conversations
listlengths 4
337
| speakers
sequencelengths 2
3
| product_name
stringclasses 10
values | file_name
stringlengths 19
26
|
---|---|---|---|
[
{
"utterance": "陽も沈み、すっかり暗くなった通学路を、空と二人で歩いていく。\nといっても、並んで歩いてるわけじゃない。自分の速度でどんどん前を歩いていく空を、僕が後ろから追っていく。\n他のみんなはさっさと帰ってしまっていた。友情って美しいよね。まあ、わざと気を遣われたのかもしれないけど。\n道を歩く人もほとんどおらず、帰宅途中のサラリーマンが数人歩いている程度。\nその静けさの中、妙に響く僕達の足音が、ちょっと寂しい。\nそれは、僕と空の間に流れるどこか張り詰めた空気のせいもあるかもしれない。\n僕ら二人の間に流れる、妙に冷めた空気。嫌い合ってるだけじゃない。仲が良かった二人が、お互いを本気で無視しようとしている、そんな空気。\n猫の件は、あれからすぐに片付いた。\n両親とケンカし、かわいがっていたペットを連れて友達の所に家出。\nだけどペット不可のマンションなので、昼間、誰もいないところに残しておくわけにもいかずに連れてきたらしい。\nでも学園に持ち込めるはずもなく、下校までと校庭に隠しておいたら、鍵が壊れていて行方不明になっていたとか。\n今日もさっきまでずっと捜してたいたらしいんだけど、空はよく見つけられたよなあ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大地",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "そんなことをぼんやりと思いながら歩いていると、突然空が立ち止まり僕を呼んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "予想外の行動に、思わず僕も立ち止まる。\nけれどそんな僕に空は応えることなく、ただ黙ってその小さな背中を見せ続けていた。\n星座になったから、なんだろうか。僕の中にある空と何も変わっていない、小さな背中。\n空はそのままゆっくりと空を見上げて、やがて覚悟を決めたみたいに振り返った。\nその瞳が僕を、僕だけを見ている。強い意志を、僕への怒りを満たさせて、ただ真っ直ぐに僕を見上げている。\nそして、その小さな唇が、ゆっくりと震えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なんで……守ったの",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "尋ねるのでなく、非難するような口調の質問。一瞬なんのことかと思ったけれど、すぐに気付いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なんで……あの学園にいるの",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "……約束だったから",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "それが約束のことだと。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……あんな約束、もうなんの意味もなくなってることくらい分かってるのよね?",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "うん、分かってる",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "その強い瞳を見つめながら僕は答える。空はそんな僕の顔を睨め付けたままそれを聞くと、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "バカみたい",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "吐き捨てるみたいに言い切った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "家から一番近いから。せめてそんなくだらない理由でも言ってくれれば、わたしもまだ納得出来たのに",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "それはそうであってほしかったっていう、願いみたいにも聞こえた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なんで今更……守るの。殺したままにしておいてよ!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "それはそうであってほしかったっていう、祈りみたいな叫びだった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "約束したのは、あなたじゃない。なのに、なんで!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "そう。その約束をしたのは僕じゃない。それを果たせる人はもういない。\n守れないと諦めていたはずの約束を別人によって果たされてしまった時、それはどんな想いに繋がるんだろう。\n空にとって、それがどれだけ大切な約束だったのか、今の僕にはよく分かる。それを、僕が果たしたところでなんの意味もないことも。\nだから僕も、そんな約束忘れようと思った。思ったけれど、結局忘れられなかった。\nその結果が、まさかこんな現実に繋がるだなんて、夢にも思っていなかったけど。\n七星さんに言わせれば、これが僕の運命ってやつなのかな。\nけれども、今これだけは言える。言っていいと思う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それでも僕は、今の自分を後悔していないよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……っ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "その時漏れた空の言葉は、聞き取れなかった。だから、どんな想いで言ったものかも分からなかった。\n空はそれからしばらく黙って僕を睨み付けると、不意に恥ずかしそうに視線を外した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "結局、わたしがきっかけを作っちゃったみたいね……大地の試験への関わり……\n本当にバカだ、わたし……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "いや、たまたま陽夏さんが選んだ試験がそれだったってだけで、別に空のせいじゃ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……ありがとう",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "呟くような、本当に小さなその声に、思わず聞き逃しそうになる。だけど確かに空はいった。\n間違いなく、『ありがとう』って。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……って、何?その、この世の終わりでも見たような、いつも通りの変な顔",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "いや、それいつも通りって僕泣いちゃうよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "なら言い換えてあげるわよ。おかしな顔",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空はそれだけ言うと、また背中を向けてどんどんと歩きだす。\n……今のありがとう、もしかして、さっきの猫の件かなあ……。\n律儀にお礼を言うさっきの空の姿を思い浮かべて、僕は小さく笑った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "本当に、空らしいなあ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そして慌てて小さな幼なじみを追いかける。\nなぜだろう。本当になぜか分からない。\nだけど僕は今、この十二星座候補試験、協力を引き受けてもいいんじゃないかなって気がしていた。\nこのまま空の傍にいる。それが凄く魅力的なものに思えて。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……もしかしたら、最初からこうなること計算してたんじゃないだろうな、陽夏さんと七星さん……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だとすれば、十二星座恐るべし。\n見上げてみた夜空には、当然星なんて見えもしなかった。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"空",
"大地"
] | 01_StellarTheater | 01_Z07_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "周囲を見回してみると、プールの中で綺麗に泳いでいる星亜の姿を見つけた。\n星亜なら、真っ先に調べに行くかと思ったけどそうでもないんだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "星亜",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "星亜は僕の呼びかけに気付いたのか、泳ぐのをやめると立ち上がり、僕の方へとやってきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いいの?聞き込みとか行かないで",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "いや、それ僕のセリフだし\n星亜こそ、こんなとこで呑気に泳いでていいの?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "別に呑気なわけじゃないわ。私なりの捜査は、ちゃんとしてるもの",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "星亜は言うと、更衣室の方へと視線を向ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なるほど。その素敵ボディを見せつけることで男達をハニートラップにかけ、あらゆる情報を引き出そうという魂胆だね!さすが星亜だ、鬼すぎるよ!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ち・が・い・ま・す!\nただでさえ他の人たちがあの周辺を探ってるのに、私まで行ったりしたらそれこそ怪しまれるでしょう\nだから、こうやって少し離れたところから様子を窺ってるの。怪しい奴がいないか",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "ああそうか。言われてみれば確かにそうだね。こうして見てるだけでも、あま姉とか頑張ってるし",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "更衣室の前では、あま姉が観葉植物の後ろに隠れて見張っていた。\n……あれだと余計警戒されるんじゃないのかなあ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あと、ちゃんと保険は仕掛けてあるわ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "保険?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ええ、罠。タオルをね、わざと置き忘れてるのよ、あの入り口に",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "星亜は分かるわよね、と笑いながらウインク一つ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なるほど、さすがだね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そういうことよ。あまり大勢人が集まりすぎても、かえって警戒させるだけだもの\nとはいえ、こうして泳ぎ続けてるだけっていうのも怪しいし、適度に上がるけど",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "星亜は言いながらプールサイドの方へと向かうと、ハシゴを掴み上にあがった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うわ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕の目の前だっていうことを忘れているのか、それとも気にしていないのか、星亜の指がお尻の方へと回ると、その裾を掴んで食い込みを直し始める。\nなんていうべきだろうか。僕に向けられたままのお尻と、食い込んだ水着。その隙間に入れられた指とが妙にいやらしい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "水の中にいるっていうだけで、結構疲れもするのよね",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "た、確かに、水泳っていうのは全身運動だし……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "適度に水分も取っておかないと、すぐバテちゃう",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "……糖分も……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そうね。疲労に甘い物はよく効くわ\n橘くんも、調査に必死になりすぎて、自分の体調のこと忘れないように気を付けなさい",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "…………",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "どうかした?急に静まったりして",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "橘くん?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "唐突に言葉の無くなった僕を心配したのか、星亜が後ろへと目を向ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そして、僕が今何を見ているのかを悟ったらしい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃああああっ!",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "まるで飛び跳ねるような勢いで、星亜は立ち上がり、お尻を隠した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "な、ななななな何を見てるのよっ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "いや、突然目の前で男として目をそらしては女性への侮辱となる光景が広がったから",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あう……そ、そういう時は、逆に目をそらすものでしょうっ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "でもそれだと、そんなに魅力ないのか、ってならない?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ならない!",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "星亜は真っ赤になりながら即答で否定した。そうか、僕を気にすることを忘れてたんだなあ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あー、もう。初めて会った時といい、どうして橘くんの前だとこう……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "タイミングの神を降臨させる男、とはたまに言われます",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あ、凄いジト目になった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ほんと、橘くんの前じゃあ油断一つ出来ないわね……\n私、少し休むわ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "星亜は深く溜息をつくと、売店へと足を向けた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "タイミングの神様っていうのは、やっぱりいるよね、絶対",
"speaker": "大地"
}
] | [
"星亜",
"大地"
] | 01_StellarTheater | 02_Z08a_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "……何をやってるんだろう、これは。\n目の前にいる姉の姿に、僕は素直に首を傾げた。声をかけるべきか、それともそっとしておくべきか、正直悩む。\nとはいえ、このまま放置しておくのもちょっと気が引ける。ここは素直に声をかけておくべきだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あま姉、何やってるの?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕は、更衣室へと向かう通路の入り口、その前に置かれた観葉植物の後ろに身体を隠したあま姉に声をかけた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大くん、し~っ",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "唇に指を当て、お静かにと注意するあま姉。もし僕があま姉の知り合いでなかったら、間違いなく怪しい人物として筆頭にあげただろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……あま姉、静かにしたところでもうやたらと目立ってるよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そんなことないわよ。このちんまい身体をいかした実に見事な隠密行動。あたしの灰色の脳細胞が導きだした完璧な作戦っ",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "いやあ、どっちかというと、七色に輝くおめでたい脳細胞って感じだけどなあ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "お姉ちゃん、そんなこと言う心ない人間に大くんを育てた覚えないわよっ\n……むう",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉は拗ねたように頬を膨らますと、頬を赤らめながら観葉植物の後ろから出てきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まったく、すっかりずるっこい子に育っちゃって。お姉ちゃん悲しい\nあー、でもやっぱりかわいかっこいいぞ、この弟めーっ",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "うわっ。あま姉、抱きつくの無し!じゃなくてやっぱり有り!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "胸なんかなくっても、この温もりでご飯三杯はいける!",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "よーし、大くんパワーを思う存分充填したところで、再び調査に入るわよ",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "これは多分、この状況に自分が気に入ってるんだな、きっと。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん、頑張って……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ここは邪魔をしないでおこう。したら多分僕の負けだ。\nそうして立ち去ろうと振り返ったところで、手すりにタオルが一枚引っかけられてるのに気付いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "タオル?これってあま姉の?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ああ、そのタオル星ちゃんのよ。ずっと置きっぱなしなの",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "忘れ物?それなら届けてあげた方が",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "んー、でも本人気付いてるみたいよ、ほら",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "視線で、プールの方を示すあま姉。同じ方角に視線を向けると、そこにはプールサイドに腰掛けている星亜の姿があった。\n時々様子を確認するように、こっちの方へと視線を少しだけ向けてくる。\nどうやらプールで泳いでるフリをして、ちゃんと更衣室の方を探っているみたいだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "さすがだなあ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕も、ちゃんと調査を続けよう。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"大地",
"天音"
] | 01_StellarTheater | 02_Z08b_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "ええ、昨夜陽夏さんから解決した、というお話を伺いました。橘くんも、お疲れ様でした",
"speaker": "昴"
},
{
"utterance": "いえ、あの時ここで明葉さんと白鳥さんに会えなかったら、まだ終わってなかったでしょうし",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そう言って、昴先生の淹れてくれたコーヒーをすする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そういった人達に出会ったのも、橘くんの築いてきた縁の力ですよ。ぜひ誇って下さい",
"speaker": "昴"
},
{
"utterance": "ありがとうございます。それじゃあ、すみません。これから部室の方に行くんで、これで失礼します",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ええ、みなさんにもよろしくお伝え下さい",
"speaker": "昴"
},
{
"utterance": "放課後、部室に集まる前に保健室へと立ち寄り、その足でまた部室へと向かう。\nまあ、陽夏さんと昴さんの関係のこともあるし、なんだかんだいっても、ここに明葉さんと白鳥さんが集まってくれてたおかげで解決もできたわけだし。\nある意味、昴先生が解決させてくれたようなもんだよなあ。いや、本当に感謝です。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "にしても、さすが陽夏さん。昨日報告受けてから、全力ダッシュで昴先生のとこきたんだろうなあ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "なんていうか、本当に凄まじいカップルだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "さて、と。とりあえず報告も済んだし、部室に急ごう",
"speaker": "大地"
}
] | [
"大地",
"昴"
] | 01_StellarTheater | 03_Z02_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "学生たる僕に、この街で最も似合う建物はどこだろう、と聞けばまず間違いなくみんながこう答えるはずだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "エロ本屋",
"speaker": "魅流"
},
{
"utterance": "そうそう、あの桃色の空気が僕の灰色の脳細胞を激しく刺激して一つ上のステージへと……って違います!\n正解はここ、図書館!学問と知識のたまり場!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "まあ、大地に必要な知識はごく一部だけどな。女の身体のしくみとか",
"speaker": "魅流"
},
{
"utterance": "すっかり、えっちいキャラにされちゃってますよ、僕",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "違うのか?",
"speaker": "魅流"
},
{
"utterance": "まったくもって違いません!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "健康的な性少年たるもの、性に対する興味は大変重要なのです!STOP性犯罪!まずは正しい知識を持ちましょう!\nということを家で言ったら、空に凄い目で睨まれました。皐月には尊敬の眼差しされたけど。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "とりあえず、早いとこ課題の資料、探しちまおうぜ",
"speaker": "魅流"
},
{
"utterance": "まったくもって違いません……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そんな魅流のお言葉に従い、僕達は図書館内を分散した。\n街の歴史かあ……ただでさえ来ない図書館でそんな僕の人生に永久に関わらないと思われる本のありかなんて、分かるわけないんだよなあ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "漫画版三国志だとかなら全巻制覇したんだけどなあ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ま、大地ならそんなとこだろうな。期待を裏切らない男だぜ",
"speaker": "魅流"
},
{
"utterance": "まあね。なんといっても僕だから",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だろうと思って、棚の場所は既に確認してある。こっちだぜ",
"speaker": "魅流"
},
{
"utterance": "おお、さすが魅流。いやあ頼れる女だ、うん",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "まあ、普段の魅流はまったく女を感じさせないんで、時々性別確認したくなることあるけども。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "おし、あの棚だな。んじゃ足場押さえててくれ",
"speaker": "魅流"
},
{
"utterance": "了解ー",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "目的の資料は結構高い棚に並んでいた。魅流は僕の支えているハシゴに捕まると上っていく。まあ、僕が見たってどの資料がいいか分からないしね。\nって、おおっ!\n思わず声をあげてしまいそうになるのを辛うじて堪えた。\n目の前に確かに存在する桃源郷。\n白に水色のストライプ。まさに男の願望の具現化ともいうべきその神秘の布地は、美少女の身体を包み込むことで更にその魅力を増す。\n魅流って、普段はまったく女を感じさせないけど、穿いてるのはしっかり女なんだなあ……。\n顔そのものは美少女なわけだし、こういう光景は実に吸い寄せられます。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "どうかしたのか?",
"speaker": "魅流"
},
{
"utterance": "いや、別に何も",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "こういう素敵な日本の風景を少しでも長く見ていたいと思ってしまうのは、僕達男の子が生きている証だと思うのです。\n中々に肉付きのいいその場所を、実に爽やかな目で眺めやる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "魅流もさあ、やっぱり自分が女の子だってこと自覚してるんだね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "え……?",
"speaker": "魅流"
},
{
"utterance": "唐突な僕の質問に、怪訝そうに首を傾げる魅流。が、次の瞬間、そのスカートの中へと真っ直ぐに注がれる僕の視線に気付いたらしい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ば、ばかっ、見るなあっ",
"speaker": "魅流"
},
{
"utterance": "ぼんっ、と音を立てて朱色に染まる魅流の顔。そして慌ててスカートを押さえる。\nそんな魅流の姿を見るのはもちろん初めてだ。あの魅流が見せた、女の証。それは羞恥に満ちた女の顔だった。\n懸命に隠そうとはしているものの、その手の隙間からは健康的なお尻と水色ストライプの布が確かに見える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こ、こらあっ、いつまで見てる気だ!視線をそらせ、早く!",
"speaker": "魅流"
},
{
"utterance": "うーん、まさかこういう所で魅流の恥じらう姿が見られるとは……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "なんというレア。これほどの貴重なシーンは滅多にお目にかかれません。\nとはいえ、これ以上覗き込んでいると、今後のノートレンタルなどに重大な問題が発生しかねないのでそろそろやめておこう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ごちそう様でした",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕は眼前の光景にしっかりお礼を言うと、ハシゴを支えつつ後ろを向いた。\n棚の陰に隠れていたせいか、どうやら他の人達には見えていなかったみたいだ。まさに僕だけの役得。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まったく。あたしのパンツなんか見て喜ぶとは思わなかったぜ",
"speaker": "魅流"
},
{
"utterance": "ジト目で僕を睨みながら、ハシゴを下りた魅流。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そうかなあ、魅流だってちゃんと美少女だしね。喜ぶ人間は少なく無いと思うよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "はぁ……まったく男ってのは難儀な生き物だな。とりあえず資料は手に入れたから行こうぜ",
"speaker": "魅流"
},
{
"utterance": "疲れたように溜息を吐き、分厚い本を手にスタスタと歩いていく魅流。その後ろ姿には、さっき恥ずかしがっていた美少女の面影はまるでない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……魅流にも、さっきの姿が普通になる時がくるのかねえ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ほんと、美少女なのにもったいないなあ。\n僕はさっきの光景を思い起こすと、魅流の後を追いかけていった。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"魅流",
"大地"
] | 01_StellarTheater | 03_Z16a_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "とりあえず必要な資料は手に入ったし、あとはそれぞれが頑張るだけだ。\n僕らはそれぞれの分担を決めると、その場で解散し、それぞれの家へと向かう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あれ、星亜どうかしたの?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "他のみんながさっさと帰る中、一人残っていた星亜に気付き、ぼくは声をかける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あら、橘くん。まだ残っていたのね",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "いや、それは僕のセリフなんですが",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "他にあると便利な資料とかないか、ちょっと探してたのよ。家に帰ってから足りない、じゃ時間の無駄だし",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "ああ、なるほどね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "でも、大丈夫そうみたいね。私も、これで帰るわ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そう言う星亜だが、ふと何かを思いだしたように僕に言う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、そうだわ、橘くん。これから一緒にモールへ行かない?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "モールへ?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ええ。明石沢さんにおいしいアイスクリームのお店を教わったんだけど、一人で行くのはちょっとね",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "へえ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "な、何?感心した風な声出したりして?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "うん、感心したんだよ。星亜って、かなり真剣に十二星座目指してるからさ、もっと固い子だと思ってた",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "寄り道、絶対禁止、みたいな?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "うん。買い食い絶対禁止、みたいな",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕らは互いに言ってから顔を見合わせ、そして同時に噴き出した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そうねえ、確かに昔から言われてきたのよね。星亜は優等生だとか、委員長だとか\n私としては、そこまで真面目一辺倒な生活をしてきたつもりはないんだけど、それでも姉さんを目指して必死だったのはあるから、そう思われてても仕方ないのかもね\nだけど、こう見えて中身は結構普通の女の子よ、私",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "イタズラっぽくウィンクなんてして見せる星亜。元々美人系の顔立ちなのに、その表情は妙にかわいく見えてしまう。\nかわいい美人って、ずるいよね。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "よし、それじゃあそんな星亜には思いっきり悪の道を知ってもらわないといけないよね\n大船に乗ったつもりで任せてよ。二度と這い上がれない悪の華の蜜を教えてあげるから",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そ、そこまではさすがに、ちょっとご遠慮したいかしらねえ……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "僕は星亜の手を取ると、そのまま引っ張るようにして図書館を後にした。\nお目当てのアイスを食べたあと、モールの中を二人で見て回る。\n食べながら見て回る案は、最初の最初にあっさり却下された。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "星亜、モールの中はあまり歩いたことないみたいだね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そうね。もちろんここ自体は何度か来たことあるけれど",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "星亜は少し興味深そうに周囲を見回すと、少し恥ずかしそうに言う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも実は、平日の昼間に来たのは初めてだったりするのよね",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "制服姿のカップルが多いでしょ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ええ、ちょっと驚きだわ。うちの学園って、こんなにカップルいるのね",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "まあ、今ここにいるカップルの中では、星亜のおかげで僕らが一番目立ってるけどね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あら、いつからカップルになったのかしら、私たち?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "生まれる前から愛してました!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そこまで軽い『愛してる』は初めて聞いたわ\nフフ。でもまあ、たまにはそんな気分に浸ってみるのも悪くないかもしれないわね",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "それじゃあ、ちょっとイメージチェンジなんてどう?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "イメージチェンジ?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "不思議そうに首を傾げる星亜に僕は頷くと、モールの中にある店の一つに強引に押し込んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "へえ、結構種類あるのね。あまり気にしたことなかったからどれも同じように思ってたけど、意外だわ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "かなりイメージ変わるからね。地味に重要だよ、これの選択は",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "私に合いそうなの、あるかしら",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そうだね……これとか……こんなのもいいかな",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "モール内にあるメガネショップ。洋服によるイメージチェンジもいいけれど、こんなのもたまにはいいんじゃないかな。\n星亜は僕の選んだメガネをかけて、鏡を覗き込んでいる。\n鏡に映った今までと違う自分の姿を、興味深げに眺めていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "本当、イメージ変わるわね、これ。ちょっと新鮮な感じだわ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "星亜はそう言いながら、様々な角度からの自分を鏡に映す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うーん……やっぱり見る角度とか……それともフレームの色……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "どの自分が一番似合って見えるか、星亜はそれを一生懸命に探しているみたいだ。\nやっぱり、いつもだったら決して見られない自分の姿が、今はとても楽しいらしい。こういうところは本当に女の子だと思う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、普段からかけ慣れてないせいかしら。やっぱり変ね",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "もう一人の自分に、星亜はニッコリと笑いかけた。それに応えるように、もう一人の星亜も同じ笑顔を浮かべる。\n普段の星亜とは違うもう一人の星亜。その笑顔を見て、星亜がこんな可愛い女の子なんだっていうことを、僕は再認識した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まあ、確かにいつもの星亜とは違う感じだけどさ、美人なのは変わらないよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あら、ありがと。橘くんのお世辞って、結構普通に信じそうになっちゃうから不思議よね",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "いや、本気で言ってるんですけども……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "星亜はもうちょっと自分のスペックを気にしていいと思うんだけどなあ。\nまあ、それで天狗にならないところが、星亜の本当にいいところなんだと思うんだけど。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "今日はありがとう。自分の知らないことでも結構やってみるものね。面白い発見があったわ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "いや、僕の方こそ、星亜と二人で楽しかったよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "気がつけば、外はすっかり夜の帳が下りていた。星亜と一緒に見て回るモールは楽しくて、ついつい時間の断つのを忘れてしまった。\n何も用がなければもう少し遊んでいてもいいんだけれど、課題もあるし、皐月が夕飯を作ってくれている。\n僕は名残惜しい気持ちを抑えつつ星亜を寮へと送ると、そのまま帰宅した。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"星亜",
"大地"
] | 01_StellarTheater | 03_Z17_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "訪れたその場所は、しんと静まりかえっていた。\nここは、他と違ってワイワイ騒いで遊ぶ場所じゃない。だからこそ、他じゃ聞けない意見が聞けそうな気がする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あら、橘くんもここに来たの?意外ね",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "不思議そうな顔をしながら、奥の方から星亜が姿を見せる。どうやら同じことを考えていたみたいだ。\n僕はふぁさ、と髪をかき上げると、本来の僕を見せようと星亜に答えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それは心外だなあ。僕ほどこの場所が似合う勉学少年はそういないよ。この時が凍り付いたような静寂感と閉塞感。これこそ橘大地の真骨頂",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あら、橘くんもここに来たの?本気で意外ね",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "うわー、文句の一つも言えない爽やかな笑顔",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だって、橘くんにしては随分と爽やかな冗談だったんだもの。笑わないと失礼じゃない",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "うううう、冗談じゃなかったんですけどぉ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "はいはい、それじゃあそういうことにしておきましょうか\n事件についてだけど、一応、何人か話を聞けそうな人には聞いてみたわ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "さすが、仕事早いなー",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だって、そのためにここに来たんだもの\nそれで、ここで勉強会の約束をしていたっていう人が、やっぱりその約束を忘れられていたみたい\nまあ、ここを利用してる人の数からすれば本当にごく一部だし、たまたまと言えなくもないから難しいところだけど",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "事件とはまったく無関係の偶然、とも言えなくないね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "約束を忘れること自体は決してありえないわけじゃないし。\nといっても、忘れなければいいということでもないけれど。知っていたって守れない約束はあるし。守るわけにいかない約束もある。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でもそういう事実があったことだけは間違いないわ。これが無関係かどうか、調べる手段があればいいんだけど",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "うーん、さすがにちょっと難しいだろうね。ホロスコープツリーを使うには、キーワードの絞り込みようがないし",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そうね。そもそもホロスコープツリーが使えたとして、何をもって証拠とするのか難しいし",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "ま、仕方ないよ。とりあえず、今のところは数で勝負といこう。微妙な証言だって数が集まれば立派な異変だし",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あんまりスマートとは言えないけれど、確かに今はそれしかなさそうね。私はもう少しここで話を聞いてみるわ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "手伝おうか?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ありがと。でも大丈夫よ。ここは見ての通り人も少ないから。橘くんは他の場所を手伝ってあげて",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "分かった。それじゃあ、またあとで",
"speaker": "大地"
}
] | [
"星亜",
"大地"
] | 01_StellarTheater | A04_03d_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "夕飯も終わり、少し部屋で横になっていたところで、朝、空に言われたことを思い出した。\n確かに皐月には甘えっぱなしだし、少しでも感謝の気持ちを伝えておくことは大事だと思う。\n分かってくれてるはず、なんていうのは、何もしてない人間の勝手な思い込みだしね。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "皐月、夕飯の片付けだけど……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "家事に関して今三つくらいの僕が、大した問題もなく手伝えることといえば、やっぱりこれだと思う。食器洗い。\nこれなら、手を滑らさないよう注意さえすればまず問題ないはずだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、お兄ちゃん。片付けだったら丁度終わったところですよ。お茶淹れますから、のんびりしてて下さい",
"speaker": "皐月"
},
{
"utterance": "わあい、さすが皐月ちゃん、家事に関してすこぶる有能。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もう終わっちゃったのか。何かあれば手伝おうと思ったんだけど……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "お家の家事のことは全部任せて下さい。お兄ちゃんはテレビでも見ながら、のんびりしていてくれればオッケーです",
"speaker": "皐月"
},
{
"utterance": "いや、最近は空も手伝ってるみたいだしさ、僕もまあ、いつもされてるばかりじゃ申し訳ないかなあって",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "全然申し訳なくないですよ。むしろ皐月は、お兄ちゃんのお世話ができて幸せいっぱい夢いっぱい、なんですから\nそれに、こういうのは適材適所が基本です。家事の大好きな私が、家事でお兄ちゃんを喜ばせるのはごく普通のことですから",
"speaker": "皐月"
},
{
"utterance": "すみません、適材適所で戦力外。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もしどうしてもっていうんでしたら、お兄ちゃんは、お兄ちゃんにできることで、皐月を喜ばせてください",
"speaker": "皐月"
},
{
"utterance": "僕にできること、ねえ。なんだろう",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "それほど難しくないですよ。それじゃあ、まずはその床の上に座って下さい",
"speaker": "皐月"
},
{
"utterance": "床にって、こう?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕は言われたまま、床の上であぐらをかく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ、お兄ちゃんから皐月に安らぎをプレゼントです\nえい♪",
"speaker": "皐月"
},
{
"utterance": "皐月は言うが早いか僕の足を枕替わりに、床の上にゴロリと寝転がった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お兄ちゃん特製の、皐月のための枕です",
"speaker": "皐月"
},
{
"utterance": "こらこら、女の子がそんな膝立てたらいけません",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "えへ、お兄ちゃんの前でだけですよ。それ以外の人の前では鉄壁の皐月ちゃんなんですから\nでも、お兄ちゃんになら、言ってくれれば恥ずかしいのガマンしちゃいます",
"speaker": "皐月"
},
{
"utterance": "いやー、お兄ちゃん、思わず言っちゃいそうになるからちょっと勘弁してほしいなあ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "皐月がいい、って言ってるんですから、ガマンなんてする必要ありません。ささ、言っちゃいましょう、お兄ちゃん♪",
"speaker": "皐月"
},
{
"utterance": "な、なんていう凶悪な妹!お兄ちゃん、こんな外道な妹を持った覚えありませんよっ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "でも、お兄ちゃん嬉しそうですよ?",
"speaker": "皐月"
},
{
"utterance": "いや、皐月は鋭いなあ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "いくら妹とはいえ、皐月みたいな女の子にここまで一途に想われて懐かれて嬉しくない男なんて、そりゃあいないと思うわけで。\n……できれば後ろのアングルから見たいです。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えへへ~\nお兄ちゃんの膝枕、とっても素敵です。日頃の疲れが羽を生やして飛んで行っちゃいました",
"speaker": "皐月"
},
{
"utterance": "まあ、この程度で皐月が喜んでくれるなら、いくらでもするけどね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "本当ですか?お兄ちゃんの膝枕があるなら、皐月はどんな仕事でもへっちゃらへー、ですっ",
"speaker": "皐月"
},
{
"utterance": "とはいえ、誕生日には頑張り屋さんな分、ちゃんといいもの贈るから、覚悟して受け取るようにっ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あ、でしたら皐月、とっても欲しいものあります",
"speaker": "皐月"
},
{
"utterance": "お、それはぜひとも聞いておかないとだね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "お兄ちゃんの赤ちゃん",
"speaker": "皐月"
},
{
"utterance": "……\n皐月、さすがのお兄ちゃんでも、今の発言はちょ~っと引いちゃったかなぁ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ええーっ。私、お兄ちゃんにならいつでも捧げる準備万端なのにぃ",
"speaker": "皐月"
},
{
"utterance": "お願いだから、せめて冗談で言ってくれないかなあ……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "皐月\n普段のあなたは、えっちな行為はいけません、と言うわりに、僕の前では遠慮無くえっちな行為してません?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "心外ですっ。これはえっちな行為じゃありません。かっこいいお兄ちゃんと、そのお兄ちゃんを一途に愛する妹とのスキンシップです♪",
"speaker": "皐月"
},
{
"utterance": "……いや、確かに日本語って便利だけどさあ、その言い訳は通じないんじゃないかなあ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だから、お兄ちゃんとの赤ちゃんだって、決してえっちな行為の副産物じゃありません!お兄ちゃんと皐月の、愛の結晶なんですっ",
"speaker": "皐月"
},
{
"utterance": "おお、なるほど!それなら確かに有りかもしれない!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "はい!間違いなく有りです!有りなんです!",
"speaker": "皐月"
},
{
"utterance": "って、絶対無理ですから!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ちぇー",
"speaker": "皐月"
},
{
"utterance": "危ない危ない。本気で説得されかかったぞ、うん。我が妹ながらすこぶる素敵に成長しおってからに。お兄ちゃん、嬉しいけど悲しい。\nとわいえ、まじめに誕生日のプレゼントは考えないとな。普段のお返しも兼ねて。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"大地",
"皐月"
] | 01_StellarTheater | A04_13_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "うわ、もう真っ暗だ。ちょっと長居しすぎたかなあ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "窓の向こうは茜色すらとっくにすぎて、既に星空が浮かんでいた。\n保健室で昴先生においしいコーヒーの入れ方についてを聞いていたら、思った以上に白熱してしまった。\nやっぱり、文化祭なんていう若者の思い出いっぱい夢いっぱいイベントについては鬼門すぎたかなあ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、普段は全部皐月が淹れてくれてから気にしなかったけど、コーヒー淹れるにも色々考えないといけないんだなあ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "結局は厨房設備なんてないただの教室だし、本格的にコーヒー豆煎ったりとかは無理だろうし。\n昴先生自身に淹れてもらう、というアイデアは我ながらパーフェクトだと思ったんだけど、それだと最初から最後まで陽夏さんが居座りよね、絶対。\nそれはそれで売りになりそうだけど、十二星座にずっと見張られてる喫茶店じゃあ、僕らの方が疲れそうだし。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "とはいえ、さすがにインスタントはないだろうし。まあ、コーヒーミルくらいはどうにか持ち寄って……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "とりあえず、明日にでもクラスで相談してみよう。魅流なら二・三台くらい平気でどこかから借りてきそうだし。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ただいまー",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕はそう言いながら、恐らくはもう誰も残ってないだろう教室の扉を開けると中へと入った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "別に帰ってこなくてもいいのに",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "同時に、彗ならそれだけで昇天してしまいそうな冷たいお言葉が飛んでくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あれ、空、まだ残ってたんだ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そこには、丁度カバンを手にした空の姿があった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "学園祭の準備?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "例の事件について何かないか聞いて回ってただけよ。わたしは当日の接客担当だから、事前にやらなくちゃいけないこと少ないし\nそういう大地こそ、とっくに帰ったと思ってたけど。今頃皐月が悲鳴上げてるんじゃない?",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "学園祭の準備があるから少し遅くなる、とは言ってあるからね、さすがに大丈夫\nそれに、もう帰るとこだし",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "大地も当日の接客担当のくせに、何準備の邪魔してるのよ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "いやいや。コーヒーの淹れ方なんかについての講義を少々受けてただけだよ\nケーキとか食べ物に関しては色々考えてたんだけど、コーヒーなんかは簡単だと思ってたからさ、ほとんど準備してなかったんだよね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "空と星亜がいるし、お客は結構来てくれるとは思うけど、一位を目指すならやっぱりそれ以外にお店としての武器を持たないと。まあ、前に実行委員様が言ってたことだけど。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふうん。考えてはいるのね",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "僕も接客担当とはいえ、それなりには参加したいからね\nよし、それじゃ帰ろうか",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕はカバンを自分の机から取り出すと、空に言った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ちょっと待て。なんでわたしがあなたと一緒に帰らなきゃいけないのよ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "なんでって、帰る場所同じだし。それに女の子の一人歩きは物騒だよ?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そう返す僕に、空は大きく溜息をついた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はあ……あのねえ、わたし星座なのよ。そこら辺の格闘家襲う方が、よっぽど簡単なんだってこと、分かってる?",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "まあ、それはでもほら、外見は普通にかわいい女の子だし",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "な、何言って……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "僕の言葉に、たちまち赤くなって焦り出す空。こういうところがやっぱりかわいいんだよね。\nそれに外見だって、空よりかわいい子って知らないんだけど、僕は。まあ、星亜とか輝夜とかあま姉とか、それに近い子達は何人か知ってるけど。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "べ、別に降りかかる火の粉くらい払えるわよ。正当防衛の範囲でだけど……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "うん。空なら確かにやるだろうね。どちらかというと襲った人に同情しちゃうくらい",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ああ、そういうことね。つまり、わたしじゃなくて襲った方を……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "だけどさ、その後に後悔するんだよね。傷つけちゃったことを\n僕としては、空にそんな嫌な思いはさせたくない",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……な、なによ。そういう言い方されると、文句も言えなくなっちゃうじゃない、さすがに……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "うん。傷つけて、そうして後悔しちゃうのが空だからね。どんなに肉体的に強くても、特別な力があってもさ……\nその中身は、やっぱりか弱い女の子だって知ってるから",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕のその言葉が、空の中で何かに触れた。恥じらっていたその顔が、一瞬でキツイものへと変わる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふうん……随分わたしのこと知ってるみたいじゃない。まるで昔から、わたしを知ってるみたいな話し方\nあなたが知ってるわたしは、本物じゃないのに……\n大体、その記憶だって!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空は叫んで、そしてハッと気付いたように言葉を飲み込んだ。そのまま申し訳なさそうに俯いてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ごめん\nわたしが言っちゃいけないことだよね……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "いや、問題ないよ。空の言おうとしたことは事実だしね\nでも、それでも今の僕の本音だから。空に、これ以上嫌な思いをさせたくない",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……大地と帰ることが嫌な思いをすることだって言ったら、どうするの?",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "こっそり見つからないように後つけて守ります",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "うわ、そうくる",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "その僕の言葉に、空は呆れたように言うと小さく笑った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いいわ。変に覗かれてるくらいなら、横にいる方がまだマシだもん\n仕方ないから、帰ってあげる",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空はその手にカバンを握ると、軽い足取りで扉へと向かっていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ほら、早く帰りましょ。皐月が暴れ出しちゃうわよ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "それは確かにまずいなあ。昔、帰るの二時間遅れて、警察に捜索願い出そうとしてた子だし",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕も慌ててカバンを手に取ると、空の後を追って扉へと向かった。\nすっかり暗くなった夜道。駅の方へと続く大通りとは違って、路地に入ってしまえば人影は殆ど見当たらない。\n道の脇に配置された街灯が、ただ静かに道を照らしている。\n今までに何度も通った道。その静寂さに何度も寂しげな思いを抱かせられたその風景。けれど今そんな風景とは違って、僕の心はどこか軽かった。\n隣に空がいる。この事実だけで、すべてが軽く感じられる。空が転校してきてから、こうして一緒に帰ったことが無い訳じゃないけれど、今は何かが違った。\n僕が空を理解したからなのか、それとも空の僕に対する感情が和らいだのか。理由は分からないけれど、明らかに以前とは違っていた。\n僕は知っている。子供の頃、空とこうして夜道を歩いたことを。小さなその手を握りしめ合って、二人で歩いたことを。\nその手の温もりと心強さを。\n今のこの空気は、どこかその時の空気に似ていた。僕の中で、僕自身が、その時のように空の温もりを求めているのが分かる。\n空はこれを、僕の本当の気持ちじゃないっていうけれど、だったらこれは空の気持ちなんだ。五年前、空が望んで、僕に植え付けた気持ち。\nその空の気持ちに応えたいって思うのは、間違いなく今の僕の本心だ。\n僕は、僕自身の意思で、それを願っている。\nその意思を、僕は少しでも見せなければいけないんだって思う。五年前、空に助けられた者として。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "空、はい",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕は隣の少女の名前を呼ぶと、そっと手を差し出した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え?",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "真っ直ぐに差し出されたその手を、空は不思議そうな顔で眺める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……何よ、これ?",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "寒くない?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……そりゃあ、少し冷えては来たけど、寒いっていうほどのことじゃあ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "言葉で言ったところで伝わるとも思えないし、僕は黙って手を差し出し続けた。\n空は、僕の真意を掴もうとしてるのか、黙って僕をジッと見つめ続ける。\n一メートルもないはずの二人の距離が、今はとてつもなく遠く感じる。\n僕の意思が空の大きな二つの瞳に届くまでの短い時間。それが、まるで宇宙の星と星の間を移動してるくらいに長く感じる。\nひたすら真っ直ぐに空を見下ろす僕。正面から僕を見上げ続ける空。\nそして、まるで夜の空気の中に溶けてしまったような錯覚を覚える無音の空気の中で、空の手がゆっくりと動いた。\n僕の手を、静かに握ってくる空の手。\n夜気に冷えた手はひんやりと冷たくて、だけど温もりを感じた。\n昔とほとんど変わっていない小さな手。僕はそれを、優しく、だけど離れないように強く握り返す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……そういえば、昔はこんな風に手を繋いで帰ってたのよね……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "ぼそりと、空が呟くように言った。その言葉に、自然と僕の口元が緩む。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "な、何よ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "いや、その通りだなあ、って思って\n昔の僕は、きっと今の僕と同じ気持ちで空の手を握ってたんだろうね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "さすがにちょっと照れくさい。僕は夜空を見上げるフリをして空から目をそらすと、それでも素直に言葉を紡ぐ。\n空は、えっ、とその意味を考え、やがて、照れくさそうに微笑んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そっか……同じ、なんだ。今……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空とこんなことをしておいて、違う気持ちになるはずないね。あの環境で育った僕なら間違いないよ\n昔の僕の気持ちは分からなくても、今の僕の気持ちと同じならよく分かる",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……うん。否定しないであげる",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "僕の手を握る空の手が、きゅっ、と少し強くなった。そこから空の想いが流れ込んでくるような気がして、自然と胸が温かくなっていく。\nそれが、昔の僕への想いでも構わない。空のこの気持ちを今の僕が感じている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まったく、不器用なところはそのまんまなんだから",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空は、呆れたみたいに小さく言って、そして、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大地",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "いつもより、少しだけ優しく僕の名前を呼んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "分かろうとしてくれてることは認めて上げるわ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "振り返った僕の視界に映ったその笑顔。\n確信が、あった。\n間違いなくそれは、今の僕へと向けられた笑顔だった。\n今の空が、今の僕へと向けてくれた、笑顔。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"空",
"大地"
] | 01_StellarTheater | A04_15_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "川を流れる水の音が、夜の公園に響いていた。\n普段は別段気にもしないその音が、静まりかえった夜の空気の中、やけに大きく耳に残る。\nもう日が変わってもおかしくない時間。季節も冬への移行を始めたこの時期、周囲に人の姿は見えない。今この公園には、間違いなく僕達二人しかいない。\n二人の間に会話はなく、黙って夜空を見上げ続ける空の背中を、やっぱり黙って僕が眺め続ける。ただそれだけの時間が過ぎていく。\nけれどなぜだろう。そんな無意味でしかないはずの時間が、僕には妙に心地よく感じられていた。\n空と二人きりの空間。二人きりの時間。\nこの静寂に満ちた世界が、今は何よりも愛しく感じる。\n目の前にあるあの小さな背中が、いつも以上に寂しげで。だからこそ、この手でしっかりと抱きしめたい。\nだから僕は、空のもとへと足を進めた。\n黙って夜空を見上げ続ける空に、あの一言を伝えるために。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ごめんなさい……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "そんな僕へと、その背中越しに力ない言葉が飛んでくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "何が?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……結局、わたしが全部バラさせちゃった。大地のこと……\n他のみんなには、今の大地がすべてなのに……その大地を、特別扱いさせちゃった。きっと変わっちゃうよね。大地とみんなの関係……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "今にも泣き出しそうな、いや、心の中ではもう泣いてるんだろうなってわかる声。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これでもね、守りたかったんだ、大地のこと。ほんとだよ\n大地は結構適当なところあるから、わたしがしっかりものになって守ってあげて、それで二人で幸せでいるんだって、子供の頃からずっと思ってた\nなのにわたし、結局何も守れてなかったね……\n昔の大地の記憶も、今の大地の世界も……大地の何も守れなかった……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "どこまでも深い漆黒の空。そこにわずかに煌めく銀色の星々。そんな世界を見上げながら、空は自分を責め続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ほんと、吸い込まれそうに暗いよね、この夜空。見える星なんてほんの少しでさ。子供の頃には、もっとたくさんの星が見えて、素直に綺麗だなあって呟けたのに",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕は空の真後ろに立つと、同じように夜空を見上げる。同じ夜空を見上げながら、僕は素直にその気持ちを言った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "僕の中にあるさ、その綺麗な光景の記憶。この記憶をくれたのは、空だよね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "え……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "予想外の言葉だったのか、意外そうな空の声がこぼれ落ちた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "空は、守ってくれてるよ。数え切れないくらいたくさんの大切なものを守ってくれてる",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だから今、あの一言を伝えよう。\n本当ならもっと早くに言わなくちゃいけなかった言葉を。\n僕が、絶対に空に伝えないといけない、その言葉を。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ありがとう",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "っ!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空の身体が、びくん、と大きく震えた。僕の気持ちを、驚きで受け止める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もし空がいなかったら、今の僕はいなかった。昔の僕が見た景色も、誰の心にも残らなかった\nこの夜空を見ても、これが普通だとしか思えなかった",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕は、僕の中にあるすべての記憶を思い起こして。そこにいるみんなの顔を思い描いて。\n万感の思いを込めて、もう一度その言葉を口にする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だから、ありがとう",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "空の身体が震えてた。小さく、微かに震えてた。そしてそのまま、震える声で言う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "わたし、は……\nわたしは、守れてたのかな。大地のこと……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "もちろん",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そう、なんだ……守れてたんだ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "ああ、僕はずっと守られてた。それに、みんなだったら問題ないよ。今日はさすがに初めて聞いたせいで驚いてたけどさ、明日からは今まで通り。絶対に何も変わらない\nいつも通りに騒がしくて、ちょっとバカで、だけど退屈なんてさせてくれない優しい仲間達\nだから僕は、空にも変わってほしくない。今まで通りに僕を怒って、時々笑って、結局呆れて、だけどやっぱり最期には笑ってくれて。そんな空がいい",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "大地は、それでいいの?",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "うん、それがいい",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ばか……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "迷うことなく言い切った僕への空の返答は、どこか照れくさそうだった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも……\nありがとう",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "言いながら、空がゆっくりと振り返る。そこにこぼれる涙と、けれど溢れるような笑顔を浮かべながら。\nそこにある微笑みは、間違いなく僕へと向けられたもの。昔も、今も、関係ない。橘大地へと向けられた、泉空の笑み。\nその、どこまでも澄んだ純粋な微笑みは、間違いなく僕だけに向けられた、僕だけの笑顔。\nその笑顔を見て、僕は改めて思う。\nやっぱり僕は、この少女が好きなんだって。\nこの少女を、僕だけのものにしたいんだって。\nそして、それを実現させるために今必要なもの。それは……。\n僕は空を真っ直ぐに見つめながら、言った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ねえ、空。もし僕が、あの子から記憶を取り戻したいって言ったら、どうする?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "それは、僕が僕を取り戻すこと。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "その突然の僕の言葉に、空は驚いて目を見開く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もし僕が記憶を取り戻したら、昔の僕に戻れたなら……\n僕達は、昔の僕達に戻れるのかな",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "大地……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "この先を言うのにはさすがにちょっと勇気がいる。僕の中に与えられた記憶。そして僕自身が作ってきた記憶。その両方から僕が得た感情。\n僕が僕の意思で手に入れた感情で、これは間違いなく今の僕の本心だから。\nその先の答えを想像しただけで足が震えそうになる。自分をそんな臆病だなんて思ったことはなかったけれど、どうやら空に関してだけは違うみたいだ。\nこの先の想いを空に切り捨てられること。僕は今、それがたまらなく恐い。だけどなんとなく分かる。この気持ちを伝えることが許されるのは、きっと今だけだ。\n今伝えなければ、僕も、空も、二人ともが何かを失うことになる。\nだから僕は大きく深呼吸をし、自分の心に活を入れ、必死に地面に両足で踏ん張り、空の小さな身体へと向かって、言葉を、投げる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "僕は、空と一緒にいたい\nだから、もしそのための条件が昔の記憶を取り戻すことだっていうなら……今の僕を捨てて昔の僕に戻ることだっていうなら……\n僕は、記憶を取り戻したい",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "しっかりと空の瞳に向けられた僕の視線。その視線を、空は正面から受け止めてくれていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そんな条件、いらない",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "そして小さく、けれど確かに笑いながら、その首を左右に振った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "本当は、わたしも分かってた。大地は、大地なんだって\nわたしが移したのは、所詮は七年前までの記憶でしかないの。でもそれからの七年間、大地はしっかりと生きて来て、自分の記憶をちゃんと手に入れてた\nわたしの望んだ通りの大地、だなんておこがましい考え。結局、大地は大地なのよ\nだけど、どうしても認められなかった……わたしとの時間を失った大地を認めたくなかった。認めるのが恐かった\nなのに不思議よね。あんなに許せなかったことなのに……\nそれが今、こんなにあっさり言葉になる。大地がわたしを認めてくれた。見てくれてたって分かっただけで、こんなに素直に気持ちが溢れてくる\n今までの自分が、本当にバカみたい",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空はそう言いながらも笑っていた。まるで、今までの自分を否定できることが嬉しいみたいに。\nそしてその笑顔が、少し切なげなものへと変わる。\n星明かりの下、その頬をわずかに赤らめながら、僕を見上げる空。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大地はさっき、わたしに変わってほしくないって言ったけど……ごめんね。無理みたい\nわたし、大地にもう、今までみたいな態度、とれない\n大地は、こんなわたしでもいい?大地の知っているわたしとはきっと違う、今の『泉空』だけど……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "怯えと期待。正反対の想いに、空の瞳が揺れていた。二つの大きな瞳に、空の気持ちがいっぱいに浮かび上がっている。\nその答えを言うのに悩む必要はなかった。僕の気持ちなんて、最初から決まっている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "僕が知っているのは今の空だよ。だけどそれはきっと、昔の僕が知っていた空のままだ\nだから僕は、今の空がいい",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "言って僕は、そっと空の両肩に手を置いた。そのまま、僕の想いを行動で示す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "既に覚悟を決めてくれていたのかもしれない。空は抵抗することもなく、素直に僕を受け入れてくれた。\nそれは思っていたよりもずっと小さくて、ずっと柔らかくて、ずっとずっと熱かった。\nただその気持さを少しだけ確かめ合う。そんな子供のキス。二人の唇を重ね合わせるだけのキス。\nただそれだけの行為なのに、身体中の血液が炎になってしまったみたいに熱く昂ぶる。\n空のその唇が、柔らかさが、温もりが、その想いが、今僕だけのものになっている。\nそれは今までに感じたことがないほど強烈な興奮になって、僕の心と身体の中を駆け巡った。\n七年前に失ってしまったもの。僕は今日それを、この手に抱きしめた。\nもちろん、すべてを取り戻せたわけじゃない。だけどそれでも、今この手の中に空がいて、こうして想いを重ね合ってる。\nそして僕達はゆっくりと唇を離した。それでもすぐ目の前。ちょっとでも屈めば、すぐにまた触れ合える距離。\nそんな目の前で、空は、はにかむように笑って言った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……キスって、凄いね。身体の一カ所を触れさせるだけなのに、わたし、心臓のドキドキが止まってくれない……\n今、胸がいっぱいで……頭も真っ白で……\nもうね、本当に、これしか言えないの……\n大地、大好き♪",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "聞いてる方も赤面してしまうようなその言葉を、空はやっぱり赤面しながら言った。\n僕も当然赤面したけれど、それでも恥ずかしいと思えなかった。むしろ嬉しいだけだった。\nだから僕は、そのお返しに、\nもう一度、その桜色の唇を奪った。\n静まりきった夜の公園。ただ水の流れるささやかな音と、風に揺れる葉の音だけが拡がるその場所で、\n僕達は一つになっていた。\n僕達二人が、一人になっていた。\nそれは、僕と空が前を見始めた証。昨日なんかじゃなく、明日を向いた証。\n僕達は今日確かに、新しい絆を手に入れた。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"空",
"大地"
] | 01_StellarTheater | A04_42_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "今日がどれだけ特別な日なのか、寝る前に自分に100回ばかし言い聞かせ、さらにベッドの中で目を閉じてから、脳内でイメージトレーニングを一時間ばかし。\nその甲斐あってか、自然と意識が目覚めていた。\nまだ目を閉じているから時間は確認していない。だけど僕は確信出来る。\n僕の勝ちだ。\nさあ、このままパチッと目を開いて、爽やかな朝を勝ち取ろう!",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ~いち♪",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "……あれ?\nそう心の中で意気込んだ瞬間、いきなり聞こえた空の声。幻聴?\nそんな僕の疑問は、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "目覚ましのない大地のために、空ちゃんが優しくモーニングしてあげにきちゃったぞっ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "そんな明るく幸せいっぱいな声で吹き飛んだ。どうやら本物みたいだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "空?大丈夫起きて……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "起きてるよ。そう僕が言おうとした瞬間、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ほ~ら、あっさ、だぞ~♪",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "温もりという名の幸せに満ちた掛け布団が、がばっとはぎ取られた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "優しくないっ。優しくないです、それ。空さんっ!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そう叫びながら見上げたそこに立っていた空は、僕の知っている空とどこか違っていた。\n見たことのない服に髪飾り。明らかにいつも以上にかわいく着飾ったその格好に、思わず見とれてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あれ、そう?",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "そんな僕の気持ちに気付くことなくニコニコと微笑み続ける空に、僕の中で、ちょっぴりイタズラ心と欲望が芽生えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でもあの……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "不意に、空が視線を逸らして口ごもる。その瞬間を、今の僕が見過ごすはずがない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃあっ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "僕はいきなり起き上がると、そのまま空の身体を捕まえて、一気にベッドの上に押し倒す。さっきまでの二人の位置が、まさに入れ替わった。\n乱れたスカートの隙間から見える下着は、やっぱり空らしくてかわいらしい。変に大人ぶっていないところが、空のかわいさの一つだと思う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こ、こら、大地っ。嬉しいけど、じゃなくて、服が皺になっちゃう!こ、こういうことするならまた別の日に、でもなくて、い、いいから今日はだめぇっ!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空は予想外の事態に少しパニックモードに落ちつつも、必死に僕を拒絶しようとするけれど、どうにも全力では出来ないらしい。\nベッドの上で真っ赤になりながら固まっていた。\n僕は、そんな空の首筋に、そっと顔を埋める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あれ、いつもと違う匂いがするね。いつもだっていい匂いがするけど、今日はまた違ったいい匂い。甘い香りだ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "こ、こらぁ。そんなことされたら、思わずもっとしてほしくなっちゃうじゃない……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "うん。空、柔らかくてこうして抱きしめると丁度すっぽり収まるいいサイズで、気持ちいいなあ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そう囁きかけながら、小さな空の身体を強めに抱きしめる。あったかくて、柔らかくて、甘い香りがして……うわ、これちょっとまずいかも。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、だめぇ……拒めなくなっちゃうからぁ……き、今日はデートの日で……\nあ……大地、意外に力強くて……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "大地ぃ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "耳元で響くその声は、確かに甘く濡れていた。\nその声をこぼしている小さな唇を、このままそっと塞いでしまいたい。そしてそのまま、この華奢な身体を僕の手で優しく蹂躙していきたい。そんな欲望が激しく湧いてくる。\n僕は、このままその胸へと伸ばしてしまいそうになる手を必死に堪え、どうにか顔を上げた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "よし!朝の空分補給完了!これ以上は僕がもたなくなっちゃうからね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そして、そう口にして、空の上から床に降りる。うん。ここで強制的にでも身体を剥がさないと、絶対に先に進んじゃう。\n危ない危ない。自分で始めておきながら、そのままはまっちゃうところだった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え……あ……う、うん、そうよね。今日はデートだもん、ほどほどにしないと……\nま、また、ぎゅってしてね……?",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空はベッドから降りると、素早く服を直してそう僕に言う。そのまま、そそくさとドアへと向かっていった。\nが、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "で、でもさあ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "不意に立ち止まって振り返る。真っ赤な顔のまま、恥ずかしそうに視線をそらすと、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お、男の子って、毎朝そんなになっちゃう、の……?",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "そんなことを言い出した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はい?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕はその質問に一瞬惚けて、そしてすぐに今の自分に気がついた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あのね……布団はいじゃった時から気になってたんだけど……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "健康な男の子の、朝特有の生理現象。しかもそれは、さっきの空を押し倒したことで、更なるパワーアップをしてる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "きゃあ~、空のえっちぃっ!!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ち、違うもんっ!そ、そんなになってるなんて、あの、聞いたことしかなかったし、ほ、本当に思いもしなかったんだもんっ!\nそ、それで、どうなの?やっぱり……なっちゃう、の……?",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "な、なっちゃうんですーっ。恥ずかしい僕をこれ以上見ないでえぇっ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ご、ごめんなさあいっ!!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "慌てて前を隠す僕と、僕の悲鳴に弾けるように逃げ出す空。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぐすん。僕もうお婿にいけない……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "空に責任取ってもらおう。\n何かが違う気がするけど、きっと気のせいだ。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"空",
"大地"
] | 01_StellarTheater | A05_05_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "あれ?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "夕飯も終わって、見たいテレビ観た。とりあえず今日必要なことはこれで終えたから、そろそろ休もう。そう思っていた矢先のことだった。\n明日の時間割を確認し、カバンを開いたところで中から出てきた一枚のプリント。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……これ、なんだっけ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "どうやら科学の授業でもらったプリントみたいだ。えーと……",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "って、明日締め切りの課題じゃん!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "しまった、忘れてた。そういえばそんな話、先週の授業で聞いてた気がする。忘れたりしたら、更にオマケがドン、だっけか。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いやいやいやいや、落ち着け僕。まだ慌てるような時間じゃない。今思い出せたことこそ間違いなく天啓。これからやってしまえば問題無いじゃないか",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "よーし、これくらいの問題、教科書見ながらやれば問題無し。いざおいでませ、教科書さま!!",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あれ?教科書ない?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "カバンの中をゴソゴソと漁ってみるものの、中に目当ての教科書様のご尊顔は見当たらなかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ひょっとして、いつものクセで、机の中に置き忘れてきたかなあ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "こいつはまいった。プリントの問題を見るかぎり、今の僕の灰色脳細胞で解けるような問題じゃない。教科書様がなんとしても必要だ。\nとはいえ、今から学園に取りに戻るには……さすがにちょっと遅いなあ。捜査とかのためならまだしも。\n他にどうにかして教科書を手に入れる方法は……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "いけないいけない。なんでこんな方法に気がつかなかったんだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "空に借りればいいんじゃないか",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "善は急げ。僕は立ち上がると、真っ直ぐ空の部屋へと向かった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "空、いる?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ノックをしてみるものの返事はない。リビングかな?",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まあ、教科書を借りるだけだし、ちょっとお邪魔させてもらおう\n空の部屋は、相変わらず質素だなあ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "質素というか、物がなさすぎるというか。\n前に一度、この辺を空に聞いたら",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だって、居候の身だもの、わたし。そこで好き勝手に荷物増やしちゃうわけにいかないじゃない",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "なんて、笑って返された覚えがある。\n別に、もう家族も同然なんだし、そんな気遣いはしてほしくないんだけどな、僕としては。\nちょっぴり寂しい気持を抱きつつ、改めて部屋を見回すと、机の上に見覚えのあるアイテムが増えているに気付いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これ、デートの時のやつだよね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕が、ゲームセンターで取ったうさぎのぬいぐるみ。それが大事そうに机の上に置かれている。\nこういうの見ちゃうと、やっぱり嬉しくなるなあ。\nあのデート、特に終わりの喫茶店での出来事は忘れられない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "空、甘かったなあ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あの時の空との一時を思い出し、僕は思わず声に出していた。空と食べたデザートの味が、いや、デザートと一緒に食べた空の味が、僕の脳裏に鮮明に思い出される。\nそういえば、あの日、帰り際の空、何か様子が変だったっけ。\n……まさかとは思うけど、実は何か病気だとか、体調あまり良くないのを隠してるとか、そういうこと……ないよね?\nそんなことまずありえない、と思いはするものの、一度考えてしまうとどうにも膨らんでしまって困る。\n特に、あるはずがない、という事故に僕らは一度巻き込まれ、引き離されてる。僕はもう二度と空と離れたくない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "調べてみようかな……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "今の僕には、ホロスコープツリーがある。もし、あの夜をこれで再生できるなら、きっと何か分かるはず。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"空",
"大地"
] | 01_StellarTheater | A05_09_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "僕の部屋のベッドの上に二人並んで座る。僕も空も初めての経験。二人ともガチガチに緊張してるのが分かる。\n空の小さな身体を今すぐにでも押し倒したい。そう思っていたはずなのに、いざその時になると身体が動いてくれない。\nこの可愛い恋人を、もっともっと大切に、優しく感じたい。感じさせたい。そんな想いで胸がいっぱいになる。\n僕はその、少し力を入れるだけで壊れてしまいそうな空の胸を、服の上からそっと触れた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "細い身体が、ぴくんと震える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ごめん、痛かった……?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "う、ううん、違うの。大地の手優しくて……その、気持ちよかったから……\nだから、もっとお願い……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "分かった。こんな感じで、かな……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "その、想っていたよりもやっぱり小さな膨らみを、壊れ物でも扱うようにそっと揉む。\n小さいけれど、それでも確かに膨らんでいるそこは、ふにふにと柔らかな感触を僕の手に返してくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……んうっ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "輝夜の胸みたいな強い弾力はないけれど、それでも空の胸の柔らかさだと思うだけで、自然と心が昂ぶってくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "空。少しくらいなら声出しても、皐月は下だし大丈夫だよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕の手の動きに合わせて、もじもじと身体を動かす空。その感覚を、どうにかして耐えようとしてるみたいだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そ、それは分かってるんだけど……でも、やっぱり恥ずかしくて……\nご、ごめんなさい。やっぱり萎えちゃう……?",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "全然。空の身体、ふるふる震えててさ、すっごくかわいい",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だ、だって……大地の手、優しいけどいやらしいんだもん……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "それはやっぱり仕方ないことかと。男として、こんなに可愛い空と初めてこんなことをして、冷静でいろっていう方が酷です。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "僕も男だからね。一番大切な子と初めてこうなれば、やっぱり色々しちゃうんです。やだ?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だけど、だからといって本能のままに空を汚したいわけじゃない。空にだって、感じて欲しいし、喜んで欲しい。\nだから、もし空がいやがるようなら、ここでやめたい。ここまでなら、まだ辛うじて自分を抑えられるから。すっごく辛いけど。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ううん。大地にだったらいい……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空は、そんな僕の気持ちを知ってか知らずか、小さくかぶりを振った。\n恥ずかしそうに顔を赤らめながらも必死にガマンして、僕にすべてを捧げようとしてくれるその態度が、普段以上に空を可愛く映す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ、ごめん。空の、見たい",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そんな空の態度に、僕も歯止めが効かなくなってくる。伸ばした僕の手に、空は緊張に身体を強ばらせたものの、拒否はしなかった。\n僕は空の上着を掴むと、そっと上へとズリ上げる。黒い服の下から可愛らしいピンク色のブラが姿を見せた。\nその可愛らしいブラも一緒にズリ上げると、小さな空の膨らみが姿を現す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あの、やっぱり変、かな……わたしがブラしてるの……\nちっちゃいし、あまり意味ないし……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "僕に見られた、というよりも、その大きさに恥ずかしがるように言う空。羞恥に頬を染めたまま、それでもその身体を隠そうとはせずガマンしている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そう?空によく似合ったかわいいデザインだし、胸も少しくらい小さくてたってちゃんと膨らんでるし、それにこんなに柔らかくて……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あん……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "その膨らみへ、さっきまでとは違い直接触れる。服の上からじゃあ分からなかった空の体温が、その確かな柔らかさと一緒に僕の脳髄を刺激した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "中心だって敏感で、こんな風にすぐ尖っちゃって……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "その中心にある小さな突起を、そっとつまむ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃうっ……あ、や、あ、だめ、つねっちゃ……っ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "その柔らかな部分よりもずっと敏感な場所。今までとは違う固い感触と一緒に、空がその身体を震わせる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こんなに女の子してるんだから、ちゃんとブラして守らなくちゃ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ん、あ、あんっ……や、あ、胸は、びりびり、きちゃっ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "その感触がたまらなく気持ちよくて、つい胸を揉み続けてしまう。\nふにふにとした柔らかさに、空の可愛らしい声。それだけで、女の子の身体がどれだけ素晴らしいかが分かってしまった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "小さい分敏感なのかも。空のかわいい声も聞けるし、空の胸、凄く気持いいよ\nこのまま、こうしてずっと揉んでたい",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "やんっ……せ、先端ばかり……ん、あ、だめ、こ、声出てきちゃう……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "ツンと尖ってきた先端を、クリクリといじり続ける。懸命にガマンをしているんだろうけれど、もう限界みたいだ。\n赤く上気した顔に、明らかな変化が浮かぶ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、あ……あふ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "その唇からこぼれる吐息は、もう充分に甘い。\n太ももに挟まれた手は、もじもじと動いて止まらない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "空って、こんな尖るんだ……凄い……ちょとつまむだけでコリコリって……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あ、ああっ……や、そこは……ひゃんっ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "ちょっと強めにつまんだ瞬間、空の背中が弓なりに反った。\n同時に、確かな快楽に染まった声が室内にひびく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "空の胸、本当に敏感なんだね……こうして触ってるだけで、感じてくれてるの伝わってくるよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そ、そんな、胸ばかり触って……あ、あう、ん、ああっ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "柔らかい乳房の感触と、固く尖った乳首の感触。同時に味わう正反対の感触と、甘く響く空の声。そして、確かに感じている空の顔。すべてが僕を昂ぶらせる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、んあ……あ、んんうっ……!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "それでもどうにかガマンしようとしているみたいだけれど、壊れてしまった堤防は、もう戻りそうにない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、だめ……わたし、切なくなって……ああんっ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "僕の胸の愛撫に、空の身体から力が抜けていくのが分かる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……僕も感じてる空見てたら、もう我慢できなくなってきちゃったよ\n他の場所も、いい?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……うん",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "恥ずかしそうに、だけど確かに頷きながら答えてくれる空。すっかり僕に寄りかかるようになっていたその身体を、僕はそっとベッドに横たえた。\nたった一枚の布地しかない下半身は、僕の目を自然と引き寄せた。\n普段だったらこの下着を見られるだけでも幸せなのに、今は更に先がある。目の前の細い身体を、僕はじっくりと眺めていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ブラとお揃いか。かわいい下着だよね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ズリ上げられたそれと同じピンク色のショーツ。辺に大人びていないそれは空らしくて、よく似合っていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大地は、子供っぽいの、いや……?",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "なんで?空に似合ってるし、別に子供っぽいとも思わないけど",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "恥ずかしそうに尋ねてくる空に、僕は思ったままを即答する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やっぱり似合ってるのが一番だし。それにさ、どーせ男で空の下着見られるのなんて、僕だけだし。だったら問題ないんじゃないかな",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "う、うん。大地がいいって言ってくれるなら……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "それに、そんなの関係無しに空の身体綺麗だし……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あ、あんまりじっくり見ないでね。わたし、こんな体型だし、自信ないから……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "この綺麗な身体を見て反応しないなんてもったいな過ぎると思う。体型がどうかなんて関係ない。空の身体というだけで、他の誰よりもいやらしく僕には見えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ごめん、約束できない。この身体が目の前にあってじっくり見られないなんて、我慢できない",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕は言って、その空の膨らみへと再び手を伸ばす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……やっぱり、大地の触り方、優しいよね\nだから、こうしてちょっと触られてるだけなのに、気持ちいい……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "再び手のひらから伝わってくる空の体温に、ゆっくりと撫で回す感じで手を動かす。\n柔らかい感触を味わいながら、先端の突起を軽くつまむと、空の喘ぎが小さくこぼれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、あ、はぁ……だ、め……声出ちゃう、よぉ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空の胸、柔らかくて、反応よくて、ずっと触っていたくなっちゃうんだよね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "まるで吸い付いてくるような空の胸に、このままいつまでも揉みしだいていたい衝動に駆られてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、僕も空の全部がほしいから……こっち、いくよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "けれど、僕が今欲しいのは空のすべてだから。僕はそんな欲望を抑えこんで、空のもっと恥ずかしい場所へと手を下ろす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "ショーツの上から、空の下の唇へと指を這わした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひゃんっ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "今まで以上の喘ぎと共に、小さな身体が大きく跳ねた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、あ、そこ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空の一番恥ずかしいところ……さっきのオナニーほどじゃないけど、もう濡れてるんだ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "指先に、うっすらと湿り気を感じる。そしてショーツの裾からは蜜らしきものが太ももの方まで垂れて来ていた。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"空",
"大地"
] | 01_StellarTheater | A05_10h_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "……ねえ、大地",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "うん?何、空",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "今、わたしの前にいるのは、大地よね",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "もちろん",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "わたし、大地のものになったのよね",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "僕としては、空をもの扱いする気はないから、その言い方だとどうかとは思うけど、僕と空はこれからずっと一緒にいる。これは間違いないと思うよ\nでも、急にどうかした?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……わたしね、今すっごく幸せなの\nほんの一月前は、こんな幸せ考えたこともなかった。もう絶対に手に入らないはずだった\nその事に気がついたら、これって夢とかじゃないわよねって、ちょっと思っちゃって",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "大丈夫。夢じゃないよ\n五年前、空が僕を救ってくれて、それから一生懸命に色々なことを頑張ってくれて掴み取った、正真正銘の現実だよ\n空は、幸せになっていいんだから。僕が、もっともっと幸せにするんだから",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……うん。わたし、もっともっと幸せにしてもらう\nだから、大地も、もっともっと幸せになってね",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "もちろん。さっきみたいなかわいい空を、これから何度でも見れるんだもん。幸せに決まってる",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "え、あ、も、もうっ!\n……うん。何度だって見せてあげる\n大地が、一緒にいてくれるなら……",
"speaker": "空"
}
] | [
"空",
"大地"
] | 01_StellarTheater | A05_11_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "休み時間、どうにもアオについての考えがまとまらず、気分転換に教室を出てみた。\n情報がどうにも集まらない。多分、何か抜けてることがあるんだと思うんだけど、それが分からない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "人なのか、動物なのか、場所なのか、組織なのか、その他の何かなのか……うーん、分からない……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "窓から外を眺めてみれば、そこには青空が広がっていた。なんか皮肉っぽいなあ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ~いちはっけ~ん♪",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "うわっ、空?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "背後からいきなり抱きつかれ、慌てて振り返れば、やっぱり空だった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "せいか~い。抱きついた感触だけで分かるなんて、大地ったら本当にえっちなんだから\nでも、それくらいわたしの身体を覚えてくれたんだって考えれば、それくらい気にいってくれたんだってことなのかな。えへへ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "そりゃあもちろん。僕にとって、空以上のものは存在しないし",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "その前に響いた声のことはあえてスルーして、僕は素直に頷いた。事実、あの夜から空の温もりとか柔らかさとか声とかは、全然忘れられそうにないし。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん。わたしもね、大地以上のものなんて無いから。そもそも、生涯大地だけだし\nでも、こんな所でどうしたの?随分珍しい場所だけど",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "いや、例の『アオ』についてちょっと考えてた。気分転換も兼ねてね\nどこを捜したらいいのかなあって……実際、それが何を意味するのかも分かってないし……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そうねえ……それじゃあ、わたしが決めてあげる",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空は少し思案するように天井を仰ぐと、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "プール!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "と満開状態の笑顔で言った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……はい?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だから、プール♪",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だって、アオって言ったら青い海、じゃない?やっぱり。海はないから、プールで代用",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "あの、空さん。その理由付けはいかがなものかと……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "さっきの、青空を皮肉だとか言ってた僕より酷いのでは……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、プールってあまり捜査に利用したりしてないし、意外に面白い情報とかあるかもよ\nそれに、もれなくわたしの水着付き",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "よーし、プールいってきまーすっ!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕は空の手を握ると、ダッシュで階段を飛び降りた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え?だ、大地!?ちょっとまだ授業残ってるのに!?",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "残りの授業は全部体育になりました!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "所により保健体育かもしれません。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こ、こらあっ、さすがにそれはまずいってばあ!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "昔の人はいいことを言いました。\n思い立ったが吉日っ!",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "痛たたた……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "まだ痛むの?まあ、見つかったのが陽夏さんだったていうのがまずかったわよね",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "本気で学園からの脱出を謀ろうとした僕達は、あのあと見事に陽夏さんと正面衝突。そのまま捕縛され、脳天に素敵な一撃を食らい(注・僕だけ)教室へと連行された。\nまあ、あの時は空の水着姿に我を忘れて暴走したけど、考えてみれば当然なんだよね。\nというわけで、放課後になってから、改めて捜査という名目で来た次第です。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やっぱり、プールっていえばデートの定番よね",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "いきなりデートに変わってませんか空ちゃん!?",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まあ、男としてここ以上に嬉しいデートスポットっていうのもそうないしね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "大地、嬉しい?わたしの水着姿",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "そりゃあもちろん。でも、混浴の温泉とかだったらもっと嬉しかったかな",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ばか\n温泉は、本当に押し倒されちゃいそうだからパス",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "それはちょっと心外かなあ。僕ってそんな節操ない男に見られてた?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あ……その、気を悪くさせちゃったなら、ごめんなさい。だ、だって……大地、えっちなんだもん……\n大地に触られるのは、その、別に嫌じゃないんだけど……優しいし……\nだけど、他の人に見られたくないもん……。大地にだったら、恥ずかしいけどいくらでもガマンする。だけど大地以外の人に見られたら死んじゃう",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "あーもう、本当にかわいいなあ、空は。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大丈夫だよ、空\n相手が空なら、温泉でなくたって、どこでも押し倒せるから、僕は",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そ、そういう問題っ!?",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "大丈夫。他の誰にも見せないから",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "うわぁ、笑顔が眩しい……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "でも、空と一緒に抱き合って、っていうのも魅力的なんだけどなあ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "温かな湯船の中、ぎゅって抱き合いながら、生まれたままのお互いの柔らかさを感じ合う。それって、きっと凄いよね。\nうわ、なんか興奮してきちゃった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大地、鼻の下伸びてるー\nもう。大地、やっぱりえっち\n……お風呂に入りたいなら、家で一緒に入ればいいじゃない",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "それだ!今度皐月の目を盗んでこっそり入ろう!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そうね。あの子のことだもん、もし見つかったら、きっと一緒に入ろうって言って乱入してくるわ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "え、そっち!?それ問題!?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……大問題じゃない",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "いやあ、僕としては、それも別に有りかなあ、って……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あーもう。まったく、この兄にして、あの妹あり、なんだから",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "衝撃の事実っ。皐月のあれは、僕のせいだったのか!?",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でもまあ、とりあえず今は二人きりなのよね\n泳ご、大地",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "プールにぴったりの、まるで真夏の太陽みたいな笑顔を浮かべて僕の手を引っ張る空。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そうだね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕はその手に引っ張られながら、空と一緒に水の中へと飛び込んでいった。\n…………。\n……。\n…。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふう……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕はプールサイドに腰を下ろすと、一息ついた。さすが星座。それも十二星座候補生レベル。体力も並じゃない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ついていくのが一苦労だよね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そう言いつつも、悪い気はしなかった。\n子供の頃から空はこうだった。少なくとも、今僕の中にある記憶では、あんなやんちゃ少女だったはずだ。\nその時と変わらない、昔のままの空が目の前にいる。それだけでもう、僕は自然と笑顔になった。\n僕自身の本物の記憶はないけれど、空にもらったこの記憶が僕を支えてくれている。空のくれた記憶が、僕にこうして笑顔をくれる。\n空と一緒に、こうして笑っていられる。それはやっぱり、幸せなことだよね。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だーいち♪",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "不意に柔らかい感触が、僕を後ろから抱きしめてきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こら、一人で何黄昏れてるのよ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "ごめんごめん。ちょっと疲れたから一休み",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あ……ごめんなさい。わたしのペースに付き合わせちゃったら、疲れて当然よね。ちょっとはしゃぎ過ぎちゃった\nでも、疲れたなら言ってくれればいいのに。一緒に休も",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "いやあ、この程度でこんな疲れるなんて、歳を感じるよね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そうね。特に精神年齢の方かしら",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "あれ、おっかしいなあ。身体はともかく心はいつまでもぴっちぴち健康優良少年のつもりなんだけど",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "まったく逆だと思うわよ。だって、大地……あの時、身体の方凄かったもん……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "いや、あれはその、空が逆に凄すぎて、回復しまくっちゃってたのではないかと",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "も、もう。大地はすぐに恥ずかしい言い方するんだから……\nそれじゃあ、疲れた身体に回復薬あげちゃうわね\nえいっ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "僕を抱き締めているその腕に、より力を込める。背中に触れていた小さな膨らみが、思い切り押し付けられる形になって、かなり嬉しい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "おおう、空の、思い切り当たってますよ?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ふふーん。当たってるんじゃなくて、甘えながら、当ててるの\nだって、悔しいけど肉体的特徴では他の子に勝てないもん、わたし。だったらその分頑張らないと、大地に目移りされちゃう\nおっぱいちっちゃいけど、これなら女の子に抱きしめられてる感じは一応楽しめるでしょ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "そう言って、いかにも小悪魔的な笑顔で笑う空はかなり凶悪だと思うんだけどどうでしょう。\n空の胸だって、小さいといっても、決して無いわけじゃあなくて。ふにふにとした気持いい弾力が、僕の背中から全身に広がっていく。\nああ、やっぱり、空の、いいなあ……。\nそう、改めて認識したところで、ふと反対側のプールサイドに座って休んでいる女の子の姿が目に入った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "!?!?!?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "で、でんじゃら~す……。\nな、なんだろう、あの子の胸っ。僕らよりちょっと年上くらいであのサイズ!?どういう生活したら、あんな育つんだ!?\nぷるん、と上向いた大ボリュームに、自然と視線が吸い寄せられる。\nな、なんていう存在感……。あれって、輝夜と同じくらい……?\nで、でもまあ、うん。可愛さでは空のが遙かに……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "で、どこを見てるのよ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "ぎくうっ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "す、鋭い……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "い、いや、空ほど可愛い子は他にいないなあって",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "む~……\nほんと、あの子、おっぱい凄いわよね。思わず見入っちゃうくらい",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "ぎくぎくうっ!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "や、やっぱり鋭いなあ、空。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えっと、そのぉ……確かにちょっと気にはなってしまったというか、あれくらい特別サイズだと男なら誰でも気になってしまうと思うわけでして……\nけ、決して、あれがいいだとか、あれくらい欲しいだとか、そんなわけでは……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ね、ねえ、大地……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "必死に弁解しようとする僕に、空のちょっと悲しそうな声がかけられる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やっぱり、大地はおっきい方が好き?わたしだって、星座を辞めれば成長も再開するし、きっと……多分……その、約束はできないけど……\nで、でも、今よりはおっきくなると思う!大地がその方がいいっていうなら、すぐに星座辞める!やめて、一生懸命おっきくする!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "辞めないでいいよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕は言葉にすることすらもどかしく、即答した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "即答なんかして、ちゃんと考えてくれてる?",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "もちろん。僕は空が好きなんだよ。無理をしてない、あるがままの空が。その空が星座としての今を選んでるなら、僕もその空がいい",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "空が今の体格なのはちゃんと理由があるし。そもそもそれだって僕を助けようとしてのもの。それを受け入れられないはずがない。\n……それに正直、空は今のままの方が可愛いなあ、なんて思ってもいたりします。というか、成長した空が想像できません……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大地……\nうん。わたし、今のままでいるね。大地が望んでくれるかぎり、ずっと\nそれに、成長が止まるっていうことは歳もとらないっていうことだし……いつか、おじいちゃんになった大地の隣に、今の姿のままのわたしがいる。これって素敵かもね\n孫じゃありません、妻です、って。みんな驚くわよね。あ、そういうのもロリコンっていうのかな",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "同じ歳だよ。もし言われたら堂々と胸張って言えるね\nそうです、ロリコンです!って",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そっち言ってどうするのよ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "いやあ、そう言われても構わない、という初心表明で",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "まったくもう……\nほんと、とことん大地なんだから♪",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "そう言って笑ってくれる空が眩しくて、それだけで今日の僕は満足だった。\n陽も傾き、世界の色がすっかり変わり果てた頃、僕達はようやく帰る準備を始めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん、遊んだ遊んだー",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "うん、堪能した堪能したー\n時々はこうして気分転換も必要だね。頭の中がちょっとスッキリした気がする",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "でしょ。まあ、わたしが言うのもなんだけど、一つのことに集中しすぎると、かえって分からなくなっちゃうもの",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空は、そのためにわざと誘ってくれたわけだ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "まあね。大地は広く考えすぎなのよ。アオが何を意味する言葉か、そこで迷っちゃってるでしょ。だから、何を捜していいのか分からない\nまずは、そこから絞ってみない?アオが何を意味するのか。今までの黒猫の言葉から、大地はなんだって思ってるのか\n捜すものが決まってないのに、見つかるはずないもの",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "確かに。捜すにしたって、捜し物が何か分からないんじゃ見つけられるはずがない。\nそれがずれててもいいから、まずは何を捜すか決めないと。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "改めて考えてみれば、ソラの目的はアオの世界を広げるために、記憶を集めることなわけだから、アオっていうのはやっぱり人の名前だと思う\nうん。ここはやっぱり、人の名前として絞ってみよう",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "それでいいと思うわ。だめだったら、また別のものに絞ればいいんだもん",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "なんだろう。何かが分かったわけでもないし、情報が手に入ったっていうわけでもないのに、妙にスッキリした気分だ。\nうん。空の水着も堪能できたし、今日は実にいい日だ。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"空",
"大地"
] | 01_StellarTheater | A05_15_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "窓から差し込む光はすっかり傾き、教室はいつしか茜色に染まっていた。\n部室の方にいかないといけないことは分かっていたけれど、それでもなぜか行かなかった。誰もいなくなった教室で、僕は一人でこの風景を眺め続けてる。\nいや、行かない理由は分かってた。\nこれから僕がしようとしてること。それは間違いなく、みんなの目指すものと違う。むしろみんなの邪魔になる。\nそんな僕が、みんなの中にいてはいけない気がしたから。少なくとも、今日一日は。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大地。ここにいたんだ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "不意に扉が開き、空が姿を見せる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "空?あれ、部室の方は……って、もしかして陽夏さんから捜し出せ命令が!?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "慌てる僕に、空はクスと笑う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大丈夫よ。ちょっと調べ物があるみたい、ってごまかしておいたから\n他のみんなは、いつも通りにソラのこと捜しに行ったわ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "……空は、なんでここに?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "うーん、なんでかしら。ただ、なんとな~く、ここなら大地がいそうな気がするなって",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "やっぱりいたし、と笑う空。その笑顔が、今の僕にはなんだかとってもありがたかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大地こそ、なんでここに?部室にも出ないで",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "いや、その……まあ、いろいろと……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "どう答えていいか分からない僕を、空はジッと見つめていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……大地",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "ん?何",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "えっち、しようか",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "唐突な空の言葉に、僕は思わずその意味を考え直す。えっち。アルファベットの一つ……なんて使い方をここでしても意味ないわけで。\n空が僕に言うその単語の意味なんて、一つしかない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こ、ここで……?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "うん。ここで",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "にっこりと笑顔で言い切る空。けれどその顔は、この教室の中でも分かるくらいに真っ赤だ。その一言を言うのに、どれだけ恥ずかしいのを我慢してくれてるんだろう。\nそこにどんな想いがあるのかは分からないけど、空の想いを僕は絶対に拒絶しない。\n空が、それを望んでくれるなら。僕にそれを断る理由なんてない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん。僕も空とえっちしたいな……ここで",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "それじゃあ……しちゃおう……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "そう言って、僕らはまず唇を重ねた。軽く触れ合わせるだけのキス。\nそれはまるで、これから行うことの儀式みたいだった。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"空",
"大地"
] | 01_StellarTheater | A06_05_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "こ、こうでいい、の……?",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "うん。それでお願い",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "机の上に空を座らせ、ベストのボタンをとタイを外す。小さな空の身体は、それでやっと僕と同じくらいの高さだった。\n足の間から覗けるピンクの下着が、その下にあるものを想像させてドキドキする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "わ、わたしから言い出したことだけど……やっぱり、ドキドキするね。こんな場所でのえっちなんて……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "誰か通らないか気になって仕方ないのか、空はキョロキョロと廊下の方へ視線を送る。\n時間的に部活動以外の生徒は殆ど帰っただろうし、部活動の方は今が旬。教室の方まで上がってくることはまずないはず。\nだけど、それでもやっぱり気にはなっちゃう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん。もし誰か来ちゃったら、空の裸をその人に見せることになっちゃうし",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "え、そこなの?",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "もちろん。空の裸を他の男に見せるなんて絶対にやだし",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ここ以上に大事なことなんてありません。空の身体はあくまで僕だけのものですから。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もう。こんな時でも、大地は本当に大地なんだから",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "当然。だって、空が好きになってくれたのは、こういう僕なんだから。僕は常にそれに応えるよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "うん。応えて。わたしも、そんな大地にだから、全部捧げられる……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "恥ずかしそうに言いながらも、身体から力を抜いて僕へと捧げてくれる。\nまた空の身体を見られる。そう考えるだけで震えてしまう指先を、空のシャツへと僕は伸ばした。\nボタンを全部外され、大きく開かれるシャツ。その下から、ショーツとお揃いの可愛らしい空のブラが現われた。\nそのわずかな膨らみと相まって、僕の本能を刺激する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "その、こ、子供っぽく、ない……?",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "全然。空に似合っててかわいいよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "むしろ、子供っぽくっても構わない。この下着を着けているのが空で、この体が空のものだっていうことが、今は一番大事なんだから。\n僕はブラの上から、その緩やかな胸を、できるだけ優しく揉みしだく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "ふに、っとした柔らかさに、僕の手が沈み込んだ。同時に、空の唇から可愛らしい声がこぼれ出る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "空の胸、柔らかい……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "うん……ちっちゃくて、ごめんね……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "全然問題ないよ。僕にとって大事なのは、これが空の胸だっていうことだけだし",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あ……ん、んぁ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "ゆっくりと動く僕の手のひらに、空が小さく喘いだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大地の手……気持いい……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "気持ちよさげなその声に、僕ももっと空の身体をいじりたくなる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こっちも、いい?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕は空いている右手を、そっと空の左膝に載せる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え……う、うん……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "その意味をちゃんと悟ってくれたのか、空は顔を赤らめながらコクンと頷いた。\nそれを確認してから、僕は空の両足を大きく左右に開かせる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "わ、わたし、凄い格好だよね……全部、見えちゃう……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空自身を覆い隠すピンクの下着。初めて抱いた時に見た空の秘裂とその感触を思い出し、そこに触れたくてたまらなくなる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん。空の全部見たかったから。やっぱり、恥ずかしい?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "もちろんよ……だけど、大地にだから、ガマンする……大地になら、見られても平気……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "ジッとそこを見つめている僕の視線に必死に耐えて、足を開き続ける空。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "で、でも、やっぱり恥ずかしいよぉ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "その身体が、恥ずかしさに小さく震えているのが分かる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そうやって必死に堪えて見せてくれる空、かわいいなあ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "これ以上は本当にガマンできない。僕はショーツの上から、その小さな割れ目に、そっと指を這わせた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃうっ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "可愛らしい声と共に空の身体がびくんと大きく跳ねる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やっぱり、こっちに触るの、緊張するね。空の、一番大事なところ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "うん……大地だけの場所、よ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "そんな空の言葉が自然と僕を昂ぶらせる。僕は秘裂をなぞっている指に、少し力をこめた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、あ……うう、んっ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "懸命に抑えようとしている甘い響きが、教室内に響く。\n空のそこは、ショーツの上からでも分かるくらいに熱く昂ぶり、身体を上気させていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う……あ、あふ……ん、んうっ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "声、隠さないでも平気だよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だ、だって、ここ学園で……ふあ、ああっ……こ、声聞かれたら……人、来ちゃう……っ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "それでももう、感じているのは隠し切れていない。ショーツの方もうっすらと濡れており、僕の指を湿らせる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "残ってる人なんてもうほとんどいないし、いてもみんな部活中だよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "それは分かって、んくぅ……るんだ、けど……や、あ、大地の、指、入って……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "もっともっと空に感じてほしくって、僕は割れ目の間に指を埋めた。空は背筋を反らせながら、僕の愛撫を耐える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "僕は、もっと空のかわいい声聞きたいんだけど……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "で、でも、恥ずかし……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "それでも、吐息は確実に甘く湿り始めていた。あと一歩を求めて、僕は空の胸に手を伸ばす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "夕方の、少し涼しげな空気に晒される空の胸。小さな膨らみの中心は、固くピンと尖っていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "空の、ツン、て尖ってる……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だ、だって……大地に触られてるんだもん……感じないはず、ない……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "乳首が立ってしまっていることを知られたことが余程恥ずかしいのか、空は僕から視線を逸らしながら言った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "僕も、もっと空に感じてほしい……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だけど、そんな空の態度が余計に可愛い。割れ目の中を愛撫しながら、空いている手で胸を揉む。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃうっ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "吸い付くようなしっとりとし肌に、むにっと返ってくる質感。その柔らかさを味わいながら、中心にある突起をきゅっとつまむ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、あ、つまむのだめぇ……か、感じ過ぎちゃって……ひ、あ、ああんっ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "びくん、と背中を弓なりにそらせて、空は大きく喘いだ。\nそのまま指でこりこりといじると、秘裂の奥から溢れる蜜がその量を増す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、だめぇ……こ、こりこりってきて……あ、あふ……こ、声、出ちゃ……っ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "ぬるっとした液体が、ショーツに染みを作り、そのまま僕の指にまで絡みついた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あう、ん、んく……ふあんっ!\nや、やぁ……で、電気、びりびり、って……んく!あ、あふ……んうっ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "胸と秘裂、その両方を同時に責められて、空ももう耐えきれなくなっていた。甘い泣き声を響かせて、その身体を震わせる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……凄いよ、空のここ、急に濡れてきて……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "奥からこぼれる蜜は更に量を増していく。それは一枚の布じゃあ抑えきれずに、机の上にまでうっすらと垂れ始めていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え、あ、やあっ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空は、そんな自分の姿にたまりかねたのか、再び足を閉じてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あうぅ……やっぱり、恥ずかしい……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空の、見ちゃだめ?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕としては、もっともっと空の恥ずかしい姿を見たい。優しく尋ねかける僕に、空は真っ赤になって上目遣いで答える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、だって……あんな染み、出来ちゃって……はしたないし……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "感じてくれてる証だと思うんだけどな",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕に感じて、気持ちよくなってくれている証拠。それをはしたないなんて思うはずもない。\nそもそも僕は、空のもっともっとはしたない姿を見せてほしいわけだし。\nあえて愛撫をやめ、その大きな瞳をジッと見つめる僕に、空の顔が更に朱を増す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、うん……ごめんね……もう、一度見られちゃってるのに……で、でも恥ずかしくて……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "そして、絞り出すようにして、その先を言葉にした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あの……頑張ってガマンするから……ぬ、脱がせて……くれる……?",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "この状況で脱がすものなんて、それは一枚しかない。決まってる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "脱がすって……い、いいの……?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そこは空の最後の砦。それを自ら求める空にあえて確認すると、空は何も言わずに、ただ頷いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "閉じられたままの空の足。僕はスカートの奥へと両手を差し入れると、その裾にしっかりと指をかけた。\nそしてゆっくりと、ピンク色のそれを引っ張り出す。\n濡れて数本の糸を引きながら脱がされた空のショーツ。閉じられた足の向こうに、空の入り口がある。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こ、これでもう、隠せるものない、から……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "覚悟したから、とばかりに僕を見つめる空。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん。足、開くよ……?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "その瞳を受け止めながら、目の前の細い足に、僕は手をかけた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お、お願い、します……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "羞恥に満ちた空の声。それにより昂ぶる自分を感じながら、僕は空の一番いやらしい場所を目の前にさらけ出させた。\nまったく陰りのない、生まれたままの空の秘裂。ぴっちりと閉じ合わさったその奥からは、透明な蜜が垂れている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "空の、やっぱり綺麗だ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "一度僕に引き裂かれたとはいえ、そこは少しもくすんでいない。まるで始めての時と変わらないその割れ目に、僕はそっと両手をかける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "中、見るね……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あうう……やっぱり恥ずかしいよぉ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "ぎゅっと両目を閉じて、今にも泣きそうな声で言う空。だけど僕の行為を邪魔することもなく、黙ってそこを差し出してくれている。\n僕は空の奥をこの目に焼き付けるようと、縦筋を左右に開いていった。\n蜜に濡れきった桃色の皮肉が、その顔を覗かせる。その柔らかそうな秘肉に沿って視線を降下させると、空の女の子としての入り口が見える。\n僕によって、痛々しくも純潔を引き裂かれた、その入り口が。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あれ?空のここ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だけどそこを見て、僕は疑問を声に出していた。\nあの日、空のここを綺麗にした時、間違いなく裂けて広がっていたのを覚えている。その痛々しい絵に、より空を愛しく感じた。\nだけど、今のこの場所は……",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "初めての時と……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あう、やっぱり気付いちゃったか……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "そんな僕の反応に、申し訳なさそうに呟く空。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ、やっぱり……?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "う、うん。星座の回復力で、治っちゃってる……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "言われて、僕はやっと気付いた。星座は、その力に目ざめた時点で成長が止まり、あらゆる傷を、その時点に戻そうと回復させる。\n僕が引き裂いたあの傷も、星座としての回復力が……?\n改めて、その入り口をジッと見る。そこは前回同様、小指すら入らなさそうに狭く小さい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……凄いちっちゃいままだ……これって、毎回空が痛い思いしなくちゃいけないってこと?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ごめんね……やっぱり、毎回痛がられるのとか、めんどくさいよね……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "僕としては、空が辛い思いをするのがイヤで言ったつもりだったんだけれど、空は、それでも僕のことを考えてくれていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、だけど、どれくらい痛いのかはもう分かったし、頑張ってガマンするから",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "そんな空の気持ちがただ嬉しい。だからこそ、より空を大事に扱いたい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いや、男からすれば好きな子を抱くのにめんどくさいも何もないよ。凄い気持ちいいし\nただ、その度に空に辛い思いさせるのが……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ううん。わたしは本当に大丈夫だから",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "本心だと分かる声で、そう言う空。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "初めての時だって、痛かったけど嬉しかった。大地がわたしの中に入って来てくれてる証だって思ったら、全然辛くなかった\nだから、お願い。わたしのことは気にしなくていいから……その、ちょっとは痛がっちゃうかもしれないけど……\nそれでもね、わたしは本当に嬉しいから、気にしないで大地が気持ちよくなって\nわたしだってね、大地に愛されてるんだって想いで、ちゃんと気持ちよくなれるから",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空の、僕と一緒に気持ちよくなりたいっていう想いが凄く伝わってくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それに……大地も男の子だもん。したい、よね……?",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "そ、それはもちろん……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "わたしも、大地としたいよ\nだから、しよ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空も、僕に抱かれたがってる。\nどこまでも澄んだ笑顔でのその言葉に、僕も空が本当に望んでくれているのを感じる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……うん、分かった",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だから、空に喜んでもらうためにも、気にするのをやめる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ま、まあ本音を言えば、空のこんな姿見ておきながらガマンなんて無理です",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そう言いながら、僕は改めて空の秘所へと視線を送る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……も、もう。やっぱり大地えっち……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "うわ……もうこんなに……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "中から溢れてくる蜜を舐められそうなくらいに顔を近づけて見させてもらう。\nいやらしくも綺麗な柔肉が、てらてらと輝くように濡れていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お願い……あ、あんまり近くでは……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "ごめん……でも、やっぱり綺麗だ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "覚悟はできても、その羞恥がなくなるわけじゃない。僕の息すら感じられる距離で、その中までじっくりと見られて、空もか細い声を上げる。\nだけど、やっぱり無理だ。こんなに綺麗な空、もっともっと見たい。\n僕はこの距離で、空の柔肉をそっと撫でた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひあんっ!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空の、こんな熱くなってる……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "火照りきったその中で指を動かす。秘裂に沿って上下に動くその指に、中からどんどんと蜜が溢れる。\n押さえていた布も失った今、それは机の上へとポタポタ垂れていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、あっ……大地の指……あ、熱くて……ひっ、んあぁっ!\nあ、はぁっ……ん、ああ……う、んあぁ……!\nす、凄い、よぉ……さっきから、ぞくぞく、ってきて……あ、んうぅっ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空の体内の柔らかさが、直接指に感じられる。次第に白みを帯びていく蜜が指を濡らし、ぐちゅぐちゅと音を立て始めていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "空の、どんどん溢れてくるよ……もう指がぬるぬるで……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "その熱さと柔らかさに、僕は夢中になって空を愛撫し続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ね、ねえ、大地のって、どうなってるの……?",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "え?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "不意に言われた空の発言に、思わず僕の手が止まった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "わ、わたしばかり見られるの……ずるい、よね……\nわたしも、大地に、したい……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "恥じらいながらも向けられた空の視線は、僕の下半身へと向けられている。\n僕も当然してもらえるならして欲しいとは思っていた。だけどこれは嫌がる女の子も多いって聞いてたし、僕からは言い出せなかった。\nでも、空がしたいって言ってくれるなら……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うわぁ……こ、こんなにカチカチ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空は、イスに座った僕の目の前にしゃがみ込むと、ズボンのチャックを下ろしてそれを取りだした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、うん。空の身体で、こんなになっちゃいました……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "空の身体を存分に味わっていた僕自身は、僕も驚くくらいに大きく、固く屹立している。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "初めての時に見てたけど、で、でも、やっぱり凄い……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "そんな僕のモノを恐る恐る手でいじりながら、空は好奇心いっぱいに観察していた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "男の子って、こんな大きいんだ……い、痛いはずよね……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "自分の身体を貫かれた時のことを思い出しているのか、空の表情が少し歪む。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いや、普段はそんな風にはなってないんですけどね……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "一人でする時ですら、ここまでになったことはありません。やっぱり、空のせいだと思います。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "で、でも、こんなになって、大地は痛くない、の?",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "腫れ上がってるようにでも見えるのか、本気で心配してくれる空に苦笑してしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "別に痛くはないけど……その、暴発とかはしちゃうかもなあって……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あ、本当だ……先っぽから、透明なの出てる……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空は僕をジロジロと様々な方向から眺めると、先端からこぼれているそれに、感心したような声を出した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いや、そう説明されてしまうと……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そ、それじゃあ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "そして苦笑する僕を尻目に、恐る恐る僕の先端を舌先で舐める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぴちゃ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "うあっ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ぞくり、とした快感に背筋が伸びる。そんな僕を見て自分が失敗したと思ったのか、空は慌てて舌先を離した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ご、ごめんなさいっ。痛かったりした?",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "い、いや、痛いとかじゃなくて、凄く気持ちよかった\nできれば、もっと……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "たったあれだけなのに、あそこまで大きな快感が突き抜けた。さっきの調子で続けてもらったら、いったいどれだけの快感を味わうことができるんだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、うん……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空は僕の要望を聞くと、再び恐る恐る舌先を伸ばした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぴちゃぴちゃ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "そして、ガチガチになっている僕の先端をそっと舐めていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぴちゃぴちゃぴちゃ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空の舌の動きは拙いけれど、だからこそ頑張ってくれているのが伝わってきた。その一舐めごとに、電流みたいな刺激が脳髄へと走って行く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ど、どう……?初めてだから、強さとか分からなくて……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "う、うん。凄く、いい……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "痺れるような快感に、少しずつ何かがこみ上げてくるのが分かる。僕はそれを堪えながら、空の舌による愛撫を味わう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "よかった……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空も、そんな僕の返答にホッとしたのか、チロチロと、舐める範囲を少し広げていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぴちゃぴちゃ\nこ、この窪んでるとことか、かな……?\nぴちゃぴちゃ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "うあぁ……で、電気みたいなの走った……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "びくん、と思わず反応してしまう僕に、空が嬉しそうに笑みを浮かべる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えへ……大地の感じてくれてる顔、かわいい\nそ、それじゃあ……もうちょっと……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "そして、大事そうに僕のものを掴むと、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んむっ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "その小さな口に、含んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くっ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "空の熱い吐息が僕を包み込み、唾液に塗れた舌が敏感な部分を刺激する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、う……だ、大地の、おっきい……ん\nん……んむ……んっ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "僕を咥えながら、ゆっくりと前後に動き始める空。慣れていないせいか時々苦しそうな顔も見せるものの、一生懸命に僕を刺激し続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ、んあ、はあっ、んくっ……んうっ\nんむ、はあっ、はあっ……ん、んあっ\nんうっ……はぁ……はぁ……ど、どう?……んうっ……ん……くっ!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空の舌使いに、ゾクゾクとした快感が僕を包み、今にも吐き出してしまいそうな欲望が下腹部へと集まってくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、うん。凄く、いい……で、でも、もう……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "少しでも気を抜けば、このまま解き放ってしまいそうだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……んむ……い、いいよ、んぁ……ん……このまま……はあっ……はあっ……ふぁ……ん、んくっ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "口内の粘膜が僕の先端を擦り上げ、舌が起伏部を刺激する。湧き上がる快感は僕の意識を麻痺させ、その欲望を次々に集めていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、はあっ、はむっ……んく、んうっ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "こみ上げてくる射精感。半ば麻痺した意識の中で必死に堪えるものの、それを空の懸命な舌使いが霧散させていく。\nまるで絞りきられた弓のように、僕の中で溢れかえる白い欲望。限界にまで達した射精感に、身体が震える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ、んあ……い、いつでも、んん、んう!……はあっ……はあっ!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "甘い嬌声と一緒にこぼれる空の吐息。その熱い刺激に、僕の中で何かが弾けた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ご……ごめん、い、いくっ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そしてそのまま、空の口へと放出する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ!んうぅっ!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "どくん、どくん、と何度も何度も放たれる欲望に、空が苦しそうに顔を歪める。\n僕自身驚くくらいの量が、空の口の中で発射されていた。空の小さな口では受け止めきれず、その隙間からもこぼれていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ、んく……ううううっ!\nん……んく……ん……んん!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "それでも空はできるかぎりを必死に受け止め、そして最後に、どうにか飲み込んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……はぁ……えへ、苦いね、これ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "苦しげに、だけど笑いながら言う空。その口元に、溢れた白いものがついている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それに、こんなにいっぱい。ごめんね、たくさんこぼしちゃった……\n大地、初めての時もだけど、すっごくたくさん出すんだもん",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "かなり苦しかっただろうに、それでも僕のことを考えて笑ってくれる空に、ただ嬉しさがこみ上げてくる。\n同時に、また自分が昂ぶっていくのが分かった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……はぁ……うん、ごめん。口でしてもらうのが、こんな凄いなんて思ってなかった……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "うん。大地を感じさせちゃった。すっごく満足",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空は嬉しそうに言って、そしてまた僕自身をそっと触った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "で、でも、凄いな。これ、カチカチのまま……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "出したばかりなのにも関わらず、それはもう最初の固さと大きさを取り戻している。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やっぱり、中に入りたい、のかな……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "それはその、当然入りたくて堪らないわけだけど……空、まだこの前から日が浅いし、また今度でも……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "今もあれだけ苦しい思いをして僕を気持ちよくさせてくれたんだ。そこまで無理をさせたくない。\nだけど空は、小さくかぶりを振るとニコッと笑って顔を上げた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ううん。わたしがね、今日、ここでしたいの\n大地に、されたいの",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "僕を気遣っているだけでなく、本心からだって分かる空の言葉。そんな空を、僕も抱きしめたくてたまらない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だから、お願い……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "僕は迷うことなく、頷いていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こ、この体勢、ちょっと恐い、ね。大地の顔見れないの……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "床に這いつくばるように横になった空。その足は大きく開かれ、中心を惜しげもなく僕に見せつけている。\n僕はその足をしっかりと支えながら、空の入り口へと自分自身をあてがっていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やっぱり、普通の体勢の方が……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "後ろからの体勢に不安を覚える空にそう提案するものの、空は少し力のない笑みを浮かべてそれを断った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、ううん、大丈夫。大地、優しいから、わたしの顔見ちゃうと多分本気でできないでしょ\n今度は、もっと気持ちよくなってほしいし",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "それがやっぱり僕のことを思ってなのが嬉しい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だから、思いっきりきて、大地。大丈夫、二度目だもん",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "確かに二度目ではあるけれど、空の身体は初めての時と変わらない。痛みも同じだけあるはず。\nだけど空の顔には、痛みに対する不安はなかった。ただ素直に僕を求めて、僕を喜ばせたがっている。\n本当に空は、健気に尽くすタイプなんだなあ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "分かった。それじゃあ、いくよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ここで遠慮をしても意味がない。僕自身が空を気持ちよくして喜ばせるために、僕は空の中へと自分を埋めていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うぁ……き、きつっ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "前回とまったく同じ、ギチギチと痛いくらいの締め付けが僕を押し返そうとする。僕はそんな反発に負けまいと、腰に力を入れていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "い、痛っ……あ、あうっ!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "その瞳に涙を浮かべて、懸命に堪えようとしている空。結合部からこぼれる赤いものが痛々しい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やっぱり辛い……?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だ、大丈夫……だから……今度は、これくらい痛いって分かって、たし……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "歯を食いしばり、僕を受け入れ続ける空。ぶつぶつと何かを引きはがすような感覚と共に、僕自身が少しずつ空の小さな身体に飲み込まれていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ほ、本当にね、大丈夫だから。い、一気に、んくっ、きて……!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "これ以上ゆっくり進んでも、苦痛を長引かせるだけかもしれない。僕は空に頷くと、一気に腰を押し出した。\nぶつんっ、と何かを勢いよく引き裂いて、一気に空の中へと沈み込む。\nきゅうきゅうと僕を締め上げてくる狭い秘洞の中、僕は空の二度目の純潔を奪い取った。\nやっぱり前回同様半分ほどしか入らないけれど、それでも熱い空の体内は存分に味わえる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大丈夫、空?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "その手を握りしめて痛みを堪えている空に、そっと声をかける。空は涙を浮かべながら、僕に頷いてくれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、だから、平気。きて……大地",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "痛みを堪えつつも、僕を求めてくれる空。そんな空に応えて、少しでも気持ちよくしてあげたい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……うん、分かった。でも、だったら……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕は割れ目の頂点にある、小さな突起に、包皮の上からそっと触れた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃあんっ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "身体の中で、最も敏感な部分を刺激され、空が背中を仰け反らせる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こうやって、感じながらなら、少し楽になるよね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "できるだけ優しく、ゆっくりと撫でる。その動きに合わせるように、空は身体を震わせ、甘く喘いだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、やあ、そこ、敏感、で……あ、ああっ\nはぅ、ん……ふぁ、ああん、うぁ……ああっ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "そしてその刺激に多少慣れた頃を狙って、その小さな豆を包む皮をめくり上げる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うわ……ここってこんなになっちゃうんだ……凄い、ぷっくり膨れて……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そすでに充血し膨れたそれを、空の蜜に濡れた指で直接撫でる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、やあっ!そこは!うくっ、んあぁ……きゃうっ!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空の喘ぎと共に、締め付けがきゅっと強くなる。同時に、奥から湧き出る蜜が、格段にその量を増した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はあっ……あ……あく……ん、んあぁ……っ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "……空の中、凄いヌルヌルしてきて……これならもう少し……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "明らかに痛みを忘れて感じている空。もっと感じてほしくて、僕はその豆を指で軽くつまんだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、だめぇ、何か、びりびり……ん、んあ、あふっ!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "びくん、と身体を震わせて、下半身からの快感に震える空。締め付けがより力を増すものの、溢れる蜜が潤滑油となって、僕をもっと奥へと導こうとする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、か、はぁ……ん、あ、あく、はあぁ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "う、く……空、きつい、けど……動けるよ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ゆっくり、本当にゆっくりだけど、空の中を前後に動く。熱くトロトロの空の中。一本一本のヒダが、僕を逃がさないとばかりに絡みつき、締め上げる。\n擦られる僕自身に、背筋を快感が駆け上っていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、大地、が……わたしの中で、動い、て……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "そしてそんな僕に、空が甘い声で鳴く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "い、痛い、けど……ぞくぞくって……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "ぷるぷると震える細い肩。結合部から広がる快感は、空にとってきっと初めてのものだと思う。\n空は何かをガマンしてるみたいに、必死に葉を食いしばっていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あ、ああっ、だ、だめ、大地……わ、わたし……ガマン、でき……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "けれど、身体の奥と外の突起からの二重の刺激に耐えかねたのか、何かをお願いするように僕を見たい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、やあ……っ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "もう限界。そんな声と共に、空の割れ目の中、上の方から、熱い液体が迸った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え、空……?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だ、だめぇっ、み、見ないで!音聞かないでっ!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "真っ赤になって、叫ぶようにお願いをする空。とはいえ、この状況で見るなといわれてできるわけもない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "身体に、力入んなくて……と、止まってくれない……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "僕と繋がったままの空の身体。その結合部のすぐ上から、ちょろちょろと流れる液体。それが何なのか考えるまでもなくって……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お、お願い大地、見ないで……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "いや、あの、でも……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "空の恥ずかしいその姿から、目を離せるはずもない。羞恥に埋もれた空の顔は本当に可愛くて、そんな姿に僕自身が反応してしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え……あ、大地の大きくなって……!?",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "す、すみません。女の子のこんなシーン、初めてなもので……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "うう……大地のばかぁ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "ごめんなさい。でも、空のはじらう姿を見て感じるなっていうのはかなり酷だと思うんです。\nやがて、すべてを出し切ったのか、放出はゆっくりと収まった。床の上には小さな水たまりが広がっている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あの、大地……?\nわたしのこと、見損なっちゃった…?その、こんな子で……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空が、まるで怯えるように尋ねてくるけれど、今ので見損なうような男がいたらそれこそおかしい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いえ、むしろ興奮してしまったくらいですから……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "むしろ恥じらう空が見られて相当に昂ぶってしまいました。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "も、もう……大地が、あんなの好きだなんて……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "相手が空なら、どんなものでも受け入れるよ、僕",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……あうぅ……その一言で嬉しくなっちゃうんだもん……わたし、本当に大地いないと生きてけない……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "どちらかといえば、僕の方こそ幻滅とかされても文句が言えない状況だったんだけど、それをこんな風に受け入れてくれる空は本当に可愛い。\n僕は、蜜だけでなく、さっきの放尿で更に濡れそぼった空の中を、再び動き始める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あんっ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "まだまだ凄くきついけど……こうして、ゆっくりなら……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "初めの頃に比べ、少し柔らかくなったように感じる空の中、ピッタリと貼り付くように絡みついてくるそこを前後に動く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、んう……!だ、大地が動いてるの……分かる……んあっ\nあ、はうっ……な、何か、背筋、上って……んく……くふぅっ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空、恥ずかしい思いして感じてるね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "さっきの放尿を見られたことで、逆に敏感になってしまっているのかもしれない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "空の中、こんなにギチギチなのに、すっごくヌルヌルしてる",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "動く度に蜜が溢れ、外へとこぼれだす。ぬちゃぬちゃと小さな水音が響き、それが僕をまた昂ぶらせていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "僕も、もう今すぐ出ちゃいそうなくらいで……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "キツイのに柔らかい。その不思議な感覚に締め上げられて、僕はまた上り詰めかけていた。空の中にすべてを吐き出したい。そんな欲望が急速に湧き上がってくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、大地って、あの、実はすっごく早い人……?その、この前も、だったし……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "聞いちゃいけないことだったらごめんなさい。そんな表情で尋ねてくる空に、思わず苦笑してしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あのねえ、僕だってこの前のが初めてで、上手いわけでもなんでもないんだから、こんな気持ちいいのガマン出来るわけないじゃない\n空の中、本当に凄いんだよ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "空の中でこんな風に締め付けられて、擦られて。これで平然としてられるような男は絶対にいないと思う。それくらい空の中は危険だ。\nううん。そもそも、空の身体が僕専用で、僕を感じさせるようにできているのかもしれない。そう思ってもおかしくないくらいに、ピッタリと吸い付いてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あは。そっか。わたしと同じなんだね",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空はそんな僕の話を聞いて、嬉しそうにわらった。\n空も、僕の抽挿に相当感じてくれているんだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ、二人でもっともっとたくさんえっちして、もっともっとうまくなろ。それで、一緒にもっともっと気持ちよくなろう\nわたし、大地にもっともっと、愛されたい……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "うん。もっともっと、気持ちよくなろう",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "こんな気持ちいいこと、もっともっとしたい。そして二人で更に気持ちよくなれるなら言うことないと思う。\n少しくらいは大丈夫だろう。僕は空の中を動く速度を少し早める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃうっ……え、あ……こ、こんな、何、これ……ああ!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "きゅん、っと更にきつく締まるものの、すっかりとろけた空の中は、なんとか動くことができた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ま、まだこんな痛い、のに……あ、ぐっ……はんっ……き、気持ち、いいよぉ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "その動きに空の嬌声がこぼれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、んあっ……あ、はぁ……はぁっ!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "うく……空、す、凄く熱くて……と、溶けそう、だ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "わたし、も……うく……さっきから、何か……湧き上がって……きてっ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "溶鉱炉の中にでも突き入れてるみたいに熱い空の体内。溢れる蜜をかき分けるように、空の中を荒らしていく。\n痺れるような快感がヒダの一本一本から伝わり、僕の視界を少しずつ霞ませていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これって……あ、ああっ!身体、震えて……ふ、ふあぁっ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "教室であることも忘れて、空が大きく甘く鳴く。そんな声までもが、耳から僕の脳髄を犯していった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "も、もう、限界……っ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ぱんぱんに膨れあがった射精欲に、僕ももう抑えがきかない。空にもっと甘く鳴いてほしくて、僕は本能のまま空を犯す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あ、ああっ!だ、大地っ、大地!わ、わたし変っ!こ、こんな!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "だ、出すよ、空!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ご、ごめん、なさい!わたし……何かっ、きゃう!き、きてっ、あ、ああああ!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "確実に上り詰めてく空。その瞬間、今まで無かったくらいに空の中がきゅうっとしまった。\nその刺激に、僕はなすすべもなく欲望を撒き散らす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああっ!あああぁぁっ!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "そして、空の絶叫が教室に響き渡った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うあぁっ!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "空の中で、びゅくびゅくと僕が跳ねているのが分かる。跳ねる度に欲望を吐き出し、空の奥に熱いものを注ぎ込んでいく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、大地の、いっぱい……凄いね、大地……さっき、あんなに出したのに……\nびゅくんびゅくん、って、わたしの中で……暴れてる……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "ぼ、僕も、驚いてる……最後の空、信じられないくらい、気持ちよくて……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "既に一度だした後だなんて思えない。むしろずっと溜め込んでたとしか思えないような量が、空の中へと吹き出していく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えへ……わたしも、気持ちよかった。大地で、イッちゃった",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "そんな僕のすべてを受け入れながら、嬉しそうに笑う空。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これからも、ずっと何度も、気持ちよくさせてね……",
"speaker": "空"
}
] | [
"空",
"大地"
] | 01_StellarTheater | A06_06h_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "風が吹いていた。昔、空と一緒に訪れた時と同じ風。\n優しくて気持ちのいい、昔のままの風。\nその風に、無数の花が、揺れていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うわぁ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "凄いね、これ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "その目の前に広がる光景を見て、僕らはただ感嘆の声をもらす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "本当に、別の風景よね、これ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "七年、か。ほんと、変わるもんだね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "別れの時に蒔いた、わずかなコスモスの種。\n再会の願いを込めた、約束の種。\nそれは、この七年で大きく広がり、あの草原の姿をあまりに大きく変えていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……再会すること。一緒に茜橋東学園に通うこと\nこの花を、二人で一緒に見ること\n全部、守れちゃったね",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "僕の腕をぎゅっと抱きしめ、寄り添ってくる空。僕も、そんな空を受け止めながら、この風景をジッと眺める。\n今を生きるだけじゃあ来られなかった。\n思い出だけじゃあ見られなかった。\n過去を抱いて、今に立って、未来へ向かって。そのすべてがあって、やっと手に入る風景。\n過去でもなく、今でもなく、それらの先にある未来という道。\n立ち止まっているだけでも、振り返って見ているだけでも決して覗けないその道の先。\n僕達はそこに、たくさんの願いを敷き詰めていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ありがとう大地。約束、全部叶えてくれて",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空こそ、ありがとう。約束、全部守ってくれて",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だから僕達は、その願いの叶うことを夢見て、笑い合う。\n未来にある思い出も、きっと二人で見ているはずだから。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ、次の約束は何にする?",
"speaker": "空"
}
] | [
"空",
"大地"
] | 01_StellarTheater | AEP_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "到着したところで時間を見ると、きっちり約束の五分前。うん、早すぎず遅すぎず完璧だ。\n茜橋東学園学生寮。空以外の星座関係者達が暮らす場所。星亜から指定された待ち合わせが、その女子寮の入り口前だった。\n僕は入り口の壁によりかかると、空を見上げる。きっちりと澄んだ青い空。ゆっくりと流れる雲は白く、文句無しのデート日和だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まあ、正確にはデートじゃないんだけどね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "途中で勘違いをしてしまわないよう自分に言い聞かせておく。\n普段から感じているけれど、星座関係のみんなと歩いていると周囲の視線がやたらと痛い。やっぱり、あれだけの容姿の子が歩いていれば気になって当然だと思う。\nだから、きっと今日もそうなるんだろう。しかも星亜と二人っきりだし今のうちからしっかり心構えをしておかないと。\nデートというのは名ばかりの、ただの二人で行く捜査だけれど、それでもワクワクしちゃうのは仕方ないと思う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そろそろ時間かな",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "おはよう、橘くん",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "改めて時間を確認しようとした刹那、寮の扉が開き、中から私服姿の星亜が姿を見せた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "待たせちゃったかしら。ごめんなさいね、わざわざこっちにまで来させておきながら",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そこまで遠いわけじゃないからね、全然問題ないよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "橘君のいいところよね。そういうことを笑いながら言ってくれるから、こっちも気が楽だわ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そうかな。でもさ、こういう時に女性をエスコートするのは男の役割だからね\nいい女は準備にも時間がかかるもんだって、アニキにもよく言われるよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あら、意外に紳士なのね、橘くんも、乾さんも。ちょっと見直しちゃった",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "今までどういう風に思われてたのかが凄く気になるなあ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そう?聞きたければ教えてあげるけど……どうする?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "実に楽しげに、クスと笑いながら言う星亜。これは聞いたら負けな気がするぞ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "謹んで辞退させていただきます",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あら、残念ね。素敵な自分を見出せたかもしれないのに",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "むしろ不適な自分が見つかりそうですから",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "正直、何を言われるのか心当たりが多すぎて困ります。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それは正しい判断かもしれないわね\nそれじゃあ、行きましょう",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "言って、僕の手を取り歩き出す星亜。その笑顔に釣られるようにして僕も並んで歩き出した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ、まずはどこから手をつけようかしら",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "聞き込みなんだし、やっぱり人が大勢いるところだと思うけど",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "今日は休日だもの。それこそちょっと足を伸ばせばいくらでも人がいるわよ\nまあ、この辺りで定番とするなら、やっぱりモールかしらね",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "やっぱり、そこかなあ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "一人でもいいから、約束を失ったっていう人に直接当たれればいいんだけど。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ところでさ、昨日言ってた、僕に聞いておいてほしいことって……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ちらりと星亜の方を向いて、僕は気がついた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、星亜、そこは……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そう呼びかけようとした瞬間。まさにタイミングの神が降臨した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "あまりにも絶妙過ぎるタイミングで下の通気口から吹き上がった風。それが、完全に無防備状態だった星亜の短いスカートを、思い切りまくり上げる。\n星亜の、普段は決して見ることの出来ない布地が、思い切り僕の視界へと飛び込んできた。\n清楚な、白のレース。\nあまりに突然のことに、星亜は何が起こったのかも分からず唖然と立ち尽くす。\n僕達男という種族にとって、とんでもない贈り物をばらまきながら。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃああっ!",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "が、さすがに周囲の目線から察したのか、星亜が即刻覚醒する。\n慌ててスカートを押えるけれど、吹き上がる風は広範囲な上に強く、押さえきれない。\nむしろ必死に抵抗するその表情が、より一層見ている僕らの心を昂ぶらせる。\nそして、そんな星亜の努力をあざ笑うかのように、下から吹き上げる風は、弱まろうとはしなかった。\nバサバサとスカートを捲り上げながら、猛烈な勢いで吹き上がり続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "い、いつまで吹き上げてるのよぉっ!",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "ほとんど半泣きに近い状態で、必死にスカートを押える星亜。なんとかしてあげたいけど、こういう時男は無力だ。\nまさか後ろからスカートを押さえるわけにもいかないし。一秒でも早く風がやむのを祈ることしか出来ないわけだけれど。\nその一方で、一秒でも長くこの状態が続くことも心の奥底でちょっぴりだけど願ってしまう。やっぱり、僕はどうしようもなく男だなあ。ごめん星亜。\nただそれでも、他の男に星亜のこの格好を見られるのは正直嫌な気がした。だから少しでも隠せるように、僕は星亜の後ろに立つ。\nそしてそれからほどなくして、星亜にとっての苦難の時間は終わりを告げた。一気に弱まり収まっていく風に、星亜のスカートがゆっくりと戻っていく。\nというか、今更だけど通風口の上からどけばすぐに解決したんじゃ……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えーと、その……大丈夫星亜?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だめ、くぢけそう……こんな辱め受けたの初めてよ……\n見た……わよね、橘くん……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "その目を潤ませて、力なく僕を見る星亜。見えなかったって言っても、さすがにこれは信じないよなあ……。\n僕はしっかりと脳裏に焼き付けてしまったさっきの光景をリプレイしながら、申し訳なさそうに頷いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……自分の不注意が原因だもの……仕方ないわよね……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "星亜は涙ぐみながら、小さく溜息をつく。ここでちゃんと原因を認められるところが星亜の凄いところだよね。\n……でも、星亜には申し訳ないけど……眼福でした。\n記憶を映像で残せる機械の発明はまだでしょうか。ああ、この記憶を記録に変えて登録したい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "橘くん……顔がニヤケてるわよ……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "すいませんっ。僕男の子なんですっ。それもすこぶる健康的なっ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "まったくもう。いくら男性だからといっても、少し橘くんはスケベすぎるわよ\nとりあえず、私も全力で忘れることにしたから橘君もただちに忘れること\nほら、さっさと調査に行きましょ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "その場から逃げるように、スタスタと早足で歩き出す星亜。僕も、その綺麗に伸びた背中を追って、歩き出した。\n……忘れろって言われても、やっぱり無理だよなあ。\n星亜には本当に申し訳ないけれど……。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"星亜",
"大地"
] | 01_StellarTheater | B04_06_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "陽も沈みかけたこの時間。僕達は帰路へと就く前に、この水辺の公園、紅公園へと足を運んでいた。\n季節柄、人も少なく静かなこの場所は、人に聞かれたくない重要な事を話すのに丁度いい。そう考えたからだ。\n結局、捜査の方は思ったほど……というか、まったく手がかりになりそうなことはわからなかった。\nただ、街でも同じようなことが起きてるとわかった事だけが収穫といえば収穫だったくらいだ。\nこれに関しては、他のみんなが何か情報を入手してることを願いたい。\n僕らは川の方から流れて来る風を感じながら、誰も座っていないベンチに、適当に腰を下ろす。\nこうして見ると、すごくムードのありそうなシチューションだが、星亜の表情は真剣そのものだった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それで、星亜。僕に聞いておいてほしいことってなんだったの?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……今回の候補生試験の目的よ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そう切り出す僕を、星亜は真っ直ぐに見ながら言った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "目的って、次の十二星座を決めること、じゃないの?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "それがあるのも間違いないわね。でも、それなら橘くんを巻き込んだりしないわ\nいくら七星さんの占いが導いたからって、十二星座候補試験の中心に一般人を置くなんて前代未聞よ\nしかも、十二星座が四人もこんな一つの街に集まるなんて、何かを恐れてるとしか思えない\n候補試験のためでなく、別の何かを解決するために、と考えた方が自然だわ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "その言葉には少しも迷いがなくて、もう確信してるように言い切る響きがあった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "私は、今回の事件がその本命なんじゃないかと睨んでるのよ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "今回のって、僕達が今調べてる、この事件?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ええ\n約束を無かったことにする。そんなこと、どうやったら可能にできると思う?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "それは……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "星亜の質問に、思わず言葉がつまる。\n実際、分かってはいた。一人や二人ならなんらかの偶然なのかもれない。けれど今回は違う。\n昴先生が陽夏さんに相談するほどの数が発生していて、学園外でもやっぱり起こっていた。どんな手段を使ったにせよ、答えはもう一つしかない。\nそんなことを可能にする力は一つしかありえない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……異星人",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "やっぱり、ちゃんとその可能性も考えてたみたいね。橘くんって、適当にやってるフリしてちゃんと本質も見てるのよね\nまあ、だから今回も話しておこうと思ったんだけど。味方でいてほしいから",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "味方?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ええ。私はね、今回の星座候補試験が、この事件の原因になっている異星文明品を回収するためのカモフラージュじゃないかって睨んでるのよ\n恐らくは、それなりに危険度が高いミッションなんでしょうね。そして、そんな事件の中枢に一般人を参加させるわけにはいかない\nだけど七星さんの占いは、橘くんの存在の必要さを語ってしまった。だから、十二星座候補試験を利用して、あくまでも試験の協力者として参加させた\nけど、カモフラージュであったとしても、正式に発表してしまっている以上、これが十二星座候補試験であることに変わりはないわ。その中止が言い渡されるまではね\n私は、それを逆手に取ってやるつもりなの\n橘くんを守る意図もあるのかもしれないけど、十二星座を四人も集めるほどの事件だもの\nその原因となる異星文明品を候補生が回収したとなれば、周囲の評価は相当なものになるわ\nちょっと贅沢を言えば、将来的には、あの獅子座すら追い越す逸材なんじゃないか、なんて噂話くらいは許されてもいいレベルじゃない?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "その時の光景を想像しているのか、星亜は本当に楽しそうだった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なるほど。つまり、その回収を僕に手伝えってことか",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "橘くんが、中立の立場にいることは分かってるわ。だから、他のみんなを手伝うな、なんて言うつもりはないの\nでも、多分今の段階でここまで気付いてるのは私だけだと思う\nだから私は、それに合わせた捜査をするつもり",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "なるほどね。つまりこの件に関しては、僕からは何も言わずに候補生が気付いたことだけ調べるようにしてくれっていうことか。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まあ、候補生の優劣を決める試験だしね。それに気付くことも大切だと思うし。いいよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ありがとう。助かるわ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "ただ、万が一の可能性として、星亜のその予測が外れているかもしれないけど……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そうね、その可能性が全くないとは言わないわ\n私自身はほぼ確信してるけど、だからってそれが事実になるとは限らないし……\nもし、この予測が全くの見当違いだったとしたら……まあ、それは私の能力が所詮はその程度だったってことよ\nもっとも、それで終わらせるつもりはないけどね",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "……星亜って、本気で十二星座になりたいんだね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "当然よ。選ばれた物だけがなれる星座。その最高峰である十二星座。私はね、追いつきたいの。そして、越えたいのよ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "越えたい?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そう、越えたい……あの、偉大過ぎる十二星座。獅子座を",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "獅子座……陽夏さんを越えたい。\nそう語る星亜の目は……どこか少し悲しげに見えたような気がした。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"星亜",
"大地"
] | 01_StellarTheater | B04_07_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "さて……今日はどこから調べようかしらね",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "うーん……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "とりあえず、例によって全員で固まっても仕方ないということで、校門で僕達は散開。\n僕は約束通り星亜と一緒に行動することにした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だけど、これで私の考えが正しいっていう可能性は高まったわね",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "確かにね。捜査を初めてまだ数日。にも関わらず、まだ手がかりが得られないことに対する十二星座の反応",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "普通の事件と比べて過敏過ぎるわ。特に姉さんの反応\nこの事件は、今までのものと明らかに違う",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "候補試験自体が、この事件を解決するためのカモフラージュ、か\nそうなると、この事件の犯人はやっぱり……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ええ、以前にも言った通り、未知の技術を持つ異星人",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "確かに、そう考えるのが一番自然だし、説得力があるよね。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "異星人が直接地球に降りてきているのか、それとも何らかの道具を送り込んできてるのか、それはわからないけど\n少なくとも、これからの捜査は異星人が完全に絡んでいることを前提にした方がいいわ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そうだね。後は、その上でどう調査をしていくか、だけど……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そうね……異星人の仕業だとしたら、そんなわかりやすい証拠を残してくれるとは思えないし……\nやっぱり、橘くんのホロスコープに頼るのが一番確実じゃないかしら",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "当時の状況を再生か……でも、キーワードどころか、場所すら分からないからね。何かヒントがない事にはどうしようもないよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ええ、だから、今は事件の被害者本人を探すしかないと思う\nそれで一気に解決するとは思えないけど、現実として他に当てもないもの",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "だね。不謹慎だけど、被害者そのものを見つけるのはさほど大変じゃなさそうっていうのが救いといえば救いかも",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "誰か一人でもいい、何かヒントになりそうなことを覚えててくれれば……もしくは、約束を失うシーンそのものをホロスコープで見ることができれば……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "結局、方向性が決まってもやることは変わらないのか",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あら、それでも対象者をある程度絞り込めるようになっただけ、十分前進してるわよ\n当てもなく、片っ端から聞いて周るよりよっぽど効率的でしょう",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "確かに。希望があるのとないのとじゃあ、士気も違うし\nよし、それじゃ、改めて行くとしようか!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ええ。絶対に情報を掴んで見せるわ!",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "それぞれお互いに気合を入れつつ、僕達は事件の被害者を探しに町へと飛び出していった。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"星亜",
"大地"
] | 01_StellarTheater | B04_10_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "……ふう",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "うーん……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "夕焼けに染まる公園で、星亜と並んでベンチに腰掛ける。\n普段なら、星亜みたいな綺麗な子と二人っきりで並んで座れるなんて、ウキウキたまりませんってとこなんだけど……。\nさすがに今日は、とてもそんな気分にはなれないなあ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やっぱり、そう簡単にはいかないか",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そうね……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "僕の言葉に星亜が小さく答える。\nとりあえず、いくつかの場所を回り、約束を忘れたという被害者も何人か見つけて会うことができた。\nけど、進んだのはそこまで。そこから先に進む情報がまったく手に入らない。\nそもそも、約束を失ったはずの被害者本人が、そのことをまったく覚えていないし認識していない。\nこれじゃあ、手がかりを聞き出すにもどうにもならない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やっぱり、異星人もそう簡単にヒントを残していったりはしないよなあ\n干渉が禁じられてるんだし、危険を承知で来るなら慎重にもなるよね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……だけど、痕跡をまったく残さない、なんて絶対に不可能なはずよ。どこかに見落としてることがあるんだわ……いったい、どこに……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "星亜、あまり思いつめないほうがいいよ。まだ捜査も始めたばかりなんだし",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "始めたばかり……か……\n……ふう。確かにそうね、ここで考え込んでいても仕方ないわ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そうそう、それに一人で思い悩むのもよくないよ、僕だっているんだし、一緒に打開策を考えよう",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ふふっ、そうね。協力者がいたんだったっけ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "どうにか星亜に笑顔が戻る。星亜って結構堅い子ってイメージ強いけど、笑うと普通に可愛いんだよな。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "橘くん、歩き回って疲れたでしょ。ちょっと待ってて、何か飲み物を買ってくるわ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "えっ、飲み物買ってくるなら僕が……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "いいのいいの、色々お願いしてるのはこっちなんだし、橘くんは気にしないで",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "僕が止めるのも聞かず、星亜が近くにある自販機に向かって走っていく。\nそして、すぐに缶を持って戻ってきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "紅茶でよかったかしら",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "うん、ありがとう",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "星亜から缶を受けとり、プルタブを引く。\nそして、中身に口をつけると……甘さが前進に染み渡って行くようだった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うえぇ……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "ん?星亜、どうかした?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "変な声を出した星亜を見ると、まるで苦虫を噛み潰したような顔で、コーヒーの缶を見つめている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そのコーヒーがどうかした?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……このコーヒー、無糖だった……間違えちゃった……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "…………",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "今の声はコーヒーが甘くなかったからか。星亜の甘党は、缶コーヒーにも有効なんだなあ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もう、とてもじゃないけどこんなの飲めないわ……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "だったら、僕のと交換する?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "え、でもいいの?私のコーヒーだけど……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "僕は別に甘くないのでも全然平気だから。星亜も、砂糖入りの紅茶なら大丈夫でしょ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "うん、大丈夫だけど……本当に、いいの?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "もちろん、星亜がいいならね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ありがとう。それじゃあ、お願いしてもいいかしら",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "はい、どうぞ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕達は互いの缶を交換すると、それを口へと運ぶ。さっきまでの紅茶とは違ったコーヒーの苦みが、口いっぱいに広がった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ……おいしい",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "今度は大丈夫?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ええ。ありがとう、橘くん",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "しかし、星亜って本当に筋金入りの甘党なんだね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "べ、別に筋金入りなわけじゃないわ。ただ、甘くないものは苦手なだけよ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "それを筋金入りって言うんだってば\nあれでしょ、星亜って、玉子焼きには砂糖たっぷりでないと食べれないタイプでしょ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "え?玉子焼きって砂糖を入れるのが常識でしょ?\n砂糖の入ってない玉子焼きなんて、邪道を越えて異端だわ!",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そこまで言いますか……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "甘い事は絶対なのっ、正義なのっ、甘ければ全てが許されるのよ!",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "ふーん。だったら、星亜の彼氏になる人は大変かもね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あら、どうして?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "だって、甘いのが絶対なら、男女関係でもひたすらに甘くなるんじゃないの?\n人目をはばからずにベタベタしたりとかさ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "なっ!なんでそんな……私は、絶対そんな風にはならないわ。人前で甘えるなんて、問題外よ\nそもそも、彼氏を作るなんて考えたこともないわ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "もったいないなあ。星亜くらいの女の子なら、それこそ告白してくる男なんて星の数だと思うけど",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そのお世辞は素直に受け取っておくわ、ありがとう。でも、そんな自然に女の子を褒められるなんて、橘くんも結構女たらしなのね\n橘くんの周りに女の子が多い理由、やっとわかった気がするわ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "いやいや、僕は常日頃から正直に感想を言うことを心がけてるだけですよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ふーん。どうかし……ら……?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "と、再び紅茶を口に含んだ星亜の顔が、一瞬で真っ赤に変わる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、うそ……こ、これって、まさか!?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "星亜、どうかした?大丈夫?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ひっ、ひゃいっ!!だ、大丈夫でしゅ!!",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "……は?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "今……なんだか、星亜らしからぬ口調で何かが聞こえたような。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ち、違くて!だ、大丈夫……そう、大丈夫よ!",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "……いやあの、どう見ても大丈夫には見えないんだけど……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ほ、本当よ!本当に大丈夫!た、大したことじゃないわ。た、たかが……か、かかか……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "かかか?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "か、間接キス……くらい……で……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "首筋まで朱一緒にに染めながら、紅茶の缶を両手で握りしめ、俯いてしまう星亜。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あー、そういえばそうかも……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……間接キス……しちゃった……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "うーん、今時間接キス程度でここまで赤面するなんて……本当にこういうことに免疫がないんだなぁ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まあ、そこまで気にしないでいいと思うよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そこまでって……た、橘くんは平気なの!?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "間接キス?うん、特には気にしないけど",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "なにせ、普段の生活で慣れてますから。\nあま姉にしろ皐月にしろ、そういうのには全然頓着しない……というか、積極的に狙ってくるくらいだし。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、でも、星亜とならちょっと得した気分かも",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "と、得したって……\nも、もう……いいわ、これくらいなら……\nほ、本当にしちゃったっていうわけじゃないし……私も気にしない事にするから",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そうそう、間接でそんなに緊張してちゃ、本番で大変だよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ほんっ!?も、もうっ!!",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "あははは",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "予想通りに真っ赤になる星亜が可愛くて面白くて、ついつい大笑いしてしまった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でもね、捜査を始めて間もないとはいえ、さすがにこのままじゃまずいと思うの",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "まずいって……なにが?異星人絡みなら慎重に動くべきだし。多少は長期戦担っても仕方ないんじゃない?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そうね。それに関しては同意よ。だけど、問題なのは姉さんね",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "姉さんって……陽夏さん?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ええ。今はまだ十二星座としての責任から必死に自分を抑えているけど、もしこのまま進展がなかったら、さすがに自分で動き出しかねないわ\n昴さんからの依頼でもあるわけだし……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "あー……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "確かに、あの陽夏さんだ。このままの調子でいければ、『昴のために私自らあ!』とか、冗談抜きで言い出しかねない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "昴さんのことになると、本気で姉さんは我を忘れるから……そうならないためにも、早くある程度の成果は出さないと",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "でもさ、現役十二星座でも双璧と言われる獅子座だし、その陽夏さんが動いてくれるなら、僕達も楽になるんじゃない?本物の異星人が相手なんだし",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そうね。その場合、私と姉さん、どっちが勝つか正面から勝負よ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "……なんていうか、対抗意識バリバリって感じだね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "当然じゃない。少なくともあの人には絶対に負けられない\nあの人を越えるのが、今の私の全てなんだから",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "その口調は、まるで敵意を燃やすかのような厳しい口調だった。実の姉へと向けられたものとは思えないほどに……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "さて、と。それじゃあ、そろそろいい時間だし、今日はこの辺りでお開きにしましょうか",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "ほんとだ、もうこんな時間だったんだ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "気がつけば、もうすぐ夜になりそうな時間になっている。なんだかんだで、結構ここに長居しちゃったみたいだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そろそろ暗くなるし、送っていくよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "それには及ばないわ。私、これでも星座候補なんだから、そこらのチンピラに後れを取ったりはしないわよ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "でもさ、星座候補だろうがなんだろうが、星亜は女の子だし。遅くなったら送るのは、男の義務だよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あら、結構紳士なのね、橘くん",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "まあ、星亜と少しでも長く一緒にいたいだけなんだけどね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "も、もう。本当に当たり前のように言うのね、そういうことを\nで、でもまあ……うん。悪い気はしないけど……\nそれじゃあ、お願いしていい……?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "もちろんですとも、お嬢様",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "送られたりすることにもなれてないのか、ちょっと恥じらうように言ってくる星亜に、僕は笑顔を返す。\nそして僕は、寮へと星亜を送っていった。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"星亜",
"大地"
] | 01_StellarTheater | B04_11_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "大地",
"speaker": "陽夏"
},
{
"utterance": "え?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "休み時間、廊下を歩いていると不意に声をかけられた。今の声、もしかしなくても……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、陽夏さん!?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そうだが……なんだその反応は、どうかしたのか?",
"speaker": "陽夏"
},
{
"utterance": "い、いえ……別に",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "最近、星亜から色々と話を聞いているせいか、なんとなく面と向かって陽夏さんと話しにくい。\n別に、僕が気にすることでは全然ないはずなんだけど……なんでなんだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いえ、急に声をかけられたから、ちょっと驚いただけですよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そうか?それならいいが",
"speaker": "陽夏"
},
{
"utterance": "あの、それで、僕に何か用事でも?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ああ。実はお前にちょっと話があってだな",
"speaker": "陽夏"
},
{
"utterance": "話……ですか?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ああ……星亜のことでな",
"speaker": "陽夏"
},
{
"utterance": "えっ!?せ、星亜の!?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "おいおい、そんなに驚いた顔をするな。これでも、妹の事をそれなりには見てるつもりだぞ\nまあ、十二星座としての私を見ていれば、とてもそうには見えないだろうがな",
"speaker": "陽夏"
},
{
"utterance": "確かに。姉妹、というよりも、星座関連の教師と生徒、って感じですし",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そうだな。私もそうあろうとしているし、星亜も私がそうであることを望んでいる……",
"speaker": "陽夏"
},
{
"utterance": "なんだろう。そう言う陽夏さんの顔は、どこか寂しげだった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まあ、それはさておき、だ。大地……最近、星亜と仲がいいみたいだな",
"speaker": "陽夏"
},
{
"utterance": "あ、えっと……いや、その……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そう構えるな、別にそのことでどうこういうつもりはない。いや、個人的には感謝してるくらいだ",
"speaker": "陽夏"
},
{
"utterance": "え?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "いやいや、こっちの話だこっちの\n実はだなあ、ここに星亜に関する極秘情報が一つある\nお前が聞きたいというのなら教えてやってもいいのだが当然知りたいだろうとは思うけれどもやっぱり知りたいだろう?",
"speaker": "陽夏"
},
{
"utterance": "……つまり教えたいんですか?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "何を言うかっ。これは星亜にとって非常に大切な超極秘情報だ。それをそんなに簡単に教えたいなどと!\nそれでどうだ?聞きたいのではないか?まあどうしてもというのなら考えてやってもいいのだが……",
"speaker": "陽夏"
},
{
"utterance": "つまり、やっぱり教えたいわけですね。\nまあ僕としても、星亜の秘密情報となれば、確かに聞きたい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぜひお願いします",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "おお、やはり聞きたいかっ。まあ本来ならばそう易々と教えるものではないのだが、大地がそこまでどうしても、と言うのなら仕方ないな、うん\n来週の月曜日、17日だ\nその日は、星亜の誕生日だったりする",
"speaker": "陽夏"
},
{
"utterance": "星亜の誕生日?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ああ、そうだ。人がこの世に生を受けたことを祝う日だ。特に星亜は、自分の誕生日を人に教えたがらないからな。貴重な情報だぞ",
"speaker": "陽夏"
},
{
"utterance": "そういえば、確かに星亜の誕生日とか聞いたことなかったな。それらしい話をクラスの子がしてる時でも、うまくかわしてたっぽいし。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "この情報をどう使うかは、お前次第だ。だがまあ、お前ならば間違った使い方はせんだろう",
"speaker": "陽夏"
},
{
"utterance": "ええ、確かに貴重な情報でした。ありがとうございます",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "うむ、期待しているぞ。さらばだ",
"speaker": "陽夏"
},
{
"utterance": "陽夏さんはニッコリ笑うと、立ち去っていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "誕生日かあ。やっぱりお祝いしないとね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "陽夏さんにも期待されちゃったし、ここはがんばらないとな。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "って、あれ?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "期待しているぞって……何を?",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"大地",
"陽夏"
] | 01_StellarTheater | B04_15_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "ごめん、お待たせ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕は、昇降口にいるその姿を見つけて声をかける。その声を聞いて、外の方を見ていた星亜は、僕へと振り返った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お疲れ様。用事はもう大丈夫?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "うん、もう問題無し。片付きました",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "急に呼び出されたりするから何事かと心配してたんだけど……『また』何かしたんじゃないわよねぇ……?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "いやあ、『また』を強調されるあたりに僕への信頼が表れてて素敵だよね。『今回は』何もしてないから平気だよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "よかった。『今回は』を強調するあたりに、私の信頼を裏切らない橘くんの姿が表れてて安心しちゃった♪",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "僕らは互いの顔を見合わせると、そのまま楽しげに笑った。普段からの強い信頼があるからこその笑顔で、僕らは笑った。\n……で、いいんだよねえ?今回の僕の反応。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ、いきましょ。時間が勿体ないもの",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "放課後。例の黒猫の姿を見ることができたとはいえ、この広い茜橋。闇雲に捜したところで見つけられるとは思えない。\n星亜の提案に従って、僕達は寮にある星亜の部屋で、今後について少し話し合うことになっていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、寮の中とはいえ星亜の部屋かあ。ちょっとドキドキしちゃうなあ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "寮の前まで送ったことはあるものの、そこから先は当然入ったことなんてない。どんな乙女の秘密が隠されているのか、今からドキドキです。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "別に大したものなんてないわよ。荷物だって、必要最低限のものしか持ってきてないもの。まあ、お茶くらいは出せるけど\nとはいえ、誰でも入れるわけじゃないけどね。橘くんだから特別",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "うん。星亜の特別って、なんか響きがいいよね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ちなみに、私の人生の中で、私の部屋に入る男性記念すべき第一号よ。第二号がいるかは知らないけど",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "言って、いたずらっぽくウィンクをしてみせる星亜。その仕草が妙に可愛らしくて、僕は思わず赤面してしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "も、もう。そんな反応されちゃったら、私の方が意識して恥ずかしくなっちゃうじゃない……\n男の人と、自分の部屋で二人きりなんて……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "いや、星亜に今みたいなこと言われたら、男なら誰だってなるって。星亜はもう少し自分の女としての魅力を知るべきだよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ほんと、相変わらずうまいんだから……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "え?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "赤面しながら、僕の手を取る星亜。その柔らかい感触が、僕の手を強く握り、そして引っ張る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こんな会話繰り返してたらいつまでたっても動けなくなっちゃうわ。行くわよ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そんな笑顔の前に僕は一瞬呆気にとられ、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、そうだね。急ごうか",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "慌てて、星亜と一緒に歩き出した。もちろん、その手をしっかりと握り返しながら。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あれ?さっきまであんなに晴れてたのに……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "確か今日の降水確率は一日中10%程度だったはずだけど……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "さっきまで鮮やかな茜色に染まっていたはずの風景は、いつの間にやら鈍い灰色に染められていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いつ降り出してもおかしくない天気だなあ。空気にも水気があるし",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ちょっと急いだ方がいいかもしれないわね",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そう言うが早いか、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃっ。今、何かポツリとこなかった?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "ほんとだ、ポツポツ降ってきてる。走った方がいいかも……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "狙い澄ましたようなタイミングで降り始めた。\n当然ながら、傘なんて持っているはずもない。僕達は、雨が強くならないうちにと走り出す。\nけれど雨は、そんな僕達を追いかけるみたいに、みるみるその勢いを増していった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うわっ、なんだこれ!?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "今更戻っても意味ないわっ。このまま行きましょう!",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "気がつけばすっかり本降りとなった雨の中、引き返す術を持たない僕らはただひたすらに走る。\n周囲には、同じように傘を持たずに慌てている人達の姿があった。\n学園から寮まではそれほど遠くないのがこんな時本当にありがたい。全力で走ってほんの二・三分、目的地の入り口へと辿り着く。\n僕達はそのまま、逃げるように建物の中へと飛び込んだ。そして、真っ直ぐ星亜の部屋へと向かう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うわぁ、本当にもう全身ずぶ濡れ……早く着替えないと風邪引いちゃう……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "星亜は言うと、胸元のタイと一緒にベストを脱ぎ、靴入れの上に置く。そのままスカートを軽く絞と、それだけで大量の水が玄関へと落ちた。\n長く艶やかな髪もベットリと濡れ、少し手で払っただけで周囲に水が飛ぶ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "昼間まではあんなに天気よかったのになあ。まさか急にあんな降ってくるなんてね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ええ。とてもじゃないけど予測不能よ。寮が近くて助かったわ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "折りたたみ傘の一つくらいカバンに入れておくべきだった……か、な……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そう苦笑しながら星亜の方へと改めて視線を送り、僕はその場で凍り付いた。\nいやその、今気付いたけど、星亜、これ凄い格好なんじゃあ……。\n濡れた白いシャツは肌に貼り付き、淡い色の下着を、クッキリとその形まで映し出していた。\nめくり上げられたスカートからは健康的な二本の足が伸び、その付け根を隠す下着までが晒されている。\n目の前で惜しげもなく繰り広げられているその夢の光景に、僕は思わず唾を飲み込んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "その音が必要以上に大きく響いたせいか、星亜が不思議そうに僕を見る。真っ直ぐに伸びた僕の視線を追うと、その先、つまりは自分の姿を改めて見下ろし……\nその顔が、ぼん、と湯気を立てながら一瞬で真っ赤になった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あの、えっと、その……\nだから、私、その、堂々と見せようとしたとか、そんなんじゃなくて……\nわ、私、そんないやらしい女じゃなくて、し、信じてほしいんだけれど……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "恥ずかしさに票表情を引きつらせながら、震える声で弁解を続ける星亜。いや、誰も星亜のことを疑ったりはしてないし。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、うん。それはもちろん……その、状況が状況だったわけだし……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "わ、分かってもらえると嬉しいわ……\nえっと、それで、つまり、あの……\nご、ごめんなさいっ!!",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "星亜は床が濡れるのも構わず猛ダッシュすると、風呂場らしき扉の奥へと消えていった。\n…………。\n……。\n…。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くしゅんっ!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ご、ごめんなさい……あの、本当に大丈夫?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "ああ、平気平気。多少冷えただけで、すぐ止まるよこの程度のくしゃみ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "でも、私が橘くんにタオルも出さず放置しちゃったから……\n恥ずかしかったからって、私……本当にごめんなさい……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "あの後、さすがに僕がいたんじゃ星亜も着替えられないだろうと、僕は自分から廊下へと出た。\nちょっぴり前を通った女学生達が素敵な微笑みをくれたような気もしたけれど、あれはまあしかたないということで。\nそれから、急いで着替えた星亜に再び中へと入れてもらって今にいたるわけだけど……さすがにちょっと身体冷えちゃったみたいだなあ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まあ、僕もその、非常に素敵なものを見せてもらっちゃったわけなんで、お互い様ということにしてもらえると",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "もう。初日の階段の時といい、二人で捜査してた時といい、なんで橘くんにはあんな恥ずかしいところ見せちゃうのかしら\n今まで誰にも見られたことなんてなかったのよ……?\n本当に、見られたのが橘くんじゃなかったら、私、今頃何してるか分からないわ……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "少なくとも、この状況なら仕方無い、と思ってもらえるくらいには信用してもらえてるってことかな。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "恥ずかしいから、絶対他の人に言ったりしないでね",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "それはもちろん",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕だけの大切な思い出として、脳裏に刻み込んでおきます。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はい、どうぞ。温かいココア淹れたから",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "ありがとう。助かるよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "渡されたマグカップを口元に運ぶと、一口飲む。甘党の星亜らしい甘さが身体中に広がり、身体と心のすべてを温めてくれるような気がした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ、ちょっと遅くなっちゃったけど対策会議を始めましょうか",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そうだね……ずいぶん遠回りをしちゃったような気もするけど",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "本当にごめんなさいね……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "いやいや、雨が降り出したのは星亜のせいじゃないからさ、気にしない気にしない",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕が風邪を引きかけたことが余程響いているのか、星亜は今一つ元気がない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それに、対価は充分もらったし。星亜、前に言ってたじゃない。安くないってさ\n星亜のさっきの姿と引き替えに風邪の一つくらいなら、むしろお釣りを出さなきゃいけないくらいだよ\n大変立派なものを、ごちそうさまでした",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "も、もう……でも、橘くんがそう言ってくれるなら、そういうことにさせてもらうわ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そう言って、ちょっと恥ずかしそうに苦笑する星亜。うん、これでいつも通りになってくれるのが一番嬉しい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ話を戻すけど、今週は学園祭も目の前だし、さすがに捜査に集中するのは厳しいと思う",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そうね……私たちもクラスの一員ですもの。比率は軽くしてもらえてるけど、手伝わないわけにはいかないし\nむしろ、せっかくの学園行事。やっぱり、できるかぎりは手伝って、みんなと騒ぎたいわ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "うん、同感。まあそうなると、本格的に捜査を再開できるのは、17日の振り替え休日かなって……あ、ごめん。そうか、この日はダメか",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あら、どうして?せっかく一日休みなのに",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "いや、だってさ、星亜の誕生日でしょ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "え……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "誕生日。その一言を出した瞬間、星亜の表情が引きつったのが分かった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……あれ、確か17日でいいんだよね。陽夏さんに聞いたんだけど",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "姉さんに……?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そう、陽夏さんに。だからさ、せっかくだし、ぱーっとお祝いしようって、魅流達と話してたんだよね\nなんで十七日は、午前中はどこかに遊びに行って、夕方くらいから……星亜?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "その一日を想像し、明るく話す僕とは反対に、星亜は暗く俯いていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、ううん。なんでもないわ……ありがとう。凄く嬉しい",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そして、無理やり作ったと分かる笑顔と共に顔を上げると、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だけど……ごめんなさい。私、誕生日を持ってないの",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "寂しそうに、そう言った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え?持っていないって、どういう……?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "その言葉の意味が分からず、僕は思わず聞き返す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "本当に、言葉の通りよ。私は誕生日を忘れちゃったの。だから、持ってないのよ\nだからごめんなさい。ないもののお祝いなんて誰にもできないわ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "ないって……いや、だって誕生日なんて誰でも……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そうね、きっと私にも『あった』んだと思うわ。だけど昔にね、どこかに置き忘れて来ちゃった\nだから、もう持ってないのよ\nさ、17日からの捜査について、話しちゃいましょ。あ、ココアお代わりいるかしら?\nお代わり、欲しかったら遠慮なく言ってね。今日は本当に特別。おいしくなるよう愛情込めて淹れてあげちゃうわよ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "この話はこれでおしまい、とばかりに話題を戻してしまう星亜。\nそれ以降、この話題を出そうとしてもすぐに戻され、結局それ以上のことを聞くことはできなかった。\n陽夏さんの教えてくれた、星亜の誕生日。それが嘘や冗談だとは思えない。\nだけど、持ってないって寂しく笑った星亜。あの辛そうな微笑みが何を意味していたのか。僕には分からない。\n結局、17日は午後から一緒に捜査をすることに決まった……。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"星亜",
"大地"
] | 01_StellarTheater | B04_16_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "……ここだね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ええ、間違いないわ。橘くん、ホロスコープをお願い",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "あ、うん……それはいいんだけど",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "どうかしたの?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "いや、他のみんながついてきてないみたいだなんだけどさ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "え?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "僕の言葉に、初めて気づいたように星亜がきょろきょろと辺りを見回す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "本当……みんなどうしたのかしら",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "どうする?みんなを待つ?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そうね、待ってもいいけど、まったく追ってくるそぶりも見えないし……\nいいわ、捜査の方を優先しましょ。みんなにはあとで説明すればいいし",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "分かった。それじゃあ始めるよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ええ、お願い",
"speaker": "星亜"
}
] | [
"星亜",
"大地"
] | 01_StellarTheater | B04_25_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "傾いた朱色の陽の中で、冷たい風が吹き始めていた。\n夜へと向かって少しずつ冷え始める空気の中で、のんびり散歩をしていた老人や、さぼっていたサラリーマン、遊んでいた子供達までが家路を辿り始める。\n瞬く間に静けさを取り戻した公園の中、星亜は何も言わずに、ただ僕の袖を握りしめたままで立ち尽くしていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……星亜?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "何度目になるか分からない呼びかけを星亜にかける。だけど星亜はやっぱり僕の袖を握りしめたままで、何も言わずにずっと俯いている。\nさっき見てしまったホロスコープ。そこで知ってしまった星亜の気持ち。呼びかけはしても、その先にどんな言葉を繋げればいいのかが分からない。\n僕は星亜をどう思っているんだろう。星亜にどう応えるべきなんだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……橘、くん……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "え……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "突然こぼれてきたその質問はか細くて、ともすれば聞き逃してしまいそうだった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "橘くんは……空のこと……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "その先に何が続くのか、さすがに僕だって想像はつく。だから僕は、星亜の想いに応えるように、偽りのない本心を口にした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そう、だね。空は大切な人で……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そうよね……空は、強がりで意地っ張りだけど、かわいいし……橘くんにとって、大切な人よね……\nそんなことわかってたのに……だけど、だけどっ!!",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "僕の襟を握りしめていた手にぐっと強烈な力がかかる。そのまま、僕は一気に地面へと押し倒された。\n覆い被さるように僕の上に乗っている星亜。その顔が、すぐ目の前にある。ちょっと僕が顔を上げるだけで普通に触れ合ってしまいそうな、そんな距離。\nそれほど近い位置にある顔には、本気の感情が浮かんでいて、それに色取られた顔は、息を呑むほど綺麗に感じた。\nそして、星亜は僕の目を真っ直ぐに睨付けるように見ながら、その感情を叩きつけてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "橘くんが、空を大切に想ってるのも分かってる!橘くんが空に幼なじみ以上の想いを抱いてるのだって分かってる!\nこんなお願い、間違ってるのだって分かってる!橘くんと空の間に割り込んじゃいけないんだっていうことも分かってる!\n橘くんと空の間に何かあったかなんて知らない!二人の間にどんな絆があるかも知らない!\nだけど!だけどそれでも私は!",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "一瞬、何か大きなものを堪えるかのように、星亜がぐっと唇を結び……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お願い、します\nあなたの過去と、私の未来を交換してくれませんか\n私の未来のすべてを、あなたに捧げます。あなたと共に、あなたのために尽くします。他の誰よりも、あなたの一部になります\nだから……\nだから、あなたの過去を捨ててもらえませんか……?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "その声は震えていて……その純粋な心から溢れる想いで、濡れていた。\n言うべきことを言い尽くし、そして我に返ったのか、星亜の顔がこの茜色の空気よりも濃い朱に染まる。\nただそれでも、自分の意思は変わらない。自分の想いに嘘はない。そう僕に伝えるように、星亜は僕の目を真っ直ぐに見つめ続ける。\nもう何も言わない。ただ黙って、僕の言葉を待ち続けていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "その視線は何よりも重くて、想いが何よりも眩しくて、逃げてはいけないことを僕に悟らせる。\n答えを出す時なのかもしれない。僕と空の関係に、僕と空の過去に。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "前に話したから知ってると思うけど……僕と空の過去はすごく複雑だよ\nそれはきっと、星亜が思ってる以上に。それを交換するっていうことは、本当に星亜の未来のすべてが必要になるかもしれない\nこの過去は、今の僕の存在理由でもあるんだ。この過去があるから、今の僕は生きていられる\nそれを失ったら、僕は立てなくなるかもしれない。星亜は、そんな僕を支えられる?結構重いよ、僕は。一応男だし",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だ、大丈夫、私星座候補だもの。こう見えて意外に力だってあるんだから\nだから……橘くん、私の横にいて",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "星亜……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕は、そっと星亜の後頭部に手を伸ばす。\nそして……",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ!?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "顔を上げ、目の前にある小さな桜色をした唇を塞いだ。\n星亜は驚きに目を見開くけれど、抵抗はしなかった。そのままの体勢で僕を受け止め続ける。\n唇の隙間から入り込んでくる星亜の吐息が、ただ熱い。まだ僕の襟を握りしめたままのその手から、高鳴っている心臓の鼓動が伝わってくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そんな、甘くもどこか切ない時間がどれくらい続いたのだろうか。\n僕は唇の柔らかさと温もりを存分に味わい、そしてそっと解放した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……\nい、今……の……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "いきなりでごめん。でも星亜の気持ちを聞いたら、自然と体が動いてた",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "橘……くん……\n届いた、って思っていいのよね……?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "星亜のその綺麗な瞳に、みるみる大粒の涙が溜まっていく。\nそこに浮かんだ笑顔は、まるで輝いてるみたいで。今の星亜の心が、そのまま形になったみたいだった。\nそんな星亜を見つめ返しながら、僕は微笑み、そして頷く。\n僕の過去を、自分の未来で支えてくれるといった星亜。\n僕の中にある、過去という名の罪。それを未来で抱きしめてくれる人がいるなら、僕はきっと、今の僕に胸を張れる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あの……ね。もう一つだけ、お願い……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "なんでも聞くよ。何?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "今度は、私からさせて",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そんな言葉と同時に、今度は星亜から唇を重ねてくる。\nその唇はさっきと同じで温かくて、さっきと同じに柔らかくて……。\nだけど、さっきよりずっと、甘かった。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"星亜",
"大地"
] | 01_StellarTheater | B04_26_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "放課後。授業も終わり、黒猫の姿を捜しに僕達は街に出た。\n部室に入った瞬間みんなに贈られた眩しい笑顔を、僕は決して忘れないと思う。\nまあ、みんな色々とからかってきつつも、ちゃんと祝福してくれたのはやっぱり嬉しかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、この調子だと今日は見つかりそうにないね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "みんなはどうだろう。何か手がかりだけでも手に入れてないかな",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "明日はちょっと捜す場所を……星亜?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あ、え?な、何かしら",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "いや、なんか、ぼーってしてたみたいだから。大丈夫?歩き続けて疲れたかな",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あ……ご、ごめんなさい。別にそういうんじゃないから、大丈夫",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そう?ならいいんだけど……辛かったらちゃんと言ってよ。部屋まで送るくらいはできるからさ。あ、許可さえ下りれば看病だって",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "え、橘くんの看病……ああん。こういう時に限って体調を崩さない自分の身体がちょっと恨めしい",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "いや、僕としては看病できるのは嬉しいけどさ、辛そうな星亜は見たくないから、やっぱり健康なままでいてほしいなあ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そ、そう?うん。橘くんがそう言ってくれるなら、やっぱり健康でいたい……\nね、ねえ、橘くん……?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "うん?どうかした?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あ、あの、ね……その……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "胸の前で指をもじもじとさせながら、恥ずかしそうに僕を見上げる星亜。何かを言いたいけれど、言えない。そんな感じだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "どうかした、っていうわけじゃないんだけど、その、えっと……明後日、お休みじゃない?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "ああ、うん。そうだね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "で、あの……橘くんは明後日何か予定……ある?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "明後日?えーと、明後日は確か……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "頭の中で自分のスケジュールを考え、特に何もないな、と思い至ったところで気がついた。\nああ、そうか。星亜はずっとこれを考えてくれてたんだ。だめだなあ、僕は。こういうのは男の役目なのに。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん、そうだね。明後日は確か、一日中星亜とデートするっていう予定が入ってたと思う",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あ……そ、そうよね。直前にいきなり言っても、そんな都合よく予定が空いてるわけないわよね\nそうなんだ、明後日は私とデートの……\nえ?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "うん。そういうわけだからさ、もし星亜の予定が空いてたらでいいんだけど、明後日デートしない?\n僕達が恋人同士になって最初の休日だし、家でゴロゴロしてるなんてもったいないじゃない\nよかったら、僕に星亜の時間をもらえないかなあ、なんて",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あ……\nも、もちろん空いてるわ。うん、問題ないっ。行く!行きます!絶対行くわ!",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "星亜は一瞬だけ僕の言葉の意味を考えると、すぐに満面の笑顔を浮かべてくれた。\nそして笑顔のまま、本気で嬉しそうな声で、コクコクと何度も頷く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ、朝からで平気かな?昼過ぎくらいからでもいいけど……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あ、朝からでお願いします!",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "なんかちょっと焦り気味な感じの星亜の様子がおかしく、そして嬉しい。\nそんな姿を見ていると、思わず僕の方も笑みがこぼれてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "よーし。明後日は楽しい一日になることが今決定しました。そういうわけだから、明後日はよろしく",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "はっ、はいっ!こ、こちらこそっ!",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "少し恥じらいを残したその笑顔は、僕の知っている星亜のどんな表情よりも可愛らしかった。\n星亜はきっと、まだまだこんな僕の知らない魅力的な顔を持っているんだと思う。\nこれから一つでも多くその顔を見せてもらえるよう、頑張ろう。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"星亜",
"大地"
] | 01_StellarTheater | B05_01_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "確かめるように空を仰ぐ。快晴。まさにデート日和。\n僕は十八回目の確認を終えると、再び視線を道へと戻す。\n星亜とこんな風に待ち合わせる日が来るなんて夢にも思ってなかった。\nな、なんだろう。もうすぐ待ち合わせ場所だって思ったら、急にドキドキしてきたぞ。\nお、落ち着くんだ僕。なんのために待ち合わせの一時間も前に家を出た。先について落ち着くためじゃないか。落ち着いて、星亜を先導してあげないと。\n星亜とのデートだったら、前にも一度経験してる。うん、大丈夫だ。\n僕は数回深呼吸を繰り返すと、待ち合わせ場所である駅前へと急ぐ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "え?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "バッタリと丁度同じタイミングでそこに辿り着いた僕ら。顔を見合わせ、そして慌てて時間を確認する。\nやっぱり一時間前……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え、ええ!?なんでこんなに早く橘くんが!?\nい、いきなりだと絶対に上がっちゃうから、先に着いて落ち着いてようと思ったのに",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "うわ、それまったく同じ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "どうやらまったく同じことを考えてたみたいだ。僕達はその場で互いの顔を見つめ合い、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "クス",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "はは",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "やっぱり同時に吹き出した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "どうやらお互い様、みたいね",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そうだね。無理にかっこつけようとしても、無理だなこれは",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あら、私の知ってる橘くんは、普通にしてるだけで充分かっこいいわよ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "え、嘘っ。それどこの見知らぬ橘さん?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "もちろん、私のだーい好きな、橘くん",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "笑いながら、僕を指さす星亜。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そこまで信用されちゃうと、応えないわけいかないよね\nそれじゃあ、行こうか",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕は言うと、そっと左腕を差し出す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ええ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "星亜はそれに笑顔で応えると、僕の左腕に自分の右腕を絡め、ぎゅっと抱きしめた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "行きましょう♪",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "楽しげなその声と、左腕から直接伝わる星亜の温もりが、今は何より心地いい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あの、星亜さん?押し当てられる、むにゅっ、って感触が、男としては非常にハッピーだったりするのですが……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あら、私としてはサービスのつもりなんですけど",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "星亜は楽しそうに言うと、絡ませた自分の腕に、自然と力をいれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だって、デートだもの♪",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "休日のモールは、近くの住民だけでなく近隣の人達までもが訪れ、結構な混雑になる。\nとはいえ、まだ開店直後のこの時間は、比較的余裕があった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こんな時間に来たの初めてだけど、結構新鮮な感じね。空気とかも、普段と全然違う感じ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そうだね。まあ、バーゲンなんかがある時とかは、もっと殺気立ってるんだろうけど、今日はのんびりしてる\nでも、僕としてはそれとは違った意味で別の空気を感じてるけどね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "どんな空気?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "いやあ、さっきから周囲の視線が痛い痛い",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "え?あ、この体勢……ごめんなさい、やっぱり離れた方がいい……?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "ちょっと残念そうに尋ねてくる星亜に、僕は首を左右に振った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まさか。よりにもよって相手が星亜だからね、みんな羨ましがってるだけだし\n今、見ている感じでは、星亜より可愛い子はいないね。ダントツだ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "も、もう。橘くん、相変わらず上手いんだから\nでも、だったら私、もう離れてあげないわよ、ここ\nこの場所、予約しちゃったもの。ずっとずっとずーっと、私だけの場所",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "僕の腕を掴む星亜の腕に、更に力が入る。\nぎゅうっと、自分の存在を、柔らかさを、体温を、感じさせようとするみたいに強く抱きしめてくる。\n僕の隣に星亜がいる。目を閉じてたとしても分かるその事実に、自然と胸が高鳴っていく。\n自分で一度言葉にしておきながら、思わずもう一度周囲を見回して確認してしまった。うん、やっぱり間違いない。星亜が一番かわいい。\n通り過ぎる人達が男女問わず何人も振り返るのは、絶対に星亜のせいだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ、星亜の隣は僕が予約で",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "永久に指定席、ね。他の人に譲ったりしたらイヤよ?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "誰がそんな勿体ないことするのかと。いくら払われたって拒否します",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ふふ。それじゃあ約束しちゃうわね。私の隣、私が腕を組むこの場所は、これからたとえ何があったとしてもずっと、ずーっと、橘くんのものよ\nでも、もうお昼時なのね。時間が経つのが少し早すぎないかしら",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "二人でただぶらぶらとモール内を歩いていただけ。それだけなのに、気付けばもう数時間が経っていた。\nいつの間にか周囲には人の数も増え、賑やかさを増している。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "どこかの店にでも入って休む?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そんな僕の提案に、星亜は躊躇なく首を左右に振った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "私はこのままでも平気……ううん、このままがいいわ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そして僕に体重を預けるようにして、幸せそうに言う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お店に入っちゃったら、離れないといけないもの。こうしていられる方がいい……\n今日は、一分一秒でも長く、橘くんに触れてたいの。これからのこと考えると、ちょっとまだ恐いから……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "恐いって、何が?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あ、ううん、なんでもない。こっちの話よ。あくまで私の心構えの話だから、橘くんは気にしないで\n大丈夫。私、橘くんの彼女だもの。ちゃんとできるから",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そう言いながらも、僕の腕を握る星亜の手には、ちょっと力がこもっていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それよりも、アイスクリーム食べない?あれなら、橘くんとこうしながらも食べられるわ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そうだね。でも無理な体勢で食べようとして、服に付けたりはしないように",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "う、そ、そうね。それは確かに気をつけないと\nあ、あのね、もし橘くんの服よごしちゃったら……ごめんなさいね?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "うわ、まったく気をつけるつもりなしっ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "うふふ。冗談よ。でも、確かにこの体勢だと食べにくいかもしれないわね。橘くん、食べさせてくれる……?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "口移しでいい?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "え、ええ!?く、口移しって、アイスを……?\n……で、でも、うん。橘くんがしてくれるなら……私も、それがいいわ……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "恥ずかしさを堪えつつも、健気に応えようとしてくれる星亜がたまらなく可愛い。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん、分かった\n……な、なんだろうね。星亜と口移しで食べるって思ったら、アイスを買うっていうだけなのに、ヤタラトドキドキしてきた……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "私も、よ。さっきから、ううん、朝からね、胸がドキドキしたまま全然おさまってくれないの……もしかして、伝わっちゃってる……?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "うん。星亜がドキドキしてくれてるの、凄い分かるよ\nだから、もっともっとドキドキさせてあげたくなるんだよね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "も、もう、橘くんたら……\nでも、うん。もっとさせてほしい。私がどうにかなっちゃうくらいに……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そんな星亜に、僕の方がどうにかなっちゃいそうだった。\n二人で並ぶアイスクリームの行列。ただこうして待つだけの時間が、今は楽しくて仕方がない。\nそんな二人の時間を、僕らは一日中堪能し続けていった。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"星亜",
"大地"
] | 01_StellarTheater | B05_02_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "……寮までって、こんなに近かったっけ……?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "私も、今同じこと思ってた……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "楽しい時間が過ぎ去るのは本当に早かった。あんな朝早く出たはずなのに、気がつけばもう日が暮れている。\nできればもっとずっと一緒にいたかったけれど、そういうわけにもいかない。\nできるだけゆっくりと歩いていたはずなんだけれど、気がつけばもう寮に着いてしまっていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ、また……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "え、あ、あの、橘くん……?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "うん、どうかした?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "その、えっと……わ、私たち、今日デート、したのよね。前とは違って、恋人同士の、本物の……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "うん。凄い楽しかったよ。星亜と一緒にいられるだけであんなに変わるんだなって驚いた",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "私も。橘くんと一緒にいるだけで、見たことあるはずのものが、全部別のものに見えた\nそ、それで、なんだけど……デートってだから、その……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "なんだろう。何か言いたいみたいだけど、ガチガチの緊張状態になっちゃってる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、うん。これからのためにも、私が覚悟を決めないとだめ、なのよね……\nこ、恐く、ない……恐くない……相手は橘くんなんだから……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "星亜?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あ、あの、橘くん……?\nあ、ああああ上がっていかない、の……?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "首筋まで真っ赤にして、僕に尋ねる星亜。その声は緊張しながらも妙に必死だった。\nでも、まだ少しでも星亜と一緒にいられるなら、迷う必要なんて当然ない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いいの?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "う、うんっ。恐いけど、平気っ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "恐い?何がだろう……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、だから……橘くんがもしよければ……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "もちろん、大丈夫だよ。星亜とまだ一緒にいられるなら喜んで",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そんな僕の返答に、星亜の顔が少しホッとしたように見えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そ、それじゃあどうぞ。大したものはないけど……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そう言って、寮の中へと入っていく星亜。あれ?今右手と右足同時に出てなかった?\n僕も女の子の部屋に入るのに緊張してないわけじゃないけど、それでも初めて入るわけでもないし。何をそんなに緊張してるんだろうなあ、星亜。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ、お邪魔します",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "は、はいっ、どうぞっ!",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "この前来た時と同じ、綺麗に整頓された星亜らしい部屋。二度目とはいえ、やっぱりちょっとドキドキするなあ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え、えっと、あの……その……私、こういうの初めてだから、作法とか分からないんだけれど……\nい、いきなりいっちゃっていいもの、なのかしら……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "え、何が?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だ、だから……男の子とのね、その……えっと……えっち……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……た、橘くん……?あの、ひょっとして私、何か間違えてた……?\nご、ごめんなさい。こういう時は男の人を立てるものだって知ってはいるんだけど……わ、私本当に分からなくて……お、怒らせちゃった……?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "い、いやいやいやいや、怒るなんてとんでもないっ\nた、ただ、星亜がいきなり凄いこと言い出したから……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だ、だって、デートってそういうものなんでしょ……?最後はその……二人きりで……え、えええええっち、して愛を確かめ合うって……\nこ、恐いけど……でも、それで橘くんに愛してもらえるなら……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "ひょっとして、星亜がデート中に言ってたこれからのことって……これ?\nそ、そりゃあ僕だって星亜を抱けるなんて嬉しいに決まってるけど、にしても唐突過ぎないかなあって……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やっぱり、私じゃだめ……?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そんなはずありませんっ。ていうか、星亜がダメだったら誰が大丈夫なのかと\nでも、本当に……?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "か、覚悟はできたっ\nつもり……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "ここで、デートでそこまではしないでいいんだよって言うのは簡単だ。だけど、それを信じて、僕のためにここまで覚悟をしてくれた星亜。その想いを無駄にできるわけない。\nそもそも僕だって、星亜を抱きたい。\nだから……だったら……。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"星亜",
"大地"
] | 01_StellarTheater | B05_03_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "ベッドの上に、ペタンと座り込み、恥ずかしそうに、けれど真っ直ぐに僕を見つめる星亜。\nこれからの行為に、僕も星亜も緊張してガチガチになっているのが分かる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あの……満足してもらえるものじゃないと思うけど……で、でも、全部あなたのものです……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "意を決したように、頬を赤らめながら言う星亜。その様子が可愛くて、更に緊張してしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "私、何もかも初めてで、わ、分からないから……橘くんにすべてお任せします",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "つまりは、好きにしていいっていうこと。\nこうして正面から向き合うと改めて分かる。星亜がどれだけ美少女なのかが。\nこれから、この子のすべてを僕のものにする。そのことに恐れすら感じてしまうくらいに。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "最後にあの、もう一度だけ聞くよ。星亜の身体を見て、触れて、引き返せる自身まったくないからさ\n本当に、いい?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "星亜相手に一歩でも進んだら、間違いなく僕は引き返せない。乱暴にだってしてしまうかもしれない。だから最後にもう一度だけ確認する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "か、覚悟は、できたっ\nつもり……\nだ、だから、よろしくお願いしますっ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "私も引き返すつもりはない。そんな決意を感じる星亜の言葉に、僕も覚悟を決める。\n星亜のすべてを、僕のものにするって。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん。僕の方こそ、よろしくお願いします\nその、僕も初めてだからさ、うまいわけでもないし、暴走しちゃったりして辛い思いさせちゃうかもだけど……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ううん。そういうのも全部橘くんの行為だもん。大丈夫",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "それでも僕にすべてを委ねるって言ってくれる星亜。そのことが嬉しくて、もうガマンできない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕は星亜の正面に座ると、そっと唇を重ねた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "触れるくらいの、軽いキス。ほんの数秒、互いの温もりを感じ合うためのキス。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "優しいキス……だけどちょっと震えてた……\n橘くんも、緊張してるの……?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "もちろん。言ったでしょ、初めてだって",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あまり威張れることじゃあないけど、星亜の前で無理に格好付けても意味がない。今の僕にできることで喜んでもらうしかない。\n星亜は、そんな僕の返答に、嬉しそうに微笑んでくれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん……改めて納得しちゃった。これから私、橘くんの初めての人になれるんだって……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "僕は、その微笑みを合図代わりに、そっと星亜の衣服に手を伸ばす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……っ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "ブラウスのボタンを全部外し、左右に開く。白をに黒の水玉模様のブラジャー。どこか星亜らしさを感じるデザインだ。\nそして、そんなブラに覆われた二つの丘。輝夜ほどじゃあないけれど、充分に育ったその膨らみに、僕は目を奪われる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これが星亜の胸……水着の時とはさ、やっぱり何か違うね……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あ、あの、下着とか変じゃない……?\nできるだけ頑張って、橘くんの好きそうなの選んでみたんだけど……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "うん。星亜に似合ってて、それでいて可愛くて、凄くいい\nだけど、選んできたっていうことは、やっぱりその、朝から……?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……う、うん",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "もじもじとしながら頷く星亜。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "デートの後はこうなるって分かってたから……昨日の夜からその、選んでた……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "な、なんかさ、好きな子にそうまでしてもらえるって、凄い嬉しいね。それだけで結構興奮してきちゃってるんだけど、僕……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あの星亜が、僕のためにたくさんの下着を並べて選んでくれてる姿。きっと本当に真剣に選んでくれてたんだろうな。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、大丈夫……私も、興奮してもらえると嬉しいから……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "星亜は、そんな僕の反応に苦笑する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えっと、それじゃあその……下も、いいかな……見せてもらって……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "えっ、わ、私があの、見せるの……?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "さすがにそれは予想外だったらしく、星亜の顔の朱が、一段と濃くなった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん。よく見えるようにお願い",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "星亜は、少しだけ、どうしよう、と考えるけれど、すぐに諦めたようにスカートの裾を握った。\nすべて任せる。自分が言ったことにちゃんと責任を持とうとするのが、やっぱり星亜だ。\n星亜は恐る恐る、自分のスカートをめくり上げた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……こ、これくらいで、いいのかしら……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "恥ずかしさと戦いながら、僕にその下着を見せてくれる星亜。ブラと同じデザインの可愛らしいショーツが、星亜の三角地帯を覆い隠している。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "下も、上とお揃いなんだね。凄い可愛いデザイン",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "す、凄い恥ずかしいのよ。自分で見せるなんて、まるで恥女みたいで……あうぅ……は、恥ずかしくて本当に心臓止まっちゃいそう……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "それでも、隠そうともせずにちゃんと見せてくれる星亜が凄く可愛く感じた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もうっ。女の子にこんなことさせるなんて橘くん、ちょっと変態っぽい",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "いやその、ごめんなさい。でも、星亜の恥ずかしそうにしてる姿って、凄く可愛くて、つい",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "一見真面目で固そうに見えるけど、実はドジなところも無防備なところもたくさん持ってる可愛い女の子なんだよね。星亜は。\nそんな星亜の中でも一番可愛い姿が、恥ずかしがってる姿だと僕は自負してます。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それに、星亜の下着姿なんて、他の男からすれば望んで見られるものじゃないし",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "誰もが見たがるだろうけどね。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "当然よっ。男になんて誰が望んで見せるもんですか\nあ、でもね、た、橘くんは、いいわよ、望んでも……い、いつもってわけじゃないけど、こういう時は見せてあげる……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "それ結構際どい発言だよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "その発言の危険さを、あまり理解してないだろう星亜に、僕は笑ってしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、だってぇ……橘くんに嫌われたくない、から……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そんなことで嫌いになれるほど、狩野星亜っていう子は甘くないって",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "星亜は、もっと自分に自信を持っていいんだけどな。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そ、それじゃあ、触ってみるよ……?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕は改めて星亜に向き直ると、星亜に言う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ど、どうぞ……あの、や、優しくお願い、ね\n私、その、自分でもなくって……それがどういう感覚か分からないから……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "つまり、完全に触られたことがないっていうことみたいだ。世界で初めて星亜に触れる人間\nそう思うと、やっぱりドキドキする。\n星亜の、この綺麗な身体に触ってもいいんだって。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んうっ!",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "ショーツの上から、星亜の下半身へと触れる。同時に、星亜の身体がぴくんっと震えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ごめん、ちょっと強かった?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ここに触るのはいきなりすぎるかなとも思ったけど、星亜の姿を見てたらどうにもガマンできませんでした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "へ、平気っ……ちょっと驚いた、だけだから……つ、続けて……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "けれど、それでも星亜は嫌がることなく僕の好きにさせてくれる。本気で、僕のしたいようにさせてくれるんだ。\n本当に、律儀で真面目で可愛いなあ、星亜。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん……凄い。下着の上からなのに、こんなに熱いんだ……それに、柔らかい……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕は、ショーツの上から、秘裂に沿ってなぞっていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、う……んんっ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "星亜はギュット目を閉じて、味わったことのない感覚に身体を震わせた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、うんっ……ん、く……あ、あうっ……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "女の子って、本当に濡れるんだ……少し、湿ってきた……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ショーツに、いつの間にやら染みができている。\nわずかな湿り気が、僕の指にやんわりと濡らしていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、あっ、言わないで……あ、あうっ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "小さく喘ぐ星亜の声を聞いてるだけで、僕も自分が昂ぶっていくのが分かる。もっともっと可愛い星亜の泣き声が聞きたい。\nもっともっと、星亜の身体を知りたい。\n僕は星亜の上半身へと手を伸ばすと、その膨らみを覆う下着を取った。\n形のいい綺麗な二つの膨らみが外気に晒される。星亜はそれを、顔を真っ赤にしながらも必死に耐えていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "星亜、本当にスタイルいいよね……細身なのに、こんな……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "きゅっと締まったウエストに、ほどよく膨らんだ胸。魅力的なラインの腰からお尻。本当に、有名な芸術家の作った彫刻みたいだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "で、でも、輝夜ほどじゃないし……男の子って、大きい方がいいのよね……?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "別に、それが好きな女の子のだったら、そんなに気にしないよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "不安そうに尋ねてくる星亜に、僕は苦笑しながら答える。だいたい、これだけのサイズがあれば充分だし、星亜は決して小さくない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ほら、星亜の胸、こんなに綺麗で柔らかそう……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "その二つの丘をそっと揉む。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃうっ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "星亜の、凄い……柔らかくて……すべすべしてて……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "まるで吸い付いてくるような柔らかさ。そして僕の手を押し返す、心地のよい弾力。力を入れればいれるだけ、その力が柔らかさと一緒に返ってくる。\n本当に、朝まで揉んでいても絶対に飽きないね、これ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、あ……は、ぁんっ……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "甘く響く星亜の嬌声。僕の手で星亜が感じてくれている。それが嬉しい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なんだか手のひらに吸い付いてくる感じだよ。乳首も、ピン、て尖って……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "丘の中心にある小さな膨らみも、いつの間にか固く尖り、ツンと立っていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "冗談で、あま姉に抱きしめられたりしてたけど、本当の胸ってこんなに気持ちいいんだ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "乳房を揉みしだきながら、その尖端を指でやんわりとつまむ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……あぁっ……橘くんの手、や、優しいの……\nへ、変な、感じ、して……びりびりって、痺れて……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "コリコリっとした乳首の感触が気持ちいい。僕の動きに合わせて聞こえる嬌声が、まるで有名な楽器みたいだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んあ、ああっ……や、やだ……声、出ちゃ……あんっ\nか、身体から、力、抜けちゃ……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "いいよ、星亜。ガマンしないで横になって",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ガクガクと震える肩をそっと抱き寄せると、僕はそのまま星亜をベッドに寝かせる。もう力が入らないのか、星亜は素直に横になった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やぁ……この体勢、み、見えちゃう……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "う、うん。凄い……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "大きく開かれた足にめくれたスカート。星亜の一番恥ずかしい場所が、薄い布に隠されてるとはいえ、今僕の目の前にある。\nその布も星亜からこぼれた蜜が染みとなり、大切な中身の形が分かってしまいそうだ。\n横になっているにも関わらず、ツンと上を向いたままの張りのある胸。下側から見るそれは、かなりの迫力がある。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "張りのある星亜の胸とか、その、パンツの染みになっちゃってるのとか、全部……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だ、だめ、言うの無しっ。ほ、本当に恥ずかしいの……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "見ることまでは否定しないあたりが、凄く星亜だと思う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、ごめん。こんな近距離で星亜のその、見ちゃったら、中も……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "えっ!?や、やあっ、そこは!",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "僕の伸ばした手に星亜は気付くものの、遅い。僕は下半身を隠す下着を掴むと、ズリ下ろした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これが、星亜の……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "髪の毛と同じ色の淡い恥毛に包まれた一本の筋。固く閉じられた秘裂がそこにある。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、やあっ。そこだけは本当に、お、お願い、そんな風に見ないでっ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "顔の朱色を更に濃くして、星亜が叫ぶ。\n星亜自身をこんなアップで見られることが本当に恥ずかしいんだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もう感じてくれてるんだ……中の方から、透明なのが垂れてきて……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "奥からこぼれた蜜が染み出し、その周囲を濡らしていた。肌に貼り付いた数本の恥毛がいやらしさを演出している。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だめっ、本当に、だめえっ。そ、そこは汚いから、橘くんにも見られたくないのっ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "全然汚くなんかないけど。むしろ綺麗に閉じてて……女の子ってこんな風になってるんだ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "初めて見る本物の女の子、それも星亜のものに、さっきから興奮が収まらない。この奥を早く見たくてたまらない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "星亜の中、見るね……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ピッタリと閉じ合わさったその扉を、両手で左右に開く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひ、開いちゃだ、だめえっ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "トロリとした蜜が、星亜のお尻を伝ってシーツへと垂れていく。\nそして目の前に見える柔らかそうなピンク色の秘肉と、女の子としての穴が二つほど。\n一つは本当に小さくて、いじることなんてできそうにない。もう一つは、割れ目の下の方にある、閉じられた穴。こっちも入って指一本が限界だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "本当に綺麗なピンク……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "割れ目の奥に広がるその光景に思わず呟いてしまう。初めてみる女の子の中は、鮮やかなピンク色が広がる綺麗でいやらしい場所だった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やだ、やだあっ。いくら橘くんでも、そこは……は、恥ずかしくて、もうわけわかんなくなっちゃうっ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "一番見られたくないはずの場所をじっくりとアップで見られて、ただ羞恥でいっぱいになる星亜。\n耳まで真っ赤になったその顔が、ただ可愛い。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "汚いどころか、本当に綺麗な感じがする",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ぜ、全然綺麗なんかじゃ……っ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "透明感のあるピンク色の柔肉。それは今にもむしゃぶりつきたくなるほど綺麗で柔らかそうだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それに、こっちのヘアーって、本当に髪と同じ色なんだね……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "柔らかな恥毛を指先でいじる。ふわふわとして柔らかいそれは決して濃くなく、ほとんそ秘裂を守れていない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、だめ、そんなのいじらないでっ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "柔らかくて気持ちいいよ。それに薄いから、あまり隠し切れてないし",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そういえば、これって持ってると幸運のお守りなんだっけ。思わず欲しくなってしまうけれど、さすがに星亜がどうにかなっちゃいそうなので今回はガマンしよう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "星亜自身も、きっと……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕は、そこを開いたまま、割れ目の中の肉にそっと触れた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひあぁっ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "星亜の蜜で濡れたそこは、ヌルリとしながらも柔らかい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、だめっ、そこ、はっ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "凄い……こんな熱いんだ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "星亜の体温が、その柔肉を伝って感じとれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それに、いじってるだけでどんどん濡れてきて……ぬるぬるしてくるよ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "秘裂の中を上下に撫でさするだけで、星亜は耐えられずに大きく鳴いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふあ……あ、ああっ、んうっ\nや、ひぃ、あ、あうっ……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そして、下の方に見えるその入り口に目をやる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "下のこれって、その、入り口だよね。うわ、本当に小さい……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "初めての証に守られたそこは、指一本すらも入るか妖しく見えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これ、入るのかな、本当に……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "これから僕自身をここにいれるとなったら、これじゃあ入りそうにもない。僕は、その穴に、そっと人差し指をいれてみた。\nギチギチとした星亜の入り口が、ぎちぎちと僕の指を締め付ける。それはもう痛いくらいだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひぎっ……や、あ、何か、入ってっ……い、痛っ……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "ダメだ。どうにか指くらいはって思ったけれど、全然奥に入らない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やっぱり……人差し指でもこんなきついのに……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕は星亜の中から、ゆっくりと指を引き抜いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ご、ごめんなさい……だ、大丈夫。ガマンできるから、お願い",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そして星亜は、その行為の意味に気がついて慌てて言ってくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "今のは、いきなりだったからで……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そう懇願してくる星亜は、本気で僕を求めていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こんな後ろからでいいの……?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ベッドの上に膝立ち状態の星亜を後ろから捕まえる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ええ……だ、だって、顔を見られながらなんて、恥ずかしくて……\n私、どんな顔しちゃうか分からないから……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "覚悟はしていながらも、やっぱり怖いんだろう。どこか不安げな顔で言う星亜に、僕も言う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えっと、その、多分、今更イヤだって言われても、きっと僕は、もう止められないと思うから……\n痛いと思うんだけど、ごめん。今の僕にできるかぎりで優しくする……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ここまできてやめるつもりなんてない。星亜のすべてをもらう。星亜も、そんな僕に頷いてくれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ええ、大丈夫。恐いけど……ガマンできるから\n私の初めてを、橘くんにもらってほしい……橘くん以外に、あげたくない……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "恥じらいながらも、断固とした決意がある星亜の声。\nズボンの中では、僕自身がもう押さえきれないほどに膨れあがり、星亜を求めている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん……それじゃあ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕はチャックを下ろすのももどかしくそれを取り出すと、星亜の入り口に、その尖端をあてがった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……橘くんのが、当たってる……す、凄い熱いのが伝わってくる……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "それは僕も同じだ。星亜の熱さが、割れ目の中から伝わってくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "星亜、もらうよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "言って、僕は漲っている僕自身を、星亜の中へと埋めていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んうっ!!",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "明らかな苦痛の響きと一緒に、星亜の端正な顔が歪む。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あくっ、ひ、あ……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "う……せ、星亜の、キツくて……か、固い……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "めりめりと音を立てそうなほどに狭くキツイ星亜の入り口。僕をねじ込んでいく度にぶつ、と引き裂かれ、赤い液体が星亜の太ももを伝っていく。\n星亜の肉を引き裂く感触。それだけで、星亜の苦痛が伝わってくるみたいだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ご、ごめん……これ、痛い、よねっ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "う、うんっ、もの凄くい、痛っ……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "星亜は両目を強くつぶって、懸命に痛みを堪えている。押さえた腕にも力が入っていて、どれだけ苦しいのかがよく分かった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、だけど、ガマンできる、からっ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "それでも、必死に痛みをガマンして、僕を受け入れ続けてくれている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んぐっ、は、あ、ああっ!",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "ぶつん、ぶつんと星亜の身体の一部を引きはがしなら、ゆっくりと奥に進んでいく僕自身。固く昂ぶったそれを星亜の身体は容赦無く締め上げる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "く、は、ああぁっ!!",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "星亜の苦しげな嬌声と一緒に、ぶちっ、と何か大きなものを引き裂いたような感覚が下半身から伝わってくる。同時に、ぎちぎちだった入り口が、わずかに緩んだ。\nぬるり、とした液体に導かれて、僕のものが三分の二くらい、星亜の中へと飲み込まれる。\n星亜の純潔を、たった今僕が完全に奪い取ったみたいだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、入った、よ。星亜の中……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕は動くのを止めると、痛いくらいにきつく締め付けてくる星亜を、存分に感じる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、うんっ。凄い……私の中、に、橘くんが、いるっ\nす、すっごく、あっつい……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "星亜も苦しげに、だけど嬉しそうに、答えてくれた。\n星亜の中に僕がいる。星亜の初めての人に僕がなって、僕の初めての人に星亜がなってくれた。それが、こんなに凄いことだなんて思ってなかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お、女の子の中って、こんな凄い、んだ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "今まで想像すらしたことのない感覚が、僕の全身を痺れさせている。\n一人で慰めてたことがばからしくなるくらいの快感。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あったかくって……キツク、しまって……ま、まるで絡まってくるみたい……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "熱い星亜の体内で、まるで生き物のように僕を絡んでくる星亜。その刺激に、僕は一気にすべてを吐き出してしまいそうになるけれど、どうにか堪えた。\nだめだ。このままじゃあ、僕の方がもたない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、動かない、の……?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "ジッとしたままの僕に不安になったのか、痛みをこらえつつもそっと聞いてくる星亜。動きたくても、動けないんです。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "き、気持ちよすぎて……動いたらすぐ出ちゃいそう……\nそれに、星亜もまだ辛いんじゃあ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ううん、私は平気……入るまではちょっと辛かったけど、入っちゃったらもう、ね",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "確かに、その声からはさっきまでほどの苦痛は感じなかった。それでも、決して痛くないわけじゃないんだろう。その顔は少し青ざめて見える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だから、動いて。その……すぐ出ちゃっても平気、よ?橘くんなら何度だって受け入れちゃうもの\nそれに、もっともっと気持ちよくなってほしいから……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "女の子として精一杯の発言。ここまで言わせてしまったら、僕にはもっと気持ちよくなる義務がある。\nそれに、星亜に痛み以外のものを感じてほしい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "星亜……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕は一番大切なその名前を呼ぶと、ゆっくりと、再び腰を動かし始めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、く……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "動き始めた僕に、やっぱり辛そうに喘ぐ星亜。反対に、僕には電流にも似た快感が走る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、あ……や、やっぱりだめ、だこれ。き、気持ちよすぎる……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ゆっくりと、星亜の中を感じながら引き抜かれていく僕。星亜の蜜と真っ赤な純潔の証が、一緒に掻き出されてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、うん。橘くんが、お腹の中で動いてる……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そして、そんな僕を星亜も身体で感じてくれていた。傘の部分まで引き出した僕を、今度は奥へと埋めていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "す、すっごく熱い……あ、ああっ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "星亜の中、こ、こんなにヌルヌルなのに……か、絡みついて、きて……あうっ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ずぶずぶと秘洞の中を進んでいく僕を、星亜の濡れそぼったヒダが締め上げる。ゾクゾクとした快感が震えになって、僕の全身を包んでいった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、頭の芯まで、ゾクゾクって……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "星亜の中に放ってしまえと、信じられないほど強い射精感が僕を襲う。このまま出してしまいたい。星亜を僕で汚したい。そんな欲望が下半身へと集まっていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "わ、私、もっ。い、痛いのに、びりびりって、変な感じが走って……\nき、気持ち、いいの、かも……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "苦痛とは違う、確かな何かが、その声には含まれていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひゃ……ふあ……う……ああっ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "ゆっくりと繰り返される僕の抽挿に、星亜の口から甘い響きがこぼれ出す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああ……な、何か、身体の奥から湧いて……な、何、これ……\nあ、く、あう……んうっ!",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "星亜の中から溢れる蜜が急激に増したのが分かる。星亜の中を甘い蜜が満たし、僕の動きをより滑らかにする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こ、こんなにゆっくり、なのに……腰が、止められない……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "熱い星亜の体内に擦り上げられ、ただ快感だけが下半身から上がってくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "星亜の中、ま、麻薬みたい、だ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "このままだと、もうすぐにでもガマンできなくなる。星亜の中に放ってしまう。それが分かっているのに、腰が止まらない。止めようと脳が思ってくれない。\nぐちゅぐちゅと小さな水音が響き始め、僕を耳からも感じさせていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "た、橘くん、も……わ、私、ああっ、初めて、なのに……ふぁ、ああんっ……き、気持ちよく、って……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "星亜も、同じように僕を感じていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いやぁ……ぐ、ぐちゃぐちゃ、って、いやらしい音、聞こえて……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "二人が奏でる水音に恥ずかしさから顔を染め、体内を蠢く僕に、ただ感じ続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "橘くんの……こ、これ、おかしいよぉ……っ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "だ、だめ、だ……星亜の、僕を包んで……こ、擦れて……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "擦れ合う二人の身体に、僕も星亜も何かが意識を支配していくのを感じていた。視界が白く霞んでいく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あ、はああ、んっ、う、あん、は、はあ、あぁっ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "その胸をたぷたぷと揺らしながら、星亜が鳴く。揺れる二つの丘がいやらしくて、その光景と音が、更に僕を固くたぎらせる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "す、好きな人とのえっちって……こ、こんな、なんだ……っ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "痛みを忘れて、ただ僕に犯され続ける星亜。きゅう、っとしまるその秘洞が、僕から最後の抵抗を奪い取る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ごめんっ、僕、も、もうっ!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "わ、私もっ、なにか、が……っ!",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "う、くうっ!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "溜まりに溜まった欲望を、僕は星亜の中へと一気に打ち放った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、あ、ああああぁっ!",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そしてそれが最後の一押しになったのか、星亜の身体が大きく弓なりに反る。\n秘洞が小さく痙攣し、達したことを教えてくれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、あ、ああ、何か熱いの、出てる……\nた、橘くんのが、お腹の中で、びくんびくんって……や、あ、凄い、これ……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "何度も、何度も星亜の中を汚していく僕の白い欲望。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こ、こんな出て……星亜の中、ドロドロに……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕すら驚くほどの量を放ちながら、それでもまだ収まらない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、ぁ……はぁ……はぁ……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "ごめん、さすがに全部は無理で、半分ちょっとくらいしか入らなかった……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あ、これで、なの?お腹の中まで来てるのに……橘くんのって、そんな凄いんだ……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "達した余韻で、ぐったりとなりながら、自分の中に突き立てられたそれを確かめているような目で星亜が言う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "い、いや、あくまで平均くらいだと思うんだけど……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そうなんだ。男の人って凄いのね……\nでも、いいわ。私は生涯、橘くんのものしか関係ないもの。橘くんの感触だけ知れれば、それで充分",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そう微笑みながら言ってくれる星亜が、今はたまらなく可愛い。このまま、後ろから抱きしめたくなっちゃうくらいだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "どくんどくんって、まだ出てる……橘くんの、えっち……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "自分の中に、こんなたくさんのものが溜まってたなんてビックリだ。結合部から溢れたそれが、真っ赤な証と混じりながらぽたぽたとこぼれている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いや、星亜が気持ちよすぎるんだよ……星亜のえっち……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "こんなに凄いものを味わわされたら、身体だって反応しちゃって当然だ。凄いなあ、星亜。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "わ、私、知らないわよ。自分で触ったことだってなかったんだから……\nでも……橘くんが気持ちよかったって言ってくれるなら……それもいいかも、ね",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "嬉しそうに笑ってくれる星亜。この少女に僕自身を刻み込めたことが、今嬉しくて溜まらなかった。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"星亜",
"大地"
] | 01_StellarTheater | B05_04h_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "ふう……やっぱり連休のあとの授業は疲れるなあ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "休み時間、息抜き代わりに廊下で大きく伸びをする。\n特にこの二日は星亜とずっと一緒にいて楽しかった分、その反動が大きいみたいだ。\n本当は休み時間もずっと星亜と一緒にいたいけど、あんまりべったりして星亜の行動を妨げるのもイヤだし。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まあ、星亜との時間は、放課後のお楽しみにしておこう",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "と……ふと、一人の少女が目に入った。\nそこにいたのは、黒い服、そして白い髪の女の子。\n校庭の隅にぽつりと立っているその子がなんだか気になった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……女の子?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "遠くにいるからよくわからないけど、うちの制服を着ているわけじゃないし、部外者……だよね。\nでも、あんなところで何をしているんだろう……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えっ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "その瞬間、まるで僕が見ていたのがわかったように、その女の子の顔がこちらに向けられる。\nそして、そのまま僕の方をジッと見つめてきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……普通なら、微笑むか、手を振り返すくらいはしたかもしれない。だけど、今の僕は全くそうする気にはなれなかった。\n無表情の中にあるあの女の子の視線……それが、何故か僕を貫いてくるように思えてしまったから。\nまるで、そこにいたのは偶然ではなく、僕を見るためにいたような気がして……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "体中がぞくっとして、嫌な気分になる。不安にも似た黒い感覚が、僕の全身を包み込んでいく。そんな感じがした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "橘くん?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "えっ?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "どうかしたの?橘くんらしくない、真剣な顔だったけど……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "振り返ると、星亜がそこに立っていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "星亜……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "顔色、あまりよくないけど大丈夫……?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "いや、あの子が……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あの子?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "星亜も窓の外を覗き込む。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……女の子?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そして、星亜もその子に気づいたらしい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "何かしら。ジッとこっちを見ているみたいだけど……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "うん……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "うちの学園の生徒じゃないわよね。制服も着てないし、あんな綺麗な子、一度見たらそう忘れるものじゃないもの\nね、ねえ……?\n……橘くんにかぎってとは思うけど……もう浮気、とかじゃないわよね……?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "星亜が嫌だって言っても、星亜を手放す気ないよ、僕は",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "わ、私からそんなこと言うはず絶対ないわ……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "だったら無問題だね。星亜以上の女の子を、今の僕は知らないから",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "橘くん……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "星亜……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "橘くん……\nん……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "ほんの一瞬、触れるだけの軽いキス。だけどそれだけでも、星亜を感じるには充分だった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "橘くんのキス、優しいから好き……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "僕としては、今度もっと激しいのもしてみたいんだけどな",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "うん。橘くんとなら、私もしてみたい……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "ポーッと、赤らんだ顔で僕を見つめる星亜。その潤んだ瞳が凄く綺麗だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "残念だけど、続きはまたあとでかな……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "うん、そうね。本当にいじわるなチャイムなんだから",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "僕たちは小さく笑い合うと、そのまま教室へと戻っていった。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"星亜",
"大地"
] | 01_StellarTheater | B05_08_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "失礼します",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "おや、橘君。どうしました?どこか具合でも……",
"speaker": "昴"
},
{
"utterance": "あっ、いえ。そうじゃなくて、ちょっと星亜を捜しているんですけど",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "星ちゃんをですか?",
"speaker": "昴"
},
{
"utterance": "ええ、もしかしたらここかと思って",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "よく考えたら、昴先生って星亜の元想い人なんだよね。\nでも、そんな人が目の前にいるのに、全く気負いしてない……自分でもちょっとびっくりだ。\nやっぱりこれは、今の星亜は僕だけを想ってくれているという強い自信があるからかもしれない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いや、ここには来てませんよ",
"speaker": "昴"
},
{
"utterance": "そうですか。じゃあ別の場所を探してみます。失礼しました",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "橘君",
"speaker": "昴"
},
{
"utterance": "保健室を出ようと振り向きかけた時、昴先生から呼び止められる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はい、何ですか?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "星ちゃんのこと、ありがとうございます。これからも、支えになってあげて下さい",
"speaker": "昴"
},
{
"utterance": "嬉しそうに微笑みながら言う昴先生。多分、僕と星亜が付き合い始めたことも知っているんだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はい、もちろんです",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "陽夏さんと一緒に、星亜を心配し続けた昴先生。僕はそんな昴先生に向かってはっきりと言い切った。\nそして昴先生は、そんな僕に力強く頷いてくれた。\nそして僕は、その星亜を捜すため、保健室を後にした。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"大地",
"昴"
] | 01_StellarTheater | B05_10c_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "まあ、誰もいない部屋にいつまでもいても仕方ないか。他を捜そう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あら、橘くん?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "星亜?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "廊下に出ると、そこには星亜が立っていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "どうしたの?私の部屋なんかで",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "いや、星亜の姿が見当たらないから、心配になって捜してたんだけど……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "え……あ、ご、ごめんなさい。そうよね、私、誰にも連絡してなかったから……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "でも、部室にも寄らずに先に帰ってるなんて、何かあったの?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ううん、帰ってきたんじゃなくて、ここにはちょっと寄っただけ。今から戻るところだったのよ\n詳しいことは、部室でみんなに話すから、とりあえず戻りましょう",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "あっ、うん。分かった",
"speaker": "大地"
}
] | [
"星亜",
"大地"
] | 01_StellarTheater | B05_12_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "星亜",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "橘くん、お疲れさま",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "お疲れ様。どう、何か手がかり見つかった?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ううん、今のところはまだ、ね",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そうか。こっちもだよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "まあ、そんな簡単に見つかったら苦労はしないわよね",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "ほんのちょっとだけ気落ちした感じの星亜の肩に、僕はぽんと手を置く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "橘くん……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "大丈夫だよ。僕達だけで捜してるわけじゃないから",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "うん、そうね",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そう素直に応えてくる星亜には、出会った当初の焦りみたいなものは消えていた。\nだけど、こっちの素直な姿の方が、きっと本来の星亜なんだろうなって思う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ここ、風が気持ちいいわよね",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そうだね。まあ、ちょっと強いけど",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ええ。少しだけ寒いかも。もうすぐ冬だし",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "なら、これでどう?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あっ……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そのまま肩に軽く置いた手を使って、星亜を抱き寄せる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……橘くん、とっても温かい",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "でしょ?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "うん……このまま少しだけこうさせてもらっていい?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "もちろん",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そして、しばらくの間、僕たちは風を受けながらお互いの温かさを感じ取っていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ずっとこうしていちゃダメよね。そろそろ捜査を再開しないと",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そうだね。充分星亜の感触は充填したし、それじゃ行ってくるよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ええ。また後で",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そう言って星亜は僕の隣から離れ、軽やかに走っていく。\nさて、僕の方も真面目に捜さないと。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"星亜",
"大地"
] | 01_StellarTheater | B05_15a_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "一通りのところを回った後、星亜がちょっと気になったので、さっきも来た水辺の公園へと戻ってみた。\nくれぐれも、イチャつきだいからではないので念のため。\nホ、ホントウデスヨ?\n色々な場所を回って、みんなの話を聞いて、一つの推測が浮かんだから。そしてそれを確認するためにも、星亜と合流したほうがいいと思ったからだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "星亜",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "橘くん、お疲れさま。みんなの所を回ってきたみたいね。どう、黒猫見つかった?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "黒猫自体は見つかってはいないけど、そうでないものは見つけたんじゃないかなって思うよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "えっ?どういうこと?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "それを確認するためにも、ちょっとついてきてほしいんだ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕の確信めいた口調に、星亜は訝しがりながらも頷いてくれた。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"星亜",
"大地"
] | 01_StellarTheater | B05_16_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "寒い……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "さすがにもう秋というよりは冬に近いだけあって、風が肌に突き刺さってくる。\nでも、ここじゃないと意味がない。\n星亜に連絡は入れている。\n乗り気じゃなさそうだったけど『来るまで待ってるから』と言って、一方的に電話を切った。\nちょっと卑怯かもしれないけど、こうでもしないと今の星亜は来てくれなさそうだったから。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふう……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "星亜はきっと迷子なんだと思う。今、自分がどこに行けばいいのかを見失ってしまっているんだ。\n誰かが教えてあげないといけない。星亜の行く場所を。\n誰かがその手を引っ張ってあげないといけない。星亜が行こうとしている場所へ。\n誰かが見ていてあげないといけない。星亜が、どこを目指そうとするのかを。\nそして、その誰かが僕でありたい。\nだから、僕は今、ここで待っている。いや、待っていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そこに、星亜はいた。\n沈みきった太陽の下、他に誰もいなくなった、ただ草木の揺れる音だけが響く寂しい公園。\nその隅にある電灯の下で、何をするでもなく、ただ一人でぽつんと立っている。\n俯き、ただ地面を見つめ続けるその姿は、間違いなく迷子の子供だった。\nだから、僕が教えてあげるんだ。星亜の行く場所を。\nだから、僕がその手を引っ張ってあげるんだ。星亜が行こうとしている場所へ。\nだから、僕が見ていてあげるんだ。星亜が、どこを目指そうとするのかを。\n僕は、迷子の少女のもとへと、真っ直ぐに歩を進める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "星亜",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "正面から見つめながら、はっきりと名前を呼んだ。星亜の肩が、遠目にも分かるくらいにハッキリと震える。\nそこにいるのが僕でないでほしい。そんな怯えるような動きで、ゆっくりと星亜の顔が上がる。\nそれは、本当にあの星亜なのかって思うほどに弱々しくて、はぐれてしまった母をただ待ち続ける迷子そのものの姿。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "橘、くん……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "ちょっと遅刻だね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "どうして、私に……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "星亜に、見せたいものがあるから",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……\nお願い……お願いだから……もう私に触れないで……私のことなんて、もう忘れて……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "ごめん。断る",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "即答した僕に、星亜の顔が絶望に歪んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なんで?なんでそんなに私に拘るの?\nこんなちっぽけで、空っぽで、自分勝手な私に……\n頑張ってきた……頑張ったつもりだった……だけど、全部無駄だった\nどんなに頑張っても、どんなにしがみついても、どんなに手を伸ばしても、結局、誰も私を見てくれなかった。何も、掴めなかった……\nもう私を苦しめないでよ!\nもう私を、責めないでよ!",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "涙と一緒に溢れる叫びは、星亜の本心だ。誰かを憎むことなく、ただ自分を憎んでしまう。そんな、星亜の優しさだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "結局、ただ私は憎んでただけだった!\n恨んでただけだった!\n妬んでただけだった!",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "自分の見えない感情に苦しんで、抑えきれないその感情をただ目の前に叩きつける。\nこんなことをしたいはずがないのに、だけど湧き上がるその気持ちに潰されそうになって、それが辛くて、痛くて。\nどこかに吐き出さなければ自分が折れてしまう。だから、叫ぶ。\n僕の胸をドンドンと叩きながら悲鳴を上げる星亜は痛ましくて。そんな星亜を見ていることが悲しくて。\nだから僕は、その細い身体を力一杯に抱きしめた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "な!?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "いきなりの僕の行動に、星亜は少しだけ自分を取り戻し、顔を上げる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ダメだよ、星亜。いくら星座候補でも、体勢が悪すぎる\nそれに全力でやれば僕がケガするかもしれないってことを知ってるよね。躊躇してるのが分かるよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "とはいっても、さすが十二星座候補。星亜を押さえつけるため、僕はただ必死に抱きしめ続ける。\nそしてそんな僕に、星亜は叫んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なんで!なんでそんなに私のそばに来るのよ!",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "何を今更だろう。少しショックだな。こんなくだらない質問を投げかけてくるなんて。\n答えなんて、最初から決まってるんだから。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だって、僕は星亜を信じてるし",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "え……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "まるで、時間が止まったみたいに、星亜の表情が凍り付く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あの、ごめん。そこでそんな驚かれたりすると、さすがにちょっと傷ついちゃうかな、僕も。今まで信じてるそぶり見せてなかったみたいでさあ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "私を、信じてる……?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "ああ、信じてる",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……なん、で……?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "僕の言葉が信じられないとばかりに、唖然としながら尋ねてくる星亜。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なんでって、理由なんて必要?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だ、だって、私、姉さんのこと……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "それは違うよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "また、自分を卑下するような言葉が出る前に、それを遮る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "星亜は自分が思っている以上に頑張っていて、そして優しい\n優しいから自分を責めるんだ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "橘くん……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "ちょっと力が抜けた星亜を、さらにぎゅっと抱きしめる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もう一度言うよ。星亜のこと、信じてるから",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ばか、みたい……\n見てくれてた人、いたんじゃない……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そんな震える呟きと一緒に、星亜の身体から力が抜けた。\nそして、僕の背中に腕を回してくる。さっきまでのような拒絶の力じゃない。しっかりと、強く、強く。僕を離さないための力で。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やっと、分かった。今頃分かったの。ほんとに、本当に私ってバカみたい。遅すぎるわよね\n私がなんで橘くんに惹かれたのか。橘くんを好きになったのか\n私は、掴みたかったんじゃない……掴んでほしかったんだ……\nどんな時でも私を見て、私を信じて、私の手を掴んでほしかったんだ……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "僕は掴むよ。掴み続ける。そして星亜を支え続ける",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "星亜の気持ちに応えるように、さらに強く星亜のことを抱きしめる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "一つ、聞いていいかな",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "何?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "星亜は、陽夏さんのこと、好き?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……\n……分からないわ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "星亜は、首を力なく左右に振りながら言葉をこぼす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なら星亜に見せたいものがあるんだ。見てくれる?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "えっ……?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "星亜は僕の瞳をジッと見つめて、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "橘くんが私を信じてくれるなら、私も橘くんを信じる。だからお願い。見せて",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そして頷いた。\n昼間見た、三つのホロスコープを再生する。\nそれは、陽夏さんに対して熱く語る星亜の姿。\nそして……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "星亜、笑ってるよね\n僕にはあの笑顔がさ、嫉妬とか妬みとかから生まれたものとは思えないんだ\n強い陽夏さんを見て、頼れる陽夏さんを見て、高みにいる陽夏さんを見て、星亜は笑ってる。喜んでる",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "私……喜んでる、の?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "もう一度聞くよ\n星亜は、陽夏さんのこと、好きかい?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "返答は無かった。星亜はただ、目の前の自分を、陽夏さんを、黙って見続ける。\n優しい目で自分を見つめる陽夏さんを、そんな陽夏さんを笑顔で見つめる自分を、ただ黙って見つめ続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "橘くん……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "何?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "私ね、姉さんみたいになりたかった……\n十二星座なんかどうでもいいから……姉さんみたいに、なりたかった……\nそっか……姉さんが十二星座になったから……私も十二星座に……なりたかったんだ……\n姉さんのことが、好きだから",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そうはっきりと言う星亜の顔は、\nホロスコープの中の笑顔のように、眩しくて、そして綺麗だった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "私の本当の想い。私は、それをちゃんと持っていたのに、自分で気付いていなかった……\nだめね、本当に。私一人じゃあとっくに倒れちゃってるわ\nだからこれからも、支えて。私の手を掴んでいてね",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "もちろん。ずっと隣で支え続けるよ\nでもさ、正直言うと、男としては少し複雑なんだよね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あら、何が?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "男としてはさ、やっぱり独占欲っていうものがあるわけで。それは、相手がいい女であればあるほど高まるわけで\nその独占したい相手にさ、目の前で他の人を好き好き言われるのは、分かっててもちょっと堪えるなあって",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "はあ、っと残念そうに溜息をつく僕に、星亜はクスと笑った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "安心していいわよ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "何を?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "姉さんは、二番",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "え……あの、それってさ、一番はやっぱり……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あら、言葉で言わせる気?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そう言って、星亜は頬を赤らめる。静まりかえった暗い空気の中で、その朱色の肌がやけに鮮やかだった。\nそして僕達は、お互いの想いを見せつけようとするかのように、自然と身体を求め合った。\n誰もいない、月明かりに輝く公園の中、その想いをただ見せつけ合う。\n確認なんてしなくていい。ただ、自分の想いを見せることができれば。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"星亜",
"大地"
] | 01_StellarTheater | B06_07_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "そ、外でだなんて、ちょっとドキドキするわね……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "樹に寄りかかるようにして立つ星亜を、その横から愛撫する。\nすでにスカートは下ろされ、飾り気のない、だけど星亜らしい清楚でシンプルな下着が月明かりの中で晒されていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ごめん。やっぱり嫌……?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "さすがに外で、なんていうのは星亜のことを考えなさすぎたかもしれない。\n星亜の一番になれた。その嬉しさから突っ走ってしまったけれど、さすがに反省。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "も、もう。女の子に聞かないで",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "だけど星亜は、別に怒った風でもなく、苦笑しながら僕の顔を見る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そりゃあ、恥ずかしいし、橘くんの部屋とかのがムードあるけど……私も今、凄く橘くんに愛されたいの\n今ね、橘くんのことが好きで好きでたまらない……だから、お願い。私を愛して……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "むしろ部屋まで行くことがガマンできない。この場で僕に愛されたい。そんな星亜の想いに、僕の中での何かが、ドクン、と大きく鳴った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん。好きだよ、星亜",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そうとしか言えなかった。ただ素直に自分の気持ちを言葉にすると、僕は胸に触れていた手を静かに動かす。\n丁度手に余るくらいの大きさの膨らみ。それが僕の手の動きに合わせて、自在に形を変える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、うっ……橘くんの手……やっぱり優しい……\n優しく触られてるだけなのに……凄く気持ちいい……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "僕も、星亜の胸、気持ちいいよ……まだ服の上からなのに……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "揉めば揉むほどに返ってくる星亜の胸の感触。張りのある弾力に、思わず夢中になっちゃいそうだ。\nとはいえ、このまま僕だけ楽しんでいたって、星亜を愛することになんてなるわけがない。もっと先へいかないと。\nセーターをズリ上げ、その下のブラウスの前を開くと、星亜の膨らみが白いブラと一緒に現われる。\n形のいい膨らみに清楚な下着。星亜は本当に、男心をよく分かってるなあ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "星亜の下着、やっぱり可愛いね。星亜によく似合ってて、見てるだけでドキドキする",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そ、そう?さすがに今日はあの、選んだりしてないから、ちょっと子供っぽいかもって恐かったの……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "前の下着姿も興奮したけれど、今日の星亜もまったく負けていない。この綺麗な身体を、清楚な下着がより引き立ててる。\n特に、その胸の間を通るネクタイなんて。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大丈夫、凄く可愛い。あとでもっとじっくり見させてもらおうかな",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "も、もう……でも、橘くんなら、いいわ……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "恥ずかしそうに微笑みかけてくれる星亜。僕を信頼しきってくれてるその表情が凄くいい。\n僕はそんな星亜の身体を、思うままに愛し始める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ブラの上から触る星亜の胸、凄く柔らかい。大きさも僕の手に丁度いいくらいだね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あ……は、んっ……橘くんの手に合わせて、ピリピリって電気みたいなのが走るの……\nそれが、気持ちいい……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "セーター越しとはまた違った星亜の感触。薄い布地越しには、その体温だって感じられる。\n特に膨らみの中心は、固い何かがツンとブラを内側から押し出していた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "僕も、もっと星亜の身体に触れたい……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "触られれば触られるほど、たくさんの姿を見せてくれる星亜の身体。この身体をもっともっとよく知りたい。僕は胸を揉みしだきながら、覆っているそのブラをズリ上げた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "正真正銘、星亜の胸そのものが夜気に震える。\n隠すものも、遮るものもないその膨らみは、まるで僕の手のひらに吸い付いてくるみたいだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うわ……ツンって尖ってて……な、なんか凄いね……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "少し力をいれるだけでたやすく形を変えながら、けれどゴムのような弾力で押し返してくるその膨らみ。中心の突起は、すでに固く尖っている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "橘くんが、こうさせたのよ……せ、責任取って、気持ちよくさせてね……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "うん……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "その細い身体の綺麗さに改めて目を奪われながら、僕は胸を愛撫し続けた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふぁ……あ……ん……っ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "あったかくて柔らかいその物体は、まるでスイッチみたいに星亜を甘く喘がせる。\nよく見れば、下半身のその下着は、股間のあたりにうっすらと染みを作っていた。感じてくれている証拠だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "星亜の胸、ふかふかで、あったかいね……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕は円を描くようにして、その丸い乳房をさらに強く揉んでいく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "た、橘くんの手、こそ……あ、ああっ……な、なにかが、ぞくって、くる……\nきゃうっ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そのまま中心の突起を強めにつまむと、星亜が身体をびくんと揺らす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、あ、ち、乳首は、も、もっとやさし、く……あ、あんっ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "ごめん……まだよく加減が分からなくて……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "う、ううん。平気。それじゃあ、私の身体で上達、ね。私、きっともっと気持ちよくしてもらえる……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "その尖った突起を優しく左右に捻ると、それだけで星亜は身体を震わせた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふぁ、あ……う、うん、そう……それ、くらいで……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "気持ちよさげに鳴く星亜が、僕の身体に寄りかかり始める。そっと視線を下ろせば、感じてきているのか、足が小さく震えていた。\nもっと大きく感じてもらうために、乳首をつまむ指に、少し力をこめる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、あ、つねっちゃ……きゃんっ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "こりこりとした感触とぐにっとした柔らかさとが指先から同時に伝わり、僕をさらに興奮させた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ご、ごめん……僕も凄い興奮してきて……もう……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "え……あ、わ、私の中、に……?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "僕の言葉の先を理解したのか、問いかけ直してくる星亜。僕はその顔をまっすぐ見ながら頷いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そ、それじゃあ、お願いがあるの……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "星亜は拒絶することはなく、恥ずかしそうに、僕の下半身へと視線を向ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、うわ、こ、こんなにおっきいの?そ、それに凄く熱くて……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "すっかり屹立した僕のものを取りだして、星亜は驚きの声をあげた。\n初めて見る男のものは、想像とまるで違っていたらしい。顔を赤らめながらも、興味津々に眺めている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ね、ねえ、こんなに固いのが、普段どこにおさまっちゃうわけ……?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "いや、普段はその、こんなじゃないから……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あ、そ、そうよね。いつもはもっと可愛いのよね、確か",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "マジマジと、アップで見つめる星亜。なるほど、僕は星亜にこういうことをしていたわけかあ。確かにこれは恥ずかしい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、これが男の人の……た、橘くん、なんだ……なんか、先端から透明なの出てる……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "んっ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "尖端の部分を、星亜の爪が軽く引っ掻いた。痛みにも似た快感が、一瞬だけど走った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ご、ごめん、強く刺激されちゃうと、ちょっと……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あ、ごめんなさいっ。そ、そんな敏感なんだ……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "星亜は慌てて謝るものの、でも僕の顔を見上げると尋ねるように言う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "で、でも、これでおあいこよね……?お互いに、一番恥ずかしい所見せ合って……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "確かにその通りかも。普通は誰かに見せないような場所を、こうやって見せて触れ合うんだから。お互いに等しい間柄でなくちゃあ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あとは、私ががんばればいい、のかな",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "星亜?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "星亜は頬を染めたまま僕をジッと眺めると、やがて意を決したようにそっと咥えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "う、うわっ……せ、星亜?そんな、無理しなくても……っ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ぴちゃぴちゃ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "さすがに全部は恥ずかしいのか、尖端だけの愛撫。だけどそれでも充分に気持ちいい。\n唾液に濡れた星亜の舌が、口の中で僕を愛撫していく。口内の熱と相まって、今までにない快感がゾクゾクと背筋を震わせた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "な、なんか、ちょっぴり苦い、のかしら?わ、わかんない……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "尖端から滲み出ていた汁を、星亜の舌がそっと舐め取る。おいしい、と言えるようなものではないんだろう、その顔がわずかに歪んだ。\nそしてまた、その舌が僕を優しく刺激していく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぴちゃぴちゃぴちゃ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "うあ、あ、あうっ……す、凄いよ、これ……ぞくぞくってきて……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "こんなこと、練習すらもしたことないだろう星亜の、拙い動き。だけどその拙さが、かえって僕を興奮させる。\nあの星亜がそこまで僕のためにしてくれている。それだけで、僕のものは更に固さを増していった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んむっ……ん……ああ……んうっ……\nな、なんだか、ちょっと大きくなってきてない……?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "口の中で膨らんだそれに、星亜は驚きの目を向ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "せ、星亜のが、気持ちいい、から……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "薄い唇の間からもれる熱い吐息が僕にかかる。内と外、両側からの刺激が、僕の欲望を濃く高めていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "橘くん……凄く気持ちよさそうな顔してる……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "正直、口でしてもらうってことが、こんなに気持ちよくて興奮するものだなんて思ってもいませんでした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そ、そんな顔見てたら、私もなんだか……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "恥じらうように言いながら、星亜は右手を、そっと下の方へと下ろしていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んむっ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "僕を責めながら、自分自身をそっと刺激する星亜。恐らくは初めてだろう自分での行為に、その吐息が荒くなるのが分かった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……んく……んっ……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "僕を愛撫するその口からこぼれる嬌声は、どんどんと甘く、熱く昂ぶっていく。そして、僕に対する責めも、より激しくなっていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、あ……あう、く、ううっ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "自然とこぼれてしまう僕の快楽に、星亜の右手も動きを増しているみたいだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んん、はあっ、はあっ……ん、んあっ\nん、はあっ、はむっ……んん、んうっ\nんうっ!",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "敏感な所に触れてしまったのか、星亜の身体が大きく震えた。\n余程感じているのか、星亜の下半身から、ぴちゃ、と小さく水音が響く。その指の動きを想像するだけで、僕はイッてしまいそうだ。\n下半身へと集まったものは、気を抜けばいつでも溢れてしまいそうだ。このまま星亜に出したい。そう思ってしまうものの、もっともっとこの快感を味わってもいたい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、んんっ、はむっ……んあ、んうっ",
"speaker": "星亜"
}
] | [
"星亜",
"大地"
] | 01_StellarTheater | B06_08h_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "おはよう、皐月",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あ、おはようございます、お兄ちゃん♪",
"speaker": "皐月"
},
{
"utterance": "昨日までの疲れと休みの日である安心感からか、今朝はかなりのんびりとした目覚めになっていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "今日はすっかり遅くなっちゃったな……空は?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "リビングには、空の姿はない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くーちゃんなら、先ほど出かけましたよ。ちょっと調べてみたいことがあるって",
"speaker": "皐月"
},
{
"utterance": "……そっか",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "なんとなくやっぱりな、と思ってしまった。\n昨日、陽夏さんに言われたように『好きにする』ことにしたんだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ま、空らしいって言えばそうなんだろうけど……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "調べに行くことに誘って貰えないことに、少し寂しい感じがする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お兄ちゃん、すぐにご飯食べますよね?",
"speaker": "皐月"
},
{
"utterance": "もちろん、今日も楽しみにしてるからね、皐月",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "はいっ、ちょっとだけ待っててくださいねー",
"speaker": "皐月"
},
{
"utterance": "皐月の元気な後ろ姿を見ながら、僕もテーブルにつく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "さて……僕はどうしようかな",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "空と同様に、僕も家でのんびりしているつもりにはなれなかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃ、ちょっと出かけてくるよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "靴を履きつつ、皐月に声をかける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もう、お兄ちゃんも出かけちゃうんですか?陽夏さんは昨日、休めって言ってたと思うんですけど……",
"speaker": "皐月"
},
{
"utterance": "皐月にも、ちゃんと陽夏さんが言いたいことは伝わっていたようだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まぁ、ちょっと気になるから回ってくるだけだよ。そんなに遅くなるつもりもないしね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ちゃんと晩ご飯までには帰ってきてくださいね",
"speaker": "皐月"
},
{
"utterance": "うん、了解",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "それじゃあ、いってらっしゃいです、お兄ちゃん",
"speaker": "皐月"
},
{
"utterance": "笑顔の皐月に送られて玄関を出る。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"大地",
"皐月"
] | 01_StellarTheater | C04_11_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "他のクラスもそれぞれ凝ったことはしてるみたいだけど……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "やっぱりウチほどの行列を作っているところは無さそうだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ま、子馬ちゃんのところには子猫ちゃんと子狐ちゃん、二人ほど増員があるからな",
"speaker": "明葉"
},
{
"utterance": "やっぱり大きいですよね、あの二人……って、明葉さん!?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "返事をしてしまってから、隣に明葉さんが居たことに気づく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こっちに気づくのが余りに遅いんでな。思わず声をかけてしまったよ",
"speaker": "明葉"
},
{
"utterance": "い、いつから隣にいたんですか……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "正直、まったく気配を感じていなかった。\nさすが十二星座というべきか……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん?子熊ちゃんと狼くんのクラスを出たところからだが",
"speaker": "明葉"
},
{
"utterance": "なにを当然のことを言わんばかりの明葉さん。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ひょっとして、あのライブも一緒に観てましたか?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そりゃあ当然だろうああいった出し物が観たくてあちこち回ってるようなものなんだし",
"speaker": "明葉"
},
{
"utterance": "心底楽しまれているようでなによりです……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "十二星座の衣装に加えて、この人の持つ美貌。\nそれでいて周囲に気づかせない辺り、やっぱり独自に気配を消しているとしか思えない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いやあ、実にいいな、ここの学園祭は。どのクラスにもそれなりにレベルの高い娘が居て、しかも可愛く着飾っていることが多い\n普段なら苦労してそんな服を着てもらうところなのに……今日に限っては、そんな労力が一切無しだ",
"speaker": "明葉"
},
{
"utterance": "な、なるほど……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "この人、本当に自分に正直に生きてる人なんだなあ。\nある意味では、彗とかに通じるのかもしれない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "子犬ちゃんや、子兎ちゃんのクラスもなかなか楽しめたぞ?",
"speaker": "明葉"
},
{
"utterance": "あ、もう行って来たんですか",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ああ、アレは子馬ちゃんも観ておいた方がいいと思うぞ?青少年の夢的な意味合いで",
"speaker": "明葉"
},
{
"utterance": "な、なんですかその気になり過ぎるキーワードは!?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "行く余裕も無さそうなのに、俄然気になってしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "発想の勝利だな。一年じゃ、まずトップだろうあれは\nまあ、実際に見てみるのが一番だろうから、内容は教えないがな",
"speaker": "明葉"
},
{
"utterance": "意地悪い笑みを浮かべる明葉さん。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "むぅ……次の休み、取れるのかな……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "もし取れるのなら、約束もあることだしぜひ行ってみよう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それで、明葉さんは次はどちらへ?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "決まってるだろう、子馬ちゃんのクラスへだ。そうでなければお前の後をついて来る意味もないしな",
"speaker": "明葉"
},
{
"utterance": "そうでしたか……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "子馬ちゃんの格好からして、だいたいの想像は付くが……実に楽しみじゃないか。麗しき美少女達が、どんな格好をしているのか",
"speaker": "明葉"
},
{
"utterance": "その笑顔には、明らかにエス的な意味が含まれていた。\nむしろもう「ドエス」と言ってもいいくらいの。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……歓迎しますよ。クラスの連中も喜んでくれると思いますし",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "空たちは別にしても、十二星座が来てくれること自体は普通に嬉しいことだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ほほう。それはサービスも期待できるってことかな?",
"speaker": "明葉"
},
{
"utterance": "それは僕に言われてましても……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "明葉さんが喜ぶのは女子からのサービスだけでしょうに。\nとは、さすがに口に出しては言えなかった。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"大地",
"明葉"
] | 01_StellarTheater | C04_27_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "うん、思ったよりも疲れはないかな?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "朝起きるのも大して辛くはなかったし、今こうしてベッドで横になっていても眠くなっては来ない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひょっとしたら筋肉痛が、とか思ったけど",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あるいは、ここ最近歩き回っていたのが大きかったのかもしれない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それなりに運動になるもんなぁ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ここ数日は茜祭のこともあって、調査の方もロクに進んではいない。\nただ、逆にそういった騒ぎがあったという報告も特になかったそうだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "事件がこっちのスケジュールに合わせてくれてる訳もないだろうけど……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ある意味ではありがたかったのかもしれない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あの、お兄ちゃん。起きてますか?",
"speaker": "皐月"
},
{
"utterance": "ん、どうしたの、皐月",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕は身体を起こして、入り口の皐月に顔を向ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そろそろ出かける時間なので……一応、声をかけておこうと思って",
"speaker": "皐月"
},
{
"utterance": "あ、そっか。クラスの友達と打ち上げ兼ねて遊びに行くんだっけ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "振り替え休日になっている今日は、そういう目的で使われることも多い。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ちゃんと夕飯の準備が出来るように帰ってくるつもりですから",
"speaker": "皐月"
},
{
"utterance": "ははっ、たまにはゆっくり遊んできてもいいのに\n夕飯だってべつに外で食べて来てもいいんだしね、僕とかも",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "それはダメですっ!お兄ちゃんのご飯を用意するのは、私の生き甲斐なんですから",
"speaker": "皐月"
},
{
"utterance": "相変わらず真剣な顔で答える皐月。\nお兄ちゃんは、そんなところが少し心配です。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まぁ、皐月がそう言ってくれるのは嬉しいけどね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "はい、それじゃあ行って来ますね。お兄ちゃんが出かける場合、戸締りの確認だけお願いします",
"speaker": "皐月"
},
{
"utterance": "ああ、了解。いってらっしゃい、皐月",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "笑顔のまま、皐月は部屋を出て行った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "さて……僕はどうしようかな",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "空は朝食の後、早々に出かけてしまっている。\n以前ほどには強く拒まれることはないものの、やはり調査は一人で進めたいらしい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "無理に合流しても嫌な顔されそうだしな……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "それならやっぱり、僕も一人で動くほうがいいかもしれない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あま姉か、アニキにでも……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そう自分で口にしただけで、頬が熱くなるのが分かる。\n昨日のダンスの後くらいからだろうか。\nあま姉のことを考えると、すぐにこんな感じになってしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……参ったな、こりゃ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "このままだと、まともにあま姉と話すのも難しくなってしまいそうだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これは、やっぱり……そういうことなのかなあ?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あま姉のことを考えると、胸が自然と高鳴っていく。\n思い浮かぶのは大体笑顔で僕を見ている姿だった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……少し意識しただけで、こうなるってことは",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "かなり前から、もうあま姉にやられていたのかもしれない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あま姉のこと、好きなのか僕は……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "姉としてのあま姉ではなく、女性としてのあま姉が。\nそう自覚するだけで、顔から火が出そうになるのだけれど。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……とりあえず、これはこれとして置いておこう",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "早急に結論の出せる話じゃない。\nというか、結論を出してしまうのが怖い。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "多分、僕は弟だろうからなあ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "それを思うと、少し悲しいと同時に、ちょっとだけ気持ちが落ち着くのが分かった。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"大地",
"皐月"
] | 01_StellarTheater | C04_29_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "ま、部屋でひとり悩んでたってしょうがないしね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "悪い方、悪い方へと考えて沈んでるくらいなら、動いていた方がよっぽどマシというものだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "玄関の鍵、確認と……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "皐月に言われたように、家の戸締りを全て確認する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あれ、またもや大くんだけお出かけ?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "えっ、あ、あま姉!?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "声に驚いて振り返ると、そこにきょとんとしたあま姉が居た。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お休みだし、様子見に来たんだけど……ひょっとして誰もいなかったり?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "う、うん。空はだいぶ前に一人で出かけてる。皐月は今日、クラスの友達たちと遊ぶんだってさっき……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "へぇ、さっちゃんも遊びで出てるんだ。ちょっと珍しいかも",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "茜祭の打ち上げも兼ねてるんだって。一年生としては、ずいぶんと盛り上がってたみたいだから",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そっかぁ、なるほどね\nで、大くんも遊びに行くと……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "いや、僕はまた事件の調査でもしようと思って……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕らのクラスの打ち上げは、結果が分かってから大々的にということで、まだ予定も立てられてはいない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あれ、そっちなんだ?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "意外そうな顔をするあま姉。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん。まぁ、週末が茜祭関連で忙しかった分、なにも出来なかったなあと思って……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ふーん……なんだかここ最近、ホントに真面目モードが続くなあ、大くん",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "そういうつもりでもないんだけど……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ま、そういうことなら一緒に行こっか。あたしもなにかあるかと思って、覗きに来た訳だもん",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "なるほど、ね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "実際、週末や休みの日の定番パターンでもあるけれど。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "空はまだしも、さっちゃんまでいないのは予想外だったかな",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "まあ、たまには僕ら以外とも遊ぶのもいいでしょ、皐月は",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "放っておくと、いつまでも家事優先しちゃう子だから。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まぁ、悪い虫が付いたりしない限りは、そうかもね",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "む……そういうのは、ちょっとまだ早いんじゃないかな?皐月には",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "兄として、そんな相手なんてまだまだ許せません。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふふっ、しっかり兄バカだよねぇ、大くんも",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉は、僕の様子を見て楽しそうに笑っていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うーん……やっぱりもう少し具体的じゃないと難しいかなぁ",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "二人でしばらく街中を回った後の駅前。大きく伸びをしながらあま姉が言った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "確かに、ね……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "今日は、僕たち以外にとっては平日の昼間ということもあってか人出も少ない。\n情報の集まり方もイマイチな感じだった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "似たような話が聞けるのはありがたいけど……結局、まぐれ当たりを待ってるのに変わりはないもんね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そうなのよねー。星座の人たち、もう少し捜査に役立つ力って持ってないのかしら",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "いるなら、多分一緒に来てる気がするもんね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "地道な捜査、と陽夏さんも言っていた以上、そういう能力に長けた人というのはおそらく居ないと考えた方がいいのだろう。\nむしろ、僕のホロスコープみたいな力が頼りなのかもしれない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "七星さんの力も、細かいことには向いてないみたいだもんね",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "聞きようによっては怒られてしまいそうな気がするけれど。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……でも、陽夏さんたちに話を聞いてみるのもいいかもしれないね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ん?なにかあったっけ?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉は首をかしげて僕を見る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "単純に新しい情報もあるかもしれないし、こないだの工事現場の事故の話とか、なにか分かってるかもしれないし",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ああ、そういえばなにか調べてるみたいなこと言ってたね",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "というわけで、移動しましょう",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ほいほーい",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "足取り軽く走り出すあま姉の背中を追いかけつつ、学園へと向かう。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"大地",
"天音"
] | 01_StellarTheater | C04_30_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "今日は現場は休みなのかな……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "幸いにして、工事現場は稼動しておらず、これなら立ち入っても文句は言われずに済みそうだった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、いきなり入ったりしたら通報されちゃうんじゃない?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "さすがに入り口の人には許可を貰うよ……天球議会の調査って言えば大丈夫でしょ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ああ、それもそっか……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "実際、嘘を吐いてる訳じゃないし。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大きな権力ってのは凄いよね……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "茜橋に十二星座が来ていることはすでに知られていることなので、学生証を見せた上で説明すれば、すぐに信用して貰えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まぁあの人、あたしたちのことを覚えていたみたいだし……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あ、そうか。事故の後の処理があったから、覚えてる人もいるのか",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "それなら、学生証を見せる必要もなかったかもしれない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それで、ホロスコープを使うつもりなんだと思うけど……どこで使うの?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "うん、事故の時の重機がこれで……",
"speaker": "大地"
}
] | [
"大地",
"天音"
] | 01_StellarTheater | C04_32_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "うん?アレは……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "急に駆け出したあま姉が、公園の中へと走っていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ちょ、ちょっと、あま姉!?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕も慌てて、その背中を追いかける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "むぅ……残念、違ったかー",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "はぁ……どうしたのさ、急に走り出したりして?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ん?ちょうどほら、そこに尻尾の白い黒猫がね",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "えっ?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あま姉の指差した方を見ると、確かにそこには尾の先が白い黒猫の姿が。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……違うね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ただ、残念なことにピンクのリボンも無ければ、顔つきも普通の猫だった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "違うわねえ、あの子は",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "いきなりだったから何事かと思ったよ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あはは、ゴメンゴメン。見つけたかなーって思ったら、もう走り出しちゃってて",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "余り悪びれた様子もなく、あま姉は苦笑する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あま姉……それだと、さっきの陽夏さんたちからの忠告を聞いてないことになっちゃうじゃないか……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "えっ?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "なにがあるか分からない以上細心の注意を払うように、って言われたのに、一人で突っ込んじゃったら意味ないんじゃないかな?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……大くん",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "僕に怒られるとは思っていなかったのか、あま姉は目を丸くして驚いている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……あま姉自身が言ってくれたように、僕だってあま姉の身になにかあったりするのは怖いんだから……\nいきなりな行動は控えて欲しいと……思うんだ、個人的に",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "言ってる内に、どんどんと気恥ずかしくなってくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん……ゴメン。大くんの言うとおりだ",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉も、しょんぼりと肩を落とす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、いや……そんなに強く言うつもりはなくて……\nその、分かってもらえれば、それで。うん",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そうだよね、今みたいな行動だって危険なことには変わりないんだもんね",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "うん。最低でも二人一緒に動かなくっちゃ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "アニキが一緒にいるなら、もっと心強いとは思うけど。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あぁ、でもそっか……大くんに一本取られちゃったかあ……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "ん?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "まさか、この前大くんを怒った内容を、そのまま自分で取っちゃってたなんてね\nお姉ちゃん失格ものかな、これは……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "なんだか、思った以上にショックを受けたようだった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……そんなことはないよ、あま姉",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "えっ?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉が、この前怒ってくれたから僕も自分の行動が、どんな風に相手を困らせるかってことを理解出来たんだもの\n少なくとも、お姉ちゃん失格だなんてことは……絶対にないよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "大くん……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "僕の方こそ、ちょっと生意気言い過ぎちゃったかなと思ったくらいだしね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ううん!それこそ、そんな……心配して、怒ってくれたことは、少し嬉しかったりもするし……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あたふたと慌てながらも、頬を染めるあま姉はなんだかとても可愛かった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "自分の行動がショックだったこともあるけど……大くんも、いつの間にか立派に男の子なんだなあ、ってちょっと思っちゃったし",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "そ、そう?そういう言われ方はかなり気恥ずかしいけど……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "うん、やっぱり大きい事件があると男の子は成長するんだね\nそんな姿が見れて、お姉ちゃんとしても嬉しい",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "……そっか",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "やっぱりまだ『お姉ちゃん』。\nあま姉は、僕を弟としてしか見てはくれないのだろうか。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ねぇ、あま姉……ひとつ聞いてみていい?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "このままじゃ、いつまで経ってもこの関係は変わらない。\nせめて一歩だけでも、前に進めてみたかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なにかな、大くん",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉にとって……僕は、どのくらい『弟』なのかな?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "えっ……?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "予想していなかったのだろう、本当に驚いた様子のあま姉。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "突然、こんなことを言うとあま姉も驚くだろうけど……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "それでも、今のまま生まれた気持ちを抑えておくことも出来なかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "僕は、ここ最近でひとつ気づいたことがあってね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "う、うん……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "いつ頃からかはわからないけど……僕は、あま姉のことが好きになってるんだ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あ、えーと。それは……お姉ちゃんとして……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "慌てた様子のあま姉から、少し予想していた返答。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ううん、そうじゃないよ、あま姉。肉親としてのじゃなくて、一人の女性として……\n僕は、あま姉のことが好きなんだ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そのことを、出来るだけ真剣な言葉で伝える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、大くん……?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉は、その言葉に今までにないくらいの驚きを見せる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "突然のことだし、まだまだ弟としてしか見てもらえないかもしれないけど……\n僕の気持ちだけは、正直に伝えておきたかったんだ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "自分でも、こんな急な形になるとは思わなかったけれど。\n言い始めてしまったら、もう止まることはなかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……それ、冗談じゃない、んだよね?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "分かってはいるだろうけれど、確認の言葉。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もちろん……冗談じゃ、こんなことは言えないよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……どうして、あたしなのかな?\nもっとふさわしい子は一杯いると思うんだけど……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "どうして、と言われても……きっかけは多分、あの事故なんだと思う。あの時、あま姉を守らなくっちゃって思って……\nそれからかな、色んなところで意識し始めたのは",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "もちろん、以前からの付き合いも含めて要因はもっとたくさんあるんだと思うけど。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それと、ふさわしい子って言われても困るかな。僕にとって好きだと思えたのがあま姉だったから……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "他の誰かを引き合いに出されても、ちょっと困ってしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……大くん、思ったよりも情熱的だなぁ",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "気恥ずかしげに笑うあま姉。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そう、かな?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "突然の告白もそうだけど……そんな風に言われて嬉しくない女の子なんていないと思うよ、あたしは\n……そっか、大くんはこんなあたしを選んでくれるのか……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "うん。僕はあま姉がいい",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ふふっ、そこでそう言えちゃうのはあたしの教育なのか。それとも誰かの影響なのか……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "ひとしきり笑った後で、顔を真っ赤にしたあま姉が言った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん、確かに大くんの言うように……あたしは大くんのことをいきなり『弟』じゃない男の子、として意識するのは無理かもしれないけど……\nそれでも、許してくれる?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "まさか、肯定的な返事をすぐに貰えると思っていなかった分、今度は僕の方が驚かされる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これって、すごくズルいこと言ってると思うんだけどね",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "い、いや……突然驚かせちゃったのは僕の方だし……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "むしろ今は僕だって慌てている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん、僕は今のあま姉との距離を変えられるなら……それだけでも嬉しい",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "それは、今の僕の正直な気持ち。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ありがとう、大くん。それならあたしも、大くんの気持ちを受け入れられるようにしてみる、ね",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "そう言って、あま姉は僕を背中から抱きしめる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あま姉?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ダメよ、大くん。今はこっち見ないで……多分、もの凄く顔が真っ赤になっちゃってるんだから……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "……うん",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "顔が真っ赤になってるのは、多分僕も同じなんだけど……。\nそのまましばらくは、背中のあま姉から伝わる体温を感じることに集中する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もう、まさか大くんに告白されるだなんて思ってもみなかったわよ……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "はは……びっくりさせちゃって、ごめんなさい",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ううん。驚いたのは本当だけど……嬉しいって思ったのも本当だから\nやっぱり、いきなり恋人みたいには無理だろうけど……そう思ったってことだけはちゃんと伝えておくからね?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "ありがとう、あま姉。その言葉だけでも……今の僕には充分だよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "下手をすれば、そのまま関係がギクシャクしてしまったかもしれないのに。\n突然の告白を受け入れてくれた。\n本当に、それだけでも充分過ぎるくらいに嬉しかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "よし、それじゃ行きましょうか!",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "パン、と背中を叩いたあま姉が僕の身体から離れる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もう大丈夫?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "うん、広い背中をありがとう、大くん",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "そう言って笑うあま姉は、もう普段のペースを取り戻しているようだった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、今日も家には寄っていく?それなら皐月に電話しておくけど……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "んー、残念だけど今日は止めておこうかな",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "え?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ちょっと意外な返答。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "さっきの告白のこともあるしね。いきなり思い出して顔真っ赤にしたりすると、ちょっと恥ずかしいから……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あ、なるほど……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "それは確かに考えていなかった。\n僕も、空や皐月の前で思い出すのは恥ずかしいな、間違いなく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "了解。それじゃそこまで一緒に行こう、あま姉",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "うん、大くん",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "差し出した手を、あま姉が握り返してくれる。\nこれだけのことでも、確かな一歩だと言えると思えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……まさか、大くんから告白かぁ……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "慌てつつも真剣な様子は、間違いなく本気だった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "本当に、なんであたしなのかな……?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "普通に考えて、大くんが選ぶべき相手は他にいると思うけど。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "嬉しかったのは本当なんだけどね\n……ね、大地。お姉ちゃん、喜んでいいと思う?",
"speaker": "天音"
}
] | [
"大地",
"天音"
] | 01_StellarTheater | C04_38_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "うーん……この辺だと、やっぱり目撃情報も少ない感じだねー",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "ため息ひとつ吐いて、あま姉は肩を落とす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まぁ、野良猫じゃないっぽい見た目だし……だからこそ、区別はつけ易いんだけど",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "それこそ、ただの黒猫という条件だったら、捌ききれない情報が集まってしまうだろうから。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ちょっと場所を変えてみよっか?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "うん、そうしようか",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あま姉の提案に、素直に頷いて移動する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こっちなら、普通に猫ちゃんが居てもよさそうだけど……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "野良猫はたまにいるもんね、こっちは",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "犬を散歩させている人が圧倒的に多いけど。\nそこは犬と猫の差なんだから仕方が無い。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うーん、こういう時に動物の言葉でも理解できるアイテムがあればねえ",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "……そんなとんでもアイテムがあったら苦労しないんじゃないかな",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あま姉が、突拍子もないことを言い出す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そうかな?それを言ったら大くんのホロスコープだって、充分にとんでもアイテムだと思うんだけど",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "まぁ、それは……確かにそうだね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "陽夏さんや、白鳥さんたちの力だってそういう類だよね?\nだから、ひょっとしたらそういう力に目覚めた人もいるんじゃないかなあって",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "なるほど……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "それはちょっと考えたことがなかった。\nそう言われてみれば、あるいは居てもおかしくないのかもしれない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ん?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "そういう力を持った人がいたとしても、多分呼んだりはしないんじゃないかな?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そうかな?居てくれれば、今よりもずっと情報を集めやすそうだけど",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "うん、それは間違いないと思うけどね。ただ、これって空たちを相手にしてる試験な訳だし",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "おそらく、そういう要因が入ることを陽夏さんは嫌うだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、そっか!これが試験だっていう大前提を忘れてたわ",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "ぽん、と手を合わせて頷くあま姉。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "僕自身、そこはちょっと忘れがちになっちゃうんだけどさ\nだから……あるいは星亜や輝夜がそういう力に目覚めるなら、問題はないんじゃないかな?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "星座の力というものが、どんな条件で目覚めるのかなんてことは僕たちには知りようもないことだけれど。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そだねぇ……うーん、やっぱり楽をしようと思っちゃいけないってことかしらん",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "楽をする、ってことでもないとは……あれ?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ん?どったの、大くん",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "いや、今水滴が……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "来たか、と思いつつ空を見上げると顔にも少しずつ雨粒が当たり始めていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ありゃ、降り始めちゃったかー",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "今日はここまでだね。今なら家まで走れば、本降りになる前に帰れそうだし……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "よし、それじゃ大くんの家までダッシュ、ダッシュー!",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "了解、あま姉",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "手を繋いだ僕たちは、濡れ始めた地面を気にしながら帰路を急ぐのだった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふぅ……結構、ギリギリなところだったね、あま姉",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ちょっとでものんびりしてたら、ずぶ濡れになるところだったかな?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "玄関に飛び込む直前、というタイミングで本降りになってくれたおかげで、少しだけど全身が濡れてしまっていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はい、タオル",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ありがと、大くん♪\n3分もずれてたら、お風呂借りなきゃいけないところだったかもねぇ",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "タオルで髪を拭きつつ、あま姉がポツリと漏らす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えっ……お風呂、ですか?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "空やさっちゃんはまだみたいだし、沸かしておいてあげた方がいいんじゃない?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "……うん、そだね。了解",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "残念ながら、本人には魅惑的なキーワードを口にした自覚はなかったみたいです。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "準備してくるから、適当に休んでて",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ほーい",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "まだ戻ってこないところを見ると……雨宿りでもしてるのかな?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "連絡も特に無いし、困ってることもないだろうけど。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "しばらくすれば帰ってくるでしょ……ところで大くん?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "なに、あま姉",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "久しぶりに、格闘ゲームで対戦しない?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "と、確認しつつもテレビの前にはすでに準備が終わっている。\nやる気満々ですね、お姉ちゃん。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いいんだけど……あま姉、強いからなあ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "こう見えて、あま姉はどんなジャンルのゲームも得意だったりする。\n中でも格闘ゲームに関しては、僕やアニキでもなかなか勝てないくらいなのだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そこはほら、手加減してあげてもいいんだけど?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "不敵に笑うあま姉。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふふっ、持ち主である僕がいつまでも弱いままだと思ってるのかな、あま姉は",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "コンピューターや、皐月相手に鍛えた腕を見せてやるぜ!",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "さ、それじゃあ成長した腕前ってのを見せてもらいましょうか?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "……せっかくだしなにか賭けない?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あら、本当に自信があるみたいね、大くん。あたしは良いわよ?負けるつもりもないし",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "むぅ……なんて余裕の態度だ……それじゃ、負けた方はひとつ言うことを聞くっていういつものアレで",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "了解……ふふっ、そんな賭けしちゃっていいのかしら",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "勝負!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ここ最近やりこんでいるキャラを選らんで、速攻の勝負をかける!",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "よし!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "開幕のスタートダッシュから、一気に連続技を決めて主導権を握る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あら、なかなか面白いことを……してくれるわね、っと",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "そのまま畳みかけようとしたところを、あま姉からの反撃で止められてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くそっ、さすがにそのまま押させてはくれないか",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ふふーん、まだまだ甘いよ、大くん",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "うぅ、やっぱり強い",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ほらほら、油断してるとすぐに押し切っちゃうよ~♪",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "おおっと……!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "さすがにこのまま負けるのは、持ち主としての沽券に関わってしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えぇい",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あっ、そこでそう来るか、このぉ!",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "くそっ、それで返すのかよ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "マズイ、このままじゃ確実に負けてしまう。\nこうなったら、奥の手を使うしかないか。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うーん、やっぱりあま姉は強いなあ……このままじゃ本当に負けそうだよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "えっ、そ、そうかなぁ?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "うーん、すこーしくらいは手加減して欲しいところなんだけどなあ、僕的に",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "うぅ……大くんに、そういう風に言われちゃうとなぁ……\nでも、これも勝負だし……とはいえ、可愛い弟の頼み、か",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "よしっ、今がチャンス!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "はっ!?\nここで甘えを聞いちゃダメなんだった!",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "えっ?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そのままあま姉が一気に必殺のコンボを決めてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いえーい!勝利っ!!",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "ぐわ……容赦ねえ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "さーってと、なにを聞いてもらおうっかなー",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "うぅ、やっぱり勝てなかったか……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "少し前までなら、あそこで手加減してあげても良かったけどねー",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "えっ?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "今は、可能な限り弟として見ないようにしてるんだから、そういう甘えはナシなんだよ、大くん",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉が、にっこりと笑って言った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う……それを言われてしまうと、なにも言えません……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "まぁ、なにを聞いて貰うかは追々考えるとして……もうしばらく続けましょ、対戦",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "うん、このまま負けっぱなしじゃ悔しいしね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あま姉の台詞を嬉しく思いつつ、しばらくこのまま二人の時間が続くことを祈ることにした。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"大地",
"天音"
] | 01_StellarTheater | C05_02_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "それとなく……ってことは、あんまり探してますよーって感じで動かないってことだよねえ?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "まぁ、あんまり不自然にキョロキョロしてるのは、あんまり良くないんじゃないかな?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "それが、結構……意識してみると難しいというか……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "どうにも、不自然に身体が動いてしまう気がする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大くんの場合は、意識し過ぎなんじゃない?\n普通に遊んでるつもりで、でも視界の端に黒猫が映ったら逃さない!くらいでないと",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "そう言って笑うあま姉は、たしかに自然な感じだった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "意識のし過ぎね……うーん",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ほら、そうやって考え込むから、変になっちゃうんだってば",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "な、なるほど……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "こうやって頭で考えているウチは無理なのかもしれない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まぁ、今はただ一緒に街中をデートしてるくらいの感覚でいいんじゃない?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "えっ?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "黒猫さんだって、いきなり警戒を解いて出てきたりもしないだろうからね",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "そう言って、あま姉は屈託無く笑う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ま、まぁ……そうかもだけど",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ね?この試験のおかげで、全然恋人同士っぽいことも出来てないんだしさ",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "そっか、それもそうだね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕も、気持ちを切り替えてあま姉とのこの時間を楽しむことにする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃ、ショッピングモールの方にも行ってみようか、あま姉",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "うん、いいんじゃないかな",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "笑顔のあま姉の手を取ると、なんだかそれだけで足取りも軽くなる気分だった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そういえば、前にここに来た時は星亜や輝夜に『デート?』って言われたんだっけ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あぁ、そうだったねー",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あの時はまだ、告白してなかったから本当にデートじゃなかったけど……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "今日なら、デートだよって言い返せるのかな?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "うっすらと頬を染めているあま姉。\nその仕草は、なんとも言えずに可愛らしい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そうだね、聞かれたら……ちゃんと言い返せると思うよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "誰に恥じることでもないのだから。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふふっ、嬉しいこと言ってくれるなぁ、大くんは",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "これもあま姉の教育の賜物です",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "うんうん、こうしてその成果を確認出来てお姉ちゃんは嬉しい限りです\nお、今日はなんだか良い感じの服が多いわね~",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "ちょうど入れ替えだったりしたのかな?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "んー……これなんかどうかな?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "個人的には……こっちの方が似合う気がするかなぁ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そう?でも、これだと今持ってるのと似通っちゃうのよね",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あ、そっか。ただ似合ってれば良いって訳でもないのか……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "大くんの意見を色々と聞くのも面白いけど",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "それじゃ、少し選んでみる?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "大くんのセンスに期待してみましょう",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "うぅ、プレッシャーが……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "笑顔のあま姉にアドバイスを受けつつ、いくつかの服を吟味していく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、よし、と……。もう目を開けていいわよ、大くん",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "はーい",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ど、どうかな?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "おお……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "目を開けると、そこにはいつもよりも少し派手めな衣装に身を包んだあま姉の姿。\nちょっと恥ずかしそうにしているのが、またその可愛さを強調している感じだった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うーん……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "はっきり言って、思わず見入ってしまうくらい似合っている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ちょ、ちょっと大くん。唸ってないで感想を言いなさいってば",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "っと、ごめん。うん、すごく似合ってると思う\n言葉に詰まって感想が出てこなくなるくらいに、ね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ホント?良かったー",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "僕の言葉に、あま姉が嬉しそうに微笑む。\nそれだけでまた華やいだように見える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いつもよりもちょっと冒険してるから、その辺の評価が気になるところだったのよね",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "いつもと違うところが、また凄く良い感じだと思うよ。僕的に",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "リボンの印象ひとつでも、ずい分と変わるんだと思い知らされる。\nなるほど、今までの僕は確かにお洒落なんかには無頓着だったかもしれない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そっか、大くん的にも気に入ってくれたのね",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "うん、ばっちり",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そうかー、ここはちょっと悩みどころかも……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "ん?どしたの、あま姉",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あ、とりあえず着替えるから待っててね",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "う、うん",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そう言ってカーテンを引くあま姉。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ほい、お待たせ、大くん",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "おかえり、あま姉\nところでどしたの、悩みどころって?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕の問いに、苦笑するあま姉。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん、大したことじゃないのよ。今月はもうお小遣いも残り少ないってだけで",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あ、なるほどね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "確かに日付的にも、ほとんど残ってない時期だった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "一応、貯えはあるんだけど……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "……その服、僕がプレゼントするよ。あま姉",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "えっ?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "初デートで、初めて僕があま姉の服を選んだ記念だしね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "で、でもでも、そんなに安い訳でもないよ、これ",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "僕の提案に、あたふたと慌てた様子のあま姉。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大丈夫。それでいきなり空っぽになる財布って訳じゃないし\n……なにより、僕がそうしたいって思ったんだからさ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "思っていたことを素直に口にする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大くん……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "先ほどと同じくらいに、嬉しそうな顔で微笑む。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん、それなら……お言葉に甘えちゃおうかな",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "お任せ、あま姉",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あま姉の抱えた服を受け取って、僕はレジへと向かう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んー、ありがとう、大くん",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "嬉しそうに服の入った袋を抱えるあま姉。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いえいえ、どういたしまして……あま姉が喜んでくれるなら、僕も嬉しいしね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……うわ、今ちょっとドキッとしちゃったかも……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "え?そうかな……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そんな特別なことを言ったつもりもなかったけど。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うーん、大くんてばホントに天然でこういうことを言う怖い子だったのね……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "大丈夫だって、その対象はあくまであま姉だけなんだし",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "う……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "僕の言葉に、さらに顔を赤くしてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふふっ、これはあたしの方こそしっかりしなくっちゃだね",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "ん?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "さっ、次はどこに行こうか?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "そだね……今度は駅前から少し歩いてみようか、川沿いの公園辺りまで",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "うん、了解",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "そう言って、あま姉は自分の腕を僕に絡めて来る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あれ?あま姉",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "この服のお礼にね。手を繋ぐよりも、一歩前にってことで……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "う、うん",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "絡めた腕に、寄り添うようにするあま姉を感じながら、僕たちは歩き出す。\n本当に、やっと一歩前進出来た気分だった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んー……結局、見つからずじまいだねぇ",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "まぁ、方針変えていきなり見つかるってのも、虫の良い話かもだし",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "結局、あのまま二人で街中を歩いたり、ウィンドウショッピングをしたり、喫茶店に立ち寄ってみたりと半分はデートコースな感じで行動。\nもちろん、それだけに気を取られることのないよう、周囲にも注意はしてみたのだけれど。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まぁ、でもだいぶ自然に周囲を探せるようになってたかな、大くんも",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "ははっ、それが今日の収穫かもしれないね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "これは、明日以降の捜索にも役に立つだろうから。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "さて……もうすぐ陽も落ちそうだし、今日は帰ろっか?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "うん。今日はこれ以上続けてると、逆に不自然になっちゃうかもだしね",
"speaker": "天音"
}
] | [
"大地",
"天音"
] | 01_StellarTheater | C05_05_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "あれ……?まだ誰も帰ってきてないみたいだね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "向こうは向こうで、捜索が長引いてるのかしら?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "家に戻っても、まだ皐月や空の姿は無かった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それならそれで、連絡くらいはして来そうだけどな……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "まぁ、銀一郎が一緒だし、向こうも自然と遊んでるように見せてるかもねー",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あぁ、それはありそうかも",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "それにアニキが一緒なら、安全性の意味でも心配は要らないだろうし。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "またゲームでもして、遊んでようか?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "んー、それもいいけど、たまには大くんの部屋に行きたいかな?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "えっ?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "朝、起こしに行った時くらいしか、入る機会がないんだもん。ダメ?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "上目遣いで、僕を見上げてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いや、べつに断る理由もないけどね……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "見られて困るモノが、分かりやすいところに置いてあるわけじゃないし。\n当然、皐月対策としてその辺りは万全だったりする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "よーし、さすがは大くん。それじゃ、早速れっつごー!",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "りょーかい、あま姉",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あま姉に押されるままに、僕の部屋へと向かう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふーん、夜になって入るなんてずい分と久しぶりかも……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "そうだったっけ?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "部屋の中をキョロキョロと見回しているあま姉は、どこか楽しそうだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いつもはリビングで遊んでるくらいだもん。茜橋に入ってからは、朝以外で来たことなかったんじゃないかな?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "なるほど……まぁ、それを言ったら僕だってあま姉の部屋には、もうずい分と遊びに行った覚えがないけど",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "それこそ、何年もと言えるくらいの時間で。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あぁ、そういえばそだね。いつの間にか、大くんの家に集まるのが習慣になってるし",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "アニキのところには、たまに顔は出してるけど……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "それも、ここ最近の話じゃない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "銀一郎の部屋に比べると……大くんの部屋は綺麗だよねえ",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "そこは、まぁ……ウチには皐月がいるから",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "自分の好きなものを好きなように揃えているアニキと、皐月が常に掃除を欠かさない部屋とを比べてしまうのは、少々可哀想だと思う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あんまり物も増やしてないからね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ここ最近で増やしているのは、パソコン関係や周辺機器くらいだろうし。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "パソコンか……ここにはなにか禁断のデータがあったりして?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "さて……それはどうでしょうか",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "まぁ、大くんも男の子だもんね。多少は持ってても、お姉ちゃんは驚かないけど……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "ノーコメント、かな?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "もちろん、すぐに分かるようなところには置いていないけど。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふふっ。まぁ、大くんが健全な男の子であることは疑いようもないもんね",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "久しぶりに、お姉ちゃん的な余裕の表情であま姉が笑う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、またお姉ちゃんモードになってるよ、あま姉",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "えっ、あ、そっか……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "少し慌てた様子で、自分の頬に触れるあま姉。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うーん……やっぱりちょっとした荒療治でもしないと治らないかなあ?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "荒療治?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "大くんが色々と頑張ってくれてるのに、どうもあたしの方が抜け切らないから……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "そう言って、あま姉が不意に僕の顔を覗き込む。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……あ、ま姉?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ねぇ、キス……してみよっか?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "えっ……?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "その言葉に、心拍数が急上昇するのが分かる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……そういう気持ちにはならない?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "まさか……そんなわけ、ないよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "それなら……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "そのままゆっくりとあま姉の顔が近づいて来る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "ただ、唇を重ね合わせるだけのキス。\nそれだけのことなのに、身体中が熱くなる気分だった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ん……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "柔らかな唇の感触と、近づいたあま姉からほのかに香る芳香。\nなんだか、頭が蕩けそうになるような感覚が走る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うふふっ、ちょっと強引だけど……ファーストキス、だよね。多分",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "うっすらと涙を浮かべて、微笑むあま姉。\nその恥ずかしさを堪えている姿が、また愛おしさを増している。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、うん。こんな経験ある訳ないよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "良かった。あたしのファーストキスが、大くんのファーストキスで……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "少しか細いその声だけで、なんだか堪らない気分になってしまいそうだった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "僕も……あま姉とキス出来たのが、凄く嬉しい",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そのまま、僕は少し抱き寄せる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ねぇ、大くん……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "うん?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "大くんは、本当にあたしのことを好きになってくれたんだよね?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "切なげな目が、僕を見据える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もちろん、嘘なんて言ってないよ。僕は",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "それなら……あたしも、大くんの『お姉ちゃん』を少しは卒業しないと、だよね",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "えっ?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そう言ってあま姉は、上着を脱ぎ捨ててから僕の腕を引っ張った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あっ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "バランスを崩した僕は、そのままベッドの上へと倒れ込んでしまった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ったた……だ、大丈夫?あま姉",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "う、うん……ゴメンね。引っ張ったりしちゃって……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "恥ずかしそうに頬を染めるあま姉の顔が、目の前にある。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "で、でもあま姉……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕だって、バカじゃない。そういう知識がないわけでもない。\n今、この状況であま姉がどう考えて行動したのかは凄く分かる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こんなことでもしないと、あたし自分を変えられないと思うから……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕のベッドの上にあま姉がいる。\n今も僕の胸を高鳴らせるこの人は、恥ずかしさからか、どこかぎこちなく目を逸らしていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……本当に、いいの?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "良くなかったらあたしは、ここにこうしてないと思う",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "うん……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "言葉の通りだった。\n今、この状況になったのはあま姉なりの考えなのだから。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……大くん、すごく真面目な顔しちゃってるね。ほとんど別人みたい",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "真面目って言うか……緊張なんだけどな、これでも",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "こうしていることに、どこか現実感が伴わないせいもあるのだろうか。\nなかなか上手く笑顔を作ることが出来ない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そんな顔、させちゃってるなら謝らないとダメかな?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "そんなことないよ、あま姉\n驚きはしてるけど……僕は、今、凄く嬉しいと思ってるんだから",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "激しく高鳴る動悸は、間違いなく伝わっていることだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……そう?それなら、行動して見せて欲しいかも",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "ほんの少しだけ動けない時間が、僕たちの上を流れていく。\n勇気を振り絞って、僕は、あま姉に、そっと身体をかぶせ、薄く開いた唇にキスをした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ん……ちゅっ、ちゅ……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "甘くて柔らかな唇。心の奥底から、この人に対する愛おしさが沸いてくる。\n触ってもいいんだろうか。僕は、この人に触れたくて仕方がない。\nとても好きな人だから。その人が、僕の匂いのするベッドに横たわっている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ……ふ、んくっ……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "優しく膨らんでひっそり息づいている、あま姉の胸にそっと手をかぶせる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "柔らかいね、あま姉",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あっ、大くん……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "甘い囁き。まるで夢のようなに感じてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これが、あま姉の……嬉しいよ。なんだか凄く嬉しい",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "んっ、そこは、あっ、ふぅっ……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "ベストとブラウスと、ブラの生地の下に、小さく何かが尖っている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "痛くはない?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "平気、んっ、ふぁあ……あっ、あん",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "唇から漏れる、密やかな声。時々首筋が反り、くすぐったそうに微笑む。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……脱がしても、いい?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "うん……大くんがそうしたいなら、いいよ",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "差し伸べる手が震えた。\nその上に、あま姉の手が添って、一つずつとボタンを外していく。\n胸元のリボンを解き、背を支えながらブラウスも解放する。\nなめらかな白い肌。ほっそりとして綺麗な、そのシルエット。\nとてもとても大事な人が、僕に全てをさらけ出そうとしていた。\n僕自身、凄く緊張しているのが分かる。\nこれだけ胸が痛くなるほど好きな人が、全てを許そうとしてくれているのだから。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あんまり、じろじろ見られると……さすがに恥ずかしいよ",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "柔らかく目を閉じたあま姉が、戸惑ったように告げる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ごめん",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "謝らないで……怒ってる訳じゃないから",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "……やっぱり怖い?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "頭の上に投げ出した指先が、軽くぴくんと動いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "怖いなんて……思ってないよ\n相手は、大くんなんだから",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "少し、照れた声だった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……脱がしていいよ。あたしだって、もう覚悟はできてるから",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "僕はその決意に、従うことにする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん、あま姉",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "こういう時素直だよね、大くんは\nあ……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "ブラが胸の膨らみの形を残したまま、外れた。\nふるん、とプリンのように、解放された膨らみが揺れる。\nその瞬間、あま姉が甘い溜息を吐く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ちょっと、恥ずかしいかな……やっぱり",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉の、本当に綺麗な形の胸。うっすらと頬は紅潮して、でも体はどこも小さくて柔らかくて……。\nふわっと光を吸い込むような肌合いの胸。その先端で、ピンク色の乳首が、優しくいきづいている。\nスカートを脱いで、布一枚になってしまったあま姉の姿は、夢の中でさえ見たことのない美しさだった。\nだけど……。\nあま姉のお腹には、僕の知らない傷があった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "…………",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "どうしたの、大くん?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "言葉を失っていた僕を、あま姉が不安そうに見上げていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ねえ、この傷って……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "子供の頃から、ずっと一緒で……だけど、あま姉がこんな怪我をした記憶は、一切なかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あっ、えっ、こ、これは……見たの!?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "見たっていうか、見えたっていうか……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "今更ながらに慌てているあま姉。\n痛ましい傷跡は、もうずっと以前のモノであることしか僕には分からない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これは、その……あんまり見ないでくれたら嬉しいんだけど",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "……病気、じゃないよね?いつ、こんな怪我を……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……うん、もうずっと昔の傷\n大くんと、出会うよりも……もっと前の傷だから",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "そうだったんだ……\nごめん、女の人に、傷のことなんて聞いちゃって",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ううん、あたしもずっと黙ってたから……驚かせちゃったよね",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉が、慌てる僕に優しく微笑む。\nとても不思議な、寂しげでもあり、嬉しげでもある、そんな儚さで。\n寂しそうでいて、でも力に満ちている笑顔。\nそこには、僕の知らなかったあま姉がいるようだった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やっぱり目立つ……かな?隠した方がいい?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "ううん、そんなことはないよ。このままで気にすることなんてない\nただ、ちょっとビックリして……心配になっただけだから",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そっと手を差し伸べて、あま姉のお腹の、意外と大きな傷跡に触れる。\n肉が引きつれたりはしていない。ただ、一つながりの肌が少し色を濃くしているような感じ。\nただ、これがいつできたのか、何故そうなったのか……それだけは酷く気になったけれど。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あんっ、くすぐったいよ……心配いらないわ。この傷はもう、ずっと昔の傷なんだから……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "うん……でも、やっぱり気にはなっちゃうかな",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "優しいね、大くん。でも、今はこの傷のことは忘れて?\nこんなところで止まっちゃったら、同じ覚悟が出来る日がいつになるか分からないよ",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "うん……分かったよ、あま姉",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "今はもう、ただそのあま姉の言葉に従う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "来て、大くん……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "僕の手が、あま姉の下着のゴムに掛かる。\nあま姉の微笑みも、今は影を潜めている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "指でずらしていく。あま姉は不安そうに眉を寄せ、だけど僕の行為を受け入れてくれる。\n思っていたよりするすると、コットンの下着は滑り落ちていく。布の内側が微かに湿っていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お尻、あげて",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "不安げなあま姉の唇から、その刹那、溜息が漏れた。でも、僕の願い通りにしてくれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "綺麗だよ、あま姉",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "嘘……そんなとこが、綺麗な訳ないもん",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉の女の子の部分。\nうっすらとした陰りに覆われた秘所は、内側から綻びて、きらきらと濡れていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "嘘なんて吐いてどうするの……いくら僕でも、こんな時までからかったりしないよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "事実、僕は溜息を押し殺せずにいる。\nあま姉は、こんなところまで綺麗だ。溜息が出てしまいそうなほどに。\n思わず、そこにまで手を伸ばしてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そんなとこ、綺麗って言われるなんて思わなかったから……んんぅうっ、あっ",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "ふわふわと柔らかな毛を指に絡め、優しく触れる。\nその下の暖かな割れ目は、壊れ物に触れるような僕の指を、優しく、濡れた感触で受け入れてくれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あんっ……んっ、んく",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "少し気まずそうに逸らした目線。押し殺した控えめな声。まるで顔に出すまいとしているかのよう。\n裏腹に、あま姉のそこだけが反応して、僕の指に熱い滴をこぼしてくれる。\n感じてくれている……その現実が、一瞬萎えかけた僕の股間を痛いほどに張り詰めさせる。\n優しくて、少し照れ屋で、僕のことをいつまでも弟扱いするこの人と……早くひとつになりたいと、そう思ってしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ね……大くん?我慢、しなくていいよ",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "秘めた息の間から、か細い声であま姉が囁いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "我慢、って、なに?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "尋ね返した。あま姉が言ってるかなんて、当然わかっているのに。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もう、そんなに大きくなってる。あたしと、一つになりたいんだよね?なら、いいよ、大くん",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉……!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "片膝を立てて、あま姉は大事な場所を僕の眼前に晒す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ほら、あたしも……もう、こんなになっちゃってる",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "自分で開いてくれたあま姉の、綻んだピンク色の蕾。\n僕は、そこに視線を惑わせてしまう。\n見てはいけない、昔から知っている大事な人の、大切に隠されていたところなのに、こんな風に見ていい訳はないのに。\nだけど、それは僕がこうしてずっと見たかったところ。\nこの不安そうな眼差しも、揺れる気持ちを抑えている指先も、全部が僕を受け入れようとしてくれていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……大くん、そこでずっと固まられちゃうと……その、ね?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "う、うん。ごめん……ちょっと見蕩れちゃってた",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "今はもう、思うことを素直に告げるしか出来ない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あたしも大くんと一つになって、幸せを感じてみたい……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉も、精一杯の頑張りで僕をリードしてくれようとしていた。\nその気持ちが痛いほどに伝わってくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん、ありがとう。あま姉",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "大くん、あたしと……ひとつになろう?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "勇気を振り絞って、あま姉が呼んでくれる。\nそれなら、僕もちゃんと応えなくては。自分からも望んで、やり遂げなくては。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん、いくよ、あま姉",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "心臓が高鳴る。その音を自分の耳が聞き取ってしまうほどに。\nそれらを堪えながら、ベッドをきしませてあま姉の上に覆い被さる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あはっ、凄く大っきくなっちゃってるね……これ、本当に入るのかな?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "……うん、僕もちょっと驚いてるんだけど",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "自分でもまさか、こんなになるなんて思わなかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、大くん……痛くても、我慢するから\nあたしの大くんのためだもん……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "僕のあま姉。これから、僕『だけ』のあま姉になる。\nそうすれば、僕も『あま姉だけの僕』になれるのだろうか。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "痛かったら、ちゃんと言ってね?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "優しく当てがい、あま姉の優しい粘膜の中に、それを押し込んでいった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "く……あ、あっ",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "まだ軽く触れている程度なのに、あま姉の喉からは苦痛の声が上がる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きつくて……入らない……力、抜ける?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "息を詰めて、僕はそれだけをあま姉に望んでいる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ、それはちょっと無理、かも……くっ、頑張ってみるから、早く、んくぅうっ",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "……痛い?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そんなことは聞くまでもない。\nあま姉は首を横に振るけれど、きつく寄った眉が健気な仕草を裏切っていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大丈夫だから、入って、きてっ……あくぅっ、んっ、い、いっ",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉が何かを言う度に、その喉の奥から苦しみの声が漏れた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大くん、気にしないで、もっと……早く、入ってきてっ、痛くなんてないから",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "……ごめんね、あま姉、辛くさせちゃって……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "平気だから、んんっ、可愛い大くんのためだもん……頑張っちゃうんだからっ……!",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉の、その言葉の後、秘所はゆっくりと開き、僕を受け入れ始める。\nみしみしと軋む感触。異物の進入を拒もうとしているようなきつさ。\nなのに、少しだけ開いたあま姉の中は、熱く柔らかくとろけている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……苦しそうだよ、あま姉?痛かったら、やめようか",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "いっ……いた、いたっ……くない、痛くなんてないもん\n早くっ、あたしと、一つになって……!",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あ、あっ……ごめん、あま姉、もうっ、少しだけ我慢して……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あま姉の全身をかき抱く。柔らかく、熱く、あま姉の香りがする、柔らかな髪に顔を埋めた。\n同時に、逃げようとするあま姉の腰を、しっかり両手で引き寄せていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふぁ、あ、ああぁ……ああ、あぅっ!",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉が喉を震わせて叫んだ刹那、何かを突き破ったような感触を覚えたのは、僕の気のせいなのか。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あま……ねえっ……!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "みしみしと軋みながら、あま姉のそこは、僕のものを受け入れていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くぁ……あぁっ……あたしの中、入って……っ!",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あと少しだから、あま姉、ごめん……!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "痛みにひきつるあま姉の唇にキスをして、そっと、奥まで体を沈めた。\nぬるり、と、熱くてきついところに呑み込まれた感触があった。\nあま姉の中にいる。そこは、とてもきつくて、濡れていて、気持ちがいい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふあ……あ……ああっ……入ってきてる、大くんが、入ってる……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "そうだよ、あま姉、今、あま姉の中にいるよ。痛くない?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "涙の滲む顔で、首を横に振ってくれる。\nそんな訳はないと、はっきりとわかっている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大くんのいるところが、ずきずきして、心臓みたい",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "やっぱり、痛いんだ、動かずにいるよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "大丈夫、これくらいなら……っくっ、我慢、できないこともないし\n大くんのためなら、頑張るって、さっきも言ったでしょ",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "そんなことを言われても、僕にはあま姉を傷つけ続けることなんてできない。\n痛がるあま姉を抱きしめて、ただこのまま、じっとしていてもいい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……でも、こういう優しい大くんも……好き……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "僕を受け入れたあま姉のそこが、きゅん、と一瞬微かに震えた。\nそれは僕の腰から首の後ろを通って脳へ、そこから全身をぞくっと震わせる、すさまじいまでの快感になった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "く……そんなの、気持ちよすぎるよ、あま姉",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あたし、別になんにもしてないの、んっ、あたしは、別に、してないから",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "そうかも知れないけど、これは。\n女の子の中って、こんなにも暖かくて、濡れてて、みっちりときつくて、胸が震えるほど幸せなものなのか。\nなら、少しでもこの中に長くいたい。あま姉と、一つになっていたい。\n熱いあま姉の中で動きを止め、何分かそうしていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大くん、もう、動いていいよ",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "少し苦痛のゆるんだ顔に、優しい微笑みを浮かべ、あま姉は僕の背に手を添えた。\n抱きしめられている。心も体も。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あま姉が痛そうだから",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "大くんに、気持ちよくなって欲しい。だから、いいよ",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "そんなことをしてしまって……いいんだろうか。今でさえ充分に気持ちいいのに。\n逡巡する僕に、あま姉が少し涙に腫れた目を細めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それっくらい覚悟してるし、痛いのだって、大くんのものになれた証拠でしょ。だから",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "わかった……じゃあ、少しだけ動くよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "微笑んでいるのに涙を帯びた、健気な表情に心の奥底を突かれてしまった。\nあれだけ痛がっていたのに、動くだなんて、苦しめる行為に違いない。だけど、それをあま姉が望むなら。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いくよ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "腰を引いた。ぬるりと抜け出たものは、うっすらと血を纏っていた。\nこれが、あま姉が僕のものになった証拠なのだろうか。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、んぅうっ……あ、抜けちゃう、中が擦れちゃう……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "震える声が漏れる。同時に、きゅっとあま姉が綺麗な眉を寄せる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ああ、あま姉……中が、ぬるぬるしてて……あっ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ひぁあっ、あっ、また中に、中に入ってくるの……!",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "ぐん、と突き入れる。あま姉の一番奥に、こりこりしたものがあるのを感じ取る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふぁっ、あくっ……あんっ、んっ……ふあぁっ、大くん、気持ちいい?\nあたしの中、気持ちいい?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "ベッドが、僕の生み出す振動に軋む音を立てた。あま姉の体も、ふるふると揺れた。\n僕のことを気にしているのに、あま姉は苦しげな溜息を吐く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん、気持ちいいよ……気持ちいい",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "嬉しい、大くんが気持ちよくなってくれるの……っ、んあはっ、あ、んっ、くぅっ",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "……ずっと、あま姉、泣いてるね。痛いんだろ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "違うの、これはね、これは……嬉しいから、だから\n大くんとこうするの、嬉しいから……!あぐっ、んっ、んんっ……!",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "僕はこんなにも気持ちがいいのに、あま姉はあまりに苦しげで――。\nいや、僕が苦しめている気がする。僕のわがままを無理に通しているような。\nそんなことを考えた瞬間に、ふと快感が遠ざかっていくのを覚えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……どうして、やめるの?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "……さすがに、もう見ていられないよ、あま姉",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "腰をそっと外していく。あま姉の中にあったと思えないほど長いものが、ぬるる、とその全身を現わした。\n勿論、それは隆々とした姿を留めたままでいる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふあ……あ……抜けちゃった……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "ほうっ、と風船から空気が抜けるような深い溜息を漏らすあま姉。\nどれだけの痛みなのか。\n血が出る程とはいえ、僕には想像もつかない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大くん、まだ大きいままなのに……いいの?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉の隣に横たわると、おそるおそる身を寄せてくる。\nその姿はまるで傷ついた動物のようにも思える。\nそして事実あま姉は、傷ついてしまっている。それも、僕のわがままで。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん……大丈夫。充分気持ちよかったし、あま姉の大事なもの、貰っちゃったから",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そんなこと言うと照れちゃうってば。ね……お願いあるんだけど、いい?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "なに?『続けて』以外なら何でも聞くよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……続けては封じちゃうんだ……それじゃあ、腕枕をして欲しいかな?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "それでいいの?そんなことなら、いくらでもどうぞ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "腕を差し伸べると、あま姉はまだ少し泣き腫らした顔を、僕の上腕に擦り付けるようにした。\n僕の鼻先を、ふわっ、とあま姉のシャンプーや、肌の香り、ほのかな汗の入り交じった香りがかすめた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……いたた",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "どうしたの?やっぱり、まだ痛い?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "うん、ちょっとものが挟まってる感じが……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "ごめんね、乱暴にしちゃって",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "大丈夫、女の子ならだいたいは通らなきゃいけない道だって……覚悟はしてたもの\nあたしは、その相手が大くんだっただけ、幸せよ?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "僕も……それは充分に幸せだけどね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ただ、辛そうなあま姉を見るともう少し手前で止まるべきだったのかと、少し後悔もあった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……途中で我慢してくれて、ホントはちょっと嬉しかったかもしれない",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉が小さく囁く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……うん",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "また、いつか……続きは",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "焦らずに……ゆっくり行こうよ、あま姉",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……うん、そうだね",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "最後に、小さく口付けを交わす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……さて、さっちゃんたちが帰ってくる前に、帰らないとね",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "二人で、部屋の後片付けをした後であま姉が言った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、やっぱり帰る?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "うん……さすがに、様子がおかしいってばれちゃうと思うから",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "今も、どこかぎこちなく動くあま姉。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それと、明日は家で大人しくしておくね……多分、動けないと思うし",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "ん、了解",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "原因を作った身としては、なにも言えない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "一応、シーツも洗濯機にかけてるけど……言い訳は考えた方がいいかもね?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "……まぁ、なにかしらの突っ込みはあるんだろうなあ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "普段、僕が洗濯することなんてあり得ないから。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "じゃあね、大くん。また来週",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "うん、あま姉",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "玄関先で、あま姉を見送る。\n本当は家まで送っていきたいところだけれど、それはあま姉に止められていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……あま姉のあの傷、いつか話してくれるのかな……?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あま姉と一つになれた嬉しさとは別に、そのことはいつまでも頭の中に残っていた。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"大地",
"天音"
] | 01_StellarTheater | C05_06_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "それで?わざわざ俺だけを呼び出して動きたいってことは……\n天音絡みだよな?",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "さすが、言わなくても通じるね、アニキには",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "こういう時、本当に頼もしいと思える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……アニキは、僕以上にあま姉との付き合いは長いよね?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あぁ、アイツとは……お前たちと知り合う前からの幼馴染だからな",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "僕は多分、あま姉のことで知らなきゃいけないことがあると思うんだ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ふむ?",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "昨日のあま姉の一件、僕には理解出来ない叫びだった。でも、アニキはある程度納得しているよね?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……まぁ、確かに",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "否定せずに頷くアニキ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それとは別で一つ……僕は、知らなきゃいけないと思っていたことがある\nあま姉のお腹の傷。アニキは、それを知ってるの?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……っ",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "僕の言葉に、アニキが間違いようのない動揺を見せる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……見たのか、腹の傷",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "うん……あんな傷を負う怪我なんて、少なくとも今の僕の記憶の中にはない\nあの時、あま姉は……ずっと昔の傷だって誤魔化していたけど、あるいはあの傷が昨日の件に繋がるんじゃないかって……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "それが考え違いなら、それでもいい。\nただ、今は少しでもあま姉の悩みを知りたかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……なるほどな。確かに、お前の予想通り、俺はあの怪我に関しては知っている\nあの怪我を、いつ天音が負ったのかも",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "なら……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "言いかけたところで、怖いくらいに真剣なアニキの目が僕の言葉を止めさせる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だが、例えばだ……あの怪我に関して、天音が俺に口止めをしていたらどうする?",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "えっ……?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "思いもしなかった、アニキの言葉。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お前が、同じように天音から口止めをされていたとして……大地。お前は、その内容を俺に話すのか?",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "何年も一緒に過ごして来て……ここまで真剣なアニキを見るのは初めてのことだった。\nそのくらいに、今のアニキは真剣で……怖い。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……それが、大切な約束だったとしても……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だからと言って、僕もここで引く訳にはいかない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なにぃ?",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "それがあま姉を苦しみから救うことに繋がるなら……あま姉を、助けることが出来るなら……そう信じられることであれば、僕は、話すよ\n相手が、アニキならなおさらね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "気圧されそうになる意識を精一杯に振り絞って、僕もアニキの目を見返す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "くっ……ははっ、なるほどな。そう来るか",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "少しの睨み合いの後で、アニキは笑顔を見せる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そんな風に言われたんじゃあ、応えない訳にはいかねえよな",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "アニキ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "驚いたぜ、大地。お前がそんな風に答えるくらいに成長してたとはな",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "嬉しそうに笑ったアニキが、僕の頭をわしわしと撫で回す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うわ、ちょっとアニキっ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だがな、大地。知ろうとする以上は……覚悟もしておけよ?\nお前は……天音が触れて欲しくないと思っていることを、暴こうとしてるんだからな",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "うん、分かってる",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "それが正しい行為でないということは。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なら、ついて来い。今ならそのホロスコープってヤツが上手いこと説明してくれるだろうさ\n俺が口で言うより、ずっとな……",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "そう言ったアニキを追って、僕も歩き出す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ま、幸いにしてすぐなんだけどな、これが",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "学園を降りてすぐの通学路。\nその坂道の下で、アニキは立ち止まる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こんな近くが目的地なの?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "なんの因果かここなんだよな、これが……\nさて……いや、下手な説明は後か。まずは見て貰う方が早いな\n大地、お前のホロスコープで、この場所ともう一つ『自転車事故』を入れてみろ",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "……それで、あと必要なのは……",
"speaker": "大地"
}
] | [
"銀一郎",
"大地"
] | 01_StellarTheater | C05_14_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "これって……こんな事故、僕は知らないっ!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そう叫んでも、ホロスコープに映し出されているのは間違いなく、僕とあま姉の子供の頃の姿だった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お前が、ある程度予想していた通り……天音の腹の傷は、大昔の傷じゃあない\n……空が引っ越して、あの火災事故が起きるまでの二年間。その間に起きた、この事故が原因なんだよ",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "そうか、だから……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "空が知らなかった事故の怪我は、当然、僕の記憶の中にも存在していない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……この時の怪我、それなりに危なくてな。命の危険が、っていう一歩手前まではいきかけてた\n幸い、医者の対応が早かったおかげで……結果としては消えない傷跡が残るだけ、って形で落ち着きはしたんだ",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "……そっか……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "今の僕には、こうして目の前で見せられた後のことだというのに、実感が伴わない。\nどこかテレビの向こうで事故を見ているような感覚だった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "天音にとっては、大切な弟を守った勲章だったらしくてな。本当に誇らしげに自慢することもあったくらいでな",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "そういえばあま姉も、この傷のことを『勲章』だと言っていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ただ、それとは逆にお前がな……",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "……僕?\n僕が、どうかしたの?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "天音のそれとは正反対でな。大切なお姉ちゃんを怪我させちゃったって……そりゃもう酷い落ち込みぶりだったよ",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "どこか懐かしそうな顔で、空を見上げるアニキ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それは……うん、そうなるのは分かる気がするけど",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "まぁ、当然だよな。俺でも同じだとは思う\nそしてその後……お前は以前までと同じようには、天音に接しなくなっていったんだ",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "えっ?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "退院直後は当然としても……傷がすっかり癒えた後もな、ずっと天音のことを気遣ってた\nあぁ、もちろん責めてるんじゃないぞ?あんな怪我を目の当たりにしたんじゃ、当然の反応だろうからな",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "……うん",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ただ、天音本人にとってはそんな風に扱われるのが酷く辛かったらしくてな……ちょっと喧嘩になったりもしてたんだよ\nそして、どこかがギクシャクしたままで時間が過ぎて……今度は、あの火災事故だ",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "僕は……一度、全ての記憶を失くして……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "色々あって……戻ってきたお前は、二年間の記憶を失くしてた\nその間のことを俺や、天音、皐月は必死になって教えて、埋められるところを埋めようとしてたよな?",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "うん",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だが、この自転車事故の件だけは……天音の願いで、教えることはしなかったんだ\nこれでまた、大くんとは自然な姉弟になれるって言われちまってな……\n俺も、皐月も……それには何にも言えなかったよ",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "……そうだったんだね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "自分だけが覚えてる、あたしの勲章になるけどそれでいいんだってな。天音は、腹の傷をそんな風に呼んでた",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "くぅっ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "思わず、涙が零れそうになる。\nでも、それは今聞かされて知っただけの僕が流しちゃいけない涙だと、そう思った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だから、あま姉は……忘れていて欲しい記憶だと、そう言ったんだね……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "記憶を失くしたことで癒されることだってある、と。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いや、それだけのことなら……そんな場面で言い出すようなことはないと、俺は思ってる",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "えっ?でも……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "天音は……アイツは、もっと大きな傷を抱え込んでるんだよ、心にな",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "なんとも言えない、気まずそうな顔を見せるアニキ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これは、お前の記憶にも一切関係のない話だ。なにせ、出会うよりも前のことだからな\n本当は、一生教えるつもりは無かった。誰が幸せになる訳でもない、誰もが辛くなる話でしかないことだから\nただ……大地。お前は知るべきなんだと思う\nだから教えておく。例え俺が天音から恨まれることになったとしても……",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "アニキ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "それほど力の篭らない言葉なのに、今までにないくらい、僕の心に重く響く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "天音が、お前たちと出会うよりも、もっと前……アイツはちょうど弟が出来たって話で盛り上がってた",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "そのままアニキは、静かに語りだす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "当然、あの天音だからな。産まれる前から大したはしゃぎっぷりだったさ\nただ……俺も当時はよく分からなかったが、途中で母子共に順調って訳にはいかなくなっちまってな\n色んな努力もあったらしいし、逆にお袋さんまでも危ない時もあったそうだ\nそして結局……その弟はこの世に生を授かることなく、ってことになってな\nその後の天音は本当に落ち込んでてな\n楽しみにしていた弟と出会うことさえできなかったことを、あるいはおかしな感じで責任を感じてたのか、妙な感じで自分を責めてる時さえあった\nそんなのがしばらく続いた後だったか……公園で出会ったお前と空を連れて、天音が大はしゃぎして帰ってきたのは\nあの時は驚いたんだぜ?塞ぎ込んでた天音が、いきなり元通りを通り越したくらいの勢いで明るくなっててな",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "……それなら僕も覚えてる。空と一緒だったからね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……あの時、天音はお前と出会って、ようやく自分らしさを取り戻した\nアイツはもう二度と、弟を亡くしたくないって思ったんだろう\nだから『傷』なのさ、心のな。腹の傷の件で、姉弟としての関係を壊したくない。またあんなギクシャクした関係には戻りたくない\nそうしたら、また弟を亡くしてしまう……天音は、それを恐れたんだ",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "アニキから聞かされた、あま姉の過去。\nそれを知った今、あま姉がなにを恐れていたのかがやっと理解出来る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だから、あま姉はあの場で記憶を失くすことを肯定してたのか……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あぁ、俺が思うに……そういうことなんじゃないかと思う",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "うん、ありがとう、アニキ……色々と話しにくいことを教えてくれて",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "なに、俺も付き合いの長いアイツが……このままへこんでるのを見てるのも辛いところだからな",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "照れくさそうに笑うアニキ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、でもアニキ?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ん?",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "なんであま姉は、公園であっただけの僕をいきなり弟として扱ったのかな?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あれが、少しずつならまだわかるけど、あの時はまさに一瞬だったから。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あぁ……それはな。アイツの弟に付けられる筈だった名前が……『大地』だったからだよ、大地",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "その一言は、なんだか凄い説得力で……僕の胸へと沁み込んで来るようだった。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"銀一郎",
"大地"
] | 01_StellarTheater | C05_15_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "アニキと別れた僕は、そのままフラフラと公園へと足を運んでいた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "一人で出歩くなって厳命されてたけど……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "今はどうにも、一人になりたい気分だった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……あれ?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕とあま姉が初めてあった場所に……すでに先客がいた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……あま姉?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あれ、大くん?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉も、僕の顔を見て驚きの表情を見せる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "どうしたの、いつもならまだ候補試験で動いてる頃だと思うけど……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "うん、今日はまだ待機みたいな感じでさ……特にやることも無かったから、ちょっとブラブラとね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……そっか。でも、ダメなんじゃないの?一人で動いたりしちゃ",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "意外と鋭いツッコミ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あー、うん。少し前まではアニキと一緒だったんだけどね……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "とりあえず、嘘は言ってない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なるほどねー、ま、いいんだけどさ",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉こそどうしたの?こんな時間に一人で公園なんて……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕は出来るだけ、先ほどの話を聞いた影響を顔に出さないように意識する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん、あたしも同じかな……ここ最近はずっと動き回ってたから、家で大人しくしてるのが、なんだか変な感じで",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "なるほど",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "まさか、こうして大くんに逢えるなんて思ってもみなかったけど……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "僕もそれは同じだよ……あるいは、運命の神様の悪戯ってヤツかもしれないね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "我ながら、歯の浮くような台詞。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うわー、なにかしらね。この背中のむず痒くなる感覚は……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "案の定、あま姉は呆れた顔を見せる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふふっ、でも……こうして偶然会ったのが、初めて出会った公園なんだから……\n大くんの言うことも、少しはあるのかもね",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "そう言ってあま姉は、ブランコの方へと歩いて行く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ねぇ、大くんは……初めて会った時のこと覚えてる?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "そのままブランコへと腰掛けたあま姉の質問。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん、ちゃんと記憶にあるよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "さっきもアニキとの会話にあった話だけれど。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こうして、ここに座って……ちょっとつまらなそうにしてたあたしに、大くんてば無遠慮に近づいて来て",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "えっ……あ、あれ?無遠慮だったかな?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕には、その自分からあま姉へと近づいた記憶はなかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そうよー?ぶすーっと一人で機嫌悪くしてるあたしに『ひとりで、そんな風にしてるなら僕たちと一緒に遊ぼうよ』って\nまさか、いきなり話しかけられるなんて思ってなかったから、ビックリしちゃったわ",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "そうだった、んだ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "内心の動揺を、あま姉に気取られないように声の震えを押さえ込む。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なに、この生意気な子って思って……でも、そのままついて行ったら、そこには空もいて……誰、その人っていきなり大騒ぎになって",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あぁ、そうだったねえ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そこでようやく、僕の中の記憶とあま姉の話が合致する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なんだかんだで、あの後からよね。あたしと大くんと、空と銀一郎にさっちゃんを加えて遊ぶようになって……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "子供の頃はあっという間だよね、仲良くなるのは",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ほんの少し一緒に遊んだだけで、すぐに仲良くなれるのはあの時代だけの特権なのかもしれない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "懐かしいね、って思うくらいに昔のことなんだね、あの出会いも……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "……うん",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "少し寂しそうに微笑むあま姉は、そのまましばらくブランコを漕ぎ続けていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、いいの?送ってもらっちゃって",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "さすがに大丈夫だよ、そんなに遠いわけじゃないんだから",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あま姉の家への道を二人で寄り添って歩く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なら、たまには、ウチに寄って行く?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "うーん、それは凄く魅力的な提案なんだけど……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "さすがに、あまり長い時間を一人でいると後が怖そうな気がしてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、そっか……家に狼を連れ込むのはやめておいた方がいいもんね",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "僕の否定を、とんでもない方向で受け取るあま姉。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ええっ、そっちの意味で受けるの?\nまぁ……そういう危険がないとも言わないけどさ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "こればっかりは偽らざる男の気持ちだし。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ほら、やっぱり……怖い狼さんに襲われないように、あたしは早く家に戻らなくっちゃ",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "少し駆け足になって先を行こうとするあま姉。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……冗談だってば、あま姉",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕も笑いながら、その後を追いかける。\n結局、公園を出てから家までの間、お互いに候補試験のことに触れることはなかった。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"大地",
"天音"
] | 01_StellarTheater | C05_16_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "……こうして無駄に時間を過ごす方が、よほど無意味だってことも分かっているのに",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "今も陽夏さんを含めた十二星座の人たちは、事件の解決の為に尽力してくれているだろう。\nこんな風にして悩んでいる場合じゃないだろと、自分を叱咤する声も聞こえてくる。\nそれなのに、どうしても動く気力が、きっかけが掴めない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "僕は一体……どうしたい?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "その問いにさえ、明確な答えが見えてこない。\nその時、バァンという大きな音と共に入り口のドアが開いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えっ?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "驚いて視線を向けたその先には、アニキの姿が――",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "テメェ、大地!なにをウダウダと引きこもってやがるんだ!",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "ゴスっと、頬で大きな音が聞こえたような気がした。\nそう思った時にはもう、身体は大きく吹き飛ばされた後だった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "な……あ、アニキ……?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "衝撃に揺れる視界には、鬼の形相を浮かべたアニキが映る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お前の覚悟を確かめたと思ったから、色々と話してやったってのに……テメェはどうして、こんなところでいやがるんだ!",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "いや、あの……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "今のお前は、こんなところでウジウジしてる暇があるのか?そんな暇があるんだったら、やることはいくらでもあるんじゃねえのかよ!",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "僕の胸元を掴み上げて、アニキの顔が迫る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "おい、俺はお前に天音を託す覚悟で全てを話したんだぞ?\nそれなのに、次の日に学園休みましたとは笑わせてくれるじゃねえか。えぇ、おい!\n今のお前にとって、一番大事なのはなんだ?天音じゃないのか?",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "その言葉に、電流が走るかのような衝撃を受ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "お前が学園に来ないことで、アイツがどう思うのか想像できねえとでも言うつもりか?\nお前に悩みがあったのも分かる。話したのは俺だからな\nだがな、俺は確認した筈だよな?覚悟をしておけと。お前の返答はなんだった?",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "……分かってる",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "なんにも分かってねえじゃねえか!",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "アニキが僕の胸元を持つ力がさらに強くなる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お前がどう思うと勝手だがな、天音は確かに変わろうとしていたんだ\nそれを、当事者であるお前が信じてやれなくてどうすんだよ!\n一体、お前にどんな覚悟があった?\n天音が、お前の告白を受け入れた時の覚悟が、どんなものだったか想像できるだろうが!",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "あ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "昨日の話を聞いた上でなら、あま姉の想いは充分に理解出来る。\n姉弟の枠を変えようとした僕に、笑顔で頷いてくれたあま姉の覚悟が。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "テメェが天音を諦めるって言うなら、話は早い\n今度こそ、どれだけ時間をかけたって俺が天音を貰い受けるぞ?",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "アニキ……?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……それでいいんだな、大地?",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "それは、アニキからの最後の問いかけ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "冗談じゃないっ!いつまで調子に乗って好き放題言ってくれるんだっ!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "胸元の手を、僕は力を込めて握り返す。自分の口調が、昔に戻っていることを自覚しながら……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "言われなくたって分かってるさ。あま姉をアニキに渡すだって?冗談じゃない!\n僕が、あま姉を諦めるなんてことが、ある訳ないじゃないか",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ほぅ……ならどうする?口で言うだけなら、なんとでも言えるわなあ",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "挑発するように、アニキの口元が歪む。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "決まってる。さっさとこんな面倒な黒猫騒ぎを片付けて、あま姉の心配を無くすだけのことだ\n僕の記憶がなんだとか、そんな話はもうどうだっていい\nたとえ、今の僕が作られた記憶を基にしてたって、その後を生きてきた年月で生まれたこの感情をこそ、僕は信じるよ\n昨日聞かされた話もなにも、全部一緒だ。どんな事実も全部飲み込んで、それでも僕はあま姉が好きだと、言ってやる",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そうだ、いくら頭の中で悩んでいたってなに一つ変えられない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だから、誰であろうと僕のあま姉を渡すなんてことはしない",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "はっきりとした意志を乗せて、アニキの目を見返す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はっ、やっと少しは目が覚めたみたいだな、おい\nだが……分かってるだろうな?次にチンタラとふざけたことしやがったら……今度こそ、追い抜くぞ、お前を",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "ああ、今度こそ本当に、了解だ。アニキ!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "フン、いい返事だ、大地!",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "次の瞬間、お互いの右ストレートが見事にクロスして突き刺さった。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"銀一郎",
"大地"
] | 01_StellarTheater | C06_02_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "そ、それじゃすぐに仕度してくるから……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "大くんっ!",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "は、はいっ!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "バスルームに駆け込もうとした僕を、あま姉が呼び止める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……一緒に入りましょ?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "今まで見た中でも一番に顔を赤くしていたあま姉。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、うん",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "その誘いを断れる筈もなかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……こんなになっちゃうんだ?ちょっと生意気かも",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "二人で一緒に入って、シャワーで汗を流して、その合間にキスをして。\nそんなことをしている内に、僕はもう、すっかり準備完了してしまっていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "生意気と言われても……男だったら誰でもこうなっちゃうんだけどな",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "風呂桶に腰を下ろした僕の脚の間で、あま姉は不思議そうにそれを見上げている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "他の子なんてどうでもいいの。あたしは、大くんの状態しか興味ないもん",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "……その言葉は凄く嬉しいんだけど……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "さっきまで顔を真っ赤にしてたのに、こっちはしっかりこんなにしちゃってるんだから……生意気って思うわよ",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "う……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "確かに、そう言われると辛いところがあるけれど。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うむ、素直な反応でよろしい……ふふっ",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "くすっと、意地悪な微笑み。そして、つん、と指先で僕の分身を弾いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大くんってばやっぱり可愛い♪",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "……生意気だけど、可愛いのか……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そう表現されるのは、男としてはちょっと微妙かもしれない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふーん、それじゃ可愛い大くんを可愛がってあげようかな?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "えっ?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あま姉の僕の先端を、指で軽く突付く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うわっ、あま姉っ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "いきなりの刺激にちょっと腰が引けてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん、もう充分に堅くなっちゃってるね",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "そう囁いて、微笑むと、あま姉は震えるまつげを伏せた。\nおずおずと、微かに尖らせた唇を僕の股間に近付ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あっ……あま姉……!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "んっ……ちゅっ……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あ、ああっ……!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "唇が、先端の丸みに触れただけで、ぞくぞくっと背筋を、甘い戦慄が駆け抜ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ちゅっ、んっ、ちゅっ……ふふっ、これが大くんの……ちょっと美味しいかも……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉が……僕のを……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あま姉の口が、優しく僕を包んでくれる。\nそれだけで、感じたことのない快感が突き抜けていくようだった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んふ……んっ、んく……ちゅ……れろ……んふっ……んっ、ちゅぷっ\nどうかな?ちゃんと気持ち良い、大くん?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "唇が触れたまま、上目遣いに尋ねてくるあま姉。\nその艶っぽい仕草が、さらに興奮を誘う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……うん、凄く気持ち良いよ。あま姉",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……んふっ、良かった……初めてだからちょっと自信なくて……\nんちゅっ、れろっ、ぺろっ、んふっ……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉が漏らす一言が、胸を疼かせる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "教えて、ちゅるっ、んうっ、んっ、んれろっ、れろ……ちゅるっ、ちゅ、ちゅぅっ……大くん?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "な、何を……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "こういう風にされるの、んっ、んふっ、好き……?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "こんな風に愛されることを、好きじゃないなんて、言える男はいないだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん……凄く好きだよ、あま姉",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そう?嬉しぃ……っんっ、ふぅっ、んっ、んちゅるっ、んっ、んぅうっ、ならもっと頑張っちゃう……\nふぅうっ、ちゅるっ、ちゅぱっ、ちゅっ、ちゅるる、ちゅっ……\nんふぅっ……れろっ、ぺろっ、んっ、れろっ……はぁ、はあっ、どんどん……おっきくなって……\nこんなに大きいの……んふぅっ、はっ、れろっ、ぺろっ、れろっ、ちゅるるっ、んっ、んふぅっ",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "瞼を閉じて、僕の表面に丹念に舌を這わせてくる。\n気が遠くなるような快感に耐えつつ、僕はそれをじっくりと味わった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぴちゃっ、ふぅっ、れろっ、ぺろっ、れろ……はぁ、はあ……あむん、ちゅっ、ちゅるっ、ちゅるる……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "狭い風呂場の湯気のなかに響く、二人分の荒い息遣いと、舌の絡まる淫らな音。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んんっ、はあ……れろっ、んれろっ、ちゅる、ちゅうぅっ……\n……なんだかこうしてると……嬉しくて……頭がぼうっとしてきちゃう……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "僕も、そうだよ……あんまり強くしたら、すぐに出ちゃいそうだ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕の言葉に、あま姉が悪戯っぽく目を開く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……それじゃあ、出していいよ?\nちゅっ、ちゅっ、ぺろっ、れろっ、んふぅっん、んんっ、んっ……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あ、あっ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "腰から、快感がむずむずとこみ上げてくる。\n足の指でさえも反応してしまう。\nどこかに掴まりたくて、思わずあま姉の髪に手を掛けそうになり、必死で抵抗する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ?すっごく硬くなってきた……ちゅるっ、ちゅぱっ、ちゅっ、ちゅるる、ん、んふぅ、んっ、んちゅっ……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "そんな僕の反応を楽しんでいるかのように、あま姉の唇と舌は激しく、僕を追い立てる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ねえ、いつでも、いいよ……んっ、ちゅろっ、ちゅっ、ちゅぱっ、ちゅっ、ちゅうぅ……!",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あ、あっ……そんなにされたら、僕……!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "もう、出ちゃいそう?大くん、いいよ?出していいから……!はぶっ、ちゅっ、ちゅるっ、ちゅっ、ちゅうっ",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "うあっ、あま姉っ……!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "次の瞬間、あま姉の柔らかな唇の間で、僕のものはびくんと弾けた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふぁぁあっ!?あっ……凄い……大くんのが沢山、こんなに、出てる……!",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "白いものが迸る。\nそれは、あま姉の顔に、飛び散って降りかかっていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ごめん、あま姉……!止まらない……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "大くんの、あっつい……沢山迸って、脈を打ってて……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "嬉しそうに、白い液体を受け止めるあま姉。\n初めての行為による、驚きと満足がそこに垣間見えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "嬉しい……ちゃんと、気持ちよくなってくれた証が……こんなに",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "凄く……気持ち良かったよ、あま姉",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ちゅっ、ちゅうぅっ……こくっ、こくん……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "唇を近付けて、先端の窪みから溢れて滲むものを、吸い上げて舐め取ってしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あぅっ……そこまでしなくても……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕の言葉に、あま姉は、くすっと悪戯な笑みを投げ返した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いいの、あたしがしたかったんだもの。こうして……大くんのために、好きな人に……こんなことでも、凄く嬉しいの\n大くんの為だもん。あたし、どんなことだって出来ちゃいそうだよ?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "う……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "なんとも聞いていて恥ずかしくなってしまう台詞。\nだけど、こうしてお互いにとって恥ずかしいことをしているんだってことを、実感させてくれる言葉でもあった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ちょっと苦かったけど……それがまた、面白いかな?これは……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "それじゃ今度は……僕があま姉にお返ししないと……かな?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "うん、大くん♪",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "今度は、入れ替わるようにして、あま姉を浴槽の縁に座らせる。\nあま姉の小柄な体が、フローラルな香りの湯気の中にまぎれて、なんだかとてもいとおしい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……綺麗だよ、あま姉。あま姉の身体は……どこも全部綺麗だ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "うぅ……そこまで堂々と見ていいなんて、言ってないんだけど……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "油断すると閉じかけるあま姉の膝を、なんとか両手で押さえ込む。\n二度三度、ぎゅっと力が入り、ようやく閉じるのを諦めてくれたようだった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ねえ、ちょーっとでいいから、手を離してみたりとか……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あれ?僕のを、さっきまでこれでもかっ、てくらい見まくってたよね?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "うぅ……それとこれとは一緒にされる恥ずかしさじゃない気がする……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉は、全身真っ赤になっている。\n年上のあま姉だけど、その姿は凄く可愛い。それを言ってしまえば怒られるだろうけど、僕はそう思った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……あま姉、この前も、見せてくれたじゃない",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "この前と、今日とはなんだか違うんだってば……\nここ、少し明るい分なんだか全部見えちゃってるみたいで……本当に恥ずかしいんだからっ",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "ふふっ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "確かに、この前なんかよりもずっとあま姉の大事なところが良く見える。\nそれに確かに、今の方があの時よりも恥ずかしく思えるのも分かる気がしていた。\n……あま姉が恥じらいを見せてくれることが、僕にはまた嬉しいことなんだけど。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そ、それに、んー、こうやって見られると……ほら、他のところ的にも恥ずかしいかなー……なんて",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "……そんなことないよ。どこも恥ずかしがるようなことないくらい綺麗だもの",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "うぅ……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "何故か、あま姉は過剰にもじもじして、戸惑い、唇を噛み、思い切ったように口を開いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……あのね、あたしの傷……気にならない?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "なんだ、と笑い飛ばす気にはならない。\nどんなに目立たないものであっても、女の子ならきっと気にするんだろう。\nだけど、あま姉のこの傷は、僕を守ってくれた勲章と言うべき傷だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……この傷は、僕とあま姉の絆でしょ?僕はこの傷を含めて……あま姉が好きなんだよ?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……大くん",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "この前は忘れていたことだけど……今はこうして、ちゃんと覚えていることだから",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ん……ありがとう、大くん",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "全部が全部、掛け値なしの僕の本音。\nその言葉に、あま姉はゆっくりと嬉しそうに頷いてくれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いくよ、あま姉……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あっ、そんなダメっ……あ、ふあぁっ!\nあっ、あぁんっ……だ、ダメっ、ふぁっ!",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉の腿の間に顔を埋める。洗い上げられたすべすべの腿が、僕の頬を挟む。\nその抵抗さえも楽しみつつ、僕はどんどん奥に進んで行く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひゃっ、あんっ、あ、あっ、こら、そこ、舐めちゃ……んあぁっ",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉の、柔らかなふわふわの肉のスリットには、既に熱いものがたっぷりと滲んでいた。\n舌をつけると、さらに震える身体が僕を強く挟み込む。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んふぁっ、あ、やだ、そこ……舐めたらくすぐったいの……\nんっ、んっ、くぅう、んあ、あ……どうしよう、あたし、本当どうしよう",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "スリットの奥へ、手前へと、舌を蠢かせて、秘裂の中を丹念に愛撫する。\n愛して撫でる。その言葉の通りに僕は舌を愛しい人の為に動かしていく。\n大好きな、あま姉だから……僕にしてくれたんように、僕もあま姉を舐め上げる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あふぁ、あ、あっ、大くんに……恥ずかしいとこ、舐められてる……恥ずかしいよぉっ",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉の押し殺した涙声が、反響している。\n湯気と、あま姉の熱と、香りに、胸が詰まるようだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……どうせなら、もっと恥ずかしがって欲しいかも",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あま姉のその声は、いくらでも聞きたくなる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "喋っちゃ、んんっ、ダメっ……息が……息がかかるから……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "こうして大事な場所にキスするのなんて初めてで、自分でも何をどうしているのかわからない。\n必死で舌を蠢かせて、中にある繊細な襞や、小さく尖った何かを探っているだけだ。\nそんなことでさえ、あま姉はこんなに気持ちよさそうに喘いでくれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あああっ、あはあぁっ、も、もう、あたし、あたし……っ!\nねぇ、大くん……もう我慢できないから……あの、あたしに……あたしと、その、この前みたいに……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉は、真っ赤な顔をしながら、そう僕にせがむ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん……僕だってもう、こんなだから",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あま姉が一度絞り出したはずのモノは、今また苦しいくらいに屹立していた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うぅ……顔は見ちゃダメだからね?恥ずかしいから……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "そんなに恥ずかしがること、ないと思うけどなあ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "恥ずかしいから、僕に背中を向ける……それはそれで、また非常に刺激的だということを、あま姉は気付いていないらしい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ひょっとして緊張してる?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "き、緊張なんかしてないわよ?んっぅ……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "掌に、すっぽりとあま姉の丸い、愛らしい大きさの胸を収めた。\nふわふわとして、柔らかく、宝物ででもあるような気さえしてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あんまり、ヘンなとこ触っちゃ、あっ……くすぐったくてっ、んふっ!",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "濡れた膨らみの先端で、ピンク色をした乳首が硬くなっている。\nそれを優しく転がすと、気持ち良さそうにあま姉が腕の中で息を殺した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃ、いくよ?あま姉",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……うん。来て……大くん",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉の背筋にそっとキスをしてから、苦しいくらいに反り返っているものを握り、濡れたところに押し当てる。\nその瞬間、あま姉の首筋に緊張が走っていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やっぱり怖い?だったら……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ううん、大丈夫……怖くないから、大くん",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "止めようとする僕を、あま姉が引き止める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "来て?この前みたいに途中で終わらないで……あたし、大くんに愛されたいから",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "……うん",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "少し緊張する。出来る限り優しく、優しくしてあげたい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いくよ、あま姉、少し痛いかも知れないけど……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "我慢するから、ん、んんっ……!",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "少しずつ腰を突き入れて行く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふぁ、あああっ……あっ……んっ……\n……あ……痛く、ない?ああっん!",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉の全身の緊張が、ふっと緩んでいく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぬるって入って来てて……んん、そんなに痛くない……みたい",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あっ……確かに、この前みたいな抵抗は……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あま姉の秘裂は、ぬるぬると優しく熱く僕を受け入れてくれる。\nむしろ、僕の方が声を上げてしまいそうなくらいだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ……凄いっ、大くんのおっきいのが入ってきて、でも、痛くなくて……おなか一杯だけど、苦しく、ないっ……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉が、辛い痛みを感じていないことに安堵しながら、その熱くてきつい秘所の一番奥まで侵入していく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あっ……嬉しい、な。この前みたいに痛かったらって……凄く怖かったから",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "僕も、あま姉が辛くしてなくて、凄く嬉しい……あま姉の中、柔らかくて、でもきつくて……凄く気持ち良くしてくれる",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "本当?あたし、んんっ、嬉しい……大くんが、あたしの中に入ってる。一つになってる",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "やっと、本当にあま姉と一つになれた気がする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ねえ?あま姉、動いてもいいかな?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "うん、いいよ……大くん、優しくして……あっ!",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "刺激の強すぎるあま姉の中で、ゆっくり動き始めた。\nぬるん、と全体を擦られ、舐められるような感触に、思わず息を呑んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んあぁあっ、あっ、あはっ、ああっ、凄い……大くんが、大くんが中で……中で動いてる",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉の中、この前よりもっと柔らかくて……包んでくれてるみたいだ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "んっ、わかってくれる……?はあっ、あっ……だって、あたし、頑張って大くんを包んでるんだもの……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "痛みのない分、あま姉にも余裕があるようだった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あっ、あっ、中、あっ、あんっ、この感じ……うくっ、中が、擦れて……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "どこか、変?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "不思議な何かを確かめているような声に、僕がためらうと、あま姉は、ふるふると首を振った。\nぎゅっと目を瞑って、頬を赤くしているその横顔が、酷く色っぽく思える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "続けて、大くん……もっと続けて?あたし、今こうしてるのが、凄く嬉しくて、幸せで、気持ちいいかもしれないんだから",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "うん、あま姉",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "それなら、もう突き進むだけだ。\nうっすらと赤らんで汗に潤う首筋に軽くキスをして、僕は、あま姉の弾む胸に添えた手に力を入れた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んはっ、あっ、あんっ、うあっ、あっ、あっ、あああっ……\nすご……大くん、大くんが、出入りして……こんなに、あたしの中で動いて……\nあたし、今、大くんのものになってる、大くんを、こんなに感じてる……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "くちゅっ、くちゅっと粘液を掻き回す音が、風呂場に響いた。\n唇から漏れる甘い、あま姉の喘ぎがその上に被さる。\n蕩けそうになるそのあま姉の啼き声に、ただでさえ強い興奮がさらに増していく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あっ、あんっ、あ、あっ、あああっ、どうしよう、あっ!",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉が、また首を横に振る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "どうしよう、あたし、あっ、なにこれ、あっん、あっ、あはぁっ、これ……凄く、気持ちいい",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "……う、くっ、あま姉、そんなに締めつけないで……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "熱くとろけたあま姉の中が、きゅん、きゅん、と締まって、僕に溜息を漏らさせる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そんなの、あたし……なんにも、なんにもしてない……っあっ、あっ、あはっ、あっ、大くんこそ\n大くんこそっ、あっ、あんああっ、あっ、あああっ、気持ちいい、大くんが中で、動いて、どこかにあたって……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉がひゅっ、と息を呑んだ。\n手の中で動いた胸の先端が、硬く、こりこりになって存在を主張していた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はうっ、大くんが……あたしの中、気持ちいいところを擦って、あたし、頭がぼうっとして……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "細い腰が、ゆらゆらと捩れている。まっすぐに立っていられなくなっているらしい。\nあま姉の一番奥の、こりこりしたところに当たる僕自身の影響なのだろうか。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "僕も……あま姉の奥が、痺れて……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "はぁっ、あっ、はあ、はあっ……んああっ、あっ、ああぁはっ、あっ\nあたし……どうしよう、大くんと繋がったとこから、溶けて、壊れちゃいそう",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "僕もだよ、僕も……あま姉の中で溶けて、わからなくなったみたいで、でも気持ちいいよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "自分の鼓動が耳に痛いほどに響く。二人分の呼吸が、せわしなくもリンクしている。\n今、僕とあま姉は、こんなにも一つになっているんだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あっ、あっ、あはっ、あん、気持ちいい、こんな格好でしてるのに……気持ちいい……!",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "膝もがくがくと震えている。そのまま蹲ってしまいそうになるあま姉を後ろから支え、僕も、こみ上げてくるものを必死で堪えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひあぁあっ、あ、あああっ、どうしよう、ど、どうしよう、あたし……あたしっ、なんだか昇ってるみたいっ",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "しゃくりあげながら、あま姉が喘いだ。壁に突いた手が必死で縋り、指先がタイルを掻く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "弾けちゃいそうっ、うぁあっ、あっ、あああっ、ああっ、あはあぁっ",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "ああっ……!僕も、あま姉、いくよ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "最後の衝動を送り込みながら、思い切り突き上げる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あっ……く、あああぁ、あああああっ……!",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉が、きゅうっと背を反らせた。僕と繋がったところが、きつく収縮して絞り上げる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うあっ……!出る、でるっ!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ふあぁああぁあっ!熱っ……大くんの熱い、のが……あたしの中に、滲み込んでくる……!\nんあぁああっ、ああああっ、ああああっ!",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉の中で、僕自身が弾けた。\nそれを身体の一番奥で受け止めて、あま姉は叫んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "凄い、よ……あま姉",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "はぁあっ……大くん、びくびくって暴れて……んっ、本当に……暴れん坊さんなんだから……\nあんっ……凄い、沢山、出てる……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉のうっとりとした囁きに、最後の射精の勢いが増すのを感じた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あっ、まだ出て……ああ、あたしの中、大くんの出したのが滲み込んで、大くんと同じになっちゃいそう",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "……こんなに沢山出るの、自分でもビックリなくらいで……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "んっ……嬉しいな、そういうの。凄く愛されてる、って感じがする",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉は振り返り、僕はまだ荒く息を吐くその唇に、軽くキスをした。\nやがて、あま姉の中で柔らかくなった僕のものが、押し出されるようにして抜けてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ……抜けちゃった",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "……また、いつでもできるから",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ずっと繋がっておきたかったのに",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉がつまらなさそうに唇を尖らせた。\nもう、その全てが、僕には可愛くて、愛しくてならない。\n今、こんなことをしたばっかりで、欲望なんてものは消えてしまってもおかしくないのに、腕の中のこの人が愛しくて仕方ない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……どうしたの?そんな風に笑って……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "ん、なんでもないよ。ただ、可愛いなあ、って思ったんだ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ふふっ……大くんてば、生意気さん\n……大好きよ、大くん",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "くるっ、と振り向いたあま姉ともう一度抱きしめ合う。\nこの人を、あま姉を離さない……そう心に誓う。\n僕にできる全てで、必ず守っていこう。この後もずっと。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"大地",
"天音"
] | 01_StellarTheater | C06_07_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "……お邪魔しまーす",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "……よし、誰もいないね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "みんなが打ち上げで盛り上がってるところを、こっそりと抜けて戻ってきた部室。\n今なら、ここで誰かが戻ってくることはないだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……でも、大くんてばいつからこんなにえっちな子になっちゃったのかしら",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "え?でも……放課後、どうしたい?って聞いてきたのはあま姉じゃない",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "残り少ない時間の学園生活を、無駄にしたくないとも聞いたような。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ま、提案したのはあたしだけど……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "こういうのは、やっぱり勢いが大事だと思うしね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕はそのまま、部室の椅子へと腰かける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "おいで、あま姉……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "うん、大くん\n大くんのひざの上、なかなか座り心地いいかも……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉専用の特等席だもの",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "嬉しいことを言ってくれるね、大くんてば",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉は俺の首に手を回し、座り心地を楽しんでくる。\nバニー姿ではしゃぐものだから、目のやりどころが多くて困ってしまうくらいだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あー、今、いやらしいこと考えてたでしょ?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "……まぁ、この格好で迫られて、そう考えない訳はないよね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ふふっ、それでどんなことを考えたのかな?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "やっぱり……まずは自分の目と手で確かめてみたいかな、と",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "まったくもう……大くんは甘えんぼさんなんだから",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "そう言いながらも、あま姉は強く抱きついて胸を押しつけてくる。\nこれだと、どっちが甘えてるのか分からない。でも、あま姉に甘えられるのは悪い気分じゃなかった。\n僕は、あま姉の背中から手を回し……可愛い乳房に触れる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……んっ……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "うん、凄く良い揉み心地だよね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……もうちょっと言い方はないの?こう……ふくよかだとか、たわわに実った……とか\n……自分で言ってて、ちょっとへこみそうだけど",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "なに言ってるのさ。重要なのは揉んで気持ち良いかどうかってこと……そういう意味で、あま姉の胸は、凄く良い胸です",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あっ、はぅ……大くん……ふぁっ……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "僕がやさしく胸に手を這わせると、あま姉は少しくすぐったそうに甘い吐息をもらした。\n吐息が僕の首にかかってちょっとくすぐったい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、感激だな……あま姉のバニー姿をこんな近くで見られるなんて",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "大くん、こういうのも好きそうだもんね。学園祭の時、貰っておいて正解だったかな?んっ……太ももくすぐったいよ",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "こんな魅力的な太ももを見せられたら、誰だって撫でたくなるってば",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕の腕の中にすっぽり入ったあま姉は、太ももに指を這わせるたびにくすぐったそうに笑う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大くん、こっち向いて?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "ん?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "んっ……ちゅっ",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉に視線を向けると、柔らかい感触が唇を塞ぐ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んんっ……んっ、あふ……んちゅっ……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "僕もあま姉の唇を吸うように、僕の唇を重ねていく。\n時々漏れる吐息が熱くて、あま姉をもっと味わいたくてぎゅっと抱きしめてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ……ふぁ……はぁっ……大くんとキスすると、身体の芯が熱くなってくるみたい",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "それは僕も同じだよ。キスをすればするほど、あま姉がいとおしくなる",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕はまた、あま姉に唇を重ねる。\n抱き寄せながら胸を掴み、そっと揉んでいく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ、んぁっ!あふ……んっ、手つきいやらしいぞ、大くん",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "そうは言いつつも、あま姉は僕の手を押しのけようとはしない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ?大くんのココ、大きくなってきてるね",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "唇を離したあま姉は、視線を落としながら紅潮した顔で嬉しそうに呟く。\nこんな格好で迫られて興奮しない訳がなかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あま姉の甘い声を聞かされてるんだもの……当然でしょ?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あっ、コラ……そこで胸揉まないっ……あんっ、んっ、んくぅっ……おなか、熱くなってきちゃう……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "僕はそのまま、さらに胸を揉みしだく。\n決して大きい胸ではないけど、手のひらに収まるちょうどいい大きさの胸は、触れているだけでも気持ちがいい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ、あんっ、んっ……もっと大きかったら、大くんにもいろいろしてあげられるのに……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "いろいろって?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "それは……んっ、胸で……とか",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉は小さな声でなにか言ったみたいだけど、肝心なところは良く聞こえなかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……なるほど",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "胸でする、と言われて思いつくのはやはりアレだろうか。\n確かに膨らみはあるけれど……挟むのは少々厳ししそうだ。\nでも、あま姉がしてくれる様を想像すると……ちょっといいなと思ってしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……してみよっか?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "えっ?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "今、ちょっとして欲しいって思ったでしょ?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "いや、えっと……ごめんなさい。思いました",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "素直で大変よろしい。そっか……あたしにして欲しいのか",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉はりんごのように頬を赤く染めながら、いたずらっぽい笑みを浮かべる。\n僕は思わず、頷いてしまった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いいよ。してあげちゃいましょう",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "えっ、でも……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あたしを誰だと思ってるの?大くんの彼女なんだからね?\n大くんがして欲しいと思ったことは、あたしが叶えてあげたいことなの",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉に、ここまで言って貰えることが、僕はとても幸せなだった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ……期待しちゃおうかな",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "うん、出来るだけ頑張ってみるね?大くんが気持ち良くなるように",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉は僕から下りると、そっと胸のパットをずらして僕の前に座った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "わ、こんなに大きくなってる……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あはは……面目ない",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そんなことないってば……あたしを見て、こんなになるくらい興奮してくれてるってことだもん",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "思わず抱きしめたくなるくらい、嬉しいことを言ってくれる。\nあま姉の言葉の一つ一つが愛おしくて、こんなにも心に染みるなんて。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んー……でも、やっぱりちょっと厳しいかも",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "大丈夫……あま姉ならきっと出来るよ!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……そこまで期待されちゃうと、お姉ちゃんとして、やらざるを得ないわよね",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉は、さらに手で胸を寄せて、僕のモノを挟み込んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うまく出来るかは分からないけど……頑張るからね",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "うん、あま姉",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あま姉の乳房が、身体全体を使って押しつけられる。\n擦りあげられたモノが、心地よさにびくんと震え上がった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ……結構……難しいかも……んくっ、くぅ……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "苦心しながらも僕に胸を擦りつけてくるあま姉。\n気付けばあま姉の乳首はピンと立っていて、さっき僕とキスしてただけでだいぶ興奮していたのが見て取れる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大くん、気持ちいい……?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "うん。あま姉の胸があったかくて、すごく気持ちいいよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そっか……じゃあ、もっと気持ち良くしてあげる",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉はにっこり微笑み、さらに胸を寄せてモノを擦りあげてくる。\n柔らかな乳房に挟まれて擦られるのが気持ち良くて、また身体が震えた。\n僕のために一生懸命になってくれているあま姉が凄く嬉しい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……あ、先端がちょっと濡れてきてる……感じてくれてるのかな?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉、色っぽいからね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "もうっ……そんなおべっか使ってもダメだからね",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "そうはいいながらも、あま姉はご機嫌みたいだ。\n絞り上げてはわずかにあふれ出す汁を見て、嬉しそうに頬を緩ませる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "よーし、もっと頑張っちゃおうかな。んっ、んくっ……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉は、再び身体全体を押しつけるようにして僕のモノを擦る。\nさっきより動きが大胆になってきているのか、あま姉はいつしか腰をあげてお尻を振り始めていた。\n可愛いお尻を揺らしながら奉仕する姿に、僕の欲望はさらにかき立てられていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んふっ……はっ、はぁっ……ほんと、大くんのこれって大きいよね",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "そ、そうかな?比べたことないからわからないけど",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "別になにかと比べてるわけじゃないわよ?でも、これがあたしの中に入ったんだなって思うとね",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "自由に大きさを調整出来ないからね……あま姉には迷惑かけたけど",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "迷惑なんて……そんなこと絶対ないってば!",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "えっ?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あま姉も、思わず声を大きくしてしまったことに気づいて、顔を真っ赤にしてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……確かに、最初は痛かったけど……でも、大くんがあたしと繋がってるときは、大きい方が、凄く安心できるから……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉が甘えた笑みを見せてくれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……なにを、にやにやしてるの?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "ううん、あま姉可愛いなーって思って。襲いたいくらい可愛いよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "それに、さっきから揺れる乳房の中で、小さく尖った乳首が気になって仕方がない。\n触ったら怒られるかな……?",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あっ、ちょっと大くん!?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "僕は、あま姉の乳首に手を伸ばして指で転がしていた。\n固くなった乳首は弾力があって気持ちいい。\n僕が軽くねじると、あま姉がお尻を震わせて悶えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んぅぅっ!もう、そういういたずら禁止!",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "だって……あま姉の乳首がおいしそうなんだもの",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そう言ってくれるのは嬉しいけど、今はあたしが大くんを気持ち良くさせるんだから",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "僕はあま姉の乳首をいじってると……気持ちよくなるんだけどなぁ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だーめ。もう、仕方ないなぁ……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉は小さな口を開けると、ぺろっとイタズラっぽく舌を出す。\nそしてそのまま、僕の亀頭に舌を這わせ始めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うわっ、くぅぅぅっ!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あま姉の熱い舌が敏感な部分を舐め上げ、背筋を強い快感が駆け抜ける。\n僕の反応に満足したのか、あま姉は笑みを浮かべてさらに舌を這わせてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ、れるっ、れろっ……やっぱりココって敏感なのね",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "うくっ、んっ……そ、そうだね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "キャンディを舐めるみたいにペロペロと先端を舐めながら、挟んだ胸でモノを擦るあま姉。\n上目遣いで僕の様子を見ながら奉仕してくる様は、すごくいやらしくて可愛い。\nこんな姿を見せられて、欲望が高まらないわけがない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "れるっ、ぺろっ……はっ、はふぅっ……ちょっと苦いけど、熱くて……濃い味がするね",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "そ、そうなんだ……くっ!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ほらほら、もっと気持ち良くしてあげるんだから。音を上げちゃだめだぞ",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉は余裕のなくなってきた僕を見て、上目遣いで挑発してくる。\nお姉さんぶってるあたりがいつものあま姉らしくて嬉しくなる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ、あふ……はふぅっ……れるっ、ぺろっ……はぁっ……大くんの味……んっ、れるっ……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉は次第に僕の方を見ず、次第に目を細めて懸命に舐め始めた。\nまるで舐めることに夢中になってるみたいに。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぺろっ、れるっ……んっ、はっ、はぁ……れるっ……れるっ、ごくんっ……んっ……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "うぅっ……あま姉、なんか随分はげしくなってきたね……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "んっ、れるっ……だって、大くんが気持ち良さそうなんだもん",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉が身悶えするように身体を震わせると、僕のモノも揺さぶられて肉欲が高められる。\n艶めかしくお尻を振る小さなバニー姿が、さらにいやらしく僕に迫ってくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ、んっ、あっ、あんっ……あたしまで、変な気分に……れるっ、んっ、んぅぅっ、れろっ、ぺろっ……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉は切なそうに太ももを擦り合わせながら、僕の亀頭に舌を這わせる。\nぴちゃぴちゃと水音を立てながら舐められて、耳でもあま姉のいやらしさを感じてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "れるっ、んちゅっ、ちゅっ、れるっ……はっ、はぁっ……大くんの、熱いの……どんどん出てくるよ",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "うっとりした表情で舌を這わせながら、あま姉がつぶやく。\n上気した頬、熱い吐息、艶めかしい胸の愛撫の全てが愛おしい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くっ、ぐぅっ……あま姉、僕そろそろ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "れるっ、ちゅっ……ほら、我慢しなくていいよ……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "で、でも……今出したらあま姉の顔にかかっちゃうじゃないか",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ほら、気にしないで……んっ、ちゅっ……あふ……んんっ……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "うわっ!あま姉、そんなに強くしごかれたらっ……!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あま姉はさらに強く胸を擦りつけて、僕をイカせようとしてくる。\nいたずらっぽい笑みに負けて、本当に解き放ってしまいそうだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "我慢しないで……気持ち良いなら、そのありのままをあたしにぶつけてくれていいから……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "うぅ、あま姉……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そんな風に言われると、あま姉に甘えたくなってしまう。\n理性でなんとか耐えようとするけど、あま姉は容赦しない。\nモノを擦りながらカリを舌で責めてきて、思わず腰を上げそうになる。\n僕は逃げることも出来ないまま、あま姉の淫らな奉仕に流されていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、だめだ……あま姉、もう……我慢できない!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "いいよ……我慢なんてしないで……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "くっ、うぅっ……で、出るっ!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "きゃっ!?んっ……熱い……大くんの……すごい熱いよ……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉は嫌な顔ひとつしないで、僕の樹液を受け止めてくれる。\n頬に、胸元に、僕の欲望が撒き散らされていく。\nあま姉は指で頬にかかった精液をすくうと、ぺろりとなめた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……すごく濃い……大くん、たっぷりだしちゃったね?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "……あま姉にかけたら悪いかなと思って、我慢してたから……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "もう、遠慮なんてすることないのに",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "白い液体にまみれながらも、優しく微笑むあま姉の姿に、僕はまた興奮してきてしまう。\nもっとあま姉を味わいたい、あま姉と一つになりたいという欲求が膨らんでいく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あはっ、また大きくなってきてる……さすがは大くん。元気いっぱいだね",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉がいやらしいのが悪いんだよ……もちろん、責任は取ってくれるよね?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あたしの責任なの?そっか……\nそれなら……仕方ないよね?あたしも、一生懸命奉仕してたら……したくなってきちゃってたし",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉はいたずらっぽく舌を出して笑う。\nさっきもじもじしてたのは、やっぱりあま姉も感じてたからなんだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ……うん。僕は、あま姉を抱きたいよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……うん、いいよ。来て、大くん",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "ちょ、ちょっとあま姉……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "こっちの方がより興奮するんじゃないかと思って",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉は机の上に座ると、大きく足を広げて僕と向かい合った。\n股間の布をずらしてアソコが見えるように指で広げる様に、僕は視線を外せなくなる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大くんて、目と身体は凄く正直よね",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "仕方ないだろ……あま姉の身体から、目を離せる訳ない",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕が戸惑っているのを、あま姉は楽しんでるみたいだった。\nいつもより大胆なあま姉に、僕の胸がどんどんと高鳴る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ほら、あたしと一緒になりたいんじゃないの?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉は僕を誘うように甘い声で問いかけてくる。\n股布をずらして見えているあま姉のアソコは、もう妖しくきらめいていた。\n僕がそこを見つめると、あま姉の柔肉がひくひくと動き出す。\n甘い香りが、僕のところにまで漂ってきて、催眠状態になってしまいそうだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃ……あま姉、入れるよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "うん、来て……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "僕はあま姉を静かに抱きしめると、勃起したモノを濡れた秘唇に押し当てる。\n熱い秘唇に亀頭が触れると、それだけで肉欲が爆発しそうになる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くっ……!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "んっ……くぅぅぅぅぅっ!",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉の中に入り始めると、ぎゅっ締まった膣が一気に僕を飲み込む。\nしっかり濡れたあま姉の中は、僕のモノに吸い付きながらぐいぐい引き込んでいく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んくっ、うぅっ……大くんの、入ってくるっ……あっ、ああ……あくぅぅぅっ!",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "うっ、くぅっ!あま姉の中……すごく締めつけてくるっ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "大くんのが大きすぎるんだよ……あっ、あんっ、あくっ、ふぁぁぁっ!",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "僕はあま姉に導かれるまま、奥へ奥へと挿入していく。\nこれ以上入らなくなったと思った頃には、僕のモノは根本まで飲み込まれていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あふ……んっ、あぅ、あ……あたしの中で、大くんのが脈打ってるのがわかるよ……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "うん……今にも出しそうなくらい、すごく気持ちいいから",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ダメだよ、まだ……もっとあたしを感じて……もっと味わってからにしてくれなきゃ",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "うん……あま姉にも、僕をたくさん感じて、もっと気持ちよくなってもらわなくちゃね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "大きく足を左右に広げて、僕を受け入れているあま姉の淫らなポーズに、僕は興奮を抑えきれない。\nあま姉の足に手を置くと、ゆっくり腰を引いていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ、あ、あっ、あぁ……くふぅっ……んっ、んぁっ……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "きゅっと締まった膣襞は、僕の動きに敏感に反応してさらに締めつけてくる。\n敏感な部分がさらに強く擦れて、あま姉は甘い声を漏らした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あふぅんっ、んっ、んぁっ……や、すごい濡れてきちゃうっ……あっ、あくぅっ……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "半分くらい引いたところで、今度は少し強めに挿入していく。\n反り返ったボクのモノがあま姉のお腹を擦り、あま姉は腰を浮かせて喘ぐ。\n僕はあま姉の腰を机に押しつけるようにのしかかり、深い挿入を楽しんでいく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くっ、うぅぅぅぅっ!それ、きっついっ……あくっ、ふぁぁぁぁぁっ!",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉の声、もっと聞かせて……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "んくっ、はっ、はっ、はふっ、んぅぅっ……大くんっ、すごいよっ、大くんのが……あたしの中で暴れてるっ……!",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉が、普段なら絶対に見せない顔で、喘ぎ声を上げる。\n快感をじっくり楽しむように目を閉じ、僕に身をゆだねてくれる。\n僕の動きとあま姉の動きが次第にシンクロしてきて、息づかいも合わさっていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あっ、あっ……あんっ、んっ……はふっ、あふっ……\nはっ、はっ、あんっ、あっ、あ……あんっ……大くん……前よりうまくなってる?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "練習なんてしてないよ。んくっ……あま姉こそ……前より、たくさん濡れてる気がするんだけど……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "股間から溢れる甘い匂いのする愛液は、僕の肉棒に絡みついてどんどん溢れてくる。\n僕が押し込む度にねちゃねちゃといやらしい音が大きくなっていってる気がしてならない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ、んぅぅっ、だってっ……大くんが、あたしの中で暴れてるんだもんっ……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "ぴんととがった乳首ににじみでた汗がまとわりつき、撫でてはすべり落ちていく。\n汗で輝くあま姉の身体がすごく魅力的に見える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "激しすぎてっ……んっ、あっ、あくっ、んんっ……おかしくなっちゃいそうだよっ……ふぁぁっ!",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "その喘ぎ声を耳にするほど僕の肉欲は猛って、もっとあま姉をかき回したくなる。\nあま姉は腕を机に置いてつっぱり、僕の突き上げを全身で受け止めようとしてくれる。\nそれでも勢いは受け止めきれなくて、机が軋んでしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はっ、はっ、はんっ、あんっ……大くんっ、大くんっ……!",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉っ、あま姉っ……!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "いいよっ、大くんっ……あっ、あんっ、大好きっ、大くん大好きっ!",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "僕もっ……くっ、あま姉が大好きだよっ!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "自分たちがどこにいるかも忘れて、互いをむさぼりあう。\n今、世界にいるのは僕とあま姉の二人だけのような、そんな風にさえ思えてきてしまう。\n荒い息づかいで喘ぎまくるあま姉に、僕は自分を抑えることが出来ない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大くんっ……はっ、はっ……我慢、しなくていいよ?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "……えっ?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あたしはっ、んっ、あんっ……大くんの辛そうな顔みたくないもんっ……\n大くんの全てを受け止めてあげるから……んっ、遠慮なせずにっ……動いてっ……んっ、あんっ!",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "幸せいっぱいの顔で、僕を包み込むように微笑んでくれる。\nまるで、僕の幸せが自分の幸せだというかのように。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ありがとう……僕は、あま姉と一緒になれて本当に幸せだよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あたしもっ……大くんと一緒になれて、んっ、んっ、あっ、あんっ、幸せ……だよっ!",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉は自ら腰を浮かせ、僕に身体を押しつけてくる。\n僕の挿入にあま姉の動きも加わって、強い摩擦が底知れぬ快感を与えてくれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くっ、うぁぁぁぁぁっ!あま姉っ、すごいっ……!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "はっ、はくぅぅぅぅっ!んっ、んぅぅっ!大くんのっ、こすれてっ、はっ、あっ、あんっ、あんっ、ああんっ!",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉の喘ぎ声のトーンがさらに上がり、僕も我慢も次第に限界が近づいてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あま姉っ、僕……もうっ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "んっ、んっ、出して……あたしの中にっ……大くんの、熱いの……欲しいのっ!",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "んっ、あま姉っ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕はありったけの力を込めてラストスパートをかける。\n昇りつめるなら、好きな人と一緒がいい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あたしもっ……はっ、はんっ!大くんと一緒がいいっ、はっ、はぅんっ、あっ、あっ、あぁっ、ふぁぁっ!",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉はもう僕の様子を見る余裕なんてないのか、必死に腰を振って甘い声を漏らし続ける。\n開いたままの口は閉じることがなく、よだれと嬌声を吐き続ける。\n僕は濡れた唇を吸い、最後の瞬間に向けてあま姉を味わい続けた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ、ちゅっ、ちゅっ、ちゅくっ……ぷはっ、はっ、はっ、はぁっ、はぁっ……\n大くんのキス……頭の中、とろけそう……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "僕もだよ……あま姉",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "また唇を重ねて舌を絡めていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぷはっ、あっ、んっ、んぅぅっ……ちゅっ、ちゅっ……大くんっ、大くんっ、大くんっ!",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉……あま姉っ……あまねえぇっ!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕たちは互いの名を呼びながら、頂点へと向かって昇りつめていく。\n呼吸も、心臓の音さえもシンクロしてしまったような気分。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大くんっ、あたしっ……もうっ!出してっ、あたしの中に出してぇぇぇぇっ!",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉っ、僕の全てを受け止めてっ!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "くっ、あっ、あっ……くるっ、くるっ、あっ、はっ、はぁっ、はぁっ、あ……あぁぁぁぁぁぁぁっ!",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "僕が力を込めてあま姉を貫いた瞬間、あま姉も今までで一番背中をそらして僕のモノを締めつけた。\n限界を超えた欲望は射精となっていっきに解き放たれ、至上の快感となって広がっていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あっ、出てるっ!大くんのっ、あたしの中にっ……\nイっ、ああっ!うっ、くぅぅっ、うぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "無限に繰り返されるんじゃないかと思う快感の連続に、僕はあま姉を抱きしめたまま倒れこむ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふぁっ、はっ、はっ……はぁっ……あ……あぁ……っ",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "はっ、はぁっ、はぁっ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "二人とも肩で息をしていてすぐに言葉が出せなかった。\n全身を包み込むのは、満足感と心地よい疲労感。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はっ、はっ、はぁっ……す、すごいよ……大くん",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "う、うん……あま姉に……すごい気持ち良くて……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "はぁっ、はぁっ……なに、言ってるの……あたしこそ大くんに……何度も……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉が微笑んだ瞬間、繋がったままの僕のモノがきゅっと締めつけられて、また少しイッてしまった。\nどろりと僕の吐き出した精液があま姉からこぼれて、床へと落ちていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あは……また出しちゃったね",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "だって、あま姉がしめつけるんだもの",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だって……大くんが気持ちよすぎるんだもん",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉の上目遣いが、まるで兄に甘えてくる妹のように見えてくる。\nこんなあま姉も可愛いな。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ、あぁ……っ!",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "僕のモノがあま姉の中でビクンと跳ね、あま姉はまた小さく震え上がった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、もしかしてまたイッた?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "うぅ……だって、大くんがあたしの中であばれるんだもん",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "それじゃ、おあいこだね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……そうね。おあいこね",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "僕たちはどちらからともなく笑いあう。\nそして、自然と惹かれ合うように顔を近づけて口づけを交わす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ……ちゅっ、れるっ、ぺろっ、ちゅっ……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉……まだ大丈夫?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "もう……大くんってばエッチなんだから",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "だって、あま姉が可愛すぎるんだもん",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そんなにがっついてると、すぐに飽きちゃうわよ?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "大丈夫だよ。あま姉の可愛いところは、僕がいくらでも見つけ出すから",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……っ!?もうっ、大くんってば卑怯なんだから",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "そうは言いつつも、あま姉は嬉しそうに微笑む。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、そういうところも……好きよ",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "今度はあま姉が唇を吸ってくる。\n僕たちはこれからも、こうして肌を重ね合わせたりしながらお互いを知っていくんだろう。\nいつまでも……いつまでも。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"大地",
"天音"
] | 01_StellarTheater | C06_09_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "お待たせ、あま姉!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "候補試験も落ち着いてしばらくした後の日曜日。\n僕はあま姉と二人一緒で、とある場所へと向かう相談をしていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大くんっ!",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "初デートの時に買った、あま姉の服。\nこうして見ると、改めて似合っていると思えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん、凄く似合ってるよ、あま姉",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そう?ふふっ、そう言ってくれると凄く嬉しいかな",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "笑顔のあま姉が、くるりと回ってみせる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "この服も、せっかく大くんにプレゼントして貰って……やっとお披露目だもんね",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "まぁ、あの後はホントにドタバタしちゃったから",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "終わった今だからこそ、笑顔で思い出せる。\nけれど……あるいはこんな関係が続いていなかった可能性もあると思うと、少し怖い。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、だからこそこうして強い絆も生まれたんだよね?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "そう微笑むあま姉の頬に、軽くキスをする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もちろんだよ、あま姉\nさっ、行こうか?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ええっ、大くん",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉の案内に従って、切符を購入する。\n今はまだ、あま姉だけが知る場所へと。\n少し肌寒さも増す季節。\nそれでも今日は日差しのおかげか過ごしやすく感じる。\nそして、あま姉の案内で僕は『藤崎大地』くんへの挨拶へと来ていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大地……改めて紹介するね。この人が……お姉ちゃんの大切な人\n橘大地さん……通称は大くん",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "はじめまして。あま姉……お姉ちゃんとお付き合いしている、橘大地です\nよろしく、大地くん",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "自分と同じ名前の、あま姉の弟。\n今回のことが無ければ多分、知らずにいたままだった大地くんに、僕はきちんと挨拶がしたかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "凄く色んなことがあって……でも、ようやくあま姉とはちゃんと付き合うことが出来るようになりました",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "話しかける言葉は、どうしても敬語になってしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ふふっ、ちょっと頼りなく見えるかもしれないけど、素敵な人なんだよ?大くんは",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "これからも、いろいろあるかもしれないけれど……僕はあま姉とずっと一緒に、楽しんで生きて行こうと思ってる",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だから大地も……一緒に、見守ってくれるかな?お姉ちゃんと大くんを",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "その時、一瞬だけ爽やかに風が駆け抜けた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ふふっ、なんだか認めてくれた感じかな?\nありがとう、大地",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉は、目の前にいない大地くんに優しく微笑みかける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃ、また。大地くん",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……ありがとうね、大くん\nこうして、大地にも会いに来てくれて……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "なに言ってるのさ、僕は今後もずっとあま姉と一緒に生きるんだから。これくらいは当然でしょ?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……うん。これからも宜しくね、大くん",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "こちらこそ、あま姉",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そうして繋ぐ手が、この先もずっと離れないように。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"大地",
"天音"
] | 01_StellarTheater | C_EP_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "休み時間、気晴らしに廊下に出たところで、丁度その少女の姿を見つけた。\nこの階で見るなんて珍しいな。通り過ぎようとしてたってことは、僕らに用があるわけでもなさそうだし。\nでもとりあえず挨拶くらいはしておこうかな。僕は前を歩く少女の背中に、声をかけた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "輝夜",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "あれ?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "聞こえなかったのかな?なら今度は直接。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "輝夜",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "今度は、名前を呼びつつその肩を叩いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え……あ、大地先輩",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "さすがに今度は気付いてくれたらしい。振り返ると、いつもの笑顔を見せてくれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なんかぼんやりしてるけど、どうかした?そんなんじゃあ、初めてあった電車の時みたいに、その胸また掴んじゃうぞ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あ、はい、どうぞ",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "……はい?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "え……あ、きゃあっ。だ、だめですよ、もう。大地先輩、えっちなんですから",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "いや、えっちなのは否定しないんだけど、僕としても、まさか『どうぞ』って返されるは思わなかった",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あ……す、すみません。ちょっとぼんやりしてて。あの……触っちゃだめですよ……?",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "……しまった。返された瞬間にすぐ触れば許可有りだったのにっ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "一瞬でも怯んでしまった僕のバカ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そこでちゃんと止まってくれるところが、大地先輩の素敵なところです",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "甲斐性無しと言われてるのと同意義に思えてしまうのは気のせいでしょうか。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも大地先輩、どうかされたんですか?ここ一年生の階ですけど",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "いや、ここ僕らの学年の階",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "はい?",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "ほら、そこ。2ーAって書いてあるでしょ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あ……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "輝夜は目の前にその文字を見つけると、慌ててきょろきょろと周りを見回した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "本当です……すみません、階を間違えてたみたいで",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "そして、恥ずかしそうに顔を赤らめる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "珍しいね、輝夜がこんな間違い",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ちょっとぼんやりしちゃってました。すみません、戻ります",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "うん、気をつけて",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "はい、ありがとうございます。それじゃあ",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "ぺこりと会釈を残して階段へと向かう輝夜。なんだろう。その後ろ姿はいつもより細く見えた。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"輝夜",
"大地"
] | 01_StellarTheater | D04_01_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "それじゃあ、お疲れさまでした、大地先輩。ゆっくり休んで下さいね",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "今日もまた一日が終わった。さすがに時期が時期なので、捜査の方も少し早めに打ち切り、明日以降に備える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お疲れ。輝夜こそ早めに寝るんだぞ……って、ごめん。これからまだ衣装の製作があるんだっけ。大変だなあ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "いえ。大地先輩とみなさんのおかげで一気に進みましたから、全然楽になりました。明日の夜にはなんとか出来上がりそうです",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "うん、ならよかった\nでも、クラスのみんなのためとはいえ、それだけ大変な仕事を嫌な顔一つしないで引き受けて、しかもこなそうとしてたんだからなあ。なんの褒美もないのに",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "それでみなさんに喜んでもらえるんです。素晴らしいご褒美ですよ",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "少しも裏を感じさせない、純粋無垢な眩しい笑顔。こんなことを言ってもそれが似合ってしまうんだから、輝夜って凄いよなあ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "輝夜は本当にいい子だよね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そんな子犬みたいな輝夜に、思わず手が伸びる。そしてその小さな頭を、ペットを可愛がるみたいに撫でていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "と、ごめん。つい",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "輝夜の口からもれた驚くような声に、僕は慌てて手を離す。だけど輝夜は、それを名残惜しむように小さく首を左右に振った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "い、いえ、別に嫌なわけじゃないんです。むしろ逆なくらいで……\n昔、よくお父さんも同じように頭を撫でてくれたのを思い出して……\n大地先輩の手、あの時のお父さんの手の感触にそっくりです……\nあの、もしよかったら、もっと……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "まるでその時のことを思い出してるみたいに、嬉しそうに微笑む輝夜。周囲の空気が、いきなり温かみを増した感じがした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ、お言葉に甘えて",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "艶やかな黒髪は柔らかくて、撫でているだけでも気持ちいい。\n本心からの輝夜の微笑みに、僕も自然と嬉しくなってくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大地先輩……\n今回の試験、出会えたのが大地先輩で良かった……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "僕も、候補生の一人が輝夜でよかったよ\n候補試験の手伝いなんてどうなるかって思ってたけど、輝夜に出会えて、こうして仲良くなれたっていうだけでも、充分見返りあったかな\n手伝ってよかったよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "はい。これからも試験のお手伝い、よろしくお願いします。大地先輩とだったら、私、もっと頑張っていけると思うんです",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "輝夜も、星亜みたいに十二星座を本気で目指してるの?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "私としては、星座になれるのなら十二星座まではいけなくても、って思っちゃってます\nただ、候補試験に選ばれたというだけでも光栄なことですし、選ばれた以上は頑張らないと、他の星座のみなさんに失礼ですから",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "確かにね。星座は、努力だけじゃあどうにもならないって聞くし。選ばれたからには頑張らないと\nただ、倒れるほどっていうのはだめだぞ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "はい。いつも大地先輩がいてくださるわけじゃありませんから",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "うん。それじゃあ、今日もあと少し頑張って",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "さすがにこれ以上引き留めちゃわるいしね。僕は触り心地最高の輝夜の頭から手を離すと、そう激励した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あの、大地先輩……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "ん?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "で、できればその……もう少し……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "……甘えん坊だよね、輝夜って",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "す、すみません……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "でも、可愛いから撫でちゃう",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "はうぅ……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "……これ、クセになったらどうしよう……。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"輝夜",
"大地"
] | 01_StellarTheater | D04_12_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "人の姿もまばらなプールを改めて見回した。\n他のみんなは既に解散し、それぞれ思い思いの場所で楽しんでいる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大地先輩は泳がないんですか?",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "いや、どの辺がいいかなあって見てただけだよ。すぐに……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ただ一人残っていた輝夜が、無垢な笑顔で尋ねてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……泳ぐ……さ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "大地先輩?",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "い、いえ、その……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "分かってはいましたが、やっぱり凄いなあ、輝夜のプロポーション。あの胸で、あの腰で、あの尻で、あの足ですかっ。\n……一瞬空を捜しそうになってしまったけど、やめよう。あまりに酷すぎる……。\nでも、みんなの前ではまだしも、いざ二人になって見てみると思い切り意識しちゃうなあ。\n輝夜って素直でみんなに優しいから、つい自分に好意があるんじゃないかって勘違いしちゃうんだよね……。\nにしても……この顔にこのプロポーションなんだから、神様ってよく分かってるなあ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "すいててよかったですね。これならしっかり息抜きにもなりそうです",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "輝夜は、そんな僕の邪な考えなんて少しも気付いた素振りを見せず、眩い笑顔で話しかけてくる。\nなんというか、僕は今、心の底から空いててよかったなあって思いました。\nこれ、他の男に見せたくないです。\nこの容姿に、このプロポーション。男からすれば視線を釘付けにされて当たり前だろうけど、やっぱり腹立たしい。\n別に彼氏でもなんでもない僕が言えることじゃないのは分かってるんだけれど、それでもやっぱり、なんかやだ……。\nとはいえ、僕自身は心の底から見たいし、これが男の独占欲っていうものなのかなあ。\n実際、僕が他の男の立場だったら、やっぱり見ちゃうだろうし。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、うん……本当によかった……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "このプロポーションを、他の男に見られなくて……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あの、大地先輩?さっきからソワソワしてますけど、どうかしましたか?",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "いやその……目のやり場に困ってます\nずっと見ていたいんだけれど、見てると怒られそうな気もするし……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あ……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "輝夜は僕の説明にようやく状況を理解したらしく、顔を赤らめると両腕で恥ずかしそうに身体を隠す。\nだけど、ちょっとだけ考えると、その両腕をそっと開いた。\n白い水着に包まれた輝夜の魅惑的な身体が、再び僕へと向かって晒される。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あの、この水着、ど、どうでしょうか……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "上目遣いで、尋ねてくる輝夜に対し、答えは当然一つしかない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、うん。凄いよく似合ってる",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "よかった……大地先輩に喜んでいただけるなら、選んだ甲斐がありました\nその、もしよかったら……一緒に泳ぎませんか……?",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "ぼ、僕でいいなら、喜んで……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "はい。ぜひに",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "ちょっと赤く染まった顔に浮かぶ、輝夜の恥じらった笑顔。\nここで質問です。僕は今日、プールの中から出ることができますでしょうか。\n正直、自信がありません……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふう",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕は、プールサイドへと上がると、そこに腰掛け一息ついた。\nさすがは全身運動。三十分ほど泳ぎ続けていただけでもうヘトヘトです。いやあ、普段の運動不足がよく分かるなあ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "輝夜は大丈夫なのかな",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "星座候補生として、それなりの訓練はしてるらしいし、運動系は得意じゃないって言ってたけど、それでもまあ僕よりは……。\nそんな風に考えながら輝夜を捜してプールを見回してみる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あれ、いない?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "改めてもう一度。\n華麗に泳ぐ輝夜の姿を求めてプールを見回す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大地先輩",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "が、いきなり下から呼びかけられ、僕は慌てて俯いた。\nそこに、笑顔があった。\n水に濡れて、キラキラと輝くような笑顔が。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お疲れですか?休憩でしたら、一緒に休ませて下さい",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "はしごを使って、プールの中から上がってこようとしている輝夜。下から僕を見上げるその構図に、やっぱり視線がいってしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いやー、この角度から見るとやっぱり凄いよね。輝夜",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "何がですか?",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "いや、それはもちろん、そのおっきなの",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あ……\nや、やっぱりその、気になります、か?",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "それはまあ、つい視線が引き寄せられてしまうくらいに……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "いえ、あの、そういうことではなくて……大地先輩、もう少し細めの方が好みなのかなって……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "あっはっは、何をおっしゃいますか輝夜さん。僕は大でも小でも、どっちでもいけます!\n空くらいのだって、あれはあれでいい!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "な、なんていいますか……コメントに困ります……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "でも、その……輝夜の見ちゃうと、そのインパクトにどうしても圧倒されちゃうけどね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……私、今初めてよかったって思ってます",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "え、何が?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あの……胸が、育ってくれて……\nその、他の女性の皆さんには怒られてしまいそうなんですけど……私、胸の大きさとか気にしたことなくて……むしろ注目されることが多くてイヤだったんです……\nでも、大地先輩が気にして下さったなら……この胸が理由になってくれるなら……よかったです\nあの、大地先輩……\n学園祭のお礼、させてもらっていいですか……?",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "いや、お礼なんて本当にいいんだけどなあ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "いえ、私が大地先輩にしたいんです",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "ここまで言ってもらって断ったら、そっちの方が失礼だよね。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "分かった。せっかくの輝夜からのお礼だしね、受け取らせてもらうよ\nただ、そんな凄いものじゃなくていいから",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "はい。あ、でもすみません。その前に、こっそりお伝えしておきたいことがあるので、屈んでもらえますか",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "あ、うん",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そう言って屈んだ次の瞬間、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "っ!?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "柔らかな物体が、僕の唇に重ねられた。\nプールの中にいたせいか冷んやりとしたその感触は、それでもすぐに熱くなる。\n紛れもない、輝夜の唇が、今僕の唇に触れている。\n輝夜が、僕に、キスをしている。\nそして、ほんの数秒後、その感触は無くなった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……私からの、精一杯のお礼です……\n私の、ファーストキス……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "いたずらの見つかった子供みたいに、恥ずかしそうに微笑んでいる輝夜。そんな輝夜を見て、僕は何も言葉が出てこない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "すみません。大地先輩のキス、奪ってしまいました",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "い、いやいやいやいや!む、むしろ奪ったのは僕になるんじゃ!?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "いえ、したのは私の方からですから",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "だ、だって、ファースト……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "はい。でも、それは気にしないで下さい。私が、お礼として大地先輩に捧げたかったんです\n大地先輩に受け取ってほしかったんです",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "でも、女の子にとって、大切なものじゃあ……そりゃあ、僕からすれば嬉しいなんてもんじゃないけど……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "いいんです。大地先輩にって、そう決めたんですから。喜んでもらえたなら、よかった\nで、でも、やっぱり恥ずかしいですね",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "輝夜は真っ赤な顔で言うと、大慌てでプールから出た。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "す、すみません、大地先輩っ。私、向こうで休んできますっ",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "そして、逃げるように去っていってしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……い、いや、そりゃ逃げるよねえ……\n輝夜と、キス……しちゃったんだ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕は唇に残った感触を味わうように、ただその場に立ち尽くしていた。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"輝夜",
"大地"
] | 01_StellarTheater | D04_25_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "輝夜、いる?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そう言って、大地が部屋へと入ってくる。輝夜は、震える自分の身体を落ち着かせようと深呼吸を繰り返す。\nホロスコープツリーに気付いてくれるだろうか。気付いてくれたとして、どんな答えを返されるだろうか。\n恐かった。恐くてたまらなかった。覚悟はしていたはずなのに、いざ大地を迎えてみると、そんなものはどこかに吹き飛んでしまった。\n本当なら、正面からしっかりと自分の想いを伝えたかったけれど、どうしてもできなかった。大地の前に立つ自分を思い浮かべるだけで、震えてしまい、声がつまる。\nだから、こんな手段を使った。それでも、自分の想いを伝えるという行為からは逃げたくなかった。\nこんなクローゼットの中に隠れてでも、せめてその場面、その瞬間に、この場所にいたかった。\nぎゅっと、強く目を閉じながら、ただ黙って大地が自分の想いを見つけてくれることを祈る。\n恐い。\n異性に対するこんな感情は初めてだ。憧れのようなものなら二度目。だけどあれは、相手が誰かも分からない、本当にただの憧れ。\nだけど、今のこの想いは明らかに違う。まるで自分のすべてを凝縮したかのような熱くて大きな何か。このまま閉じ込めていたら、どうにかなってしまいそうに激しい何か。\nもし断られたら、この想いを拒否されてしまったら、自分はどうなってしまうんだろう。それが恐い。\n重荷になるなら忘れても構わない。そんなことを言いもしたけれど、もちろん嘘だ。忘れてなんてほしくない。できることなら自分の想いが届いてほしい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うーん。他の男子ならともかく、僕の言うこのセリフに反応がないっていうことは、やっぱり本当にいないんだなあ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "大地は自分に気付いていない。当然、このままホロスコープに気付かずに帰ってしまう可能性も充分にある。\n輝夜は天に祈るような気持ちで待つ。大地が気付いてくれることを。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大地先輩……っ",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "心の中でそう叫んだ瞬間、クローゼットの隙間から、部屋の明かりとは違う白い光が差し込んでくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大地先輩、気付いてくれるかな……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "間違いない。自分の声だ。これから行う告白の前に、不安になって呟いてしまった言葉。大地は気付いてくれた。輝夜の中に、嬉しさがこみあげてくる。\nだけども、これからだ。どんなに気付いてもらえたとしても、想いが届かなければ、それはなんの意味もない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大地先輩、いえっ、橘大地さん!\n……好き、です……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "扉の向こうで行われた告白。心臓の鼓動が一際高く、早く響く。耳の奥で、ドキドキと痛いほどに鳴り響いている。\n大地は、なんと返してくれるだろうか。やっぱり重荷として忘れられてしまうだろうか。頭の中が真っ白になり、もう何も考えられない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "僕の答えなんて、決まってるのに",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "扉の向こうから、そんな声が聞こえた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え……っ?",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "その言葉に思わず身体が反応する。心の中で声をあげる。\n大地の答え。それがどちらを意味しているのか。聞きたい。けれど聞くのが恐い。\nもし『ノー』だとしたら、自分はどんな顔を浮かべることができるだろう。どんな言葉を返すことができるだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "輝夜、見つけた",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "きゃんっ",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "唐突にクローゼットの扉が開いた。部屋の明かりが背中からクローゼットの中を照らし出す。\nそして、今一番会いたくて、一番会うのが恐い人の声。\n予想外の展開に、輝夜は驚きで凍り付いていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "輝夜、見つけた",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そこに、思った通りの人がいた。\n暗いクローゼットの中、小さくうずくまりながら、そこにいた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃんっ",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "見つかるなんて思っていなかったんだろう。純粋な驚きの声が、輝夜の口からこぼれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えっ、ええ!?\n大地先輩!?なんでここが!?",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "そうだよね。大切な想いを伝えるのに、輝夜がそれを映像任せにするわけがないよね\n懸命に勇気を振り絞って、その想いを伝えようとしてるのに、輝夜がその行為から逃げ出しちゃうわけがない\nちゃんと、ここにいたんだ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あ……\n……あの、す、すみません……私、今……大地先輩の顔、恥ずかしくて見られない……\n分かってはいるんです。こんな方法に頼るなんて、ずるいんだっていうこと……\nだ、だけど私、こんな気持ちになったのも、その気持ちを伝えるのも全部初めてで、ど、どうしても言えなくて……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "いや、分かる気がするよ\n自分の気持ちを伝えるのって、凄い難しいし、勇気のいることで\nしかもそれが、恋愛感情ならなおさらだよね。\nだから、この一度で聞かせてほしい",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "え……あ、あの、それってどういう……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "昔から思ってたんだ。こういう時は、男の方から言うべきだって\nそれも、ちゃんと正面から勇気を出して、って\nだから、ごめん。輝夜の振り絞った勇気、無駄にしちゃうかもしれないけど、改めて僕から申し込むよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だ、大地先輩……?",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "好きだ。僕の一番大切な人に、恋人に、なってくれないかな",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あ……\nは、はい……\nはい、よ、よろこんで!",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "ポロポロと、その瞳から涙の雫がこぼれ落ちていくのが分かる。\nそれは決して悲しい涙じゃないって、嬉し涙だって分かるから、僕も嬉しくなる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "私……私を、大地先輩の恋人にしてくださいっ",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "はは、いいのかな。輝夜みたいないい子をさ、僕みたいないいかげんな男がもらって\nなんか、夢みたいだ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "夢なんかじゃありません。それに、大地先輩は、いいかげんな人でもありません\n私は、大地先輩でないといやです",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "うん。僕も輝夜がいい\nありがとう、僕を選んでくれて",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "私だって。どうしたらいいんでしょう。今、嬉しすぎて、胸のドキドキが止まってくれません\n顔が火照って、でも笑ってしまって、恥ずかしくて大地先輩に見せられないんです\n大地先輩の顔が、今たまらなく見たいのに、なのに恥ずかしくて見られないんです。こんな嬉しい辛さ初めてです",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "僕だって、今もう顔がニヤケちゃってさ、大変なことになってる。だけど僕は、真っ赤になってる輝夜見たいな\n輝夜の可愛い顔を、見せてほしい",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だ、だめですよぉ。本当に、本当に今だらしない顔なんです",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "輝夜の顔で、僕が嫌になる表情なんて絶対ない。僕は輝夜の身体を後ろから抱えるように持つと、そのまま立ち上がらせる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "き、きゃあんっ。だ、大地先輩?",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "ほら、笑ってる輝夜はこんなに可愛いし\nそれに、僕が理由で笑ってくれるなら嬉しいから、もっともっと見せてよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……は、はい。は、恥ずかしいですけれど、大地先輩がそう望んで下さるんでしたら……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "そうはにかむ輝夜の笑顔は、どんな宝石でもくすんでしまうような、そんな輝きを持っていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でもさあ、最初に呼びかけた時に、よく出てこなかったよね。タンスの中、漁られてたかも知れないよ?\nなんといっても、僕なんだから",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "逆ですよ\nむしろ、大地先輩ですから大丈夫だって思ったんです\nそれに、あの……\n少しくらい見られてしまったも、だ、大地先輩にでしたら……ガマンできるかな、って……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "……輝夜って、本っ当に可愛いよね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "え……あ、ありがとうございます……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "この誰よりも素直で優しくて可愛い女の子を、僕は絶対に手放さない。\nこの笑顔を、絶対壊さない。\n僕は今、自分自身に誓った。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"輝夜",
"大地"
] | 01_StellarTheater | D04_32_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "……本当に、肝心なところで鈍くなるんだよな、僕は……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "消えていく映像を見ながら、僕は自分にほとほと呆れ果てる。\nあんな家族の姿を見させられて、輝夜が気にしないでいられるわけないじゃないか。\n輝夜の元気が無かったのは疲れたからとかそんな理由じゃなくて、家族との時間を思い出してしまったから。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "迂闊すぎるだろう、僕は",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "それを僕の前で見せてしまわないように、必死で堪えてたんだろうな……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……行こう。輝夜の所へ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕は公園へと向かって、真っ直ぐに駈けだした。\n家族連れの姿も、呑気に休んでいるおじさん達の姿も、カップルで笑い合う若者達の姿も、もうそこにはなかった。\nすっかり陽も沈みきった時間。そこは昼間とは違い、ただ寂しげな空気だけが広がっている。\n僕はその静かな空気を崩すことのないよう、そっと奥へと向かって歩いていく。\n公園の中心。最も開けた場所。\nそして思った通り、そこに輝夜の姿はあった。\nベンチに座り、黙って夜空を眺めている。まるで、そこに浮かぶ星々と会話でもしているみたいに。\n僕はそっと輝夜のもとへと向かうと、その隣に腰を降ろした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "若い女の子の夜遊びは関心しないよ。特に輝夜くらいに可愛い子はなおさら",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だ、大地先輩!?なんで……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "いきなり現われた僕に、輝夜は跳び上がりそうなくらいの驚きを見せる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いやあ、これでも輝夜の彼氏さんですから。輝夜がちょっと元気ないなあと思えば、元気づけるために参上するわけですよ、これが\nまあ、だからといって、何ができるかっていえば、こうやって隣にいることくらいだけなんだけどね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "本当ならこういう時、気の利いたセリフの一つくらいかけてあげられないといけないんだと思う。だけど僕には、何を言ってあげればいいのか分からなかった。\n何を言っても、すべてが中身のないその場しのぎの言葉になりそうで。\nだったら、せめて一人きりになってしまわないよう、その隣にいたいと思う。\n輝夜は、そんな僕をしばらくの間、キョトンと見つめて、\nそして、おかしそうにクスと笑った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "私は、やっぱり幸せですね。大地先輩の彼女になれたんですから\n隣にいてくれるだけで充分です。それだけで、あんなに隙間の空いていたこの胸が、とっても温かくなっちゃいました\n昔の私なら、きっと寂しいのを必死になって堪えて、一晩中こうしてお話をして……それでも隙間は埋まってくれなくて……やっぱり寂しいまま帰っていたはずですから",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "……死んだ人は夜空の星になって、ずっと見守っていてくれるんだよね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "はい。もちろん、そんなの迷信だってことくらい分かってるんですけど……\nそれでも、こうやって話しかければ、みんなに届くんじゃないかって、そう思ってしまって……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "迷信だっていいんじゃないかな。こうして見上げてるとさ、本当に届くんじゃないかって気がしてくるよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "見上げた夜空は広く、どこまででも広がっている。昔の人達は、この夜空にどんな想いを重ねて、そんな話を考えたんだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……大地先輩は、星座の持つ力について知っていますか?",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "……多少なら",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "星座後からに完全に目覚めたものは、その身体能力の強化と肉体の成長の停止以外に、常識外の特別な力を一つ得ます\n陽夏さんの、あらゆるものを破壊する力や、七星さんの予知能力のような\nそしてその力は、心が引き出すんだそうです。心の奥の奥、本当に一番深い所で、今この力が欲しい!と念じた時、その願った力が手に入るとか",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "輝夜はそこまで言うと、少しためらい、けれどやっぱり先を言う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……大地先輩は、人を生き返らせる力なんて存在すると思いますか?",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "願う力が手に入るというなら、そんな力だって存在してもおかしくない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……それが、輝夜の欲しい力?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……分かりません。人の生死を自由にできる力なんて、持ってしまっていいものか\nですが、もしあるというなら、手に入れたいとも思ってしまいます",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "大切な人を失った経験のある人達なら、それはきっと誰もが望む力なんだと思う。\nもしそんな力があったなら、どれだけ多くの人達が救われるんだろう。\nだけど、そんな力はやっぱり……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "本当に失われてしまったものを取り返す力……あるといいよね\nでも、たとえ輝夜がその力を手に入れたとしても、僕の家族は生き返らない",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "え……あの、それってどういう……\n大地先輩のご両親は、まだご存命、ですよね……?",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "僕の言葉に、輝夜は思わず首を傾げた。僕は少し考えて、だけど、その全部を話すことにする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こんな話、聞きたくないかもしれない。だけどそれでも聞いてほしい。やっぱり、輝夜には全部知っていてほしいから\n五年前、この街で起こった火災事故、知ってる?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……はい。開店したばかりのショッピングモールで起こった……\n当時の私は、この茜橋の近くに住んでいたので……よく覚えています",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "輝夜の顔が、痛ましいものに変わる。まるでその時の情景を思いだそうとするみたいに。\nこの近くに住んでいたっていうのなら、当時の状況も分かっているんだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "僕はね、あの事故の被害者の一人なんだ。それも、他の人とは違って、ちょっと特別な",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "え……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "あの日、僕はこの街で、久しぶりに空と再会する約束をしてた。オープンしたばかりのモールを案内してやろうと思って、そこを待ち合わせ場所に選んで……\nそして、事故に巻き込まれた",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そんな……あの、それじゃあ火傷とか……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "心配そうな顔を向ける輝夜に、僕は小さく首を振る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "幸いね、ケガはほとんど無かったんだ、僕は。だけど、代わりに別のものを失った",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕はそこで、あえて言葉を切った。輝夜も、その先が重要なんだって分かってくれたのか、黙ったまま僕の顔を見つめ続ける。\n僕はそんな輝夜の顔を見ながら、その先を言葉にした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "記憶をね、失った",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "記憶?あの、それってどういう……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "言葉の通りだよ。生まれてから、あの火災事故に巻き込まれるまでの記憶が、綺麗に何一つ残らず、消えていた\n思い出だけじゃない。僕が生きている間に積み重ねてきたあらゆる知識や経験。そういったものまでがすべて消えていた。ただの人形みたいになった",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そん、な……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "ようやくそれがどういうことなのか理解できたのか、輝夜の顔が青ざめる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "その時だよ、空が星座の力に目ざめたのは\n僕を救うために、僕を救える力を願って、そして救ってくれた。まあ、具体的にそれがどういう力かまではよく知らないんだけれどね\n僕は子供の頃からずっと空と一緒にいたから、僕達の記憶は共有できる部分も多かった\n空は、そんな自分の記憶から僕の擬似的な記憶を作り出して、それを僕にコピーした……らしい\nまあ、それ以外の部分はさ、あま姉とか皐月とかアニキとか、父さん母さんから色々と教えてもらって新しく覚えた\nだから、ないんだ。僕の中には、僕自身が積み重ねた記憶がない。五年前からの僕しかいない\n空やみんなとの思い出も、家族のことすらも、全部他の人からもらったものばかり\nもちろん、みんなに感謝してる。特に空があの時いなかったら、僕は今、きっとこうしていないしね\nだけど、僕自身が感じて、僕自身が積み重ねてきた気持ちとか思い出とかは全部消えてしまった。僕の中にいたすべての人が、あの時死んでしまった……\n今、僕の中にいる人達は、昔の僕が知っていた人達とは、きっと別人なんだよ。あくまでも、今の僕が知っている人達なんだ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "この五年間で新たに関係を築けた人はいい。だけど、この五年で会えなかった人達のことを、僕は伝聞でしか知らない。\n昔の僕は、そんな人達をどういう風に見ていたんだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "悲しいことだし残念なことだけど……消えてしまった記憶は戻ってこないし、仮に戻ってきたって、もう過去の僕には戻れない",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "記憶を取り戻したい、とは思わないんですか?",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "前はさ、どうにかして取り戻せないか、なんて考えてたこともあったよ。だけど、今はもうこのままでいいと思ってる\n僕は、今の僕の知っているみんなを大切にしていきたいから。失ってしまった過去じゃなくて、今ここにある現在と、これからをね\n当然、僕の知ってる悲しさと、輝夜の抱いてる悲しさは違うと思うし、輝夜の方が絶対に重いのも分かってる。だから、僕が言っていいことじゃないのかもしれない\nだけど、それでもあえて言うなら……消えてしまったものは、もう取り戻せない\n取り戻せないから、大切にできるんだと思う……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "でも悲しいかな。僕達は全然未熟だから、そんな重要なことに気付くのは、いつもそれを失った時なんだ。\n無くして、もう取り戻せなくなってから、初めて気付くんだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……そう、ですよね。完全に失ってしまったものを取り返すことなんて、もう誰にもできないのかもしれません。いえ、多分できないんです",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "輝夜だって、そんなことは当然分かっていたんだと思う。輝夜も、失ってしまった人なんだから。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だけど、完全でなくてもいい……もしまた、会うことができるなら……\nただ優しく笑ってくれて、あの温かい手で、私を撫でてくれるなら……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "ただそれでも、手を伸ばしたくなる。届いてほしいと願うことがある。\nそこに、もしかしたらと思ってしまう希望があれば、期待を抱いてしまう。\n星座という、人を越えた力があるから。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "輝夜",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕は、その小さな頭を、優しく撫でた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "代わりになれるなんておこがましいことは言わない。誰だって、他人の代わりになんてなれっこないんだから\nだけど、もし僕でもいいなら、僕の手をほんの少しでも温かいって感じてくれるなら、僕はいつでもこうして輝夜を撫でるよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "空いてしまった胸の穴。そこに同じピースをはめることはできないけれど、僕の、橘大地っていうピースをはめることならできるから。\nその穴に僕をはめることで輝夜が少しでも笑ってくれるなら、僕はいくらでも輝夜と一緒にいる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……大地先輩の手も、充分温かいです。それに、優しい……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "僕の手に、そう言って微笑んでくれる輝夜。その笑顔は、僕を支えにしてくれる証みたいでただ嬉しい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、やっぱり大地先輩だったんですね……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "やっぱり?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "いえ、なんでもありません\nただ、今こうして私の隣にいてくれる人が大地先輩で、本当によかったなって、改めて噛みしめてるところです",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "本当に嬉しそうに、僕に撫でられ続ける輝夜。その顔が見ていたくて、思わず撫で続けてしまう。\nとはいえ、このままずっとここにいるわけにもいかないし、風邪を引く前に戻るとしよう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "よーし。それじゃあ今夜はここまで",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……もうお終いですか……?",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "今日はね。このままだと風邪引きそうだし\n明日からだって、望んでくれればいくらでも撫でてあげるよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ちょっと残念ですけど、分かりました。その代わり、明日もたっくさん撫でて下さいね",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "お望みのままに",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "どちらからでもなく僕らは手を握り合うと、公園の出口へと向かって歩き始める。\n夕方に別れた時のような寂しさは、今の輝夜からは感じない。\n気持ちのいい月明かりを浴びながら、僕らは夜の街を歩いていった。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"輝夜",
"大地"
] | 01_StellarTheater | D05_06_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "ごめん、ちょっと遅れた",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "家から全力疾走で駅まで走り抜ける。約束の時間から遅れること、約三分。やっぱり無理だったかあ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いえ、たった三分ですから。私はむしろ、間に合わせるために必死で走ってきてくれた大地先輩の気持が嬉しいです\nこんなに汗をかいて……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "輝夜はポケットから、かわいらしい花の柄のハンカチを取り出すと、汚れるのも構わず僕の汗を拭いてくれる。\nハンカチから漂う清潔な石けんの香りが、輝夜の香りみたいでドキドキしてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いや、すぐに引くから大丈夫だよ。それにハンカチ汚れるし",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "いえ、大地先輩の汗ですから。それに、私を待たせないためにって頑張ってくれた結果です。汚れるだとか、そんなの気にしないで下さい\nむしろ、こうして大地先輩のお役に立てるのが、凄く嬉しいんです",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "恥じらいながらも嬉しそうに微笑みつつ、僕の顔の汗を拭ってくれる輝夜。恥ずかしさよりも嬉しさの方に天秤が傾き、僕は素直にされるままになる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はい、どうぞ。これで大丈夫です",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "ありがとう。輝夜ってさ、尽くしてくれるタイプだよね。男にとって、恋人にできたら一番幸せなタイプ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そんな、大げさですよ。こんなことをしたいと思うの、大地先輩だけです。他の人相手には思いません",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "輝夜を独り占めかあ……うん、自分がどれだけ幸せ者か把握できた\nよーし。それじゃあ、その幸せ噛みしめたまま、行くとしようか",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "はい♪",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "でも、待ち合わせ時間、ちょっと早すぎたかもね。お店の開店時間より相当早いよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "いえ、問題ありません。私が少しでも長く大地先輩と一緒にいたかったんです",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "そう言ってニッコリ笑う輝夜を見てしまえば、もう何も言えません。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん。だったら僕もまったく反論無し。それじゃあ、午前中はゆっくり喫茶店にでも入ってようか",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "はい、ぜひ♪",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "昨夜、風呂にも入ってそろそろ寝ようかなと思った頃、突然かかってきた輝夜からの電話。\n電車で少し行ったところに、昔家族でよく行っていたお茶屋があるらしく、そこに付き合ってもらえないかとの話。\nはっきり言ってしまえば、これはデートだ。\n輝夜と恋人同士になって、初めての本格的なデート。これを断る理由なんてあるわけがない。あったら忘れる。無かったことにする。\nそして今日、僕達は晴れて、正真正銘のデートへと踏み出した。\nいつもの休日なら混んでいるこの喫茶店も、開店直後は全然空いていた。待ち時間ゼロで席へとつくと、適当にデザート類を頼む。\nほとんど他に客がいないせいか、メニューはすぐに出てきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、お茶屋なんて今時珍しいね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そうですね。普通に買うならモールででも充分ですし。ただ、そこにしかないお気に入りの茶葉があったのを思い出してしまって\n久しぶりに、飲みたいなって思ったら、もうガマンできなくなってしまって……すみません",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "いやいや、輝夜と二人きりで出かけるチャンスを作ってくれたんだし、そのお茶屋さんには心から感謝だよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そう言って喜んでもらえると私も嬉しいです\nこうやって大地先輩と二人でお出かけできるなんて、昨日の夜は中々眠れなくて困っちゃいました\nこのまま、凄い隈とかできちゃった顔で会わなくちゃいけなくなったらどうしようって",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "ああ、それは僕も同じ。明日に備えるぞって、早めに布団に入ったのにさ、まったく意味なくて\nこのまま朝まで眠れなかったらどうしようって、本気で焦った\nでも、輝夜は眠れたみたいだね。いつも通りの可愛い顔だ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "もう、大地先輩はいつもお上手なんですから。でも、ありがとうございます。大地先輩に褒めていただけるの、何より嬉しいです",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "素直な感想言ってるだけなんだけどね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あ、大地先輩。ほっぺにクリームついてますよ",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "え、ほんと?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だめですよ大地先輩。袖で拭ったりしちゃ汚れちゃいます\nはい、動かないで下さい。今綺麗にしますから",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "輝夜はカバンからハンカチを取り出すと、僕の方に手を伸ばす。\nそして、僕の頬へと優しく触れた。\nそのまま、クリームが広がらないようにそっと拭ってくれる。その手の感触は優しくて、どこか気持ちいい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "どうぞ。綺麗になりました",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "ありがとう。ちなみに質問。そのハンカチさあ、さっき僕の汗拭いた奴、だとか……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "大丈夫です。別のハンカチですから。汗拭き用と、その他の用途のもので、複数持ってきてますから",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "いやあ、よかったよかった\n輝夜の汗拭いたハンカチなら問題ないんだけどね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "もう。大地先輩、それは変態さんっぽいですよ",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "でも輝夜の手、拭いてもらってるだけのはずなのに、なんか気持ちよかった",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そんな、普通に拭っただけですよ",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "それじゃあ、やっぱり輝夜にやってもらってるからなのかな。周囲も羨ましそうに見てたし",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "え……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "まったく考えになかったのか、慌てて周りを見回す輝夜。その顔が、みるみる赤く染まっていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "す、すみません。私、つい……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "真っ赤になって俯いてしまう輝夜。膝の上に持っていってしまった手が可愛い。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "僕としては、舐め取ってもらってもよかったかな",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "え、な、舐めて、ですか……?\nは、はい。大地先輩がお望みなんでしたら……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "え、あ、いや。さすがに冗談だよ。ほら、こんな公衆の面前でさ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そうなんですか?でもその……も、もし本当にお望みなんでしたら、遠慮しないで言って下さいね\n私は、大地先輩が望むことでしたら、どんなことでも叶える義務があるんです。恋人として",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "なんだろう。今までも僕の言うことならできるだけ叶えようとしてくれてた輝夜だけど、今日はいつも以上にその考えが強いみたいに見える。\nまるで、そうしないといけない、みたいに。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あの、大地先輩?なんだか残念そうに見えるんですけれど、やっぱりされたいんじゃあ……\nあの、私は本当に大丈夫ですから、お望みなんでしたら遠慮はしないで下さいね?",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "え、あ、いや、違う違うっ。うん、大丈夫だからっ\nそれじゃあ、そろそろ行こうか。もっとのんびりしてたいけど、あんまりのんびりしてると帰るの遅くなっちゃうしね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あ、そうですね。それじゃあ、行きましょうか",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "いけないいけない。このまま今の空気が続いてたら、僕が抑えきれなくなってたな。\n輝夜の、あの小さなピンクの唇……男なら誰だって興味持つし……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大地先輩……?",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "いや、ごめん。なんでもないです",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕は輝夜が手を伸ばすよりも早く伝票を取ると、レジへと向かっていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、残念だったね。今日が定休日だったなんて",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "す、すみません。私がしっかりと調べていかなかったから……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "目的の場所は、確かに向かった先に存在していた。\n『本日定休日』の札を下げつつ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いや、よく考えれば日曜だしね。普通のお店ならその可能性も高いのに、それに気付かなかった僕も悪いよ\nそれに明日はやってるみたいだし、もう一度行こう",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "はい……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "お店が閉まっていたことよりも、僕を無駄に連れ出したことに落込んでしまっているらしい。\n僕としては、輝夜に誘ってもらえたってだけで嬉しいし、こうして一緒にいられるだけでも充分なんだけどなあ。\nでも、どこにも寄らずに戻って来たせいで思ってた以上に時間余ってるし、これで解散っていうのも勿体ないなあ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "輝夜、これから予定とかある?今日はまだ早いし、なんだったらどこか行かない?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そんな僕の質問に、輝夜の顔が明るくなる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あの、でしたら大地先輩のお家とか、お邪魔させていただいちゃだめですか?",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "僕の家?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "は、はい。まだお邪魔させていただいたことなかったので",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "あー、なるほど。そう言われれば確かに……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕としてはむしろ嬉しいくらいなんだけど、今日かあ……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あの、やっぱりダメでしょうか……?",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "いやその、僕は全然構わないんだけど……\n実は今日さ、皐月と空、いないんだよね。連休利用してちょっと遠出しちゃっててさ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕も誘われたんだけれど、懐具合がどうにも寂しかったので、今回は辞退しました。まあ、そこに輝夜からの連絡があったわけで、結果的にはむしろ大正解だったんだけど。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だから、あの……僕と輝夜二人きりってことになっちゃうわけで……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "さ、さすがにこれはまずいよなぁ。恋人同士っていう免罪符のできてしまった今、輝夜を相手に自分を抑えきれる自信がちょっとない……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "皐月さんと空さんが……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "……うん。その、健康的な男の子であります僕としてはちょっと、ね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "それじゃあ、夕飯とか大変そうですね。あの、ぜひ私にお手伝いさせて下さい",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "はい?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "むしろ嬉しそうに言ってくれる輝夜。いや、今僕が心配している件に関しては、綺麗に右から左?\nえーと……これは信用されてるってことなのかなあ。\n……輝夜の手料理はぜひ食べたいし……これは必死に自分と戦え、ということなんでしょうか、神様……。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"輝夜",
"大地"
] | 01_StellarTheater | D05_10_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "お粗末さまでした\nあの、お口に合いましたでしょうか……?",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "もちろん。これが合わないなんていう奴は、むしろそっちこそ普段何を食べてるのか疑っちゃうよ、僕は",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そんな、それは大げさですよ。私もまだまだですから",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "そう、恥ずかしそうに答える輝夜。\nだけど、輝夜の作ってくれた夕飯は普通においしかった。\nレストランなんかで食べるような、なにか際立っておいしいというのではなく、また食べたい、ずっと食べたいと思わせる、そんな飽きのこない味。\n本当に、家族に食べてもらうことを考えた家庭料理。そんな味だった。\n長年、うちの家族の味を学んで来た皐月ともまた違った、あえていうなら輝夜の家の味、というべきかな。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いずれさ、ずっとこれを食べられるようになるのかなって思うと、なんか嬉しいな",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だ、大地先輩……あの、それってつまり……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "もちろん、恋人同士のその先\nあ、ごめん。ちょっと早すぎたかな",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "い、いえ……そこまで考えててもらえるなんて、う、嬉しくて……はうぅ……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "僕としては、もう輝夜を手放すつもりはないから問題ないんだけど、でも、こういう反応してもらえるなら今のところ問題ないってことかな。\nうん、安心した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "すみません、紅茶の葉、勝手に使ってしまいました",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "申し訳なさそうに言いながら、僕の前にティーカップを差し出してくれる輝夜。食後のお茶付きっていうのがいいなあ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "全然問題ないよ。でもよく場所分かったね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "いえ、皐月さんだったらこの辺りに置くと使いやすいんじゃないかって考えたら、やっぱりそこに",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "そこまで考えるとは、恐るべし輝夜さんの洞察力……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも本当に今日は得しちゃったかな\n朝から輝夜と一緒にいられて、クリーム拭いてもらったり、手料理まで食べたり",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "今度は舐め取るようにしますね",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "あははは……まだ覚えてらっしゃいましたか……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あの時の大地先輩、その……私の唇、ずっと見てらっしゃいましたよね?",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "あ……ごめん、別にいやらしい気持ちとかだったわけじゃないんだけど、つい……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あ、い、いえ、それは全然構わないんですっ。だってその……実は私も……見ちゃってましたから……\n大地先輩の……唇……\nすみません……私、思い出してしまって……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "その言葉に、僕の脳裏にいきなりあの感触が蘇ってくる。\nプールで、ほんの一瞬だけだったけど、でも確かに重ねられた輝夜の唇。\n冷え切っていたはずなのに、でも確かに熱かった、あの柔らかな感触を。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あの時、もう私……大地先輩以外の人のこと、考えられなくなっていました\nだから私は、あの時、大地先輩に捧げたんです\n初めての、キス……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "輝夜は下を向いてしまうと、懸命に羞恥を堪えるように言う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "よ、よしっ",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "それは、前に僕が教えた気合いの入れ方。輝夜は自分に気合いを入れると、再び顔を上げた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……お、お願いが、あるんですっ",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "必死な顔で言う輝夜の身体は、わずかに震えているように見えた。もちろん寒いからなんかじゃない。多分、緊張のため。\nそのまま、朱に染まった顔で僕の目をぎゅっと見て、そして続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あの……その……\nわ、わ、わ……\nわ、私を開通して下さいっ!!",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "世界の法則が乱れた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あの、輝夜?今、自分がどんなに凄いこと言ったか分かってる……?\nいや、そりゃまあ、確かに決意はしっかりと伝わってきたけども……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "え、ええっ!変でしたか!?で、でもでも、こう言えばきっと大地先輩喜んでくれるって、明葉さんが……\nだ、だから私、恥ずかしいけど、大地先輩が喜んでくれるならって……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "い、いやあの、間違いなく心の底から喜びはしちゃったわけなのですが……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "というか、明葉さんの差し金かあ。そりゃそうだよねえ。輝夜が、そんな簡単にこんなことを求めてくるはずがない。\nそりゃあ僕としては当然輝夜が欲しいし、一日でも早く僕だけのものにしてしまいたいけど、でもそんな男の欲望で傷つけていい子じゃない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ま、まあほら、明葉さんの言うことだから……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ほ、本気ですっ\nあ、あの……確かに言い方とかはおかしかったかもしれませんが、それでも、その気持ちは本気です!\n私、大地先輩に抱かれたい……だ、大地先輩だけのものにしてほしいんです!",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "それはまるで、何かを急いでいるようにも見えた。\nだけど、その瞳から伝わる想いは確かに本物で、僕に対する真摯な想いが、痛いほどに伝わってくる。\n僕のために。そんな想いと願いが伝わってくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "わ、私じゃあ、だめ、ですか……?",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "……その、僕もそういう経験無いし、すっごい欲求は溜まってるから、途中でとか絶対止められないと思う……\nそれに、気持ちよくとかもできるか分からないし、その、結構酷いことなんかもしちゃうかもしれない……\nそれでも、いいの?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "もちろんです。だってそれって、私が大地先輩の特別なんだっていうことじゃないですか\n嬉しく感じることはあっても、イヤになんて感じません\nそれに、私も、その……最後までしてくれないと、イヤ、です……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "わずかに怯えながらも、はにかむように笑ってくれる輝夜。\n女の子がこれだけのことを言うのに、いったいどれだけの決意と勇気が必要なんだろう。\nだったら、僕も素直になろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "僕の部屋、でいいかな……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あ……は、はい。最高の思い出になります♪",
"speaker": "輝夜"
}
] | [
"輝夜",
"大地"
] | 01_StellarTheater | D05_11_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "あ、あの……み、見えますか……?",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "今までに見たこともないくらいに頬を上気させた輝夜。\nそんな彼女が、自らスカートをたくし上げて、僕にショーツを見せ付けている。\nなんとも言えないくらいに背徳的な感じがして、思わず背筋をぞくりとした感覚が走り抜ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、うん……なんか、凄い光景……輝夜が自分で、なんて……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あの、今日は私からお願いしたんですし、私の方が尽くして当然、ですから……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "小さく震える手が、健気にスカートの高さを維持している。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、輝夜震えてるし……無理しなくても……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "い、いいえ、大丈夫です。大地先輩が相手ですから、怖くなんて……\nで、ですから、どうぞ大地先輩の好きに触れて下さい。お望みのことがあれば、なんでも……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "こら",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あまりに無理をしているのが丸分かりな台詞。\n僕は思わず、輝夜の額を軽く突付いていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え?",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "怒られるとは思いもしなかっただろう輝夜は、きょとんとした目で僕を見る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そりゃあ、僕も輝夜のこと抱きたいし抱くけど、身体だけが欲しいわけじゃないんだから。そんな無理させて抱けるわけないだろ\nその、僕だって初めてなんだから、こういうのはお互いに勉強していかないと\nだから、とりあえず輝夜、何をしてほしい?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そんな僕の質問に、輝夜は少しホッとしたような顔を浮かべた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "す、すみません……あの……電気を消してもいいですか?は、恥ずかしくて……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "そして、小さく消え入りそうな声で輝夜はお願いしてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん、分かった",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕は当然、その願いを聞きれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ありがとうございます……でも、その、見えなくなったりとかは……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "大丈夫。輝夜が頑張ってくれてるから、これでもよく見えるよ\nそれに月明かりって、なんか電気よりもよっぽどいやらしい感じするし",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "心配そうに聞く輝夜に、軽く笑って答える。\n実際、月明かりに照らされた輝夜はとても綺麗だった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あうぅ……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "それじゃあ、あの……触る、よ?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕も、これ以上我慢するのは限界に来ている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、はいっ……ど、どうぞっ",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "輝夜が頷くのを待ってから、僕はその秘所に指を這わせた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひぁんっ",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "指が触れると同時に漏れる、輝夜の驚きの声。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ご、ごめん。強かった?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "い、いいえ……いいえ……その、初めての感覚だったので、つい……\nつ、続けて下さい。大丈夫、ですから……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "そ、それじゃあ……うわ……本当に割れてる……\nタイツの上からでも、こんな柔らかいの分かるんだ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "服の上からでもはっきりと分かるその柔らかさと、体温。\n今、自分が輝夜の大事な場所に触れていると、思い切り自覚させられる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……ん、くっ……\nこ、これが……だ、大地先輩の、指……\nふぁ……あ……な、なんだか、変な感じ、です……か、身体が震えて……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "ゆっくりと動く僕の指に合わせて、輝夜も素直な反応を返してくれる。\n自分が輝夜を感じさせていると思うと、どんどんと嬉しくなってしまう。\n僕はそのまま、輝夜の上着に手をかけて、その胸元を露出させた。\n恥ずかしさからか、輝夜は僕の行為をただ黙って受け入れている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こうなると、大きいのがより分かるね\n手のひらになんて収まらなそう……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "目の前に現れた、ブラジャーに包まれたままの輝夜の胸。\nそれは服の上から感じていた以上のボリューム感を誇っていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ど、どうぞ。大地先輩の手に、収めて下さい……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "う、うん……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "輝夜の言葉に促されるように、僕はその胸を手の平で包んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……\n大地、先輩の手……お、大きいです……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "電車の中でのアクシデント以来の、輝夜の胸。\nそして今はあの時と違い、服の上からではなく下着越しの感触。より直接に近い感触。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そんなことないよ。僕なんて、男子の中じゃあ低い方だしね。やっぱり手も\nでも、輝夜の胸は本当に大きい……ブラの上からなのに、こんなにフカフカで、それに凄い弾力……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "輝夜の胸は、想像以上に大きくてとても柔らかい。\nそれでいて指をしっかりと押し返してくるほどの弾力があった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふぁ……あ……だ、だめ、です。大地先輩の手、動くと……こ、声がでちゃう……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "それほど強く触れた訳でもないのに、輝夜は大きく反応している。\nその無理に抑えようとする声が可愛くて、僕はもっと聞きたくなってしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "全然平気だから、どんどん声出してほしいな。輝夜の声、聞きたい",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そんな、は、恥ずかしいですからダメ、です……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "それなら、これだとどう……?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "輝夜の返事を待たずに、僕は胸を覆っていたブラジャーをずり上げた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "下着の抑圧から解放された乳房が、ぷるんと揺れる。\nそれは本当に綺麗で、ずっと見ていたくなるような、そんな胸だった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "輝夜の胸……ツンって上向いてて……綺麗な形してる\n凄いね……乳首、もうこんなに……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "しっとりとして吸い付きそうな肌。\n誰もが羨むようなボリュームで、しかも形も理想的と言っていいくらいに整っている。\n上向きの乳房の先端では、薄い桜色の乳首が、少しだけその存在を主張していた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んうっ……あ、や、ああっ\nだ、大地、せんぱ……そ、そんな……つまんじゃ、だ、だめで……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "こんなものを見せられて、大人しくしていられる訳がない。\n僕はその弾力に満ちた乳房を味わいながら、先端の可愛らしい乳首を指に挟む。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うわ……コリコリってしてる……胸も……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "初めて直接触れる女の子の胸と乳首。\nその行為に自ら興奮しつつ、輝夜の胸の感触を味わう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はあんっ",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "僕の指が、輝夜の乳房にめり込んだ。\nそれだけで輝夜は大きく身体を震わせてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ち、直接触ると、こんなに違うんだ……\n柔らかくて……吸い付くみたいで……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あ、あう……大地先輩の手が、あ、温かくて……あ、や、やあんっ",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "必死で声を抑えようとしつつも、次第にその声が大きくなり始めている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やっぱり、収まりきらないね……うわ、本当にゴムマリみたい……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕の手の平には収まりきらない輝夜の胸。\n指がめり込み、好きに形を変えるのにすぐに元に戻ろうと押し返してくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふあ……あぅ、ん、う……あ、ああっ\nや、あ、触り方、優しくて……何かぴりぴりって……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "胸だけでも充分に感じてくれているらしい輝夜。\nこのまま胸だけを弄り続けたい欲望を感じつつも、僕は再び輝夜の秘所へと手を伸ばした。\n下着越しでなく、直接輝夜の秘所へと指を這わせた瞬間。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぴあっ",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "輝夜は今まで以上に大きな声を上げた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うわ、凄い反応。ごめん、やっぱりここは早かったかな……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "それは当然と言えば当然のことだけど。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "す、すみませんっ……わ、私が慣れてないだけですから、ど、どうぞ……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "申し訳なさそうにしつつ、輝夜は僕の行為を許してくれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、うん……輝夜の、少しヌルヌルしてきてるね……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "指先に、輝夜の秘所から溢れた蜜が絡んでいた。\nそのことに少し驚きつつ、さらに指を這わせていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あう……い、言わないで下さい……大地先輩が優しいから、どうしても……\nあ、ああっ……や、あ、ゆ、指が……きゃうっ\nあ、あ、あ、ああっ、や、こんな……ぞくぞくって……んうっ",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "一番大事な場所には触れないように、ゆっくりと指先を動かした。\n秘所に生えた柔らかな毛も、すでに蜜にまみれて濡れているのが分かる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、うわ、凄い濡れてきた……もうこんな……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "その割れ目に触れただけで、中からはトロリとした液体が溢れてきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひゃっ……あ、あふ……ん、んう……っ\nだ、だめ、です……私、指、が動く度、に……びくん、って……\nふあ、あ、ああんっ\nも、もう、た、立って……られ……ん、あ、ああっ、はうっ",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "僕の指先が触れただけで、輝夜の身体は大きく震えそのまま力が抜け落ちて行く。\nそんな輝夜を支えながら、僕は自分のベッドの上に彼女を誘った。\n今度は、僕自身が彼女をゆっくりと見て、味わえるように。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あの、こ、この位置って……\n大地先輩の、顔が……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "僕の目の前には、輝夜の大事な場所。\nそしてその目線を少しずらせば、今も揺れる大きな胸と恥ずかしそうに頬を染めた輝夜の顔がはっきりと見える。\n正直に言って、これは絶景だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、うん……輝夜の濡れてるのが、凄いよく分かるよ\nタイツまで染みになって……\nそれに、輝夜の胸……凄い……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "素直な輝夜は、僕のこんな無茶なお願いにも従ってくれている。\nそれがなんだか凄く嬉しい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あんまり見ないで、下さい……は、恥ずかしくて……どうにかなっちゃいそうです……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "そんなリアクションこそが、最高に僕自身を盛り上げてくれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "まずはタイツを脱がして、そのショーツをはっきりと露出させた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やっぱりタイツがあった方がいやらしいけど、この方が輝夜の可愛い下着、よく見えるね\nそれに、濡れちゃってるのも……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "目の前に晒されている下着は、すでに中央だけに留まらず染みが広がっているのが見て取れる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、大地先輩、えっちです……\nで、でも……大地先輩ですから……が、ガマン、できます……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "僕の言葉に、頬を染めながらも輝夜はじっとしてくれていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふぁ……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "そんな彼女に答えるように、ショーツの上からゆっくりと彼女自身に触れる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "さっきより熱くて、柔らかい感じがする……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あ、ああ……だめ……電気みたいなのが、は、走って……\nんんっ!あ、あう……ん、くっ",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "今までの愛撫で、充分に柔らかくなっているのかもしれない。\nショーツ越しだというのに、輝夜は先ほどまでよりもずっと強い反応を返してくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "凄い。どんどん熱くなって、濡れてくる……輝夜、これ、下ろすよ……?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "このままでは、もう下着の役割を果たさないくらいの勢いだった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……は、はい……大地先輩が見たい、なら……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "輝夜の頷きを待ってから、僕はその秘所を覆う最後の一枚をゆっくりと引き剥がしていく。\n秘所の奥から伸びた数本の糸が、凄くいやらしい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うわ……ほ、本当にピンク色……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "正真正銘、初めて間近で見る女性自身。\n輝夜のそこは綺麗なピンク色で、すでに溢れている蜜で光っているみたいに見えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あうぅ……あ、あんまりじっくりみないでください……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "僕の言葉に、輝夜が泣きそうな声を上げる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ご、ごめん……だけど、これ、凄い綺麗で……ヘアーも薄めでふわふわしてて……\nでも、ここに入れるんだよねえ……?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "今はまだ入り口を閉ざしている、輝夜の秘所にゆっくりと触れる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃうっ!",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "これ、指も入らなそうだけど……ほ、本当にここ?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "軽く触れる程度では、ここに何かが入るなんて思えない。だけど、そこ以外にそれらしい場所は見当たらない。\n……この上の穴は小さすぎるしなあ……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "た、多分……で、でも、私も女の子ですから、大丈夫です……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "輝夜の答えも、どこか自信なさげだった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、もっと濡らしておいた方がいいよね……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕はそう決意して、輝夜の割れ目への愛撫を続けていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、あ……あ、あうっ、ひ、ひぁ……ん、あぁんっ\nや、あ、ああっ……大地、先輩、指……う、動いて……んくうっ\nは、あ……あふ……ん、んあぁっ!",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "ゆっくりとほぐすように指を這わせ、そしてその隙間に指を滑らせる。\n潤滑油になる輝夜から溢れる蜜は、留まるところを知らないかのように、中からどんどんと流れ出していた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "輝夜、敏感なのかな……触れば触るだけ、どんどん奥の方から蜜が出てくる……\n僕の手も、もうこんなだよ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "もはやびしょびしょになった指先を、輝夜に見せ付ける。\nその指先から輝夜は、恥ずかしそうに目を逸らした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああっ……は、ぁ……ん……はぁ、い、言わないで……あぁっ……ください……\nんあ……あ、はああっ……んく、ひ!はぁ……んっ\nあ、や、あ、こんな……っ\nだ、だめ……あ、あうっ!\nはぁ……はぁ……ん、う……はぁ……だ、大地せんぱ……だ、だめ……っ",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "愛撫を続け、次第に割れ目がほぐれ出した頃、輝夜がその動きを止める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "輝夜、どうかした?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ご、ごめんなさ、い……お、下ろして……きゃうんっ",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "急にそう言い出した輝夜。その身体が、ぷるぷると小さく震えている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、はぁっ……ん、んあ、ああ……だ、だめ、です……も、もうっ\n大地、先輩!お、おねがいっ、ゆ、許し、て……っ",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "僕の言葉に返答するよりも早く、輝夜の身体が今度は一際大きく震えた。どうやら、軽くでも達してしまったみたいだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、やあんっ!",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "そして、輝夜の抑え切れない声と共に、尿道から黄金色の液体が溢れ出してくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え!?こ、これって……お、おしっこ?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕の顔に、容赦なく降りかかってくるその液体。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "い、言わないで下さい!お、お願いですから、どいて下さい!\nと、止められないんですっ……いや、大地先輩にかかっちゃってるっ!\nき、汚いですから、先輩、よけてくださいっ",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "思い切り慌てる輝夜。\nだけど、自分の意思ではその勢いを止められないみたいだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うわ……女の子ってこんなとこから、こんな風に……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "逆に僕は、初めて見る光景に目を奪われていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お願いですから、見ないでぇっ",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "その羞恥から逃げ出したいかのように、輝夜は大きく首を振る。\nそれでも僕は、その光景をじっと眺め続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、なんか綺麗……\nん……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕は、輝夜から溢れるその黄金水へとそっと口を運ぶ。\n口の中に広がる、温かな液体の味。これが輝夜の味なんだって思ったら、汚いなんて感覚もまるで感じない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え、ええ!?\nだ、だめです!や、やめて、大地先輩!\nそんな、汚いですから!お、お願いです!",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "そんな僕を見て、輝夜は必死で止めるように懇願してきた。だけどごめん、やめられない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……輝夜のだもん……平気……ん……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "へ、平気じゃないです!や、あ、し、舌が……ひゃぁんっ\nあ、ああ!やあ!大地先輩、本当に、本当にお願いです!も、もう!!",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "口の中に溢れる、塩気を含んだその液体。\n股間を濡らしていた粘性のある蜜と共に、僕はそれを口の中へと舐め取っていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……終わり、かな?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あ、あううぅ……さ、最後までぇ……\n大地先輩、ひ、酷いです。私、は、恥ずかしくて、も、もう……\n大地先輩の顔、み、見られません……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "放尿が終わって放心した輝夜は、首筋まで真っ赤になっていた。僕の今の行為が、本当に恥ずかしくてたまらなかったんだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ご、ごめん。なんだか、見てたらすごく綺麗だったから……\nその、味もそんな悪くないかなあ、なんて……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "その様子を見ると、さすがに少し悪いことをした気分になって来る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、大地先輩、変態さんですっ\nわ、私の、お、おし……なんですよ、飲んだの!",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "いや、なんだか本当にそういう風に思えなくて……ご、ごめん。なんでもしていいって言われてたからつい",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "どういう訳か、本当に汚いとかそういう風には思えなかった。\nただ、輝夜の全てを受け止めたいという気持ちだけだったんだけど……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あう……た、確かにそう言っちゃってましたけど……\n……そう、ですよね……私が言ったんですから、ガマンしないと……\n大地先輩が喜んで下さったんだって……そう思うことにします……がんばって……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "僕の目を見て、頷いた輝夜は自分に言い聞かせるようにしつつ、一応納得してくれた様子だった。\nそして輝夜は、僕の股間の上へと移動した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大地先輩の、凄い……\nこ、これが男の人、なんですね……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "すでに今までの行為で、苦しいくらいに張り詰めている僕自身。\nそれを上から見下ろすようにしている輝夜には、わずかに怯えが見えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "本当にこの体勢でいいの……?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "この体勢だと、輝夜だけに負担を強いることになりそうなんだけど……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、はい……今日は私が、大地先輩に尽くす日ですから\nあ、あの、い、いきますっ",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "僕の心配を余所に、輝夜はいきなり行動を始める。僕へと指を這わすと自分自身へと合わせ、ゆっくりと腰を降ろし始めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひいっ!\nい、痛っ……あ、ああ……っ!さ、裂けっ!",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "輝夜の指に誘われた僕自身が、少しずつ輝夜の中へと侵入していく。小さな何かを引き剥がすような、引き裂くような感覚が伝わってくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "か、輝夜、大丈夫!?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "同時に感じる、ゆっくりと柔らかく温かいものに包まれていく感覚。\nただ、今はそれよりも辛そうな輝夜の方が気になってしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あぐ……う……は、ぁ……はぁ……あ、ああ!\nこ、こんな、に……うぐっ!\nで、でも、あ、あと少、し……だ、大地先輩、のなんだから……っ!",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "痛がる素振りを隠さない輝夜は、それでもそのまま僕を包み込もうとするのを止めない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "輝夜、そんな無茶はしないでも……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "へ、平気、ですっ!も、もう……ほ、ほらっ!",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "そう言って、輝夜の身体が一気に僕自身を飲み込んだ。\n途中に、なにかを突き破るような感覚と共に、僕は輝夜の中にいるという感覚を味わう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、入っちゃいました、よ。大地先輩……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "痛みに耐えながら、輝夜は頑張って微笑みかけてくれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "輝夜……相当痛いんじゃあ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だけどその表情からは、確かな苦痛が伝わって来てしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え、えへ。痛い、ですけど……不思議です……凄く嬉しくて……\n私の中に……大地先輩が、いるんです……私、女の子に生まれてきて、よかった……\nど、どうですか?私の中……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "今も痛みを感じたままに答える輝夜。\nただ、その言葉にも嘘はないことが僕に伝わってくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、うん。凄い熱くて……き、きつくて……す、凄いとしか……\nなんか、輝夜が僕に貼り付いてきてるみたいで……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だから僕も、輝夜の言葉に素直に答えることにする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ……もっと気持ちよくなって、下さい……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "僕の返事に気を良くしたのか、輝夜はそのまま腰を動かし始めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うあっ!\nか、輝夜、ストップ!こ、これ、凄すぎてっ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "少し浮いた腰が、ゆっくりと下ろされまた上がる。\nその繰り返しによる小さな摩擦が、信じられないような快感を僕に与えてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……はぁ……き、気持ちいい、です?",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "輝夜の中が、僕の中に絡み付いて離さない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "よ、よすぎるっ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "油断すれば、すぐにでも解き放ってしまいそうなほどの快感だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あはっ。嬉しいです。私も、すっごく痛いんですけど……すっごく気持ちよくて……\n大地先輩のが、私の中を上下するだけで、も、もう、ゾクゾクって、背筋にきて……\nあ、ああっ!こ、こんな、の、初めてで……あ、ああんっ!",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "痛みと悦びの混じったような輝夜の声。\nそんな彼女が動くだけで、僕は翻弄されてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぼ、僕も、輝夜が動くだけで、ゾクゾクって震えて……こ、こみ上げてきて……\nごめんっ。本当にもう、全然押さえられ、ない!で、出ちゃうから、輝夜!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "初めて味わう快感とはいえ、自分でも信じられないくらいに早く達してしまいそうだった。\n必死で押さえ込もうとしても、輝夜の膣内の擦れが、魅惑的に揺れるその乳房が僕の衝動を押さえさせてくれない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、大丈夫、です。今日は、平気、ですから……な、中で……\n大地先輩との初めて……お、奥に欲しい……あ、はあん!\nあ、ああ……!大地先輩、お、おっきのが……んっ!こ、こすれて!\nあ、ん、ああぅっ、は、はふ、ん、んあぁ!",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "輝夜は、一切の容赦なく腰を上下させ、その快感を止めてくれない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あぐ!か、輝夜の何かが、か、からみついて……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だ、ダメ……おかしく、なっちゃいます……わ、私……!\nはぁ……はぁ……んっ、う、あぁ……っ!\nぞ、ゾクゾクって……あ、ああ、ひ、んあぁっ……は、はうっ……!\nあ、ああっ、はああ、んっ、くぅ、あん、は、はあ、あああっ",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "少しずつ増えてくる輝夜の蜜が、その動きにぐちゅぐちゅと水音を立てる。\nその音がまたいやらしく感じて、僕を更に感じさせていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "輝夜の中、グ、グチャグチャ、で!も、もう!\nご、ごめん、輝夜!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "輝夜の身体を存分に感じて、僕はもう限界に達しようとしていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "わ、私、もっ!",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "そして、その昂ぶりが限界に達する直前、輝夜の膣内も大きく蠢き、僕を搾り取ろうとする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、うああぁっ!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "その、今まで以上の快感に、僕は抵抗することもなく輝夜の中へと放出してしまっていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああっ!あああああぁぁぁぁぁぁっ!",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "放出された樹液が、輝夜の最奥を撃った瞬間、輝夜も大きな声を上げて達していた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……はぁ……お、女の子の中って、こんな気持ちいいんだ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "想像したことはあっても、本当に味わったことのない快感が、今も僕を包んでいる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あ、あ……大地先輩から、どくどくって……\nす、凄い、です……びゅくびゅくって動いて……あ、溢れてきて……\n身体のい、一番奥まで……流れていく感じで……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "輝夜の中で、僕自身は未だに暴れている。\n自分でも信じられないくらいに、放出が止まらない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ごめん、まさかこんな出るなんて……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "わ、私もあの……初めてなのに、二回も……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "頬を染めながら、輝夜がそのことを告げる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それだけ、僕と輝夜の相性がいいってこと、なのかなぁ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "本当のことであれば、それは凄く嬉しいことだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも……\nこれで私、大地先輩に捧げられたんですよね",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "上気して頬を染める輝夜は、僕を見つめながらにっこりと微笑んでくれた。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"輝夜",
"大地"
] | 01_StellarTheater | D05_12h_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "……いい天気だなあ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "公園のベンチに座り、のんびりと空を見上げる。青い空の中をゆっくりと流れていく白い雲。吹き抜ける風に揺れる草花の音。\n休日の日らしい、穏やかで、平和な一日だ。\n着替えてきたいから、という理由で輝夜は一度家に帰り、その後改めて待ち合わせることに。\nそしてその間、僕はこうして温かな太陽の光を浴びて待っている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大地先輩、お待たせしました",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "随分早かったね。もう少しゆっくりでもよかったのに",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "それだと、大地先輩と一緒にいられる時間が減ってしまいますから\nところであの、大地先輩。ベンチがお好きですか……?",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "え、それってどういう……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "その、もしよければ、あの……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "ああなるほど。輝夜の言いたいことを察して、僕はベンチから立ち上がった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ベンチなんかとは比べものにならないくらい気持ちのいいものがあるのに、こんな固いところに座っていられません",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "は、はい。そうですよね",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "輝夜は嬉しそうに言うと、キョロキョロと周囲を見る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あの、向こうの芝生なんてどうでしょう",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "うん、気持ちよさそうだし、いいんじゃないかな",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "はい、それじゃあ……きゃっ",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "踏み出そうとした瞬間、輝夜が何かに躓いたように転びかける。僕は慌てて手を伸ばすと、その身体を抱きかかえるように押さえた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……すみません",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "大丈夫?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "は、はい……その……ま、まだ何か違和感があって……あ、あぅ……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "違和感……あ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "昨日のあれか。輝夜は初めてだったんだし、そりゃあ色々残って当然だよなあ。もう少し気を遣わないとダメだ僕。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、そんなに気になるほどではないので、気にしないで下さい。その、ちょっとだけ痛むことがあるくらいなので……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "うわ、まだ痛むんだ……ごめん。もう少しうまくやれればよかったんだけど……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "いえ。これも喜びの一つですから\nそれに、初めて好きになった人がそんなに上手だったりしたら、それはそれで複雑です",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "ああ、確かに。僕も輝夜が慣れきってたりしたらちょっとショックだったかも",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "私は大地先輩ただ一人のものですから、もし慣れてしまうとしたら、大地先輩がえっちなんですよ",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "えっちですみません……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "クス。大地先輩、本当正直なんですから\nさすがにここでそういうことはできませんけど、これでよろしかったらどうぞ",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "楽しそうに笑いながら、芝生の上に座る輝夜。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もちろん、よろしいです",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "きゃっ",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "言うが早いか、僕は素早く芝生の上を転がると、輝夜の太ももに沿って頭を乗せた。縦の形の膝枕だ。\nその柔らかい枕の感触は、今まで使ってきたどんな枕よりも心地いい。\n輝夜は、かわいらしい驚きの声をあげたものの、まったく拒まない。むしろ、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大地先輩、甘えん坊さんです♪",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "嬉しそうに微笑みながら、僕の頭が収まりやすいようにと少し足を開いてくれた。\n輝夜の柔らかい太ももが、僕の頭をしっかりと押えてくれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お店の方も、あまり急いで行く必要はありませんし、のんびりとしていきましょう",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "そうだね。僕も輝夜の太ももを、じっくり味わいたい",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ふふ。お粗末ですが、どうぞ\nでもこうしてると、子供の頃家族で来た時のことを思い出します",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "この公園まで?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "はい。電車ですぐに出て来れる距離でしたから、たまにこの街に遊びに来ていたんですよ\nお母さんに膝枕してもらって、よくのんびりとしていました",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "僕達も昔はよくこの公園で遊んでたしね。もしかしたら、その時すれ違うくらいはしてたかも",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そうですね。もしかしたら、一緒に遊んだこともあるかもしれませんよ\n大地先輩みたいな楽しい人を見かけたら、お姉ちゃん、きっと声をかけてたと思います。普段は大人しいのに好奇心が強くて。興味を持つとすぐ行動しちゃうんです",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "うーん、それはどうだろう。今の僕を見れば分かる通り、昔の僕もやっぱり常識溢れる、あま姉やアニキの抑え役だったからねえ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "常識、溢れちゃってたんですか……\nなんといいますか、空さんや皐月さんの苦労が目に浮かびます",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "あれ?僕、あま姉やアニキと同レベル認定!?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "いえ、大地先輩でしたら、更なる高みを目指せます",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "褒められてない気がするのは、きっと正しいんだろうなあ。くそう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、輝夜ももっと上を目指せそうだよね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "なんのです?",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "胸の大きさ。ここから見ると凄いんだ、これが",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "え……\nも、もう、大地先輩は……本当にえっちなんですから\nでも……そんなところも含めて大地先輩なんですよね。そんな風に着飾らない大地先輩だから、大好きなんです",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "なんか、そういう風に言われたのって初めてだから照れちゃうなあ\n僕もさ、そんな風に言ってくれる輝夜が大好きです",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "大地先輩……私、とっても嬉しいです。そんな風に言ってもらえて……\nたったこれだけなのに、泣いちゃいそうですよ",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "どちらかといえば、嬉しいのは僕の方なんだけどな。輝夜みたいな子にここまで好きになってもらえるなんて、夢みたいだし\n本当に、夢じゃないよね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "夢だったら私が困っちゃいます。思わず、神様とでもケンカしちゃいます。間違いなく、現実ですよ",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "そうだよね。この柔らかい太ももの感触も、絶対に本物だ\n輝夜枕、本当に僕にぴったし合うね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "もちろんです。大地先輩専用なんですから",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "言って、笑い合う僕達。\nそれからお昼を過ぎるまでの間、僕達はこの幸せな空間を堪能しきった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "さて、と。お名残おしいけど、そろそろ行こうか",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "はい。膝枕でしたら、大地先輩が望んで下さるなら、いつでもまたやりますね",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "輝夜の手が、ちょっと恥ずかしそうに僕の腕に回される。そして僕達は、駅へと足を向けた。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"輝夜",
"大地"
] | 01_StellarTheater | D05_14_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "…………。\n……。\n…。\n多少手間取りはしたけれど、目的のものも無事に手に入れ、僕達は電車で茜橋へと戻っていく。\n丁度行楽帰りの人達と重なったのか、帰りの電車は驚くくらいに混雑していた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いや、これってさあ……\nあの日の繰り返しじゃあ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "初めて輝夜と出会った時を思い出す。\nやたらと混みまくった電車。押されて、掴んでしまった輝夜の胸の感触と、その香り。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大丈夫ですか、大地先輩……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "耳元で響いたその声に、僕は我に返った。\n動くこともままならない状況の中、ピッタリと密着しあっている僕と輝夜。とはいえ、この人の山に輝夜を飲み込ませるわけにはいかない。\n僕は最初の時同様、ドアに手をつけ必死に耐える。\nそれでも今回の圧力は前以上で、輝夜の身体を抱き止めるような形になってしまっていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ごめん……ちょっと今回はきつくて……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そんな。大地先輩が謝る必要なんて、全然ありません\n大地先輩の方こそ、大丈夫ですか?私をかばって……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "うん、全然平気。むしろ輝夜と密着できて嬉しいくらい\nそれよりもさ、ちょっと思い出してた",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "多分、初めて会った時のこと、思い出してたんですよね",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "輝夜は言いながら、ちょっと恥ずかしそうな顔で僕の胸に顔を埋めてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "今、大地先輩、ちょっぴりだけ、えっちな顔してました\nあの時は、私だって恥ずかしかったんですからね",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "ごめんごめん。あの時を思い出すとどうしてもね。でもさ、状況的には似てない?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そうですね。でも、全然違いますよ",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "輝夜は僕の胸に顔を埋めたまま、より密着するようにと、その手にきゅっと力を込めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "私の、大地先輩への想いが……\n私、大地先輩にでしたら少しも嫌じゃありませんから……\nどうぞ、大地先輩。もっと私によりかかって下さい",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "羞恥心と罪悪感に満ちた空気の中、ただ黙って耐えてたあの時。今回はそれと違って、この状況を嬉しいと思える気持がお互いにある。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大地先輩……普段はとても華奢に見えるのに……やっぱり、男の人ですね\n胸が凄く広くて、こうしてるだけでとっても安心できます",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "そんな甘い囁きが、僕の胸元に響く。どこかうっとりとした、僕の脳髄に直接焼き付いてしまいそうな微笑みが、僕だけに向けられている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……大地先輩の心臓の音、聞こえますよ。少し、ドキドキしてくれてますね……\n私も、今すっごくドキドキしてます。大地先輩に、こうして抱きしめられて……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "僕と輝夜、二人だけの空間。お互いの心臓が、早鐘みたいに身体の奥で鳴り響いてるのが伝わってくる。\nガタゴトと揺れる車内。その度に僕の背中が後ろから押され、輝夜をより強く抱きしめる。\n輝夜の柔らかな女の子の身体が、僕を吸収するみたいに受け止めてくれる。\n押し当てられた大きな膨らみの感触。髪から感じる柑橘系の香り。輝夜のすべてが、今この腕の中にある。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "凄い混雑、でしたね",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "ほんとほんと。死ぬかと思った",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……でも、大地先輩と一緒なら、悪くないかもです",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "狭かったけれども、あれは確かに二人の世界で、時間だった。\nあの空間にいられるのなら、それも確かにいいのかも、しれない。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"輝夜",
"大地"
] | 01_StellarTheater | D05_15_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "昨日に引き続き、輝夜の部屋へとお邪魔している僕。最近は、輝夜の方からこうして誘ってくる場合が多い。\n……昨日はあんな風に素敵な光景を目にしちゃったわけだし、普通はもうちょっと警戒心とか強くなるんじゃないかなあって思ったんだけど……。\nむしろまったく気にせず着替えを持ってトイレの方に行っちゃったのはいいんでしょうか。\nいくら鍵がかかるとはいえ、普通は僕を部屋の外で待たせたりとかするんじゃないかなあって思ったりするんですけども。\n信用されてるってことなのかなあ、これ。\n蒼って子に関しては、陽夏さん達にとりあえずは任せてある。というか、危険度が不確定だからとりあえず任せろと言われた。\n当然反対意見も出たけど、あの時の陽夏さんの真剣な顔を思い出すと、何も言えなくなってしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お待たせしました、大地先輩",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "そんな風にベッドの上に座って考えていたところで、トイレのドアが開き、中から着替えを終えた輝夜が現われる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "っていうか、輝夜さん?なんですか、その格好",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "はい。学園祭で、大地先輩のおかげで完成させることができた、あの服です\nあの時とは違って、今度こそ本当に、大地先輩のためだけに着ました",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "そう言いながら、心からの笑顔を僕に見せてくれる輝夜。\nこれはやばい。\n前も思ったけれど、似合いすぎてるがゆえに、思わず飛び付きたくなってしまうんですが。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大地先輩、何かお望みのことがありましたら、なんでも言って下さい。心をこめて、ご奉仕させていただきます",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "い、いやその……ご奉仕と言われましても、その……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ほ、本当にまずい……理性が激しくバトルしてて、正面から見れない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ、まずはお茶淹れますね。そのあと、マッサージなんていかがですか。大地先輩、最近お疲れでしょうし\n私こう見えてもマッサージは得意なんですよ。安心して任せて下さい",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "あの、輝夜にマッサージなんかで密着されたら、僕はどうなってしまうんでしょうか……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……も、もう。大地先輩、今えっちな想像しましたね",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "う、ご、ごめんなさいっ。男というのは可愛い女の子の可愛い姿に、夢と希望と未来を詰め込む生き物なんです\n見てみたいとか、めくってみたいとか、触ってみたいとか思っちゃう生き物なんですっ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "輝夜のこの姿を見て、微塵もそんなことを考えない男は、間違いなく何か大事なものを捨てて来ちゃった人だと思います。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……構いませんよ……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "え……?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だ、大地先輩がお望みなんでしたら……私は、その……み、見られても、めくられても、触られても……ど、どうぞっ",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "か、輝夜?最近ちょっと積極的すぎない?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "最近の輝夜は本当に、健気すぎるくらいに僕に尽くそうとする。\n恥ずかしいくせに、身体もこうやって自分から開こうとするし。\n男として当然嬉しいんだけれど、でも、そのためにちょっと無理させているんだとしたら、やっぱり辛い。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もしかして、僕のために無理してる?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そんな僕の本音の質問に、輝夜は迷うことなく首を左右に振った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "全部、私の意思です。私が望んでいるだけです\n大地先輩に、少しでも多くの私を触れて欲しい……もらってほしいんです",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "そう言う輝夜の言葉には、少しの揺らぎもなくて。本当に、心の底から僕のために尽くしたいっていう気持ちが伝わってきた。\n遠慮なんかせずに、僕が望むがままを伝えて欲しい、奪って欲しい。そんな想いが。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ですから大地先輩……も、もしよろしかったら……わ、私を……よ、悦ばせて、下さい……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "そんな、恥じらいながらも自ら望んでくれる輝夜の姿に、僕自身も抑えていたものが緩み始める。\nそこを明け渡すみたいにベッドから立ち上がる僕を見て、輝夜は何も言わずにその上に横になった。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"輝夜",
"大地"
] | 01_StellarTheater | D05_22_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "大地先輩……\nあ、あの……いかがでしょう……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "メイド衣装に身を包んだ輝夜が、恥ずかしげに僕を見上げる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ご、ごめん……ちょっとガマンできない……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "それだけのことで、僕はもう堪らない気持ちになってしまっていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はい。する必要なんてありません。どうぞ、来て下さい\n私は、大地先輩のものなんですから",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "僕の言葉に応えるように、輝夜が優しく微笑んでくれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "下とお揃いなんだね、ブラ。輝夜らしくて、やっぱりいいなあ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "服から解放された胸は、その存在感を相変わらず大きく主張していた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、はい。大地先輩に喜んでもらえるものを、いつも選んで……\nいつその……大地先輩に望まれてもいいように……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "なんとも嬉しくなることを言ってくれる。\n実に男心をくすぐってくれる輝夜さんだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、やっぱり、何度見ても輝夜の凄いよね……\n見ただけで、もう触りたくなる……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "メイド服という効果もあるのか、いつも以上にその欲望を抑えられない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大地先輩のために大きくなったんですよ、きっと\nですから、それは、大地先輩のものです",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "輝夜はそう言うと、少し胸を押し出すようにして、ブラジャーを外しやすくしてくれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "大きく息づく胸は、綺麗な形のままで上下している。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やっぱり、恥ずかしい……?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕が聞くと、輝夜はその頬を染めながら視線を逸らす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、はい。すみません……覚悟はできてるんですけど、それでも……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "そんな仕草がまた、僕の心を刺激的にくすぐってくれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ううん。やっぱりそうやって恥ずかしがってくれる子が僕もいいよ\nそれに、輝夜の恥じらう顔、可愛いし",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "も、もう、大地先輩は……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "軽く頬を膨らませるようにして、僕を睨む輝夜。そんな態度までもが、やたらと可愛らしい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふぁ……\n大地先輩の手……気持ちいい……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "何度触れても、飽きることがないくらいに輝夜の胸は柔らかくて、温かい。\n僕がどれだけ好きなように揉んでみても、その通りに形を変えていく姿はとても魅惑的だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "輝夜の胸も、凄く気持ちいい……ふわふわしてて、でも気持ちいい弾力があって……\n乳首もツンと立ってきてるし。これいじると、コリコリした感触が凄く好き",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "乳房の先端で、小さく主張する乳首は独特の固さで僕の指を楽しませてくれる。\n固くなった乳首を指で押して胸の中に沈め、また爪の先で軽く弾くようにつまむのを繰り返す。輝夜はその度に大きく反応を返してくれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ん、うあっ……は、ぁん……\nはぁ……あ、あふ……んっ……んん……あ、や、つまむのは感じ過ぎて……んああっ!\nあ、ああ、はぅん……く、あ、ふあぁ……\nす、凄い、です……ビリビリって、頭の先まで……あ、ああんっ",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "胸の感じやすい輝夜は、これだけのことでも瞳をとろんとさせている。\n僕の指や、手の平が動くたびにどんどんと力が抜けて行ってしまうようだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こっちも、大分濡れてきちゃってるね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ボーっとなっている輝夜の隙をついて、秘所を覆うショーツへと手を伸ばす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、そっちは……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "ろくな抵抗も出来ないうちに、そのまま一気にショーツを下ろしてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "輝夜の、やっぱり綺麗だ……それに、もうこんなに濡れてて……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "乳房と乳首の愛撫だけで、輝夜はすっかりと出来上がってしまっているようだった。\n下ろしたショーツと、輝夜の秘所の間を銀色の糸が繋いでいる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大地先輩が濡らしちゃうんですよ、私の……\n私、大地先輩に見られてるんだって思うだけで、か、感じてしまって……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "しっかりと濡れている自分を隠そうともせずに、輝夜は僕を見つめた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "じゃあ、実際に触ったらどう?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "その視線に籠められた意図通りに、僕は指を這わせていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃうんっ!\nう……あく……あ、はう……\nはぁ……ん、ふぁ……や、あ……指、気持ちいい……です……はぁ……\nあ、ふ……んう……はぁ……ん、くぅっ……ん、んあっ",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "最初の時と違って、今はそれほどの抵抗なく僕の指を受け入れる輝夜の秘所。\nすでに柔らかくなっているそこは、僕の指を喜んで迎えているように、優しく包んでくれる。\n温かな感触を味わいつつ指を滑らせる頃には、僕の指はすっかり蜜塗れになってしまっていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うわ、どんどん溢れてくる……\nもうシーツの方にまで垂れてるよ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "輝夜の大事な場所から溢れる蜜は、お尻の方を伝ってシーツの方まで染みを作っている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やあんっ……い、言わないで、下さいっ!\nあ、ああ!ん、ぐ……はぁ……んうっ!",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "反論しようとする輝夜を止めるように、僕はさらに胸と秘所を責め立てていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ここ、そんなに気持ちいいんだね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "輝夜の身体からは、今まで以上に素直な反応が返ってくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あんっ……だ、大地せんぱ、い……わ、私、にも……\n私も、大地せんぱい、に……ほ、奉仕したい、です……っ",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "指だけで、もうすぐ達してしましそうになっていた輝夜が、必死になって僕の行為を止める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え、で、でも……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だ、だって私、大地先輩に、その……お、おし……まで飲まれちゃってるんですよ……\n私も、大地先輩をもっと感じさせたい……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "指先を強く握り返しながら、懇願するかのような表情で僕を見上げる輝夜。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……うん、それじゃあお願いするよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "その輝夜の想いに、僕は喜んで応じさせて貰った。\n輝夜は僕の顔を跨ぐようにしてから、その顔を僕の股間へと向ける。\nいわゆるシックスナインと呼ばれる魅力的な体勢だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、大地先輩の……\nあ、改めて見ると、やっぱり凄い、ですよね……\nこ、こんなに大きくて……固いなんて……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "いや、いつもそういうわけじゃあないんですけども……\n輝夜を見て、こんなになっちゃったわけで",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕としても、輝夜の魅惑的に誘う秘所が目の前にあって、大人しくなっている訳がない\nさらに、輝夜は気付いていないかもしれないけれど、綺麗なお尻の穴までもが丸見えになっているわけで……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "わ、私で、ですか……?\nそうなんでしたら、嬉しいです",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "本当に嬉しそうに答えてから、輝夜が僕のモノへと意識を向ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そ、それじゃあ、いきますね……\nん……\nぴちゃ",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "おずおずと伸ばされた舌先が、先端を舐め上げる。\nそれだけのことなのに、今までとはまた違った快感が走り抜けていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うわっ\nす、凄いゾクってきた",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "き、気持ちよかったですか?",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "自分の胸の中で、モノが大きく跳ねたことに驚いた様子の輝夜。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、うん。もっとお願い……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕は素直に続行を要求する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はい、喜んで\nぴちゃぴちゃ\nぴちゃぴちゃぴちゃ",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "輝夜の柔らかな乳房に挟まれた僕のモノを、小さくて温かな舌先が舐めまわっていく。\n乳房と舌先、その二種類の感覚が、なんとも心地よい感触を与えてくれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あう……くうっ………\nうわっ、む、胸が貼り付いてきて……し、舌が先端、まで……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "こうして味わう輝夜の胸は、また別の柔らかさがあるみたいに感じてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぴちゃぴちゃぴちゃ\nと、透明な苦いの、出てきました……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "次第に、輝夜の舌使いも大胆になっていった。愛撫する範囲が少しずつ広がり、僕の弱いところを感じ取って攻めてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "す、凄い、これ……\nこのままじゃあ、すぐいっちゃいそうで……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "今までとは違う快感に、思わずすぐに出してしまいそうだった。\n一度、気を引き締めてから、僕も輝夜の愛撫を開始する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んうっ!\nあ、や……だ、だめ、です大地、先輩……な、舐めるなんて……そ、そこはきたなっ",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "目の前にある、すでに濡れそぼった輝夜の割れ目。\nそこを縦に舐め取るようにして、舌を這わせていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "輝夜の蜜……甘い……\n輝夜の味と匂い……凄く興奮するよ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "いくら舐めても尽きないくらいに、輝夜の蜜は溢れてくる。\n口いっぱいに広がっていく輝夜の味が、凄く愛おしい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、だ、だめ、ですっ、音、立てちゃ、はうっ!\nあ、あ、はあんっ!は、はうっ、ん、うあぁっ!",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "僕の舌が動く度に、輝夜は愛撫を止めて喘いでしまう。\nその啼き声が、また僕の興奮を揺さぶっていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それに、輝夜の一番恥ずかしい所が丸見えになってる……うわ、あんな小さかったのがこんなになってる……\nごめん、痛かったよね、これ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "一度、僕のモノを受け入れたとは思えないくらいに小さくて綺麗な輝夜の秘所。だけどそこは、確かに引き裂かれて広がっていた。\n僕はその痛みを癒そうとするように、そっと舌で愛撫していく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、う、あっ、あああっ……舌、入って……ああっ!\nん、んぐ、う、あぁ……い、あ、ふぁ……\nだ、だめ……わ、私、も……っ",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "輝夜も、僕の舌先を受け入れて感じているのが分かる。\nただ、すぐに負けまいとして僕のモノを舐めようとする姿が愛らしかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あむっ",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "そして、ついに輝夜が僕のモノの先端を口に含んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あくっ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "いきなりの温かな感触と、わずかに当たる歯の感覚がまた別の気持ち良さを伝えてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、んむ……んぅっ……\nす、すみません……む、胸で挟んだままだと、先端しか……\nんん、んあ、はあっ……んうっ",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "口の中で舌に弄ばれつつ翻弄されていく僕自身。\n言葉を口にしようとするその行為さえ、なんらかの刺激になって僕を責めてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う……い、いや、それ気持ちいい……\n胸の弾力と……く、口の中の熱いのが……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "本当に、輝夜のどこをとっても僕の身体との相性は抜群みたいだ。その行為のすべてがこんなにも気持ちいい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……んぐ……はあっ、あっ……んぅ……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "か、輝夜、のも……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕も自分が達してしまわないよう、必死に輝夜を愛撫する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んうっ!そんな、……きゃうぅっ!",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "お互いに、自分の快感を我慢しつつ相手に奉仕する時間が続いていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、んんっ……う、うく……ひ、う……や、あ……声、出ちゃう……っ\nんん、はあっ、んあっ……\nん、んむっ……気持ちよかったら……いつでも、はあっ、んっ……ど、どうぞ……っ",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "輝夜は、僕の与える快感に必死に耐えながら僕のモノを必死で責める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "か、輝夜、こそっ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "その甘い言葉の誘惑に、僕も思わず乗ってしまいたくなる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あ、ああっ……ん、んく、ふぁ、ああっ!\n凄、い……や、だめ……ん、んあぁ!も、もう……もう……!ああぁっ!\nあん……ん、あむっ、ん、んう……ん!ん、く!んん!",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "柔らかな乳房の圧迫が増し、口内での舌先の責めが一層の激しさを増していく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、あ、あぐうっ!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そこが僕の我慢の限界だった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んうっ!?",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "大きく走った快感に耐え切れず、僕は思わず輝夜の口の中に解き放ってしまっていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ご、ごめんっ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ん……く……ん、ん……\nんむ……ん……ん、んくう……っ",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "でも輝夜は、そのまま僕から口を離さずに、その吐き出した樹液を少しずつ飲み込んでいく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……はぁ……はあぁ……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "全てを飲み込んだらしい輝夜が、肩で息を繰り返しながら、そっとその唇を離した。\nその唇からわずかにこぼれた白いモノが、その苦しさを表してるみたいに見える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ごめん、大丈夫?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "は、はい……大地先輩の、ですから……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "僕の言葉に、輝夜は笑顔で返事をくれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "で、でもちょっぴりこぼしてしまいました……すみません",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "い、いや、あんなの無理して飲まなくても……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "大地先輩だって、私の、その……飲んだんですからおあいこです",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "前回の件、やっぱり相当気にしてらっしゃるんですね……。すみません。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いや、それは……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "でも、ちょっぴり苦い、ですね、これ……\n苦いものも、ちょっと強くなっておいた方がよさそうですね",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "そう言いながら、胸に残っていた精液を指でぬぐって口に含む。\nそのなんとも言えないエロティックな仕草に、僕の昂ぶりが再び戻ってくるのを感じていた。\n僕は、抱きかかえた輝夜の身体をそのまま自分の前へと移動させる。\n後ろから、胸元に手を回しつつ、ゆっくりと輝夜の中に入って行けるように。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……大地先輩に胸を触られると、いつも溜息がでてしまいます……気持ちよくて……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "僕の手に自分の手を重ねるようにして、輝夜がささやく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "輝夜の胸、気持ちいいから、いつも触っていたくなるんだよね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "本当に、いつだってこうしていたくなる感触だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はい。二人きりの時でしたら、いつでも……\nでも、今日は、あの……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "恥ずかしそうに微笑む輝夜から、最高のお許しを貰う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん、分かってる。いくよ……?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "は、はい",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "僕は輝夜の股間にあった自分のモノを、ゆっくりと挿入していった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ、ああっ!",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "最初の時とは違い、今度は自分の加減で挿入を調節出来る。\n加えて前のような抵抗がない分、かなり楽に動作を進められる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大丈夫、痛い?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "へ、平気、です。ちょっぴりありますけど、気持ちよさの方が全然……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "そう答える輝夜の表情にも、ほとんど苦痛の色は見えない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ、ゆっくりいくよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そのままゆっくりと輝夜の膣道を、奥へ奥へと押し進んでいく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、はい\nあ、は……んっ……う、あぁっ……!\nす、凄い、です……大地先輩が、お、奥まで届いて……\nんああっ!や、あ、ああんっ!そ、そこ突いたら……くうんっ!",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "輝夜の一番奥へと届いたと思った瞬間、輝夜の身体が大きく反応する。\n今までは静かに僕を受け入れてた膣内が、いきなり大きく蠢いて僕を締め付けてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、うわっ!い、いきなり締まって……ご、ごめん輝夜、僕がこれ無理っ\nあ、あう……な、中から溢れて……っ!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "さらに溢れる蜜と相まって、いきなりの快感が僕の背中を走り抜けていくようだった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あう、う……や、やあ……だめ、です、ああっ!",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "輝夜も自分で意識しているわけではないんだろう、僕から与えられる快感に驚いたように目を開けて、大きく嬌声を上げた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、やぁっ!も、もう、ジンジンきて……だ、だめ、あ、は、ああんっ!\nお、奥、あ、当たって……あ、ああっ!や、やあんっ、き、気持ちよく、てっ\nあ、あ、あ、は、ああっ、あうっ……ん、ひ、ああ!",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "最初の痛みが無い分、気持ち良さを存分に味わっているのぁもしれない。\n僕の動きに合わせて、輝夜が陶酔したように声をあげて喘ぐ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "か、輝夜が、絡みついて……あ、あぐ……し、絞り出され、るっ\n熱い、ヒダが貼り付いて……う、あ、ああ!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そして輝夜の中もまた、僕のモノを強く締め付けてさらなる快感を与えてきていた。\nきつく締め上げ、さらに膣の肉襞が妖しく蠢いて僕を責め立てる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、はぁ……ん、く、う……は、ああっ\nわ、わたし、もう……ぶるぶるってきて……しまって、だ、大地、せんぱい……も、もう、もう!!\nんあ、あっ……はぁ……んん、んっ……くぅ!\nあ、や、やです!な、何か、白いのが、上って、きてっ\nあ、あ、ああっ、やん、あ、あう……んあっ、はあん!",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "大きく震える輝夜の身体。\nその感触を味わい尽くすように、僕も強く腰を押し込んでいく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ご、ごめん、も、もう!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "すでに我慢するなんてことは考えられない。\nどこまでも高まる快感を味わうことの方が必死だった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "わ、わたし、も、ですっ!な、中、にっ!",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "僕の言葉に応じるようにして、輝夜の肉襞が大きく蠕動を繰り返す。\nそこから与えられる快感に、耐えられる筈もなかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "で、出るっ!!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "一番奥まで突き刺したところで、僕はもう一押しして解き放つ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あうっ、ん、あ、ああああぁぁぁ!!",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "お腹の奥で爆発するかのような勢いで溢れる僕の欲望。\nそれは驚くような勢いで、輝夜の中を満たしていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "か、輝夜の中、止まらない……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "こうして解き放つ今も、輝夜の膣は僕を搾り取ろうとする動きを止めなかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、はい……大地先輩のが、な、何度も、何度も、奥で溢れて……\nあ、ああ……大地、先輩……あったかい……\n外も、中も、どっちも抱きしめられてる、みたい、です……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "放出したまま、さらに締め付けられるという快感を味わいつつ、僕は最後の一滴まで輝夜の中へと注ぎ込む。\nそんな行為を、輝夜は嬉しそうに受け入れてくれていた。\nまるで、そのすべてを感じようとしてるみたいに。覚えておこうとしてるみたいに……。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"輝夜",
"大地"
] | 01_StellarTheater | D05_23h_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "気がつけば、時計はもう正午近くを指していた。\n自分でも気付かないうちに、学園をサボってしまったみたいだ。当然、今更行ったって、もうなんの意味もない。\n朝、空と皐月が呼びに来てくれたような気はする。だけどよく覚えていない。\n目はずっと覚めていた。\nというよりも眠れなかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "さようなら",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "あの輝夜の笑顔と声が頭の中で何度も響いて、何も考えられない。けれど眠ることもできない。\n最初から家族のもとへと行くことを考えていた輝夜。その輝夜に、僕はどう映っていたんだろう。\nボクが五年前の少年だったって気付いた時、どんな気持ちだったんだろう。それからどんな思いで見ていたんだろう。\n五年前、僕に助けられた輝夜。\n当然僕は、その時のことを覚えていない。\nだけど、もしその時僕が助けなければ、輝夜はその時から、ずっと家族の元にいられたのかもしれない。\n記憶世界。そこがどういう世界なのかは分からない。だけど、もし本当に今のこの世界と変わらない場所だっていうなら、それだってありなのかもしれない。\nそこに、輝夜の本当に望む人がいるのなら……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "輝夜にとって、僕はなんだったんだろう……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "輝夜にとって僕は、恨むべき対象だったのかもしれない。輝夜は最初から、僕を苦しめたかったのかもしれない。\n家族と一緒にいる道を閉ざしてしまった僕を。\n輝夜はそんな子じゃないってことは分かってる。輝夜が僕を愛してくれたのは全部本心だって分かってる。\nだけど……信じたいけれど、それを信じ切れない。\nそれだけ強い想いが、輝夜の中にはあった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "輝夜……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕は今、何をするべきなんだろう。ソラを捕まえて輝夜を取り戻すのか。いや、そもそもそれが可能なことなのか。可能だとして、輝夜がそれを望んでいるのか。\nもし輝夜が僕を恨んでいるなら、取り戻すなんてできるわけがない。\n仮に恨んでいなくたって、輝夜は僕よりも家族を選んだ。そんな輝夜を、家族から引きはがすなんて、僕にできるはずがない。\n輝夜の笑顔が、声が、温もりが、そのすべてが、今何よりも欲しい。\n心の中心をごっそりと持っていかれたような大きな喪失感が、僕をこの場所に縫い止めている。\nベッドの上に横になったまま、ただ時間だけが過ぎていく。何をしていいのか、何をするべきなのか分からない。\n僕は今、何をするべきなんだろう……。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"輝夜",
"大地"
] | 01_StellarTheater | D05_32_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "…………。\n……。\n…。\nなんだろう、音がする。この音には聞き覚えがあるけど……なんだったっけ。\nこの音は……。\nその音に引っ張り出されたみたいに、ハッと目が覚める。周囲をキョロキョロと見回せば、そこはやっぱり僕の部屋。\n……時計が二時間ばかし進んでる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いつの間にか、寝ちゃってたんだ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "まあ、夕べから一睡もしないで輝夜のことばかし考えてたんだし、さすがに落ちもするよね……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "って、この音……ノック!?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "響き続けるその音にようやく気付く。\n僕が気付いたことを察知したのか、ノックが止むと同時、いきなりドアが開き、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "よう、大地",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "アニキが姿を現した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "アニキ……?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "学園にも顔ださねえし、多分こうなってるんじゃねーかとは思ってたが……皐月も空も心配してんぞ",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "アニキは呆れたように言うと、僕の前へとやってくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ごめん……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ま、話は聞いた。状況が状況だし、お前が閉じこもりたくなるのも分からなくはねえ\nだがま、今お前がしなくちゃならねえのは、そんなことじゃねえだろ\n姫を取り戻すんじゃねえのか?",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "そんなアニキの言葉にも、僕は素直に頷くことができなかった。\n輝夜の僕への本当の気持ちが分からない。それに自信がもてない。輝夜がそれを望んでくれているって思えない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ねえ、アニキ。輝夜はさ、僕のことを恨んでたのかな……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "はあ?恨む?なんでだ",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "五年前のあの事故で、僕が輝夜を助けなければ、輝夜はきっと、もっと早く記憶世界の中で家族に会えてた……\n大切な人達のいない世界で、こんなに苦しまずにすんだ……\n輝夜が僕を選んだのは、そんな僕を同じように苦しめるためだったんじゃないかって……そう思えて……\nそう思うと……輝夜を取り戻すのが怖いんだ……次は、手を伸ばしても拒絶されるんじゃないかって……\n輝夜の本心が、見えなくて……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そう、心をこぼす僕を、けれどアニキはさもおかしそうに笑ってみせる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "おいおい、今更何悩んでんだ。んな暇あったらまずは自分の頭でもぶん殴るのが先だろが\nガキの頃からこうだったな。お前が何かに迷ってウジウジしだすと、俺が怒鳴って引っ張り出す",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "アニキは懐かしそうに言うと、真面目な顔で僕を正面から見た。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いいか、よく聞け大地\n姫の本心なんてのはな、姫にしか分からねえ。その姫のいない場所で何を考えたって、もう誰にも分からねえ\nけどな、それでも、どうしても知りてえっていうなら、お前自身が動くしかねえだろ\nお前が動いて、そいつを捜してみせろ。少なくともお前には、それができる力があんだろうが",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "アニキの指先が僕に向けられる。今の僕が持っている、輝夜の想いを知る手段。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ホロスコープ、ツリー……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そういうこった。いいか、よく考えてみろ。姫の言葉、姫の残したもん、姫と一緒にいた場所。きっとどこかに、姫の本心があるはずだ",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "確かにそうだ。分からないなら、分かろうとすればいい。僕にはそのための手段がある。それに、輝夜はあの時、確かに残してくれたはずだ。\n少なくとも、その本心を知るまでは、落ち込んでなんていられない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……本当だね。悩んでるくらいなら、まずは自分を殴らないと",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そして、ようやく顔を上げる僕に、アニキは呆れたように言う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ったく、懐かしいこと思い出させるんじゃねーぞ\n多少は大人になってマシになったかと思えば、まだまだだな",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "ごめん。本当だね……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "俺はこれ以上はもう何も言わねえからな。お前自身で探して、お前自身でどうするか決めろ。いいなっ",
"speaker": "銀一郎"
},
{
"utterance": "本当に、子供の頃からアニキにはまったく頭が上がらない。いつも怒られてばっかりだ。\nでもこの人とあま姉が引っ張ってくれたから、今の僕がいる。記憶を無くした後も前も、この人達はまったく変わらない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん、ありがとうアニキ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "アニキは最後にいつも通りの笑みを僕に見せると、そのまま部屋から出て行った。\nとりあえず背中は押した。あとは自分で考えてみろ。そんなアニキの気持ちがよく分かる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ、動いてみようか",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "輝夜の、僕への想いが見られる場所。それはきっと……僕が輝夜を抱いた場所。輝夜が僕に抱かれた場所。\nそして、輝夜の残してくれたあれが決め手になりそうな場所。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"銀一郎",
"大地"
] | 01_StellarTheater | D06_05_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "輝夜は憔悴しきっていて、今にも崩れてしまいそうだった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……もう、会っちゃったのか……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "過去の家族に。今の輝夜を知らない、拒絶する家族達に。\n本当なら、会わせたくなかった。会う前に、どうにか止めたかった。これ以上、輝夜を傷つけさせたくなかった。\nだけど、間に合わなかった……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大地先輩、なんですか……?",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "ああ、僕だよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "この世界の大地先輩じゃなくて、私を知ってくれてる、本当の大地先輩、なんですか……?",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "ああ。過去じゃなくて、今の僕だよ\nみんなが協力してくれて、道を作ってくれた。その道を空に送ってもらってやってきた、紛れもない、現在の僕だよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そういう僕を、輝夜は、まだ信じられない、といった顔で見る。が、やがて納得したように苦笑を浮かべた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そうですよね、大地先輩ですもん。これくらいは、できてしまうんですよね……\n……さっき、みんなに会って来ました",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "輝夜は、俯きながら、そう言った。どこまでも寂しげな声だった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……うん",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "誰ですか、って言われちゃいました……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "……うん",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "やっぱり。僕は素直にそう思った。\n過去しかない世界に、今を生きる僕達は入れない。思い出だけの世界に明日の可能性はないんだから。\n過去の人達に、今の僕達はもう、同じ時間から外れた見知らぬ人間でしかない。\nだから、会わせたくなかった。輝夜を、その家族から拒絶させたくなかった。\nだけどそれでも、輝夜は会ってしまった。この記憶世界の中で、拒絶をされてしまった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……なんで、なんですか……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "輝夜のその口から、僕を非難するような声がこぼれる。\nそして輝夜は、僕に掴みかかるように迫ってきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なんで、なんであの時私を助けたんですか!\nあの時、大地先輩が助けてくれなければ、私はみんなと一緒に死ねたんです!\nううん、もしかしたら、みんなと一緒にこの世界で暮らせたかもしれない\n大地先輩が、私を助けたりしなければ、こんな苦しい思いも、寂しい思いも、悲しい思いもしなくてすんだんです!",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "そこにあるのは、確かな僕への怒り。\n輝夜の僕への想いは分かってる。だったらきっとこの想いも、輝夜の僕への本心の一つなんだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大地先輩だって、記憶を奪われることなく、空さんと……\nなのに、なのになんで助けたんですか!",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "輝夜のその瞳から、涙が落ちていく。\n涙を流しながら、僕を本気で睨み続ける。\nだから僕は、そんな輝夜に本心を告げる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "僕は、あの時輝夜を助けた自分を褒めてるよ。それこそ、今まで生きて来た中でも一番にね\nだって、そのおかげでさ、輝夜と再会できた。輝夜を好きになれて、輝夜に好きになってもらえた。その胸にだって触れたし\n輝夜は、僕を好きになって、僕に好きになられて、迷惑だった?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……そんなの……迷惑なわけ、ないじゃないですか……\n迷惑になんて、思えるわけ、ない",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "もし恨みたいなら構わない。恨んでいい\n僕の自己満足のために、輝夜が今悲しい思いをしてる。僕は輝夜に恨まれてもしかたないと思う\nだから……もしそれで少しでも輝夜が楽になれるなら、僕を恨んで欲しい",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ずるいです……そんな優しい言葉をかけられて、恨めるわけないじゃないですか……\n私だって……私だって分かってるんですっ。大地先輩のおかげで私が救われたこと!\n私を助けようとしたせいで、大地先輩が辛い思いをすることになったこと!\n悪いのは、私なんだってこと……\n大地先輩こそ、私を恨んで下さい!記憶を失うキッカケになった私を、裏切って逃げた私を、恨んで、憎んで下さい!\nそうでなくちゃ、私、大地先輩を恨めない……大地先輩を、諦められない……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "泣きながら自分を責める輝夜。輝夜はきっと、自分を許せていない。\n僕を裏切るような真似をして、だけど結局僕を求めている自分を許せていない。だからこそ、僕に拒絶されることを求めている。\nだから僕は、言う。言ってやる。\n僕をあんなにも想ってくれていながら、それでも裏切ってくれた輝夜。\nううん。まだ裏切ったなんて思ってくれている、輝夜に。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "悪いけれど、僕は断言するよ\nそれでも僕は、輝夜を許す",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そんな僕の言葉に、輝夜が凍り付いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "輝夜を許して、そして受け入れる\nだって僕は、輝夜を諦めないから。輝夜に諦めてほしくないから",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "輝夜は少しも、僕を裏切ってなんかいないんだから。\nそこに、微笑みが浮かんでいた。\nそれはまだまだ弱いけれども、確かに笑顔だった。僕の見たかった、僕の望んだ、輝夜の笑顔だった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "本当に、ずるいです……ずるすぎます。そんな、恨ませてもくれないなんて……\n帰るの、我慢出来なくなっちゃうじゃないですか\n大地先輩の腕に、ずっとずっと抱かれていたいって思っちゃうじゃないですか\nあんなに必死にガマンして諦めたのに、やっぱりガマンできなくなっちゃうじゃないですか……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "微笑みが、確かな笑顔になる。\n涙に思い切り濡れていたけれど、それでも紛れもない、僕がずっと見たかった、輝夜の笑顔に。\nだから僕も、そんな輝夜に笑いかける。\n輝夜が想いを伝えてくれたように、今度は僕の想いを伝えるために。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "輝夜",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "大地、先輩……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "どちらから求めたわけでもない。あえていうなら、二人が同時に求めただけ。\n僕らは静かに目を閉じて、互いの温もりを重ね合った。\nその柔らかな温もりが、お互いの気持ちのすべてを伝えてくれている。そんな気がした。\nだから言葉なんて、もういらなかった。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"輝夜",
"大地"
] | 01_StellarTheater | D06_16_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "うーん……暇だ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ソファーの上でごろりと寝返りをうつ。\n日曜日の昼間。最近はテレビもつまらないし、特に読みたい本もない。\nせっかくのいい天気、輝夜とデートでも、といきたいところなんだけど……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "空も皐月もあま姉達と約束があるとか言って出かけちゃったんだよねえ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ご丁寧に、留守番押しつけて。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "引き受けた手前、無視して外に行く訳にもいかないしなあ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕は呟くと、再び寝返りをうった。\n……宅急便?\n不意に鳴り響いたチャイムに、僕はしぶしぶソファーから下りる。\nめんどくさいけれども、これを受け取らせることが留守番の理由だったりした場合、無視すると大変なことになる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はーい、今でまーす",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕は精一杯に中にいることをアピールしつつ、玄関へと急いだ。\n言葉が出ない。\n目の前にあるその光景に、僕は何一つ考えることもできず、ただその場に立ち尽くす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大地先輩",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "そこには、少女が立っていた。\n純白のドレスに身を包んだ一人の少女。僕の心に誰よりも深く住み着いている黒髪の少女が。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "輝……夜?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "目の前に立つ純白の少女の姿に、ただ目を奪われる。綺麗だ。そんな当然の言葉しか浮かんでこない。\nウェディングドレス。この場には到底そぐわないその衣装が、けれども輝夜にはあまりに似合っている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あの、これって……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "学園祭で星亜さんのドレス姿を見たときから、憧れていたんです\nそれで、大地先輩に見ていただきたいなって思っていたんですけれど。でも、どうせならこっちのドレスの方がって、皆さんが",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "今日のみんなの外出って、もしかして……このため?",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "す、すみません。こんな形で押しかけるのは迷惑になってしまうとは分かっているんですけれど……\nど、どうしても、私のケジメと、決意を大地先輩に伝えたくて……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "輝夜は言うと、真っ直ぐに僕の目を見る。その微笑みの向こうには、確かに強い意思みたいなものが感じられた。\nそして輝夜が、その想いを言葉にする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あの……ふ、ふつつかものですが、受け取っていただけますか……?",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "それはもう、僕のもとを離れない、僕の隣にずっといるという明確な意思表示。\nその想いへの解答なんて元から決まっているし、本来なら言葉にするのもばからしいくらいだ。だけど、時にはそれが大切な時だってある。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "姫ノ宮輝夜の身も心も全部、確かに受け取りました",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あ……\nはい",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "そこに、ぱあっと花のような笑顔が開く。\n輝夜の心が、笑顔になって広がっていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ただ、覚悟はしてよ。僕のものになる以上、もう絶対手放さないからね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "こんな可愛くて素敵な女の子、一度手に入れてしまったなら誰が手放すものか。\n宣言した以上、輝夜がこれからどう思おうと、僕は絶対に手放さない。手放せる自信がない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はい、私の方こそ、大地先輩から離れられる自信がありません",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "そんな僕の気持ちに、輝夜は満面の笑顔のままで、そして確かに言った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ですから\n私の身も心もすべて、死ぬまで大地先……大地さんのものだと、誓います♪",
"speaker": "輝夜"
}
] | [
"輝夜",
"大地"
] | 01_StellarTheater | DEP_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "時間的に考えて、星亜が僕と会ったのはあの直後だと思う。星亜が、僕が来るのを待ってたとしたら、その間に外を見て時間を潰してた可能性は高いはず。\nその考えは間違っていなかった。僕の目の前で、あの時の光景が再び映し出される。\nそこに、星亜の姿があった。背筋をピンと伸ばし、踊り場から下の階を見下ろしている星亜の姿が。\nその星亜の唇がそっと開く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "橘大地くん?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "え?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "踊り場の下に、あの時の僕の姿があった。星亜の声に立ち止まり、振り返る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あなたが『橘大地』くんで間違いない?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "再び星亜が僕に尋ねる。だけど返事はない。\n当然だ。あの時の僕は、星亜に見惚れながらこの状況について考えていた。\nそして何よりも、その光景に心奪われていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん、眼福眼福。百億ドルの夜景っていうのは、こういうのを言うのかもしれないね。普段闇に隠れてるし\n気の強い星亜が、ピンクという可愛らしさを表す色を選んでいるっていうのが最高だね。同時に清楚さもしっかりと感じさせる\nこれって、カメラとかにも写るのかなあ。そうだ、携帯で試して……\nはうっ!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "何見てるのよ!!",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "パンツ見てます",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……そこまでハッキリ言われると、どう続けていいのか困るわね……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "それもピッタリかぶりつきの特等席で見てます",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "いいかげんにしなさいっ!",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "問答無用の蹴りに、何かが脳天までロケットで駆け抜けた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "い、いい蹴りでした……今日もピン……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "もう一撃欲しいの……?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "大変失礼いたしました。いえ、男にとって限りなく魅力的な光景でしたもので、つい我を忘れていたようです",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "前も言ったでしょう。私は安くないの。男性の欲望を否定はしないけれど、受け入れるつもりもないわ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "さすが星座候補……見事な一撃でした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それで、こんなところで何を再生しようとしてたわけ?私なんか映しても仕方ないでしょう",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "ああそうか、丁度いいや。本人がいるなら、直接聞いた方が早いし",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そんな僕に訝しげな顔を向ける星亜に対し、僕は空に関してのことを説明する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なるほどね、そういうこと",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "なんで、もし何か見てたら教えてほしいんだけど",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ごめんなさい。残念だけど、特に窓の外は気にしてなかったわね",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "あの時のことを思い返すように思案して、星亜は小さく首を振った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そっかあ。残念、何か気になったことでもあればと思ったんだけど……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あ……そういえば……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そんな僕の言葉に、星亜は突然声を上げた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ごめんなさい、思い出したわ。さっきの光景のやり取りの後、空と合流して校庭を見てたんだけど、あの子、少し様子がおかしかったのよ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "っていうと?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "やたらとキョロキョロしてて……そうね、何かを探してる感じで……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "どの辺だったか分かる?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "言葉だとちょっと説明しにくいわね。実際行ってみましょ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "うん、ぜひに",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "もしかしたら、これで何かてがかりが掴めるかもしれない。そんな期待感を胸に、僕は星亜の後ろについて歩いていった。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"星亜",
"大地"
] | 01_StellarTheater | HO_01_02_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "提示したキーワードを元に、そこに僕が狙っていた場面が再生を始める。\nやっぱりそうだ。校庭じゃ他のクラスも体育で使うから危険だし、部室棟は隠れられそうだけど、部室に鍵がかかってるから結局入れない。\n昇降口はそもそも隠れようが無いし、見つかる可能性も高い。なら、残っている場所はここだけ……。\nそしてあの日、僕はここに来ていた。ここに、生徒がいたのを知っていた。\nあの時、この保健室のベッドで寝ていた女の子。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "夢先生なら、今留守ですよ。すぐ戻られるそうですけど\n夢先生なら、外出中です。すぐ戻られるそうですけど\n夢先生なら、少し席を外してます。すぐ戻られるそうですけど",
"speaker": "女生徒"
},
{
"utterance": "それだけ言って、すぐにカーテンの奥に戻ってしまった女の子。\n普段なら隠れているべきだったんだろうけど、星座候補の声を聞いて堪らずに顔を出してしまったんだとすれば、分からなくもない。\nそれに今見ると、更衣室の前で再生した映像の中に確かにいた気がする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "とりあえずは、これで解決、って思ってもよさそうかな",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "さすがに僕がいったらまずそうだし、空達にでも直接話を聞いてもらってみよう。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"大地",
"女生徒"
] | 01_StellarTheater | HO_02_06_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "そういえば空、初めて僕と会った、ここにいたんだよね。\nかけなれてないはずのメガネで変装なんてして。どんな風に隠れてたのか、ちょっと興味あるな。\nあの時の光景がホロスコープの力で浮かび上がってくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ちょっと早く来すぎたかな……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "まだ校舎に入ってきたばかりなのか、キョロキョロと周囲を見ながら呟く空。\n周囲に他の人の姿は見えない。まだほとんど誰も登校してきていない時間みたいだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "仕方ない、わよね。いつ来るか分からないんだもん。うん、仕方ない",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空はしまったなあ、という顔をすると、顔を赤らめながら自分に言い聞かせるように呟いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いけない。誰かに見つかる前に変装変装",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空はスカートのポケットからメガネを取り出すと。また周囲をキョロキョロと見回し始める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えっと……隠れられそうなところは……やっぱり、あの柱の陰とかかな",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空は、太い円柱状の柱に目をつけたのか、小走りで駆けだした。そして、走りながらメガネをかける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃぁんっ!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "が、空はいきなり正面から柱にぶつかると、その反動で床に転がった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "痛ぁ……メガネなんて普段かけないから分からなかったけど、結構遠近感とか狂うのね……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "ぶつけたおでこをさすりながら、痛そうに顔を歪める空。思い切り正面からいったもんなあ……。\n変装用なら伊達眼鏡でいいんじゃないかと思ってしまったけれど、これはまあ気分の問題なのかなあ。\nでも、この映像の場合、気になってしまうのはやっぱりその場所だと思う。これは男として本能的に仕方ないことなんだ、うん。\n空の一番深い場所を隠している薄い布地。それは気付いていないのか、大きく開かれた足の間で、それが惜しげもなく晒されていた。\n空らしい、というのか、あまり大人っぽくないかわいらしい下着。\nうん。変に飾ってるものより、やっぱり本人に合ってるものだよね。なんていうか……眼福眼福。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えーと、メガネは……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空はそう呟きながら、目の前に転がっているメガネに気がついた。そのまま手を伸ばそうとして、そこでふと硬直する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "わたし、この体勢って……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "どうやら今の自分の状況に気がついたみたいだ。その顔が、みるみる赤くなっていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃあぁっ!!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "そして空は小さく悲鳴を上げると、慌てて右手でスカートを押さえつける。\nそしてキョロキョロと周囲を見回し、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、誰にも見られてない、わよね……?",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "他の誰の姿もないのを確認して安堵した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "早く来すぎたおかげ、よね。うん大丈夫。今日のわたしはきっとついてる",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空はスカートを押さえながらうんうんと頷くと、改めて周りを見回した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ここが、茜橋東学園……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "感慨深げに呟くと、少し寂しげな表情を浮かべる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "他のどの学園に行くことはあっても、ここだけは絶対にありえないって思ってたんだけどな\nあいつが、この学園に通ってなければこんなことにならないのに……本当にどういうつもりで……\nあいつじゃあ、あの約束は果たせないのに……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "そう呟いて、空は頭の中を吹っ切るように頭を振った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "果たせない約束なんかいつまでも覚えてたって仕方ないじゃない。わたしがここに来たのは、あくまでも試験。それだけよ、うん\nで、でも、今の本当に誰にも見られなかったわよねぁ……わ、わたしの、ぱんつ……\nうう~……こんな恥ずかしい失敗、星座になってから初めて。やっぱり、この街だと気が揺るんじゃうのかなあ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空は恥ずかしそうにそう言うと、メガネを拾いながら立ち上がった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "次はちゃんと気をつけて、メガネは大地が来てからかけよう、うん",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "メガネをポケットにしまいながら、柱の陰に隠れる空。そうして、僕が来るのを待ち始める。\nそこから先は、僕が知っている流れになるんだろう。僕はホロスコープを終了させた。\nやっぱり、空も気にしてるんだな。約束のこと。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まあ、当然、かぁ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "きっと僕なんかの何倍も気にしているだろう。でもこればかりは、今の僕にはどうしようもない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん。とりあえず素敵な映像をありがとうございました、空",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕は自分を元気づけるように明るく声を出すと、その場を離れることにした。\nいやうん。早いとこ犯人の隠れてた場所を見つけてみんなに報告しないと。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"空",
"大地"
] | 01_StellarTheater | HO_02_07_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "ドアの開く音が響くと、あの日の空が部屋の中へと入ってきた。\nうん、成功だ。うさぎのぬいぐるみは、あの日僕が贈ったものだし、デート用の服もあれ以降はまだ着てない。\nそれに、夕飯に部屋から降りてきた時にはもう着替えてたから、この二つのキーワードが重なるのって、実質あの時しかないんだよね。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ふぅ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空はやっぱりどこか暗い表情のままで机に向かうと、そっとうさぎのぬいぐるみを上に置いた。\nそして、どこか苦しげに口を開く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "わたし……自分がこんなになっちゃうなんて思いもしなかった……\n大地に知られたら、嫌われちゃうかな……\nはしたない子だって……思われちゃうかな……\nで、でも……もう……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空はそのままベッドへと歩くと、その上に横になる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ごめんね……ごめんなさい、大地",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "そして大きく足を開くと、その間に、そっと自分の手を伸ばした。空いてる左手は、小さな膨らみに優しく触れる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空の小さな身体が、慣れない感触にか、ぴくんと震えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あう……やっぱりわたし変かも……\n大地とキスしただけなのに……パンツ、こんなに濡れちゃってる……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "惜しげもなく晒された、空のかわいらしいピンクのストライプ柄の下着。その中心は、こうして見るだけで分かるくらいに濡れていた。\n空は、その染みになっている部分を、恐る恐る、ゆっくりと指先で撫でていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……うっ。や、やっぱり変な感じ……\nで、でも、もうちょっと続けたい、かも……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空の指が、少しずつ動きを大きくしていく。少しずつだけれど、その行為に慣れていってるのかもしれない。\nこ、これってつまり俗に言う……自慰行為、だよね……。\n空、僕とのキスで興奮しちゃって、こんなことを……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大地、わたしの部屋にいるの?",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "不意に、扉の外から本物の空の声がした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そ、空!?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "さすがに今、この光景を見られるのはまずい。そう判断はするものの、身体が動かない。\n目の前の光景に、空の自分を慰めるその光景に、僕の意識は完全に支配されていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、やだ、おっぱい……先っぽ尖ってきてる……\nふぁ……コリコリしてて……んうっ……き、気持ち、いいかも……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空の声が少しずつ溶けていくのが分かる。その表情が少しずつ上気していく。\n僕は、空の行為から目を離すことがどうしてもできなかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お風呂沸いたから、入っちゃってって、皐月が……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "そして、空が部屋へと入ってくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え?",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "部屋の中で映し出されるそれに、空が凍り付いたのが分かった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、あ、あんっ。身体に触るって……こんな、気持ちいい、んだ……\nな、なにか、ぞくぞくって……きてる……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "いつしか下着のシミはより広がり、そこから空の指の動きに合わせて水っぽい音が聞こえ始めていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こ、これって……きゃあああああっ!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "その映像の意味をようやく悟ったのか、空が顔を真っ赤に染めて悲鳴を上げる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "み、見ちゃだめっ!やだ!見るな!見ないでえっ!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "懸命に腕を伸ばして、僕の目を隠そうとする空。\nだけど僕は、空のその行為に完全に魅せられていた。必死に僕の邪魔をする空をものともせずに、黙って目の前の行為を見続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お願い、大地!だめ!本当にだめえっ!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "泣きそうな空の声に罪悪感はあったけれど、それでも僕は目を離せなかった。\n僕にとってい一番大切な女の子が、僕の名前を呼びながら、一番恥ずかしいところを自分でいじり続ける。そしてとろけるような吐息をこぼす。\n次第に濡れていく下着と上気していく頬が、僕の欲望を昂ぶらせていくのが自分で分かった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……はふぅ……凄い、こんな……\nだ、だめ……パンツ、もうぬるぬる……\nあ、ああ……やだ……身体、震えて、止まんない……こ、こんなの……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "その顔が、とろんとなっていた。最初の頃とは比べものにならないくらいに早く動く空の指。\nそれは、下着の下にある筋に沿っているのか、上下に動き続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……はぁ……はぁ……やぁ、指、とまんない、よぉ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "甘く震える空の声。それだけで、僕の身体が反応しそうになる。だめだ。空に触れたい。あのささやかな膨らみを感じたい。\n下着に隠された空を、この目で見たい。そして、あの甘い声を、僕の手であげさせたい。\n僕の中の欲望が、自分でも驚くくらいに昂ぶっていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あうぅ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "本物の空は、僕の隣で全身赤一色になりながら俯いてしまっていた。\n自分自身がやった行為をこうして見せられる。それは恥ずかしくて当然だろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大地……大地ぃ……わたし、もっと大地に……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "しかもその自分が、僕の名前を呼びながら喘いでいる。\nだけど、それでも僕は、空の行為から目を離せない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、だめ……もう……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空の手が、我慢の限界、とばかりに下着の裾へと伸びた。そしてそのまま、足首まで一気にズリ下ろされる。\n空の小さな割れ目が、僕の視界にはっきりと映った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、大地……だめ……見ないで……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "本物の空が、僕の隣で恥ずかしさでいっぱいの声をこぼす。\nけれど無理だと分かっているのか、その手は僕の腕を掴むだけで、それ以上の抵抗はなかった。\nベッドの上で大きく開かれた空の両足。そしてさらけ出された、幼い、まだツボミな空の身体。\nそのもっとも恥ずかしい部分には、一本の陰りも存在しない。\n生まれたばかりの赤ちゃんみたいに綺麗なその場所に、一本の縦筋がある。\n空はその淫靡な筋に手を伸ばすと、そっと左右に開いた。\nその奥から白い空自身の蜜と、思わず見とれてしまいそうに綺麗な、桃色の秘肉が顔を覗かせる。\n空の細くて小さな指が、その割れ目の奥へ、そろそろと伸びていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はんっ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "直接触れたのか、ぴくん、と跳ねる空の身体。その口からこぼれた喘ぎは、今まで以上に甘かった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "凄い……こんな、ぬるって溢れて……や、やだ……電気走る、みたい……\nあ……あ、ああ……な、何かが、背筋登って……くる……\nだ、大地ぃ……これ、切ないよぉ……\nこ、これ……あ、んうっ……大地の指、だったら……もっと凄いのかな……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "桃色の秘肉を、空の指が撫で回す。空の奥から蜜が湧き出し、お尻の方へと垂れていった。\n胸を揉みしだく手も、その中央にある突起の部分を指でつまんでいるようだ。\n空の両手が動く度、上気しきった空の顔から堪らない喘ぎ声が響く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あんっ……あ、あふ……や、あ……気持、いい……\nこんな……んうっ……すご、いよぉ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "更なる快感を求めてか、空の指が、やがて秘裂の下方、奥への入り口に触れる。\n初めて見るそこは、僕が想像していた以上に小さく閉ざされ、指一本すら入りそうにない。空はその穴の周辺をゆっくり撫でると、その入り口へと指を向かわせる。\nが、寸前でその指が止まった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……や、やっぱり……ここはだめ、だよね……\nや、破れちゃったりとか……こ、恐いし……\nでも……大地の……入るのかな……\n大地……\n大地だったら……もっと……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空の指が秘裂の上へと向かう。その頂点の部分にある、まだ包皮に隠れた小さな突起。\nもう充血して膨らんでるだろうそれを、空は包皮の上からそっとつまんだ。そして、少しだけ力をいれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃうっ!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空の身体が、びくんっ、と大きく跳ねた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、あ……ここ、すご……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "感じきった表情で、指を動かし続ける空。その淫靡な空気に、僕自身がもうもたなくなっている。\nズボンの中のそれは、今すぐにでも空を奪い取りたくて漲っているのがよく分かった。\n今、僕の隣にいるこの少女を、かけがいのない子を、本当に僕のものにしたい。抱きしめて、その温もりも柔らかさも香りも声も視線も、すべてを感じ取りたい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あのさあ、空……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕は、いつしかホロスコープを止めて、震える声で、空に声をかけていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……いい、よ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "え……?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "恥ずかしそうな、けれど確かな声が、返ってきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え、えっち……したいんでしょ。いいよ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "で、でも……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "わ、わたしだってその……男の子のそういうのに対する興味くらい分かってるもん……\nそれなのに、今みたいなの見せられたら……と、止まらない、よね……\nわ、わたしだって……こんなの見せられちゃって……\nこ、恐いけど……大地とだったら……うん、いいよ。えっち、して\nだ、だけどその……わたし、初めてだから……自分でだって、さっきの映像のが初めてだったくらいで……\nだからその……痛がっちゃうかもしれないし、凄いめんどくさいかもしれない……けど……い、いい?",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "真っ赤な顔での、一生懸命な空の言葉。\n女の子の方からこれだけのことを言うなんて、相当勇気もいったと思う。僕は、そんな空を力一杯抱きしめていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あの、でもね、一つだけ、お願い……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "何?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "は、初めての時は、大地の部屋でがいいなって……その……ずっと思ってて……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "うん。僕の部屋、行こうか",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕の腕の中で、こくん、と頷く空。僕は空をしっかりと抱き寄せたまま、空の部屋から出て行った。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"空",
"大地"
] | 01_StellarTheater | HO_A05_03h_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "思った通り、キーワードは問題なかったらしい。目の前にスクリーンが浮かび上がり、過去が再生され始める。\nそこには……子どもと約束をする母親の姿が映っていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "この映像のどこかに黒猫が……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "星亜!あれっ!!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "映像の隅……途切れてしまうかギリギリといったところに、一匹の猫が映っている。\n黒い毛並みに、尻尾の先は白というちょっと変わった柄。\nそして、その首にはピンクのリボンが……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "間違いないわ。この猫よ……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "まるで、脳裏に刻み付けるかのように星亜が黒猫を凝視する。\nぱっと見ただけではただの猫にしか見えない。\nだけど……この猫が今回の事件に大きく関わっていることは間違いないんだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……あの猫の姿はハッキリと認識したよ。これで、あの黒猫自体をキーワードで使えると思う",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ええ。これから、あの黒猫を追う時、相当頼りになりそうね",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "星亜が本当に嬉しそうににっこりと微笑みかけてくる。\nその笑顔に思わず見惚れそうになりながら、僕は胸の奥に、そのキーワードをしまい込んだ。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"星亜",
"大地"
] | 01_StellarTheater | HO_B04_01_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "……ふう……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "えっ?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "キーワードに答えて、昨夜の映像が浮かび上がる。\nそこには一匹の黒猫の姿と……星亜がいた。\n星亜はベンチの上に座りながら、一人でぼーっと夜空を見上げている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "な、なんで私が……あっ!?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "僕と同じく驚いていた星亜がはっとした表情を浮かべる。\nということは、やっぱりこれは星亜に違いないんだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、嘘、これってまさか……や、やだ、だめ!\nた、橘くん!お願いだから見ないでえ!!",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "え、いや、だけど……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "普段の星亜からは考えられない慌てっぷりに首を傾げる僕の前で、ホロスコープの映像は進んでいく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あら、飼い猫かしら。自分からすり寄ってくるなんて\nふふ、どうぞ、いらっしゃい",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そんな星亜に応えるように、黒猫はベンチの上に乗ると、星亜に頭をすり寄せた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あなたはいいわね。そうやって自分の好意を自然に伝えられて……\nでも私はだめ。どうしても自分の想いを出せそうにないの……そんなこと、今まで考えたこともなかったから……私……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "少し寂しげに微笑みながら、黒猫へと語りかける星亜。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、だめっ。そこから先は本当に……た、橘くんっ!お願いだから……っ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "真っ赤になって叫ぶ星亜の前で、映像の星亜がさらに言葉を紡いでく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "私……橘くんの顔……恥ずかしくて見られない……\nそれどころか、目の前に立つだけでドキドキして……まともに話すこともできなくて……\n私、やっぱり橘くんのこと……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "……え……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "――――っっっ!!!",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "もうだめ、とばかりに星亜が顔を手で覆う。\nそして映像の星亜は、はっきりと言った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "好き、みたい……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "その言葉に、当然猫は何も答えない。ただ、その深い瞳で星亜を見つめ続ける。\n静寂に包まれた夜の公園。そこに、星亜の想いだけが、確かに満ちていた。\nやがて、黒猫は星亜の告白を聞いて満足したのか、ベンチから飛び降りる。そして一度だけ星亜に向かって鳴くと、その場所から去っていく。\nそれに合わせるように、ホロスコープの映像も消えていった……。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"星亜",
"大地"
] | 01_StellarTheater | HO_B04_03_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "やった、うまくいった",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "これは、一昨日、うちに星亜が来た時のかな。うん。星亜はまだこの時しか僕の部屋に入ってないからだな。キーワードとして成立したのは。\nで、星亜しか映っていないってことは、僕がジュースを取りに行って、空と皐月に巻き込まれているあの時かも。\nん……?そういえばあの時僕が部屋に戻ると、星亜、なんだか焦っていたような。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うーん……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "なんだかノゾキみたいな気もするけど、やっぱり気になるな。\nま、少しくらいいいよね。どうせたいしたことはないと思うし。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "橘くんの部屋……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "疲れたように溜息をつくと、星亜がベッドの上に座る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ここで、橘くん寝てるのよね……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そして、枕を手に取り、そこに顔を埋めてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ふふ、橘くんの匂いがする……\n昨日、あんなにいっぱい嗅いだ、橘くんの匂い……\n私を、力強く抱きしめて……あんなに恥ずかしい思いさせて……あんなに、気持ちよくしてくれた……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "星亜は小さく縮こまると、真っ赤になって呟いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "橘くん、優しかった、な……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そして星亜はベッドの上に、ぽてん、と横になると、切なそうに独りごちる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "男の子って、一度しちゃったら、もうえっちなことで頭の中がいっぱいになっちゃうとか聞いたことあるけど……橘くんも、なのかな……\nでも、あんなに橘くんに愛してもらえるなら……求めてほしい……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "あっ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "こ、こんな格好とかしたら、求めてくれるかしら……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "まるで昨日の僕の手でも再現しているみたいに、星亜はゆっくりと自分の服をはだけていく。\nするとその隙間から、瑞々しい肌と、上品な下着がこぼれ出す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そ、それで、こんな風に橘くんの手が私の脚を開かせて……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そしてもじもじと開かれた足の間から、星亜の恥ずかしい布地が露出していた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そして手が胸へと伸び前のボタンを外すと、ゆっくりと服を左右に開く。\n隠されていた二つの膨らみが、それを包み込む下着と一緒に外気に晒される。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……やっぱりダメ……橘くんの手じゃないと、全然気持ちよくない……\n橘くんならきっと……\nあっ……んふっ……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "星亜は服の間から手を突っ込むと、ブラのホックを解く。\nブラのカップが左右に別れ、その膨らみの一部を露出させた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こ、ここまで見せたりしたら、橘くん……また求めてくれる、かしら……\nで、でも逆に、こんなはしたない子はイヤだとか、嫌われちゃったり……\nき、今日も、一応覚悟はしてきたんだけど……そ、そうよね。橘くん、そんな人じゃないし……\n私のこと、大切にしてくれてるから……\nだ、だけど……私、もっと橘くんが……\nえっ……!!\nえ、わ、私、何をして……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "物音にびっくりしたのか、星亜が飛び起きる",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こんなことしてるの知られたら、橘くんに嫌われちゃうじゃないっ!",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そして星亜は、慌てて服を整え始める。\nそんな星亜の姿を見て、僕は慌ててホロスコープツリーの映像を止めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……星亜、あの時にこんなことをしてたんだ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だから部屋から戻ってきた時に、顔が赤かったんだな。\nでも大丈夫です星亜さん。僕がこれで愛想を尽かすとかそういうことは全くありません。\nむしろそこまで僕を求めてくれる星亜が、より好きになってしまいました。\n星亜の心も身体も、その両方を大事にしたいと思う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……でも、星亜にさっきみたいな格好で迫られたら、間違いなくガマンできないよね、男なら……",
"speaker": "大地"
}
] | [
"星亜",
"大地"
] | 01_StellarTheater | HO_B05_02_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "……なんていうか、対抗意識バリバリって感じだね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "当然じゃない。少なくともあの人には絶対に負けられない\nあの人を越えるのが、今の私の全てなんだから",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "まるで、敵意を燃やすかのような星亜の口調。\nでも……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "…………",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "星亜の顔には……笑顔が浮かんでいた。\nもちろん、星亜当人は気づいてないみたいだけど。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"星亜",
"大地"
] | 01_StellarTheater | HO_B06_01_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "どっちも救える道を探すわ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "星亜は淀みなく、迷う事もなくはっきりと言い切った。\n必ずそうすることができる。そう信じて疑っていないように。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もちろん生半可なことじゃあないわ。それが険しい茨の道だっていうことくらい、私も分かってる\nだけど、私は諦めない……なんとしても全員を救ってみせる\n誰も見捨てない。救う必要のある人は、必ずみんな救ってみせる。それが、私の目指す星座\n姉さんとは根本的に違うのよ。だから私は、姉さんを越える。越えて、私の考えが正しいことを証明してみせる",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "…………",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "人の命の重さに違いなんてないわ。誰かを犠牲にすることを前提にした救いなんて、絶対に間違ってる\n私は、最初から諦めたりはしない。人を救える力があるなら、すべて救ってみせるべきなのよ!",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "こんな話をしてるのに、星亜は笑っていた。\nまるで、陽夏さんのことを話すのが楽しくて仕方ないみたいに……。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"星亜",
"大地"
] | 01_StellarTheater | HO_B06_02_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "おお、ホントに昨日は完敗だったからな……いつの間に、あんなに腕を上げてたんだ?",
"speaker": "男子生徒A"
},
{
"utterance": "そりゃあね、こっちも勝負だもの。必死で練習したさ",
"speaker": "男子生徒B"
},
{
"utterance": "騒ぎになる前、まだ笑顔で話している男子二人の姿が見える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まさかこんなに短期間で追い抜かれるなんてなあ……こっちもうかうかしてられないぜ",
"speaker": "男子生徒A"
},
{
"utterance": "ま、その前に約束どおり、そっちのカードを譲って貰わないとな",
"speaker": "男子生徒B"
},
{
"utterance": "満面の笑みを浮かべて手を差し出す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は?なんの話だ?",
"speaker": "男子生徒A"
},
{
"utterance": "それに対し、本気で呆気に取られたような顔を浮かべる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "おいおい、昨日の勝負の前に約束しただろ?これの勝敗で、お互いのレアカードをかけるって……こっちだって覚悟の上で望んだ勝負なんだぞ?",
"speaker": "男子生徒B"
},
{
"utterance": "はぁ?いやだからなんの話だよ?お前とレアカードで勝負?そんな話、した覚えもないぞ!",
"speaker": "男子生徒A"
},
{
"utterance": "そのまま、二人は激昂したように言い争いを始める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふざけるなよ、こっちは真剣に……",
"speaker": "男子生徒B"
},
{
"utterance": "バカやろう、こっちだってきちんとした勝負なら嘘なんて吐かねえよ!変な言いがかりするんじゃねえ!",
"speaker": "男子生徒A"
}
] | [
"男子生徒B",
"男子生徒A"
] | 01_StellarTheater | HO_C04_01_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "あははっ、ほら大くん、もっとスピード出せる?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "よぉし、あま姉がそういうなら!いっくよー!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "それもっとぉ、どんどん行け行けーっ!",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "おおっ!って……あれ?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "どしたの、大くん?坂道はすぐなんだし……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "う、うん……でも、ブレーキが効かなくって",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ええっ、ってきゃあっ!",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "うわあっ!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "危ないっ、大くんっ!",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉っ、あま姉っ!?だ、大丈夫?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だい、くん……良かった、怪我はない……?",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "ぼ、僕は大丈夫だけど……あま姉、お腹から血が……すごい量の……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だいじょう、ぶ……このくらい、お姉ちゃんは、へっちゃらなんだから……",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉、でもっ……誰か、お願いです!あま姉を、誰か、助けてっ!\n早く、救急車をっ!誰かっ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "心配、しないで……大く、ん。これくらい、なんでもな、いから",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉ーっ!",
"speaker": "大地"
}
] | [
"大地",
"天音"
] | 01_StellarTheater | HO_C05_a01_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "これは、昨日の夜の映像かな?机に向かってこの手紙を書いてたらしい輝夜の姿が映し出される。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大地先輩、気付いてくれるかな……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "少し不安そうに呟く輝夜。やっぱり輝夜は、僕にホロスコープでこの映像を見せたかったみたいだ。\nでも、なんでこんな回りくどい真似なんてしたんだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ううん。大地先輩なら、きっと気付いてくれますよね。このホロスコープツリー",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "そう言って、輝夜は椅子から立ち上がった。そのままくるりと振り返る。\nそして、本当だったら誰もいないはずの場所へ、今ここにいる僕に向かって、はにかむように微笑んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "本当なら正面から言わないといけないことなんですけれど……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "輝夜はそこまで言うと言い淀み……、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "す、すみませんっ",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "顔を真っ赤にして大きく謝った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あの、ど、どうしても正面から言えなくて……だから、こんな方法を取らせていただきました\n今から言うことは、私の本心です。嘘でも冗談でも決してありません\nで、ですが、もしこれからの言葉を聞いて、それが大地先輩の重荷になってしまうなら、忘れて下さい\nで、できればその……本気で考えていただけると、う、嬉しい、です……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "そこまで言って、輝夜は赤らんだ顔のまま、まっすぐに僕を見る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大地先輩、いえっ、橘大地さん!\n……好き、です……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "それは、紛れもない告白の言葉だった。姫ノ宮輝夜という一人の少女が、橘大地へと送った強い想い。\nホロスコープで映し出された輝夜の瞳が、僕がそこに立つだろうことを信じて、ただジッと見つめ続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "す、すぐに返事を、とは言いません。さっきも言いましたが、大地先輩に重荷になるなら……忘れて下さい……\nそれでも、もしお返事をいただけるなら……それがどんな結果であっても、お待ちしています\nよ、よろしくお願いします!",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "輝夜は最後に、もう一度深くお辞儀をすると、再び机の方へと、振り返った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "い、言っちゃいました……ま、まだ心臓が、こんなにドキドキして……\nあとは、この手紙をカバンと一緒にクローゼットの中にでも閉まってしまえば、ホロスコープツリーのキーワードとして使えるはず\n大地先輩なら、きっと気付いてくれますよね……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "輝夜は真っ赤になった顔をそのままに、手がみをそっとカバンにしまった。そしてすぐ後ろにあるクローゼットの中へとしまう。\nこの部屋からキーワードである手紙が消えたせいか、静かに映像は消えていった。\nドキドキと心臓が高鳴っているのが分かる。あの輝夜が、僕を好きだと言ってくれたこと。その現実が信じられない。\nだけど、今のは夢でも幻覚でもなんでもない。紛れもない現実の映像。輝夜の、僕に対する想い。それを嘘になんてしちゃいけない。\nそれが、重荷なんかであるはずがない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "僕の答えなんて、決まってるのに",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そう口にした刹那、\nぎしっ。\nクローゼットの方から、何か音がした。\n……なんだ、今の。\nネズミ、なんかここにいるはずないし、風のせいでもない。\nまさか……いや、輝夜ならそのまさかも……。\nまったく。本当に困った娘さんだ。\n僕は小さく笑うと、音を立てないように気をつけながら、クローゼットへと向かった。\nそしてそっと、その扉に手をかける。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"輝夜",
"大地"
] | 01_StellarTheater | HO_D04_02_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "……大地先輩、起きてらっしゃいますか……?",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "かわいらしい声が、真っ暗な部屋の中、小さく響いた。\n声がしたのはベッドの上からか。目を凝らすと、そこに二人分の影がある。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えーと……これってやっぱり……あの時の、だよねえ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕が、輝夜にそのすべてを捧げられた夜。輝夜を僕だけのものにした、その後の時間。僕が充足感に包まれて眠ってしまっていた時の光景だ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大地先輩?",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "もう一度、同じようにかわいらしい声が響く。けれど僕はスヤスヤと心地よさげな寝息を立てて、まるで反応を示さない。\nそんな僕の横で、一人分の影がもぞもぞと動いた。長い髪がばさりと横にこぼれ落ちる。どうやら輝夜が起き上がったみたいだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃっ。そ、そうでした。私、何も着てない……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "輝夜は、慌てて周囲を見回すと、ベッドの上に自分の服がいくつか散らばっているのに気付く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……大地先輩に、脱がされちゃった服、ですよね……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "輝夜は恥ずかしそうに自分の身体を隠しながら、そのいくつかを広いあげた。\nそしてショーツとキャミソール、カーディガンをごそごそと身にまとう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "せ、せめて、これくらいは隠せないと、やっぱり恥ずかしいです……\n大地先輩には、恥ずかしいところ、たくさん見られちゃいましたね",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "輝夜は恥じらうように微笑むと、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……大地先輩、失礼します",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "そのまま僕の上に覆い被さるようにして乗った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "その端正な顔立ちが一瞬だけ痛みに歪む。けれど、すぐに笑顔になった。\n輝夜は微笑んだまま、眠り続ける僕に囁きかける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やっぱり、大きく動くとまだ少し痛みます……\n私……本当に大地先輩に捧げられたんですね……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "下腹部にそっと手を当て、感慨深げに目を細める輝夜。僕を受け入れたあの瞬間を、思い出しているのかもしれない。\nそして、再び僕へと語りかける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "本当は、少しだけ恐かったんですよ、私。すっごく痛いって聞いてましたし、それに、終わったら自分が今までとは別のものになってしまうんじゃないかって思って\nなのに、とっても不思議です。あんなに痛くて、今でもまだ痛むくらいなのに……全然後悔の気持ちが湧いてきません\n今はただ、大地先輩のものになれたことが純粋に嬉しくてたまらないんです",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "それはむしろ僕のセリフだって思った。\n輝夜を僕のものにできた。それがどれだけ嬉しくてたまらなかったか。\n今ここで、寝ている僕と交代したい。そしてその嬉しさを輝夜に伝えてあげたい。そうすれば、輝夜の決意を少しでも抑えてやれたかもしれないのに。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……とっても気持ちよさそうな寝顔ですね……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "けれど、そんな思いが届くはずもなく、バカな僕は、ただ気持ちよさそうに眠り続ける。輝夜はそんな僕の顔をじっと見つめて、クスと笑った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……大地先輩……今度は、私がもらっていいですか……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "そして潤んだ瞳でそう呟くと、そっと頭を下げる。\n桜色の小さな唇が、眠ったままの僕の唇にそっと重ねられた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "そのまま輝夜から吐息と一緒にこぼれるどこか熱い声に、僕はこの瞬間起きていなかった自分に心底腹が立った。\n起きていれば、輝夜のこの熱い想いを、そのまま受け止めることができたのに。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ええいっ。やっぱり代われ、僕!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "輝夜はそれから何も言わず、ただそのまま僕にキスをし続けた。\nそして2・3分は経ったと思う。その頭が、静かに上がった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えへ。ごちそうさまでした",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "名残惜しそうにキスを終え、恥ずかしそうに笑う輝夜。満足そうなその顔に、見ているこっちも嬉しくなってくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大地先輩……大好きです\nこの気持ちだけは、絶対に嘘じゃありません。本当に本当に、大好きで大好きです",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "僕の顔を見つめながら、優しく囁く輝夜。\nそれは、僕に信じてほしいって願ってるみたいだった。そして、僕に誓っているみたいだった。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"輝夜",
"大地"
] | 01_StellarTheater | HO_D06_04_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "そこに、輝夜の姿が映し出される。\n椅子に座り、机に覆い被さるようにして何かを見ている輝夜。\n離れてそれほどの時間が過ぎたわけでもないのに、その姿に胸が痛くなるほどの想いがこみ上げてくる。\n輝夜は、このペンダントに自分の想いがこめられてるって言ってた。それはきっと、こういうことなんだ。\nこれを見て、そして本当の想いを知っていてほしい。それがきっと、あの時輝夜が望んだこと……。\nあの告白と一緒だ。輝夜はわざと、このペンダントを……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大地先輩……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "聞き慣れた声が、僕の名前を呼ぶ。それは、僕の隣で笑ってくれていた姿を思い出させるには充分すぎた。\n手を伸ばして、その黒髪に触れたくなる。その頭を撫でて、嬉しそうに笑う輝夜を、そのまま抱きしめたくなる。\nだけど、それが無理だってことくらいは分かってる。目の前の輝夜は、過去の映像でしかないんだから。\nそして、その過去の映像が、僕の名前を呼んでくれた。この中にはきっと、輝夜の想いが込められている。\n僕は、輝夜を信じる事に決めたんだから。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大地せんぱぁい……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "甘えるように僕の名前を呼ぶ輝夜。他の誰にも聞かせることのない、本当に、僕一人だけのための声。\nそんな風に僕の名前を呼びながら、机の上に置かれた写真立てを指先でつつく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "誰の写真だろう……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "少し不安に思いながら後ろから覗き込んでみる。\nその写真立ての中には、僕の写真が入っていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふふ。今だけこのペンダントにも、大地先輩の写真いれちゃいました。みんなにも、この人が私の大切な人なんです、って聞いてほしいから\nこの人が、私の恋人なんですって",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "そして輝夜は、そのペンダントに聞かせるように、写真立ての中にいる僕へと語りかけていく。\nああそうか。あの日輝夜に託されたこのペンダントは、やっぱり特別だったんだ。輝夜から、きっと僕への最後のメッセージのつもりだったんだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "本当。大地先輩と出会ってから、毎日が大忙しです\n毎日が楽しくて、ずっと笑ってばかりで。寂しいだとか思う暇もなくて……何度も、みんなのことを忘れかけちゃいました\n生きてることが本当に楽しい。こんな風に思えちゃうんですから\nでも大地先輩、本当にえっちさんなんですから。私、いつもいつも恥ずかしいことされちゃって……\n触られちゃったり、恥ずかしいところ見られちゃったり。大地先輩の前だと、不思議に起こっちゃうんですよね、そういうことが\nでも大地先輩になら構いません。大地先輩に、私のすべてを知って欲しい……そしてもっともっと、好きになってほしい……\nだから、大地先輩に捧げたこと、少しも後悔していません。とっても痛くて、身体が裂けちゃうかと思いましたけど、でも嬉しかった……\nあの夜、もらっちゃったのはないしょです",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "……えーと、あの夜ってあの夜ですよね。もらっちゃったって……な、何を!?",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "私、大地先輩に愛してもらえてるんですよね……あの大地先輩に……\nえへへ……大地先輩の彼女なんだって思うだけで、自然と顔が緩んじゃいます\n……だけど、本当にビックリでした。あの火災事故で助けてくれた男の子……それが大地先輩だったなんて\nあの時私、誰かも分からないあなたのこと、きっと好きになってました\nだって、あんなに一生懸命に身体を張って守ってくれちゃう男の子、女の子なら普通はときめいちゃいますよね\n結局、あれからどうなっていたか分からなかったあの人と、まさかこの街で再会できるなんて",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "そこまで言って、輝夜の顔に陰が差した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それも、記憶を、失って……\n私のせい、なんですよね。私のせいで大地先輩は記憶を失って、空さんとも……\nなのに……なのに、私は……\nなんで、なんでしょうね。私の中、こんなに大地先輩でいっぱいなのに……\n大地先輩のいない世界なんて想像もできないくらいで……楽しいことを思いだそうとすれば、まず大地先輩の顔が浮かんで……\nそれなのに、私、大地先輩を裏切ろうとしてる\n大地先輩は、私のこと許して……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "輝夜はその言葉を最後まで言い切らずに、首を左右に振った。そして自嘲めいた微笑みを浮かべる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふふ、バカみたいですね。許してくれるはず、ないのに……\n大切な記憶と引き替えに助けられて……恋人としてあんなに大事にしてもらって……あんなに優しく愛されて……\nこんなに、幸せにしてもらってるのに……\nごめんなさい……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "いつしかその瞳が、涙で濡れていた。\nその頬を伝って、ぽろぽろと大きな滴が落ちていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ごめんなさい……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "震える声で紡がれる言葉は、確かに僕への言葉で……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ごめんなさい……ごめんなさい……\n大地先輩、ごめんなさい……好きです、本当に大好きなんです……\nでも、ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい……\n私、私は、それでも……",
"speaker": "輝夜"
},
{
"utterance": "泣きながら紡がれる言葉は、確かに僕への本心だった……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "輝夜……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "輝夜が残してくれた想いに、ただ胸が痛くなる。\n輝夜は、僕のことをこんなにも想ってくれていた。その上で、あの道を選んだ。\nなら、僕はどうする。僕はどうしたい?\nそんなのは決まってる。悩んでる暇があるなら、さっさと殴って前へ進め。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"輝夜",
"大地"
] | 01_StellarTheater | HO_D06_05_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "陽も沈み、すっかり暗くなった通学路を、空と二人で歩いていく。\nといっても、並んで歩いてるわけじゃない。自分の速度でどんどん前を歩いていく空を、僕が後ろから追っていく。\n他のみんなはさっさと帰ってしまっていた。友情って美しいよね。まあ、わざと気を遣われたのかもしれないけど。\n道を歩く人もほとんどおらず、帰宅途中のサラリーマンが数人歩いている程度。\nその静けさの中、妙に響く僕達の足音が、ちょっと寂しい。\nそれは、僕と空の間に流れるどこか張り詰めた空気のせいもあるかもしれない。\n僕ら二人の間に流れる、妙に冷めた空気。嫌い合ってるだけじゃない。仲が良かった二人が、お互いを本気で無視しようとしている、そんな空気。\n猫の件は、あれからすぐに片付いた。\n両親とケンカし、かわいがっていたペットを連れて友達の所に家出。\nだけどペット不可のマンションなので、昼間、誰もいないところに残しておくわけにもいかずに連れてきたらしい。\nでも学園に持ち込めるはずもなく、下校までと校庭に隠しておいたら、鍵が壊れていて行方不明になっていたとか。\n今日もさっきまでずっと捜してたいたらしいんだけど、空はよく見つけられたよなあ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大地",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "そんなことをぼんやりと思いながら歩いていると、突然空が立ち止まり僕を呼んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "予想外の行動に、思わず僕も立ち止まる。\nけれどそんな僕に空は応えることなく、ただ黙ってその小さな背中を見せ続けていた。\n星座になったから、なんだろうか。僕の中にある空と何も変わっていない、小さな背中。\n空はそのままゆっくりと空を見上げて、やがて覚悟を決めたみたいに振り返った。\nその瞳が僕を、僕だけを見ている。強い意志を、僕への怒りを満たさせて、ただ真っ直ぐに僕を見上げている。\nそして、その小さな唇が、ゆっくりと震えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なんで……守ったの",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "尋ねるのでなく、非難するような口調の質問。一瞬なんのことかと思ったけれど、すぐに気付いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なんで……あの学園にいるの",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "……約束だったから",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "それが約束のことだと。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……あんな約束、もうなんの意味もなくなってることくらい分かってるのよね?",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "うん、分かってる",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "その強い瞳を見つめながら僕は答える。空はそんな僕の顔を睨め付けたままそれを聞くと、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "バカみたい",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "吐き捨てるみたいに言い切った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "家から一番近いから。せめてそんなくだらない理由でも言ってくれれば、わたしもまだ納得出来たのに",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "それはそうであってほしかったっていう、願いみたいにも聞こえた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なんで今更……守るの。殺したままにしておいてよ!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "それはそうであってほしかったっていう、祈りみたいな叫びだった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "約束したのは、あなたじゃない。なのに、なんで!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "そう。その約束をしたのは僕じゃない。それを果たせる人はもういない。\n守れないと諦めていたはずの約束を別人によって果たされてしまった時、それはどんな想いに繋がるんだろう。\n空にとって、それがどれだけ大切な約束だったのか、今の僕にはよく分かる。それを、僕が果たしたところでなんの意味もないことも。\nだから僕も、そんな約束忘れようと思った。思ったけれど、結局忘れられなかった。\nその結果が、まさかこんな現実に繋がるだなんて、夢にも思っていなかったけど。\n七星さんに言わせれば、これが僕の運命ってやつなのかな。\nけれども、今これだけは言える。言っていいと思う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それでも僕は、今の自分を後悔していないよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……っ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "その時漏れた空の言葉は、聞き取れなかった。だから、どんな想いで言ったものかも分からなかった。\n空はそれからしばらく黙って僕を睨み付けると、不意に恥ずかしそうに視線を外した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "結局、わたしがきっかけを作っちゃったみたいね……大地の試験への関わり……\n本当にバカだ、わたし……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "いや、たまたま陽夏さんが選んだ試験がそれだったってだけで、別に空のせいじゃ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……ありがとう",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "呟くような、本当に小さなその声に、思わず聞き逃しそうになる。だけど確かに空はいった。\n間違いなく、『ありがとう』って。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……って、何?その、この世の終わりでも見たような、いつも通りの変な顔",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "いや、それいつも通りって僕泣いちゃうよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "なら言い換えてあげるわよ。おかしな顔",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空はそれだけ言うと、また背中を向けてどんどんと歩きだす。\n……今のありがとう、もしかして、さっきの猫の件かなあ……。\n律儀にお礼を言うさっきの空の姿を思い浮かべて、僕は小さく笑った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "本当に、空らしいなあ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そして慌てて小さな幼なじみを追いかける。\nなぜだろう。本当になぜか分からない。\nだけど僕は今、この十二星座候補試験、協力を引き受けてもいいんじゃないかなって気がしていた。\nこのまま空の傍にいる。それが凄く魅力的なものに思えて。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……もしかしたら、最初からこうなること計算してたんじゃないだろうな、陽夏さんと七星さん……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だとすれば、十二星座恐るべし。\n見上げてみた夜空には、当然星なんて見えもしなかった。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"空",
"大地"
] | 02_StellarTheaterEncore | 01_Z07_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "周囲を見回してみると、プールの中で綺麗に泳いでいる星亜の姿を見つけた。\n星亜なら、真っ先に調べに行くかと思ったけどそうでもないんだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "星亜",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "星亜は僕の呼びかけに気付いたのか、泳ぐのをやめると立ち上がり、僕の方へとやってきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いいの?聞き込みとか行かないで",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "いや、それ僕のセリフだし\n星亜こそ、こんなとこで呑気に泳いでていいの?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "別に呑気なわけじゃないわ。私なりの捜査は、ちゃんとしてるもの",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "星亜は言うと、更衣室の方へと視線を向ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なるほど。その素敵ボディを見せつけることで男達をハニートラップにかけ、あらゆる情報を引き出そうという魂胆だね!さすが星亜だ、鬼すぎるよ!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ち・が・い・ま・す!\nただでさえ他の人たちがあの周辺を探ってるのに、私まで行ったりしたらそれこそ怪しまれるでしょう\nだから、こうやって少し離れたところから様子を窺ってるの。怪しい奴がいないか",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "ああそうか。言われてみれば確かにそうだね。こうして見てるだけでも、あま姉とか頑張ってるし",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "更衣室の前では、あま姉が観葉植物の後ろに隠れて見張っていた。\n……あれだと余計警戒されるんじゃないのかなあ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あと、ちゃんと保険は仕掛けてあるわ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "保険?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ええ、罠。タオルをね、わざと置き忘れてるのよ、あの入り口に",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "星亜は分かるわよね、と笑いながらウインク一つ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "なるほど、さすがだね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そういうことよ。あまり大勢人が集まりすぎても、かえって警戒させるだけだもの\nとはいえ、こうして泳ぎ続けてるだけっていうのも怪しいし、適度に上がるけど",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "星亜は言いながらプールサイドの方へと向かうと、ハシゴを掴み上にあがった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うわ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕の目の前だっていうことを忘れているのか、それとも気にしていないのか、星亜の指がお尻の方へと回ると、その裾を掴んで食い込みを直し始める。\nなんていうべきだろうか。僕に向けられたままのお尻と、食い込んだ水着。その隙間に入れられた指とが妙にいやらしい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "水の中にいるっていうだけで、結構疲れもするのよね",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "た、確かに、水泳っていうのは全身運動だし……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "適度に水分も取っておかないと、すぐバテちゃう",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "……糖分も……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そうね。疲労に甘い物はよく効くわ\n橘くんも、調査に必死になりすぎて、自分の体調のこと忘れないように気を付けなさい",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "…………",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "どうかした?急に静まったりして",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "橘くん?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "唐突に言葉の無くなった僕を心配したのか、星亜が後ろへと目を向ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そして、僕が今何を見ているのかを悟ったらしい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃああああっ!",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "まるで飛び跳ねるような勢いで、星亜は立ち上がり、お尻を隠した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "な、ななななな何を見てるのよっ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "いや、突然目の前で男として目をそらしては女性への侮辱となる光景が広がったから",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あう……そ、そういう時は、逆に目をそらすものでしょうっ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "でもそれだと、そんなに魅力ないのか、ってならない?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ならない!",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "星亜は真っ赤になりながら即答で否定した。そうか、僕を気にすることを忘れてたんだなあ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あー、もう。初めて会った時といい、どうして橘くんの前だとこう……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "タイミングの神を降臨させる男、とはたまに言われます",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あ、凄いジト目になった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ほんと、橘くんの前じゃあ油断一つ出来ないわね……\n私、少し休むわ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "星亜は深く溜息をつくと、売店へと足を向けた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "タイミングの神様っていうのは、やっぱりいるよね、絶対",
"speaker": "大地"
}
] | [
"星亜",
"大地"
] | 02_StellarTheaterEncore | 02_Z08a_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "……何をやってるんだろう、これは。\n目の前にいる姉の姿に、僕は素直に首を傾げた。声をかけるべきか、それともそっとしておくべきか、正直悩む。\nとはいえ、このまま放置しておくのもちょっと気が引ける。ここは素直に声をかけておくべきだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あま姉、何やってるの?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕は、更衣室へと向かう通路の入り口、その前に置かれた観葉植物の後ろに身体を隠したあま姉に声をかけた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大くん、し~っ",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "唇に指を当て、お静かにと注意するあま姉。もし僕があま姉の知り合いでなかったら、間違いなく怪しい人物として筆頭にあげただろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……あま姉、静かにしたところでもうやたらと目立ってるよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そんなことないわよ。このちんまい身体をいかした実に見事な隠密行動。あたしの灰色の脳細胞が導きだした完璧な作戦っ",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "いやあ、どっちかというと、七色に輝くおめでたい脳細胞って感じだけどなあ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "お姉ちゃん、そんなこと言う心ない人間に大くんを育てた覚えないわよっ\n……むう",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉は拗ねたように頬を膨らますと、頬を赤らめながら観葉植物の後ろから出てきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まったく、すっかりずるっこい子に育っちゃって。お姉ちゃん悲しい\nあー、でもやっぱりかわいかっこいいぞ、この弟めーっ",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "うわっ。あま姉、抱きつくの無し!じゃなくてやっぱり有り!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "胸なんかなくっても、この温もりでご飯三杯はいける!",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "よーし、大くんパワーを思う存分充填したところで、再び調査に入るわよ",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "あま姉……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "これは多分、この状況に自分が気に入ってるんだな、きっと。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん、頑張って……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ここは邪魔をしないでおこう。したら多分僕の負けだ。\nそうして立ち去ろうと振り返ったところで、手すりにタオルが一枚引っかけられてるのに気付いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "タオル?これってあま姉の?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ああ、そのタオル星ちゃんのよ。ずっと置きっぱなしなの",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "忘れ物?それなら届けてあげた方が",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "んー、でも本人気付いてるみたいよ、ほら",
"speaker": "天音"
},
{
"utterance": "視線で、プールの方を示すあま姉。同じ方角に視線を向けると、そこにはプールサイドに腰掛けている星亜の姿があった。\n時々様子を確認するように、こっちの方へと視線を少しだけ向けてくる。\nどうやらプールで泳いでるフリをして、ちゃんと更衣室の方を探っているみたいだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "さすがだなあ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕も、ちゃんと調査を続けよう。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"大地",
"天音"
] | 02_StellarTheaterEncore | 02_Z08b_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "ええ、昨夜陽夏さんから解決した、というお話を伺いました。橘くんも、お疲れ様でした",
"speaker": "昴"
},
{
"utterance": "いえ、あの時ここで明葉さんと白鳥さんに会えなかったら、まだ終わってなかったでしょうし",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そう言って、昴先生の淹れてくれたコーヒーをすする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そういった人達に出会ったのも、橘くんの築いてきた縁の力ですよ。ぜひ誇って下さい",
"speaker": "昴"
},
{
"utterance": "ありがとうございます。それじゃあ、すみません。これから部室の方に行くんで、これで失礼します",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ええ、みなさんにもよろしくお伝え下さい",
"speaker": "昴"
},
{
"utterance": "放課後、部室に集まる前に保健室へと立ち寄り、その足でまた部室へと向かう。\nまあ、陽夏さんと昴さんの関係のこともあるし、なんだかんだいっても、ここに明葉さんと白鳥さんが集まってくれてたおかげで解決もできたわけだし。\nある意味、昴先生が解決させてくれたようなもんだよなあ。いや、本当に感謝です。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "にしても、さすが陽夏さん。昨日報告受けてから、全力ダッシュで昴先生のとこきたんだろうなあ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "なんていうか、本当に凄まじいカップルだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "さて、と。とりあえず報告も済んだし、部室に急ごう",
"speaker": "大地"
}
] | [
"大地",
"昴"
] | 02_StellarTheaterEncore | 03_Z02_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "学生たる僕に、この街で最も似合う建物はどこだろう、と聞けばまず間違いなくみんながこう答えるはずだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "エロ本屋",
"speaker": "魅流"
},
{
"utterance": "そうそう、あの桃色の空気が僕の灰色の脳細胞を激しく刺激して一つ上のステージへと……って違います!\n正解はここ、図書館!学問と知識のたまり場!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "まあ、大地に必要な知識はごく一部だけどな。女の身体のしくみとか",
"speaker": "魅流"
},
{
"utterance": "すっかり、えっちいキャラにされちゃってますよ、僕",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "違うのか?",
"speaker": "魅流"
},
{
"utterance": "まったくもって違いません!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "健康的な性少年たるもの、性に対する興味は大変重要なのです!STOP性犯罪!まずは正しい知識を持ちましょう!\nということを家で言ったら、空に凄い目で睨まれました。皐月には尊敬の眼差しされたけど。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "とりあえず、早いとこ課題の資料、探しちまおうぜ",
"speaker": "魅流"
},
{
"utterance": "まったくもって違いません……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そんな魅流のお言葉に従い、僕達は図書館内を分散した。\n街の歴史かあ……ただでさえ来ない図書館でそんな僕の人生に永久に関わらないと思われる本のありかなんて、分かるわけないんだよなあ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "漫画版三国志だとかなら全巻制覇したんだけどなあ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ま、大地ならそんなとこだろうな。期待を裏切らない男だぜ",
"speaker": "魅流"
},
{
"utterance": "まあね。なんといっても僕だから",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だろうと思って、棚の場所は既に確認してある。こっちだぜ",
"speaker": "魅流"
},
{
"utterance": "おお、さすが魅流。いやあ頼れる女だ、うん",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "まあ、普段の魅流はまったく女を感じさせないんで、時々性別確認したくなることあるけども。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "おし、あの棚だな。んじゃ足場押さえててくれ",
"speaker": "魅流"
},
{
"utterance": "了解ー",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "目的の資料は結構高い棚に並んでいた。魅流は僕の支えているハシゴに捕まると上っていく。まあ、僕が見たってどの資料がいいか分からないしね。\nって、おおっ!\n思わず声をあげてしまいそうになるのを辛うじて堪えた。\n目の前に確かに存在する桃源郷。\n白に水色のストライプ。まさに男の願望の具現化ともいうべきその神秘の布地は、美少女の身体を包み込むことで更にその魅力を増す。\n魅流って、普段はまったく女を感じさせないけど、穿いてるのはしっかり女なんだなあ……。\n顔そのものは美少女なわけだし、こういう光景は実に吸い寄せられます。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "どうかしたのか?",
"speaker": "魅流"
},
{
"utterance": "いや、別に何も",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "こういう素敵な日本の風景を少しでも長く見ていたいと思ってしまうのは、僕達男の子が生きている証だと思うのです。\n中々に肉付きのいいその場所を、実に爽やかな目で眺めやる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "魅流もさあ、やっぱり自分が女の子だってこと自覚してるんだね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "え……?",
"speaker": "魅流"
},
{
"utterance": "唐突な僕の質問に、怪訝そうに首を傾げる魅流。が、次の瞬間、そのスカートの中へと真っ直ぐに注がれる僕の視線に気付いたらしい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ば、ばかっ、見るなあっ",
"speaker": "魅流"
},
{
"utterance": "ぼんっ、と音を立てて朱色に染まる魅流の顔。そして慌ててスカートを押さえる。\nそんな魅流の姿を見るのはもちろん初めてだ。あの魅流が見せた、女の証。それは羞恥に満ちた女の顔だった。\n懸命に隠そうとはしているものの、その手の隙間からは健康的なお尻と水色ストライプの布が確かに見える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こ、こらあっ、いつまで見てる気だ!視線をそらせ、早く!",
"speaker": "魅流"
},
{
"utterance": "うーん、まさかこういう所で魅流の恥じらう姿が見られるとは……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "なんというレア。これほどの貴重なシーンは滅多にお目にかかれません。\nとはいえ、これ以上覗き込んでいると、今後のノートレンタルなどに重大な問題が発生しかねないのでそろそろやめておこう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ごちそう様でした",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕は眼前の光景にしっかりお礼を言うと、ハシゴを支えつつ後ろを向いた。\n棚の陰に隠れていたせいか、どうやら他の人達には見えていなかったみたいだ。まさに僕だけの役得。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まったく。あたしのパンツなんか見て喜ぶとは思わなかったぜ",
"speaker": "魅流"
},
{
"utterance": "ジト目で僕を睨みながら、ハシゴを下りた魅流。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そうかなあ、魅流だってちゃんと美少女だしね。喜ぶ人間は少なく無いと思うよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "はぁ……まったく男ってのは難儀な生き物だな。とりあえず資料は手に入れたから行こうぜ",
"speaker": "魅流"
},
{
"utterance": "疲れたように溜息を吐き、分厚い本を手にスタスタと歩いていく魅流。その後ろ姿には、さっき恥ずかしがっていた美少女の面影はまるでない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……魅流にも、さっきの姿が普通になる時がくるのかねえ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ほんと、美少女なのにもったいないなあ。\n僕はさっきの光景を思い起こすと、魅流の後を追いかけていった。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"魅流",
"大地"
] | 02_StellarTheaterEncore | 03_Z16a_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "とりあえず必要な資料は手に入ったし、あとはそれぞれが頑張るだけだ。\n僕らはそれぞれの分担を決めると、その場で解散し、それぞれの家へと向かう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あれ、星亜どうかしたの?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "他のみんながさっさと帰る中、一人残っていた星亜に気付き、ぼくは声をかける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あら、橘くん。まだ残っていたのね",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "いや、それは僕のセリフなんですが",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "他にあると便利な資料とかないか、ちょっと探してたのよ。家に帰ってから足りない、じゃ時間の無駄だし",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "ああ、なるほどね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "でも、大丈夫そうみたいね。私も、これで帰るわ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そう言う星亜だが、ふと何かを思いだしたように僕に言う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、そうだわ、橘くん。これから一緒にモールへ行かない?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "モールへ?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ええ。明石沢さんにおいしいアイスクリームのお店を教わったんだけど、一人で行くのはちょっとね",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "へえ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "な、何?感心した風な声出したりして?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "うん、感心したんだよ。星亜って、かなり真剣に十二星座目指してるからさ、もっと固い子だと思ってた",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "寄り道、絶対禁止、みたいな?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "うん。買い食い絶対禁止、みたいな",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕らは互いに言ってから顔を見合わせ、そして同時に噴き出した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そうねえ、確かに昔から言われてきたのよね。星亜は優等生だとか、委員長だとか\n私としては、そこまで真面目一辺倒な生活をしてきたつもりはないんだけど、それでも姉さんを目指して必死だったのはあるから、そう思われてても仕方ないのかもね\nだけど、こう見えて中身は結構普通の女の子よ、私",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "イタズラっぽくウィンクなんてして見せる星亜。元々美人系の顔立ちなのに、その表情は妙にかわいく見えてしまう。\nかわいい美人って、ずるいよね。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "よし、それじゃあそんな星亜には思いっきり悪の道を知ってもらわないといけないよね\n大船に乗ったつもりで任せてよ。二度と這い上がれない悪の華の蜜を教えてあげるから",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そ、そこまではさすがに、ちょっとご遠慮したいかしらねえ……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "僕は星亜の手を取ると、そのまま引っ張るようにして図書館を後にした。\nお目当てのアイスを食べたあと、モールの中を二人で見て回る。\n食べながら見て回る案は、最初の最初にあっさり却下された。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "星亜、モールの中はあまり歩いたことないみたいだね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そうね。もちろんここ自体は何度か来たことあるけれど",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "星亜は少し興味深そうに周囲を見回すと、少し恥ずかしそうに言う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも実は、平日の昼間に来たのは初めてだったりするのよね",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "制服姿のカップルが多いでしょ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ええ、ちょっと驚きだわ。うちの学園って、こんなにカップルいるのね",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "まあ、今ここにいるカップルの中では、星亜のおかげで僕らが一番目立ってるけどね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あら、いつからカップルになったのかしら、私たち?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "生まれる前から愛してました!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そこまで軽い『愛してる』は初めて聞いたわ\nフフ。でもまあ、たまにはそんな気分に浸ってみるのも悪くないかもしれないわね",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "それじゃあ、ちょっとイメージチェンジなんてどう?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "イメージチェンジ?",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "不思議そうに首を傾げる星亜に僕は頷くと、モールの中にある店の一つに強引に押し込んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "へえ、結構種類あるのね。あまり気にしたことなかったからどれも同じように思ってたけど、意外だわ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "かなりイメージ変わるからね。地味に重要だよ、これの選択は",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "私に合いそうなの、あるかしら",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "そうだね……これとか……こんなのもいいかな",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "モール内にあるメガネショップ。洋服によるイメージチェンジもいいけれど、こんなのもたまにはいいんじゃないかな。\n星亜は僕の選んだメガネをかけて、鏡を覗き込んでいる。\n鏡に映った今までと違う自分の姿を、興味深げに眺めていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "本当、イメージ変わるわね、これ。ちょっと新鮮な感じだわ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "星亜はそう言いながら、様々な角度からの自分を鏡に映す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うーん……やっぱり見る角度とか……それともフレームの色……",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "どの自分が一番似合って見えるか、星亜はそれを一生懸命に探しているみたいだ。\nやっぱり、いつもだったら決して見られない自分の姿が、今はとても楽しいらしい。こういうところは本当に女の子だと思う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、普段からかけ慣れてないせいかしら。やっぱり変ね",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "もう一人の自分に、星亜はニッコリと笑いかけた。それに応えるように、もう一人の星亜も同じ笑顔を浮かべる。\n普段の星亜とは違うもう一人の星亜。その笑顔を見て、星亜がこんな可愛い女の子なんだっていうことを、僕は再認識した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まあ、確かにいつもの星亜とは違う感じだけどさ、美人なのは変わらないよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あら、ありがと。橘くんのお世辞って、結構普通に信じそうになっちゃうから不思議よね",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "いや、本気で言ってるんですけども……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "星亜はもうちょっと自分のスペックを気にしていいと思うんだけどなあ。\nまあ、それで天狗にならないところが、星亜の本当にいいところなんだと思うんだけど。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "今日はありがとう。自分の知らないことでも結構やってみるものね。面白い発見があったわ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "いや、僕の方こそ、星亜と二人で楽しかったよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "気がつけば、外はすっかり夜の帳が下りていた。星亜と一緒に見て回るモールは楽しくて、ついつい時間の断つのを忘れてしまった。\n何も用がなければもう少し遊んでいてもいいんだけれど、課題もあるし、皐月が夕飯を作ってくれている。\n僕は名残惜しい気持ちを抑えつつ星亜を寮へと送ると、そのまま帰宅した。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"星亜",
"大地"
] | 02_StellarTheaterEncore | 03_Z17_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "訪れたその場所は、しんと静まりかえっていた。\nここは、他と違ってワイワイ騒いで遊ぶ場所じゃない。だからこそ、他じゃ聞けない意見が聞けそうな気がする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あら、橘くんもここに来たの?意外ね",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "不思議そうな顔をしながら、奥の方から星亜が姿を見せる。どうやら同じことを考えていたみたいだ。\n僕はふぁさ、と髪をかき上げると、本来の僕を見せようと星亜に答えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それは心外だなあ。僕ほどこの場所が似合う勉学少年はそういないよ。この時が凍り付いたような静寂感と閉塞感。これこそ橘大地の真骨頂",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あら、橘くんもここに来たの?本気で意外ね",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "うわー、文句の一つも言えない爽やかな笑顔",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だって、橘くんにしては随分と爽やかな冗談だったんだもの。笑わないと失礼じゃない",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "うううう、冗談じゃなかったんですけどぉ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "はいはい、それじゃあそういうことにしておきましょうか\n事件についてだけど、一応、何人か話を聞けそうな人には聞いてみたわ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "さすが、仕事早いなー",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だって、そのためにここに来たんだもの\nそれで、ここで勉強会の約束をしていたっていう人が、やっぱりその約束を忘れられていたみたい\nまあ、ここを利用してる人の数からすれば本当にごく一部だし、たまたまと言えなくもないから難しいところだけど",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "事件とはまったく無関係の偶然、とも言えなくないね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "約束を忘れること自体は決してありえないわけじゃないし。\nといっても、忘れなければいいということでもないけれど。知っていたって守れない約束はあるし。守るわけにいかない約束もある。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でもそういう事実があったことだけは間違いないわ。これが無関係かどうか、調べる手段があればいいんだけど",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "うーん、さすがにちょっと難しいだろうね。ホロスコープツリーを使うには、キーワードの絞り込みようがないし",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そうね。そもそもホロスコープツリーが使えたとして、何をもって証拠とするのか難しいし",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "ま、仕方ないよ。とりあえず、今のところは数で勝負といこう。微妙な証言だって数が集まれば立派な異変だし",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あんまりスマートとは言えないけれど、確かに今はそれしかなさそうね。私はもう少しここで話を聞いてみるわ",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "手伝おうか?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ありがと。でも大丈夫よ。ここは見ての通り人も少ないから。橘くんは他の場所を手伝ってあげて",
"speaker": "星亜"
},
{
"utterance": "分かった。それじゃあ、またあとで",
"speaker": "大地"
}
] | [
"星亜",
"大地"
] | 02_StellarTheaterEncore | A04_03d_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "夕飯も終わり、少し部屋で横になっていたところで、朝、空に言われたことを思い出した。\n確かに皐月には甘えっぱなしだし、少しでも感謝の気持ちを伝えておくことは大事だと思う。\n分かってくれてるはず、なんていうのは、何もしてない人間の勝手な思い込みだしね。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "皐月、夕飯の片付けだけど……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "家事に関して今三つくらいの僕が、大した問題もなく手伝えることといえば、やっぱりこれだと思う。食器洗い。\nこれなら、手を滑らさないよう注意さえすればまず問題ないはずだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、お兄ちゃん。片付けだったら丁度終わったところですよ。お茶淹れますから、のんびりしてて下さい",
"speaker": "皐月"
},
{
"utterance": "わあい、さすが皐月ちゃん、家事に関してすこぶる有能。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もう終わっちゃったのか。何かあれば手伝おうと思ったんだけど……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "お家の家事のことは全部任せて下さい。お兄ちゃんはテレビでも見ながら、のんびりしていてくれればオッケーです",
"speaker": "皐月"
},
{
"utterance": "いや、最近は空も手伝ってるみたいだしさ、僕もまあ、いつもされてるばかりじゃ申し訳ないかなあって",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "全然申し訳なくないですよ。むしろ皐月は、お兄ちゃんのお世話ができて幸せいっぱい夢いっぱい、なんですから\nそれに、こういうのは適材適所が基本です。家事の大好きな私が、家事でお兄ちゃんを喜ばせるのはごく普通のことですから",
"speaker": "皐月"
},
{
"utterance": "すみません、適材適所で戦力外。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もしどうしてもっていうんでしたら、お兄ちゃんは、お兄ちゃんにできることで、皐月を喜ばせてください",
"speaker": "皐月"
},
{
"utterance": "僕にできること、ねえ。なんだろう",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "それほど難しくないですよ。それじゃあ、まずはその床の上に座って下さい",
"speaker": "皐月"
},
{
"utterance": "床にって、こう?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕は言われたまま、床の上であぐらをかく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ、お兄ちゃんから皐月に安らぎをプレゼントです\nえい♪",
"speaker": "皐月"
},
{
"utterance": "皐月は言うが早いか僕の足を枕替わりに、床の上にゴロリと寝転がった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お兄ちゃん特製の、皐月のための枕です",
"speaker": "皐月"
},
{
"utterance": "こらこら、女の子がそんな膝立てたらいけません",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "えへ、お兄ちゃんの前でだけですよ。それ以外の人の前では鉄壁の皐月ちゃんなんですから\nでも、お兄ちゃんになら、言ってくれれば恥ずかしいのガマンしちゃいます",
"speaker": "皐月"
},
{
"utterance": "いやー、お兄ちゃん、思わず言っちゃいそうになるからちょっと勘弁してほしいなあ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "皐月がいい、って言ってるんですから、ガマンなんてする必要ありません。ささ、言っちゃいましょう、お兄ちゃん♪",
"speaker": "皐月"
},
{
"utterance": "な、なんていう凶悪な妹!お兄ちゃん、こんな外道な妹を持った覚えありませんよっ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "でも、お兄ちゃん嬉しそうですよ?",
"speaker": "皐月"
},
{
"utterance": "いや、皐月は鋭いなあ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "いくら妹とはいえ、皐月みたいな女の子にここまで一途に想われて懐かれて嬉しくない男なんて、そりゃあいないと思うわけで。\n……できれば後ろのアングルから見たいです。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えへへ~\nお兄ちゃんの膝枕、とっても素敵です。日頃の疲れが羽を生やして飛んで行っちゃいました",
"speaker": "皐月"
},
{
"utterance": "まあ、この程度で皐月が喜んでくれるなら、いくらでもするけどね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "本当ですか?お兄ちゃんの膝枕があるなら、皐月はどんな仕事でもへっちゃらへー、ですっ",
"speaker": "皐月"
},
{
"utterance": "とはいえ、誕生日には頑張り屋さんな分、ちゃんといいもの贈るから、覚悟して受け取るようにっ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あ、でしたら皐月、とっても欲しいものあります",
"speaker": "皐月"
},
{
"utterance": "お、それはぜひとも聞いておかないとだね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "お兄ちゃんの赤ちゃん",
"speaker": "皐月"
},
{
"utterance": "……\n皐月、さすがのお兄ちゃんでも、今の発言はちょ~っと引いちゃったかなぁ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ええーっ。私、お兄ちゃんにならいつでも捧げる準備万端なのにぃ",
"speaker": "皐月"
},
{
"utterance": "お願いだから、せめて冗談で言ってくれないかなあ……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "皐月\n普段のあなたは、えっちな行為はいけません、と言うわりに、僕の前では遠慮無くえっちな行為してません?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "心外ですっ。これはえっちな行為じゃありません。かっこいいお兄ちゃんと、そのお兄ちゃんを一途に愛する妹とのスキンシップです♪",
"speaker": "皐月"
},
{
"utterance": "……いや、確かに日本語って便利だけどさあ、その言い訳は通じないんじゃないかなあ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だから、お兄ちゃんとの赤ちゃんだって、決してえっちな行為の副産物じゃありません!お兄ちゃんと皐月の、愛の結晶なんですっ",
"speaker": "皐月"
},
{
"utterance": "おお、なるほど!それなら確かに有りかもしれない!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "はい!間違いなく有りです!有りなんです!",
"speaker": "皐月"
},
{
"utterance": "って、絶対無理ですから!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ちぇー",
"speaker": "皐月"
},
{
"utterance": "危ない危ない。本気で説得されかかったぞ、うん。我が妹ながらすこぶる素敵に成長しおってからに。お兄ちゃん、嬉しいけど悲しい。\nとわいえ、まじめに誕生日のプレゼントは考えないとな。普段のお返しも兼ねて。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"大地",
"皐月"
] | 02_StellarTheaterEncore | A04_13_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "うわ、もう真っ暗だ。ちょっと長居しすぎたかなあ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "窓の向こうは茜色すらとっくにすぎて、既に星空が浮かんでいた。\n保健室で昴先生においしいコーヒーの入れ方についてを聞いていたら、思った以上に白熱してしまった。\nやっぱり、文化祭なんていう若者の思い出いっぱい夢いっぱいイベントについては鬼門すぎたかなあ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、普段は全部皐月が淹れてくれてから気にしなかったけど、コーヒー淹れるにも色々考えないといけないんだなあ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "結局は厨房設備なんてないただの教室だし、本格的にコーヒー豆煎ったりとかは無理だろうし。\n昴先生自身に淹れてもらう、というアイデアは我ながらパーフェクトだと思ったんだけど、それだと最初から最後まで陽夏さんが居座りよね、絶対。\nそれはそれで売りになりそうだけど、十二星座にずっと見張られてる喫茶店じゃあ、僕らの方が疲れそうだし。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "とはいえ、さすがにインスタントはないだろうし。まあ、コーヒーミルくらいはどうにか持ち寄って……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "とりあえず、明日にでもクラスで相談してみよう。魅流なら二・三台くらい平気でどこかから借りてきそうだし。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ただいまー",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕はそう言いながら、恐らくはもう誰も残ってないだろう教室の扉を開けると中へと入った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "別に帰ってこなくてもいいのに",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "同時に、彗ならそれだけで昇天してしまいそうな冷たいお言葉が飛んでくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あれ、空、まだ残ってたんだ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そこには、丁度カバンを手にした空の姿があった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "学園祭の準備?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "例の事件について何かないか聞いて回ってただけよ。わたしは当日の接客担当だから、事前にやらなくちゃいけないこと少ないし\nそういう大地こそ、とっくに帰ったと思ってたけど。今頃皐月が悲鳴上げてるんじゃない?",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "学園祭の準備があるから少し遅くなる、とは言ってあるからね、さすがに大丈夫\nそれに、もう帰るとこだし",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "大地も当日の接客担当のくせに、何準備の邪魔してるのよ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "いやいや。コーヒーの淹れ方なんかについての講義を少々受けてただけだよ\nケーキとか食べ物に関しては色々考えてたんだけど、コーヒーなんかは簡単だと思ってたからさ、ほとんど準備してなかったんだよね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "空と星亜がいるし、お客は結構来てくれるとは思うけど、一位を目指すならやっぱりそれ以外にお店としての武器を持たないと。まあ、前に実行委員様が言ってたことだけど。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふうん。考えてはいるのね",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "僕も接客担当とはいえ、それなりには参加したいからね\nよし、それじゃ帰ろうか",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕はカバンを自分の机から取り出すと、空に言った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ちょっと待って。なんでわたしがあなたと一緒に帰らなきゃいけないのよ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "なんでって、帰る場所同じだし。それに女の子の一人歩きは物騒だよ?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そう返す僕に、空は大きく溜息をついた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はあ……あのねえ、わたし星座なのよ。そこら辺の格闘家襲う方が、よっぽど簡単なんだってこと、分かってる?",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "まあ、それはでもほら、外見は普通にかわいい女の子だし",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "な、何言って……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "僕の言葉に、たちまち赤くなって焦り出す空。こういうところがやっぱりかわいいんだよね。\nそれに外見だって、空よりかわいい子って知らないんだけど、僕は。まあ、星亜とか輝夜とかあま姉とか、それに近い子達は何人か知ってるけど。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "べ、別に降りかかる火の粉くらい払えるわよ。正当防衛の範囲でだけど……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "うん。空なら確かにやるだろうね。どちらかというと襲った人に同情しちゃうくらい",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ああ、そういうことね。つまり、わたしじゃなくて襲った方を……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "だけどさ、その後に後悔するんだよね。傷つけちゃったことを\n僕としては、空にそんな嫌な思いはさせたくない",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……な、なによ。そういう言い方されると、文句も言えなくなっちゃうじゃない、さすがに……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "うん。傷つけて、そうして後悔しちゃうのが空だからね。どんなに肉体的に強くても、特別な力があってもさ……\nその中身は、やっぱりか弱い女の子だって知ってるから",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕のその言葉が、空の中で何かに触れた。恥じらっていたその顔が、一瞬でキツイものへと変わる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふうん……随分わたしのこと知ってるみたいじゃない。まるで昔から、わたしを知ってるみたいな話し方\nあなたが知ってるわたしは、本物じゃないのに……\n大体、その記憶だって!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空は叫んで、そしてハッと気付いたように言葉を飲み込んだ。そのまま申し訳なさそうに俯いてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ごめん\nわたしが言っちゃいけないことだよね……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "いや、問題ないよ。空の言おうとしたことは事実だしね\nでも、それでも今の僕の本音だから。空に、これ以上嫌な思いをさせたくない",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……大地と帰ることが嫌な思いをすることだって言ったら、どうするの?",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "こっそり見つからないように後つけて守ります",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "うわ、そうくる",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "その僕の言葉に、空は呆れたように言うと小さく笑った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いいわ。変に覗かれてるくらいなら、横にいる方がまだマシだもん\n仕方ないから、帰ってあげる",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空はその手にカバンを握ると、軽い足取りで扉へと向かっていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ほら、早く帰りましょ。皐月が暴れ出しちゃうわよ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "それは確かにまずいなあ。昔、帰るの二時間遅れて、警察に捜索願い出そうとしてた子だし",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕も慌ててカバンを手に取ると、空の後を追って扉へと向かった。\nすっかり暗くなった夜道。駅の方へと続く大通りとは違って、路地に入ってしまえば人影は殆ど見当たらない。\n道の脇に配置された街灯が、ただ静かに道を照らしている。\n今までに何度も通った道。その静寂さに何度も寂しげな思いを抱かせられたその風景。けれど今そんな風景とは違って、僕の心はどこか軽かった。\n隣に空がいる。この事実だけで、すべてが軽く感じられる。空が転校してきてから、こうして一緒に帰ったことが無い訳じゃないけれど、今は何かが違った。\n僕が空を理解したからなのか、それとも空の僕に対する感情が和らいだのか。理由は分からないけれど、明らかに以前とは違っていた。\n僕は知っている。子供の頃、空とこうして夜道を歩いたことを。小さなその手を握りしめ合って、二人で歩いたことを。\nその手の温もりと心強さを。\n今のこの空気は、どこかその時の空気に似ていた。僕の中で、僕自身が、その時のように空の温もりを求めているのが分かる。\n空はこれを、僕の本当の気持ちじゃないっていうけれど、だったらこれは空の気持ちなんだ。五年前、空が望んで、僕に植え付けた気持ち。\nその空の気持ちに応えたいって思うのは、間違いなく今の僕の本心だ。\n僕は、僕自身の意思で、それを願っている。\nその意思を、僕は少しでも見せなければいけないんだって思う。五年前、空に助けられた者として。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "空、はい",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕は隣の少女の名前を呼ぶと、そっと手を差し出した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え?",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "真っ直ぐに差し出されたその手を、空は不思議そうな顔で眺める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……何よ、これ?",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "寒くない?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……そりゃあ、少し冷えては来たけど、寒いっていうほどのことじゃあ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "言葉で言ったところで伝わるとも思えないし、僕は黙って手を差し出し続けた。\n空は、僕の真意を掴もうとしてるのか、黙って僕をジッと見つめ続ける。\n一メートルもないはずの二人の距離が、今はとてつもなく遠く感じる。\n僕の意思が空の大きな二つの瞳に届くまでの短い時間。それが、まるで宇宙の星と星の間を移動してるくらいに長く感じる。\nひたすら真っ直ぐに空を見下ろす僕。正面から僕を見上げ続ける空。\nそして、まるで夜の空気の中に溶けてしまったような錯覚を覚える無音の空気の中で、空の手がゆっくりと動いた。\n僕の手を、静かに握ってくる空の手。\n夜気に冷えた手はひんやりと冷たくて、だけど温もりを感じた。\n昔とほとんど変わっていない小さな手。僕はそれを、優しく、だけど離れないように強く握り返す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……そういえば、昔はこんな風に手を繋いで帰ってたのよね……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "ぼそりと、空が呟くように言った。その言葉に、自然と僕の口元が緩む。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "な、何よ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "いや、その通りだなあ、って思って\n昔の僕は、きっと今の僕と同じ気持ちで空の手を握ってたんだろうね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "さすがにちょっと照れくさい。僕は夜空を見上げるフリをして空から目をそらすと、それでも素直に言葉を紡ぐ。\n空は、えっ、とその意味を考え、やがて、照れくさそうに微笑んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そっか……同じ、なんだ。今……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空とこんなことをしておいて、違う気持ちになるはずないね。あの環境で育った僕なら間違いないよ\n昔の僕の気持ちは分からなくても、今の僕の気持ちと同じならよく分かる",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……うん。否定しないであげる",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "僕の手を握る空の手が、きゅっ、と少し強くなった。そこから空の想いが流れ込んでくるような気がして、自然と胸が温かくなっていく。\nそれが、昔の僕への想いでも構わない。空のこの気持ちを今の僕が感じている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まったく、不器用なところはそのまんまなんだから",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空は、呆れたみたいに小さく言って、そして、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大地",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "いつもより、少しだけ優しく僕の名前を呼んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "分かろうとしてくれてることは認めて上げるわ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "振り返った僕の視界に映ったその笑顔。\n確信が、あった。\n間違いなくそれは、今の僕へと向けられた笑顔だった。\n今の空が、今の僕へと向けてくれた、笑顔。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"空",
"大地"
] | 02_StellarTheaterEncore | A04_15_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "川を流れる水の音が、夜の公園に響いていた。\n普段は別段気にもしないその音が、静まりかえった夜の空気の中、やけに大きく耳に残る。\nもう日が変わってもおかしくない時間。季節も冬への移行を始めたこの時期、周囲に人の姿は見えない。今この公園には、間違いなく僕達二人しかいない。\n二人の間に会話はなく、黙って夜空を見上げ続ける空の背中を、やっぱり黙って僕が眺め続ける。ただそれだけの時間が過ぎていく。\nけれどなぜだろう。そんな無意味でしかないはずの時間が、僕には妙に心地よく感じられていた。\n空と二人きりの空間。二人きりの時間。\nこの静寂に満ちた世界が、今は何よりも愛しく感じる。\n目の前にあるあの小さな背中が、いつも以上に寂しげで。だからこそ、この手でしっかりと抱きしめたい。\nだから僕は、空のもとへと足を進めた。\n黙って夜空を見上げ続ける空に、あの一言を伝えるために。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ごめんなさい……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "そんな僕へと、その背中越しに力ない言葉が飛んでくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "何が?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……結局、わたしが全部バラさせちゃった。大地のこと……\n他のみんなには、今の大地がすべてなのに……その大地を、特別扱いさせちゃった。きっと変わっちゃうよね。大地とみんなの関係……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "今にも泣き出しそうな、いや、心の中ではもう泣いてるんだろうなってわかる声。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これでもね、守りたかったんだ、大地のこと。ほんとだよ\n大地は結構適当なところあるから、わたしがしっかりものになって守ってあげて、それで二人で幸せでいるんだって、子供の頃からずっと思ってた\nなのにわたし、結局何も守れてなかったね……\n昔の大地の記憶も、今の大地の世界も……大地の何も守れなかった……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "どこまでも深い漆黒の空。そこにわずかに煌めく銀色の星々。そんな世界を見上げながら、空は自分を責め続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ほんと、吸い込まれそうに暗いよね、この夜空。見える星なんてほんの少しでさ。子供の頃には、もっとたくさんの星が見えて、素直に綺麗だなあって呟けたのに",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕は空の真後ろに立つと、同じように夜空を見上げる。同じ夜空を見上げながら、僕は素直にその気持ちを言った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "僕の中にあるさ、その綺麗な光景の記憶。この記憶をくれたのは、空だよね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "え……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "予想外の言葉だったのか、意外そうな空の声がこぼれ落ちた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "空は、守ってくれてるよ。数え切れないくらいたくさんの大切なものを守ってくれてる",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だから今、あの一言を伝えよう。\n本当ならもっと早くに言わなくちゃいけなかった言葉を。\n僕が、絶対に空に伝えないといけない、その言葉を。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ありがとう",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "っ!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空の身体が、びくん、と大きく震えた。僕の気持ちを、驚きで受け止める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もし空がいなかったら、今の僕はいなかった。昔の僕が見た景色も、誰の心にも残らなかった\nこの夜空を見ても、これが普通だとしか思えなかった",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕は、僕の中にあるすべての記憶を思い起こして。そこにいるみんなの顔を思い描いて。\n万感の思いを込めて、もう一度その言葉を口にする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だから、ありがとう",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "空の身体が震えてた。小さく、微かに震えてた。そしてそのまま、震える声で言う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "わたし、は……\nわたしは、守れてたのかな。大地のこと……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "もちろん",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そう、なんだ……守れてたんだ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "ああ、僕はずっと守られてた。それに、みんなだったら問題ないよ。今日はさすがに初めて聞いたせいで驚いてたけどさ、明日からは今まで通り。絶対に何も変わらない\nいつも通りに騒がしくて、ちょっとバカで、だけど退屈なんてさせてくれない優しい仲間達\nだから僕は、空にも変わってほしくない。今まで通りに僕を怒って、時々笑って、結局呆れて、だけどやっぱり最後には笑ってくれて。そんな空がいい",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "大地は、それでいいの?",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "うん、それがいい",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ばか……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "迷うことなく言い切った僕への空の返答は、どこか照れくさそうだった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも……\nありがとう",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "言いながら、空がゆっくりと振り返る。そこにこぼれる涙と、けれど溢れるような笑顔を浮かべながら。\nそこにある微笑みは、間違いなく僕へと向けられたもの。昔も、今も、関係ない。橘大地へと向けられた、泉空の笑み。\nその、どこまでも澄んだ純粋な微笑みは、間違いなく僕だけに向けられた、僕だけの笑顔。\nその笑顔を見て、僕は改めて思う。\nやっぱり僕は、この少女が好きなんだって。\nこの少女を、僕だけのものにしたいんだって。\nそして、それを実現させるために今必要なもの。それは……。\n僕は空を真っ直ぐに見つめながら、言った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ねえ、空。もし僕が、あの子から記憶を取り戻したいって言ったら、どうする?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "それは、僕が僕を取り戻すこと。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "その突然の僕の言葉に、空は驚いて目を見開く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もし僕が記憶を取り戻したら、昔の僕に戻れたなら……\n僕達は、昔の僕達に戻れるのかな",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "大地……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "この先を言うのにはさすがにちょっと勇気がいる。僕の中に与えられた記憶。そして僕自身が作ってきた記憶。その両方から僕が得た感情。\n僕が僕の意思で手に入れた感情で、これは間違いなく今の僕の本心だから。\nその先の答えを想像しただけで足が震えそうになる。自分をそんな臆病だなんて思ったことはなかったけれど、どうやら空に関してだけは違うみたいだ。\nこの先の想いを空に切り捨てられること。僕は今、それがたまらなく恐い。だけどなんとなく分かる。この気持ちを伝えることが許されるのは、きっと今だけだ。\n今伝えなければ、僕も、空も、二人ともが何かを失うことになる。\nだから僕は大きく深呼吸をし、自分の心に活を入れ、必死に地面に両足で踏ん張り、空の小さな身体へと向かって、言葉を、投げる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "僕は、空と一緒にいたい\nだから、もしそのための条件が昔の記憶を取り戻すことだっていうなら……今の僕を捨てて昔の僕に戻ることだっていうなら……\n僕は、記憶を取り戻したい",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "しっかりと空の瞳に向けられた僕の視線。その視線を、空は正面から受け止めてくれていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そんな条件、いらない",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "そして小さく、けれど確かに笑いながら、その首を左右に振った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "本当は、わたしも分かってた。大地は、大地なんだって\nわたしが移したのは、所詮は七年前までの記憶でしかないの。でもそれからの七年間、大地はしっかりと生きて来て、自分の記憶をちゃんと手に入れてた\nわたしの望んだ通りの大地、だなんておこがましい考え。結局、大地は大地なのよ\nだけど、どうしても認められなかった……わたしとの時間を失った大地を認めたくなかった。認めるのが恐かった\nなのに不思議よね。あんなに許せなかったことなのに……\nそれが今、こんなにあっさり言葉になる。大地がわたしを認めてくれた。見てくれてたって分かっただけで、こんなに素直に気持ちが溢れてくる\n今までの自分が、本当にバカみたい",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空はそう言いながらも笑っていた。まるで、今までの自分を否定できることが嬉しいみたいに。\nそしてその笑顔が、少し切なげなものへと変わる。\n星明かりの下、その頬をわずかに赤らめながら、僕を見上げる空。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大地はさっき、わたしに変わってほしくないって言ったけど……ごめんね。無理みたい\nわたし、大地にもう、今までみたいな態度、とれない\n大地は、こんなわたしでもいい?大地の知っているわたしとはきっと違う、今の『泉空』だけど……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "怯えと期待。正反対の想いに、空の瞳が揺れていた。二つの大きな瞳に、空の気持ちがいっぱいに浮かび上がっている。\nその答えを言うのに悩む必要はなかった。僕の気持ちなんて、最初から決まっている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "僕が知っているのは今の空だよ。だけどそれはきっと、昔の僕が知っていた空のままだ\nだから僕は、今の空がいい",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "言って僕は、そっと空の両肩に手を置いた。そのまま、僕の想いを行動で示す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "既に覚悟を決めてくれていたのかもしれない。空は抵抗することもなく、素直に僕を受け入れてくれた。\nそれは思っていたよりもずっと小さくて、ずっと柔らかくて、ずっとずっと熱かった。\nただその気持さを少しだけ確かめ合う。そんな子供のキス。二人の唇を重ね合わせるだけのキス。\nただそれだけの行為なのに、身体中の血液が炎になってしまったみたいに熱く昂ぶる。\n空のその唇が、柔らかさが、温もりが、その想いが、今僕だけのものになっている。\nそれは今までに感じたことがないほど強烈な興奮になって、僕の心と身体の中を駆け巡った。\n七年前に失ってしまったもの。僕は今日それを、この手に抱きしめた。\nもちろん、すべてを取り戻せたわけじゃない。だけどそれでも、今この手の中に空がいて、こうして想いを重ね合ってる。\nそして僕達はゆっくりと唇を離した。それでもすぐ目の前。ちょっとでも屈めば、すぐにまた触れ合える距離。\nそんな目の前で、空は、はにかむように笑って言った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……キスって、凄いね。身体の一カ所を触れさせるだけなのに、わたし、心臓のドキドキが止まってくれない……\n今、胸がいっぱいで……頭も真っ白で……\nもうね、本当に、これしか言えないの……\n大地、大好き♪",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "聞いてる方も赤面してしまうようなその言葉を、空はやっぱり赤面しながら言った。\n僕も当然赤面したけれど、それでも恥ずかしいと思えなかった。むしろ嬉しいだけだった。\nだから僕は、そのお返しに、\nもう一度、その桜色の唇を奪った。\n静まりきった夜の公園。ただ水の流れるささやかな音と、風に揺れる葉の音だけが拡がるその場所で、\n僕達は一つになっていた。\n僕達二人が、一人になっていた。\nそれは、僕と空が前を見始めた証。昨日なんかじゃなく、明日を向いた証。\n僕達は今日確かに、新しい絆を手に入れた。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"空",
"大地"
] | 02_StellarTheaterEncore | A04_42_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "今日がどれだけ特別な日なのか、寝る前に自分に100回ばかし言い聞かせ、さらにベッドの中で目を閉じてから、脳内でイメージトレーニングを一時間ばかし。\nその甲斐あってか、自然と意識が目覚めていた。\nまだ目を閉じているから時間は確認していない。だけど僕は確信出来る。\n僕の勝ちだ。\nさあ、このままパチッと目を開いて、爽やかな朝を勝ち取ろう!",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ~いち♪",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "……あれ?\nそう心の中で意気込んだ瞬間、いきなり聞こえた空の声。幻聴?\nそんな僕の疑問は、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "目覚ましのない大地のために、空ちゃんが優しくモーニングしてあげにきちゃったぞっ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "そんな明るく幸せいっぱいな声で吹き飛んだ。どうやら本物みたいだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "空?大丈夫起きて……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "起きてるよ。そう僕が言おうとした瞬間、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ほ~ら、あっさ、だぞ~♪",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "温もりという名の幸せに満ちた掛け布団が、がばっとはぎ取られた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "優しくないっ。優しくないです、それ。空さんっ!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そう叫びながら見上げたそこに立っていた空は、僕の知っている空とどこか違っていた。\n見たことのない服に髪飾り。明らかにいつも以上にかわいく着飾ったその格好に、思わず見とれてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あれ、そう?",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "そんな僕の気持ちに気付くことなくニコニコと微笑み続ける空に、僕の中で、ちょっぴりイタズラ心と欲望が芽生えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でもあの……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "不意に、空が視線を逸らして口ごもる。その瞬間を、今の僕が見過ごすはずがない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃあっ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "僕はいきなり起き上がると、そのまま空の身体を捕まえて、一気にベッドの上に押し倒す。さっきまでの二人の位置が、まさに入れ替わった。\n乱れたスカートの隙間から見える下着は、やっぱり空らしくてかわいらしい。変に大人ぶっていないところが、空のかわいさの一つだと思う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こ、こら、大地っ。嬉しいけど、じゃなくて、服が皺になっちゃう!こ、こういうことするならまた別の日に、でもなくて、い、いいから今日はだめぇっ!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空は予想外の事態に少しパニックモードに落ちつつも、必死に僕を拒絶しようとするけれど、どうにも全力では出来ないらしい。\nベッドの上で真っ赤になりながら固まっていた。\n僕は、そんな空の首筋に、そっと顔を埋める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あれ、いつもと違う匂いがするね。いつもだっていい匂いがするけど、今日はまた違ったいい匂い。甘い香りだ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "こ、こらぁ。そんなことされたら、思わずもっとしてほしくなっちゃうじゃない……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "うん。空、柔らかくてこうして抱きしめると丁度すっぽり収まるいいサイズで、気持ちいいなあ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そう囁きかけながら、小さな空の身体を強めに抱きしめる。あったかくて、柔らかくて、甘い香りがして……うわ、これちょっとまずいかも。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、だめぇ……拒めなくなっちゃうからぁ……き、今日はデートの日で……\nあ……大地、意外に力強くて……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "大地ぃ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "耳元で響くその声は、確かに甘く濡れていた。\nその声をこぼしている小さな唇を、このままそっと塞いでしまいたい。そしてそのまま、この華奢な身体を僕の手で優しく蹂躙していきたい。そんな欲望が激しく湧いてくる。\n僕は、このままその胸へと伸ばしてしまいそうになる手を必死に堪え、どうにか顔を上げた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "よし!朝の空分補給完了!これ以上は僕がもたなくなっちゃうからね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そして、そう口にして、空の上から床に降りる。うん。ここで強制的にでも身体を剥がさないと、絶対に先に進んじゃう。\n危ない危ない。自分で始めておきながら、そのままはまっちゃうところだった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え……あ……う、うん、そうよね。今日はデートだもん、ほどほどにしないと……\nま、また、ぎゅってしてね……?",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空はベッドから降りると、素早く服を直してそう僕に言う。そのまま、そそくさとドアへと向かっていった。\nが、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "で、でもさあ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "不意に立ち止まって振り返る。真っ赤な顔のまま、恥ずかしそうに視線をそらすと、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お、男の子って、毎朝そんなになっちゃう、の……?",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "そんなことを言い出した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はい?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕はその質問に一瞬惚けて、そしてすぐに今の自分に気がついた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あのね……布団はいじゃった時から気になってたんだけど……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "健康な男の子の、朝特有の生理現象。しかもそれは、さっきの空を押し倒したことで、更なるパワーアップをしてる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "きゃあ~、空のえっちぃっ!!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ち、違うもんっ!そ、そんなになってるなんて、あの、聞いたことしかなかったし、ほ、本当に思いもしなかったんだもんっ!\nそ、それで、どうなの?やっぱり……なっちゃう、の……?",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "な、なっちゃうんですーっ。恥ずかしい僕をこれ以上見ないでえぇっ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ご、ごめんなさあいっ!!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "慌てて前を隠す僕と、僕の悲鳴に弾けるように逃げ出す空。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぐすん。僕もうお婿にいけない……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "空に責任取ってもらおう。\n何かが違う気がするけど、きっと気のせいだ。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"空",
"大地"
] | 02_StellarTheaterEncore | A05_05_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "あれ?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "夕飯も終わって、見たいテレビ観た。とりあえず今日必要なことはこれで終えたから、そろそろ休もう。そう思っていた矢先のことだった。\n明日の時間割を確認し、カバンを開いたところで中から出てきた一枚のプリント。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……これ、なんだっけ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "どうやら科学の授業でもらったプリントみたいだ。えーと……",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "って、明日締め切りの課題じゃん!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "しまった、忘れてた。そういえばそんな話、先週の授業で聞いてた気がする。忘れたりしたら、更にオマケがドン、だっけか。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いやいやいやいや、落ち着け僕。まだ慌てるような時間じゃない。今思い出せたことこそ間違いなく天啓。これからやってしまえば問題無いじゃないか",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "よーし、これくらいの問題、教科書見ながらやれば問題無し。いざおいでませ、教科書さま!!",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あれ?教科書ない?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "カバンの中をゴソゴソと漁ってみるものの、中に目当ての教科書様のご尊顔は見当たらなかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ひょっとして、いつものクセで、机の中に置き忘れてきたかなあ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "こいつはまいった。プリントの問題を見るかぎり、今の僕の灰色脳細胞で解けるような問題じゃない。教科書様がなんとしても必要だ。\nとはいえ、今から学園に取りに戻るには……さすがにちょっと遅いなあ。捜査とかのためならまだしも。\n他にどうにかして教科書を手に入れる方法は……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "いけないいけない。なんでこんな方法に気がつかなかったんだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "空に借りればいいんじゃないか",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "善は急げ。僕は立ち上がると、真っ直ぐ空の部屋へと向かった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "空、いる?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ノックをしてみるものの返事はない。リビングかな?",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まあ、教科書を借りるだけだし、ちょっとお邪魔させてもらおう\n空の部屋は、相変わらず質素だなあ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "質素というか、物がなさすぎるというか。\n前に一度、この辺を空に聞いたら",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だって、居候の身だもの、わたし。そこで好き勝手に荷物増やしちゃうわけにいかないじゃない",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "なんて、笑って返された覚えがある。\n別に、もう家族も同然なんだし、そんな気遣いはしてほしくないんだけどな、僕としては。\nちょっぴり寂しい気持を抱きつつ、改めて部屋を見回すと、机の上に見覚えのあるアイテムが増えているに気付いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これ、デートの時のやつだよね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕が、ゲームセンターで取ったうさぎのぬいぐるみ。それが大事そうに机の上に置かれている。\nこういうの見ちゃうと、やっぱり嬉しくなるなあ。\nあのデート、特に終わりの喫茶店での出来事は忘れられない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "空、甘かったなあ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あの時の空との一時を思い出し、僕は思わず声に出していた。空と食べたデザートの味が、いや、デザートと一緒に食べた空の味が、僕の脳裏に鮮明に思い出される。\nそういえば、あの日、帰り際の空、何か様子が変だったっけ。\n……まさかとは思うけど、実は何か病気だとか、体調あまり良くないのを隠してるとか、そういうこと……ないよね?\nそんなことまずありえない、と思いはするものの、一度考えてしまうとどうにも膨らんでしまって困る。\n特に、あるはずがない、という事故に僕らは一度巻き込まれ、引き離されてる。僕はもう二度と空と離れたくない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "調べてみようかな……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "今の僕には、ホロスコープツリーがある。もし、あの夜をこれで再生できるなら、きっと何か分かるはず。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"空",
"大地"
] | 02_StellarTheaterEncore | A05_09_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "僕の部屋のベッドの上に二人並んで座る。僕も空も初めての経験。二人ともガチガチに緊張してるのが分かる。\n空の小さな身体を今すぐにでも押し倒したい。そう思っていたはずなのに、いざその時になると身体が動いてくれない。\nこの可愛い恋人を、もっともっと大切に、優しく感じたい。感じさせたい。そんな想いで胸がいっぱいになる。\n僕はその、少し力を入れるだけで壊れてしまいそうな空の胸を、服の上からそっと触れた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "細い身体が、ぴくんと震える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ごめん、痛かった……?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "う、ううん、違うの。大地の手優しくて……その、気持ちよかったから……\nだから、もっとお願い……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "分かった。こんな感じで、かな……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "その、想っていたよりもやっぱり小さな膨らみを、壊れ物でも扱うようにそっと揉む。\n小さいけれど、それでも確かに膨らんでいるそこは、ふにふにと柔らかな感触を僕の手に返してくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……んうっ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "輝夜の胸みたいな強い弾力はないけれど、それでも空の胸の柔らかさだと思うだけで、自然と心が昂ぶってくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "空。少しくらいなら声出しても、皐月は下だし大丈夫だよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕の手の動きに合わせて、もじもじと身体を動かす空。その感覚を、どうにかして耐えようとしてるみたいだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そ、それは分かってるんだけど……でも、やっぱり恥ずかしくて……\nご、ごめんなさい。やっぱり萎えちゃう……?",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "全然。空の身体、ふるふる震えててさ、すっごくかわいい",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だ、だって……大地の手、優しいけどいやらしいんだもん……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "それはやっぱり仕方ないことかと。男として、こんなに可愛い空と初めてこんなことをして、冷静でいろっていう方が酷です。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "僕も男だからね。一番大切な子と初めてこうなれば、やっぱり色々しちゃうんです。やだ?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だけど、だからといって本能のままに空を汚したいわけじゃない。空にだって、感じて欲しいし、喜んで欲しい。\nだから、もし空がいやがるようなら、ここでやめたい。ここまでなら、まだ辛うじて自分を抑えられるから。すっごく辛いけど。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……ううん。大地にだったらいい……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空は、そんな僕の気持ちを知ってか知らずか、小さくかぶりを振った。\n恥ずかしそうに顔を赤らめながらも必死にガマンして、僕にすべてを捧げようとしてくれるその態度が、普段以上に空を可愛く映す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ、ごめん。空の、見たい",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そんな空の態度に、僕も歯止めが効かなくなってくる。伸ばした僕の手に、空は緊張に身体を強ばらせたものの、拒否はしなかった。\n僕は空の上着を掴むと、そっと上へとズリ上げる。黒い服の下から可愛らしいピンク色のブラが姿を見せた。\nその可愛らしいブラも一緒にズリ上げると、小さな空の膨らみが姿を現す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あの、やっぱり変、かな……わたしがブラしてるの……\nちっちゃいし、あまり意味ないし……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "僕に見られた、というよりも、その大きさに恥ずかしがるように言う空。羞恥に頬を染めたまま、それでもその身体を隠そうとはせずガマンしている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そう?空によく似合ったかわいいデザインだし、胸も少しくらい小さくてたってちゃんと膨らんでるし、それにこんなに柔らかくて……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あん……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "その膨らみへ、さっきまでとは違い直接触れる。服の上からじゃあ分からなかった空の体温が、その確かな柔らかさと一緒に僕の脳髄を刺激した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "中心だって敏感で、こんな風にすぐ尖っちゃって……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "その中心にある小さな突起を、そっとつまむ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃうっ……あ、や、あ、だめ、つねっちゃ……っ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "その柔らかな部分よりもずっと敏感な場所。今までとは違う固い感触と一緒に、空がその身体を震わせる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こんなに女の子してるんだから、ちゃんとブラして守らなくちゃ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ん、あ、あんっ……や、あ、胸は、びりびり、きちゃっ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "その感触がたまらなく気持ちよくて、つい胸を揉み続けてしまう。\nふにふにとした柔らかさに、空の可愛らしい声。それだけで、女の子の身体がどれだけ素晴らしいかが分かってしまった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "小さい分敏感なのかも。空のかわいい声も聞けるし、空の胸、凄く気持いいよ\nこのまま、こうしてずっと揉んでたい",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "やんっ……せ、先端ばかり……ん、あ、だめ、こ、声出てきちゃう……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "ツンと尖ってきた先端を、クリクリといじり続ける。懸命にガマンをしているんだろうけれど、もう限界みたいだ。\n赤く上気した顔に、明らかな変化が浮かぶ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、あ……あふ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "その唇からこぼれる吐息は、もう充分に甘い。\n太ももに挟まれた手は、もじもじと動いて止まらない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "空って、こんな尖るんだ……凄い……ちょとつまむだけでコリコリって……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あ、ああっ……や、そこは……ひゃんっ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "ちょっと強めにつまんだ瞬間、空の背中が弓なりに反った。\n同時に、確かな快楽に染まった声が室内にひびく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "空の胸、本当に敏感なんだね……こうして触ってるだけで、感じてくれてるの伝わってくるよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そ、そんな、胸ばかり触って……あ、あう、ん、ああっ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "柔らかい乳房の感触と、固く尖った乳首の感触。同時に味わう正反対の感触と、甘く響く空の声。そして、確かに感じている空の顔。すべてが僕を昂ぶらせる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、んあ……あ、んんうっ……!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "それでもどうにかガマンしようとしているみたいだけれど、壊れてしまった堤防は、もう戻りそうにない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、だめ……わたし、切なくなって……ああんっ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "僕の胸の愛撫に、空の身体から力が抜けていくのが分かる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……僕も感じてる空見てたら、もう我慢できなくなってきちゃったよ\n他の場所も、いい?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……うん",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "恥ずかしそうに、だけど確かに頷きながら答えてくれる空。すっかり僕に寄りかかるようになっていたその身体を、僕はそっとベッドに横たえた。\nたった一枚の布地しかない下半身は、僕の目を自然と引き寄せた。\n普段だったらこの下着を見られるだけでも幸せなのに、今は更に先がある。目の前の細い身体を、僕はじっくりと眺めていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ブラとお揃いか。かわいい下着だよね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ズリ上げられたそれと同じピンク色のショーツ。辺に大人びていないそれは空らしくて、よく似合っていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大地は、子供っぽいの、いや……?",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "なんで?空に似合ってるし、別に子供っぽいとも思わないけど",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "恥ずかしそうに尋ねてくる空に、僕は思ったままを即答する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やっぱり似合ってるのが一番だし。それにさ、どーせ男で空の下着見られるのなんて、僕だけだし。だったら問題ないんじゃないかな",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "う、うん。大地がいいって言ってくれるなら……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "それに、そんなの関係無しに空の身体綺麗だし……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あ、あんまりじっくり見ないでね。わたし、こんな体型だし、自信ないから……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "この綺麗な身体を見て反応しないなんてもったいな過ぎると思う。体型がどうかなんて関係ない。空の身体というだけで、他の誰よりもいやらしく僕には見えた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ごめん、約束できない。この身体が目の前にあってじっくり見られないなんて、我慢できない",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕は言って、その空の膨らみへと再び手を伸ばす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……やっぱり、大地の触り方、優しいよね\nだから、こうしてちょっと触られてるだけなのに、気持ちいい……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "再び手のひらから伝わってくる空の体温に、ゆっくりと撫で回す感じで手を動かす。\n柔らかい感触を味わいながら、先端の突起を軽くつまむと、空の喘ぎが小さくこぼれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、あ、はぁ……だ、め……声出ちゃう、よぉ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空の胸、柔らかくて、反応よくて、ずっと触っていたくなっちゃうんだよね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "まるで吸い付いてくるような空の胸に、このままいつまでも揉みしだいていたい衝動に駆られてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、僕も空の全部がほしいから……こっち、いくよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "けれど、僕が今欲しいのは空のすべてだから。僕はそんな欲望を抑えこんで、空のもっと恥ずかしい場所へと手を下ろす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "ショーツの上から、空の下の唇へと指を這わした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひゃんっ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "今まで以上の喘ぎと共に、小さな身体が大きく跳ねた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、あ、そこ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空の一番恥ずかしいところ……さっきのオナニーほどじゃないけど、もう濡れてるんだ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "指先に、うっすらと湿り気を感じる。そしてショーツの裾からは蜜らしきものが太ももの方まで垂れて来ていた。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"空",
"大地"
] | 02_StellarTheaterEncore | A05_10h_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "……ねえ、大地",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "うん?何、空",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "今、わたしの前にいるのは、大地よね",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "もちろん",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "わたし、大地のものになったのよね",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "僕としては、空をもの扱いする気はないから、その言い方だとどうかとは思うけど、僕と空はこれからずっと一緒にいる。これは間違いないと思うよ\nでも、急にどうかした?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……わたしね、今すっごく幸せなの\nほんの一月前は、こんな幸せ考えたこともなかった。もう絶対に手に入らないはずだった\nその事に気がついたら、これって夢とかじゃないわよねって、ちょっと思っちゃって",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "大丈夫。夢じゃないよ\n五年前、空が僕を救ってくれて、それから一生懸命に色々なことを頑張ってくれて掴み取った、正真正銘の現実だよ\n空は、幸せになっていいんだから。僕が、もっともっと幸せにするんだから",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……うん。わたし、もっともっと幸せにしてもらう\nだから、大地も、もっともっと幸せになってね",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "もちろん。さっきみたいなかわいい空を、これから何度でも見れるんだもん。幸せに決まってる",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "え、あ、も、もうっ!\n……うん。何度だって見せてあげる\n大地が、一緒にいてくれるなら……",
"speaker": "空"
}
] | [
"空",
"大地"
] | 02_StellarTheaterEncore | A05_11_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "休み時間、どうにもアオについての考えがまとまらず、気分転換に教室を出てみた。\n情報がどうにも集まらない。多分、何か抜けてることがあるんだと思うんだけど、それが分からない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "人なのか、動物なのか、場所なのか、組織なのか、その他の何かなのか……うーん、分からない……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "窓から外を眺めてみれば、そこには青空が広がっていた。なんか皮肉っぽいなあ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ~いちはっけ~ん♪",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "うわっ、空?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "背後からいきなり抱きつかれ、慌てて振り返れば、やっぱり空だった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "せいか~い。抱きついた感触だけで分かるなんて、大地ったら本当にえっちなんだから\nでも、それくらいわたしの身体を覚えてくれたんだって考えれば、それくらい気にいってくれたんだってことなのかな。えへへ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "そりゃあもちろん。僕にとって、空以上のものは存在しないし",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "その前に響いた声のことはあえてスルーして、僕は素直に頷いた。事実、あの夜から空の温もりとか柔らかさとか声とかは、全然忘れられそうにないし。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん。わたしもね、大地以上のものなんて無いから。そもそも、生涯大地だけだし\nでも、こんな所でどうしたの?随分珍しい場所だけど",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "いや、例の『アオ』についてちょっと考えてた。気分転換も兼ねてね\nどこを捜したらいいのかなあって……実際、それが何を意味するのかも分かってないし……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そうねえ……それじゃあ、わたしが決めてあげる",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空は少し思案するように天井を仰ぐと、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "プール!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "と満開状態の笑顔で言った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……はい?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だから、プール♪",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だって、アオって言ったら青い海、じゃない?やっぱり。海はないから、プールで代用",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "あの、空さん。その理由付けはいかがなものかと……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "さっきの、青空を皮肉だとか言ってた僕より酷いのでは……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でも、プールってあまり捜査に利用したりしてないし、意外に面白い情報とかあるかもよ\nそれに、もれなくわたしの水着付き",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "よーし、プールいってきまーすっ!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕は空の手を握ると、ダッシュで階段を飛び降りた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え?だ、大地!?ちょっとまだ授業残ってるのに!?",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "残りの授業は全部体育になりました!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "所により保健体育かもしれません。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こ、こらあっ、さすがにそれはまずいってばあ!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "昔の人はいいことを言いました。\n思い立ったが吉日っ!",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "痛たたた……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "まだ痛むの?まあ、見つかったのが陽夏さんだったていうのがまずかったわよね",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "本気で学園からの脱出を謀ろうとした僕達は、あのあと見事に陽夏さんと正面衝突。そのまま捕縛され、脳天に素敵な一撃を食らい(注・僕だけ)教室へと連行された。\nまあ、あの時は空の水着姿に我を忘れて暴走したけど、考えてみれば当然なんだよね。\nというわけで、放課後になってから、改めて捜査という名目で来た次第です。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やっぱり、プールっていえばデートの定番よね",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "いきなりデートに変わってませんか空ちゃん!?",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "まあ、男としてここ以上に嬉しいデートスポットっていうのもそうないしね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "大地、嬉しい?わたしの水着姿",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "そりゃあもちろん。でも、混浴の温泉とかだったらもっと嬉しかったかな",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ばか\n温泉は、本当に押し倒されちゃいそうだからパス",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "それはちょっと心外かなあ。僕ってそんな節操ない男に見られてた?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あ……その、気を悪くさせちゃったなら、ごめんなさい。だ、だって……大地、えっちなんだもん……\n大地に触られるのは、その、別に嫌じゃないんだけど……優しいし……\nだけど、他の人に見られたくないもん……。大地にだったら、恥ずかしいけどいくらでもガマンする。だけど大地以外の人に見られたら死んじゃう",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "あーもう、本当にかわいいなあ、空は。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大丈夫だよ、空\n相手が空なら、温泉でなくたって、どこでも押し倒せるから、僕は",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そ、そういう問題っ!?",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "大丈夫。他の誰にも見せないから",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "うわぁ、笑顔が眩しい……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "でも、空と一緒に抱き合って、っていうのも魅力的なんだけどなあ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "温かな湯船の中、ぎゅって抱き合いながら、生まれたままのお互いの柔らかさを感じ合う。それって、きっと凄いよね。\nうわ、なんか興奮してきちゃった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大地、鼻の下伸びてるー\nもう。大地、やっぱりえっち\n……お風呂に入りたいなら、家で一緒に入ればいいじゃない",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "それだ!今度皐月の目を盗んでこっそり入ろう!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そうね。あの子のことだもん、もし見つかったら、きっと一緒に入ろうって言って乱入してくるわ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "え、そっち!?それ問題!?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……大問題じゃない",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "いやあ、僕としては、それも別に有りかなあ、って……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あーもう。まったく、この兄にして、あの妹あり、なんだから",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "衝撃の事実っ。皐月のあれは、僕のせいだったのか!?",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "でもまあ、とりあえず今は二人きりなのよね\n泳ご、大地",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "プールにぴったりの、まるで真夏の太陽みたいな笑顔を浮かべて僕の手を引っ張る空。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そうだね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕はその手に引っ張られながら、空と一緒に水の中へと飛び込んでいった。\n…………。\n……。\n…。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ふう……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕はプールサイドに腰を下ろすと、一息ついた。さすが星座。それも十二星座候補生レベル。体力も並じゃない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ついていくのが一苦労だよね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そう言いつつも、悪い気はしなかった。\n子供の頃から空はこうだった。少なくとも、今僕の中にある記憶では、あんなやんちゃ少女だったはずだ。\nその時と変わらない、昔のままの空が目の前にいる。それだけでもう、僕は自然と笑顔になった。\n僕自身の本物の記憶はないけれど、空にもらったこの記憶が僕を支えてくれている。空のくれた記憶が、僕にこうして笑顔をくれる。\n空と一緒に、こうして笑っていられる。それはやっぱり、幸せなことだよね。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だーいち♪",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "不意に柔らかい感触が、僕を後ろから抱きしめてきた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こら、一人で何黄昏れてるのよ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "ごめんごめん。ちょっと疲れたから一休み",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あ……ごめんなさい。わたしのペースに付き合わせちゃったら、疲れて当然よね。ちょっとはしゃぎ過ぎちゃった\nでも、疲れたなら言ってくれればいいのに。一緒に休も",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "いやあ、この程度でこんな疲れるなんて、歳を感じるよね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そうね。特に精神年齢の方かしら",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "あれ、おっかしいなあ。身体はともかく心はいつまでもぴっちぴち健康優良少年のつもりなんだけど",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "まったく逆だと思うわよ。だって、大地……あの時、身体の方凄かったもん……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "いや、あれはその、空が逆に凄すぎて、回復しまくっちゃってたのではないかと",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "も、もう。大地はすぐに恥ずかしい言い方するんだから……\nそれじゃあ、疲れた身体に回復薬あげちゃうわね\nえいっ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "僕を抱き締めているその腕に、より力を込める。背中に触れていた小さな膨らみが、思い切り押し付けられる形になって、かなり嬉しい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "おおう、空の、思い切り当たってますよ?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ふふーん。当たってるんじゃなくて、甘えながら、当ててるの\nだって、悔しいけど肉体的特徴では他の子に勝てないもん、わたし。だったらその分頑張らないと、大地に目移りされちゃう\nおっぱいちっちゃいけど、これなら女の子に抱きしめられてる感じは一応楽しめるでしょ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "そう言って、いかにも小悪魔的な笑顔で笑う空はかなり凶悪だと思うんだけどどうでしょう。\n空の胸だって、小さいといっても、決して無いわけじゃあなくて。ふにふにとした気持いい弾力が、僕の背中から全身に広がっていく。\nああ、やっぱり、空の、いいなあ……。\nそう、改めて認識したところで、ふと反対側のプールサイドに座って休んでいる女の子の姿が目に入った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "!?!?!?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "で、でんじゃら~す……。\nな、なんだろう、あの子の胸っ。僕らよりちょっと年上くらいであのサイズ!?どういう生活したら、あんな育つんだ!?\nぷるん、と上向いた大ボリュームに、自然と視線が吸い寄せられる。\nな、なんていう存在感……。あれって、輝夜と同じくらい……?\nで、でもまあ、うん。可愛さでは空のが遙かに……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "で、どこを見てるのよ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "ぎくうっ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "す、鋭い……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "い、いや、空ほど可愛い子は他にいないなあって",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "む~……\nほんと、あの子、おっぱい凄いわよね。思わず見入っちゃうくらい",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "ぎくぎくうっ!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "や、やっぱり鋭いなあ、空。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えっと、そのぉ……確かにちょっと気にはなってしまったというか、あれくらい特別サイズだと男なら誰でも気になってしまうと思うわけでして……\nけ、決して、あれがいいだとか、あれくらい欲しいだとか、そんなわけでは……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ね、ねえ、大地……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "必死に弁解しようとする僕に、空のちょっと悲しそうな声がかけられる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やっぱり、大地はおっきい方が好き?わたしだって、星座を辞めれば成長も再開するし、きっと……多分……その、約束はできないけど……\nで、でも、今よりはおっきくなると思う!大地がその方がいいっていうなら、すぐに星座辞める!やめて、一生懸命おっきくする!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "辞めないでいいよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕は言葉にすることすらもどかしく、即答した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "即答なんかして、ちゃんと考えてくれてる?",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "もちろん。僕は空が好きなんだよ。無理をしてない、あるがままの空が。その空が星座としての今を選んでるなら、僕もその空がいい",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "空が今の体格なのはちゃんと理由があるし。そもそもそれだって僕を助けようとしてのもの。それを受け入れられないはずがない。\n……それに正直、空は今のままの方が可愛いなあ、なんて思ってもいたりします。というか、成長した空が想像できません……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大地……\nうん。わたし、今のままでいるね。大地が望んでくれるかぎり、ずっと\nそれに、成長が止まるっていうことは歳もとらないっていうことだし……いつか、おじいちゃんになった大地の隣に、今の姿のままのわたしがいる。これって素敵かもね\n孫じゃありません、妻です、って。みんな驚くわよね。あ、そういうのもロリコンっていうのかな",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "同じ歳だよ。もし言われたら堂々と胸張って言えるね\nそうです、ロリコンです!って",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そっち言ってどうするのよ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "いやあ、そう言われても構わない、という初心表明で",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "まったくもう……\nほんと、とことん大地なんだから♪",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "そう言って笑ってくれる空が眩しくて、それだけで今日の僕は満足だった。\n陽も傾き、世界の色がすっかり変わり果てた頃、僕達はようやく帰る準備を始めた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん、遊んだ遊んだー",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "うん、堪能した堪能したー\n時々はこうして気分転換も必要だね。頭の中がちょっとスッキリした気がする",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "でしょ。まあ、わたしが言うのもなんだけど、一つのことに集中しすぎると、かえって分からなくなっちゃうもの",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空は、そのためにわざと誘ってくれたわけだ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "まあね。大地は広く考えすぎなのよ。アオが何を意味する言葉か、そこで迷っちゃってるでしょ。だから、何を捜していいのか分からない\nまずは、そこから絞ってみない?アオが何を意味するのか。今までの黒猫の言葉から、大地はなんだって思ってるのか\n捜すものが決まってないのに、見つかるはずないもの",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "確かに。捜すにしたって、捜し物が何か分からないんじゃ見つけられるはずがない。\nそれがずれててもいいから、まずは何を捜すか決めないと。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "改めて考えてみれば、ソラの目的はアオの世界を広げるために、記憶を集めることなわけだから、アオっていうのはやっぱり人の名前だと思う\nうん。ここはやっぱり、人の名前として絞ってみよう",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "それでいいと思うわ。だめだったら、また別のものに絞ればいいんだもん",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "なんだろう。何かが分かったわけでもないし、情報が手に入ったっていうわけでもないのに、妙にスッキリした気分だ。\nうん。空の水着も堪能できたし、今日は実にいい日だ。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"空",
"大地"
] | 02_StellarTheaterEncore | A05_15_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "窓から差し込む光はすっかり傾き、教室はいつしか茜色に染まっていた。\n部室の方にいかないといけないことは分かっていたけれど、それでもなぜか行かなかった。誰もいなくなった教室で、僕は一人でこの風景を眺め続けてる。\nいや、行かない理由は分かってた。\nこれから僕がしようとしてること。それは間違いなく、みんなの目指すものと違う。むしろみんなの邪魔になる。\nそんな僕が、みんなの中にいてはいけない気がしたから。少なくとも、今日一日は。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大地。ここにいたんだ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "不意に扉が開き、空が姿を見せる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "空?あれ、部室の方は……って、もしかして陽夏さんから捜し出せ命令が!?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "慌てる僕に、空はクスと笑う。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大丈夫よ。ちょっと調べ物があるみたい、ってごまかしておいたから\n他のみんなは、いつも通りにソラのこと捜しに行ったわ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "……空は、なんでここに?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "うーん、なんでかしら。ただ、なんとな~く、ここなら大地がいそうな気がするなって",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "やっぱりいたし、と笑う空。その笑顔が、今の僕にはなんだかとってもありがたかった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大地こそ、なんでここに?部室にも出ないで",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "いや、その……まあ、いろいろと……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "どう答えていいか分からない僕を、空はジッと見つめていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……大地",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "ん?何",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "えっち、しようか",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "唐突な空の言葉に、僕は思わずその意味を考え直す。えっち。アルファベットの一つ……なんて使い方をここでしても意味ないわけで。\n空が僕に言うその単語の意味なんて、一つしかない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こ、ここで……?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "うん。ここで",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "にっこりと笑顔で言い切る空。けれどその顔は、この教室の中でも分かるくらいに真っ赤だ。その一言を言うのに、どれだけ恥ずかしいのを我慢してくれてるんだろう。\nそこにどんな想いがあるのかは分からないけど、空の想いを僕は絶対に拒絶しない。\n空が、それを望んでくれるなら。僕にそれを断る理由なんてない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん。僕も空とえっちしたいな……ここで",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "それじゃあ……しちゃおう……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "そう言って、僕らはまず唇を重ねた。軽く触れ合わせるだけのキス。\nそれはまるで、これから行うことの儀式みたいだった。",
"speaker": "地の文"
}
] | [
"空",
"大地"
] | 02_StellarTheaterEncore | A06_05_converted.jsonl |
[
{
"utterance": "こ、こうでいい、の……?",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "うん。それでお願い",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "机の上に空を座らせ、ベストのボタンをとタイを外す。小さな空の身体は、それでやっと僕と同じくらいの高さだった。\n足の間から覗けるピンクの下着が、その下にあるものを想像させてドキドキする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "わ、わたしから言い出したことだけど……やっぱり、ドキドキするね。こんな場所でのえっちなんて……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "誰か通らないか気になって仕方ないのか、空はキョロキョロと廊下の方へ視線を送る。\n時間的に部活動以外の生徒は殆ど帰っただろうし、部活動の方は今が旬。教室の方まで上がってくることはまずないはず。\nだけど、それでもやっぱり気にはなっちゃう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん。もし誰か来ちゃったら、空の裸をその人に見せることになっちゃうし",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "え、そこなの?",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "もちろん。空の裸を他の男に見せるなんて絶対にやだし",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ここ以上に大事なことなんてありません。空の身体はあくまで僕だけのものですから。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "もう。こんな時でも、大地は本当に大地なんだから",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "当然。だって、空が好きになってくれたのは、こういう僕なんだから。僕は常にそれに応えるよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "うん。応えて。わたしも、そんな大地にだから、全部捧げられる……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "恥ずかしそうに言いながらも、身体から力を抜いて僕へと捧げてくれる。\nまた空の身体を見られる。そう考えるだけで震えてしまう指先を、空のシャツへと僕は伸ばした。\nボタンを全部外され、大きく開かれるシャツ。その下から、ショーツとお揃いの可愛らしい空のブラが現われた。\nそのわずかな膨らみと相まって、僕の本能を刺激する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "その、こ、子供っぽく、ない……?",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "全然。空に似合っててかわいいよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "むしろ、子供っぽくっても構わない。この下着を着けているのが空で、この体が空のものだっていうことが、今は一番大事なんだから。\n僕はブラの上から、その緩やかな胸を、できるだけ優しく揉みしだく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "ふに、っとした柔らかさに、僕の手が沈み込んだ。同時に、空の唇から可愛らしい声がこぼれ出る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "空の胸、柔らかい……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "うん……ちっちゃくて、ごめんね……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "全然問題ないよ。僕にとって大事なのは、これが空の胸だっていうことだけだし",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あ……ん、んぁ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "ゆっくりと動く僕の手のひらに、空が小さく喘いだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大地の手……気持いい……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "気持ちよさげなその声に、僕ももっと空の身体をいじりたくなる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こっちも、いい?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕は空いている右手を、そっと空の左膝に載せる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え……う、うん……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "その意味をちゃんと悟ってくれたのか、空は顔を赤らめながらコクンと頷いた。\nそれを確認してから、僕は空の両足を大きく左右に開かせる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "わ、わたし、凄い格好だよね……全部、見えちゃう……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空自身を覆い隠すピンクの下着。初めて抱いた時に見た空の秘裂とその感触を思い出し、そこに触れたくてたまらなくなる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん。空の全部見たかったから。やっぱり、恥ずかしい?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "もちろんよ……だけど、大地にだから、ガマンする……大地になら、見られても平気……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "ジッとそこを見つめている僕の視線に必死に耐えて、足を開き続ける空。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "で、でも、やっぱり恥ずかしいよぉ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "その身体が、恥ずかしさに小さく震えているのが分かる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "そうやって必死に堪えて見せてくれる空、かわいいなあ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "これ以上は本当にガマンできない。僕はショーツの上から、その小さな割れ目に、そっと指を這わせた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃうっ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "可愛らしい声と共に空の身体がびくんと大きく跳ねる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やっぱり、こっちに触るの、緊張するね。空の、一番大事なところ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "うん……大地だけの場所、よ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "そんな空の言葉が自然と僕を昂ぶらせる。僕は秘裂をなぞっている指に、少し力をこめた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "は、あ……うう、んっ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "懸命に抑えようとしている甘い響きが、教室内に響く。\n空のそこは、ショーツの上からでも分かるくらいに熱く昂ぶり、身体を上気させていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う……あ、あふ……ん、んうっ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "声、隠さないでも平気だよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だ、だって、ここ学園で……ふあ、ああっ……こ、声聞かれたら……人、来ちゃう……っ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "それでももう、感じているのは隠し切れていない。ショーツの方もうっすらと濡れており、僕の指を湿らせる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "残ってる人なんてもうほとんどいないし、いてもみんな部活中だよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "それは分かって、んくぅ……るんだ、けど……や、あ、大地の、指、入って……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "もっともっと空に感じてほしくって、僕は割れ目の間に指を埋めた。空は背筋を反らせながら、僕の愛撫を耐える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "僕は、もっと空のかわいい声聞きたいんだけど……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "で、でも、恥ずかし……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "それでも、吐息は確実に甘く湿り始めていた。あと一歩を求めて、僕は空の胸に手を伸ばす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "夕方の、少し涼しげな空気に晒される空の胸。小さな膨らみの中心は、固くピンと尖っていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "空の、ツン、て尖ってる……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だ、だって……大地に触られてるんだもん……感じないはず、ない……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "乳首が立ってしまっていることを知られたことが余程恥ずかしいのか、空は僕から視線を逸らしながら言った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "僕も、もっと空に感じてほしい……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だけど、そんな空の態度が余計に可愛い。割れ目の中を愛撫しながら、空いている手で胸を揉む。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃうっ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "吸い付くようなしっとりとし肌に、むにっと返ってくる質感。その柔らかさを味わいながら、中心にある突起をきゅっとつまむ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、あ、つまむのだめぇ……か、感じ過ぎちゃって……ひ、あ、ああんっ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "びくん、と背中を弓なりにそらせて、空は大きく喘いだ。\nそのまま指でこりこりといじると、秘裂の奥から溢れる蜜がその量を増す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、だめぇ……こ、こりこりってきて……あ、あふ……こ、声、出ちゃ……っ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "ぬるっとした液体が、ショーツに染みを作り、そのまま僕の指にまで絡みついた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あう、ん、んく……ふあんっ!\nや、やぁ……で、電気、びりびり、って……んく!あ、あふ……んうっ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "胸と秘裂、その両方を同時に責められて、空ももう耐えきれなくなっていた。甘い泣き声を響かせて、その身体を震わせる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……凄いよ、空のここ、急に濡れてきて……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "奥からこぼれる蜜は更に量を増していく。それは一枚の布じゃあ抑えきれずに、机の上にまでうっすらと垂れ始めていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え、あ、やあっ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空は、そんな自分の姿にたまりかねたのか、再び足を閉じてしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あうぅ……やっぱり、恥ずかしい……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空の、見ちゃだめ?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕としては、もっともっと空の恥ずかしい姿を見たい。優しく尋ねかける僕に、空は真っ赤になって上目遣いで答える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、だって……あんな染み、出来ちゃって……はしたないし……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "感じてくれてる証だと思うんだけどな",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕に感じて、気持ちよくなってくれている証拠。それをはしたないなんて思うはずもない。\nそもそも僕は、空のもっともっとはしたない姿を見せてほしいわけだし。\nあえて愛撫をやめ、その大きな瞳をジッと見つめる僕に、空の顔が更に朱を増す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、うん……ごめんね……もう、一度見られちゃってるのに……で、でも恥ずかしくて……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "そして、絞り出すようにして、その先を言葉にした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あの……頑張ってガマンするから……ぬ、脱がせて……くれる……?",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "この状況で脱がすものなんて、それは一枚しかない。決まってる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "脱がすって……い、いいの……?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そこは空の最後の砦。それを自ら求める空にあえて確認すると、空は何も言わずに、ただ頷いた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "閉じられたままの空の足。僕はスカートの奥へと両手を差し入れると、その裾にしっかりと指をかけた。\nそしてゆっくりと、ピンク色のそれを引っ張り出す。\n濡れて数本の糸を引きながら脱がされた空のショーツ。閉じられた足の向こうに、空の入り口がある。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こ、これでもう、隠せるものない、から……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "覚悟したから、とばかりに僕を見つめる空。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うん。足、開くよ……?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "その瞳を受け止めながら、目の前の細い足に、僕は手をかけた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お、お願い、します……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "羞恥に満ちた空の声。それにより昂ぶる自分を感じながら、僕は空の一番いやらしい場所を目の前にさらけ出させた。\nまったく陰りのない、生まれたままの空の秘裂。ぴっちりと閉じ合わさったその奥からは、透明な蜜が垂れている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "空の、やっぱり綺麗だ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "一度僕に引き裂かれたとはいえ、そこは少しもくすんでいない。まるで始めての時と変わらないその割れ目に、僕はそっと両手をかける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "中、見るね……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あうう……やっぱり恥ずかしいよぉ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "ぎゅっと両目を閉じて、今にも泣きそうな声で言う空。だけど僕の行為を邪魔することもなく、黙ってそこを差し出してくれている。\n僕は空の奥をこの目に焼き付けるようと、縦筋を左右に開いていった。\n蜜に濡れきった桃色の皮肉が、その顔を覗かせる。その柔らかそうな秘肉に沿って視線を降下させると、空の女の子としての入り口が見える。\n僕によって、痛々しくも純潔を引き裂かれた、その入り口が。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あれ?空のここ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だけどそこを見て、僕は疑問を声に出していた。\nあの日、空のここを綺麗にした時、間違いなく裂けて広がっていたのを覚えている。その痛々しい絵に、より空を愛しく感じた。\nだけど、今のこの場所は……",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "初めての時と……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あう、やっぱり気付いちゃったか……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "そんな僕の反応に、申し訳なさそうに呟く空。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ、やっぱり……?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "う、うん。星座の回復力で、治っちゃってる……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "言われて、僕はやっと気付いた。星座は、その力に目ざめた時点で成長が止まり、あらゆる傷を、その時点に戻そうと回復させる。\n僕が引き裂いたあの傷も、星座としての回復力が……?\n改めて、その入り口をジッと見る。そこは前回同様、小指すら入らなさそうに狭く小さい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……凄いちっちゃいままだ……これって、毎回空が痛い思いしなくちゃいけないってこと?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ごめんね……やっぱり、毎回痛がられるのとか、めんどくさいよね……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "僕としては、空が辛い思いをするのがイヤで言ったつもりだったんだけれど、空は、それでも僕のことを考えてくれていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、だけど、どれくらい痛いのかはもう分かったし、頑張ってガマンするから",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "そんな空の気持ちがただ嬉しい。だからこそ、より空を大事に扱いたい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いや、男からすれば好きな子を抱くのにめんどくさいも何もないよ。凄い気持ちいいし\nただ、その度に空に辛い思いさせるのが……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ううん。わたしは本当に大丈夫だから",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "本心だと分かる声で、そう言う空。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "初めての時だって、痛かったけど嬉しかった。大地がわたしの中に入って来てくれてる証だって思ったら、全然辛くなかった\nだから、お願い。わたしのことは気にしなくていいから……その、ちょっとは痛がっちゃうかもしれないけど……\nそれでもね、わたしは本当に嬉しいから、気にしないで大地が気持ちよくなって\nわたしだってね、大地に愛されてるんだって想いで、ちゃんと気持ちよくなれるから",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空の、僕と一緒に気持ちよくなりたいっていう想いが凄く伝わってくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それに……大地も男の子だもん。したい、よね……?",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "そ、それはもちろん……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "わたしも、大地としたいよ\nだから、しよ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空も、僕に抱かれたがってる。\nどこまでも澄んだ笑顔でのその言葉に、僕も空が本当に望んでくれているのを感じる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……うん、分かった",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だから、空に喜んでもらうためにも、気にするのをやめる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ま、まあ本音を言えば、空のこんな姿見ておきながらガマンなんて無理です",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そう言いながら、僕は改めて空の秘所へと視線を送る。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……も、もう。やっぱり大地えっち……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "うわ……もうこんなに……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "中から溢れてくる蜜を舐められそうなくらいに顔を近づけて見させてもらう。\nいやらしくも綺麗な柔肉が、てらてらと輝くように濡れていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お願い……あ、あんまり近くでは……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "ごめん……でも、やっぱり綺麗だ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "覚悟はできても、その羞恥がなくなるわけじゃない。僕の息すら感じられる距離で、その中までじっくりと見られて、空もか細い声を上げる。\nだけど、やっぱり無理だ。こんなに綺麗な空、もっともっと見たい。\n僕はこの距離で、空の柔肉をそっと撫でた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ひあんっ!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空の、こんな熱くなってる……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "火照りきったその中で指を動かす。秘裂に沿って上下に動くその指に、中からどんどんと蜜が溢れる。\n押さえていた布も失った今、それは机の上へとポタポタ垂れていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、あっ……大地の指……あ、熱くて……ひっ、んあぁっ!\nあ、はぁっ……ん、ああ……う、んあぁ……!\nす、凄い、よぉ……さっきから、ぞくぞく、ってきて……あ、んうぅっ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空の体内の柔らかさが、直接指に感じられる。次第に白みを帯びていく蜜が指を濡らし、ぐちゅぐちゅと音を立て始めていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "空の、どんどん溢れてくるよ……もう指がぬるぬるで……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "その熱さと柔らかさに、僕は夢中になって空を愛撫し続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ね、ねえ、大地のって、どうなってるの……?",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "え?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "不意に言われた空の発言に、思わず僕の手が止まった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "わ、わたしばかり見られるの……ずるい、よね……\nわたしも、大地に、したい……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "恥じらいながらも向けられた空の視線は、僕の下半身へと向けられている。\n僕も当然してもらえるならして欲しいとは思っていた。だけどこれは嫌がる女の子も多いって聞いてたし、僕からは言い出せなかった。\nでも、空がしたいって言ってくれるなら……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うわぁ……こ、こんなにカチカチ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空は、イスに座った僕の目の前にしゃがみ込むと、ズボンのチャックを下ろしてそれを取りだした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、うん。空の身体で、こんなになっちゃいました……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "空の身体を存分に味わっていた僕自身は、僕も驚くくらいに大きく、固く屹立している。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "初めての時に見てたけど、で、でも、やっぱり凄い……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "そんな僕のモノを恐る恐る手でいじりながら、空は好奇心いっぱいに観察していた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "男の子って、こんな大きいんだ……い、痛いはずよね……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "自分の身体を貫かれた時のことを思い出しているのか、空の表情が少し歪む。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いや、普段はそんな風にはなってないんですけどね……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "一人でする時ですら、ここまでになったことはありません。やっぱり、空のせいだと思います。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "で、でも、こんなになって、大地は痛くない、の?",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "腫れ上がってるようにでも見えるのか、本気で心配してくれる空に苦笑してしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "別に痛くはないけど……その、暴発とかはしちゃうかもなあって……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "あ、本当だ……先っぽから、透明なの出てる……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空は僕をジロジロと様々な方向から眺めると、先端からこぼれているそれに、感心したような声を出した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いや、そう説明されてしまうと……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そ、それじゃあ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "そして苦笑する僕を尻目に、恐る恐る僕の先端を舌先で舐める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぴちゃ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "うあっ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ぞくり、とした快感に背筋が伸びる。そんな僕を見て自分が失敗したと思ったのか、空は慌てて舌先を離した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ご、ごめんなさいっ。痛かったりした?",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "い、いや、痛いとかじゃなくて、凄く気持ちよかった\nできれば、もっと……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "たったあれだけなのに、あそこまで大きな快感が突き抜けた。さっきの調子で続けてもらったら、いったいどれだけの快感を味わうことができるんだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、うん……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空は僕の要望を聞くと、再び恐る恐る舌先を伸ばした。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぴちゃぴちゃ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "そして、ガチガチになっている僕の先端をそっと舐めていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぴちゃぴちゃぴちゃ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空の舌の動きは拙いけれど、だからこそ頑張ってくれているのが伝わってきた。その一舐めごとに、電流みたいな刺激が脳髄へと走って行く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ど、どう……?初めてだから、強さとか分からなくて……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "う、うん。凄く、いい……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "痺れるような快感に、少しずつ何かがこみ上げてくるのが分かる。僕はそれを堪えながら、空の舌による愛撫を味わう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "よかった……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空も、そんな僕の返答にホッとしたのか、チロチロと、舐める範囲を少し広げていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ぴちゃぴちゃ\nこ、この窪んでるとことか、かな……?\nぴちゃぴちゃ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "うあぁ……で、電気みたいなの走った……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "びくん、と思わず反応してしまう僕に、空が嬉しそうに笑みを浮かべる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えへ……大地の感じてくれてる顔、かわいい\nそ、それじゃあ……もうちょっと……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "そして、大事そうに僕のものを掴むと、",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んむっ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "その小さな口に、含んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "くっ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "空の熱い吐息が僕を包み込み、唾液に塗れた舌が敏感な部分を刺激する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、う……だ、大地の、おっきい……ん\nん……んむ……んっ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "僕を咥えながら、ゆっくりと前後に動き始める空。慣れていないせいか時々苦しそうな顔も見せるものの、一生懸命に僕を刺激し続ける。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ、んあ、はあっ、んくっ……んうっ\nんむ、はあっ、はあっ……ん、んあっ\nんうっ……はぁ……はぁ……ど、どう?……んうっ……ん……くっ!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空の舌使いに、ゾクゾクとした快感が僕を包み、今にも吐き出してしまいそうな欲望が下腹部へと集まってくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、うん。凄く、いい……で、でも、もう……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "少しでも気を抜けば、このまま解き放ってしまいそうだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん……んむ……い、いいよ、んぁ……ん……このまま……はあっ……はあっ……ふぁ……ん、んくっ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "口内の粘膜が僕の先端を擦り上げ、舌が起伏部を刺激する。湧き上がる快感は僕の意識を麻痺させ、その欲望を次々に集めていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、はあっ、はむっ……んく、んうっ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "こみ上げてくる射精感。半ば麻痺した意識の中で必死に堪えるものの、それを空の懸命な舌使いが霧散させていく。\nまるで絞りきられた弓のように、僕の中で溢れかえる白い欲望。限界にまで達した射精感に、身体が震える。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ、んあ……い、いつでも、んん、んう!……はあっ……はあっ!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "甘い嬌声と一緒にこぼれる空の吐息。その熱い刺激に、僕の中で何かが弾けた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ご……ごめん、い、いくっ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そしてそのまま、空の口へと放出する。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ!んうぅっ!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "どくん、どくん、と何度も何度も放たれる欲望に、空が苦しそうに顔を歪める。\n僕自身驚くくらいの量が、空の口の中で発射されていた。空の小さな口では受け止めきれず、その隙間からもこぼれていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "んっ、んく……ううううっ!\nん……んく……ん……んん!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "それでも空はできるかぎりを必死に受け止め、そして最後に、どうにか飲み込んだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……はぁ……えへ、苦いね、これ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "苦しげに、だけど笑いながら言う空。その口元に、溢れた白いものがついている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それに、こんなにいっぱい。ごめんね、たくさんこぼしちゃった……\n大地、初めての時もだけど、すっごくたくさん出すんだもん",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "かなり苦しかっただろうに、それでも僕のことを考えて笑ってくれる空に、ただ嬉しさがこみ上げてくる。\n同時に、また自分が昂ぶっていくのが分かった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はぁ……はぁ……うん、ごめん。口でしてもらうのが、こんな凄いなんて思ってなかった……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "うん。大地を感じさせちゃった。すっごく満足",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空は嬉しそうに言って、そしてまた僕自身をそっと触った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "で、でも、凄いな。これ、カチカチのまま……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "出したばかりなのにも関わらず、それはもう最初の固さと大きさを取り戻している。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やっぱり、中に入りたい、のかな……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "それはその、当然入りたくて堪らないわけだけど……空、まだこの前から日が浅いし、また今度でも……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "今もあれだけ苦しい思いをして僕を気持ちよくさせてくれたんだ。そこまで無理をさせたくない。\nだけど空は、小さくかぶりを振るとニコッと笑って顔を上げた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ううん。わたしがね、今日、ここでしたいの\n大地に、されたいの",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "僕を気遣っているだけでなく、本心からだって分かる空の言葉。そんな空を、僕も抱きしめたくてたまらない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だから、お願い……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "僕は迷うことなく、頷いていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こ、この体勢、ちょっと恐い、ね。大地の顔見れないの……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "床に這いつくばるように横になった空。その足は大きく開かれ、中心を惜しげもなく僕に見せつけている。\n僕はその足をしっかりと支えながら、空の入り口へと自分自身をあてがっていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やっぱり、普通の体勢の方が……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "後ろからの体勢に不安を覚える空にそう提案するものの、空は少し力のない笑みを浮かべてそれを断った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "う、ううん、大丈夫。大地、優しいから、わたしの顔見ちゃうと多分本気でできないでしょ\n今度は、もっと気持ちよくなってほしいし",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "それがやっぱり僕のことを思ってなのが嬉しい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だから、思いっきりきて、大地。大丈夫、二度目だもん",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "確かに二度目ではあるけれど、空の身体は初めての時と変わらない。痛みも同じだけあるはず。\nだけど空の顔には、痛みに対する不安はなかった。ただ素直に僕を求めて、僕を喜ばせたがっている。\n本当に空は、健気に尽くすタイプなんだなあ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "分かった。それじゃあ、いくよ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ここで遠慮をしても意味がない。僕自身が空を気持ちよくして喜ばせるために、僕は空の中へと自分を埋めていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うぁ……き、きつっ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "前回とまったく同じ、ギチギチと痛いくらいの締め付けが僕を押し返そうとする。僕はそんな反発に負けまいと、腰に力を入れていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "い、痛っ……あ、あうっ!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "その瞳に涙を浮かべて、懸命に堪えようとしている空。結合部からこぼれる赤いものが痛々しい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "やっぱり辛い……?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だ、大丈夫……だから……今度は、これくらい痛いって分かって、たし……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "歯を食いしばり、僕を受け入れ続ける空。ぶつぶつと何かを引きはがすような感覚と共に、僕自身が少しずつ空の小さな身体に飲み込まれていく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ほ、本当にね、大丈夫だから。い、一気に、んくっ、きて……!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "これ以上ゆっくり進んでも、苦痛を長引かせるだけかもしれない。僕は空に頷くと、一気に腰を押し出した。\nぶつんっ、と何かを勢いよく引き裂いて、一気に空の中へと沈み込む。\nきゅうきゅうと僕を締め上げてくる狭い秘洞の中、僕は空の二度目の純潔を奪い取った。\nやっぱり前回同様半分ほどしか入らないけれど、それでも熱い空の体内は存分に味わえる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "大丈夫、空?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "その手を握りしめて痛みを堪えている空に、そっと声をかける。空は涙を浮かべながら、僕に頷いてくれた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、だから、平気。きて……大地",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "痛みを堪えつつも、僕を求めてくれる空。そんな空に応えて、少しでも気持ちよくしてあげたい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "……うん、分かった。でも、だったら……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "僕は割れ目の頂点にある、小さな突起に、包皮の上からそっと触れた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃあんっ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "身体の中で、最も敏感な部分を刺激され、空が背中を仰け反らせる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "こうやって、感じながらなら、少し楽になるよね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "できるだけ優しく、ゆっくりと撫でる。その動きに合わせるように、空は身体を震わせ、甘く喘いだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、やあ、そこ、敏感、で……あ、ああっ\nはぅ、ん……ふぁ、ああん、うぁ……ああっ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "そしてその刺激に多少慣れた頃を狙って、その小さな豆を包む皮をめくり上げる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うわ……ここってこんなになっちゃうんだ……凄い、ぷっくり膨れて……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "そすでに充血し膨れたそれを、空の蜜に濡れた指で直接撫でる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、やあっ!そこは!うくっ、んあぁ……きゃうっ!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空の喘ぎと共に、締め付けがきゅっと強くなる。同時に、奥から湧き出る蜜が、格段にその量を増した。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "はあっ……あ……あく……ん、んあぁ……っ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "……空の中、凄いヌルヌルしてきて……これならもう少し……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "明らかに痛みを忘れて感じている空。もっと感じてほしくて、僕はその豆を指で軽くつまんだ。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、だめぇ、何か、びりびり……ん、んあ、あふっ!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "びくん、と身体を震わせて、下半身からの快感に震える空。締め付けがより力を増すものの、溢れる蜜が潤滑油となって、僕をもっと奥へと導こうとする。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、か、はぁ……ん、あ、あく、はあぁ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "う、く……空、きつい、けど……動けるよ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ゆっくり、本当にゆっくりだけど、空の中を前後に動く。熱くトロトロの空の中。一本一本のヒダが、僕を逃がさないとばかりに絡みつき、締め上げる。\n擦られる僕自身に、背筋を快感が駆け上っていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、大地、が……わたしの中で、動い、て……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "そしてそんな僕に、空が甘い声で鳴く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "い、痛い、けど……ぞくぞくって……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "ぷるぷると震える細い肩。結合部から広がる快感は、空にとってきっと初めてのものだと思う。\n空は何かをガマンしてるみたいに、必死に葉を食いしばっていた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あ、ああっ、だ、だめ、大地……わ、わたし……ガマン、でき……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "けれど、身体の奥と外の突起からの二重の刺激に耐えかねたのか、何かをお願いするように僕を見たい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "や、やあ……っ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "もう限界。そんな声と共に、空の割れ目の中、上の方から、熱い液体が迸った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え、空……?",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "だ、だめぇっ、み、見ないで!音聞かないでっ!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "真っ赤になって、叫ぶようにお願いをする空。とはいえ、この状況で見るなといわれてできるわけもない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "身体に、力入んなくて……と、止まってくれない……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "僕と繋がったままの空の身体。その結合部のすぐ上から、ちょろちょろと流れる液体。それが何なのか考えるまでもなくって……。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "お、お願い大地、見ないで……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "いや、あの、でも……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "空の恥ずかしいその姿から、目を離せるはずもない。羞恥に埋もれた空の顔は本当に可愛くて、そんな姿に僕自身が反応してしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "え……あ、大地の大きくなって……!?",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "す、すみません。女の子のこんなシーン、初めてなもので……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "うう……大地のばかぁ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "ごめんなさい。でも、空のはじらう姿を見て感じるなっていうのはかなり酷だと思うんです。\nやがて、すべてを出し切ったのか、放出はゆっくりと収まった。床の上には小さな水たまりが広がっている。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あの、大地……?\nわたしのこと、見損なっちゃった…?その、こんな子で……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空が、まるで怯えるように尋ねてくるけれど、今ので見損なうような男がいたらそれこそおかしい。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "いえ、むしろ興奮してしまったくらいですから……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "むしろ恥じらう空が見られて相当に昂ぶってしまいました。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "も、もう……大地が、あんなの好きだなんて……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "相手が空なら、どんなものでも受け入れるよ、僕",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "……あうぅ……その一言で嬉しくなっちゃうんだもん……わたし、本当に大地いないと生きてけない……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "どちらかといえば、僕の方こそ幻滅とかされても文句が言えない状況だったんだけど、それをこんな風に受け入れてくれる空は本当に可愛い。\n僕は、蜜だけでなく、さっきの放尿で更に濡れそぼった空の中を、再び動き始める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あんっ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "まだまだ凄くきついけど……こうして、ゆっくりなら……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "初めの頃に比べ、少し柔らかくなったように感じる空の中、ピッタリと貼り付くように絡みついてくるそこを前後に動く。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、んう……!だ、大地が動いてるの……分かる……んあっ\nあ、はうっ……な、何か、背筋、上って……んく……くふぅっ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空、恥ずかしい思いして感じてるね",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "さっきの放尿を見られたことで、逆に敏感になってしまっているのかもしれない。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "空の中、こんなにギチギチなのに、すっごくヌルヌルしてる",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "動く度に蜜が溢れ、外へとこぼれだす。ぬちゃぬちゃと小さな水音が響き、それが僕をまた昂ぶらせていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "僕も、もう今すぐ出ちゃいそうなくらいで……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "キツイのに柔らかい。その不思議な感覚に締め上げられて、僕はまた上り詰めかけていた。空の中にすべてを吐き出したい。そんな欲望が急速に湧き上がってくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、大地って、あの、実はすっごく早い人……?その、この前も、だったし……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "聞いちゃいけないことだったらごめんなさい。そんな表情で尋ねてくる空に、思わず苦笑してしまう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あのねえ、僕だってこの前のが初めてで、上手いわけでもなんでもないんだから、こんな気持ちいいのガマン出来るわけないじゃない\n空の中、本当に凄いんだよ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "空の中でこんな風に締め付けられて、擦られて。これで平然としてられるような男は絶対にいないと思う。それくらい空の中は危険だ。\nううん。そもそも、空の身体が僕専用で、僕を感じさせるようにできているのかもしれない。そう思ってもおかしくないくらいに、ピッタリと吸い付いてくる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あは。そっか。わたしと同じなんだね",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "空はそんな僕の話を聞いて、嬉しそうにわらった。\n空も、僕の抽挿に相当感じてくれているんだろう。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "それじゃあ、二人でもっともっとたくさんえっちして、もっともっとうまくなろ。それで、一緒にもっともっと気持ちよくなろう\nわたし、大地にもっともっと、愛されたい……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "うん。もっともっと、気持ちよくなろう",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "こんな気持ちいいこと、もっともっとしたい。そして二人で更に気持ちよくなれるなら言うことないと思う。\n少しくらいは大丈夫だろう。僕は空の中を動く速度を少し早める。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "きゃうっ……え、あ……こ、こんな、何、これ……ああ!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "きゅん、っと更にきつく締まるものの、すっかりとろけた空の中は、なんとか動くことができた。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ま、まだこんな痛い、のに……あ、ぐっ……はんっ……き、気持ち、いいよぉ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "その動きに空の嬌声がこぼれる。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "ん、んあっ……あ、はぁ……はぁっ!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "うく……空、す、凄く熱くて……と、溶けそう、だ……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "わたし、も……うく……さっきから、何か……湧き上がって……きてっ……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "溶鉱炉の中にでも突き入れてるみたいに熱い空の体内。溢れる蜜をかき分けるように、空の中を荒らしていく。\n痺れるような快感がヒダの一本一本から伝わり、僕の視界を少しずつ霞ませていった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これって……あ、ああっ!身体、震えて……ふ、ふあぁっ",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "教室であることも忘れて、空が大きく甘く鳴く。そんな声までもが、耳から僕の脳髄を犯していった。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "も、もう、限界……っ",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ぱんぱんに膨れあがった射精欲に、僕ももう抑えがきかない。空にもっと甘く鳴いてほしくて、僕は本能のまま空を犯す。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、あ、ああっ!だ、大地っ、大地!わ、わたし変っ!こ、こんな!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "だ、出すよ、空!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "ご、ごめん、なさい!わたし……何かっ、きゃう!き、きてっ、あ、ああああ!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "確実に上り詰めてく空。その瞬間、今まで無かったくらいに空の中がきゅうっとしまった。\nその刺激に、僕はなすすべもなく欲望を撒き散らす。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "あ、ああっ!あああぁぁっ!",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "そして、空の絶叫が教室に響き渡った。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "うあぁっ!",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "空の中で、びゅくびゅくと僕が跳ねているのが分かる。跳ねる度に欲望を吐き出し、空の奥に熱いものを注ぎ込んでいく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "だ、大地の、いっぱい……凄いね、大地……さっき、あんなに出したのに……\nびゅくんびゅくん、って、わたしの中で……暴れてる……",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "ぼ、僕も、驚いてる……最後の空、信じられないくらい、気持ちよくて……",
"speaker": "大地"
},
{
"utterance": "既に一度だした後だなんて思えない。むしろずっと溜め込んでたとしか思えないような量が、空の中へと吹き出していく。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "えへ……わたしも、気持ちよかった。大地で、イッちゃった",
"speaker": "空"
},
{
"utterance": "そんな僕のすべてを受け入れながら、嬉しそうに笑う空。",
"speaker": "地の文"
},
{
"utterance": "これからも、ずっと何度も、気持ちよくさせてね……",
"speaker": "空"
}
] | [
"空",
"大地"
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