失うということに対してか、ミヤの顔から不安は消えない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いいかい?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "やっと、奪ってもらえますね。はい",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "できるだけ優しく尋ねる俺に、ミヤもまだ固い笑顔を作って、そう答えてくれた。\n俺はゆっくりと、ミヤの中へと自分を押し進めていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うぐっ……痛!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "まだ固い扉を強引に押し開いて、俺がミヤの中へと入っていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、く……んんうっ!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "ミヤは、身体を切り開かれる痛みを懸命に堪えようとしているものの、その顔から苦痛はまったく消えそうにない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こ、これは思ってたより……辛い、ですね……っ!思い切り、ひ、広げられ、て……",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "ごめん、少しだけガマンしてくれ……思ってたより、固くて、狭い……っ\n少しずつ、進めてる、から……う、く……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ぶつ、ぶつ、と確かに広がっていくミヤの入り口。けれどそこは、中々俺を受け入れてくれない。\nそれでも俺はミヤを自分のものとするため、その中へと無理やり自分を埋めていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、はい……だ、だいじょう……んっ!\n白鷺くん、の……す、少しずつ、はいって……はぁ……はぁ……んんっ\nく……あ、あはぁ……!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "ぶつっ、と今までよりも強い感触と共に、少しだけ俺が沈み込んだ。まだ全然入りきっていないその秘洞は狭く、締め付けは痛みすら感じる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、はいり、ましたよね……どれくらい……?",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "うぐ……ミヤの中、せ、せまくて……三分の一、くらいかな……でも、徐々にならしていけば……\nす、少し動かすだけ、で……うくっ……凄い、刺激が……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "なんとかもう少し、そう思って腰を進めようとするものの、そのキツイ締め付けが、今にも達してしまいそうになる刺激を送ってくる。\nそしてミヤも、初めての痛みに、苦しげにうめいた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……はぁ……ご、ごめんなさい、あの、少しだけ、ま、待って……",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "入り口はどうにか越えたものの、ミヤはかなり辛そうだ。このまま一気に押し込むよりも、少し感じてもらった方がいいだろう。\n俺はそう考えると、下半身ではなく上半身へと意識を向ける。胸を包み込んだそのブラを、いきなりズリ上げた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え?あ、や、そ、そっちいきなりっ",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "二つの膨らみが唐突に取り出され、小さく揺れる。充分な女らしさを持ったそれを、俺はそのまま揉みしだいた。\nマシュマロのような柔らかさと、その奥にある弾力とが、俺の手に信じられない気持ちよさをくれる。\nそのまま柔らかさを堪能しつつ、その中心でツンと自己主張している尖塔を、俺は指先に捕らえる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、やぁ……せ、先端は、ダメですっ!あ、ああ……う、ん……あふっ\nきゅうっ……つ、つままない、でぇ……はぁんっ……ひ、あ、んあぁ!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "手を動かし、そのふかふかの感触を楽しむ度にこぼれる甘い声。本当に、胸っていうパーツは卑怯だと思う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ミヤの胸、ふかふかで……本当にマシュマロみたいだ……\n手に吸い付いてきて……だけど、弾力で弾かれて……気持ちいい……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "その乳首を優しくいじりながらも、乳房を少し弱めに揉みしだく。俺の手の中で好き勝手に形を変えるそれは、まさしく女の子の象徴のようだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "このまま揉み続けていたくなる……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "んはぁ……あ、ああ……や、だめ……や、優しすぎて……おかしくなっちゃいますよぉ……\nき、気持ちいいんです……あ、はぁ……ああっ……ぞ、ぞくぞくが止まらなくて……",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "そして、下半身の方に熱い蜜が湧き始める。\nギチギチだった秘洞に蜜が増え、その全体を覆い始めた。ぬるぬるとした感触が、そのヒダから感じられる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "中の方から、一気に溢れてきた……これなら、もう少し……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ゆっくりと、できるだけミヤに負担をかけないように少しずつ腰を前進させた。\nズズッ、という感触と共に、俺がミヤの中へと埋もれていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あはぁ……白鷺くんが……な、中の方にずずって……んんっ\nふぁ、あ……熱くて固い棒みたい、なのが……わ、私の奥の方、こ、こすれて……",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "俺がミヤを感じているように、ミヤも俺を感じてくれている。そのお腹の中を蹂躙していく俺を、確かに感じてくれていた。\nそれに伴い、更に蜜は増え俺の動きを助けてくれる。\nまずは負担の少ない弱振動で、俺はミヤの中を刺激した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んぁ、あ、きゃうっ……ん、んあぁ!せ、背筋、びくん、って!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "それと共に、ミヤの喘ぎも激しくなる。次々と蜜が湧き出し、結合部からこぼれていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ミヤの中から、どんどん溢れてくる……濡れやすいのか?\nでも、これなら……あ、くっ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は今度こそゆっくりと、ミヤの中を前後に動き始める。けれど濡れたおかげで動けるとはいえ、ギチギチにキツイままのそこは、俺にとっても刺激的すぎる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "キツキツで……お、俺がもたない、かも……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "少し引っ張りだそうとするだけで、全身を痺れるような快感が襲う。俺はこみ上げる射精感と戦いながら、ミヤの中の蹂躙を続けた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、動いて……んああっ!お、奥、入って!ひ、あ、ああっ",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "ゆっくりと引き抜かれていく俺の動きと、そこから再び奥へと入り込む動き。ミヤはそのどちらにも反応し、背中を反らせて喘ぎ続けた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こんこん、って……やぁ……つ、つつかないでぇ……ひ、あ、あぐ……んんっ!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "最奥の部分を軽くつついてみるだけで、可愛らしい鳴き声が、迷宮の広間内に響き渡る。\n溢れる蜜が俺の動きに合わせてじゅぷじゅぷと音を立て、そして足を伝って垂れていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……はぁ……こ、こんな、締め付けて、なんて……あぐ……う、うあぁっ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "その熱い締め付けに刺激され、俺はもう達する直前だった。このまま、ミヤの細い身体の中へとぶちまけたくてたまらない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ミ、ミヤ……も、もう……いい、か?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ふぁ……あ……は、はひ……初めて、なのに気持ち良くて……はぁ……ん、ああっ!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "けれど同時に、もっともっとこの身体を蹂躙し続けていたい、そんな思いが腰を動かさせる。\n俺の動きに合わせるように、ただただ喘ぐミヤ。その膣はヒクヒクと蠢き、こちらも限界が近いことを伝えてくれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "も、もう……き、きちゃいそう、です……あ……や、そ、そこっ!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "ミヤの一番感じるところを探るように、俺もその快感と戦いながら、その体内を貪っていく。\n別々の生き物のように、俺をバラバラにしごくミヤのヒダ。俺はその快感の前に、必死に腰を動かし続けた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひぐ、あ、ひゃ、ん、うぐ……ひ、あ、ああっ……お、奥から響いて……う、く………ん、あ、ああっ!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "できるならミヤもイカせたい。自分が果ててしまうだけでなく、ミヤを感じさせたい。そんな気持ちで、背筋を上ってくる刺激を懸命に堪えながら、俺はミヤの中を犯していく。\nミヤはもう寸前にまできてくれている。けれど俺も同じだ。もうこれ以上は耐えられそうにない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ミヤの中、あ、熱くて……も、もうっ……\nうぁ……は、あ……い、いくぞっ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "は、はいっ……ん、あ、ああっ……も、もう……だめ、き、きて、る……!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "俺が叫ぶと同時、ミヤもまた大きく天井を仰いだ。狭い秘洞が更にキュッと狭まり、俺を一気に刺激する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くぅ……ん、あああっ!!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "瞬間、俺はミヤの中で爆発した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひ、あ、んあああああああああああっ!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "同時に、ミヤもまた激しく達する。大きく背中を弓なりに反らし、自分の中に放たれる精液を、ただ感じる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "な、なにか熱いのがお腹の中に、どくどく、って……\nこ、こんなにたくさん……?ふぁ、あ……き、気持ちよくって……ああっ……",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "びゅくん、びゅくんと、俺の肉棒が痙攣し、その度に大量の精液を奥に向かって解き放つ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んんううううっ!!",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "ミヤはそれを一番奥深い場所で受け止めながら、ただ激しく喘ぎ続けた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……はぁ……も、もう出ない……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "徹底的にミヤの中へと放ち、ようやく収まった俺の射精。ミヤの締め付けの前に、本当にすべてを搾り取られてしまった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ミヤ、きつすぎて……すごかった……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "わ、私もすごかった、です……すごくい、痛くて……",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "そう言いつつも、ミヤは笑っていた。\n力が入らないのか、俺に支えられた状態で、ただ笑っている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも……なんだか嬉しい、ですね……これが、白鷺くんのなんだな、って……\nあは……これからも、お願いします、ね……",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "満足げなその笑みに、俺は苦笑しながらもハッキリと頷いた。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"ミヤ"
] | 07_Endless Dungeon | 022203h_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "あー、やっと昼飯が食える……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "先生直々のお説教からようやく解放された俺達は、校舎へと向かってとぼとぼと歩いていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "痛っ……",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "あ、悪い。もう少しゆっくり歩いた方がいいな。大丈夫か?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あ、す、すみません……その、まだ白鷺くん、入ってるみたいで……\nその、ちょっとジンジン……",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "さっき、の初体験をしたばかりだ。当然、その衝撃はまだ残ってるだろう。普通に歩くのもまだ辛いかもしれない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えっと、なんなら抱っこでもしてこうか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "うふ。それはすごく魅力的なんですけど……さすがにここでやると、色々勘ぐられちゃいますよ",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "あー……そうだな。さすがにそれはまずいか……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "授業中、抜け出しての学園内での行為。バレたらさすがに……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "にしても、長い説教だった……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ふふ。どうせだったら、何をしていたのか、ということも説明するべきだったかもしれませんね\nそうすればバリア先生も、私と白鷺くんの愛の深さに涙して、そこで終わりにしてくれたかもしれません",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "いや、どう考えても、神聖な学舎で何してくれてるんですか二人とも、で物理的説教に移行、のパターンだろそれ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そうなった時は、私と白鷺くんのラブラブパワーで勝利をもぎ取ります♪",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "そう笑顔で言い切るミヤ。この顔は本気だな。\nいやまあ、もしもの時は、俺も全力で戦うけれど……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ですが、これで、お父さまの全部を、白鷺くんは本当に受け継いじゃったことになりますね♪",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "え?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "私の中のお父さまの居場所を、白鷺くんは奪い取っちゃいましたから\nだから、これで本当にすべてのはずですよ\nこれからは、勇者白鷺姫の冒険、ですね",
"speaker": "ミヤ"
},
{
"utterance": "……ああ、そっか",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あの人が残してくれたものを、俺は受け継いだ。けれどそれはあくまでも受け継いだだけ。俺が、ゲンさんになれるわけじゃない。\nそのすべてを受け継いだ今、これからは、俺自身の何かを、そこに積み重ねていかないといけないんだな……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そうだな。これから先は、俺の番だ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そう言う俺の顔を覗き込みながら、ミヤは本当に嬉しそうに笑ってくれた。\n追伸。今日一日、ミヤは妙に機嫌良く、俺にべたべたしていた。\nおかげで、みんなの視線がそれはもう痛かったです。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"ミヤ"
] | 07_Endless Dungeon | 022205_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "ふう……みんなには悪いけど、やっぱり夜に大浴場を独り占めできるのは贅沢だよな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "日課の訓練を終えて一風呂浴びた帰りに、しみじみと呟いていたところで、俺はふと気がついた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なんか、小腹が減ったな……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "夕食はしっかり食べたはずなのだが、訓練で動いたせいだろうか、それとも一風呂浴びて気が抜けたせいだろうか。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "とは言っても、今の時間じゃさすがにな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "何かつまめるものがあればいいなと思うものの、既に消灯前で食堂も閉じてしまっている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "仕方ないか……ま、あまり寝る前にモノを食べるのは良くないしな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あら?姫くん",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "お?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "自分に言い聞かせるように呟いて、部屋に戻ろうとしたところで、丁度上から降りてきたルルウと目があった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お疲れ様です、お風呂上がりですか?",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "ああ、今丁度上がったところだよ。ルルウは?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "お恥ずかしながら、脱衣所に忘れ物をしてしまって",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "あ、そうなのか",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "思わず、何を忘れてきたのかというデリカシーの無いことを聞いてしてしまいそうになり、慌てて質問を飲み込む。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ええ、髪を結ぶリボンなんですけど。見ませんでしたか?",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "悪い、気がつかなかった",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "なるほど、リボンか。確かにああいう小物は脱衣所に忘れがちだよな。\nまあ、俺の場合、迂闊に忘れると日中は自分で取りに行けないので、毎度毎度忘れ物が無いかかなり入念にチェックする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いえ、気になさらないでください",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "もし脱衣所になかったらノートに聞いてみるといいぞ。落とし物とかは寮長が管理する事になってるから",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "普段であればルアンさんが保管しておいてくれている。今の寮長代理はノートなので、ルアンさんに変わって管理してくれているはずだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "わかりました、ありがとうございます",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "俺の言葉に軽くお辞儀をするルルウに笑顔を返して、入れ違いに階段を上がろうとした時だった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ところで姫くん",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "ん?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "さっき、食堂を覗いてましたけど、もしかしてお腹減ってるんですか?",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "見られてたか",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "くすっ、降りてくる時にちょっとですけどね。なんだかお腹をすかせた子犬みたいな顔をしていたので",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "うわ、それは恥ずかしい",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "自分では気がつかなかったけれど、軽く食堂を覗きこんだ時に、俺はそんな顔をしていたらしい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もしよろしければ、ルルが何か作りましょうか?",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "え?いいのか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ええ、勿論です。むしろこのまま空腹状態で放置していくなんて、ルルのプライドが許しません!",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "た、頼もしいな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ええ、ちょっと準備してきますので食堂で少々お待ち下さい",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "わ、分かった",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "その勢いに押されつつ頷くと、ルルウは風のように階段を駆け上がっていった。\n一瞬そこまでがんばらせるのは悪いと思ったけれど、そう言ったところでルルウは納得しないだろう。\nそれに、腹に何かを入れたかったのは事実だしな。ここは素直にルルウの言葉に甘えるとしよう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "おお……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "キッチンから漂ってくるいい匂いに思わず声を上げてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふふふ~ん♪",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "この匂いはたまらないなあ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ですよね、やっぱり料理中に漂う香りも料理の一部だとルルは思うんです",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "鼻唄混じりにフライパンを動かしながら、手際良く調理をするルルウに感心しながら後から眺める。\nちなみにルルウがメイド服なのは、本人曰くご奉仕をする以上この服装以外にありえないかららしく、先程部屋に戻ったのは着替える為だったらしい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "さすがに手際いいなあ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ふふん、この服を纏っている時のルルウに失敗はありません",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "褒められたのが嬉しかったのか、ドヤ顔で答えるルルウ。さすがと言うべきか、多少料理から目を離していても、まったく危なげない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ちなみに何を作ってるかは……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "内緒です",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "あ、やっぱり",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "何が出てくるかワクワクしながら待つ時間、これがまたいいんです",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "その意見には充分共感できる。いい匂いがする食堂で料理が出来るのを待つ時間もまた楽しいものだ。\nまあ、調理を始めてからほぼずっとルルウの後ろ姿を眺めていたので、何を作ってるのか大体予想ついているんだけれど、ここは言わぬが花というものだろうな。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はは、ルルウはきっといいお嫁さんになるよ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そんなルルウの姿を見ながら、何気なくそうこぼすと、ルルウは頬を赤らめる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お、お嫁さんだなんて……そんな、勿体ないですよ",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "そう口では謙遜しているルルウだが、俺の言葉が余程嬉しかったらしく、えへへと可愛らしい笑顔を浮かべている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まだまだオペラさんたちには負けてしまいますし、ルルなんて全然ですよ",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "いや、あの人を基準にすると、大抵の人がまだまだになっちゃうから",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あの人の場合、料理に限らずありとあらゆる意味で規格外なお方だからな。あの人に勝てないからって落ち込んでいたらキリがない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でもまあ、身内の贔屓目を除いても、ルルウはすごいと思うぞ?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "も、もう褒めてもなにも出ませんよ、えへへ~",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "そう言って嬉しそうに笑うルルウを見れただけでも、褒めた甲斐は充分にあると思うけれど、これもまあ言わぬが花だろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はい、完成です!ルルウ特製オムライスです",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "へえ、これは美味そうだなあ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "簡単なものですが、と言いながらルルウが差し出してきたのは、予想通りオムライスだった。\n形も良く綺麗に卵に包まれており、匂い一つとっても食欲を大いに刺激する。\nそして、とどめとばかりにケチャップで俺の名前とハートマークまで入った、非の打ち所がない完成度のオムライスだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "夜食ということで、塩分控えめ、ご飯少なめでお作りしました",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "悪いな、そこまで気を遣ってもらって。ほんと、ルルウはいいメイドさんだ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "くす。もう、本当にお上手なんですから",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "照れたように笑いながらも、まんざらでもなさそうに言うルルウに、こちらも嬉しくなる。\nちなみにルルウが言った通り、オムライスは若干小さめだが夜食としては充分だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ、さっそく\nいただきますっ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "はい、どうぞ召し上がれ♪",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "スプーンでオムライスをすくって口に運ぶ。見た目に違わず、味も完璧で思わず声が出てしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これは美味いなあ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "喜んでもらえて良かったです",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "いや、本当に美味いよ。これは夜食としてじゃなくて、もっとしっかり食べたくなる",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "なら、今度はお昼にでもお作りしますよ",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "ああ、是非頼むよ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そう言って俺は、スプーンを止める事なくオムライスを口に運び、あっという間に完食してしまった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いや、本当に美味かった。ごちそうさま",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "はい、お粗末様でした",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "お辞儀を一つして、こちらの食器を下げるルルウに、俺は慌ててついていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "俺が頼んだんだし、後片付けぐらいは俺が自分でやるよ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "いけません。食器の片付けまで含めてルルの仕事です。これはゆずれません",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "でもなぁ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "さすがに悪いと思ったのだが、こちらを振り向いたルルウに上目使いで言われてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それとも姫くんは、ルルからお仕事を奪う気ですか?",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "そ、それは反則だろ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そう言われたら何も出来なくなってしまうが、ここまでしてもらったのに、何も返さないというのもやはり気になる。\nそんな感情が顔に出ていたのか、ルルウはくすりと笑うと一つの提案をしてきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ今日のお礼代わりに、今度一緒にルルの手作り料理を食べて下さい",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "それじゃあ、お礼を返すどころか、むしろ積み重なってるような?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "いいえ、新しい料理の試食をお願いするので、充分に助かりますよ。要は新作の実験台です",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "ウィンクを一つしながら冗談めかして言うルルウに、俺は苦笑しながら頷いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "了解した、それでルルウが満足するならいくらでも",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "はい、ありがとうございます♪",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "実験台と言っていたルルウだが、彼女が作る料理の時点でおかしな物が出てくるわけもない。やっぱりお礼どころか、借りを積み重ねてしまっているように思う。\nけれど、ルルウの本当に嬉しそうな笑顔を見て、彼女がそれで喜んでくれるならいいか、と俺は思った。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"ルルウ"
] | 07_Endless Dungeon | 030203_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "あれ?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "開幕と同時、景気付けとばかりに放ったヴェルの一撃は、闘技場の地面を抉り、周囲に爆煙をばらまいた。\n周囲から歓声に代わって悲鳴が上がり、特に神族からはノートを心配する声も上がっている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "挨拶代わりだったんだけど、ちょっとやり過ぎたかしら……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "そんなことないですよ、さすがヴェルちゃんです",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "っ!?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "思わず呟いたその一言に、返ってきた声の位置は自分の真後ろ。\nヴェルはすぐさま振り返ると、魔力を込めた鎌を振り下ろす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "光よ、ボクを護って",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "しかし、振り向きざまの一撃は、ノートの展開した防御魔法にあっさりと阻まれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "さすがね、避けた素振りも防御した様子もなかったから、さっきので吹き飛んじゃったかと思ったわ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "はい、いきなりだったんでびっくりしました。また威力を上げましたね",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "ノートこそ、魔法に磨きがかかってるわよ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ヴェルはそう言いながら後にバックステップすると、鎌を振り下ろし衝撃波を飛ばした。そしてすかさず振り下ろした鎌を跳ね上げると、衝撃波を重ねる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "風よ!ボクを導いて!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "やっぱり、闇雲に攻撃するだけじゃだめね!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "かなりの広範囲の魔力攻撃だったのだが、身体強化魔法を使用したノートにあっさりとかわされてしまう。\n今のは恐らく、速度強化。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ、今度はボクの番です!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "素直にやらせると思う!?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "高速移動を行い、ヴェルの周囲を螺旋状に走って接近してくるノートを見て、ヴェルは思い切りその場に鎌の柄を叩きつけた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これで!どう!!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "っ!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "それと同時に、波紋の様にヴェルを中心にして魔力攻撃が全方位に広がっていく。\n範囲を優先した為にそれほど威力は無いが、これでは避けようもなく、足を止めて防御に専念するしかない。\nヴェルはそこに追加攻撃を叩き込もうと構えるが、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "光よ!道を繋いで!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "え!?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ノートは魔法で空に伸びる光の道を造ると、それを駆け上がり地面を奔る魔力の波紋を回避した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "言ったはずです、今度はボクの番だと!\n裁きの鎖!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "しまった!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "空へと駆け上がるノートを見て、次の対応を迷ってしまったのがまずかった。ノートの魔法名の宣言と共にヴェルの足下に魔法陣が描かれ、そこから無数の鎖が出現する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くっ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "とっさに飛び退き全身を拘束されるのは防いだものの、鎖の一本がヴェルの足を捕らえる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こんな、鎖!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ヴェルは即座に鎖を断ち切ろうと鎌を振り上げるが、それより先に上空に発生した強い魔力光に反応して顔を上げる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "光よ、罪を裁いて!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "空を覆うほどの巨大な魔法陣から、自分に向かって魔力砲が発射される。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "回避は無理!ならっ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "足の拘束を破壊している暇は無い、ヴェルはそう判断すると全力で上空に向かって鎌を振り上げた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "正面から切り裂くだけよ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "極限まで練り込まれた魔力の刃、それが魔力砲を中央から真っ二つに切り裂いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "…………さすがです",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "そっちこそ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "上空から落下して、離れた位置に着地したノートが賞賛の言葉を贈る。それに応えて笑うヴェル。\nあれだけの攻防があったにもかかわらず、二人とも汗一つかいていない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "今の技、ルアンさんのよね、いつの間に使えるようになったの?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "あの事件以降、色々教えてもらってるんです。きっと役に立つって。まだまだ未熟ですけどね",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "あんな魔法見せつけておいて未熟って、相変わらず力任せな私への皮肉かしら?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "くす。ヴェルちゃんだって、最近は単純な魔力攻撃だけじゃなくて、色々な事ができるようになってるじゃないですか\nボクの砲撃を消し去った一撃だって、あれだけの魔力を圧縮して制御するのは、かなり大変ですよ?",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "最近、母さまがうるさいのよ、ウチが特訓してお前をもっと強くしてやる~って",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ヴェルは笑いながら、足に巻き付いた鎖を鎌の柄で叩く。それだけで鎖は砕け、消滅した。\nかなりの規模の戦いを見せつけておきながら、談笑でもするかのように気軽に話す二人。\n既に会場内は静まりかえっていた。圧倒的なまでの力と力のぶつかり合いに、誰もが応援も歓声すらも忘れてしまっていた。\nそして、呆然と事の成り行きを見守る観客の耳に信じられない言葉が入ってくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ、準備運動はこの辺にして",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "はい、身体も温まってきましたし、遅れはとりません!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "あれだけの行為が準備運動扱い。誰もが驚きに耳を疑った瞬間だった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "さあ、見せつけてあげましょう、白鷺姫の大魔法・ヴェル=セインの力を!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "私の中にある真名に誓って、この戦いに勝利を!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "ヴェルの周囲に魔力の嵐が吹き荒れ、その背中に十枚からなる黒白の羽が出現する。\n反対にノートの周りは酷く穏やかだった。まるで周囲の魔力がノートの意思に添うように動いているかのように、ヴェルが発生した魔力の波すらノートには届かない。\n会場のあちこちから、今度はため息が漏れる。あまりに常人離れした力と、その美しさに、誰もが見とれてしまっていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "今度も初手は頂くわ!せいやあ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "そう宣言してからのヴェルの行動は早かった。その場で鎌を振り、衝撃波を飛ばすと同時にその魔力の波動を盾にする形で追走する。\n攻防を両立しつつ相手に近づく優秀な技だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "魔力圧縮……雷よ剣に宿って\nさっきのお返しです!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "くっ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "しかし、迫る魔力の波動にもノートは動じることなく正面に構え、剣に雷を宿らせると、そのままヴェルの波動を真っ向から切り裂いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "この程度じゃ牽制にもならないわね!\nけどっ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ヴェルは魔力の波動が切り裂かれると同時に、地面を蹴って方向転換、素早くノートの側面に回り込む。\nそれに対してノートは、すぐさま防御魔法を展開する事で対応する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "光よ、ボクを護って",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "はああ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "しかし、それでも構わないとばかりに打ち込まれる魔力の刃。\n十翼解放状態で膨大な魔力を注ぎ込む事で、並大抵の防御は貫くことが出来るはずだった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くっ、かったい!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "裁きの雷!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "きゃあっ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "だが、ヴェルの渾身の一撃は、ノートの展開した盾に阻まれ、カウンター気味に放たれた白い雷がヴェルに襲い掛かる。\n飛び退いて直撃を防いだものの、肌を雷がかすり、激しい痛みがヴェルを襲っていた。\nヴェルは冷や汗を流しつつ、後に後退して少しだけ距離を取る。\nさすが真名解放状態のノート。魔法の発動時間も威力も範囲に関しても、他の神族とは段違いだ。改めてその強さを理解する。\nヴェルは背中の黒白の羽に意識を集中、ありったけの魔力を刃に乗せる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これならどう!?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "光よボクを護って!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "無駄よ!どんな固い防御だろうと!この攻撃の前には!\nはああああ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "くっ、ダメ!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "ヴェルが鎌を振り下ろすと同時、周囲に耳障りな音をまき散らしながら、空間にヒビが入った。それは一気に広がり、亀裂が走り、そしてヴェルの叫びと共に砕け散る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃあああ!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "空間割砕、ヴェルが例の事件で取得した空間そのものを破壊する技の派生の一つ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "離れた箇所に、その莫大な魔力を直接たたき込み、文字通り空間を割り砕く大技。\n対象が存在する空間ごと砕かれるため、いかなる防御も意味をなさない。しかも、砕けた空間は元に戻ろうとする際に、激しい爆発のエネルギーを発生させる。\n消耗は激しいものの、魔力攻撃を主体にして闘うヴェルにとって、魔法防御が得意なノートの防御を問答無用で突き破る数少ない手段の一つだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "手応えはあった……",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "空間が戻る過程で起こる爆発により出来たクレーターには、ノートが倒れている。\nそれを見て会場内の神族が悲鳴を上げるが、ヴェルは構えを解かない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "けど……さすがにこの程度じゃ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "はい、終わってあげられません",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "そうよね!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "反応しながら背後に現れた気配に、ヴェルは振り向きざまに鎌を叩き込む。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くっ、これもなの!?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "確かにそこに立っていたはずのノートは、けれどヴェルの攻撃を受けると同時に消滅した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ダミーシルエット、大分様になってきました",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "それは神界の宰相であるミリオが滅界戦争時代に好んで使い、今も多用する、実体を持った分身を生み出す幻術系の魔法。\nかなり高度な魔法だが、ミリオを師として学んだノートとアミアも使用出来る。\n最初に空間割砕を直撃させたのも、背後に立っていたのも、魔法によって生み出された分身だった、ということだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "この距離なら、空間割砕は使えませんよね?",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "相変わらず厄介な技!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "今度は側面に現れた気配に思わず叫んでしまう。\nノートの言った通り、空間割砕はある程度距離がある対象にしか使用出来ない。\n空間が戻る際に発生する爆発が、強力すぎるが故に自分自身をも巻き込んでしまう。そのダメージはさすがに小さくない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "距離はもう取らせません!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "クロスレンジは不利……ね!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ヴェルは接近戦が苦手なわけではない。どちらかといえばパワーで圧倒するタイプだろう。\nけれど、真名解放状態のノートにはその力もすべていなされてしまう。さらに、身体能力も強化魔法でブーストされているとなれば明らかにこっちが不利だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くっ、だめ離せない",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "たたみかけます",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "鎌より小回りが利く上に、ある程度間合いを変化させる事ができる魔力剣に防戦一方になるヴェル。\nだが、さすがにこのままではまずいと、少々強引な手段にでる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "離れないなら、こうするまでよ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "ふき、とべえええ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ヴェルは自分の足下に魔力を打ち込み、ノートと自分との間に魔力の爆発を発生させる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃあ!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "爆風そのものを防げても、衝撃までは殺せないでしょ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "その爆発に、ノートは後ろへと吹き飛んだ。\n自分自身も衝撃によって傷つくが、相手の気勢をそげる上に、距離をとって仕切り直せる。この程度のダメージでノートとの距離を仕切り直せるなら安いものだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "相変わらず、なんて思い切りの良さ……でも",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "ダメージ自体は軽微だ。ノートはヴェルを真っ直ぐに見つめたまま、すぐに立ち上がる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "だがその瞬間、ヴェルの背後に突如として気配が生まれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "化かし合いでは、ボクに分があります!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "後!?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "目の前にいるにも関わらず、背後から聞こえてくるノートの声。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "また、ダミーシルエット!?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ヴェルは背後からの危険な気配に、すぐさま地面を蹴ると羽も使って大きく横へと飛んだ。\n同時に、一瞬前まで自分の背中があった場所を、見慣れた魔力剣が薙ぎ払っていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はああああ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "恐らく分身だろうと確信しながらも、ヴェルは魔力を込めた鎌を背後から現れたノートへと叩き込んだ。\nだが、その一撃を、その分身は受け止めた。ただ実体があるだけのダミーならこんなことは不可能だ。それはつまり……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うそっ!?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "残念ですが、ボクは本物です!\n裁きの鎖!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "それじゃ、あそこにいるのは!?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ノートの鎖で拘束されながら、ヴェルは視線をもう一人の、つい先程まで正面から打ち合っていたノートに向ける。\nそこには、やはりもう一人のノートの姿があった。\nヴェルの攻撃を受け止められるノートが二人、今この闘技場にいる。ただの分身なんかでは決してありえない現象。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ダミーシルエットの発展型、ダブルシルエットです。虎の子の新技ですよ?",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "!?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ノートの言葉にヴェルは理解する。今まで闘っていたノートは、本物のノートが作り出した分身……いや、もう一人の自分自身だったということを。\nつまり本体と同等の強さを誇る分身を、遠隔操作する魔法、それがダブルシルエット。\n当然、操作にはそれなりの集中と技術とを必要とするだろう。今まで通りの動きを同時に、というのは不可能なはず。\nけれどもこれで、前と後ろ、右と左。まったく正反対の方向からの突然の攻撃が可能になる。そして、マックスの動きでなければ、同時攻撃すらも可能。\nそれが、どれだけ不利な状況を生み出すか。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そんなのってありなの!?",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "そう叫ばずにはいられないノートの新技に動揺するヴェルに、二人のノートが同時に両手を向けた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これで決めます!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "くっ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "ノートは大規模魔法を放とうとしている。それを察して離脱を試みるものの、全身をがっちりと裁きの鎖で拘束されてしまっているため身動きが取れない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "無駄です、その鎖は直撃すれば古代兵器すら拘束します。いくらヴェルちゃんでも……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "諦めないわ!ヒメに教えたこと、私が守れなくて……どうするのよ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "!?\n術式緊急展開!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "ヴェルの言葉にただならぬ気配を感じて、ノートは準備中の魔法を緊急展開する。\n威力は多少落ちるだろうけれど、一秒でも早く撃たなければまずい。そんな予感がノートを無理にでも動かす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大規模必滅魔法……神よ、十字にて罰して!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "魔法名の宣言と共に、ノート本体と分身との両方から膨大な量の魔力砲が放たれた。\nそれはヴェルを飲み込んで交差し、巨大な十字架を描く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああああああああああ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "これなら!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "滅界戦争時代、ルアンが神王と共に行使した、神族における最大レベルの対個人用大規模攻撃魔法。\nダブルシルエットを使う事で、ノートは一人でこの術式を再現してみせた。\n分身の操作に結構な魔力と意識をとられているため、威力こそルアン達が使用したものより落ちているが、それでも直撃すれば対象を間違いなく灼きつくす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あああああ!砕け、ちれええええ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "しかし、光の十字架が完成したその直後、ヴェルを中心に半径一メートル圏内の空間が砕け散った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そ、そんな!?",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "空間が戻る時に発生する爆発が、天高く火柱を作り、闘技場全体に衝撃波を飛ばす。\nそれに煽られ、ノートは分身共々、闘技場の壁に叩きつけられた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "な、なんて……無茶を……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "その痛みに顔を歪めながら、ノートはゆっくりと立ち上がる。その火柱を真っ直ぐに見つめながら。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まるで、怪獣ですね、この力は",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "怪獣なんて、酷い言われようね……あなただって、ダブルシルエットなんてとんでも魔法用意しておいて",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "火柱の中心から、炎を消し飛ばしながら、ヴェルがゆっくりと出てくる。\nさすがに爆発中心点にいただけに多少のダメージは負っているようだが、戦闘に支障があるようには思えない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "割砕した空間に発生する爆発現象まで、コントロールできるようになったんですね",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "そうでなければあの爆発に自身の身体が耐えられる訳が無い。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "練習中の技だったから出来るかどうかは賭けだったけどね",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "土壇場でそれを成功させちゃうあたり、やっぱりヴェルちゃんは凄いです",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "くす、ノートに褒めてもらえると素直に嬉しいわ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "そう言ってヴェルが鎌を構え直し、ノートも剣を構える。\n互いにもう手の内は見せ合った、後は死力を尽くして闘うのみ。\nそして、今回先に動いたのはノートの方だった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ダブルシルエット展開!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "単純に考えて二対一と変わらないわよね……やっぱりずるいわそれ",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "そう言いながらヴェルが無造作に鎌を振るうと、その空間に傷が入り爆発を起こす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "空間を割って、こっちの防御を無効化してくるヒトに言われたくありません!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "そしてヴェルの空間攻撃を避けながら、ノートは分身体を遠隔操作して、魔法攻撃で援護させつつ、再びヴェルに接近しようと試みる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "当たるわけにはいきません!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "今度こそ終わりにするわよ!",
"speaker": "ヴェル"
},
{
"utterance": "互いの攻撃が交差する毎に、空間が軋み爆炎が周囲に奔る。\n再び会場内が悲鳴と歓声に彩られる中、戦いは最終局面に入った。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"ノート",
"ヴェル"
] | 07_Endless Dungeon | 030509_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "迷宮試験も終わり、最後の大イベントも終わった。\n甲冑騎士の出現の時にはどうなるかとも思ったけれど、それ以降は大きな問題もなく、トリニティは静まり返っている。\n今、この学園には誰もいない。俺と、\n彼女を除いては。\nとはいえ……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えーと……ノート?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "は、はい、なんでしょう姫くん",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "呼ばれるのを待っていました、とばかりに笑顔を返してくるノート。俺はそんなノートの姿を改めて見直し、そしてその疑問を口にした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "その、なんでナース服?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あ、これですか?あの、風邪を引いた時の看病のことを姫くんがとっても感謝してくれてたってアミちゃんが言ってたので……\nじゃあ、ボクからも感謝をって思って選んでみました。えへ",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "相変わらず、ノートの天然さは卑怯だなあ……もう何も言い返せません。\nていうか、アミアのあの声援、間違って解釈されてるんじゃないか?",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そ、それで、ですね。あの……あの、その……ご褒美のこと、なんですけど……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "もじもじと、指先と指先をつんつん突き合わせながら言ってくるノート。思い切り期待されてるのがよく分かる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大丈夫、忘れてないよ\nノートもヴェルも、凄い戦いだった。あんな戦いを見せてくれたんだ、俺もちゃんと報いないとな\nまあ、ヴェルには悪いけど、今日の俺は、ノートの貸し切りだ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あ……は、はい♪",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "えーと……それで、ここでいいのか……?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "静かなのはいいんだけれど、なんていうか、ちょっと荘厳すぎて落ち着かないというか……まるで天上から誰かに覗かれてそうな感じが。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はい。やっぱり大聖堂は、神族にとっても特別な空間ですし……そこで祝福されながらって素敵だなって……\nあの、姫くんは、やっぱりやりにくい、ですか?もしそうなら、ボク、他の場所でも……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "上目遣いで、申し訳なさそうに尋ねてくるノート。うん、ダメだな、これ。俺の負け。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いいや、構わないよ。天上の連中に、俺とノートの関係をたっぷり見せつけるっていうのも面白そうだ\nそれじゃあ、ノート……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "は、はい。どうぞ、姫くんのお好きなように……\nえへへ。姫くん、貸し切りです♪",
"speaker": "ノート"
}
] | [
"姫",
"ノート"
] | 07_Endless Dungeon | 030511b_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "え、えへへ……姫くんと……すっごく久しぶり、ですね……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "ちょっと恥ずかしそうな笑みを浮かべ、俺を見上げるノート。これだけで興奮してしまうあたり、俺もノートを求めていたんだと思う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そうだな。ごめん、最近は自分の方で手一杯で、ちょっとみんなのこと見れてなかったな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "いいえ……それでも、ちゃんと気遣ってくれてること分かってますから\nそれに、姫くん、いざという時は絶対に守ってくれますもん",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "こんな風に言ってくれる女の子が俺の目の前にいて、俺を心から思ってくれている。嬉しくないはずがない。\nそして、そんな子と、これからいやらしい行為をするんだと思うと、今までのガマンが嘘のように、自分を抑制できなくなる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はは……なんか、そんな風に評価されるとちょっとこそばゆいな\nだけど……その評価を裏切らないように頑張るよ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は本心からそう答えると、もう待てないとばかりにノートの服に手を伸ばした。\n胸の部分のボタンだけを外してみれば、そこから圧倒的な質感を持った膨らみが二つ、可愛らしいブラと共に姿を見せる。\nこの膨らみを、これから俺の思うがままに出来る。その興奮を思わず世界に感謝してしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あの……できるだけ可愛いブラ選んでみたつもりなんですけど……ど、どうですか?",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "……うん。もちろん、いい",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ノートによく似合った色合いの、だけど決して派手じゃないブラ。それは本当にノートにぴったりだ。\nこの子の下着姿を見られるというだけで、世界中の男達に恨まれても仕方ないくらいだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それに、ノートの胸、やっぱり綺麗だ……こんな大きいし……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺の手のひらからもこぼれてしまう大きさの膨らみ。その圧倒的な存在感に、どうしても目が吸い寄せられてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "姫くんも、やっぱり大きいのが好き、ですか?だったら、嬉しいです……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "大きさに関しては特に気にしない派だったはずなんだけれど、これを見てしまうとどうしても否定できない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "自分では、大きさなんて気にしてなかったんですけど……むしろその、戦う時とかに、ちょっと視界が……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "あー……それだけ大きいと、やっぱりあるか",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "足下を見る時なんかはどうしても影響するだろうし、動く時にも重くてちょっとありそうだよなあ……。\nでも、やっぱり思ってしまう。ノートは大きいままでいいんだって。\nこの二つの山を、早く見て、そして触れたい。そんな自分の欲望に、俺は素直になる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ……実物、いいかな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "は、はい……ボクは姫くんのお人形さん、ですから。その……お好きにして下さい……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "恥ずかしそうに頷くノートのブラに、俺はそっと手を伸ばした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あは……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "ズリ上げたブラの下から、メロンを思わせる物体が二つこぼれ落ち、大きく揺れる。ノートは顔を赤らめながら、恥ずかしそうに視線を逸らした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "も、もう何度も見られたり触ってもらったりしてるのに……や、やっぱりすごく恥ずかしい、です……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "それほど多くなくても、何回か身体は重ねている。それでもノートは、その清楚さを失わない。その反応が逆に俺を興奮させる。\nこんなノートだからこそ、感じさせて喘ぎ声を聞きたくなる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、そうやって恥ずかしそうにしてるノート、可愛いよ。その表情見たさに、イジワルとかしたくなる",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あうぅ……姫くん、時々イジワルです……\nで、でもでも、姫くんのイジワルだったらボク……ちょっといいかも……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "この子は本当に、尽くす子だと思う。これを計算でなく、全部天然で言ってるから凄い。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ノートって、やっぱり弄られるの好きだよなあ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そんなノートに苦笑しながら、俺は目の前の固まりをそっと掴んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……んん……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "男の俺の手でも持ちきれない巨大な物体。簡単に指が埋まる柔らかさと、ゴム鞠を思わせる強い弾力。\nちょっと強く握ってみるだけで、その気持ちよさが手のひら全体に伝わってくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "姫くんの手の感触……久しぶり、です……はぁ……ん、あぁ……\nあったかくて……身体の奥の方から、ぞ、ぞくってきて……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "そのまま胸全体を優しく揉みしだく。ノートの大きな乳房は、それに応えてくれる肉感を持っていた。それを揉むこと自体がたまらなく気持ちいい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ノートの胸も、すごくいい……柔らかくて、俺の手なんて全部埋もれて……\nだけど、強く跳ね返してきて……手が、すごく気持ちいい……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "滑らかな肌が俺の手に吸い付き、そしてたやすく形を変える。けれど、ちょっと力を緩めれば、すぐに元の綺麗な形を取り戻す。\n恐らくは、丸一日揉んでいても飽きないだろう。それほどの気持ちよさと魅力が、この胸にはあった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふぁ……あ、あふ……姫くん、手が優しいです……ボ、ボク……声、出ちゃう……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "いいよ、好きなだけ出して。ノートの声、俺も好きだから",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺は乳房を揉みしだいたまま、その中心にそびえる桃色の尖塔を軽くつねった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああっ……や、さ、さきっぽ、つねったら……ひんっ……あ、あうっ",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "その声色が、明らかに変わる。小さな突起から伝わる刺激に、ノートは甘い嬌声をあげた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふあぁ……か、身体が、しびれちゃい、ます……ん、く……ふあっ……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "こんなにも柔らかい胸の先端には、こんなコリコリとした固い突起。一度でこんな正反対の感触を楽しめるものなんて他にない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……はぁ……はぁ……い、いいです……気持ち、いい……は、ぁ……も、もっと、強くても……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "ほんとノートの胸、いいな……こんなに好き勝手してるのに、すぐに元に戻って……揉みしだくのが気持ちいい……\nそれに、柔らかいところだけじゃなくて、こんな固いところもあって……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ツンと尖った乳首を、ちょっと強めにつまんでやる。コリっとした感触と共に、ノートは大きく身体を震わせた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひゃっ、あ……ん、んうっ!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "こんなに尖って……コリコリしてる……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "柔らかさの中にあるその感触がやめられない。ちょっと激しく胸を貪る俺に、ノートは甘く喘ぎながら、やがて足を震わせだす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あん……ん、あ……はふ……ん、んん……あ、あの、ボクもう……足が……んあぁ……\nはぁ……あぐ……ん、は、ああ……ひゃ、ん……っ",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "もう立っていられないのか、ノートは倒れ込むようにして、俺に抱きついてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ、ノート、ここに……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "俺はそんなノートを支えると、そのまま祭壇へと寄りかからせた。\n祭壇の上に横になり、大きく足を開くノート。スカートも思い切りずり上がり、ブラとお揃いのショーツが惜しげもなく見えていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……姫くんの視線が、その……ボ、ボクのに……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "その中心。ノートの一番恥ずかしい場所には、もうシミができていた。今までの胸への愛撫に、本当に感じてくれていたんだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あの、少しはしたなくなってるの、分かるんです……だ、だからあんまりジックリとは……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "そう言われはするものの、俺はどうしても視線を外せなかった。男として、気にならないはずがない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん……少し湿ってるって分かるよ……でも、ノートのここ、綺麗だから大丈夫だ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ノートのその綺麗さは俺自身がよく分かっている。だからこそ、シミを作ってしまう程に濡れたその場所を早く見たい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だから、ほら……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そのショーツに手をかける俺を、ノートは恥ずかしそうに見つめながらも決して止めはしなかった。\nだから、そのまま脱がせてしまう。隠されていたノートのワレメが、俺の前にそのすべてを晒す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、やっぱり、そこ……気になっちゃいますか……?",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "うん。ノートの一番恥ずかしい所だし……男として一番見たくなっちゃう場所だからなあ……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "可愛い女の子のこの場所が気にならない男はいないだろう。綺麗で、そしていやらしい場所。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ほら、綺麗に閉じてて……少しだけ蜜が染み出てる……ノートのここ、いいな",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "閉じたワレメの間からは蜜がこぼれ、その周囲を濡らしていた。銀色の淡いヘアーが、ピッタリと肌に貼り付いている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "き、恐縮、です……あうぅ……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "そんな俺の説明に、ノートは真っ赤になって俯いてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やっぱり、恥ずかしい?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "はいぃ……そ、そこはやっぱり、姫くんにでも恥ずかしい、です……でも、大丈夫ですから、ど、どうぞ……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "どうにか羞恥を呑み込んで、俺に大切な場所を晒し続けるノート。俺はそっと、ワレメの中に指を埋めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あふ……ん、あ、ああ……ゆ、指が……ん……うぁ……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "すっかり濡れそぼった谷の中、桃色の秘肉を撫でるようにして、俺は指を動かしていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ノートのここ、凄い熱くなってる……それに、柔らかくて……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "すっかり火照ったその中を味わいながら、くちゅくちゅと水音を立てつつ前後に動かす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ、あ、ああっ!じ、上下にこすっちゃ、だ、だめです……っあ、や、ああっ",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "ちょっとかき回すように秘裂の中を愛撫すれば、奥から湧き出した蜜が、俺の手をベトベトにしていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん……少しずつ蜜が増えてきて……ぬるぬるしてきた……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "秘肉を、人差し指の腹で軽く叩く。それだけでぴちゃぴちゃと、淫靡な水音が響いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ほら、もうこんなに……ちょっと叩くと、音がする……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "あんっ……ひゃ、あ、え、えっちです、その音……あ、や、んあっ……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "自分の身体がもたらした現象に、ノートは更に恥じらいながらも甘く喘ぐ。\n秘裂の中を蠢く指に、ノートはその身体を震わせ、ただ素直に喘ぎ始めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひうっ……あ、そ、そこ……じ、焦らさないでくださ……い……あぁんっ",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "そして俺は、ノートの秘裂に手を添えると、思い切り左右に開く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、ひ、開いちゃだめっ……んあぁ!!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "中から大量の蜜がこぼれだし、透明がかったピンク色の秘肉が視界へと映し出される。\nたっぷり濡れたそこは灯を反射して輝き、ただいやらしく見えた。\nそして、秘肉の奥にある入り口。俺を受け入れるための狭い穴へと、そっと人差し指を埋めていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふあ、あぁ……や、ゆ、指がはい、って……んっ、くうっ!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "じゅぷ、っと中から蜜を溢れ出しながら、指をすべて呑み込んでしまうノートの身体。\n熱いノートの体温と、狭い秘洞とが、俺の指を存分に味わっていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ノートの中、指一本なのに、きゅうきゅう締め付けてくる……。だけど吸い付いてくるみたいに柔らかくて……\nうわ……中から熱い蜜どんどん溢れて……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "そのまま中をいじり続けた。\n指先で無数のヒダを擦り上げ、内側からノートを攻める。その刺激に、ノートも激しく喘いで声をあげた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、はぁ……ん、きゅうっ……や、あ、ひ、姫くぅん……ぼ、ぼくっ……あ、ああ!\nき、きちゃって、るんです……っ……う、く……はぁ……んあうっ",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "その刺激に懸命に耐えるノート。けれどその目はもう虚ろで、ただ快感に身を任せていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、あ、だめっ……お腹の中から、びりびりって……あ、はう……そ、そこは……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "入り口のちょっと奥。そこで指先を曲げて刺激する。ちょっとザラザラとしたそこを撫でられた瞬間、ノートは更に激しく喘ぎ、その身を大きく震わせた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひいんっ!や、だ、だめぇ……そこ、んあぁ!!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "凄いひくひくしてるよ、ノートのここ……もうイキそう?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "たくさんの蜜が秘洞の中からこぼれだし、ノートは俺の愛撫にただ身を任せる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひ、ひゃい……い、イキます……も、もう……ん、あ、はぁっ……\nうく……んあぁ……お、大きいの、きて……っ",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "もう分からない。そんな目で俺を見ながら、ノートが歯をくいしばる。瞬間、その秘洞がきゅうっと縮まった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふあああぁぁっ!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "そして、ノートが大きな喘ぎ声を響かせる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うわ……一気に締まって……中から……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "びくんびくんと秘洞を痙攣させながら、ノートは祭壇の上に身を投げ出す。\n達してしまった快感に力も入らず、ただその余韻に身を任す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……あう……ああぁ……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "ノートは、苦しげに、だけど気持ちよさげに喘いでいた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "当ててるだけなのに、ノートの凄い熱くなってるのが伝わってくる……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ナース服を脱ぎ、まさしく下着だけになったノートの腕を後ろから捕まえ引っ張った。\n今までの行為ですっかり屹立してしまった俺自身を秘裂へと押し付け、ノートの熱さをそのまま堪能する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふわぁ……あ……姫くんのが、ボクに……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "その固い感触に、ノートはまだどこか上の空状態で反応した。俺はそのまま、自分をノートにこすりつけるように、ゆっくりと前後に動かす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……だめ、です……ボク、イったばっかりで……あの……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "本当にいいのか?",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "わざとイジワルをしてやると、ノートは慌てて首を振った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ!こ、こすりつけちゃダメ、です……あ、や、ダメです……っ",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "自分の秘所で動いている俺のものに刺激をされながら、それでもノートは求めてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "姫くんの、ほ、ほしい、です……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "俺自身の挿入。俺も正直ガマンの限界だ。早くノートの中に入って、この素晴らしい身体を味わいたい。\n俺は自分をノートの入り口にへとあてがうと、そのまま一気に突き立てた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んあぁっ!!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "自分のお腹の中に、一気に俺を突き入れられ、ノートが快感の声をあげる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あぐ……姫くんが、は、入ってきまし、たっ!\n熱いのが、お、奥に……ん、あ、ああっ……や、か、感じすぎ、ちゃうっ!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "久しぶりのノートの感触に、俺の身体が歓喜していた。\n充分に濡れそぼったそこは、俺を容易く受け入れると、俺に吸い付いてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ……ノートの中、凄くいい。熱くて、トロトロになってて……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "狭くて柔らかな秘洞。その無数のヒダが別々の生き物のように、俺を包んで締め上げる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うく……凄い、吸い付いてきて……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "まだ入れただけでしかないのに、すべてを吸い出されそうになる。俺はその快感をどうにか堪えると、腰を動かし始めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひぁ、ああ……だめ、き、気持ちいいの、とまらない、です……っ",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "突き入れるたびに、ぐちゅ、っとその中から熱い蜜が溢れ出す。熱いノートの体温に灼かれながら、俺はノートの奥を叩くように突き上げていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "も、もう、こんな、の……すぐイっちゃう……!ひ、あ、ああっ!\nやぁ……奥、つ、つつかないで……んあぁっ……ぞ、ぞくぞくが、止まってくれないっ……ひぁ……あ、ああんっ!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "全方向から俺を締め上げ、しごき続けるノートの身体。その刺激が俺の脳髄を痺れさせ、腰を加速させていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "俺も、腰が止まらない……ノートの中、必死に俺を締め付けてきて……\n柔らかいヒダがさ、俺をきゅうきゅうって搾って……あ……はぁ……すごい、いい……\nああ……これがノートの中なんだな、って……う、くうっ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "まるで俺専用とアピールしているかのように、俺の肉棒を隙間無く包むノートの秘洞。しっとりと吸い付いてくるヒダの感触に、もう達してしまいそうになる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああ……はぁ……はう……お腹の、中……もうぐっちゃぐちゃで……ひ、あ、あう……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "それを必死に堪えながら動き続ければ、ノートももう限界のようだった。全身をガクガクと震わせ、ただ激しく喘ぎ続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "も、もう、頭の中、まっしろ……んあああぁっ!も、もう、どうでもいい、ですっ!\nもっと、もっとボクを、好き、に……はあぁんっ……もっと、感じさせて、くださっ!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "俺も、そんなノートを感じることだけを考え、ひたすら腰を動かす。結合部から溢れる熱い蜜といやらしい音が俺をより興奮させ、この中に放つことしかもう考えられない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んあぁ……は、はう……ん、く、ひぎ……んくぅっ……!ん、あああっ!!\nや、あ、は……だめ、も、もうキテる……も、もっと、このままで……んあ、あう……ん、ううぅっ!",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "俺の根元に集まった欲望は、もう爆発寸前だった。出したい。何も考えず、このままノートの中に放ちたい。ガマンすることが、もう本当に辛い。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "俺も、もう……このまま、出したい……いいか、ノート……っ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "は、はいっ……はいっ!こ、このままじゃなきゃ、ヤ、です!ぬ、抜かないで……んきゅうっ\nふあ……あ……ああ……あ、あは……も、もう、ボク、む、無理で……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "う、くっ……じ、じゃあ……奥にだ、出すぞ、ノート!!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "これ以上はもう無理だった。ガマンをしたくない。俺は、一番奥へと向けて思い切り腰を突き出す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あああっ!",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "瞬間、すべてがノートの体内へと向けて爆発していた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んあああああああぁぁっっ",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "一番深い部分の壁へと向けて噴き出す俺の精液。その刺激と共に、ノートは思い切り背中を弓なりに反らし、悲鳴のような鳴き声をあげた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……はぁ……う、うぐ……と、止まらない……っ",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "ドクドクと溢れる精液を、ノートがひたすら受け止め続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はう……う、ああ……ひ、姫くんが……びゅーって、ああ……\nな、何度も……いっぱい……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "その一番深い口へと向けて、何度も何度も俺は放出を繰り返す。\nそれからどれくらい経ったのか、俺はすべてをノートの中へと注ぎ込み、今はただノートの感触を味わっていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……ボクのお腹の中……姫くんでいっぱい、ですよぉ……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "放心しながらも、嬉しそうに言ってくれるノートの言葉に、思わず反応してしまいそうになる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ……俺も凄い気持ちよかった……\n一気に全部出し切った感じで……",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "すごく……姫くんに愛されてるなって……感じちゃいました……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "その中に大量の俺の精液を溜めながら、それをお腹で味わうような、そんなノートの言葉。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あの……またたくさん、して下さいね……?",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "もちろん。こんな気持ちいいこと、絶対またしたくなるから",
"speaker": "姫"
},
{
"utterance": "はい……えへへ……",
"speaker": "ノート"
},
{
"utterance": "躊躇無く言い切った俺に、ノートは幸せそうに笑ってくれた。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"姫",
"ノート"
] | 07_Endless Dungeon | 030512bh_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "…………",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "日付も変わろうかという深夜の丘、そこでルルウは一人月を見上げていた。\n周囲に人影は無く、ただ静かに草の揺れる音だけが聞こえてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "良かった、来てくれたんですね",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "相変わらず人影は無い。ルルウ自身も気配すら感じていない。\nけれど、そこに居る事は分かっていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "一応気配を消してた筈なんですけどね",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "ええ、とてもお上手でしたよ、ただし上手すぎて違和感を感じてしまっただけです",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "恐らく幻術系の魔法で気配を遮断していたのだろう、闇の中からゆっくりとニコが姿を現した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、良かったです。来てくれなかったらどうしようかと思いましたから",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "…………",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "ニコは戦闘服を身に纏い、気配遮断をしてルルウに近づいていた。もし普通に呼び出しに応じただけなら、そんな事をする必要は無い。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "その様子だと、手紙は読んでもらえたみたいですね",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "ニコの装いに特に驚きもせず、ルルウは笑顔でニコに問いかける。ニコはこくりと小さく頷いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "出来る事ならルルの勘違いであって欲しかったんですけれど、どうやらその格好を見る限り、当たりだったみたいですね",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "迷宮試験の終了直後、ルルウは一通の手紙をニコのカバンにへと潜ませていた。\n内容は単純明快、“甲冑騎士について話がしたいので今夜会って欲しい”それだけだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ずいぶん単刀直入ですね",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "いえ、そうでもないですよ?もしルルの勘違いであれば単純に甲冑騎士について話し合って終わりにしましたもの\n実際文面だけ見れば、ただ甲冑騎士についての相談があるのか程度で、正体について言及されると思うヒトは少ないんじゃないでしょうか\nもっとも、甲冑騎士の正体に心当たりがあるヒトなら、話は別ですが",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "…………なるほど、ニコははめられた訳ですか",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "そう、ルルウはわざと曖昧な文章をニコに送った。普通に見れば何てことのない手紙だが、胸に一物を抱える者が見れば、深読みせずにはいられない文章だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こういうテクニックも色々教えてもらっていましたので",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "ルルウの言葉にニコは軽く肩をすくめる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "参考までに、なんで気がついたのか教えてください",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "甲冑騎士の戦い方です、ニコちゃんの癖が出てました",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "癖、ですか?",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "ええ。戦闘方法なんかは結構しっかりごまかしていたみたいですけど、戦術や標的の選びかた、攻撃の順番、距離の取り方や好みの間合い\nこういった、長年の訓練で染みついてしまった癖は簡単には消せませんからね",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "ルルウの言葉にさすがのニコも絶句してしまう。たった一回の戦闘でそこまで完璧に見切られるとは夢にも思っていなかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "驚きました?ルルに戦い方を……いえ、生き方を教えてくれた人は、そういった事が本当に得意な人だったんですよ",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "……良い師に恵まれたんですね",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "ええ、本当にそう思います",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "ニコからの純粋な賞賛に、ルルウはゲンの事を思いながら笑顔で頷いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、残念ながら教わった技術のおかげで、友達を疑う事になってしまいました",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "違っていれば、ルルの勘違いであれば、どんなにいいと思ったか……\nけれど、気づいてしまった以上確かめない訳にはいかなかった\nそして、自分の考えが正しかった事も、今分かってしまった……そうなった以上、何もしないわけにはいきません",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "ルルウはニコをまっすぐ見つめて問いかける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "教えていただけませんか?なぜあんな事をしたのか",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "…………",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "ルルウの言葉には優しさが含まれていた。ここで罪を認め、真実を話してくれれば手を貸すと。\nしかし、ニコはゆっくりと首を横に振る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "どうしても、ダメですか?",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "出来ません",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "今度は言葉による否定、そしてニコは無言で武器を構えた。\nルルウはそれを見て肩をすくめる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ニコちゃんの真意はルルには分かりません、きっと深い事情があるんでしょう……けれど",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "そう言ってルルウは自らの得物を手に取った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あなたが、ルルの仲間を……姫くんを傷つけるなら、それを黙って見過ごすわけにはいきません\nだから……無理矢理にでも聞かせて貰いますよ、あなたの真意を!",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "力強い言葉と共に斧を構えるルルウ、ニコも殺気を放ち、自分が本気であることを示す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……はあっ!",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "先に動いたのはニコの方だった、相手の武器はバトルアックス。リーチと破壊力では圧倒的に相手の方が上だ。\nだからこそ先に動き、その懐に飛び込もうと考えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "無駄です!",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "しかし、ルルウはその場から動くことなく、バトルアックスを力任せに地面に振り下ろした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "!?",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "その衝撃で吹き飛ばされたつぶてが、ニコの全身を打つ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はあっ!",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "そうして動きが鈍ったところに、殺気と共に横薙ぎに払われたバトルアックス。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うっ、ああ!?",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "ニコはとっさに防御魔法を展開して護ったものの、防御魔法ごと後に大きく弾き飛ばされた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "さっき言いましたよね?ニコちゃんの癖も戦い方も把握済みです!",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "くっ!主さまの怒り!",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "今の一瞬でニコは接近戦は不利と悟ると、魔法戦を主体にした遠距離戦に切り替える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はあああ!",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "!?",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "しかし、その魔法攻撃はあっさりとバトルアックスの一薙ぎで打ち払われた。生半可な威力のすべてを打ちのめす圧倒的な物理的パワー。それが、ルルウにはある。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "距離を取るだけじゃルルに勝てないですよ!",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "そう宣言するなり、ルルウは地面を震脚の要領で打ちつけ、地面に落ちていた拳大の石を浮き上がらせると、それをバトルアックスでニコに向かってフルスイングした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なっ!?",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "慌てて避けるニコの横を、砲弾もかくやという速度で石が飛んでいく。\nあんな物の直撃を受ければ、下手すれば四肢がちぎれ飛ぶ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "驚いている暇はありませんよ!",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "くっ、主さまへの忠誠!",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "ニコはすかさず身体強化魔法を発動させる。\n全ての特徴を併せ持つ第五種族であるニコは、元々竜族並の身体能力を持っている。\nそこに強化魔法を重ね掛けする事で、既存の竜族以上の身体能力を発揮できるはず、なのだが……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ムダです、ニコちゃんの動き、全部見えてます!",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "その動きは、すべてルルウによって押さえられていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "近づけない……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "幻術魔法等も多用し、相手の死角からバトルアックスの間合いの内側に飛び込もうとするのだが、例外なく回り込んだ先に狙ったようにバトルアックスが飛んでくる。\nこれではもし迂闊に間合いに踏み込めば、上半身と下半身が泣き別れすることになる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これじゃあ!",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "はあっ!",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "ぐうっ、きゃああ!",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "何とか間合いの内側に飛び込んでも、竜族の気鱗に物理攻撃は阻まれ、更に竜族の身体能力による膝蹴りや拳が容赦なく飛んでくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "っ!!",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "あら、残念",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "こちらを掴もうと飛んで来た左手から離脱するために、思い切り後方にジャンプする。ようやくつめた間合いが、再び空いてしまった。\nもし今の左手にどこかを掴まれていたら、間違いなく竜族の握力で握りつぶされていただろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "強い……",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "冷や汗を流しながら思わず呟く。\n決して侮っていた訳ではないが、ここまで圧倒されるとは思っていなかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はい、ルルは強いですよ。なにせ元勇者直伝ですからね",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "そう言って笑うルルウを見て、ニコはこのまま闘えば自分が負ける事を自覚する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "認めます、今のままではニコは貴方に勝てません",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "なら、出来れば真意を話してくれるとありがたいんですけど……ルルもこれ以上はあまり闘いたくありません",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "すみません、それはできません……だから、これからニコも覚悟を決めます",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "ニコの瞳に今までにないものが映る。それは危険だ。ゲンによって鍛えられた直感が、ルルウの中でそう告げる。\nその輝きに、ルルウは何が起こってもいいように警戒を強め身構えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "どんな手を、どんな手段を使っても、ルルウ……あなたに勝ちます!",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "!",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "そして、そう宣言したニコの背中に、その覚悟を示すように八翼が展開される。\nそれは、ヴェルさえ除けば、紛れもない魔族の最高峰。歴史に名の残るような偉大な魔族しか持たないはずの、偉大な翼。\n八翼。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "かつての、ヴェルさんと同じ八翼ですか",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "はい、これがニコの全力……ニコの、全てです!",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "言葉通り全ての力を解放したニコ。その周囲に起こった異変にさすがのルルウも目を見開いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そんな、これは……",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "それは、決してありえないはずだった。ニコの力で、能力で、出来るはずのない攻撃。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いきます……たとえルルウ、貴方を殺す事になったとしても……ニコは!",
"speaker": "ニコ"
},
{
"utterance": "くっ!!",
"speaker": "ルルウ"
},
{
"utterance": "そうして地面を蹴ったニコに、今度はルルウが圧倒される番だった。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"ニコ",
"ルルウ"
] | 07_Endless Dungeon | 030600_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "ふう……相変わらずみんな、すごい積極的なアタックだったなあ\nでも、みんな姫にぃのことを想ってるからこそ、の態度なんだよね……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "ついさっきまで食堂で行われていたやり取りに、皇女は溜息をついた。\nそして、なんで自分が溜息をついたのかに気がつき、慌てて顔をあげる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……あたし、嫉妬してるのかなあ……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "実家にいた頃、姫を見ていた異性は自分だけだったはずだ。姫のいいところを、魅力を分かってるのは自分だけだって思っていた。\nけれどもここでは、たくさんの女性が、それも自分なんかより遥かに美人で、強くて、なんでもできるような人たちが、姫だけを一途に見ている。\n姫にとって、兄にとって自分は必要ないのかもしれない。そんな気持ちが、胸の奥にある。当然、姫自身は絶対に否定するだろうけれど。\n姫の視線を、ちょっとでもいいから自分に向けたい。見てほしい。想ってほしい。こう考えることはワガママなんだろうか……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あたしも、もう少し何か姫にぃに……って、あれ?これって何か危なくない?なんていうか今の……その、恋する乙女的な発想じゃあ……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "発想どころか、顔そのものが見事に恋する乙女だぞ",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "きゃああっ!カ、カミシアさん!?い、いったいいつの間に?",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "もちろん、皇女が好き好きお兄ちゃん、な顔で、どうしたらこの恋心に気づいてもらえるかなー、とクネクネしてたあたりから",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "そ、そんなことはやっていませんっ",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "いやあ、そんなオーラが全開放出だったからなあ。それはもう丸わかり",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "慌てて反論しようとするも、考えていたことが考えていたことなだけに、皇女は言葉に詰まってしまう。\nそのまま真っ赤になりながら、諦めてベッドに腰を下ろした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ねえ、カミシアさん。姫にぃってさ、やっぱりヴェルさんとか、みんなのこと好きなんだよね",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "それは間違いないな。なんだかんだいって、パパはみんなをちゃんと愛してくれてるぞ。だから私たちも、安心してパパに一途でいられるわけだ",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "……その中にはさ、その……異性へのって意味じゃなくて、あたしのことも入ってるのかな。妹として……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "私としては、むしろ異性への意味としてくんずほぐれつしたい、の方が楽しそうなんだが\nまあ、肝心の皇女本人が、あくまで妹としてを望むならそれも良さそうだな\nで、なんだか妙に自虐的っぽいが、何かやったのか?",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "やったというか、何もやってないというか……昨日も、迷宮試験のこととか、おめでとうすら言えなかったし",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "むしろ、妹なんだから気軽に言えばいいだろうに",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "意味が分からん、とばかりに小首を傾げるカミシアに、だが皇女は、恥ずかしそうに人差し指をつんつんとつつき合わせる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なんていいますかそのぉ……変に妹であるせいで、そういうところで言いにくいというか、一歩引いちゃうというか……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "ああ、なるほど。逆なのか",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "妹だからこそ、特別な関係でなさすぎて、そういう特別な言葉を言いにくい。確かにそれはあるかもしれない。カミシアは理解した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だったら、改めて皇女が出来ることで何かお祝いでもあげればいいんじゃないのか?妹だからこそ、変な勘ぐりもなく受け取ってもらえるだろう\nまあ、身体を差し出すというのが一番安上がりだろうけれどな。パパはそういうの、押しまくると意外に受け取ってくれるぞ\nそういう弱さが、パパの可愛いところなんだよなぁ……あー、まただっこしてほしいなあ",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "安上がりどころか、一番高くつきますから、それ!生涯で一つだけのものを差し出せとか、そんな……その……まあ、確かに特別な感じは……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "ふふーん。皇女も満更ではない、と。ま、誰が見ても、それなりのブラコンみたいだしなあ",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "う……否定はできない、かも……",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "子供の頃から一番身近にいた男性。そして何より、一番自分を見て、守ってくれていた存在。\nここに来るまで、そんな意識をしたことはなかったけれども、こうして改めて考えてみると、納得せざるを得ない自分がいる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "妹だからこそ特別なことができない。妹だからこそ簡単にできる。どっちも正解だろうな\nただまあ、私たちからすれば、皇女の立ち位置は羨ましいかぎりだぞ。何もしなくたって、パパに意識してもらえる立場なんだから\n私たちの場合は、意識してもらうのに何らかの行動がいる。その結果が、今の状態というわけだ。まあ、妹としても、たまには何かしていいと思うけどな",
"speaker": "カミシア"
},
{
"utterance": "……そっかぁ……そうだよね。すること自体はおかしくないよね",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "妹としてでもいいから、何かしてあげられること。皇女は少しだけ考え、そしてベッドから立ち上がる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ちょっと、姫にぃのとこ行ってくる",
"speaker": "皇女"
},
{
"utterance": "そう言って部屋を出て行く皇女を、カミシアは笑顔で見送った。",
"speaker": "地の文"
}
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"皇女",
"カミシア"
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