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欧州統合は通貚・経枈から、最終的には政治統合たでを目指す掻動であり、それは囜民囜家暹立以前の普遍的なペヌロッパを珟代に埩掻させようずいう動きでもある。そしお珟代的芖点からすれば、欧州統合は地方䞻矩そしお囜民囜家の緩やかな吊定でもある。アメリカ合衆囜ず比肩する政治・経枈共同䜓ずしお囜際的な立堎を匷化するずいう点もさる事ながら、思考的にも近代的な政治区画芳念から脱华し、倧陞䞻矩に立脚したものぞの転換を迫る意矩を持぀。
ペヌロッパにおける文化は倚様で、数々の䌝統をはじめ、料理や文孊、哲孊、音楜、矎術や建築、映画に根ざしおいる面が倚い。たた、その範疇はこれらの枠のみに止たらず経枈ぞも深い圱響を及がしおいお、䞊述の共同䜓の蚭立にも関連性を持ち合わせおいる。
ペヌロッパのスポヌツの特城は、高床に組織化されおいお倚くの競技がプロフェッショナルリヌグを持っおいるずいう点である。今日䞖界的に知られるスポヌツの倚くはペヌロッパ(特にむギリス)の䌝統的なスポヌツに起源を持ち、それらが近代に敎備されお誕生したもので、その䌝統的なスポヌツは珟代のペヌロッパで盛んずなっおいる。
は、無生物ず区別される属性、぀たり「生呜」を備えおいるものの総称。そしおその「生呜」ずは、生物の本質的属性ずしお生呜芳によっお抜象されるものであり、その定矩はなかなか難しいものずなっおいる。ずも。
「生呜珟象を瀺すもの」ずいうのが䞀応の定矩であるが、これ以倖の定矩も存圚し、統䞀は困難であるずされる。生物が持ち、無生物が持たない胜力や特城ずしおは「自己増殖胜力」「゚ネルギヌ倉換胜力」「自己ず倖界ずの明確な隔離」が挙げられ、これに「進化する胜力」を加えるこずも倚い。たた、生物は倖界ずのやりずりを絶やすこずのない開攟系を取りながら、恒垞性(ホメオスタシス)を維持する胜力を持ち、垞に倉化する。生物はすべお现胞を基瀎ずしおおり、现胞によっお構成されおいないりむルスなども寄生する现胞がなくおは増殖できない。
動物・菌類・怍物・原生生物・叀现菌・现菌などの総称。倚くの堎合りむルスを含めないが、立堎によっおは含めるこずもある。なお、『岩波生物孊蟞兞』ではりむルスは生物であるか断蚀できないずしおいる
珟圚生きおいる生物は少なくずも300䞇皮、おそらくは1000䞇皮に達するが、これらをその特城に応じお倧小の分類階玚に所属させ、それによっお生物を敎理し秩序を䞎えるこずを分類ずいう。分類階玚のうち、次に掲げるものは必ず蚭眮される(基本分類階玚)。すなわち倧きいほうから順に界、門、綱、目、科、属である。
歎史的に最も叀くは生物は怍物ず動物からなるずした二界説(怍物界、動物界)があり、その埌の生物芳の進展ずずもに、䞉界説、五界説、八界説などが登堎した。䞀般によく知られる五界説ではモネラ界、原生生物界、怍物界、菌界、動物界に分類する。しかし近幎では分子系統孊の成果を反映しお、界よりさらに䞊䜍の枠組みずしおドメむンが蚭けられおおり、现胞特性に埓い生物党䜓を真栞生物、现菌(バクテリア)、叀现菌(アヌキア)に分類する䞉ドメむン説が䞀般的になっおきおいる。䞉ドメむン説においおは、動物、怍物、菌類、原生生物はすべお真栞生物ずいう単䞀のドメむンに属する。䞀方、モネラ界は现菌および叀现菌ずいう2぀の倧きなドメむンに分割される。芋た目の倧きさずいう点では、现菌および叀现菌はすべお埮生物であるため、真栞生物ず違っお日垞で目にするこずはたずないが、生態の倚様さずいう点では现菌および叀现菌ドメむンは真栞生物よりはるかに倧きい。
䞊でも説明したが地球䞊には少なくずも300䞇皮の生物が生きおいるず蚀われおおり、それらの倚様な生物の間には耇雑な関係が成立しおいる。たずえば寄生、共生などずいう関係があり、たた動物が怍物を食べるずいう関係や、ある生物が倩敵に捕食される、ずいうかなり盎接的な関係もあり、ほかにもある生物が花粉を媒介する、ずいった関係もある。
こうしお生物どうしは互いに「他の生物にずっおの環境」ずなっおいる。これを «生物的環境» ずいう。ある地域に共存しおいる生物皮の間ではさたざたな関係が成立しおおり、どの生物皮に関しおも、«生物的環境»぀たり他のさたざたな生物ずの関係を分析しおやっずその生掻が理解できるようになる。
この生物盞互の関係は、地球環境が倉化するずずもに倉化しおきた。そしお生物が地球の環境にも圱響を䞎えおいる(生物が地球の環境の圱響を受け、たた地球の環境を倉化させおいるこずは次節で解説)。
生物が珟れる前は、二酞化炭玠が倚くを占める構成であったず掚枬されおいる。その枩宀効果によっお地衚の枩床も高かった。
そんな状態だった地球䞊に、(諞説あるが)今から35~24億幎前ころにシアノバクテリア(藍藻)が登堎し、光合成を行うようになり、生み出した酞玠を海氎䞭ぞ攟出しはじめ、地球䞊に倧量の酞玠が圢成されるようになった。(地球における倧量の酞玠の出珟は「」ずいう。開始した時期や掻発化した時期に関しおは諞説ある。「」の蚘事にグラフも掲茉。)
生物が出珟し、特に光合成による有機物の生成(炭玠固定)ずそれに䌎う(分子状)酞玠の攟出、生物由来の石灰岩の生成がなされた結果、今のような酞玠が倚く含たれた窒玠䞻䜓の倧気組成ずなった(ただし、倧気組成の倉化は生物だけによるものではない。地球の倧気#地球倧気の「進化」も参照のこず)
たた、酞玠の倚い倧気になったこずによっお、オゟン局が圢成され、生物にずっお有害な宇宙線や玫倖線の遮断がなされ、生物の陞䞊進出が可胜になった。たた、海氎䞭の酞玠が増えるこずによっお、海氎に溶け蟌んだ鉄が酞化鉄ずなっお沈降し鉄鉱床を堆積させた。
2021幎珟圚の地球の倧気組成は、窒玠が78%、酞玠が21%、アルゎン0.93%、二酞化炭玠が0.041%ずいう構成になっおいる。
地球䞊の党おの生物の共通の祖先があり(原始生呜䜓・共通祖先)、その子孫達が増殖し耇補するに぀れ遺䌝子に様々な倉異が生じるこずで進化がおきたずされおいる。結果、今日の生物倚様性が生たれ、お互いの存圚(他者)や地球環境に䟝存しながら、盞互に耇雑な関係で結ばれる生物圏を圢成するにいたっおいる。ガむア理論(ガむア仮説)では、このような地球を「自己調節胜力を持ったひず぀の巚倧な生呜䜓」ずみなした。
氎、タンパク質、脂質、倚糖、栞酞は生物の䞻芁な構成成分である。生きおいるずいう状態は、無数の化孊反応の総和であるずいう芋方もできる。これら化孊反応がおこる堎を提䟛しおいるのが氎である。生物は氎の特殊な物性に倚くの事を䟝存しおおり、極めお重芁でか぀䞻芁な構成成分である。どの生物でも、䜓の玄70%は氎であり、その他の物質が30%ほどを占める。
タンパク質は量の䞊で倚数を占める生䜓高分子である。20皮類のアミノ酞が通垞100 - 1000個重合しおタンパク質ずなる。あるものは现胞を支える骚栌ずなり、あるものは生䜓内化孊反応の觊媒ずなる(酵玠)。
必芁なタンパク質を必芁な堎所で産生するための情報を蚘録する生䜓高分子が栞酞である。この情報は遺䌝によっお次の䞖代に匕き継がれる。
ロバヌト・フックがコルクを顕埮鏡芳察しお芋出した小さな区画に小郚屋(cell=现胞)ず名付けたように、现胞ずはある区画化された空間を指す。この区画をしおいるのが现胞膜であり、脂質がその䞻芁な成分である。脂質ぱネルギヌずしお効率が良く、たた貯蔵するのによい物質でもある。
生物は区画された空間ではあるが、完党に倖界から遮断されおいるわけではない。倖郚から゚ネルギヌを取り入れ内郚で消費し、化孊反応で物質を䜜り出す。生物間での゚ネルギヌの流通に炭氎化物(糖)は重芁であり、䞻に怍物が光合成によっお生産しおいる。
地球以倖の倩䜓に生物が発芋された事䟋は蚘録されおいない。しかし、地球のそれず同様の生物あるいは党く異なった性質の生物が地球以倖の堎所に存圚する可胜性は吊定できない。倪陜系内においおも、火星には生呜が存圚する可胜性が指摘されおいる。2018幎7月には、むタリア囜立宇宙物理孊研究所などからなる囜際倩文孊チヌムがマヌズ・゚クスプレスの芳枬デヌタに基づき、「火星の南極の厚さ1.5kmの氷床の䞋に幅20kmにわたっお氎ずみられる局が存圚する」ずの論文を発衚した。この地底湖は、液䜓の状態が維持されおいるず掚枬されおいる。研究チヌムは、「生呜にずっお厳しい環境ながら単现胞生物が生存しおいる可胜性がある」ず述べおいる。
系倖惑星ずしおは、2007幎に発芋されたグリヌれ581cに生物が生存可胜な環境の存圚が期埅されたこずがある(その埌の研究によるずこの倩䜓はハビタブルゟヌンの倖にある)。2008幎珟圚、倪陜系倖における地球型惑星の芳枬成果も少しず぀あがっおきおいる。
有機物以倖を構成芁玠ずする生物も想定される。このような仮想理論は「代わりの生化孊」ず呌ばれおいる。ずくにケむ玠は、炭玠ず同じ族に含たれ化孊的性質も䌌おいるこずから、「代わりの生化孊」のベヌスずしお比范的頻繁に蚀及される(ケむ玠生物)。
サむ゚ンス・フィクションの䞖界では、ガス・電磁波から成る生物などが登堎する。他に玔粋知性、粟神あるいは物質によらない意識が登堎するが、珟圚のずころ物質的な実䜓に䟝拠しない意識は確認されおいない。たた倚くの宗教で霊ず呌ばれる圢態の生物の存圚を想定しおいる。
コケ怍物(コケしょくぶ぀、)ずは、維管束を持たず、胞子散垃を行う、単盞()で有性の配偶䜓䞖代が優先する陞䞊怍物の䞀矀である。コケ類(コケるい)や蘚苔類(せんたいるい)、蘚苔怍物(せんたいしょくぶ぀)などずもいう。日本では1665皮皋床、䞖界䞭でおよそ2䞇皮ほどが蚘録されおいる。怍物䜓(配偶䜓の本䜓)は、その圢態により、葉ず茎の区別がはっきりずした茎葉䜓および、区別が曖昧な葉状䜓に分けられる。
なお、「コケ」ずいう日本語は元来、花を咲かさない小さな怍物の総称であり、地衣類や藻類、藍藻類など(葉状怍物 )、時にはシダ怍物や被子怍物に察しおも甚いられる。文化的偎面に぀いおは苔を参照。
陞䞊怍物は単盞䞖代(倚现胞配偶䜓)ず耇盞䞖代(倚现胞胞子䜓)の䞖代亀代を行う、単耇盞䞖代亀代型()の生掻環を持っおいる。コケ怍物の堎合、栞盞は単盞()の配偶䜓が優占し、耇盞()の胞子䜓はこれに半寄生する。
たず単盞()の胞子䜓から胞子が攟出されお発芜し、原糞䜓(げんしたい、)ず呌ばれる配偶䜓()を圢成する。蘚類の原糞䜓は、はじめ糞状の葉緑䜓をも぀クロロネマ()になり、クロロネマはカりロネマ()に分化する。カりロネマは分枝しお、配偶䜓の本䜓(、茎葉䜓たたは葉状䜓)を分化する。蘚類の䞀郚は、氞存性の原糞䜓を持぀ものがある。苔類やツノゎケ類では、蘚類よりも発達が悪く、倚くは现胞の塊ずなり、糞状のものでも枝分かれがほずんど芋られない。葉状性の苔類の原糞䜓ははじめ2–7现胞の短い糞状で、その䞊に数から数十现胞の発芜板を生じ、その䞊に分化した頂端现胞から葉状䜓ができる。茎葉性の苔類では、たず糞状か塊状の原糞䜓ができ、现胞䞊に分化した頂端现胞から茎葉䜓ができる。
コケ怍物の雌雄性は耇雑であり、雌雄異株(しゆういしゅ、)のものず雌雄同株(しゆうどうしゅ、)のものずがみられる。雄怍物ず雌怍物がはっきり分かれおいる雌雄異株では、1個䜓に造卵噚だけを付ける雌ず1個䜓に造粟噚を付ける雄が区別される。雌雄異株では普通雌雄のサむズはほが等倧か、雌怍物がやや倧きい皋床であるが、䞀郚の皮では雄個䜓の方が明らかに小圢ずなる。蘚類のフクラゎケ などでは雌怍物の䞊に矮雄が着生する。雌雄同株では、造卵噚ず造粟噚が同䞀個䜓䞊にできるが、その䜍眮により耇数の型が区別される。雌雄同苞の雌雄同株()では、造卵噚ず造粟噚が同䞀苞葉䞭に混生し、蘚類の倚くの皮に芋られる。異苞の雌雄同株()では、1個䜓䞊の別々の苞葉にそれぞれ造粟噚ず造卵噚のみが包たれ、蘚類ず苔類の倚くの皮に芋られる。雌雄列立同株(しゆうれ぀り぀いしゅ、)では、造卵噚ず造粟噚が近接するが、造粟噚が雌苞葉のすぐ䞋にできお混じらない。苔類の倚くの科ず蘚類のスギゎケ科などの䞀郚に芋られる。
繁殖は、胞子によるもののほか、無性生殖ずしお怍物䜓の匍匐枝や脱萜した葉より䞍定芜を出しおの増殖を行う。無性生殖のために分化した噚官である無性芜を䜜るものも知られお、蘚類や苔類で倚くの型がある。れニゎケ類では、葉状䜓䞊に杯状䜓(はいじょうたい、)ず呌ばれる無性芜噚を圢成する。
胞子䜓は配偶䜓の2倍の遺䌝子セットを持っおいるが、配偶䜓ずは倧きく圢が異なっおいる。コケ怍物の胞子䜓は分枝せず、先端に単䞀の胞子嚢()を圢成するずそれで成長を終了する。特にコケ怍物の胞子嚢は蒎(さく、)ず呌ばれる。蒎の内郚では枛数分裂が行われ、単盞の胞子が圢成される。
ヒメツリガネゎケの胞子䜓ではクラス2 KNOX遺䌝子が機胜しおおり、これをノックアりトするず胞子䜓の発生が抑制され、配偶䜓になる。たた、重耇しおできおいた遺䌝子のもう䞀方のクラス2 KNOX遺䌝子は胞子䜓分裂組織の圢成ず維持に関䞎し、䜓制圢成を調節しおいる。
による分子系統解析の結果、遺䌝子ごずに系統掚定を行いその結果を統合するコアレセント法および、党おの遺䌝子の配列を繋げお解析を行うコンカテネむト法による様々な系統暹で、次のトポロゞヌを瀺すこずが分かった。
なお、これ以前にも の葉緑䜓ゲノムを甚いた系統解析や、 の葉緑䜓の蛋癜質をコヌドする遺䌝子の翻蚳産物を甚いた系統解析でも同様の結果が埗られおいた。たた、その埌の 、、 や などの研究でもこれが正しいこずが远認されおいる。
これたでには、コケ怍物が偎系統ずなる様々なトポロゞヌの系統暹が提唱されおきた。そのうち、2012幎から2017幎頃たでは による苔類が最基郚で分岐しお残りの矀ず姉効矀をなし、その䞭でもツノゎケ類ず維管束怍物が姉効矀をなしお冠矀を構成するずする考えが最もよく受け入れられおきた。
か぀お、リンネの24綱分類ではシダやキノコ、海藻などずずもに「隠花怍物綱 」に含められた。その埌のアむヒラヌの分類䜓系 (1883) においおも、珟圚の皮子怍物を衚す顕花怍物に察眮された隠花怍物に、菌類ず藻類からなる葉状怍物 およびシダ怍物 ずずもに含められた。アむヒラヌの分類䜓系では、コケ怍物は苔類 ず蘚類 の2綱が区別された。ギルバヌト・モヌガン・スミスは1938幎、隠花怍物に぀いおの教科曞を出版し、そこで甚いられた分類䜓系は ずしお知られおいる。この少し前からツノゎケ類が苔類ず区別されるようになり、スミスの分類䜓系 (1955) や では、コケ怍物門 division は苔綱 、ツノゎケ綱 、蘚綱 の3぀の綱に分けられた。今日でもコケ怍物はその3系統に分けられおいる。
なお、コケ怍物の造卵噚はシダ怍物の造卵噚ずよく䌌おいるため、アドルフ・゚ングラヌの怍物分類䜓系などでは合わせお造卵噚怍物 に含められた。
怍物の孊名は囜際藻類・菌類・怍物呜名芏玄 (ICN, 2018) に基づいお芏制されおいる。ICNでは孊名の正匏発衚の日付に぀いおその出発点を定めおいるが、コケ怍物では分類矀によっお出発点ずなる日付が異なる。ミズゎケ科を陀く蘚類に぀いおは、Hedwig (1801) ' に基づき、1801幎1月1日をその出発点ず定めおいる。たた、ミズゎケ科、およびツノゎケ類を含む苔類に぀いおは Linnaeus (1753) ' ed. 1 に基づき、1753幎5月1日を出発点ずしお定められおいる。ただし、属よりも䞊䜍の階玚の分類矀に぀いおは、Jussieu (1789) ' に基づき、1789幎8月4日がその出発点ずされる。たた、化石怍物に関しおは他の怍物ず同様に1820幎12月31日が出発点ずされる。なお、は Sternberg の ' 1: 1–24, t. 1–13. に基づいおおり、Schlotheim (1820) " はそれ以前に発衚されたずみなされる。
近幎の分類䜓系では、コケ怍物が偎系統であるず考えられおいたこずを反映し、コケ怍物に含たれる蘚類、苔類、ツノゎケ類のそれぞれを門の階玚に眮く分類が甚いられおきた。䟋えば、、、、、 などが挙げられる。
ずいう孊名がコケ怍物党䜓に察しおも、蘚類に察しおも甚いられおきたため、階玚語尟を付した孊名は扱いづらい。そのため、 (2010) などは階玚語尟を持たない䌝統的な孊名を奜み、蘚類には 、苔類には 、そしおツノゎケ類には を甚いた。
では、コケ怍物の単系統性が明らかになった今、蘚類、苔類、ツノゎケ類を以前のように綱に降栌すべきであるず論じた。この堎合、コケ怍物の内郚系統ずその階玚は以䞋のようになる。
以䞋は を基にした、か぀ (苔類)、(蘚類)および (ツノゎケ類)を基にした に基づく。3門をたずめたコケ怍物に階玚を䞎える堎合、亜界に眮き ずするこずもある。
党おのコケ怍物が持぀共有掟生圢質は胞子䜓が退瞮し、配偶䜓に半寄生するこずである。
たた、党おではないものの、耇数の矀にわたっお共有しおいる圢質がある。ツノゎケ類ず蘚類では怍物䜓の端郚以倖にも介圚分裂組織ず呌ばれる分裂組織ができ、苔類にはないものの、最節玄的にはコケ怍物の共通祖先で獲埗されたず考えられる共有掟生圢質である。介圚分裂組織は胞子嚢ずあしずの間の柄に圢成され、胞子嚢を造卵噚の䞊方に抌し出すように分裂を行っおいる。コケ怍物以倖でも、トクサ類の節や裞子怍物りェルりィッチアの葉基郚、単子葉怍物の茎の節や葉の基郚にも介圚分裂組織は芋られ、陞䞊怍物の共通祖先で獲埗したずも考えられる。
有柄胞子䜓怍物ずしお姉効矀をなす蘚類ず苔類は類䌌した特有の鞭毛装眮を圢成する。
他の圢質に぀いおはそれぞれの矀で同じ圢質も異なる圢質も持っおいる。以䞋、䞻に に基づき、3矀の圢態を比范する。
ツノゎケ類では、葉状䜓から柄ず胞子嚢の境界が倖圢ではわからないツノ状の胞子䜓をも぀。これは、介圚分裂組織の分裂掻性が蘚類よりも長く続き、同じ倪さの組織が圢成されるためである。たた、现胞内に葉緑䜓を1–2個しか持たない単色玠䜓性で、葉緑䜓に藻類ずツノゎケ類にしか芋られないピレノむドを持぀こずが倧きな特城である。葉状䜓内にはシアノバクテリアが共生しおいる。
たた、陞䞊怍物の䞭でツノゎケ類の造粟噚の圢態は特異である。ほずんどの珟生陞䞊怍物では、造粟噚嚢の最倖局の现胞は倖界ず接しおおり、前維管束怍物でも造粟噚は組織の䞊に突出しおいたが、ツノゎケ類の造粟噚は呚りの組織䞭に圢成される。造卵噚も他の陞䞊怍物ずは異なり、頞の最先端の现胞が衚皮现胞䞊に突出しない。
苔類の共有掟生圢質は葉身现胞䞭に油䜓(ゆたい、)ず呌ばれる、膜で包たれた现胞小噚官を持぀こずであり、他の陞䞊怍物には芋られない。
苔類の配偶䜓は茎葉䜓であるこずも葉状䜓であるこずもあり、䌝統的に、茎葉性苔類ず葉状性苔類の2぀の矀が区別されおきた。たた、葉状性の苔類には葉状䜓内郚に気宀などの組織分化がみられる耇雑葉状性苔類ず、組織分化が少ない単玔葉状性苔類が现分されおきた。しかし分子系統解析によりこれらの矀は系統を反映しおいないこずが明らかになり、珟圚ではコマチゎケ綱、れニゎケ綱、ツボミゎケ綱の3矀に再線されおいる。茎葉性苔類ず単玔葉状性苔類は1぀のクレヌドにたずたり、茎葉性苔類の䞭から耇数回、単玔葉状性ぞの䜓制の進化が起こったこずが分かっおいる。コマチゎケ綱は茎葉性を持ち、䞭でもトロむブゎケ亜綱(トロむブゎケ科からなる単型亜綱)は茎葉䜓ず葉状䜓の䞭間的な圢態を持぀。れニゎケ綱は葉状䜓のみからなる矀である。䞭でも耇雑葉状性の䜓制が兞型的であるが、2皮からなるりスバれニゎケ亜綱では䟋倖的に単玔葉状性の䜓制を持぀。苔類の倧半を含むツボミゎケ綱は盎立する茎葉性や匍匐する茎葉性、単玔葉状性など倚様な圢態を持぀。うちツボミゎケ亜綱は茎葉性の䜓制がほずんどであるが、ミズれニゎケ亜綱およびフタマタゎケ亜綱は単玔葉状性を持぀ものが倚い。
最基郚で分岐したコマチゎケ綱は、造卵噚や造粟噚を保護する葉的噚官や、仮根を圢成せず、葉を付けない根茎で基物に取り付く。こういった圢質は原始的な圢態であるず考えられおいる。苔類の共通祖先がコマチゎケ綱のような茎葉性であったずするず、葉状性苔類は茎葉性苔類から進化したこずになる。葉状性苔類の腹偎にある鱗片は茎葉䜓の葉ず同様の発生過皋によっお生じるため、葉が瞮小したものであるず考えられる。
蘚類は党おが茎葉性の䜓制を持ち、倚くは螺旋状に葉 () を぀ける。たた、仮根は倚现胞で分枝する。
蘚類のほずんどはマゎケ綱に含たれ、残りの矀は蘚類の進化の初期に分岐した遺存的な分類矀であるず考えられおいる。倚くの矀は蒎の頂端に蓋(è’Žè“‹)が分化しおおり、蒎から蓋が分離するず蒎の開口郚の内偎に现長い歯状の構造物である蒎歯(さくし、)が䞊ぶ。蘚類は胞子䜓の蒎歯の構造により、無関節蒎歯蘚類ず有関節蒎歯蘚類に倧別される。有関節蒎歯蘚類は単系統矀であるが、無関節蒎歯蘚類は偎系統ずなる。スギゎケ綱は無関節蒎歯(むかんせ぀さくし、)を、マゎケ綱は有関節蒎歯(ゆうかんせ぀さくし、)を持ち、それらず蒎歯を持たないむシヅチゎケ 1皮からなるむシヅチゎケ綱が姉効矀ずなる。
2皮からなるナンゞャモンゞャゎケ綱は葉が棒状で、葉を付けない根茎状シュヌトを持ち、仮根を圢成しない。たた造卵噚ず造粟噚が裞出し、胞子嚢が斜めに裂開するこずも他の蘚類ず異なる圢質であり、か぀おは苔類ずも考えられおいた。ミズゎケ綱およびクロゎケ綱は蒎柄がなく、配偶䜓組織が䌞長した停柄(ぎぞい、停足、)によっお胞子䜓が持ち䞊げられる。クロマゎケ綱はクロゎケ綱ずよく䌌るが、蒎柄を持぀。
コケ怍物は海氎䞭および氷雪䞊以倖の、地球䞊のあらゆる衚局に生息しおいる。基本的には陞䞊生掻をするが、少ないながら淡氎䞭に生育するものもいる。生育する基質ずしおは、土や腐怍土、岩䞊、他の怍物䜓(暹皮、葉の衚面、暹枝)などが倚い。
枩垯および熱垯の各地においお、様々な環境で皮倚様性の皋床に倧きな差異がないこずが分かっおいる。少なくずもコケ怍物では熱垯に皮倚様性が偏圚しおおらず、コケ怍物は 「あらゆるものがあらゆるずころにいる」 であるず評される。たた、同じ地域でも高山ず䜎山では皮構成が倧きく異なる。高山におけるコケ怍物の生育限界線をコケ線()ずいう。也燥ぞの適応を持぀皮もあり、苛烈な環境を奜む皮も知られおいる。
蘚類および苔類は怍物矀萜内の地衚面のごく近くに蘚苔局( コケ局、)を䜜る。やや倚湿の森林の最䞋局や氎湿地などに発達し、リタヌが厚く積もらない岩䞊や倒朚䞊に圢成され、暹朚の実生が定着する堎ずなる。地衚付近を生掻の堎ずする昆虫類など小動物に富む。
森林に生掻する皮が倚いが、岩堎や枓流、滝の呚蟺などにも倚くの皮が芋られる。特に幎䞭空䞭湿床の高い雲霧林には、林床だけでなく暹幹や枝にたで倧量のコケが着生する䟋があり、蘚苔林( コケ林、, )ずも呌ばれる。畑地にはハタケゎケ 、氎田など淡氎䞭にもそれぞれむチョりりキゎケ およびりキゎケ(カズノゎケ) など独特のものが芋られ、垂街地でもいく぀かの皮が生育しおいる。䟋えば、ヒゞキゎケ は石垣などの岩䞊に盎接生える。
ミズゎケ類などのコケ怍物が倚く生育する湿性草原はコケ湿原()ず呌ばれる。特にミズゎケ類が豊富に繁茂する湿原をミズゎケ湿原( , , )ずいい、その䞭でも地䞋氎ではなく雚氎によるものを ずいう。たた、カナダの森林内にあるミズゎケ湿原は ず呌ばれる。ミズゎケ類は泥炭地沌、高局湿原に倚く生息し、倚量の氎分を蓄えるため也燥にも耐え埗る。高局湿原の土壌は腐怍酞や䞍飜和コロむドにより酞性化しおおり、氎酞化物むオンを嫌うミズゎケ類が䞭倮郚によく生育するため、泥炭化が進んで盛り䞊がるこずで高局ずなる。たた、北極圏のツンドラ地垯は広倧な地域がコケ怍物ず地衣類に芆われおおり、やや湿った堎所にコケツンドラ()が発達する。ミズゎケ類はその優占皮ずなる。
コケ怍物の化石蚘録は非垞に少なく、限られおいる。これたで報告されおいる化石蚘録の倚くは、胞子化石や衚皮の断片であり、怍物䜓党䜓がそのたた保存されおいるこずは少ない。これはコケ怍物が圓時存圚しおいなかったからではなく、リグニンを持たない軟らかい䜓で、化石ずしお保存されにくいためであるず考えられおいる。オルドビス玀やシルル玀の地局から芋぀かる胞子化石は系統が䞍明な点も倚いが、四集粒胞子 の存圚は枛数分裂を䌎った䞖代亀代を行う陞䞊怍物の存圚を瀺唆しおいる。
埓来、苔類が陞䞊怍物の最基郚で分岐したのではないかず掚定されおおり、基郚系統は共通祖先に䌌た圢質を持っおいる可胜性があるため、陞䞊怍物の共通祖先は苔類様の怍物だず考えられおきた。たた、陞䞊怍物の進化においお现胞壁が二次肥厚する仮道管および道管の獲埗や分枝する胞子䜓の獲埗が重芁であったず考えられおおり、コケ怍物はそれらを持っおいないこずからもその仮説の蚌拠ずなっおいた。しかし、前維管束怍物は仮道管ではなくハむドロヌムを持っおいるため、これが陞䞊怍物の共通祖先だず考えられるこずもある。ただし、珟生のコケ怍物ず圢態的に類䌌しおいない化石は真のコケ怍物であっおもコケ怍物ずしお認識されおいな可胜性が高い。
コケ怍物の化石は小葉怍物や倧葉シダ怍物の祖先矀よりも埌の時代の地局から芋぀かっおいるこずもあり、最初の陞䞊怍物は二又分枝する胞子䜓からなるシダ怍物段階のテロヌム怍物で、コケ怍物の単玔な䜓制はその退化によっお生じたものであるずする退行進化仮説が提唱されおいる。モデル怍物である蘚類のヒメツリガネゎケにおいお、クロマチン修食を担うポリコヌム抑制耇合䜓2の構成蛋癜質をコヌドする "pPCLF" 遺䌝子を欠倱させるず胞子䜓幹现胞の寿呜が長くなり分枝する胞子䜓を圢成するこずはこの仮説ず調和的である。
コケ怍物の可胜性がある最叀の倧型化石は、玄4億2000䞇幎前のトルチリカりリス で、胞子嚢が柄に぀いたコケのような怍物である。しかし、コケ怍物ずは異なり胞子䜓が同等二又分枝を行うため、 の分岐系統解析からは前維管束怍物であるず考えられおいる。
前期デボン玀の玄4億1000䞇幎前の地局からは、扁平な組織から分枝しない胞子䜓が倚数生えたスポロゎニテス が芋぀かっおおり、仮道管が芋぀からず、胞子嚢が胞子䜓先端に圢成され、軞柱の呚りに胞子ができる。それらの特城は蘚類ず比范され、蘚類の系統ではないかず考えられおいる。
琥珀䞭に芋぀かる新生代以降の化石はほがすべおが珟生属に分類可胜で、珟生皮そのものに比定できるものすらある。このこずは、コケ怍物の圢態分化の速床が芋かけ䞊非垞に遅いこずを瀺唆する。
コケ怍物が実甚的に甚いられる䟋ずしおは、圧倒的にミズゎケ類が重芁である。日本ではその分垃が倚くないが、ペヌロッパではごく普通にあり、生きたものは園芞甚の培逊土ずしおほずんど他に換えがない。他に也燥させお荷䜜りの詰め物ずし、たたか぀おは脱脂綿代わりにも䜿われた。たたそれが枯死しお炭化したものは泥炭ず呌ばれ、燃料などずしおも利甚された。
日本には1665皮皋床のコケ怍物が分垃しおおり、そのうち200皮以䞊が絶滅の危機に瀕しおいるずいわれおいる。日本では庭園や鉢怍えに利甚される。日本では、叀くより蘚苔類は身近なものであり、倚くの和歌の䞭で詠われおいる。珟圚、ミズゎケ類やシラガゎケ類、スギゎケ類、ツルゎケ、ハむゎケなど倚数のコケ怍物が園芞甚・芳賞甚ずしお栜培、販売されおいる。
瀟䌚孊(しゃかいがく、、英:Sociology)は、瀟䌚珟象の実態や、珟象の起こる原因に関するメカニズム(因果関係)を䜓隓・統蚈・デヌタなどを甚いお分析するこずで解明する孊問である。
フランスのオヌギュスト・コントが産み出した孊問で、圓時は歎史孊・心理孊・経枈孊を統合する実蚌䞻矩的な科孊的研究ずしお「瀟䌚物理孊」ず定矩した。
初期の瀟䌚孊に察する瀟䌚孊者の方法論的アプロヌチは、瀟䌚孊を自然科孊ず同じやり方で扱うもののみであった。しかし、19䞖玀に機胜䞻矩から離反した瀟䌚孊が登堎し、埌にそれが䞻流ずなった。
あらゆる瀟䌚・営みの䞭に法則性を探るずいう自由床の高く、「瀟䌚孊的な芖点で研究できるもの」ならば党おを「○○瀟䌚孊」ずいった研究察象ずするこずが可胜である。人文瀟䌚科孊又は瀟䌚科孊に分類される。珟代では、瀟䌚科孊の䞭でも甚語の定矩が曖昧か぀研究の再珟性も䜎い問題が指摘されおいる分野の䞀぀である。
瀟䌚孊(フランス語「」はラテン語「」ずギリシャ語「」に由来する造語)なる甚語は、フランス革呜埌の混乱ず動乱に満ちた初期近代フランスを生きたオヌギュスト・コントによっお䜜られた。コントは、圓時の産業䞻矩ず合理䞻矩を背景ずしお、瀟䌚孊ずは「秩序ず進歩」に寄䞎する「瀟䌚物理孊」であっお、歎史孊、心理孊、経枈孊を統合する実蚌䞻矩的な科孊的研究でなければならないずした。
このコントの思想は、その垫であるサン・シモンに遡る。サン・シモンは、自然科孊の方法を甚いお瀟䌚的䞖界を党䜓的か぀統䞀的に説明する「瀟䌚生理孊」の暹立を䌁おた。このなかで、サン・シモンは、フランス革呜埌の新瀟䌚の秩序を捉えるべく、その瀟䌚倉動の流れを「産業䞻矩」ずしお提瀺した。ここからコントはさらに、近代瀟䌚の構成原理ずしお実蚌䞻矩を提瀺し、産業ではなく科孊をその䞭心に据えるこずになった。そしおその䞭心に瀟䌚孊を䜍眮づけたのである。
コントらの発想は、ゞョン・スチュアヌト・ミル、ハヌバヌト・スペンサヌなどに受け継がれ、実蚌䞻矩の䜓系化が図られおいった。䟋えば、スペンサヌは、むギリス功利䞻矩の考えず、圌独自の進化論に基づいお、有機䜓システムずのアナロゞヌによっお瀟䌚を超有機的「システム」ず捉え、埌の瀟䌚システム理論の先駆ずなる研究を行なった。
実蚌䞻矩の朮流のなかで始たった瀟䌚孊であるが、19䞖玀末から20䞖玀にかけお、カヌル・マルクス、マックス・りェヌバヌ、゚ミヌル・デュルケヌム、ゲオルク・ゞンメル、ノィルフレド・パレヌトらが、さたざたな立堎から盞次いで研究著䜜を発衚した。その方法論、キヌ抂念などは、圢を倉えながらその埌の瀟䌚孊に匕き継がれおおり、この時期は、瀟䌚孊の叀兞的理論の圢成期にあたる。
デュルケヌムは、コントらの瀟䌚発展論(近代化論)を「瀟䌚分業論」ずしお受け継ぎ、分業による連垯を「瀟䌚的事実の機胜的なメカニズム」によるものずしお説明する機胜䞻矩的な瀟䌚システム論を創始した。さらにデュルケヌムは、実蚌䞻矩の䌝統を継承し、自然科孊の方法を瀟䌚科孊ぞず拡倧するこずを「瀟䌚孊的方法の芏準」の根底に据えた。しかし、実蚌䞻矩は自然科孊に察抗するような人文瀟䌚科孊の方法論を打ち立おるものではなく、瀟䌚孊の䞭心思想になるこずなく、りェヌバヌ、ゞンメル、さらに埌にはタルコット・パヌ゜ンズらによっお数々の批刀を受けるこずになる。
こうした、実蚌䞻矩の䌝統を匕き継いだデュルケムの方法論的集合䞻矩(瀟䌚実圚論=瀟䌚的事実)ず、䞻にりェヌバヌによる方法論的個人䞻矩(瀟䌚唯名論)ずの察立は、埌に、「瀟䌚システムの瀟䌚孊」(マクロ瀟䌚孊)ず「瀟䌚的行為の瀟䌚孊」(ミクロ瀟䌚孊)ずしお匕き継がれるこずになった。たた、瀟䌚孊の認識に぀いおは、䟡倀自由のルヌルにのっずったものであるべきか、それずも「粟神科孊」の䌝統に準拠した人文孊的性栌のものであるべきかずいう、実蚌䞻矩ず反実蚌䞻矩の察立が生たれた。曎にはこれも埌に、たずえば、批刀理論ず構造䞻矩的マルクス䞻矩のアプロヌチずしお繰り返されるこずになった。
日本では加藀匘之、倖山正䞀、有賀長雄、建郚遯吟らが瀟䌚孊を茞入した。圓初は圹人の䞭に瀟䌚孊反察論もあったが、山県有朋が「建郚がやっおいるのか、それならいいじゃないか」ずいっお朰れずに枈んだずいう逞話がある。
20䞖玀初頭たではペヌロッパにおいお瀟䌚孊の䞻朮が圢成されおいたが、第䞀次䞖界倧戊埌にはアメリカ合衆囜においお顕著な展開を芋せるようになり、やがおプラグマティックな瀟䌚孊研究の䞭心ずしお発展を遂げおいくこずになった。
アメリカ瀟䌚孊が瀟䌚孊研究の䞭心的地䜍を築き䞊げおいく背景には、19䞖玀末から20䞖玀初頭にかけおの急激な経枈・瀟䌚の倉化があった。南北戊争から第䞀次䞖界倧戊ぞ至る半䞖玀の間にアメリカ産業は急ピッチな発展を遂げ、それに䌎っお郜垂化が進行し、民衆の生掻様匏も倧きく倉わっおいった。このような倧きく倉貌を遂げるアメリカ瀟䌚の実態を捉えるこずが、瀟䌚孊の課題ずしお芁請されるようになっおいったのである。
圓初、アメリカの瀟䌚孊は、1893幎に創蚭されたシカゎ倧孊を䞭心に、人皮・移民をめぐる問題、犯眪、非行、劎働問題、地域的コミュニティの倉貌などの珟象的な偎面を実蚌的に解明する瀟䌚心理孊や郜垂瀟䌚孊が興隆しおいった。アルビオン・スモヌル、りィリアム・トマス、ゞョヌゞ・ハヌバヌト・ミヌド、ロバヌト・E・パヌク、アヌネスト・バヌゞェス、ルむス・ワヌスら、有胜な研究者たちの掻躍によっお、1920~30幎代にシカゎ倧孊は、アメリカの孊䌚においお匷い圱響力を及がすようになり、シカゎ孊掟ず呌ばれる有力な研究者グルヌプを圢成するたでになった。
ペヌロッパの瀟䌚孊は芳念的・方法論的偎面を重芖する傟向が匷かったが、アメリカ瀟䌚孊は珟実の問題を解決する方向性を瀺すずいう実践的偎面が匷くみられる。この点は、実際的な有甚性を重芖するプラグマティズムの粟神的な䌝統によるずころが倧きく、たた、前述のような瀟䌚的芁請もあっお、地域瀟䌚や家族などの具䜓的な察象を研究する個別科孊ずしおの傟向を持぀ようになった。
しかしパヌ゜ンズの理論は、その科孊論的・政治思想的な構想があたりに遠倧か぀耇雑であったこずから、正しく評䟡されおいなかったずもされおおり、たた、合理的遞択論のケネス・アロヌらが指摘するずころによれば、パヌ゜ンズ自身が掲げた芁求にしたがった理論圢成もなされおいなかった。パヌ゜ンズの瀟䌚システム論は、結局、統䞀理論構築にたではいたらず、以䞋に芋るような、䞻にミクロ・レベルの芖点に立った理論がさたざたな立堎から提唱されるようになった。
機胜䞻矩からの離反の台頭以降・諞問題や批刀.
1960幎代末以降の機胜䞻矩からの離反・「瀟䌚孊」の倚様化.
第䞀次䞖界倧戊、第二次䞖界倧戊の惚犍を県前にしたペヌロッパ瀟䌚孊では、理性信仰の厩壊ずずもに、西掋近代瀟䌚の構成原理そのものぞの反省が生たれおいた。そこで、旧来の瀟䌚孊における機胜䞻矩の流れずは別に、ドむツでは、テオドヌル・アドルノやナルゲン・ハヌバヌマスに代衚されるフランクフルト孊掟の批刀理論、フランスでは、ルむ・アルチュセヌルらの構造䞻矩的マルクス䞻矩、ミシェル・フヌコヌの暩力論が展開された。
これらの動きずずもに、埌期近代化ぞの動きを背景ずしお脱産業化論、玛争理論などが唱えられ、1960幎代末には機胜䞻矩からの離反が決定的なものずなる。こうしお、いわゆるミニ・パラダむム(この語法は本来は誀りである)の乱立ず称される時代を迎える。以䞊の理論の他に、日垞䞖界ぞの着目から、シンボリック盞互䜜甚論、珟象孊的瀟䌚孊、゚スノメ゜ドロゞヌ、ピ゚ヌル・ブルデュヌの瀟䌚孊などが圱響力を持぀ようになるずずもに、ゞェヌムズ・コヌルマンら方法論的個人䞻矩の立堎からは合理的遞択理論なども唱えられるようになり、瀟䌚孊が倚様化し、研究察象ずなる領域も、たずえばゞェンダヌの瀟䌚孊ずいった具合にさたざたに分化し拡倧した。
ただし、この倚様化によっお、同時に瀟䌚孊ずいうディシプリン内郚での察話の共通基盀が倱われるこずにもなった。䞊述のように「瀟䌚孊」ずは実蚌䞻矩を最重芖する孊問ずいう歎史的文脈が忘华されるず、機胜䞻矩に察するカりンタヌずしおの意矩をもった諞ミニパラダむムは逆に混迷を深めた。䞀方で、(クヌンが本来意図した意味での)パラダむム、すなわち経隓的統蚈デヌタに基づく調査研究は疑問芖されるこずなく確立しおいったが、他方でかかる研究のよっお立぀べき思想・芖点、぀たりは瀟䌚孊の独自性ずは䜕なのかずいう問題が問われるこずにもなった。
圌が調査したずころ、2000-2008幎たでの日本における瀟䌚孊論文誌(瀟䌚孊者による査読がある論文誌)における執筆者の身分割合は、瀟䌚孊者の䞭でも䞍安定な身分である「孊生・非垞勀」が56%なのに察しお、教授等が僅か17%であった。たた「孊生・非垞勀」ず「教授等」の間の身分である「助手や研究員」の瀟䌚孊論文誌における執筆者割合は24%であり、安定した身分を埗る皋に、査読論文を曞いおいる比率は枛っおいく。査読(peer review)ずは本来専門分野を同じくする研究䞭の孊者同士で行うモノであるが、珟状は安定した地䜍にいお論文を曞かない人たちが、䞍安定な身分だが研究䞭の孊者の論文を審査するようになっおいるず指摘しおいる。倪郎䞞は、日本の瀟䌚孊者は査読されるこずを䞍愉快に感じおいるため、査読論文を曞かずに䞀般曞や玀芁にばかり投皿するのだず指摘しおいる。
日本孊術振興䌚によるず、囜際的な瀟䌚孊誌での日本人の論文掲茉率および被匕甚率は孊者数比で極端に少なく、囜際的に䟡倀があるずされる孊者が皆無に近いこずが吊めない。぀たり、日本囜内で瀟䌚孊者ずしお高く評䟡されおいる人物が、囜際的には評䟡されおおらず、日本の瀟䌚孊が䞀切囜際化しおないず指摘されおいる。
2021幎立教倧孊瀟䌚孊郚瀟䌚孊科教授の村瀬掋䞀は、昚今の瀟䌚孊は枬定や分析に倱敗しおおり、信頌出来ないような「質的調査」、盎感での分析や構築䞻矩などの解釈や印象批評に逃げおいるず批刀しおいる。圌は構築䞻矩などに぀いお、「具䜓的な枬定法や分析法を䜜るこずができなかった孊問」ず指摘しおいる。昚今の瀟䌚孊は瀟䌚を正確に研究出来おおらず、「蚘述的瀟䌚調査(質的瀟䌚調査)」の倚数が偏ったデヌタで「朚を芋お森を芋ず」の䞍適切な研究であるこず、的確な枬定法ず分析法がない状態で「研究」しおいるず批刀しおいる。
そしお、゜ヌカルはポストモダン思想を「内実のない蚀葉遊び(蚀語遊戯)」だず指摘したが 、゜ヌカル事件事件盎埌の予想を反しお、ポストモダン思想は滅びず、逆に圱響力を増した。そしおポストモダン思想は「瀟䌚正矩の恫喝」ぞず倉容し、欧米では2010幎代からポストモダン思想的な「瀟䌚正矩」が過激化するようになり、瀟䌚問題になっおいる。
瀟䌚孊は、瀟䌚科孊の分野の䞭でも心理孊、経枈孊等共に、自然科孊ずの比范で甚語の定矩が曖昧か぀研究の再珟性も䜎い問題が指摘されおいる。そのため、アメリカ合衆囜囜立衛生研究所(NIH)は䞀郚の瀟䌚科孊分野の珟状の是正の方向性を瀺す戊略を発衚した。
2017幎から2018幎に数人の研究者らが、孊術の䞖界が䞀般人の知らないこずを良いこずに瀟䌚孊等の人文系が特に異様な状態ずなっおいるこずを拡散するために、瀟䌚正矩界隈で著名な査読付き孊術誌にデタラメ論文を投皿する「実隓」を新たに行なった。圌らは、「客芳的事実よりも瀟䌚的䞍平等に察する䞍満を優先し、特定の結論のみが蚱容される孊術分野」を「䞍満研究(グリヌバンス・スタディヌズ)」ず呜名した。そしお、圌らが「孊問ずしお貧匱であり、査読基準が腐敗しおいる」ず考えおいた孊術分野である、文化・クィア・人皮・ゞェンダヌ・肥満研究・セクシュアリティ研究を専門ずするの孊術誌にデタラメなおずり論文を投皿し、これらの「専門家」の査読を通過し、認められるかどうかを詊す実隓がされた。
狙い通り、䞀幎間で曞いた20本のデタラメ論文のいく぀かは査読担圓の瀟䌚孊者らに絶賛された。そしお、通垞ならば7幎間で評䟡されるテニュア(高等教育機関の終身圚職暩)獲埗には充分な「7぀の査読論文実瞟」をわずか䞀幎だけで獲埗した。出著者たちは、獲埗埌にコレを暎露し、瀟䌚孊の実態を批刀する自分たちの䞻匵の裏付けずした。これは「第二の゜ヌカル事件」又は「䞍満研究事件」ず呌ばれる。
ゞョンズ・ホプキンズ倧孊のダシャ・モンクは、「巊掟ず孊者の間で匕き出された郚族的な連垯の量」を指摘し、暎露埌の圌らの反応の倚くが著者らに察する玔粋な人身攻撃だけであり、おずり論文で刀明した「(これらの分野の査読や内容自䜓に)実際の問題があるこずを事実ずしお認識した人はほずんどいない」「ゞェンダヌ研究のような分野の䞻芁なゞャヌナルのいく぀かは、真正な孊問ず、知的に空虚で倫理的なデタラメを区別できなかった」ずいう事実も指摘した。
日本では「シニカルな理論: アクティビスト(掻動家)の孊問はどのようにしお人皮、ゞェンダヌ、アむデンティティに぀いおの党おのを぀くりあげ、䜕故これが党おの人に害をなすのか(原題:Cynical Theories: How Activist Scholarship Made Everything about Race, Gender, and Identity - And Why this Harms Everybody、邊題:『「瀟䌚正矩」はい぀も正しい 人皮、ゞェンダヌ、アむデンティティにた぀わる捏造のすべお』)」ずいう本が翻蚳されお玹介された。
珟実の瀟䌚からデヌタを取る手法ずしお、さたざたな方法が考えられおいる。䞻ずしお瀟䌚調査が甚いられるが、これは瀟䌚で起きおいる事象に぀いおの調査党般(アンケヌトやむンタビュヌなど)を指す。瀟䌚調査から埗られたデヌタから考察や自身の仮説の怜蚌を行う。